2004年10月 |
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2004/10/31 |
■ おしどり右京捕物車 第2話「炎」1974.4-9松竹/朝日放送 「仕事」を開始するはじめの一話。箱車の操作がうまく行かない描写や、夫を危地に出したくないはなが押し手を拒否したりする一幕もある。しかし右京は、己を危険に晒すことに生き甲斐を見出そうとするのだった。 ロケ地、盗品捌きの荷をやりとりするならず者たちのアジトがある芝口(埋立地)が複数のロケ地を用いて表現される。端緒となる岡っ引殺しは琵琶湖西岸、右京夫婦がゴロツキに囲まれる葦原や船の描写に広沢池、これに木津川流れ橋と周辺をミックスしてある。流れ橋では、橋桁に細工されていて観念が川ボチャという珍しい画もある。あと、観念に箱車を押させようとするシーンで神光院境内。棒で一人箱車を操作しようとして転げ落ちる坂、金戒光明寺東坂。北町奉行所に御所事務所長屋門。 ■ 新選組! 第43話「決戦、油小路」2004.10.31NHK 元新選組ゆえに受け入れられない伊東、大久保の示唆で近藤暗殺を謀るも才子の目論見は近藤の「命がけ」の誠意に屈する。伊東暗殺は鍬次郎のフライング設定で、油小路の死闘は仕方なく至る仕儀に描かれ、平助の死は多大な喪失感をもたらすのだった。 *窮してトシに泣きつく捨助、途中で本来の動機に立ち戻り去る…やっぱりまだなんかやらかすみたい。 |
2004/10/30 |
■ 赤穂城断絶 深作欣二監督作品 1978.10.28東映 忠臣蔵を見るたのしみは、ディティールに尽きる。 畳替え、お料理違い、烏帽子大紋への着替えなど前段の細かいエピソードが収斂して松の廊下、ここでも抱きとめが梶川殿か本蔵かなんて差異もある。キャスティングでも、脇坂淡路守を誰がとか天野屋は出るのかとか、もうほんとに細かいんである。 しかし本作は、涙の開城も、垣見五郎兵衛も、南部坂雪の別れも無し。ましてや定九郎やお軽勘平や神崎与五郎東下りや羽織の別れなんか一切出てこない、スピーディの一語に尽きる。テンポは「仁義なき戦い」に似ているかもしれない。 もう、吉良さまの苛めシーンすっ飛ばして松の廊下、収城使なんて遠景で終わり、浮さまのくだりも慌しく、吉良邸調査なんか大石出府後いきなり忍び込んで調べるという荒っぽさ。討ち入りも各人のエピソードはほぼ省かれ、殺伐たる殺陣が繰り広げられる。極めつけは泉岳寺に引き上げの行列が無くて、もう義士切腹。でもって最後にハラキリのヨロキンは、累々と並べられた同志の棺を見て仕置の場に臨むという仕立て。このいっそ小気味よい二時間半、見て損なし。 ロケ地、江戸城登城の諸大名、二条城北大手門、二の丸御殿、本丸西橋。赤穂城、彦根城天守、天秤櫓、太鼓門櫓。逃亡にかかる大野九郎兵衛を追う若侍たち、相国寺宗丹稲荷前。赤穂城堀端に居着いた不破数右衛門に切腹の作法を乞う主税、彦根城観月台橋たもと。柳沢吉保が色部図書と大石談義、玄宮園。屋敷を移る吉良を狙う江戸同志のくだり、呉服橋吉良邸は大覚寺大門で対岸に浪士たち。吉良の駕籠が通るのを待ち構える浪士たちが潜む回向院、金戒光明寺(極楽橋たもとに線香屋セット、潜伏に墓地と境内)。吉良の駕籠がやって来る道、南禅寺僧堂坂。駕籠が去ってゆく坂、金戒光明寺東坂。大石に刺客を放つ小林、色部に次第を告げ見下ろす、永観堂御影堂見下ろしのショット。大石以下お預けの細川家下屋敷、知恩院北門。 *大石にヨロキン、内匠頭に西郷輝彦、吉良さまに金子信雄、色部に芦田伸介、柳沢に丹哲など豪華この上ないキャスティング。屋敷移りの際橋本を襲う密偵に福ちゃん。 |
2004/10/29 |
■ お祭り銀次捕物帳 第10話「人情牢破り」1972.5-8CX/東映 無実の罪に落とされた親子を救うお話、足の悪い男児のリハビリも兼ねる、青春ドラマ風の展開。脱獄はなく、どっちかというと乱入。 ロケ地、「父」が金を盗ったと証言した女を連れ込んで真実をと迫る銀次たち、吉田神社竹中稲荷参道重ね鳥居。ラスト、京太のリハビリ階段、豊国廟参道石段。 *今回も岡っ引と与力が悪事に加担、与力に和崎俊哉。*長兵衛さん、牢屋敷の前で逡巡の安五郎をからかって思いとどまらせたり、殺し屋潜入情報を持ってきたりと活躍。*調書閲覧は岡っ引でないとダメと言われた銀次に、銀平とっつぁん十手をポンと渡す…イージーな奉行所…。 ■ 暴れん坊将軍 II 第150話「おんな大学、新さん疑惑の夜働き!?」1983-1987テレ朝/東映 遊び好きで金遣いの荒い勘定奉行に金奉行とその一味、借金返済に追われ御金蔵からちょろまかし。蔵改めが近付いて大慌て、補填のため金蔵を襲うというトンデモを仕出かす。 お話は、このワルどもに翻弄される金蔵同心頭とその娘を中心に進む。娘が関わっている塾で新さん大モテとなり、お屋敷探しの段で女の子たちが騒ぐ「堀端でいつも消える新さん」が金蔵破りの犯人とされて、大騒動。 ロケ地、当世娘道場が開かれる「江戸の東慶寺」・常念寺、相国寺大光明寺。つきまとう娘たちをまく方法はと歎ずる上様、嵐亭延命閣。いつも平河濠あたりで消える新さんを探し、大名屋敷の門番に「徳田家」のありかを聞く娘たち、二条城内濠端。不浄門から出て堀端へ上がる新さん、嵐山公園中州湛水域。金蔵同心頭の矢島が襲われているのに介入の新さん、相国寺鐘楼、宗丹稲荷。ワルの手に落ちた矢島の娘を救い出した新さんが身分を明かす神社、今宮神社(合祀摂社、境内)。 *金蔵同心頭に小林昭二、渋い。 ■ 必殺仕業人 第12話「あんたこの役者どう思う」1976.4.2ABC/松竹 謎めいた旅姿の女が次々に「仕業人」を訪ね、殺しを依頼する。危険を感じたチームは女を消そうとするが、事情を聞き常の三倍の金を出されて仕事にかかる。ターゲットは旅の一座、裏の顔は凶盗で、依頼者の娘は引き込み役の色男に誑かされ親族を殺され財を失っていた。 ロケ地、瓢右ヱ門に客を食われて暇な赤井夫婦に「依頼」の娘、今宮神社楼門。酔って上機嫌で帰途につく主水に「依頼」を上げる娘、中ノ島橋。賊が襲った埼玉中河原村庄屋屋敷、民家門。恋仲だった一座の男を追い、一味に川に投げ込まれる娘、保津峡落合河口付近巌頭。一座を目指し股旅ルックで街道をゆく主水ら、流れ橋を渡り河原を渡渉。凶行をなした一味を追う仕業人たち、大覚寺御殿川手すり際。 *冒頭、四人の仕業人に次々接触する娘のくだり、緊張感をいや増す演出が見事。高額の頼み料に狂喜し細かい金勘定をする剣之介も傑作。一味への仕掛けは上演中の舞台で執行、ダイナミックで見もの。股旅ルックの三人もお遊び満点。仕業人の名を漏らした者の情報は不明なままなのもあれこれ想像する楽しみを残し、絶妙。 |
2004/10/28 |
■ お祭り銀次捕物帳 第9話「うそつき寅は見た」1972.5-8CX/東映 抜け荷摘発もの。夜中に荷を運んでいるのを目撃した子供が信用してもらえずフテるのを掬い上げてやる銀次、今回この子を助けた際負った傷で寝たままの演技となる。 ロケ地、寅の叔父が死体で見つかる川岸、大覚寺放生池堤。 *銀次は終始寝間で安楽椅子探偵を決め込み、銀平のとっつぁん大活躍。金と女を掴まされて情報を流していた同心に長谷川明彦、中途半端なワルの苦悩を好演。相手の女は赤座美代子、抜け荷商人は高品格。長兵衛さん、見舞の菓子箱の掛け紙にヒント書いて提供のお茶目。 ■ 大奥 第一章 第4話「母上の死」2004.10.28CX/東映 将軍・家光の癇性な放埓、大御台・お江与の方の自滅的ともいえる死に様を描くドロドロ愛憎劇。遠かった母の手は、断末魔に「竹千代」を求め虚空に落ちる。 ロケ地、お江与とおふく対峙の廊下、粟生光明寺方丈(見返りのロングは合成っぽい。細かい要素が微妙に違い、相国寺方丈みたいな部分もあり)。秀忠の一度きりの浮気におふくが噛んでいたと知り、野点の席でお茶ドボドボのお江与、姫路城西の丸。家光に「男狂い」の風評について糺すおふく、彦根城玄宮園池畔土橋。帝に拝謁のため京にのぼる一行がくぐる城門、姫路城菱の門。見送る女たち、天守バック。お江与の方不予の報が入る京のイメージ、二条城二の丸御殿門。稲葉正利の死後、おふくに自分を息子と思えと告げる家光、彦根城臨池閣。 *今回の「美味でごじゃいまするぅ」は芥子蓮根。 ■ 暴れん坊将軍 II 第149話「あゝ、嫁入り志願三人娘!」1983-1987テレ朝/東映 主役はタイトルの娘たちではなく、その兄。ぐうたらで怖がり、二の丸お火の番をお化けが出るからとやめたその男、小納戸役を仰せつかりいやいや上がったお城で暴れん坊将軍に会う。 以降、将軍暗殺騒動に巻き込まれた男は替玉にされて危機一髪、怖気をふるって致仕を申し出るが土壇場で改心、男をあげて昇進でメデタシ。 ロケ地、情けない小納戸役・小出三四郎がお忍びの上様を待つ門、東福寺六波羅門。上様が「徳田新之助」で現れる、東司脇。畳職人のヘルプでめ組が入る門も六波羅門。畳替を終えた職人たちが帰る際の「廊下」、通天橋。致仕を申し出たあと、とぼとぼ歩きつつ忠相の言葉を反芻の。三四郎、南禅寺僧堂坂〜三門(「夜明け」鳴るなか新さんも同じとこを歩く)。 *三四郎に大地康雄、三人の妹に手を焼くダメ男を好演。*今回の策謀は奥医師によるもの、徳川家を仇と狙う理由は犬公方に一族を滅ぼされた恨みから。手下の忍群は豊臣忍の天魔一族、職人に紛れて入る刺客・左田次郎に福ちゃん。大工のカッコして入り、将軍の寝所に斬り込むが、いたのは三四郎なうえ忠相らに察知されており追い詰められて自刃。 |
2004/10/27 |
■ お祭り銀次捕物帳 第8話「幽霊大泥棒」1972.5-8CX/東映 続く幽霊ネタ、今回「出る」のはおみつの実家・河内屋。もちろんお芝居で、堅物の番頭が水茶屋女に誑かされて盗人の手引きをしたもの。ワルの内輪もめがラス立ち段階で描かれるが、水茶屋女の意外な純情なども盛り込まれている。 ロケ地、岡っ引が盗っ人と女を待つ船着き、不明(広沢池畔か)。直後、ラス立ち場となる大覚寺天神島へスイッチ。盗っ人が女を刺す/刺されるのは碑の前。河内屋の主が元々の「幽霊」であるお葉さまの供養を催す寺、西寿寺(本堂外観、田村のいたずら幽霊が「出る」のは石塔前)。 ■ 長七郎江戸日記2 第50話「桜川・母娘花」1989.4.25NTV/東映 生活苦から売った継子を探しに江戸へ来た母、娘と出会ったのは職場が凶盗に襲われた現場だった。賊の頭に命じられ母を殺しに来た娘は曲折あってようやく心を開くが、母は娘のため賊に斬りつけ敢無く落命してしまうのだった。 ロケ地、花見の大川、木津河原。常陸の里で女衒に売られるおきわ(回想)、広沢池西岸(設定は水害後のお救い小屋)。常陸への街道を戻るおすま、木津堤。長さん一行が戻る道、おきわがぐずる橋、流れ橋。事後、国へ帰るおきわの見送り、木津河原と橋。 *女衒に小峰さん、なんてよく似合うこと。*辰、ヘアースタイルを自慢、髪の伸びる話をしている…。*ラス立ち、名乗っても効果ない賊どもにもきっちり着替えてくる長さん、なんかおかしい。小屋の戸勝手に開くし。桜が殺陣の背後で竜巻状だし。 ■ 暴れん坊将軍 II 第148話「吉宗危うし、消えた御神刀!」1983-1987テレ朝/東映 神君の御神刀を盗み出し、手柄にして復帰をはかる名門旗本。しかし手違いで刀は酒飲み浪人のもとに。そして回りまわって先々代の世に起きた絵島事件関係者が、幕府転覆に利用しようとする珍展開となる。 ロケ地、加納邸付近で町方に追われる刀泥棒、相国寺大通院角〜鐘楼。目撃者の、浪人の娘に話を聞くため遊び場へ赴く新さん、大覚寺天神島。旗本・橋爪大和守邸、相国寺大光明寺(弓の稽古の大和守は石庭、様子を窺う才蔵は仕切戸の狭間から)。 *酒癖の悪い浪人に長門勇、暴将常連ゲスト。厚遇パターンが多いが今回も道場貰ってラッキー。ラス立ちでは独特の立ち回りを披露、槍でないのが残念。*絵島事件関係者がプランを開陳のくだり、将軍暗殺を映像化してあるのが笑える。上様、衣冠束帯で斬られちゃってる。 ■ 必殺仕業人 第11話「あんたこの根性をどう思う」1976.3.26ABC/松竹 舞台は岡場所、依頼者の、したたかだが肝心なところが抜けている女郎が、大金を騙し取った楼主と手下を指名。筋立てはシンプルだが、当の楼にお歌が売られたり、他の男にヤラれては困る剣之介がバイトに精出したり、仕事に入ったやいとやと剣之介が見つかりそうになって女装するしと、どたばた喜劇で進む。そして今回の見ものはなんと言っても吉田日出子演じる女郎のおさと、目まぐるしく回しをとりせっせと貯めこむ金が百五十両に達するから凄い。また、その金で女郎屋を買い取ろうというから無茶すぎの展開。金を全部とられた上に楼からはポイっと放り出される悲惨な状況なのだが、ぜんぜん堪えてない元気さがタイトルの「根性」。 ロケ地、夫婦喧嘩で飛び出したお歌が、玉出し屋の粂八に無理矢理連れ去られる大川端、大覚寺大沢池畔〜護摩堂前(池水少なし)。 |
2004/10/26 |
■ お祭り銀次捕物帳 第7話「怪談殺された幽霊」1972.5-8CX/東映 大ワルの検校が幕閣への貢物にする小町娘を拐かすお話、手口がふるっている。阿漕な高利貸しの座頭が殺されたあと、借主宅へ化けて出て娘を利息に貰うと言って消える。もちろん検校が仕組んだお芝居で座頭は生モノでグル、「出る」のが金田龍之介だから血も凍るビジュアル、天井から下がったりもする。 ロケ地、清悦が刺される大川端、中ノ島橋(刺殺は橋上、ドボンあり。堰堤背割にグルの岡っ引)。杉森検校邸、相国寺林光院(門、玄関)、鐘楼前。清悦の娘拉致と聞き乗り込み決心の銀次、木島神社本殿前。 *清悦の娘の許婚者・彦の市に池田秀一。 ■ 暴れん坊将軍 II 第147話「罠にはまったカッポレ娘!」1983-1987テレ朝/東映 女幇間・染八ご難のお話、父殺しの罪で危機一髪。裏には、油の安売りを阻止したい肝煎と油奉行の陰謀、というありがちなパターンの一話だが、女だてらに野だいこのお染がきゃいのきゃいのと大騒ぎするトンデモ系の作り。牢で見る悪夢に長い尺取ってたりするし(計ってみると10%取ってた)。妹のために身を引いて、という哀話であったりもするのだけど、その悪夢がおさい死神でめ組地獄の鬼というファンキーなもので目がそっちに行っちゃってワヤ。 ロケ地、油問屋・房州屋殺害の話をするじい、枳殻邸印月池畔、うしろで奥女中たちが武術の鍛錬、中段のツナギにも使用。肝煎とグルの同心がお染を始末しようとする道、大覚寺天神島橋たもと。逃げる同心をやっつける新さんのバックに心経宝塔。 ■ 必殺仕切人 第16話「もしも討入りに雪が降らなかったら」1984.12.14ABC/松竹 忠臣蔵をパロった一話、真面目な中揩ェ邪魔なお局さまが、家老とグルになり謀殺するという筋立て。 舞台は播州・浅野家の江戸屋敷、謀殺される中揩ヘお浅の方で、対立するお局さまはお高の方(高師直だよね)、お浅の方づきの忠義の腰元はお石で、家老なんかモロの大野九郎兵衛。お浅の方を陥れる手立ての最初は、手文庫から金盗って窮地にとの企みで、これは実家から急遽補填して貰い凌ぐという、お料理違いや畳替えにあたるもの。そして将軍家の姫御輿入れの「使者」が到着の際の「衣装違い」まであり、最後は老松の見える「廊下」で「刃傷」を演出、庭にいたグルの中間が後ろからお浅の方を羽交い絞めにして「刃傷でござる」と騒ぐ悪ノリぶり、お浅の方は自刃を繕って殺されるが、形式は切腹の作法に則っていたりする。その上、「お石」が勇次にもしもの時は仕切をと頼んだうえで「お高の方」の駕籠に斬り込みをかけるというオマケつき。仕切の済んだ翌朝は雪、これを見て夕べに降ってたらと呟く勘平でシメられるが、そもそものっけから勘平の夢が山崎街道の定九郎(中の人は勇次)。 *仕切に赴く新吉の台詞に「播州・浅野家」とあるが、元禄14年に除封となって以来赤穂は浅野じゃないし播州には他に浅野家無いので?だが、これも楽しいお遊び。 |
2004/10/25 |
■ お祭り銀次捕物帳 第6話「美女がつぎつぎ殺される」1972.5-8CX/東映 町でブイブイの旗本奴・赤鞘組、同心(戸浦六宏)と組んで富商へ大掛かりな美人局を仕掛ける。この過程で過って殺された黄八丈を着る娘たちの件を看過し得ず銀次たちは動く。直接の動機が「俺たちの嫁になる女が減る」なのが笑える ロケ地、石段を駆け上りおきみに急を告げに来るは組の若い衆、豊国廟参道。関係ない娘を殺した手下を責める同心、屋形船は大覚寺大沢池上(北東畔)。美人局を仕掛けられている富商の娘から聞いた情報をチームに報告のおみつ、木島神社境内。ラスト景気づけの太鼓、大覚寺天神島。 *黄八丈の娘が狙われたことから、囮作戦に出る銀次たち。一人は中山麻里、今ひとりは渡辺篤史…髭そのまま、裾はしょって脚まるだし。花嫁の替玉もつとめる悪ノリぶり、白塗りに口髭で非常にキモチワルイ。 ■ 忠臣蔵 第二話 2004.10.25テレ朝/東映 総登城で第二の早の報告、騒然となる藩士に小刀や辞世をかざす内蔵助、藩士たちからは歔欷漏れ、自らも泣き入る。後は藩札交換、藩論紛糾、収城使に脇坂淡路守決定、主税が本蔵の娘と破談を決意などのエピソードを描き、殉死について誓紙血判のくだりで幕。 ロケ地、赤穂城、本物(大手東北隅櫓)、桜あしらい。総登城の藩士たち、彦根城天秤櫓。堀部老人たちが江戸から帰着の国境一之木戸、木津河原に柵セット。亡君初七日の泉岳寺法要、墓前で髻を切る家臣たち、大覚寺大日堂南側に墓標セット。夜、帰宅の内蔵助に刺客、南禅寺僧堂坂〜三門。 *藩札交換の高札を読み上げる僧、小峰さん。福ちゃん、帰趨を論議の席で大高源吾のうしろに肩衣姿でちょこんとお座り。 *テレ朝サイト「第二話 赤穂激震」、朝日新聞ラテ欄「怒りと涙の赤穂城!内蔵助動く」。 ■ 暴れん坊将軍 II 第146話「惚れた病いを治す酒!」1983-1987テレ朝/東映 勘定奉行から大目付へ昇進の松浦主水正、在任中の蔵米使っての私腹肥やしがバレるのを恐れ、書付を残していた勘定方を殺害。書付を預けられた岡場所の女は、酒乱だが気のいい大工の熊さんに助けられ、ひとときの幸福を噛み締める。しかし迫る追っ手は女を拉致、上様は紫頭巾かぶって「冷や飯食いの暴れん坊」と名乗り介入するのだった。 ロケ地、登城する松浦の駕籠に立ちはだかる熊さん、仁和寺参道。殺陣は御室桜林に移動し、松浦は中門をくぐって逃げてゆく。 *ラス立ち福ちゃん入り。 ■ 必殺仕業人 第10話「あんたこの宿命をどう思う」1976.3.19ABC/松竹 やいとやの過去が垣間見える一話。 しばらく仕事がないのでイラつくやいとや、主水や剣之介は金が目当てだが、彼は仕事がしたいという、鉄なみの物騒さ。しかし嬉々として仕事にかかったやいとやは、現場でターゲットが養父と知り衝撃を受ける。しかも拾って構っている子供は依頼者の遺児、運命の綾が錯綜するなか主水に粛清されかかる一幕もあり、最後は仲間と共に外道と成り果てた養父を始末するに至る。 ロケ地、太吉を拾うやいとや、罧原堤下河原。養父・弥蔵に呼び出される、今宮神社高倉。主水が弥蔵を誘い出す鎌倉河岸、中ノ島橋(橋上を来る弥蔵たち、堰堤背割にお歌が立ち弥蔵を誘い込み、剣之介が手下を河原へ降りるスチール階段で仕留め、橋下にやいとやが待ち構えて弥蔵をプスリ→ドボン)。 *やいとやの養父に大滝秀治、やいと治療中に刺そうとした気配に気付きギロリと睨む目が怖い。やいとやの両親を掟破りと消すが子の命はとらせず育てる、これがやいとやの太吉拾いとレイヤー構造。わらべ歌が切ない。 |
2004/10/24 |
■ 新選組! 第42話「龍馬暗殺」2004.10.24NHK 悲願のご直参もパァの大政奉還、急速に動く時勢には完全に乗り遅れた新選組。龍馬暗殺は伊原剛志をキャスティングした時点で明らかな佐々木の犯行設定。 脳天気に、近頃時勢に目覚めたと語る平助が哀れ。 ロケ地、西本願寺に本徳寺。大政奉還のナレーションに二条城二の丸御殿車寄せの破風。 |
2004/10/23 |
■ 必殺仕業人 第9話「あんたこの仕組をどう思う」1976.3.12ABC/松竹 旗本の長屋で行われるヤミ売春。欲をかいた主は取り分アップを要求し、欠員を埋めるため堅気になった女に復帰を強要、死に至らしめる。依頼は、女たちの世話役からくる。 ロケ地、旗本・秋葉邸、相国寺大光明寺(門、南塀を使用。塀際では剣之介の豪快な引き倒しが見られる)。堅気になったおようが夫婦でお参りの縁日の神社、今宮神社(秋葉の手下に手招きされるのは高倉脇坂)。復帰を拒み舌を噛んで果てたおようの死体が棄てられる、嵐山公園中州下河原。 *隠し売女の所帯じみた描写が仕業人ワールドによく合い独特のムード。やいとやは、それらか弱き者たちに親切、ケアもマメ。出陣に際しては水難の相に水垢離をとったり、殺しの際も鴨居からぶら下がるなどアクロバティックな演出で目立ちまくり。*剣之介が料金安いとグチ垂れ、物価も上がってるからとみみっちいことをぶちぶち。眠っているので置いてきたお歌が結局追いかけてくるシーン、目が印象的。 |
2004/10/22 |
■ お祭り銀次捕物帳 第5話「幽霊かたき討ち」1972.5-8CX/東映 大店の馬鹿息子の横恋慕で、虫けらのように殺された恋人たち。心中と繕った挙句、売り物の女と蔑む大店の女将をお説教銀次、息子の「晴れ姿」を嬉しそうに聞いてる銀平とっつぁんが傑作。 ロケ地、宣伝のため朝霧太夫のスケッチ藤四郎、大覚寺大沢池に屋形船。太夫について聞くため女衒を待つ銀次たち、木島神社舞殿前。太夫の「幽霊」を出す投げ込み寺、暗くて判らず、鳥居本か。越後へ帰る太夫の妹を見送る石段、豊国廟参道石段。太夫として売り出すと決心の妹分、大覚寺天神島(彼女の前途にと太鼓どんどん)。 *捜査のため吉原へ行くとなると女たちに総スカン、青春ドラマみたい。*銀平と嫌味の応酬の中で情報交換に変わる、漫才みたいな一幕も見もの。 ■ 暴れん坊将軍 II 第145話「つめたい春の夫婦花!」1983-1987テレ朝/東映 おさいを診たことで知り合った医師は侍で仇持ち、目指す相手を見つけるも仇の武芸者は旗本の隠し子で、留守居役を抱き込んでの策謀がめぐらされ仇討ちは断念に追い込まれる。しかし医師の妻の、恩ある父と旅の途に亡くした子への思いは遂に上様を動かすのだった。 ロケ地、松井助四郎の父が久松玄蕃に暗殺される塀際、不明。棚橋家が玄蕃を匿うと報告の庭番、仁和寺観音堂脇、塔下。玄蕃は棚橋の子と報告の才蔵、姫路城はの門付近塀際。偉そうに市中をゆく玄蕃、上御霊神社(舞殿前でめ組と対峙、新さんは本殿脇を走って駆けつけ)。見張りつきで強制的に長崎留学に向かわされる松井夫婦がゆく品川付近の街道、大覚寺放生池堤(小休止の茶店をセット)。助四郎の妻が取って返す道、大沢池堤(のち妻のあとを追う助四郎も同じ)。松井夫婦が留学を強制されたと上様に報告の庭番、上御霊神社水場。新さんはのっそりと楼門をくぐって出てゆく。留守居役が留学の道中で自分を消す企みと聞いた助四郎が怒気を発し走る道、南禅寺僧堂坂。傷ついた助四郎の代わりに大刀を手に取る妻女をとどめた新さんがゆっくりと歩む、僧堂通用門前〜三門。房総の知行地へ向かう棚橋一行、仁和寺参道。立ちはだかる上様、中門。殺陣は金堂前へ移動してゆく。事後、お城の庭で野点上様、姫路城西の丸。 *助四郎に伊吹剛、僧堂坂での斬り合いで落命かと思ったが助かってハッピー。この人、斬り捨て御免でも膾になって助かってた。 ■ 必殺仕業人 第8話「あんたこの五百両どう思う」1976.3.5ABC/松竹 剣之介が持ち込んだ大仕事は料金も破格、それぞれに舞い上がる仕業人たち。警戒厳重な藩邸に、連係もがっちりと仕掛けるさまがテンポよく描かれる。ふだんはダルそうなお歌もきびきびと役割を果たし、細かいしくじりもきちんとフォロー。しかしここは仕業人ワールド、せっかくの奔走も徒労に終わるのは予想の通りなのだった。 ロケ地、立石藩上屋敷、大覚寺大門(様子見の捨三は御殿川に潜む)。商人や職人が出入りの通用門、明智門。立石藩の奥女中が墓参と称し若僧と遊ぶ、護摩堂。これを引っ掛けようとやいとやが連れ込む屋形船、嵐峡船着。 *大金を当て込んで夢見る面々、お歌はマイホーム購入、やいとやは贅を尽くしてリフォーム、主水は油屋の株を買い配当で自適生活、捨三は商売替え、剣之介すら芸のレッスンを志すなど、いいだけ舞い上がる。夢破れた面々の表情もまた、コミカルに描かれる仕業人では珍しいお話。見どころはなんといっても江戸家老の寝所に仕掛ける細工、主水以外のメンバーががっちりとスクラム組んでやり遂げる。用人に仕掛ける主水のシナリオはちょっと荒っぽいが、これもなかなかに見せる。やいとやが珍しく色仕掛けに失敗してムカついてるのも笑える。 |
2004/10/21 |
■ お祭り銀次捕物帳 第4話「小判の行方を追え」1972.5-8CX/東映 安五郎が連れてきた娘の持っていた太鼓から話がはじまる。彼女は豪商の孫で、実は三つ組物だった太鼓には莫大な隠し財産のありかが記されており、これを狙う勘定吟味役との攻防のすえ一万両ゲットの銀次たち。しかし金は娘の申し出で養生所に、銀次たちは三つ組の太鼓貰ってそれなりにハッピー。 ロケ地、根城の神社におそでを連れてくる安五郎、木島神社石段(見下ろし)。釣りの長兵衛のところへ太鼓のことを相談にゆく銀次、大覚寺放生池堤。隠し金目指して出発の勘定吟味役と手下、相国寺大光明寺。同じく発つ銀次たち、木島神社参道。隠し金のある八王子の八幡様、走田神社(参道、本殿前)。勘解由が追い詰められ自刃、民家塀際。 *前回に続きピーター登場、市中での太鼓の取り合いに介入。しかし協力でなく追っかけっこに参加したつもり、浪人たちに太鼓渡しちゃって銀次にオコられ。*太鼓のひとつがあった骨董屋の主に梅津栄、珍妙な顔で頓死。 ■ 大奥 第一章 第3話「命がけの密事」2004.10.21CX/東映 お福の大御所への訴えは功を奏するも、程なく家康は逝去し乳母追放の危機に。ここでお福の企んだ秀忠籠絡の策は、保科忠之を誕生せしめる結果に。 今回はベソかき竹千代いきなり青年将軍・家光にヘンシンで幕。 ロケ地、駿府へ赴くお福に追いついてくる稲葉正勝、琵琶湖西岸松原(北小松あたり?)。駿府城、彦根城天守。小姓たちがお福の三男にして国松づきの正利を苛める、玄宮園か。狩りの秀忠、酵素ダート〜河川敷(雉は「木」にとまらせてある)。おしずが足盥を持ってくる、民家セット(竹林越しのアングルから導入)。野点の席でお福を辱める言辞を吐くお江与、姫路城西の丸。おしず出産の民家、不明。 *三話目でも出る斎藤利三磔刑イリュージョン、今回は遠景でセンセイのお顔はぼんやり。*恐妻家の秀忠、ブルブル震えながらも国松の越権を叱りつけ世継ぎは竹千代と宣言のくだり、よくできている。…しかし「大奥」って、今のも昔のも、女たちのドロドロ愛憎劇っていうより「女にスポイルされる徳川氏」のお話に見えちゃう。*狩りの「雉」はちゃんとニホンキジなのに、道端で聞こえる鳥の効果音がコジュケイなんだよなー。 ■ 暴れん坊将軍 II 第144話「ちゃんを返して、将軍様!」1983-1987テレ朝/東映 遠島の父を待つ姉弟、御赦免を餌に金を毟るワル岡っ引。あまりに高額な金を要求され、幼い弟はたまたま顔を見た将軍が町場をうろついているのを発見、情けにすがろうとする。このがきんちょが将軍将軍と大騒ぎするので、新さんの町歩きが失脚した元老中に知れてしまい暗殺騒ぎに。上様危機一髪の場面もあったりして、親子涙の再会で幕。 ロケ地、六義園御成りの上様のくだり、はじめに大覚寺宸殿まわりを映し、映画村のセットを経て枳殻邸にスイッチ。いつものお城の庭と区別するためか、縮遠亭と回棹楼を用い、蹴鞠には印月池畔の芝地も池上付近を使用。お城を脱けてきた新さんの船が着く堀端、嵐山公園中州堀・堰堤上に船着きセット(鶴吉に目撃される)。鶴吉がさらわれ、脅迫状の指定場所・下谷長園寺裏境内へ赴く新さん、大覚寺有栖川畔(河床から見上げ)〜放生池堤。元老中の手下に囲まれる、鳥居本八幡宮本殿前。鶴吉タテにされ窮地は広場。事後、霊岸島に着く御赦免船、大覚寺大沢池船着(大)脇に船手番所の柵セット。じいから逃げる上様、枳殻邸侵雪橋〜印月池畔芝地(設定、吹上御苑)。 *身を粉にして働く健気な「姉」おさきに「お前、可愛いなー」と述べる新さん、ちょっとオヤジくさくなってきてる。このへん、「まだ若い吉宗であった」と入るナレーションとの分岐点かも。*お城脱出に回る隠し扉から出て汚穢船で不浄門から出る上様、これは鶴吉が将軍様を見つけるシークエンスに使われるが、後段加納じいがヒミツ扉を釘打ちして籠めるも別の回転壁からひらりと出てゆく追っかけっこのギャグにつなげてある。*六義園お成りのくだり、慌しく開門し平伏して待つ侍の一人に福ちゃん、左手のいちばん前に裃姿で控える。ラス立ちには安藤豊前守の家士で登場。 |
2004/10/20 |
■ お祭り銀次捕物帳 第3話「飛びこんだ殺人者」1972.5-8CX/東映 今回は八丁風呂のおふうちゃんしんみりモノ。 旗本と役人がグルになり寺で催す賭場、借金で首が回らなくなり発狂して自店に火付けの油屋など出る始末。ここでイカサマ骰子を作らされていた細工師が逃げ出し、おふうに保護される。逃げる際追っ手のちんぴらを刺殺していた男の扱いに苦慮する銀次たち、最後はブチ切れて寺社地に侵入、おふうの思いも汲んで男を逃がしてやるという挙に出るのだった。 ロケ地、太吉が揉み合いになり追っ手を刺してしまう、相国寺鐘楼脇。釣りの田村に指令を受けに来るおみつ、大覚寺放生池堤。賭場開催の善通寺、相国寺林光院。太吉の法的処理について田村の見解を聞いた銀次が仲間に報告、木島神社本殿石段(見下ろし)。 *今回も事件解決のヒントを告げに来る長兵衛、太吉逃がしに助っ人も手配。これが表は女たちに人気の小間物屋の池之端の新之助、裏の顔は義賊・そよ風小僧というお遊び、ピーターが演じる。長兵衛はほかにも、田村の旦那と一緒に奥祐筆に脅しをくれたりと活躍。*ワル旗本に外山高士、役人に中田博久、和尚に藤岡重慶と豪華にして暑苦しい面々。*今回太鼓は合図用、漏れ聞いた銀平は息子が御法度破りの決意と知る。 ■ 長七郎江戸日記2 第49話「奇妙な息子」1989.4.18NTV/東映 息子を傾き者に殺された母を気遣う若者、彼は盗っ人の一味で目的はその家の床下に隠した千両箱だったが、世話をするうち情が移り孝行ぶりは本物になってゆく。長さんは彼の正体を知るも心底を見極め、諭し庇うが、ワルが「母」を謀殺するつもりと知った男は怒りにまかせて打ち込み落命。折り良く集まったワルを始末の長さん、事後も「母」には事実を気取られぬよう計らうのだった。 ロケ地、思い詰めて入水しようとする「母」、広沢池東岸汀(設定・大川)。 ■ 暴れん坊将軍 II 第143話「倒産前夜の夫婦宣言!」1983-1987テレ朝/東映 日光改修のお役から逃げ回る小藩の悲哀を描く。次はお前んトコと耳打ちの老中に困じ果てた江戸家老は、藩士に女を籠絡させ金を引き出すという奇策を打ち出す。 お話は、相手の女にマジ惚れしてしまい苦悩する藩士と、夫の行動に疑惑を持つものの惚れている女が繰り広げる中年ラブストーリー。 ロケ地、深川の料亭の女将と八戸藩勘定方の馴れ初め、墓参の寺は御室八十八ヶ所放生池橋〜お堂。料亭からの金がおじゃんと聞き、老中を討ちにゆく藩士たち、仁和寺御室桜林、観音堂。 *勘定方、なべおさみで情けない男っぷりが○。コミカルな江戸家老には南利明、欲深老中は田口計で手下には宮口二郎なんか配してあって凶悪。 ■ 必殺仕業人 第6話「あんたこの裏切りどう思う」1976.2.20ABC/松竹 回船問屋・大黒屋は裏で逃がし屋を営んでいるが、多額の料金をとったうえ、依頼者の身ぐるみ剥いで殺し海洋に投棄するという大悪党。 十五年前、恩ある店の息子の罪を着て遠島となった男が江戸に帰還するが、逃がされた筈の息子は海に浮き店も潰れていた。男は大黒屋に怒鳴り込むが、揉み合いとなり刺してしまった若い衆は、行き方知れずとなっていた己の倅だった。 ロケ地、島の爺さまが甚八を迎えにゆく船手番所、広沢池東岸に柵セット。大道芸の赤井夫婦、今宮神社楼門、飴売りの甚八が隣に店を出す。 *やいとやの仕掛けが二段構えとなるほか、船舷に立つ主水のアオリ、置いてきたお歌が待っていて抱きついてくるなどビジュアルが秀逸。 ■ 必殺仕業人 第7話「あんたこの仇討どう思う」1976.2.27ABC/松竹 幼い娘に手を引かれ人捜しをする浪人、旅の目的は女仇討ち。夫の江戸在府中役者によろめいた妻、しかし仕掛けられたもので貢いだ挙句売り飛ばされ、今は吉原勤めとなっていた。 親子に肩入れする赤井夫婦だが、浪人にからみついた悪運は彼の命を断つ。 ロケ地、赤井夫婦が芸をしているところへやって来て詩を吟じはじめる浪人、今宮神社楼門。橋上で吟じる浪人を見て脅え逃げ出す役者、中ノ島橋。吉原で妻に会ったあと剣之介に事情を語る浪人、広沢池畔。回想、妻出奔ののち帰宅の「浪人」、屋敷は民家門。娘と旅行くくだり、顔を洗う小川、酵素河川敷木のそば。赤井夫婦の芸に小銭を置き、母と旅立つ娘、今宮神社東門〜境内。 |
2004/10/19 |
■ お祭り銀次捕物帳 第2話「裏切られた女」1972.5-8CX/東映 一揆衆を売って江戸へ出た恋人を求めて、雪深い村から来た女。しかし男は汚い役人の手先となった挙句、娘の前で斬られてしまう。銀次たちはその場に乱入、裏で糸を引いていた同心と、仲間のちんぴらと格闘、田村の旦那と銀平がいるのはイイが、長兵衛とすずめもフツーに殺陣に参加していて笑える。今回も、娘や落ち込み銀次を励ますため太鼓叩きでハイに。 ロケ地、根城の神社、木島神社(元糺の池畔、舞殿)。夜中に暴きにゆく無縁墓地、暗すぎて不明、鳥居本か。お志津が同心の手下に襲われる野原、北嵯峨農地か。 *お志津に范文雀、恋人の留五郎に高野長英。*長兵衛、行き詰った銀次に情報とヒント与えて去ってゆく(特撮プールの船の上)。 ■ 暴れん坊将軍 II 第142話「吉宗が愛した悪女」1983-1987テレ朝/東映 郡上藩のお家騒動。側室が我が子を次期藩主にと渇望、この動きは欲深老中に利用され、形勢変わるや切り捨てられてしまう。上様は側室が頑なな毒婦となった経緯に責任を感じ介入するが、女の命は救えずに終わる。 ロケ地、忠相と手合わせ上様、姫路城西の丸。若君調伏の修法を終えて帰るお道の方の駕籠を止める上様、二尊院紅葉の馬場。悪い女になったのは上様のせいと難詰される、墓地。郡上藩の若様が遠乗りの途中狙撃される、下鴨神社馬場。行き合わせて騒ぐめ組、池跡。 *お道の方の「事情」、将軍になりたての上様が大奥に奉公していたお道に名を尋ねるがその夜「御成り」なく恥をかいたというもの。名前聞く→伽を命じる、の約束事を知らなかった上様、なんだか今でも知らなかったみたいなニュアンスで笑える。*お道の方にくっついて反対派を斬りまくる武芸者の手下に福ちゃん、峰蘭太郎をバッサリ。そのあとお道の方追捕の家老の手勢にいるし、ラス立ちでは老中の家士としてのけぞっていて、福ちゃん中心に見てると混乱してしまう。*老中に菅貫、居直りの台詞が絶品。 ■ 必殺仕切人 第15話「もしも珍発明展が開かれたら」1984.12.7ABC/松竹 故郷の産業振興を背負って機を織る娘、酒癖のわるい父がいて酒代欲しさにライバル藩の意を受け、娘の仕事を邪魔にかかる。妨害をくぐり抜け織物を仕上げる娘だが、窮したワルに父ともども消されてしまい、新吉が恨みを託される。 ロケ地、勇次と新吉が遠征しての仕事、鳥居本八幡宮(広場、石段)。火打石を探すスキゾー、熊が出たと思い込み死んだフリをして旅帰りの勇次たちに笑われる、保津峡落合河口。 *娘と同じく酒癖の悪い父を持った新吉、急速に心を交わしてゆく。この経緯を横から見ていた勇次、冒頭の仕事で女を冷徹に殺した新吉に投げた嫌味を取り下げ。ただしキザっぽく。*事件の発端は諸国物産展、おさとがブースで機織り実演。スキゾーもブース借りてて発明品を発表するがことごとく失敗。*酒のみ親爺は江幡高志、似合いすぎ。 |
2004/10/18 |
■ お祭り銀次捕物帳 第1話「出発の歌」1972.5-8CX/東映 南町与力・田村兵庫の求めに応じ、八百八町の大掃除に乗り出す銀次たち、起こりの一話は五人の「家出」から。さっそく起こった事件は回船問屋・伊勢屋の抜け荷がらみ、異国へ渡ることを夢見る若者たちが割符を入手し伊勢屋を脅して密航しようとしていた。 五人はわざと悪態ついて涙をのんで家を後にする設定、なかでも銀次は父思いで、邪険にした田村に怒ったりさすがウチの親父と鼻高々だったり、血圧の高さを心配したり。父も同様、馬鹿息子と言いつつ自慢げ。「五人」はお祭りを通して深い紐帯を持ち、事あるごとに太鼓叩いて盛り上がる。太鼓は連絡(うるさいので与力や親父に筒抜け)に使われるほか、音色で娘を説得したり、落ち込み銀次を励ますのにもどんがらと叩かれる。 ロケ地、銀次たちが根城にしている神社、おふうがおみつに色気について語る水場、木島神社元糺の池(社殿バック)。釣りの田村に伊勢屋のことを申し立てる棒の銀平、「亡きお父上は」とやり追い払われる、大覚寺大沢池汀(水門脇)。おとせたちが仲間の死を知る、大沢池堤下。おとせと仲間の船出を見送る銀次、広沢池(海イメージに葦原越しの池、銀次が立つのは観音島)。見送り後、とぼとぼと神社の段を登る銀次、豊国廟参道。 *銀次と共に家出組は計五人、それぞれの家族との別れがめまぐるしく描かれる。*おとせから割符を奪おうとするのが話の起こり、伊勢屋とグルの伝六親分が追い使う掏摸の新七に福ちゃん(クレジットには福本清二と書かれている。役名表記はなし)。銀平に騒がれて未遂に終わり、かさかさと逃げてゆく。伝六は内田朝雄、下っ引に江幡寛児(現・江幡高志)。おとせの父がルソンにおり、そこへ行きたい設定なのもトンデモ要素の一つ、国脱けを田村と長兵衛は「六十余州所払い」と笑っている。 ★キャスト覚書 銀次/あおい輝彦(岡っ引の子、自称お祭りトンビ。得物は太鼓の撥) 棒の銀平/進藤英太郎(岡っ引、銀次は50過ぎでできた一人っ子。銀に朱房の十手は吉宗を暴れ馬から助けて大岡忠相から拝領) 安五郎/田辺靖雄(風呂屋の倅、養子。4話で孤児の設定も) 藤四郎/渡辺篤史(浪人の子、絵師志願) 小次郎/内田善郎(貧乏旗本の子、蘭学を学ぶ) おみつ/中山麻里(呉服屋の令嬢、おとこ女) 田村兵庫/山口崇(南町与力) 一本長兵衛/露口茂(乞食頭) すずめ/萩原健一(長兵衛の手下、銀次称は「もじゃもじゃ頭」) ■ 忠臣蔵 第一話 2004.10.18ANB/東映 イケイケ天然系の津川綱吉に、わりと上品な伊東吉良さま。内匠頭は線の細い人、あまり癇性には見えないが屏風にケチの時点でキレかけ。上杉の家老には夏八木勲、楽しみ。 束脩の鰹節蹴っ飛ばし、精進料理、衝立にケチつけ、畳替、烏帽子大紋の衣装違いなどお決まりのエピソードもちゃんと入って松の廊下へ。 今回は二回目の早が赤穂到着で泣き入る内蔵助、で幕。 ロケ地、赤穂城、本物(大手東北隅櫓)。弓のお稽古内匠頭は姫路城西の丸わの櫓前。呉服橋吉良邸、妙心寺龍泉庵門。加古川本蔵邸、好古園築山池泉の庭(門と池泉)。伝奏屋敷、随心院薬医門と大玄関。鉄砲州の浅野上屋敷、大覚寺大門。江戸城、姫路城天守。刃傷は浅野と詰める家士たちに発表の登城口、菱の門。主の死体を引き取るべく田村右京太夫邸へ向かう浅野の家臣たち、妙心寺玉鳳院塀前。田村邸、衡梅院門。泉岳寺、不明。戸塚で馬を潰したあと早駕籠で赤穂へ急ぐ原と大石、谷山林道〜嵐山自転車道〜琵琶湖畔松原。 *畳職人の元締にうっかり八兵衛、脇坂淡路守にだぜい与力、目付の多門に人情同心が配され見どころを作る。安兵衛が西郷どんに見えてしまうのが笑える。 *本編にはサブタイ無し、テレ朝公式サイトには「第一話 刃傷 松の廊下」、朝日新聞ラテ欄には「今夜甦る史上最大の復讐劇!主君の無念を晴らす四十七士!涙と感動の物語」のキャプション、東映サイトには単に「第一話」。 ■ 暴れん坊将軍 II 第141話「悲願!お小夜アイヤぶし」1983-1987テレ朝/東映 埋立地スラムもの。司直の手も及ばぬ「隠れ里」備中島は、出羽備中守の祖先が神君のお墨付きを頂いたもので、潜入した岡っ引など虫けらのように消されてしまう番外地の無法地帯。お墨付きをタテに町方の調査を拒む備中守に、上様は自身で悪を見届けたらばと迫って言質をとり、無頼に身をやつし潜入。そこで、顔も知らぬ父を捜す津軽娘と出会う新さん、力になろうとするが、当の父は島を牛耳るワルの用心棒と成り果て、しかも死病に取りつかれていた。 |
2004/10/17 |
■ 新選組! 第41話「観柳斎、転落」2004.10.17NHK いつも、どのように嫌味な真似を仕出かすか楽しみだったキャラにピリオド。 もう、じたばた炸裂、伊東に縋るは、若手隊士放ったらかしで死に追いやるは、挙句の果て薩摩にコンタクト。脱走して祠で寝てるとこや、河合の墓に真夜中詣でるとこは傑作。 ロケ地、屯所に本徳寺。 ■ 必殺仕業人 第5話「あんたこの身代りどう思う」1976.2.13ABC/松竹 富商の馬鹿息子が仕出かした不祥事を金で揉み消す、よくあるパターンの話も仕業人ワールドでは薄ら寒く物悲しい。 赤井夫婦の危うい日常を導入に今回の被害者が棲むスラムを描き、変態息子がやいとやの真似をして女をいたぶるシーンを殺しにつなげる、見応えのある構成。主水に亭主の死を告げられた女の驚愕が、役者に「目を灼かれるよう」と言わしめたこれでもかの過剰照明によるホワイトアウトで表現されるのも見もの。 剣之介の仕掛けは相変わらずなんかどたばた、今回は手違いを力押しのダブル締めが迫力。 |
2004/10/16 |
■ 風車の浜吉捕物綴 1981.5.22CX/映像京都 病弱な妻子のため節を曲げ、盗っ人を見逃す代わりに金を得た岡っ引は江戸払いとなる。 五年を経て帰還するも妻子はとうに亡く、再びの十手も断った浜吉は、妻によく似た女と、亡き子と同い年の男児を見守り暮らすうち、許せぬ悪に会う。 浜吉に平幹二郎、悪辣な手口で女を入手し異国に売り飛ばすワルに梅宮辰夫。 ロケ地、江戸払いとなる浜吉が妻子との別れ、広沢池西岸(農地から)〜湿地に苫屋セット。浜吉が店を出す縁日、真如堂か金戒光明寺か(モノいっぱい置いてあるしローアングルなので皆目判らず)。おむらの死体上がる深川沖と浜、琵琶湖。猩々の銀の手下に追われるおむらの恋人の旅役者、金戒光明寺参道石段〜永雲院下坂。浜吉に復帰をしつこく迫る弟分、仁和寺北塀(外側、塀越しに境内が見えるアングルもあり)。弟分がおむらの死因に疑問を抱き吠える浜、琵琶湖西岸水制上(遠景に八幡の山なみ)。 *浜吉の作る風車(気仙のものという挿話あり)、銀の飼う闘鶏用の凶暴な軍鶏などのビジュアルが見もの。 ■ 水戸黄門漫遊記 三隅研次監督作品 1958.12.21大映 隠居して西山荘で過ごす老公が、お忍びでの旅を思いつく。さしたる反対もされず、お供に助格二人を連れて楽しげにゆく道中では、さっそく悪代官がいて懲らしめる。これがとんだ仕込みで、悪代官からやんやの喝采を叫ぶ民衆も手配されたものと知った老公、助格も置き去りに一人で出奔。その道中で遊び人二人を引っ掛け、助格ということにして旅をゆく。二人は老公を偽者の大騙りと思っている設定。蓮っぱな女も一人加わり、これが老公の落し子というお墨付きを持っていたりの珍道中。そして仙台で聞いた二本松藩の世継ぎをめぐる紛争に介入の老公、拾った女と遊び人二人の正体は見てのお楽しみ。 ロケ地、街道筋、壊滅的に判らず。老公が白石之館を出たあと、本物の助格に行き先を告げる鳥追い姿の琴江、民家門。仙台青葉城、二条城東大手門。二本松藩の城を出る老公、二条城二の丸車寄せ〜東大手門(現在パーキングとなっている「道」を勝新の「下にーぃ」の先導で老公の駕籠がゆく。地道の模様)。 *光圀に中村鴈次郎、夜中に雪隠探してブルブルしながら右往左往のシーン、二日食わずでふらふらになって白石之館へよろばい入るシーンなど傑作の演技。老公中心の立ち回りもあって、得物はやっぱり杖。*偽助さんとなる遊び人の癲癇持ちのほう、カツシン。ユーモラスな役どころを軽妙に演じる。猿芸なども披露。老公の子というお絹に中村玉緒、本物助さんに焼津の半次(あとで気付いた)。 |
2004/10/15 |
■ 必殺仕業人 第4話「あんたこの親子をどう思う」1976.2.6ABC/松竹 ダーティな金貸しに見込まれる藤屋、女を使って誑かしたうえ母を死一倍の担保として息子に多額の借金をさせる手口。自身も手駒に使われた主水は、藤屋の女将から託されていた金を仲間に配るのだった。 藤屋親子のアブノーマルな紐帯が、うそ寒い仕業人ワールドをよけい寒々しく彩る。 *元二本刺しという金貸し・叶屋に仕掛ける主水が、切り返されてピンチのあと素早く身を翻しバッサリの見せ場あり。 ■ 暴れん坊将軍 II 第140話「捨て子の父は辰五郎!?」1983-1987テレ朝/東映 急死した殿様の跡目をめぐる小田原藩のお家騒動、野にあった落胤を迎えようとした江戸家老は暗殺され、母はところを聞いていため組に赤子を置き、自身は捕われの身となってしまう。 よりにもよってめ組に赤子が来てしまったので、新さんに事が知れてしまい、若年寄も結託の殿の弟によるお家乗っ取りは一巻の終わり。 ロケ地、落胤を連れて江戸へ向かった家老が暗殺される御殿山裏街道、および辰五郎の浮気と誤解して家出のおさいとおまちが箱根から帰る街道、谷山林道。 *藩主の弟の配下に福ちゃん、役名は「侍(一)」。中盤からかなりな頻度で登場、極めつけは藩邸乗り込みの上様の前に槍を突き出すくだり。槍をかわされ掴まれて障子破って廊下に引き倒され、庭に転げ落ちたその脇に上様が投げた槍がどすっと刺さる趣向。オドロキの表情がとても可愛い。 |
2004/10/14 |
■ 大奥 第一章 第2話「捨てられた若君」2004.10.14CX/東映 いよいよ始まるドロドロ女の戦い、国松誕生ののちはあからさまに竹千代を遠ざけるお江与の方。おふくへの憎悪日ましに募り、妾殺しの一件を満座の中で広言、そしてなお母のよすがとして拾った布を傍らに置く竹千代には「生まなければよかった」の言が降りかかる。 今回は思いあまって大御所に直言の旅に発つおふくで幕、決心せしめたのは磔刑台の父の幻影、福ちゃんイリュージョンにびっくり。 ロケ地、竹千代が初めて歩く庭、および国松をべたべた構う母を見る竹千代のくだりは彦根城玄宮園。おふくに御台の機嫌を損ねるなと諭す秀忠、および小姓に取り立てられたおふくの長男に離縁の経緯を迫る村雨、粟生光明寺方丈。登城の稲葉を見て嘲るお江与の方、粟生光明寺回廊。菊の節句の宴、姫路城西の丸。伊勢へと偽り駿府目指して発つおふくの行列、好古園茶の庭前、ロングから寄ってゆく。 ■ 暴れん坊将軍 II 第139話「信濃路、新さん賭場荒らし!」1983-1987テレ朝/東映 路銀を調達に行った賭場で女道中師と知り合ったり、捕縛された盗っ人の妾たちから奪還を頼まれたりと忙しい新さん。その賊が奪ったという甲州金が今回の焦点となる。 ロケ地、諏訪湖畔の茶店、捕り方出て「黒姫小僧」を捕縛、遍照寺山を望む広沢池東岸。黒姫小僧の護送を陰で見る妾二人、広沢池東岸堤道。信濃代官所、民家南西角と門。黒姫小僧の妾が経営する宿に泊まっため組が水辺でお昼のところへ加納さまが遣わしたお末来る、広沢池東岸汀。黒姫小僧の護送を襲った新さん、小僧を馬に乗せ妾たちの待つ河原へ、天神川堰堤上の河原か(ガレ見えてないのでちょっと疑問)。信濃を発つ新さん、霧が峰から流れ橋へスイッチ、お銀を川に放り投げ、追ってきた妾トリオからダッシュで逃げる。 *賭場へゆくという上様にダメ出したくせに博打にノリノリの大岡さま、けっこう珍しいシーン。お城で上様不在で政務溜りまくりで突き上げ食った加納じいの「もうイヤこんな生活」は、この頃の時代劇で頻出ネタかも。*新さんの正体を知った「お銀」森マリアの「ねぇねぇ将軍」が傑作。 ■ さむらい探偵事件簿 第14話「洒落にならない男」1997.3.4日テレ/東映 なぜか突然愛に目覚めてしまう涼花たち、レンジまで発情してくねくね。事件も恋愛がらみ、但しつれない恋人を爆殺しようとはかる女マッドサイエンティストが依頼者という殺伐。五月ちゃん爆薬探しててんてこ舞い、これを横からかすめて物騒なことに使おうとする「危険分子」と大立ち回りを演じてカッコよく解決するが、涼花とお茶しようとうきうき船に持ち込んだ饅頭の箱は爆弾だった。 ロケ地、依頼者に託された荷物を持って神田錦町の凛正館へ赴く五月ちゃん、妙心寺天祥院門。訪ねた男は不在と峰蘭太郎に言われ帰る五月ちゃん、玉鳳院・東海庵境の路地。依頼者にブツを戻しに行く五月ちゃん、秋月藩御用研究所、福寿院(路地も使用)。脅されて牢から「危険分子」の仲間を出した新城が短筒向けられ危機一髪、五月ちゃん登場でラス立ちは愛宕念仏寺境内・石仏群前。 *五月ちゃんへの愛に目覚める涼花、いきなりよろめきモード突入。レンジは涼花への思いをたぎらせて気色悪いというより怖い仕草を種々披露…。*静香の研究所、怪しげなビジュアルの器具多数置かれるそのラボの名は「第六実験棟」…ほんとうに「洒落にならない」。*圧巻は愛宕でのラス立ち、自らの当たり役をパロってみせる高橋英樹、「みーっつ、醜い浮世の鬼を退治てくれようモモタ…じゃない本間五月!」。鼓の音を口でポポポンとか言ってるし、鬼面つけてるのが笑える。被りものもしてくればよかったのに。そして、船ちゅどーんのあととんでもないカッコしてしれっと出てきて挿入歌「洒落にならない」が被る。 |
2004/10/13 |
■ 長七郎江戸日記2 第48話「お銀哀歌」1989.3.28日テレ/東映 駿河大納言の遺臣が企む悪事に、見せかけの首領として利用される長七郎ぎみ。悪事というのは銃をもって「南の島」の王族を殺して国を乗っ取るというちょっとアレな設定。そして、柳生はこれを好機と長さんの命をお銀に狙わせるのだった。 ロケ地、柳生邸、大覚寺大門。駿河訛りの押し込み強盗について話す長さんと宅兵衛、放生池堤。 *一味の首領にカマをかけるため公儀に不満と切り出す長さん、これを聞いたお銀「信じていたのに」とムカ入り、マジモードで襲ってくる一幕あり。 ■ 暴れん坊将軍 II 第138話「風雲八ヶ岳、男の祭り唄!」1983-1987テレ朝/東映 お忍びで御用林視察の忠相が拉致されたと聞いた上様、諏訪へ飛んでゆく。さらった一味は甲賀三郎の裔という忍び集団、要人と高島藩勘定奉行を交換の腹づもり、背後には開墾した土地を奪われ領主を殺された恨みがあった。 ロケ地、忠相と才蔵が迷う諏訪原村の山道、谷山林道頂上付近。茅野宿へ向かう途中霞党が出て拉致される白樺林、信州ロケか。高島城、本物。諏訪大社(下社、上社)、本物。藩主が新さんに付けた市右衛門とさぎりが霧が峰へ向かう道、保津峡落合崖下(落下岩上に霞党の見張り)。霞党首領の娘・お蝶の回想、無実の罪で引き立てられてゆく父、大覚寺大沢池堤。市右衛門がお蝶を説得に赴く八島高原(池塘)、本物。新さんの説得に、武士は信じないと言うお蝶、落合河口付近汀。忠相の人質交換の霧が峰、酵素河川敷。め組や新さんも参加する御柱祭り、人数多過ぎで現地ロケは怪しい。 *勘定奉行とグルの糸割符商人・武蔵屋でめ組がもてなされ大騒ぎ、宴席にいる用心棒?に福ちゃんと小峰さん。おまっちゃんの踊りに手を拍ったり。 ■ さむらい探偵事件簿 第13話「おさらばニッポン」1997.2.25日テレ/東映 主題歌を歌う宇崎竜童が登場、腐敗した日本が嫌になったと海の向こうに焦がれる田舎侍。夢見る彼の言動に、はじめ辟易しつつも感化されてゆく五月ちゃんの周囲。五月ちゃんの屋形船で船出することを夢想する彼らの願いを叶えてやるべく、汚れ仕事で金を稼ごうとする健気な五月ちゃんだが、彼らに金の亡者呼ばわりされてボロクソ。しかし真意を知ったトキたちはあっさり翻心、五月ちゃんがいる町に暮らすほうを選ぶのだった。なんかレンジだけ宇崎竜堂に連れて行かれてるっぽいけど。 ロケ地、五月ちゃんのおうちは映画村の港町特撮プールから八幡掘へ復帰、看板に「八幡掘出張中」と書かれるお遊びも。火焔土器探しを頼んだ加納屋がウソこいてたと聞き込む五月ちゃん、白雲橋上。桜木幸之助に引いていかれる新城、明治橋上〜堀端。 *宇崎竜堂のカッコ、赤バンダナ巻いてるのは本作ではOK、しかし全体的に「官軍」ファッションに見えて、言動とも相俟って時代が風雲急を告げる幕末に見えて仕方ない。*トキや伸介、又造はそれぞれにツラいことがあって幸之助ちゃんの誘いに乗るが、レンジのそれは「この国が俺を嫌っている」…ぼやき蓮司の真骨頂。*福ちゃん二態で登場、加納屋のライバル店の鳶として頬っかむりで襲撃と、加納屋の用心棒で浪人姿。浪人のほうは五月ちゃんにぐっさり刺されて「おわぁ」。 ■ 必殺仕切人 第14話「もしも歳末富くじがイカサマだったら」1984.11.30ABC/松竹 セミヌードの女に富籤突きをさせて男たちを幻惑し、イカサマで丸儲けの一味あり。御開帳の弁天様に使われている女はヤクで操られており、琵琶法師の父のもとから拉致された身の上だった。盲目の父の五感は娘の悲鳴を聞き分けるが、二人ながら始末されてしまい、仕切の依頼は弁天様の後継にされかかった妹分から来る。 ロケ地、イカサマ富籤の弁天様、吉田神社。富籤突きが行われる舞殿は竹中稲荷、娘の悲鳴を聞く琵琶法師は表参道石段、娘のことを聞きに行って始末されるくだりは本殿と鳥居。弁天様の「もと」の回想、父と旅路の道端で琵琶を弾き合わせる、桂川松尾橋下手右岸堤。もとの死体が上る汀、松尾橋上手汀。 *琵琶法師に織本順吉、弁天様を操る年増女に佐野アツ子と渋い人選。*今回の仕切はスキゾー、依頼者の若い巫女が若いお坊さんなら悪を許せない筈という発想で頼み込み。「仕切ってくれますね」の言葉もなんかカルい。*佐野アツ子は勇次と昔関係アリ設定で、新吉が疑り深い目で勇次の仕様を監視しているのも面白い。 |
2004/10/12 |
■ 暴れん坊将軍 II 第137話「五郎左を寝とるか、詐欺女!?」1983-1987テレ朝/東映 加納のじいさまを好きになってしまう騙り女の話を主軸に、小金どころではなく死人まで出す連続恐喝事件をからめる。加納じいは終始舞い上がり、あの女はイケナイと諫める上様に逆らい喧嘩になったり。恐喝のほうは凶悪で、強請りたかりで札付きの北町同心が作っていた恐喝ネタリストをめぐって、強烈に悪い女二人や、身持ちのわるい旗本が群がり大騒動となる。 ロケ地、おはまがターゲットの商家の旦那と屋形船、広沢池東岸。加納じいが参詣の神社でおはまと出会う、石座神社(拝殿、踊り場長屋前に茶店セット、石段と鳥居)。吉原で喧嘩沙汰を起こし閉門中の旗本・小笠原外記邸、相国寺林光院(竹矢来セット)。リストを入手した女二人組が夜中に河内屋を呼び出し強請る、大覚寺五社明神。事後、寄場送りの際のおはまの言葉を伝えじいをからかう上様、枳殻邸印月池畔(ガーデンセット設置)。 *おはまに赤座美代子、ラス立ち福ちゃん入り(小笠原の家士)。 ■ さむらい探偵事件簿 第12話「意地張り女の秘密」1997.2.18日テレ/東映 刃物問屋乗っ取りの陰謀に巻き込まれ、三国屋殺しの冤罪を着せられる刃物鍛冶の青年。その妹は普段から金に汚く兄の難儀も知らぬ気に放埓と見えるが、内実は兄を慕う健気な娘で、匿名で五月ちゃんに依頼し無実を晴らしてくれるよう全財産を投げ出すのだった。しかも小狡く立ち回り貯めていた金は兄の仕事場新設の資金という、泣かせる設定。 今回新城ちゃんトホホ設定で、証拠物件の凶器をなくすという失態が、お話の展開に深く関わる。レンジが娘の容姿を表現する仕草がご無体。小道具に娘たちの工作やお習字、友情と書いたピンク折鶴とハート囲みの「愛」…。 ロケ地、三国屋殺しの舞台に今宮神社高倉、文六が「人殺し!」の悲鳴を聞く石橋や、五月ちゃんがカブトムシ大作戦こいて何本も匕首が見つかるくだりで境内各所を使用。三国屋の番頭が徳蔵の弟分をスカウト、化野念仏寺石仏群のなか。賭場で目撃証言者を見つけ追う五月ちゃん、刺客出て口封じは広沢池東岸堤道〜池床(水無)。 *賭場の中盆に福ちゃん、一瞬しか映らないのにかさかさ動くので確認しにくい。 ■ 必殺仕業人 第3話「あんたこの娘をどう思う」1976.1.30ABC/松竹 必殺に時々ある不思議少女ネタ、幼くして父母を亡くした娘がはじめて得た「友」は犬。勤め先のお妾さんが旦那から貰ったその座敷犬を手に入れるため少女は身売りまでするが、彼女の若さを嫉んだ妾の差し金で「旦那」に差し出される際、犬は無残に殺されてしまうのだった。 娘が初めて声を掛けた男は主水、犬を預かったのは赤井夫婦、犬の売買に関わったやいとや、と因縁をからめてゆく。そして、娘に声を掛けられて以来ずうっと気に病んでいた主水は、泣きながら犬を埋める娘に悪罵を浴びせかけられ、無用となった犬の対価・四両を投げつけられ、これが頼み料となる。 ロケ地、赤井夫婦が大道芸の縁日、金戒光明寺三門まわりにセット。剣之介にお市の勤務先を聞きだし根津権現に赴く主水、相国寺法堂基壇。お市を騙して金を払わず頂いたターゲットの一人・旗本の戸崎邸、相国寺大光明寺門(かなり寄った画で判りにくいが、くぐり戸の「ポスト穴」で確認できる)。捨三が誘き出した戸崎を待ち構え潜む主水、湯屋脇。 |
2004/10/11 |
■ 暴れん坊将軍 II 第136話「お城を拾ったどら娘!」1983-1987テレ朝/東映 伊勢鈴鹿藩のお家騒動、世子を毒殺して我が子を跡継ぎにと謀る側室、これとつるむ江戸家老。実は跡継ぎにと目論む幼女はこやつらの間にできた子だったり。この情勢を察知した上様、藩主の外腹の姫を見つけ出しワルの陰謀を阻む。 ロケ地、め組がお参りで八卦見に阿呆な見立てをされる、上御霊神社本殿まわり。易者のお俊が鈴鹿藩士の黒イカに襲われる、仁和寺九所明神。鈴鹿藩の姫として上様とお庭を逍遥のお俊が鯉をとってやると飛び込む橋、枳殻邸侵雪橋。国元へ発つ「姫」を見送る新さんたち、仁和寺茶店、中門、参道。 *詐欺まがいの八卦見が実は姫という設定、天然系の逞しさで周囲を翻弄する。 ■ さむらい探偵事件簿 第11話「甘い言葉にご用心」1997.2.11日テレ/東映 脇目もふらず働いてきた中年男の初恋。相手は彼を騙そうとしたあばずれだったが、カタリと判っていて全てを投げ出そうとする男の真情を見た娘は、自分と自分の連れの男が危地に陥るのも構わずヤクザの要求を突っぱねるのだった。 ロケ地、五月ちゃんに人探しを頼みに来た辰巳屋、当の女を見て追うが見失う、大覚寺心経宝塔基壇石垣脇(護摩堂の裏が先に見えている)。追いついてきた五月ちゃんに事情を話すくだり、塔石段下(見下ろしのアングル)と塔をバックのアングル。一旦辰巳屋に戻り放埓な金の使い方をするおちかのくだり、舟遊びは嵐峡。辰巳屋平作の回想、房州の在を出る15歳の初恋の人との別れ、広沢池池床(水無、からからに乾いてひび割れ)。五月ちゃんがおちかを諫める汀、嵐峡船着き。財産を差し出すという平作の申し出を蹴って飛び出したおちかを追った五月ちゃんが彼女を諭す、大覚寺五社明神〜大沢池南西部分池床(水無、屋形船も船底を見せている)。 *辰巳屋平作に小林克也。 ■ 必殺仕業人 第2話「あんたこの仕業をどう思う」1976.1.23ABC/松竹 主の娘を貰い暖簾を分けて貰った田島屋は、舅をハメて御用達の鑑札を奪おうと陰謀を巡らす。これとグルの南町吟味方与力は、田島屋の女将殺害を牢帰りの男に使嗾。裏切られて刑死したこの男の女房が恨みの筋をしたためて縊死しようとするのを阻んだ主水、「仕業人」の存在を匂わせる。 ロケ地、主水が護送の用のため赴く南町奉行所、京都御所管理事務所門。皿回しの大道芸を披露の剣之介、今宮神社楼門。赤井夫婦の掘っ立て小屋、桂川汀か。 *田島屋は津川雅彦、今回断末魔のヘンな声はないが日々体を鍛えている設定で、トレーニング中怪鳥のような気合を喚ぶ一幕あり。*お歌の要請を受け裏の仕事に伴う剣之介、チーム全員に総スカンを食らうが「死ぬときは一緒」と強行。挙句強敵に苦戦したり、不協和音を鳴らす。 |
2004/10/10 |
■ 新選組! 第40話「平助の旅立ち」2004.10.10NHK 孝明帝薨去で幕府に逆風吹く時勢、近藤のもとから大事な人が一人二人と去ってゆく。一段ずつ運命の坂を転げ落ちてゆく新選組を描く。 この作品は時代劇でなく歴史ドラマと思って見ているが、そろそろ編年式の醍醐味が出てきてこの先がけっこう見ものかも。 ロケ地、新将軍・慶喜のくだりに二条城二の丸御殿。 ■ 十手無用 九丁堀事件帖 第26話「九丁堀ニセ者大作戦」1975-1976日テレ/東映 結びの一話は、九丁堀のニセモノが出て大騒動となる。何の関係もない商家に嫌がらせを働いて稲荷に依頼を持ってゆかせるよう仕向け、その後名を騙って凶行に及ぶもので、同心時代の榊が捕え獄門台に送った賊の弟が企んだ陰謀。鉄平たちが捕縛され夢之介たちも逃亡を余儀なくされるが、荒っぽい手段に出たチームによって悪企みは潰える。 ロケ地、商家の生き残り娘によって破壊される稲荷、広沢池東岸。秋山が見張るなか釣りの夢之介、桂川松尾橋上手堰堤下。生き残り娘が許婚者と神奈川に発つのを見送る、流れ橋。 *榊を疑い鉄平を激しく拷問する筆頭与力に宮口二朗、賊とはつながりもなく拍子抜け。 ■ 忠臣蔵外伝 福本清三撮影ショー 2004/10/10 太秦映画村のアトラクション、吉良さまの屋敷に侍女として入り込んだ娘の危機に颯爽と登場のご浪人さまは福ちゃん、清水一角にずんばらりと斬られて幕。本番部分は短いが、「監督」峰蘭太郎氏がコミカルに演技指導するリハーサルが前段にあり、なかなか楽しめる作りとなっている。「リハーサル」中のセンセイの仕草も傑作。舞台は屋敷町で野外、11/28まで。 ■ 激闘!池田屋騒動 2004東映太秦 映画村で買ってきたDVD、アトラクションを撮ったものと思っていたがさにあらず、ちゃんとしたドラマでロケもある。池田屋事件の立ち回りを中心に、前後ちょっと肉をつけた仕立て。時代劇初めてという若手が熱演し、宮部鼎蔵役で福本センセイがご出演。 ロケ地、会津本陣、金戒光明寺三門、石段。沖田を庇って斬られた娘の墓、くろ谷墓地文殊塔下。メイキング映像にあった桂川はボツの模様、極寒の川に入ってのロケなのにお気の毒。 *DVDは「イケメン新選組」のタイトルで売られている。新選組史跡紹介やメイキング映像が入って2980円。メイキングにはちらっと福ちゃんもパンチパーマで登場。 |
2004/10/9 |
■ 御用牙 三隅研次監督作品 1972.12.30勝プロ/東宝 お茶の間の団欒の場では見られないシーン連続の、勝新ノリノリの痛快時代劇。 もうハナっから上役に逆らいまくりの板見半蔵、お役御免をちらつかせる与力の弱味を握ろうとして妾をさらったはいいが、ずるずると出てきたのは老中も跪かせる上つ方。これをも同じ強引なやり口で力押し、将軍の寵愛深い西の丸さまの母君のヒミツを手中にした半蔵は、これで大奥にも顔が利くとくつくつ笑うのだった。 ロケ地、北町奉行所、京都御所管理事務所門。「役人の心得」に誓紙血判するのを拒み非を鳴らすくだりで、捕物の際容疑者に寺に逃げ込まれて地団駄、のシーンは金戒光明寺三門。無宿人狩りで追われる三次の鼻を砕く半蔵、豊国廟石段。三途の勘兵衛が僧正に化けてアジトにしている寺、蟠龍図と石篠、入口が妙心寺法堂に似るも確信持てず。 *半蔵の家の仕掛けが凄い。ナニのトレーニングもアレだが、与力の妾のお美乃とお風呂のくだりでだすっと降りる槍や壁に隠した武器など凝りまくり。*キャストも豪華そのもの、屋台の蕎麦屋が藤原釜足なんだから驚く。 ■ おしどり右京捕物車 第1話「鞭」1974.4-9松竹/朝日放送 ヤクザの倅を獄門台に送った北町与力は恨みを買い、奸計に落ちて半身不随となったうえ職も失い、住居すら失う。その後も執拗な嫌がらせが続き、辟易して江戸を出る旅の途中、妻女の腹の子も流れてしまう。この悲惨ののち、なお明るく前向きな姿勢を失わぬ妻を見て、右京は共に修羅の道を歩んでくれと頭を下げるのだった。 ロケ地、野洲の万蔵の息子・四郎吉が立て籠もる塔、仁和寺五重塔。妻と願ほどきにゆく日吉神社、上御霊神社(本殿、本殿裏手、合祀摂社)。流産した子を葬る寺、神光院(本堂脇、蔵の前に箱車が運ばれてくる)。万蔵を呼び出す千石寺裏の林、下鴨神社糺の森。 *右京の運命の激変を一話で描ききり、移動手段も得て、元同僚に一件一両で仕事を請け負うというたつきの道を確保してシリーズのフォーマットができあがる。 第二話ロスト、半分モザイク。台風は行っちゃったのにぃ。 |
2004/10/8 |
■ 泥棒と殿様 津島勝監督作品 2000松竹京都 山本周五郎の小説を映像化した一作、ともすればカタい山周モノは、「泥棒」伝九郎に火野正平を迎え明朗でわかりやすい独特のムードを得る。氏の、シナリオを逸脱したかとも思える独特の演技は、廃人寸前の「若殿」を甦らせるに充分な説得力を持っていて、うつくしい風景と相俟って時を忘れさせる。 お話は、食い詰めた男の、思いあまっての「はじめてのどろぼう」の口開けがとんだ化物屋敷という珍事に始まる。建具はがたがた、どうかすると天井も落ちてくるその荒れ屋敷には、座して死を待つ「若殿」が幽閉されていたのだった。事情もわからぬまま、若様に飯を食わせ構う「泥棒」、共に暮らすうち芽生える情、しかし生れ落ちた星の性はやがて二人を別離へと導く。ラスト、領民のことを親身に慮る立派な殿様にとのステレオタイプとなるが、説教臭さは火野氏の横溢する個性に掻き消され、それでいてしんみりと身に沁みる訓となり得ている。 ロケ地、化物屋敷、農地に面した門は殿ふら19話で使われたものと同じ、伝九が戻って刺客を見るくだりの山側からのショットは、鬼平「雨の湯豆腐」の時次郎宅に酷似、美山か。一旦屋敷を辞する伝九郎がゆく川辺、清滝河原。戻る道で刺客を見る、保津峡落合崖の登り道。蟄居を命じられた松平成信の駕籠が出る門、大覚寺大門。山でキノコ採りのあと休む谷あい、落合河口。伝九郎の回想、女房に去られたあと子と旅する道程、雨宿りは大覚寺五社明神舞殿。里の子に追われる畑、美山か。子の塚、若狭か。ノブさんが射られて逃げる山道、落合崖道。伝九郎が家老・梶田に招じ入れられる家、民家。 *伝九郎の子・新吉は「たこ」燕陣内が連れてたあの子では。 ■ 新必殺仕事人 第29話「主水ねこはばする」1981.12.18ABC/松竹 大店を食い物にして私腹を肥やすワルは、新任の南町次席同心。結託していた富商が意に添わぬと見るや、ハメて乗っ取り。やられた側も充分後ろ暗いと知っていて、しかしいい人の側面もあったとして、それぞれ家族と関わっていた勇次と秀は仕事料を置く。 事件とは別に、富商の娘をコマしていた色悪と勇次とのちょっと微妙なからみあり、ワルを掃討したあとに据えるエピソードが加味される。 ロケ地、相模屋の娘・ふゆにタカる遊び人、下鴨神社二の鳥居。その男を呼び止める勇次、馬場。シメる川辺、泉川畔。南町次席同心に斬られる相模屋、下鴨神社河合社脇。 ■ 暴れん坊将軍 II 第135話「耀け!初春の忍び恋」1983-1987テレ朝/東映 五年前の恩を命で返す男、仲間の盗賊の手から深川芸者のお京を庇い、幸を願って果てる。 ロケ地、食い逃げの佐太郎が団子屋の親爺に捕まる、今宮神社東門〜石橋。お京に恋人・精四郎のことを尋ねる新さん、東福寺三門(門から法堂や禅堂がのぞく)。 *捜査情報を賊にリークしていた旗本、ラス立ち時点で若年寄と聞きびっくり…賊にタカってる姿があーんまり威厳なかったもんだからもっと下っ端だと思った。賊の頭・松蔵には真田健一郎。 ■ さむらい探偵事件簿 第10話「お父さんを探して」1997.2.4日テレ/東映 五月ちゃんの船に依頼者の幼女が居着く。出稼ぎに出たまま一年も帰らぬ父を案じて下総から出てきたその女の子は、こまっしゃくれた生意気な口をきくが、父の姿を見るやくしゃくしゃと泣き崩れ「ちゃん!」。腕をダメにしたことから人さらいの一味となっていた「父」だが、人殺してナイ・被害者みんな悪人だし、という五月ちゃんロジックで故郷に帰される。レンジは二両でごまかされ。 ロケ地、捜索を頼まれている猫を抱いて逃げる千代を追う五月ちゃん、仁和寺塔前〜金堂。千代の父を探して根津で聞き込み、西門(鐘楼前あたりから西望)。甲州屋の身代金授受の寺、不明(長七郎江戸日記で何度か見たとこ)。 *「父」の仲間の一人に福ちゃん、五月ちゃんを疑って斬りかかりのされる。台詞あり「気の弱くなった悪党はゴミ」、ドス利いてて良し。 |
2004/10/7 |
■ 暴れん坊将軍 II 第134話「おやこ鷹、師走の哀歌!」1983-1987テレ朝/東映 仙台藩の財政危機に米を買い上げて救う策をとる上様、実施されては甘い汁を吸えなくなる者どもが、友好の証の献上鷹を狙う。この過程で、上様が紀州時代から懇意にしている鷹匠一家に悲劇が降りかかるのだった。 ロケ地、仙台藩主・伊達陸奥守が上様に鷹を献上の庭、枳殻邸印月池畔芝地。仙台藩の財政について相談を受ける上様、下鴨神社馬場。仙台藩上屋敷、相国寺大光明寺(門、石庭)。仙台藩勘定組頭が元隠密と密談の屋形船、広沢池東岸に繋留。鷹匠の息子がさらわれる林、仁和寺茶店裏手の林間。仙台藩の内情について庭番の報告を受ける上様、九所明神。献上鷹を持ち出した妻の前に立つ鷹匠頭が鷹を庇って斃れる林、下鴨神社河合社脇。さらわれた子を救いに駆けつけ大立ち回りとなる鉄砲州一本松、木津河原(堤〜河原、派流を越えて中州へ殺陣殺到)。 *鷹匠に新克利、妻女に加茂さくら。中間に化けてる大木正司の派手なつけ髭が見もの。 ■ さむらい探偵事件簿 第9話「酒と泪と親子の絆」1997.1.28日テレ/東映 仕事熱心なあまり妻に去られた男は、その後養子をとり後継として鍛えるが、度を過ぎた親父の頑固さは息子との間に隙間を作っていた。 事件は、初めて惚れた女が女郎で、一緒になりたいあまり狂言誘拐で身請け金を調達しようとした息子が、ほんとうに誘拐されてしまうというもの。これは五月ちゃんパワーで解決、親子の絆も再確認で晴れて祝言の運び、蓮司もお手柄貰ってメデタシ。 ロケ地、狂言のほうの身代金受け渡し現場・黒門町鳥居八幡神楽殿、鳥居本八幡宮(石段、舞殿他)。マジのほうの受け渡し指定場所・千年楠脇地蔵、大覚寺天神島大楠(金を入れる予定の船は北辺の水路に繋留)。 *頑固親父に竜雷太、偏屈だが情にもろいベタな父を熱演。番頭の江幡高志がまたいい味で、ひょこひょこと頷く姿がキュートな「善人」役。蓮司の酒樽「御改め」シーンは落語っぽくて笑える。しかし、ロケ地設定…スタッフの慣称そのままなのかも。 ■ 大奥 第一章 第1話「負け犬からの脱却」2004.10.7CX/東映 家光の世は春日局の天下であったと説明されるなか大奥の情景が映し出され、御年寄・朝比奈に局のことを尋ねるお玉のくだりから、「おふく」の過去へスイッチ。 夫に離縁され京へのぼり、おふくは家康が立てた乳母公募の高札を見る。今回は竹千代ぎみ誕生を描く。婚家で自分を負け犬と侮った妾を刺したおふくは、大奥において再び侮蔑の言葉を浴びるのだった。 ロケ地、江戸城天守、姫路城天守。大奥御切手御門、菱の門。お端下の立ち働くシーンは天守塀際から西の丸を望むアングル。美濃の里・稲葉正成邸、民家。京・粟田口刑場、罧原堤下河原。おふくの母が民衆に嬲られる刑場柵外、酵素河川敷。夫に離縁されたおふくが去る道、酵素ダート。京へのぼるおふくが歩く道、嵐山自転車道(街道)〜保津峡落合落下岩〜大覚寺天神島(雨)〜清滝河畔〜昼をつかう竹林、わらびの里?〜大覚寺護摩堂(雨宿り)〜落合河口(乳を搾る)。頼って訪ねる京都の西三条家、妙心寺玉鳳院(後段、高札を見て走り戻るシーンは放生池越しのロング)。乳母に応募しにゆく京都所司代、審査を受ける部屋は随心院表書院。大御所に会いにゆく二条城、外観は本物、家康の座所に向かう階は粟生光明寺本堂裏手・廟所への階段。竹千代をあやすおふくにキツい視線を投げかけるお江与の方、彦根城玄宮園鳳翔台。 *10時台にもってきてくれたお蔭で血塗れなんかもアリでナイス。300年生きてることが判明した大奥備品の葛岡さまや浦尾ちゃんのほか、家定公も登場して山賊。乳の染みた胸もと見て発情するケダモノは、さすが北村一輝。藤田まことの大御所の尾張弁もなかなか、しかしなんといっても斎藤利三処刑が圧巻、福ちゃん磔刑。…しかし粟田口になんであんな大っきい川が流れてるのよ疏水だとでもいうのか。 |
2004/10/6 |
■ 長七郎江戸日記2 第47話「蘇える面影」1989.3.21日テレ/東映 友吉の命日、彼が亡くなった現場へ花を供えに行ったおみつは、追われる男が押し包まれ斬られるのを見る。男は一命を取りとめるが、記憶を失っていた。親身に世話をするおみつ、どうしても重ねてしまう友吉の面影。周囲は案ずるが、男は使命を果たしに去り、おみつもまた執着せず成長を見せるのだった。事件は小藩の隠し金山がらみの汚職事件、殿様に罪を被せようとした江戸家老一派は長七郎ぎみに乗り込まれ皆殺し。 ロケ地、現場の水辺に花を投げるおみつ、大覚寺大沢池北西畔。男が斬られるのを見る、五社明神。悲鳴を上げたおみつが追われる、放生池堤(向こうから辰と長さん)。幸田藩士で男の友人という橋本に事情を聞く長さん、天神島(辰が張り付いているのは大楠)。幸田藩下屋敷、大門。囮の辰をつけてきた藩士たちが長さんに蹴散らされる、妙心寺大庫裏脇クランクの辻。「真鍋」がおみつとお参りの祠、五社明神本殿。身の上話の道、放生池堤〜護摩堂。橋本に真実を迫る長さん、妙心寺法堂北回廊。橋本の偽手紙で呼び出される真鍋、不明(粟生光明寺に似るも細部合致せず)。国へ帰る真鍋を見送る、罧原堤下河原。 *柳生が介入の件は尻切れトンボ。関わったら殺すまで言ってるのに。 ■ 暴れん坊将軍 II 第133話「散らすな、忠義の首一つ!」1983-1987テレ朝/東映 勤勉で実直な旗本の中間が、褒められたり理不尽に陥れられたりと翻弄される。上様は彼を見殺しにしようとした旗本を諭し、情婦の言いなりになった書院番頭が中間を消そうとする現場に駆けつけるのだった。 ロケ地、書院番・相楽主水が登城の門、東福寺六波羅門。上様が厩からの帰り通る回廊、通天橋。大手門を入った広場で殿様の退出を待つ中間たち、禅堂前。上様の鼻先へ倒れかかる槍を房吉が凭せ掛けた塀、東司付近の西塀。相楽邸、相国寺林光院(前庭、くぐり戸)。切腹しようとする房吉(故郷を出た日の記憶がフラッシュバックは日吉大社境内)を止める下女のお梅、その声を屋敷裏で聞きつける辰五郎、大光明寺南塀通用門前。相楽の令嬢のお供をして夜道を行く房吉、ならず者が襲い掛かる、今宮神社石橋上。書院番頭・松浦が房吉を誘き出し家来に襲わせる道、仁和寺観音堂脇〜塔前〜九所明神(設定・西方寺境内)。主にたばかられたと知った房吉とお梅が逃げる途中休む、日吉大社走井橋たもと。屋敷へ金をとりに行ったお梅を待つ房吉(板橋宿へ一里の道)、日吉大社参道。お梅が駆け戻ってくる、東本宮下坂。二人の急を聞き槍を手挟んで馬で駆けつける上様、下鴨神社馬場。二人が松浦一味に囲まれる林、池跡。成敗後、二人に声をかける上様、河合社鳥居下。 *ならず者の弟をボコられた料亭の女将に使嗾されるスケベ親父の旗本に河合伸旺、房吉のことを下郎下郎と連呼。水呑百姓ってターム消してあったけど、こっちのほうがモンダイではと思えるほどしつこく何度も言う。上様に乗り込まれちゃった際のぶつぶつモノローグ「座して咎めを待つよりはいっそ人里離れたこの林の中で」も傑作。*相楽に睦五郎、複雑に人情家を好演。*上様の槍、小峰さんにぶっすり刺さる。ラス立ちには福ちゃんも。 ■ さむらい探偵事件簿 第8話「私は一番不幸な女」1997.1.21日テレ/東映 掏摸から足を洗おうとした男女のお話。不幸な生い立ちゆえ人間不信の女の心は、命を張って彼女を守ろうとした男によってほぐされてゆく。 依頼者たちは深刻だが、五月ちゃんたちはどたばたと大騒ぎ。騙されて岡場所で大散財、タダ働き十五年の危機に陥ったり。 ロケ地、親分を殺した女を捜す掏摸たち、ツナギ場所に大覚寺護摩堂。隠れ場所にした岡場所を出たおようが佇む水辺、大沢池水門そば。彼女を追う掏摸たちがやって来るのは堤道。 ■ 必殺仕切人 第13話「もしも16000両だましとられたら」1984.11.23ABC/松竹 札差の野心につけこんで大金を騙し取る勘定吟味役。老中の名を出して拠出させた金を運搬する際、鬼婆が出たなどと強引な芝居を岡っ引に打たせて金を丸獲り。その「鬼婆」は、旅人を荒れ寺に誘い込んで一服盛り懐中を掠め取る女、十年前同じ手口で騙され死んだ札差の娘の成れの果てであった。 ロケ地、品川へ一里半の街道、雲水と山伏が道端のアベックを嘆かわしいとボヤきつつ行く、桂川松尾橋下手右岸堤。被衣の女に出会う、中ノ島橋上(この後荒れ寺に誘い込まれる)。勇次が行ってみる際も中ノ島橋を渡るが、女は橋下。 *勇次のみ一服盛られず、寝込んだ体には被衣が掛けられるという特別待遇。この色男、瀕死の「鬼婆」おりんを看取ってやる際、火傷跡を撫でて「きれいだよ」とやるのは、女殺しなのか魂鎮めなのか。*お国不在の回。 ■ 新必殺仕事人 第28話「主水弁解する」1981.12.11ABC/松竹 喉を斬られて声を失った女・お絹、健気に幼い息子と暮らしていた、ささやかな幸福も摘み取られる。元仲間だったお絹に、足を洗いたいなら復讐を兼ねて主水を殺せと強要する賊。喉を斬ったのは主水という話になっているが、実は賊どもが口封じし損ねたものだった。 ロケ地、お絹の子と遊んでやる秀、広沢池東岸。元の仲間に見つかり待合へ連れ込まれる、外観に錦水亭。 *お絹に奈良富士子、物言えぬ女の感情表現の「目」が秀逸。*お絹の喉を斬ったのが主水と聞き思わず仕掛ける秀、互いにぎりぎりまで肉迫する切っ先が見もの。 ■ 必殺仕業人 第1話「あんたこの世をどう思う」1976.1.16ABC/松竹 仕置屋を引き継ぐかたちで裏稼業を続けている主水、残った捨三に加え「やいとや」が加わって三人のところ、第四のメンバーが参加する過程を描く、起こりの話。 牢屋見回りに降格された主水の日常、やいとやと捨三の仕事場など描かれ、「白塗り」赤井剣之介が主水にコンタクトをとる。やいとやは剣之介に激しい拒否反応を示すが、主水は意に介さないし、当の赤井には嫌味も通じない。 チーム最初の仕事は、沼木藩の奥方。驕慢な彼女は、依頼者の妹を嫉妬から殺し、国元の愛妾が同じ着物を入手するのを妨げるため職人の腕を斬り落すなど鬼畜の所行を重ねていた。これが赤井の元許婚者で、はじめ拒否する剣之介は、女房・お歌の危機を知り「殺す」に転換。 ロケ地、下谷大徳寺で大道芸の赤井夫婦、今宮神社楼門下。赤井にターゲットを告げる主水、広沢池東岸(水無)。お歌が奥方に拉致されたと注進の女たちは堤道を走ってくる。出陣の剣之介、大覚寺御殿川(主水らは勅使門橋上)。 *お未央の方に拉致されたお歌、「あの人があたしに惚れた」と言い放ち、絃を一本ずつ切られながらも歌い弾き続ける凍てついた表情がマル。 |
2004/10/5 |
■ 隼人が来る 第17話「子連れ街道」1973フジ/東映 ちゃんと全部視聴できてないけど備忘録。 江戸家老の不正を告発しようとした高遠藩士、罠にはまって上意討ち→幼い息子が遺された告発状を持って一人旅→隼人たちと同行、敵の手から逃れ書付は無事城代の手に。 ロケ地、子を人質にされた女が短筒で隼人の命を狙う寺、西寿寺。石段上部に立って本堂をバックの迫力ある画。墓地への石段や鐘楼も短筒シーンで使われる。事後、城代に女の見の振り方を頼む別れのシーンは墓地。街道筋に保津峡落合落下岩、馬で去る隼人のシルエットにはトンネル利用のものも。 ■ 暴れん坊将軍 II 第132話「この世の憂さを呑む女!」1983-1987テレ朝/東映 気風のいいうわばみ芸者・小梅と知り合う新さん、凶盗を報じる瓦版を見て「三箇条の掟」などと口走る女は果たして元盗賊。足を洗った女が伝手を頼って盗みに入った先は因業金貸し、妹芸者を無理に落籍せようとしていた当の相手。真相を知った上様は彼女にはかり盗っ人の一人として現場に入り込み、裏にいた蔵奉行を断罪するのだった。 ロケ地、白狐の面をかぶった凶盗が捕り方に追われ船で逃げる、広沢池東岸(池中からのアングル)。賊について報告を聞く弓のお稽古上様、枳殻邸印月池畔芝地(幔幕めぐらせ)。小梅の妹分が悲観して恋人と入水しかける、広沢池東岸。小梅が参加して金貸し宅に入ったあと、捕り方が船で出るのは嵐山公園中州西端湛水域。忠相出動は広沢池東岸。白狐面の賊が逃げる、中州堀。小梅から聞いた話を忠相らに話す上様、枳殻邸印月池畔(ラスト逍遥も同所)。三宅島へ送られる小梅、船番所柵をセットした広沢池東岸。 *ラス立ちでは、盗っ人衣装で刀持ってない上様が、手拭を器用に絡ませて蔵奉行の手下から大刀をひったくる荒技が見られる。刀をとられる家士は福ちゃんで、その後仕方なく脇差を抜いているのが細かい。 ■ さむらい探偵事件簿 第7話「ゴッドマザーの罠」1997.1.14日テレ/東映 本間ちゃん誘拐さるの巻。 一服盛って監禁されちゃう五月ちゃん、同心時代捕まえた盗っ人(獄死)の母が犯人で、目的は復讐のほかもう一人の息子の「練習台」。縛った五月ちゃんをぶっ叩かせて気の弱い息子を鍛えるという、なんかお間抜けな猛母。利に敏い手下はきっちり裏切って母子も監禁、ちゃっちゃとお仕事して高飛びの算段、ここでようやく「母」が船に置いた五月ちゃんの遺書がおかしいことに気付いてご友人がたが登場、解決を見るのだった。 ロケ地、弔いを出したあと屋形船も売りに出してさばさばしていた友人たち、どこか寂しくて集まってくる、神護寺石段下。 *母・浅香光代が置いた五月ちゃんの「遺書」、業病で余命僅かなので去る旨をポエムにしてある一件を読み上げては感慨にふけるご友人がたが笑える。そしてだいぶ後になって、こんなまともな文章書ける筈ない・業病ならみんなに移しにかかるようなヤツと怪しみだすトコはもっと笑える。*ラスト、借金とりから逃げる五月ちゃんの前でヤクザが大喧嘩、浅香光代が口走る「ふぁみりー」の韻を踏んだギャグ。福ちゃんや小峰さんがいるのも笑える。 ■ 十手無用 九丁堀事件帖 第25話「鬼を殺して!」1975-1976日テレ/東映 大物の香具師の元締と対決する一話。親分の銀蔵は女癖がわるくしかも飽き性、目をつけた女を無理矢理モノにしては捨てるという所行を繰り返していて、おさよの妹分の芸者が追い回されているのに介入した鉄平や菊造は仕事を干されてしまうハメに。そして、無理矢理囲われたすえ捨てられ、売り飛ばされかかっている女から稲荷に訴えが来る。 ロケ地、銀蔵の縄張りの縁日、不明。今宮さんに似てるけどビミョーに違う。見回りに来た銀蔵がマサに誘き出されてくる祠、大覚寺五社明神。事後、父の墓に参るおなみ、黒谷墓地。 *銀蔵に南原宏治、一の子分に五味龍太郎、下っ端には福ちゃんもいる(冒頭の行列と、夢之介乗り込みの際表で将棋さし)。おなみには土田早苗。 |
2004/10/4 |
■ 雪之丞変化 その十三「仇討ち雨情」1970フジ/松竹 遂にラスボス・土部三斉が斃れる、その最期のあがきを描く。 前回放心状態で彷徨っていた浪路は、倒れ伏しているところを旅の女に助けられ、闇太郎に保護されるが命数尽きており雪之丞に看取られて逝く。三斉は娘の死を見て激怒するが、この切所に至っても見苦しく保身をはかり、このさまを見て絶望した兵馬に斬られる運びとなる。そして土部に賭けていた兵馬は前途を失い、ずっと雪之丞に抱いてきた反発心を露わにし斬りかかってくるのだった。 ロケ地、旅の女が橋下に倒れている浪路を見る、流れ橋(梯子をセットしてある)。保身のため仰々しく浪路の葬儀を執り行う三斉、出席せず墓地で酒をくらう門倉、黒谷墓地石段脇(遠景に御影堂の甍)。功名心に駆られ雪之丞に斬りかかる水城浪人、相国寺法堂脇回廊。兵馬から聞いたネタをどこかに売り込もうとした水城が兵馬に斬られる、湯屋前・大光明寺南塀際。 *最終回にいきなり出てくる新キャラの「旅の女」、父の仇を追う娘で、水城浪人は許婚者。狙う仇は門倉兵馬で、水城も殺された彼女は二人の仇を討つと激する。その娘に仇討ちの空しさを説く雪之丞というオチへ持ってゆく、心憎いつくり。*土部三斉の最期、やはりこうでなくては金田龍之介を使った意味があるまいという熱演。もうどんな保身も無駄、お上には残らず悪行が知れていると嘯く雪之丞の言辞に惑わされた三斉、焦り出してわたわたと財宝を掻き集めにかかり、お前も手伝えと言われた兵馬「そんな御前は見たくない、俺は荷造り人夫ではない」と激怒、ワルとしてのガッツが無いと喚き散らす。これを宥めるのにワインを出す三斉、これが毒だからたまらない、もうほとんど阿部怪異。兵馬に斬られる際はお宝の壺抱いて頓死。いろんな悪役俳優さんいるけど、最後の悪あがきの見苦しさでは金田氏の右に出る者はいないと思う。 ■ 暴れん坊将軍 II 第131話「地獄の沙汰を待つ女!」1983-1987テレ朝/東映 「封印切り」をモチーフに、身持ちのわるい男に縁付いた女の悲哀を描く。 男の子供を身籠ったのを契機に、女は真人間に立ち戻って欲しくて男を告発、しかし行状改まらず、再縁して幸福に暮らす女を男が強請りにかかる。これ自体は新さんの介入により決着を見ると思われた矢先、小悪党の企んだ誘拐を横からさらう大悪党出現、不行跡で山流しを命じられた馬鹿殿、菅貫。身代金授受の場で男児を磔にして待つという阿呆な挙に出るが、そこへ現れたのは上様だった。 ロケ地、家業の飛脚屋を手伝う男児・徳松が浅草鳥越への道でならず者(実は父)にさらわれる、大覚寺大沢池堤。美濃屋の女将が元亭主のもとへ身代金を持ってゆくやしろ、鳥居本八幡宮(夜と昼とあり、石段や舞殿を使用)。不足分の金を渡しにゆく料亭、大覚寺望雲亭を対岸から見てセットの室内にスイッチ。菅貫が大仰に「用意」して待ち構える地蔵寺本堂、神護寺金堂前(菅貫は前の石灯篭基壇に立ち睥睨)。ラス立ちは石段から金堂前に移行してゆく。 *菅貫の馬鹿殿はやはり絶品、上様の御前でのしらばっくれ、遊里での馬鹿騒ぎ、子を案じ走りこんできた「父」を始末する際の馬鹿にしきった傲慢な表情、締めくくりは進退を迫られての悪あがき「田舎将軍め、斬れ斬れ!」。*ラス立ち前、喚く菅貫の前に立つ家士に福ちゃん、真っ先にかかってゆき、新さんの投げた編笠に当たって「オッ」。 ■ さむらい探偵事件簿 第6話「恋する妊婦の物語」1996.12.10日テレ/東映 今回の依頼者は臨月の妊婦、頼みは赤子の父親探し。一代で財を成した妊婦の親父の「財産目当て」のきっつい言葉に男が失踪と見えたは半ば当たらず、男は盗っ人の引き込みなのだった。五月ちゃんの奔走で娘との愛はホンモノで、ゆえに引き込みとして賊を導くことをためらっての失踪と知れ、一味をハメてお縄に持ってゆく。 ロケ地、五月ちゃんを信用できず自ら男を探しに出た娘が休む茶店、大覚寺五社明神・大沢池畔にセット(男が甲斐の故郷に帰ると踏んで待ち構え、設定は内藤新宿付近か)。 *臨月の妊婦は騒動の最中産気づき、運び込まれた女郎屋で出産というどたばた展開。 |
2004/10/3 |
■ あずみ 北村龍平監督作品 2003/5/10東宝 幼時より厳しい訓練を受けた若き戦士たちは、新たなる戦乱を防ぐべく要人の暗殺という「使命」に向かう。出陣にあたって仲間同士で命のやりとりをするという試練を経て、血みどろになって役割を果たす彼らに立ちはだかる敵は多彩、殺人鬼の変態もいる。次々と斃れゆく仲間、とてつもない数の敵に決然と向かう女戦士・あずみ。原作の最初のほう、加藤清正暗殺までを描く。 ロケ地、釣りの浅野長政に仕掛ける、沢ノ池東岸。加藤清正の行列に斬り込み、谷山林道(林道、切り通し、遠景)。旅芸人たちが佐敷三兄弟に襲われる街道、酵素ダート。あまぎを埋めた塚、堰堤上の砂河原?美女丸の出る原、天井川の河川敷?八重と別れる堤道、谷底平野のエッジ? *主人公・あずみをはじめ若き戦士たちの立ち回りは熱入り、好感が持てる。*脇を固めるのは個性派。ぶつくさ呟きつつ死ぬ遠藤憲一の乱波、とてつもない変態殺人鬼のオダギリジョー、忠臣の役ながら妙に影のある北村一輝など、これだけ見ていても面白いさすがの演技。某陰陽師とおんなじ口調「じゃーい」の竹中直人も見もの、しかし爺が最後まで原田芳雄と判らなかったのは不覚。*燃やす壊すの大道具セットも必見。 ■ 新選組! 第39話「将軍、死す」2004.10.3NHK 谷兄弟の脱走騒ぎを軸にする一話。水面下で伊東一派が動き始めるなか、もたらされた凶報は将軍の逝去。殺伐たる空気のもと、脳天気に佐々木只三郎に自分を売り込みにゆく捨助、またまた時勢を左右しかねない勢い。 ロケ地、見廻組屯所、不明。西本願寺屯所は変わらず本徳寺。 |
2004/10/2 |
■ 騎馬奉行がゆく 1995.7.11日テレ/東映 時は大塩の乱直後、長きにわたった家斉の治世は倦み幕藩体制の危機も迫るなか、当の家斉は大御所として家慶の政道に容喙、まわりには欲の皮の突っ張った輩が取り巻いていた。ここに老中・水野は気骨ある士・黛内蔵助を抜擢、火盗改長官に任命し斬り捨て御免の権限を授ける。 お話の主軸は、大塩の残党が将軍の命を狙う企み。しかし一味の首領は変節し、大御所の取り巻きのフィクサーと通じる。ワルの狙いは家慶を抹殺して、孫の若君を次期将軍に推戴すること、陰謀渦巻くなか内蔵助以下火盗改五人衆はすんでのところで阻止、そこに大御所逝去の報がもたらされるのだった。 ロケ地、大塩の乱のイメージに大坂城天守(改修前)。江戸城イメージ、姫路城天守。深更、江戸城に取り付く大塩の残党・鴉組、彦根城佐和口多門櫓と濠。御金蔵、櫓内側。奪われた二十連発銃のことを水野老中に報告の黛、坂口青龍苑築山。元鉄砲改役だった旧友・平岩を訪ね手合わせの黛、酵素木の前。向島の中野碩翁邸、大覚寺大門。碩翁の孫・犬千代ぎみが遊ぶ庭、坂口青龍苑池まわり。船で登城する碩翁、八幡掘(掘割〜新町浜、白雲橋上に黛が立ち龍頭のギヤマン張り船を見下ろす)。橋上の黛とお銀のショットから彦根城佐和口多門櫓前の濠へスイッチして登城を表現。将軍の日光参詣を狙う街道のくだり、河畔林などから亀岡盆地の桂川と思われるが、堤の高さや河床の砂の量が些か?、木津ではのギワク捨てきれず。また、五人衆が先乗りの山道は酵素ダートと思われるが、確定要素なし。道と川は難しい。 *五人衆は目黒祐樹演じる元鉄砲改、本田博太郎演じる元大目付配下与力で槍の名手、この二人は黛の旧友でスカウトされる。共に役人に嫌気さしてる設定だが、以降の展開には生かしきれておらず勿体無い。あとの二人は水野差し回しの若手と、前から火盗にいたおっちゃん(懐かしい、暴将初代め組小頭)。五人衆には特権(寺社地や大名家にも踏み込み可、いいのかホントに)の象徴として十手と馬が将軍直々に下賜される。十手は葵紋入りの金房つき、馬は五色の色違いのハミつきという、なにか踏み外しかけたような設定だが、あまり目立って使われず惜しい。*悪役陣はフィクサーの隠居に神山繁、禿頭は珍しい。あと老中と大目付に北原義郎と中田博久、ツーショットも暑苦しく、とってもわかりやすいワル。彼らは、大御所逝去のあとイキナリ討ち込んできた五人衆に碌に断罪もされず皆殺しの憂き目をみる。このへんとっても乱暴な展開でちょっとアレだが、高橋英樹が許さんモードに入ってるからお構いなし。*そして脇、福本センセイは鴉組の「悪いほう」の浪人として現れ、騙されていた正義派の大塩残党の峰蘭太郎を問答無用でバッサリ。油断のならない福ちゃんは、このほかにも黛が女掏摸に財布をやられる場面で、人足役できょろきょろしている。その女掏摸が髪切り魔の話を持ってくるくだりでも、かもじ屋の前を大八引いてすーっと通ったりする。 |
2004/10/1 |
■ 雪之丞変化 その十二「浪路さすらい」1970フジ/松竹 ひたすら雪之丞を求める浪路、その行く手に次々と立ち現れる妨害者たち。激しい憎悪たぎるなか、浪路は雪さまの正体を知らされ、放心して彷徨うのだった。 ロケ地、屋敷を出た浪路が雪之丞のもとへ走る夜道、大覚寺大沢池畔(木戸越し・南望)。石子を見て踵を返し駕籠を拾う、有栖川畔(御殿川畔から東望のアングル、築地映り込み)。浪路の物慣れぬ態度に良からぬことを思い付く駕籠かき、連れ込みのお堂不明(護摩堂や五社明神舞殿と蟇股一致せず)。フラれちまったと自嘲のお初、大沢池木戸前(このとき目撃された闇太郎が走る小屋根はセット)。乳母宅から浪路を連れ出したお初、荒れ屋敷前で駕籠を返す、下鴨神社河合社裏手。座敷牢から逃げ出した浪路、南町奉行とばったり出くわす、黒谷墓地。甘言に乗せられ屋敷へ伴われる浪路、二人を乳母の孫が見るのは極楽橋。雪之丞の正体を聞かされてしまった浪路が渡る橋、木津川流れ橋(橋脚の半ばまで水が来ている)。浪路を探し呼ばわる雪之丞、木津堤。 *雪之丞と浪路の絆を見たお初、今まで演じてきた蓮っ葉な強がりが縁取りとなって哀切極まりなし。吉行和子の演技はもちろん上々、泣きながら浪路を叩く姿が美しい。*明かされる佐平の過去、焼印の謎…長崎の松浦屋の蔵から持ってきたのかアレは。 ■ 暴れん坊将軍 II 第130話「弁天様の甘い誘惑!」1983-1987テレ朝/東映 白砂糖が不足し、闇で抜け荷品が横行。大坂から出てきた騒がしい饅頭屋が右往左往することで、親玉の正体が焙りだされてゆく。 ロケ地、饅頭屋の弁六の夢、抜け荷が発覚し捕縛される福江藩領、駆けつける汀は広沢池東岸。お福引き回しの列がゆく道、嵐山自転車道(東公園からのかなり引いたアングル)。抜け荷を探っていた忠相の密偵が死体で見つかる、中ノ島橋下汀(見物衆と新さんは橋上)。医師・珍斉の仲介で抜け荷サロン行きの駕籠に乗せられる弁六、大覚寺五社明神。福江藩邸に忍んだ庭番が結果を報告のお庭、枳殻邸芝地(上様弓のお稽古中)。抜け荷サロンの、大名相手の両国の船宿・弁天、嵐亭(船着汀から石垣越しに萱葺き屋根を見る)、表門は中山邸門。庭番が取り付くのは参道塀。事後、じいが落とした菓子が着地する大奥のガーデンセット、枳殻邸印月池畔(バックに侵雪橋)。 *弁六に花紀京、珍斉に牧冬吉、福江藩留守居役に藤岡重慶、「弁天様」のお福に佐野厚子と豪華キャスト。弁天の用心棒の浪人(一)に福ちゃん、集団のヘッド。新さんを蔵に監禁する際には「公儀の犬であろうあとでゆっくり始末してやるフハハハハ」の台詞も。 ■ さむらい探偵事件簿 第5話「うまい話の落し穴」1996.12.3日テレ/東映 石橋蓮司演じる新城半兵衛大ブレイクのお話、美人に一目惚れされて持参金五百両つきで二人で小間物屋開いてと、舞い上がるレンジ空に向かって「生きてて良かったー!」と雄叫び。しかしこれが仕込みの騙り、憎悪をもって仕掛けられた罠。ただし、ほんとうの対象は新城同心ではなくか弱い底辺の女を食い物にして恥じぬ卑劣漢だった。 ロケ地、蒸発亭主を追っかける五月ちゃん、縁日の神社で大騒ぎは今宮神社参道、と思われる(モノ置き過ぎてて、コマで止めて見ても??ひょっとしたら上御霊さんかも)。うまい話を女の勘で怪しんだ涼花がお峰を問い詰める、大覚寺護摩堂前(夕景)。お峰の妹を死に追いやった「同心・新城」の行為を調べてきて新城と話す五月ちゃん、大沢池船着(小)。 *個性派俳優・レンジのあらゆる「顔」が見られる、貴重な一本。殺人鬼だったり変態だったりする石橋蓮司の暗ぁい顔が落ち込みシーンで出て、「新・レンジ生活」以来顕著で今は缶コーヒーCMで好感度が取り沙汰されるに至ったアカるいレンジがベースの、持ってけ状態。もう、出会いのシーンなんか、合成でピンクのハートがぼわぁと入るし。先と後にやる同じネタ、五月ちゃんからかって「おまえなんか裸になっておしっこシートト」に至っては意味不明、フリつけてるし。*レンジの名前騙って悪いことする同僚は都知事の息子の気象予報士、こないだもエロ時代劇で見たが、エリート馬鹿を演っても病犬を演ってもハマる、もっと見たい俳優さんの一人。…ちゃんと名前を覚えたい。 |
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