2004年9月 |
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2004/9/30 |
■ 雪之丞変化 その十一「呪いの観音」1970フジ/松竹 南町奉行にスポットが当たる。まず彼の娘がむごたらしく殺され、彼を過去の経緯で強請る浪人者も現れ、謎が深まる。一座の小道具担当の老爺まで「長崎関係者」と知れ、浪路は雪さまに思いを募らせた挙句お家に放火して逃走、事態は急速に動き出す。 ロケ地、お初とムク犬が奉行の娘の死体を見つける伝通院裏の大欅、下鴨神社糺の森・河合社裏。元長崎奉行所与力の石子浪人が襲撃される汀、沢ノ池東岸。石子の使いで人形町の水天宮へ奉行からの金を取りに行く太夫、今宮神社合祀摂社。奉行・横山右京邸、相国寺林光院。屋敷に放火して逃げる浪路、随心院長屋門前。 ■ さむらい探偵事件簿 第4話「モデルにされた迷探偵」1996.11.19日テレ/東映 命を狙われていると五月ちゃんのところへ来た依頼者は戯作者、殺しても益のない忘れ去られた過去の人。しかしほんとうに襲撃はあり、調べるうち「ご逝去記念追悼大売出し」を目論んだ版元の陰謀と知れる。そして事終わったのち、今回の五月ちゃんのろくでもない探偵ぶりがネタにされてしまうのだった。 ロケ地、依頼者の花倉春之助に話を聞く五月ちゃん、仁和寺観音堂西の蔵(塀に向かって連れションもあり)。本当に襲われたと背の傷を見せる花倉、そこへゴロツキの襲撃のくだりは塔下基壇。五月ちゃんの船で花倉が撃たれ、逃げた二人が身を潜める祠、夜の大覚寺天神島。 *花倉の過去のヒット作は「なめくじ忍者百人斬り」、強い忍者が屁をこくお話…売れてる榊原金太郎の著書も「禿鷹忍者」…しかも榊原は鈴木清順監督…。このほか怪しげな薬を売るポール牧、荒っぽい火消しの渡辺哲など楽しいキャスティング、戯作者は平田満。立ち回りや群集にいっぱい小峰さんが見えるのも楽しい。 ■ 暴れん坊将軍 II 第129話「夜空燃ゆ!呪いのほうき星」1983-1987テレ朝/東映 夜空に妖しく尾を引く彗星に人心乱れ、流言蜚語飛び交う。これに乗じて流通を停滞させ大儲けを企む大ワル、火盗改長官とつるんでいて火付けまでする始末。五年前に彗星が現れた折も同様の手口でしこたま稼いだ悪党ども、摘発に動いた火盗同心は子を殺され片腕を失い、妻を富商の懐に潜り込ませ復讐の機会を窺っていた。 ロケ地、下城する火盗改長官を呼び止め、捕えた元同心が自害したと偽情報を告げる忠相、姫路城はの門内側坂。 *雌伏する元同心に綿引勝彦、ぶっきらぼうな無頼浪人を好演。*今回の見どころは、なんといっても彗星のビジュアル。月と星雲がおんなじスケールで描かれたり、巨大彗星がとてつもない速さでびゅーっと夜空を走り去るという、トンデモ天文ショーが繰り広げられる。 |
2004/9/29 |
■ 雪之丞変化 その十「琉球哀歌」1970フジ/松竹 前回に引き続き、宇那の恋と松濤の苦悩を描く。 鉄泉はいよいよ鉄砲を搬入にかかり、闇太郎がこれに迫る。松濤は宇那を裏切れなくて命令に背き、遂に実は父だった鉄泉を討ち取るが、己の苦悩のおおもとであり父を狂わせた土部を仇として戦おうとした矢先、兵馬に撃たれてしまう。宇那の嘆きを見て涙する雪之丞に、闇太郎は三斉を討つ行為には多くの人の思いが込められていると声をかけるのだった。 ロケ地、鉄泉が寺僧をたばかり鉄砲を搬入する「山寺」、宇治興聖寺(参道から竜宮門を見るアングル)。松濤の道場と今戸河原、鉄泉の工房がある里は前回と同じ。 *伊丹十三、苦悩の果て恋に散る忍びを熱演。宿命と人間性と血縁にがんじがらめとなり懊悩する男を、眉間に縦皺寄せてハムレットのごとく演じるのは見もの。 ■ 長七郎江戸日記2 第46話「狸がくれた五千両」1989.3.14日テレ/東映 困っている人を見過ごしにできぬ、気のいい大工の留吉。かつて彼に施しを受けて感動した富商から、五千両の遺産譲渡の話が降ってくる。意味の無い金は貰えないという留吉、殺されたその富商のじいさんの仇を討とうとする過程で、老爺が同業者の騙り一味に殺されたことを知る。犯罪にからんだ金は没収、留吉には一銭も渡らない結果となるが、手もとには老爺から差し向けられた可愛い使者が残ってハッピーエンド。 ロケ地、辰三郎にしつこく借金を迫られる留吉、首吊り女を見てなけなしの金を与えてしまう、下鴨神社参道〜泉川畔。その女が手にした金を弄び嘲笑うのを目撃する長さん、大覚寺大沢池堤。騙りにやられた大黒屋に事情を聞く宅兵衛、大沢池畔。遺産の手形を受け取った帰りの留吉を襲う浪人たち、大沢池堤。これを首吊りの騙り女が見ている、天神島。遺産を託した淀屋から遣わされた小女・お春に事情を聞く長さん、仁和寺塔下〜茶店。お春がさらわれ、身代金受け渡し場となる聖天の境内、大覚寺五社明神。 *留吉に本田博太郎、施しの動機は身寄りひとつとてない寂寥感からという、哀しみに縁取られた好人物を熱演。独特の訛りが効果的で、感情を高ぶらせ大音声を発するシーンでは狂的キャラもほの見えて見応えアリ。 ■ 暴れん坊将軍 II 第128話「鬼を背負った押しかけ亭主!」1983-1987テレ朝/東映 金で人殺しを行う一味、容赦ない捜査で恐れられる火盗改与力、ストーカー紛いの男に押し切られ祝言を挙げてしまう薄幸の女、三者の接点が悲劇となる。 火盗の鬼与力は、か弱き者が泣くのに耐えられぬ一本気な正義漢で、善人そのものに見えた押しかけ亭主の魚屋が実は闇の世界の元締という、どんでん返しの構造を持つドラマ。しかし薄幸の女はまんま不幸なままで泣きをみるという悲哀に、涙隠したイッキ飲みをつきあってやる新さんなのだった。 ロケ地、罪を犯して高飛びの男たちを追い詰め斬り捨てる火盗与力・神崎、石座神社舞殿脇〜本殿。摘発の際犠牲となった酒肆の小女の墓に参る神崎、亀岡の丘。その帰り、無心に遊ぶ子らを見て犯罪者の性根について語る新さんと神崎、相国寺方丈前〜西塀際。ここへ注進に走ってくる岡っ引が殺し屋集団に殺られる、法堂南の林間。亭主が捕縛されたあとお百度参りのおふく、石座神社石段〜本殿。神崎与力が殺し屋に呼び出される鈴鹿の森、下鴨神社泉川畔、ここでラス立ち。 *実は闇の世界の住人で、薄幸の女につけこみ偽装結婚を遂げる大ワルの元締にうえだ峻、冷徹な大ワルと天然系のいい人をきっちり演じ分ける技量が秀逸。*ラス立ち福ちゃん入り、殺し屋の手下の浪人態。新さんに刃を首にあてられウガガと呻く仕草も可愛い。ラス立ちでは清太郎のみ上様に峰を返されマジ斬りされる「貴様だけは許さん」。*職業的殺し屋が小道具のお話、処々にどこかのドラマで見たような記号が散りばめられるのも楽しい。殺し屋の首魁は「佐渡抜け」だし、乱暴な破戒僧いるし、一味の一人は見張りの際道端で鋳掛屋してるし、アジトは絵草紙屋だったりと含みありげ。極めつけは、神崎殺しの金を置く「魚屋」の台詞、「やってくれるな」。 ■ さむらい探偵事件簿 第3話「嘘つき天使の夢芝居」1996.11.12日テレ/東映 泣き落としで五月ちゃんを動かす依頼者の娘、さがしものは旧友。おぼこと見えた娘の正体は寄場帰りの夜鷹であったが、ひとりぼっちの江戸で病を得た身を親身に介抱してくれて、一つ椀を啜りあって苦楽を共にして夢を語りあった友を二心なく求める、純心からの願いだった。 娘とともに貯めこんだ金を人別を得るために使い、料亭の女将になり了せていた「親友」は、訪ねてきた娘を知らぬげに扱うが、最期は友を庇ってワルの刃に斃れる。 ロケ地、さがしものの女・おもんの墓を訪ねる五月ちゃんと依頼者の娘・おせん、大覚寺天神島大楠の根方に墓標をセット。帰途、おもんちゃんまだ生きてると駄々をこねるおせん、五社明神。その後もあきらめず五月ちゃんについて回るおせん、聞いてくれないと死ぬと帯を木にかける、放生池堤。料亭の女将におさまっている「おもん」が夫婦でお参りの宮、松尾大社本殿。事後、夜鷹に戻ったおせんに迫られる五月ちゃん、大覚寺大沢池汀〜堤上(おせんの小屋をセット)。 *天然夜鷹・おせんを演じるのは羽野晶紀、台詞にまじるネィティブ?の大坂弁が見どころ。 |
2004/9/28 |
■ 雪之丞変化 その九「紫の囮」1970フジ/松竹 雪之丞の身辺に手が伸びる。土部三斉の放った異国の忍びは太夫の父の遺書入り守袋を狙うが、これは闇太郎がそらし利用して敵の懐へ。そこでは、二十年前松浦屋をハメた鉄砲密売が今も行われていた。今回は琉球忍びの青ハブがらみで、彼らを親兄弟の仇と狙う琉球女が登場。その痛ましさに同情した太夫は彼女の恋を助けるが、忍びの正体が明らかとなり、あまりの結果に立ちすくむのだった。 ロケ地、今戸河原そばの拳法指南・摩文仁松濤邸、民家門と塀。松濤が弟子で仇持ちの宇那に迫る今戸河原、河畔にヨシ原ある砂河原で堤に疎林…木津川か。闇太郎とやりあう琉球忍び・卍、下鴨神社河合社裏手林間。その後逃げ込む、小梅の、鉄泉の公儀御用鋳物工場がある里、不明。浪路に呼び出された雪之丞が送ってゆく道、不粋にも兵馬出て勝負を迫る、相国寺方丈塀際。 *松濤に伊丹十三、正体は宇那の仇一味と知れる。劇中忍びの演技をしている卍は宍戸大全。 ■ 暴れん坊将軍 II 第127話「男の約束!紀州の海鳴り!」1983-1987テレ朝/東映 吉宗への妬心から怪しげな兵法者に魅入られてしまう紀州藩主、しかもそやつの背後には尾張。心ある若侍たちは命の危険も顧みず殿様を諫めるが失敗、梟首となった若者の父と妹からのSOSに駆けつける上様、彼らは部屋住み時代の吉宗の命の恩人なのだった。 ロケ地、奸物と兵法家・一心斉を襲う若侍、和歌山城松の丸大楠下。虎伏城の説明に全景(市役所か朝日新聞からか)。若侍の妹・雪江と連絡を取る上様、紀州徳川家廟所・長保寺、本物(湯浅)。加納じいが藩主・宗直に会う西の丸紅葉渓、本物。会見は鳶魚閣、直訴の若侍が撃たれて消されるのは前の土橋。悪者の秘密基地がある紀州東照宮、本物。雑賀衆の名残りの洞窟(源左衛門監禁場所)はセットと思われる。また、神輿出して攪乱をはかる際には日吉大社白山宮を使用。将軍スタイルで城門に乗り付ける上様、和歌山城岡口門。一心斉を糾弾ののち立ち回り、天守曲輪〜天守二の門。☆猪乃の恋人の漁師が武器搬入を見てしまい消される浜や、ラスト新さん見送りの浜など不明なるも、磯の浦か片男波か浜の宮か、あのへんかも。 *吉宗の恩人で息子を晒し首にされた郷士を長門勇が演じる。今回はコミカルな場面なし、泣きは思いっきり入る。怪我の手当てして貰った若様が約束した「危機にはきっと駆けつける」の言を信じているが、来るのは大目付か庭番だと思っていたオヤジ、感涙に咽ぶ。…でもねぇ、約束してなかっても上様はひょいひょいあっちこっちに行くから…九州とかでも。*兵法者は小沢象、上様にマジ斬りされる。手下には福ちゃんもいる。*紀州藩主には森次晃嗣、被害者顔で土壇場で反省「あれは背伸び・甘えたかった・寂しかった」のなっさけない言動が似合いすぎてジョワッチ。 ■ さむらい探偵事件簿 第2話「私は一体ダレ?!」1996.11.5日テレ/東映 五月ちゃんとこへ転がり込んだ依頼者は記憶喪失、金は持っているので相手するうち、鍵を簡単に開ける・犬怖い・夜にお目目ぱっちり・呼子に脅えるなどの行動が。これは義賊・むささび組と喜ぶことしきりの五月ちゃんだが、「義賊」の実態を知りトーンダウン、しかし依頼者の「うす」のみ本当の義賊と覚り、彼を消しにかかる盗っ人どもを鮮やかに斬ってみせるのだった。 ロケ地、五月ちゃんに接触の記憶喪失の「うす」、八幡掘明治橋下堀端。「うす」が倒れていた現場、金戒光明寺長安院下坂。「うす」がむささび組の実態に異議を唱える、鐘楼。女郎がチクって文六が五月ちゃんを「御用」と迫る、永雲院下坂。むささび組との立ち回り、大覚寺五社明神(うすを本殿に入れて庇う)。 *「うす」の身元探しの過程で、本間さんの周りの人は皆ハイエナと述懐のうすが傑作。「うす」は五月ちゃんの命名、記憶ないからうすぼんやり、という安易なネーミング。でも別料金。*むささび組首領は本田博太郎、押し殺した声も怖いキレた系。 ■ 新三匹の侍 第12話「訣れの鐘が鳴っている」1970/7-9松竹/フジ ニセ三匹が現れる話、ヤクザの一家を皆殺しにした本物「三匹」の手柄を奪う騙りかと思いきや、ヤクザの兄弟分が本物をいぶり出すための仕掛けだった。偽たちがイイ目を見ているのに不遇のホンモノ三匹、それぞれ心中に期するところあり散らばって活動。ヤクザの策謀を見抜き返り討ちの血の雨、悪ガキの父の仇を討ってやり、ひとときの静穏をもたらして三匹は去ってゆくのだった。 ロケ地、三匹ごっこの悪ガキたち、走田神社参道〜本殿(流と楓が野宿)。右近と源三郎を追ってくる悪ガキ、谷山林道。偽者と囃したて投石の村の子供、沢ノ池東岸汀(三匹全員水落ち、設定は「川」の模様)。旧結城屋邸、不明。結城屋の遺児の勘吉が父の眠る寺の鐘を撞く、西寿寺鐘楼。勘吉に道を説く流、母親に感謝される、石段上部・本堂バック。事後、勘吉に別れを告げる流、墓地への石段。三匹とおりは合流し出立の石段、金戒光明寺石段。ラスト止め画は本堂大屋根をバックに。 ■ 必殺仕切人 第12話「もしも江戸が厳戒態勢に入ったら」1984.11.16ABC/松竹 琉球のお姫様を入れ替えて、更なる悪謀をとはかる一味は薩摩藩。消されかかって逃げた姫を拾ったのは勇次、恨みの筋をしたためて自刃をはかるのを阻止し、ワルをさくっと始末しお姫様を元に戻してやるのだった。 ロケ地、親覚姫の宿坊となる浅草観音寺、大覚寺大門。消されかかった姫が湯衣一枚で逃げる掘割、御殿川。夜釣りの勇次が薩摩藩士から姫を隠してやる船、嵐山公園中州湛水域に繋留。江戸城イメージ、姫路城天守閣(全景)。宿坊にワルを襲う仕切人たち、勘平の仕置は大覚寺大沢池木戸前、ロープ技のあとブレーンバスターと人間風車炸裂。 *「厳戒態勢」でワリを食うのは勘平、度を越した数の検問に引っ掛かり浮気デートに間に合わず。 |
2004/9/27 |
■ 雪之丞変化 その八「三番倉の鍵」1970フジ/松竹 千石屋の言うなりになる「お芝居」続ける雪之丞、検校に奇策を耳打ちして米の買占めから手を引かせ千石屋を窮地に追い込む。土部からも見放され、折りしも打ち毀しの衆が千石屋を襲い、彼は狂乱の態で検校の座敷に斬り込むことになる。この期におよんで太夫を脅しつけ検校殺しのアリバイを証言させようとはかる千石屋、冷たく放り出された先には、手形詐欺をはたらいて乗っ取ろうとした黒羽藩の家士たちがいた。 門倉の讒言で太夫を兄の仇と狙うお千代、藩重役に陥れられ追われる身となった若侍、二人ながら闇太郎と太夫の助けで逃がされ、希望に満ちた顔で江戸を去る姿が描かれ幕。このエピソードはいかにも70年代初頭の匂いぷんぷん、菜の花畑を跳ぶようにゆく二人の画がいかにもそれっぽい。 ロケ地、太夫が千石屋にハメられた現場、相国寺鐘楼まわりっぽいが確定要素見当たらず。黒羽藩士たちが上役の命令で結城を消そうと斬りかかる野道、北嵯峨農地。女郎屋を抜け出したお千代が復讐のため太夫のもとへ走る夜の橋、渡月橋。 ■ さむらい探偵事件簿 第1話「幻の春画を捜せ!」1996.10.29日テレ/東映 北町をしくじり妻に去られた元同心・本間五月が、情婦の家からも追い出されているところ、探偵を依頼する女流画家に拾われる過程を起こりの一話とする。 依頼はむかし山風堂涼花が描いた三曲一双の春画さがし、モデルとなった女の夫が同じく画を狙って立ち現れる。女は夫の仕官の資金のためモデルとなったもので、これが仕官先の上司の目に触れお勤めはパァになってしまった経緯あり、男は荒み辻斬りと成り果てていた。妻の痴態が人目に晒され続けることに耐えられなかった男は、妻と画を滅したのち五月の手にかかって自死ともいえる最期を遂げるのだった。 ロケ地、柿崎一家の親分の娘に頼まれ駆け落ち相手のもとへ届ける五月ちゃん、これより中山道の辻は御室八十八ヶ所のお堂と放生池橋たもと。柿崎一家に追われ湯屋から裸で逃げる五月ちゃん、縁日演出の上御霊神社参道〜本殿裏手と駆け回ったのち涼花の屋形船へ、ここは八幡掘へスイッチ。浪人・白坂が出て五月ちゃんに画を渡せと迫る、八幡掘裏路地〜御室八十八ヶ所お堂前。白坂の元妻女が店へ帰ってくる際渡る橋、八幡掘明治橋。彼女が白坂と会う夜の鳥越神社、今宮神社若宮社付近。斬られた彼女の悲鳴を聞く五月ちゃん、東門を入って石橋上。五月ちゃんが白坂を斬る高村神社裏手、今宮神社境内参道。 *文中、五月ちゃんと記してあるのは劇中の呼称から。石橋蓮司演じる南町同心・新城半兵衛がくねくねしている際にやる。牛太郎にもそう呼ばれている。もう、気取ったとこ皆無の高橋英樹、おちゃらけまくりで騒がしく駆け回る。ぶつくさレンジも傑作、十手で岡っ引をびしばし殴る仕草は爆笑もの。*OPの芝居小屋に山伏役で出てる福ちゃん、今回船頭もつとめるが、萬田久子が屋形船を操る彼に「福ちゃん、やっとくれ」の台詞を投げる傑作保存ものシーンがある。「へいっ」と満面笑みの照れ照れ福ちゃんが可愛い。 ■ 鬼斬り若様 安田広義監督作品 1955.4.19大映京都 前将軍の甥・松平長七郎を雷蔵が演じた一作。 町で無法の限りを尽くす旗本の蜻蛉組が導入となり、首領の財布を掏ったおれんを助けるのに乗り出す「親分」が長七郎ぎみ。舞手を従え夜桜見物のお忍びという態で繰り出し木戸を開けさせ、おれんたちを鮮やかに逃れさせるくだりで、基本設定が語られる。 お話は、大老・酒井雅楽が百合の局を東福門院のスパイとして抹殺しようとする陰謀を長七郎ぎみが阻止するというもので、発端はおれんが掏った財布に入っていた暗殺指令の密書。舞台は、江戸の町から百合の方が幽閉されている箱根へスイッチ、じいの三宅宅兵衛やお付の田村右平次など里見浩太朗の人気シリーズでお馴染の面々も登場、おれんさんの率いるのは夢楽堂チームではなく掏摸仲間?の男たち。監視の厳しい塔ノ沢の湯治場から百合の方を連れ出すどたばたコメディタッチの展開となる。 ロケ地、なにやら見覚えのあるようなないような山道や野面がたくさん出るが、皆目判らず。 ★暴将IIと12は個別視聴記に直接書き直し。 |
2004/9/26 |
■ 五稜郭 第二部「幻の蝦夷共和国」−箱館戦争− エピローグ・ウラルを越えて 1988.12.31NTVユニオン 「デ・ファクト」の政府・蝦夷共和国の戦いはことごとく劣勢、起死回生のアボルダージュも宮古湾にあたら人材を散らすのみで失敗。薩長の足並み揃わぬ新政府軍なれど、圧倒的な軍勢と軍備の前に、もはや味方ひとつなき箱館政権に勝機は存在しなかった。 海軍が全滅、各台場も陥ち政府主要メンバーが次々と斃れ、進退窮まった榎本は切腹を図るがとどめられ、落しどころは「有為の人材」を散らせてはならぬという敵味方の共通認識にもってゆく。 以降、蝦夷共和国メンバーのその後が描かれ、海軍中将となりロシアとの領土問題に関する協議を無事終えた榎本がシベリアの大地に立つシーンで締めくくられる。 ロケ地、加賀藩邸に軟禁中の松本良順に榎本の消息を聞きにゆく母と妻、大覚寺参道塀際と参道石橋。アボルダージュ作戦に出動の艇が出る浜、嵐山公園護岸石垣下。迫る官軍を迎え撃つため散ってゆく各隊、伊庭隊がゆく松前への道、谷山林道。木古内山中、額兵隊の戦闘、酵素降り口と河川敷。土方隊が死闘の二股口、酵素ダート。元会津藩公用方の妻・井上ちか子が今生の思い出にと土方を呼び出す農家、広沢池東岸にセット。七重村の新政府本営を襲う榎本指揮の一隊、酵素河川敷。土方戦士の一本木関門、木津川流れ橋下に柵をセット(橋桁を映さず、橋脚をセットした柵とうまく組み合わせて使用。ここはとてもよくできているのに、ちか子が土方の遺骸に縋るシーンはまんま「川」の汀を使い、陸繋島の上にある函館市街では有り得ねー画なのも面白い。ポエムの劇中歌被ってるくだりなので造形的にはマル)。東京、太政官府に「有為の人材」を殺すなと桂小五郎に談判にゆく佐藤泰然、大覚寺大門。 *伊庭八郎の「介錯」をつとめるカズヌーブ、中島三郎助一家の死に様など滅びゆく旧幕臣たちの壮烈な戦死の極みは、土方のそれに尺を多くとる。第一部での殺伐さは持ち越され、仲間への労わりに柔和さも見せるものの、女の据膳蹴る際は鬼神の如く斬りまくることで血を鎮め、自殺に近い吶喊を敢行し果てるという死への「ジャンプ」を遂げるのだった。*第一部で、大坂城から金拝借して運ぶ最中の榎本一行に噛み付く新選組引き上げ部隊にいた福ちゃん、アボルダージュに参加し華々しく散る、新選組隊士・野村利三郎と判明。東映作品なのでいつもの通りさかさか動く身振りが目立ちまくり。 ■ 新選組! 第38話「ある隊士の切腹」2004.9.26NHK 容保候への忠誠から、広島で「周旋」近藤が不在中起こった痛ましい事件を描く。 切腹を前にした河合耆三郎が、西本願寺の寺侍に事の真相を語るという形式でドラマが進行、既存の各作品でよくある、ほんのちょっとで間に合わなかった金、のシーンは飛脚がちゃりんじゃらんと鳴らす小判の音のみで締めくくられホワイトアウト、経緯を描く騒がしいシークエンスと対比させて静謐のうちに終わる。 内緒にしてやって、期日を延ばしてあげて、観柳斎も問いただして、それでも回避できなかった河合の切腹に、不在の近藤の名を呟き事後は柱に頭ガンガンの土方、こんなでは流山がとってもコワい。 ロケ地、亀山御坊の「屯所」、ちょっとずつ違うアングルも見える。 ■ 十手無用 九丁堀事件帖 第24話「二人清三郎」1975-1976日テレ/東映 大火を起こし行政が混乱するのを狙い、無宿人に人別を高値で売りつける阿漕。はじめの依頼は放火を目撃したお薦さんから来る。そして、人別を勝手に操作されたうえグルの役人に捕まり寄場送りとなった男の恋人から、重ねての頼みが九丁堀に。 ロケ地、寄場へ恋人を訪ねるお民、罧原堤下河原か。 |
2004/9/25 |
■ 五稜郭 第一部「江戸最後の日」−男たちの選択− 1988.12.30NTVユニオン 日テレ年末時代劇、幕末もののひとつ。 慶応三年、オランダ留学から帰り理想に燃えていた榎本釜次郎は、回転の世に幕臣として最後の意地を見せんと時に抗う。 榎本が初の海戦を経験するなか将軍は政権を朝廷に返上し、鳥羽伏見には錦旗あがる。そして帰り着いた江戸では、勝海舟が徳川家の存続と江戸の町を守るため徹底恭順策を推進していた。上野の山に散った彰義隊の無残を見たあと、徳川宗家の駿府移封を待って「榎本脱走軍」は洗いざらいの艦船をひっ攫い蝦夷地を目指し出航するのだった。 第一部は蝦夷地入りし、希望の星・開陽丸を江差の海に失うまでを描く。 ロケ地、徳川慶喜が水戸に退隠する駕籠を見送る江戸の民、仁和寺参道。彰義隊の件を聞き上陸の榎本、迎える勝、大覚寺大沢池船着(小)、勝のバックに五大堂。脱走兵を乗せた艇が出る浜、嵐山公園中州付近石垣護岸下。江戸を去る榎本艦隊の汽笛を聞く妻・多津、大覚寺大沢池北西畔。続々と仙台へ集結する旧幕府脱走軍のくだり、土方がゆく浜は木津河原。艦上のシーンは使用された船のある長崎か。 *「里見」榎本、インテリぶりより闊達な江戸っ子幕臣のカラーよく出て良し。「津川」勝海舟は老獪というより怪物じみた迫力。秋野大作が懐かしい「天下御免」を思い出させるユニークな演技を見せて楽しい。妻・多津は「瀧山さま」と聞いてびっくり。「渡」土方、まだサワリだけだが最近よくあるナイーブな青年ではなく殺伐としていて、いっそ好感が持てるかも。 |
2004/9/24 |
■ 薩摩飛脚 1982.6.11CX/映像京都 時は安政年間、薩摩藩へ潜入した公儀隠密二人のうち一人は逃れるが、いま一人は負傷しており生死不明に。以降、その安否をめぐってのドラマが展開する。 思い詰めて夫の消息を求め薩摩へ向う妻女と弟、危険なその行為を阻止すべく、帰還したほうの隠密・神谷が二人を追う旅がお話の主軸となる。神谷と因縁ある薩摩の次席家老が追っかけてきてさまざまに妨害をはたらいたり、薩摩と取引のある鼈甲屋の女将が神谷に一目惚れして助け手となったりと、見どころのあるエピソードも散りばめられる。 ロケ地、薩摩藩が火薬の試験をしている山中、保津峡落合(水中に爆薬仕込んで派手に水柱あがる)。警備兵に見つかり追われる隠密・神谷と松村、崖道〜落下岩(神谷は谷に身を躍らせて逃れる。落ちる先はどこかの海にスイッチ)。江戸イメージの橋、渡月橋。三田界隈で薩摩藩の侍をつかまえ腹いせにボコろうとする隠密仲間、大覚寺大沢池畔。神谷が薩摩藩に公式に談判するよう申し入れにゆく大目付役宅、大門。お役御免を願い出た神谷が隠棲する寺、丹波国分寺(境内、門、門前の地道。畦道にはさ木残っている)。松村の妻・志保と弟がゆく東海道、琵琶湖西岸松原。二人を追って街道をゆく神谷が渡し舟に乗る酒匂川、広沢池東岸。箱根湯本、くっついてくる不審な旅人をシメる神谷、愛宕鳥居下。箱根山中、神谷を襲う薩摩藩士たち、湖南アルプス。志保たちが着く大坂・八軒屋浜、広沢池東岸(蔵と茶店セット、少々狭苦しく無理っぽい)。薩摩イメージに桜島望む錦江湾。 *神谷に平幹二郎、松村に近藤洋介、薩摩藩次席家老に河合伸旺(志保にいたずらするし、神谷に挑んで片腕なくすし、最後の対決では姑息に短筒出すけど敢無く返り討ち)、神谷にベタ惚れの女傑に太地喜和子。これがなかなかカワイイの。*松村の「監禁小屋」手前まで辿り着くも落命の妻と弟、亡骸抱いて泣いてるかと思ったら「これで吹っ切れた」の松村、ちょっとヒドいぞ。しかも薩摩藩主連枝の怪僧にオルグされてるし。…いちばんの問題は幕末の緊張感があんまり描かれていない点かも。 ■ 雪之丞変化 その七「札差しの罠」1970フジ/松竹 太夫があくどい札差の計略に落ち、殺人犯に仕立てられ土部殺しを強要される。闇太郎の奔走で無実と判明、そして土部邸から盗ってくるよう言われたブツはなんと太夫の父を罪に落とした「証拠」で、札差は仇の一人と知れる。太夫を陥れる道具にされ殺された遊び人のエピソードにも尺がとられている。 ロケ地、遊び人を使嗾した地回りが門倉に闇太郎殺しを依頼する、大覚寺護摩堂前。 ■ 暴れん坊将軍12 第3話「老盗賊の復讐!捨てられた千両箱の謎」2002.7.22テレ朝/東映 富商から千両箱を盗むも、路傍に打ち捨ててゆく不可思議な盗っ人。とうに足を洗った老爺の仕業で、目的は告発と復讐。裏には、むかし幼い実の息子を些細な咎で無礼討ちにされ、今また一人前に育て上げた養子を口封じに謀殺されたという、老爺の哀しい経緯があった。 捨てられていた金箱には偽金がぎっしり、持ち主の材木商は奸佞な大名とグルで、公共工事の賃金に当てる企みだった。 ロケ地、盗賊・ホトトギスの弥助について報告の忠相、二条城清流園。匕首をのんで仇討ちに向かう弥助を呼び止める上様、大覚寺護摩堂脇〜天神島。説得を聞かず走り去った弥助が襲われる、石仏前。赤羽藩下屋敷、大門。 ■ 暴れん坊将軍 II 第125話「女の聖域 駆込寺無情!」1983-1987テレ朝/東映 勘定奉行と材木商に引きずられ、悪の道にそれた普請奉行の夫を見限った妻は東慶寺へ駆け込み。その前に彼女が相談に行った勘定吟味役が暗殺されたことから、悪企みは上様の知るところとなる。 妻に去られたことで悪事に躊躇しはじめる普請奉行、上様の示唆で戻った妻に説得されワルから離れようとするも空しく斬られてしまうのだった。妻女の駆け込み仲間の呑んだくれ亭主が、巻き込まれて密殺される哀話も挿まれる。 ロケ地、才蔵を伴い遠乗りの上様、品川の浜は琵琶湖畔。興が乗って鎌倉まで駆け、休む茶店が東慶寺門前茶屋、勝持寺東門前・願徳寺塀際にセット。こののち、駆け込み寺描写に勝持寺の参道や塀、山門など境内各所が使われる。忠相のもとへ急ぐ勘定吟味役が暗殺される夜の橋、中ノ島橋上。この件を報告の忠相、今宮神社石橋たもと。材木商・美濃屋が勘定奉行に供する別業、中山邸通用門。普請奉行に声を掛け説得の新さん、今宮神社稲荷社前。東慶寺から妻女を連れ出し説得する新さん、広沢池東岸。 *普請奉行暗殺の浪人に福ちゃん、致命傷を負わせる。でも直後上様が乗り込んできてズバっとぶっ叩き、あぉうと呻いてきれいにのけぞる典型的「先生」。 |
2004/9/23 |
■ 暴れん坊将軍12 第2話「南紀白浜の謀略!吉宗の娘を生んだ女!?」2002.7.15テレ朝/東映 田辺入りの上様、病と聞いた幼馴染・田辺藩の世子である安藤久馬が座敷牢に籠められ、切腹を迫られていると知る。江戸家老が藩主を謀殺し罪を久馬に着せたもので、城代も殺し図に乗るこのワルを成敗する過程で、上様は久馬と妻女の齟齬も解消してやり、笑って紀州を去るのだった。 ロケ地、田辺入りの上様と栄五郎が立つ浜、円月島を望む白浜の海岸。久馬の窮地を報告の庭番、三段壁。田辺錦水城、彦根城天守(玄宮園からのショット)。久馬の妻子を連れ和歌山へ急ぐ上様、臨時関所作られる山道、谷山林道。田辺を発つ上様、婦夫波を見て感慨にふける、千畳敷。 ■ 尻啖え孫市 三隅研次監督作品 1969.9.13大映 希代の快男児・雑賀孫市を「ヨロキン」中村錦之助が演じた戦国もの。彼と心を通わせる木下藤吉郎に中村賀津雄(当時はこの表記)、信長にカツシン。孫市の親父には志村喬、飄々としてここでもフクロウみたい。 お話は、「信長の妹」に一目惚れの孫市が織田家に接触することからはじまり、朝倉攻めに参加し雑賀衆の実力を見せつけ、偽者の姫を宛がわれ激怒するまでを前段とする。 後段は、信長に敵対する孫市を描く。信長憎さと女がらみで、孫市は本願寺に肩入れすることになる。 孫市は全編通じて藤吉郎には好意的、敵味方を越えた友情が描かれ、弟・賀津雄とのやりとりが見もの。おんなじ顔がふたぁつ並んで微妙に方向性の異なる演技を見せる、後の作品でもしばしば見られるが、二人とも若いこの頃のツーショットは見応えアリ。カツシンの信長は少々恰幅が良すぎるものの、人となりはよく出ていて、武家貴族の品格も充分。運命の女・小みちは、原作にある種子島家の血筋という設定はなく、本願寺僧・法専坊の妹で門徒。 ビジュアルはなかなかに戦国の風をよく描く。孫市の真っ赤な袖無し陣羽織に八咫烏マークが目を引くほか、手筒山砦のセットが秀逸でモブシーンも大映らしく派手で見せる。尻啖えペンペンはナマ尻でなくて残念というか、どうでもイイかおっさんの尻なんか。尺ゆえか、紀州に帰還した若太夫は一向宗に人気をとられて寂しいお国入り設定なので、原作にある紀州の闊達な豊かさが表現されず、なんだかうらぶれた漁村みたいなのがちょっと残念。 ロケ地、岐阜城、彦根城天守。孫市に接触した藤吉郎が「信長の妹」を所望と聞く、上賀茂神社北神饌所。信長に会いに岐阜城へ入る孫市、彦根城天秤櫓。名古屋・物部天神への道を女を求めて走る孫市、大覚寺大沢池堤。雑賀衆の試技上覧に際し、護衛の手勢を率い入城の柴田勝家、藤吉郎と押し問答は彦根城太鼓門櫓。試技を前に、不愉快な事態となった際は自分を殺せと孫市に告げる藤吉郎、山科勧修寺山門と塀。ひらひらと舞いつつ雑賀衆の手並みを見せつける試技は、庭園・氷池園(信長の座所は大悲閣前、舞いは芝地、朝倉の忍びが撃たれて落ちるのは氷室池)。朝倉攻めの織田の軍勢がゆく北国街道、木津堤〜流れ橋(橋上で孫市らが待っている)。以降、野道続くが一部天神川と思われる一件あり。孫市が惚れた女が市女笠でゆく清水寺、本物(舞台下の道、塔と舞台入る全景も)。騙り姫がバレて孫市をしくじったことを信長に報告の藤吉郎、相国寺方丈前庭(設定は信長の宿館・妙覚寺)。堺へ鉄砲買い付けに赴く孫市、後で小みちを伴っての帰路も落合崖の登り道。小休止して露草を渡す水辺は河口付近、設定は風吹峠。 |
2004/9/22 |
■ 長七郎江戸日記2 第45話「銃声に謎あり」1989.3.7日テレ/東映 長さんが拾った怪我人は、銃の暴発で手を砕かれていた。鍛冶職人の彼は母の薬代のため禁制の短筒密造に関わったが、大老暗殺に使われると知りわざと部品を抜いて作り、自ら負傷してみせることで一味から逃れようとしていた。しかし母の業病からして罠、鉄舟の診察で母はただの喘息と知れ、彼は長さんに全てを打ち明けるのだった。 ロケ地、夜釣りの長さん、大覚寺大沢池汀。朝吉が銃の暴発で負傷、大沢池堤。帰宅する朝吉を待っている銃密造の田島屋の手先、中ノ島橋たもと(言い合いしながらゆく朝吉とお咲のゆく道は南岸・水路脇の並木下、尾行の辰がベンチ脇に)。お咲が治療代を貰うため田島屋と会う清源寺護摩堂、大覚寺護摩堂。 ■ 雪之丞変化 その六「夕顔心中」1970フジ/松竹 土部の妹である北町奉行の奥方を煽る「夕顔」に化けた雪之丞、夫に見返られたと逆上する女の行動を利用し敵方の混乱をはかる。奉行が保身のため土部の悪行を記した書付の存在を知った土部は、奉行を抹殺にかかる。奥方と相討ちになった奉行、最後は太夫が見せる「父の怨霊」におののき水に落ちて一巻の終わり。 ロケ地、溜りを襲う町方、木津川か。奉行の役宅から帰る「夕顔」の駕籠を呼び止めるお初、今宮神社石橋、境内。奉行役宅、奥方に夕顔の亭主と偽り妾宅の場所を告げる破戒僧、相国寺林光院(玄関、中仕切り通用門)。奉行が夕顔を囲い書付を隠す妾宅、嵐山公園中州の料亭、堀端も堀も使用、映り込む橋は渡月小橋か。奉行に斬られた奥方が門倉を呼び、駆けつけるのを阻止する闇太郎、相国寺方丈塀際。 *目付方の服部が太夫の動きに気付く挿話あり。*監督、松野宏軌。 ■ 暴れん坊将軍 II 第124話「吉宗狙撃!消えたお庭番」1983-1987テレ朝/東映 将軍暗殺を企む、不行跡で罷免された元勘定奉行。隠密が上様を狙撃したことから忠相は隠密狩りを行うが、先走った町方は平穏に暮らしていた元隠密の老爺を責め殺してしまう。同じく隠密だった息子はお上に怒りを募らせ、元の主のもとに馳せ参じることに。しかしこれは腕の良い忍びが欲しくて当の主が仕掛けた罠だった。 上様はお忍び中ホントに撃たれるし、才蔵は死闘のすえ激流に呑まれるし、最後は上様自ら囮となって御狩場で大乱闘という派手な作り。スタントの少ない馬上の殺陣はさすがマツケン。 ロケ地、水禍の青梅村へお忍びで視察の上様、山道不明。才蔵が武太夫と戦い激流に消える、清滝川か(荒瀬しか映らず・水嵩多し)。武太夫が石屋の老爺を殺させた町方を始末する大川端、広沢池東岸(繋留してあった屋形船で逃走)。この仕儀を報告のさぎり、大覚寺勅使門橋上。父の葬儀のあと脇差持って家を出た藤八を追う女房、大沢池堤〜放生池堤〜大沢池舟着(大)、新さん現れてきっと無事に連れ戻すと約束。藤八を尾行するさぎり、相国寺湯屋前。気付いた藤八は塀を飛び越え大光明寺石庭へ。才蔵と再会し武太夫の情報を聞き上様に報告のさぎり、大覚寺参道石橋上。目黒の御狩場へ向う道、白馬に乗って疾走する上様に仕掛ける元勘定奉行の手勢(忍群と家士多数殺到)、天神川・大堰堤上の広河原(爆薬炸裂、派手な火柱が上る場面も。浅い河床で大立ち回り)。 *勘定奉行邸へ忍び込む才蔵、露見して殺到する隠密の一人に福ちゃん。 ■ 暴れん坊将軍12 第1話「美しき狙撃者!和歌山城燃ゆ!!」2002.7.8テレ朝/東映 将軍を襲った刺客にブチ込まれた銃弾から根来衆と知れ、上様は栄五郎を連れて紀州へ。そこには、紀州候を誑かし浪人を集め不穏な企みを募らせる男がいた。 江戸に現れたスナイパーは女。父の意思を継ぎたい熱意のあまり兵法学者・大窪清山に洗脳されていたが、土壇場でターゲットが上様と気付き狙撃を中止し、哀れにも清山に消されてしまうのだった。 ロケ地、刺客出る小石川薬草園、不明。紀州で栄五郎に海を自慢の上様、南紀の海浜(三段壁か)。お庭番が弾丸を見せにゆく根来寺、本物(大門、根本大塔)。大窪に連れられ和歌山城へ入る徳田新之助、本物(岡口門から天守望む構図、門内側も使用、西の丸庭園では鳶魚閣や紅葉渓橋が映る)。清山こそ根来を追われた忍びと報告の庭番、千畳敷。清山の山中のアジトへ赴く上様を狙うおひさ、狙撃を中止し師を問いただすも斬られる、鳥居本八幡宮竹林。清山と対決の上様、生石高原。事後、お城でおひさを悼む上様に田辺からの知らせを持ってくる紀州候、西の丸庭園土橋上。 |
2004/9/21 |
■ 雪之丞変化 その五「芙蓉屋敷の女」1970フジ/松竹 浪路の方を推挙してもらうため、大奥の老女たちに金をばらまきにかかる土部。資金は芙蓉屋敷と呼ばれる怪しげな「高級」悪所から吸い上げ、同時にライバルのお万の方の資金源を断つべく富商を暗殺の挙に出る。これにからんで罪を着せられる犬殺しの父、怒った闇太郎は土部から千両を盗みとるのだった。この過程で太夫の仇の一人・北町奉行が判明。 ロケ地、土部邸、大覚寺大門(御殿川手すり越し)。溜りで犬殺しの源助から富商殺しは門倉と聞く闇太郎、木津川流れ橋付近の堤と派流か。太夫が身投げの芝居で芙蓉屋敷を切り盛りする女に近付く、中ノ島橋。芙蓉屋敷で太夫に言い寄る男を散らす北町奉行、相国寺渡廊。源助を罪に落とすための口書をとられた松吉が、闇太郎の生い立ちを聞いて改心の堂、大覚寺五社明神舞殿。*監督、松野宏軌。 ■ 暴れん坊将軍 II 第123話「南国の美女、華麗なる復讐!」1983-1987テレ朝/東映 父を謀殺され母を連れ去られた琉球の娘は、手踊り一座の舞い手として江戸へ。仇は薩摩藩江戸家老、琉球在番中に放埓な真似をはたらいた挙句、抗議した梨花の父を襲ったもの。江戸へ密貿易の鉄砲を持ち込んだ江戸家老は成敗されるが、拉致されていた母・お蘭は娘の危機に斬り込み命を落としてしまうのだった。 ロケ地、忠相が薩摩藩邸へ放った密偵が追われぶら下がって隠れる、中ノ島橋(力尽きて落ち→土左ヱ門)。藩邸を窺う梨花と清豊、大覚寺御殿川河口(南塀を藩邸に見立て)。お蘭を囲ってある妾宅へ入る家老、望雲亭(門、前庭)。梨花に事情を聞く新さん、護摩堂(裏から)。その後庭番から報告を受ける新さん、五社明神内陣。柳橋の料亭へ向う梨花と清豊が襲われる、放生池堤。妾宅を抜け出したお蘭が娘を一目見にめ組へ急ぐ道、有栖川畔(河床から見上げ)〜心経宝塔下〜放生池堤〜大沢池畔。梨花が偽手紙で呼び出される東禅寺裏の祠、天神島の祠(石鳥居越しに高所から)。 *家老の手先の実行部隊に小峰隆司、目張りもきついいかつい顔がとても怖い。福ちゃん、忠相の密偵を追っかける人数に入ってるがラス立ちには見えず。 ■ 必殺仕事人V 第26話「主水、下町の玉三郎に出会う」1985.7.26ABC/松竹 辻斬りが頻発、恨みの筋は殺された老爺の孫から。辻斬り犯を探るなか、チームに接触してくる「仕事人」あり、以前主水が先を越された経緯のある「女形」。彼は裏稼業から退いていたが、身重の妹を辻斬りに殺され動き出したもので、果たせず斬り死に。主水は後事を託されるが、辻斬りの正体が将軍の後継と知り躊躇、しかし最初の依頼者の孫娘が馬鹿殿に辱めを受けたうえ殺されたのを受けチームは始動する。この際政が忍びに顔を見られ、仕事人たちはそれぞれに散ってゆくこととなる。 ロケ地、竹細工師の老爺が辻斬りに遭う、中ノ島橋上。辻斬り捜索において囮となった主水が蕎麦の屋台を引いて帰る道で襲われる、大覚寺五社明神。馬鹿殿を叩き込むのは有栖川、このあと「早変りの梅富」が出て返り討ちに遭う。落としていった葵紋入りの刀を堀に捨てる主水、勅使門橋上。江戸城イメージ、姫路城天守。出陣、加代がゆくのは相国寺法堂基壇〜渡廊、主水は大覚寺五社明神。またぞろ辻斬りに城を出る馬鹿殿、知恩院黒門道クランク。馬鹿殿一行がゆく夜の市中、相国寺大通院前〜鐘楼脇。宗旦稲荷で加代が誘うように朱傘を回し荒れ寺(セット)に誘い込む。「宗孝」が病死と処理された十日後、花畑で忍びに襲われる政、酵素河川敷(小屋に火を掛けられ死闘)〜保津峡落合落下岩から谷に身を躍らせる。ラスト、別れゆくチーム、野道は水鳥ロードの池か。 *順ちゃんを仕事から外す主水、足を洗えと示唆。彼は手伝いに来るものの、別れの場には立ち会えず遠目に見るのみとなる。 ■ 必殺仕切人 第11話「もしも父親が"娘よ"と泣いたら」1984.11.9ABC/松竹 娘が惚れた板前との仲を認め婿に据え、後継ができたと喜ぶ料亭の頑固親父、傍目にも幸福なこの一家が不幸のどん底に叩き込まれる。きっかけは娘に執着していた根暗青年、婿取りと聞いて逆上、陰湿な嫌がらせに走る。これが同心の倅で、父親は諫めるどころか後押し、手下の岡っ引がまた頑固親父に花会の場所提供を断られて恨んでいる始末。婚礼への妨害は仕切人たちがそれぞれにケアし無事に済むが、これに怒った馬鹿親子らは料亭に押し入って落花狼藉をはたらいたうえ、親父と婿に冤罪を着せ島流しにしてしまうのだった。 ロケ地、力仕事のバイトするスキゾー、桂川堰堤下川中。料亭の娘・妙に迫る同心の倅、大覚寺護摩堂。勇次に阻まれ、悔し紛れに晴れ着を裂いて立ち去る、放生池堤石橋上。遠島に処せられた父と夫を追い大海に漕ぎ出す妙、広沢池か。 *悪党の妨害に遭う一家を手助けする仕切人たちがバランスよく描かれた一作。ゆえにバイト情報誌や流行歌等の小道具さして目立たず。 |
2004/9/20 |
■ 雪之丞変化 その四「はぐれ唐人」1970フジ/松竹 牢屋敷から「唐人」喜楽斎を連れ出す雪之丞たち、しかしお初の余計な手出しで南里屋に奪い去られてしまう。そして悪人同士のトラブルのなか喜楽斎親子は命を落し、父の無実を証明する割符は焼損、度を失う太夫の段で「続く」。 ロケ地、小伝馬町牢屋敷、随心院各所。山王社、下鴨神社楼門。闇太郎を助けに入った小蝶が門倉の槍を受ける、罧原堤下汀か。*監督深作欣二 ■ 暴れん坊将軍 II 第122話「秘めた誓いの夢千両!」1983-1987テレ朝/東映 隠れ富籤で一山当てようとして殺された指物師の父も、彼の元弟子で隠れ富籤を売る寄場帰りの青年も、娘の目を治したい一心で動いていた。上様は庶民のなけなしの銭を食い物にするワルを懲らしめ、御免富の改革を図るのだった。 ロケ地、勧進富突が行われる湯島天神、上御霊神社(楼門、舞殿)。指物師殺しの男が新さんを消しに来る、福寿稲荷。その男が始末され浮く、嵐峡(屋形船の客が発見)。才蔵をまいた清次が上る舟着、大覚寺大沢池船着(小)。龍虎に隠れ富籤の当選金を届けにくる清次、五社明神。 *松前屋をシメたあと、結託していた寺社方役人を召し出す上様、なんか今日は珍しく鷹いじってるなと思ったら、断罪されてかかってくるコイツに鷹をけしかけるという運び。ホントに手に止まらせてるから凄い。*松前屋の用心棒に福ちゃん、ラス立ち要員の「センセイ」。 ■ 必殺仕事人V 第25話「主水、源氏と平家に泣かされる」1985.7.19ABC/松竹 大看板の役者・藤川源九郎のところへ、幼い頃失踪した「息子」が帰還。しかし彼は一座を乗っ取る企みで送り込まれた偽者だった。源九郎に牛若と可愛がられ「父」を慕うようになる「息子」は、苦悩の果て父に代わってワルの刃を身に受け落命、その後源九郎も牛若の恋人も消され、恨みの筋は仕事人に託される。 ロケ地、河原で転寝して悪夢を見る順ちゃん、嵐山公園中州舳先付近汀か。一味の用心棒に仕掛ける主水、屋形船から上る用心棒は大覚寺大沢池船着(小)、仕掛けは五社明神。 *源九郎は牛若が実子でないことを初めから知っていて受け入れた設定、失踪したのは「娘」、なんて粗漏なワル…用心棒なんか恣意に要る人物斬るし。*ゲスト登場人物の役名は牛若・お静・源九郎にお徳に梶原と平家物語を洒落る。タイトルは、せんが買ってきた系図のことを口走り「平家滅亡600年記念」の金一封を貰い損ねる主水。 ■ 水戸黄門33SP「大対決!八百八町は日本晴れ!」2004.9.20TBS/東映 江戸入りの老公、旧友の息子の北町奉行を助け、若年寄と組んで民を泣かせる道場主を懲らしめる。伝法な口調のこのお奉行、配下の熱血同心とともに事に当たるが、柳沢吉保と通じるワルをぴしぴし摘発した結果謹慎処分に。クサる彼には、老公のプッシュのほか様々な助け手が現れ、罷免覚悟で乗り込んだ若年寄屋敷でチャンバラのすえ印籠が出る運びとなる。助さんでも危ないかもの道場の使い手には、夜叉王丸が出現し片付けて去ってゆく。 ロケ地、馬渕道場の黒崎をつけていた棗が気付かれチャンバラの山道と谷、清滝川水系か。道場に通っていた息子を無惨に殺されたおとよの茶店、上御霊神社高倉にセット。道場へ乗り込んだ奉行が襲われる帰り道、大覚寺有栖川畔〜五社明神。ここに駆けつける同心たちは大沢池木戸をくぐってやって来る。北町奉行所、明智門。おとよの茶店を襲った人数に「紫頭巾」出て斬り合いののち、出た黒崎に対峙する夜叉王丸、大覚寺梅林。若年寄・横溝の政敵を暗殺した黒崎のモノクロイメージ、護摩堂。道場に潜入の助が聞き込んできた情報を奉行の耳に入れる老公、大沢池畔。菱川師宣の女弟子が腰掛けて歌うお堂、護摩堂縁先。水戸家上屋敷・小石川後楽園、本物。丹哲と逍遥の老公は坂口庭。 *お遊び要素いっぱいのスペシャル、「江戸を斬る」の松坂慶子ばりの紫頭巾出るし、お奉行の伝法口調はどこかの北町与力を彷彿とさせたり、中華マジックで敵を翻弄するお娟が使う名は「テンコー」…。*ラス立ちにはさりげなく福ちゃんの姿アリ。*久々登場の夜叉王丸、なんだかヘンな自己規定していて笑える。 |
2004/9/19 |
■ 新選組! 第37話「薩長同盟締結!」2004.9.19NHK 新選組では「壬生心中」、時勢は薩長が秘密裡に手を結んだことで急旋回の気配。 鬼副長として本格的に恐れられはじめるトシ、混迷を深める時勢のため鉄の結束を要すると近藤がこれを了とする次第が描かれる。松原の一件、結末を察し動く斎藤くんが渋い。 ロケ地、黒谷と屯所、いつも通り。 ■ 十手無用 九丁堀事件帖 第23話「ゆきと云う女」1975-1976日テレ/東映 孕んだことを責められ折檻を受けた飯盛女は、衝動的に男を刺し逃亡。倒れ込む街道筋で彼女を助けたのは、夫婦で旅をする幸福そうな幼馴染。その夜泊まった宿から出火、夫婦は焼死し、手形を託されていた飯盛女は幼馴染と取り違えられ、言い出せぬまま五年の月日が流れたのち、過去から魔手が伸びるのだった。 結城屋の女将におさまり健気に働く女を脅す男に岸田森、蛇のような表情が秀逸。これを追い使う岡っ引に遠藤太津朗、悪企みをする二人のどアップが実に暑苦しい。 ロケ地、結城屋の若女将が毎月お参りする幼馴染の女が葬られた粕壁宿の投げ込み寺、化野念仏寺。女将に結城屋の主を呼び出すよう強要する長次、罧原堤下河原。 |
2004/9/18 |
■ 京都マル秘仕置帖 第1話「カラオケ教室美女殺人事件 デビュー直前に消された演ドルの秘密」1999.10.16ABC/松竹 「土曜ワイド劇場」の現代劇、キャプションは「伝説の男"必殺仕事人 三味線屋勇次"が京の町に現れた!」、監督は石原興。「勇次」中条きよしは元歌手でカラオケ教室の先生、昭和の声を聞いて退いた侠客が父という設定。彼を「若」と呼ぶ手下のおっちゃん二人に織本順吉と松之助師匠、織本氏がことにいい味で二人とも植木屋の半纏がよく似合う。最後に「勇次」と対峙することになるフィクサー・壬生のご隠居には高松英郎、なんかほとんど時代劇を見ているよう。 京都製作だと現代劇でもこうなのかというくらい、時代劇で使用するロケ地多数。つくづくアレは記号なのだと悟る。もう、冒頭から祇園・白川巽橋に着流しの中条きよし、パラパ〜と必殺のトランペットテーマが鳴り響く。起こりの殺人事件なんか、柊野堰堤をバックの庄田橋。織本氏が張り込みの成果であるデートクラブのチラシを「勇次」に渡す屋台は龍大大宮キャンパスを背にしている。殺された「勇次」の生徒の女の子の弟と話すシーンは洛中から唐突に平野屋の店先から愛宕の鳥居の下へやって来る。汚職こいてた都市計画開発公団の課長さんが吊りで見つかる嵯峨の竹林なんかほとんど時代劇でしかない。検分に来ている刑事が岡っ引でもなんにも違和感無い。洛中から「用事」で亀岡へ行く弟がトロッコ列車乗って保津峡駅で降りたりするし…そんなとこで降りたら亀岡行かれしまへんで。知り合いの刑事に深入りするなと諭される門は西本願寺と堀川通を隔てたアレだが、これは時代劇では不可能なアングルだなと妙に感心。上七軒の芸者にご隠居のことを聞くのが北野さんなのはいいとして、停めた車のバックに平野神社映ってるのは細かい。織本・松之助コンビが経済ゴロのヤクザを叩き込む高瀬川が一の舟入のとこなのも面白いが高瀬川増水してて茶色い水が濁流、あれではがんこ二条苑の中も大変なんだろうな。ラストには渡月橋を着流しで渡る中条でシメ。このほかにも洛中各所が使われるが、将軍塚の展望台とか京都国際ホテルなんかはともかく、喫茶店とか雑居ビルとかマンションとかあんなはっきり場所わかるように映しちゃっていいのかなー。 「勇次」のイリュージョンは、亀岡の小料理屋を出たとこで襲撃されて出現。もうモロそのまま三味線屋、三の糸をしゅるっと走らせてならず者を撃退。でもほんの一瞬で、すぐに現実に立ち戻り、「見た」織本氏と松之助師匠が騒ぐのに「ギターの弦やがな」。これだけなので、ただの幻想設定なのか「勇次」が顕現したのかは不明。 *ほんっとに久し振りの現代劇視聴は疲れた。何が疲れるといって、中条氏も高松氏もほんとに滑らかな関西弁なのだが、アクセントが微妙にネイティブと違って、二時間聞いてると頭ぐらぐら。もうちょっと平板なんだよね、ほんとうは。もちろんNHKなんかのソレよりははるかによくできているのだけど。*フィクサーの隠居が甘い汁を吸う公共事業、「京都南部開発」と称されているのがブラックで笑える…笑いごとではないが。 ■ 必殺仕事人 第32話「隠技待伏せ斬り」1979.12.28ABC/松竹 おでん屋で無体をはたらく大身旗本の若様たちが描かれたあと、すぐにこやつらがターゲットの指令が来る。事の真相を探っているうち、若様たちの余りの行状に断が下され彼らは切腹したという情報が入るが、果たして彼らは生き延びていた。 ロケ地、依頼人の柳橋芸者に接触し話を聞く主水、嵐峡舟着に屋形船。芸者の回想、手籠めにされかかった妹が若様たちの一人を刺してしまう水辺、広沢池畔(水無)。若年寄・高岩邸、相国寺林光院。若様たちが匿われている上月藩上屋敷、大覚寺大門。江戸を出る若様たちを誘い込み仕掛ける掘割、有栖川河床。 *これでもかというくらい憎さげに若様たちを描き、ラストにカタルシスを持ってくる演出は見事。 |
2004/9/17 |
■ 雪之丞変化 その参「竜神が陸に上った」1970フジ/松竹 太夫の仇の一人が判明する。その男を別口で付け狙う父娘、父はまた太夫にとって証言者となる男であった。 芸人に身をやつしている父娘が回船問屋・南里屋に仕掛け、太夫は最初の襲撃に居合わせ関わってゆく。父のほうは唐人で片腕、南里屋が土部に隠れて行っていた抜け荷に関わり消されかけた男だった。タイトルは土部の奉納額に仕掛けられた判じ物を見て慄いた南里屋が呟いた言葉。 ロケ地、酔っ払い浪人が血祭りに上げられる小松橋、不明(木の土橋)。土部が浪路の方に男児祈願の額を奉納の山王社、下鴨神社(楼門、参道白州)。「竜」が送られた小伝馬町牢屋敷、随心院(薬医門、長屋門、塀等各所)。 *監督、深作欣二。 ■ 暴れん坊将軍 II 第121話「花のお江戸で嫁とるだ!」1983-1987テレ朝/東映 幕府へ献上されるはずの冥加金が盗まれ、財政に大穴開いてタイヘン。この金は、借金に窮した女と、陸奥出身の騙り男が組んで侵入った船宿で見つかる。お話は、この二人の人間模様を主に描く。 ロケ地、嶋屋の情婦が経営する大川端の船宿、広沢池東岸(入口はセットか、或いはかつてここにあった店舗か不明。お紺と与三郎が金持って逃げるシーンは汀でばしゃばしゃ)。 *東北弁の騙り男に吉幾三、「東京さ行くだ」を江戸に替えて披露。借金にあえぐ三人の子持ちで、ポン引きまがいのお紺には森マリア)。*今回もラス立ち前「カーン」なし、事後庭番が与三郎に「吉宗公であるぞ控えおろう頭が高い」。 ■ 必殺仕事人V 第24話「花屋の政雷雨の中で闘う」1985.7.12ABC/松竹 十年前政の仲間だった男が赦されて帰還。女の罪を着て島流しとなった清次は、きっと待っていると言ったお品を求めるが、時は彼女を変えていた。 嘘と知りつつお品の頼みを聞く清次、政と一騎打ちになるがわざと外し、自死に近いかたちで一人逝く。 ロケ地、御赦免船が着く浜、広沢池東岸(舟着、番屋、柵などセット)。お品のことを政に話す清次、嵐山公園中州北岸・堰堤脇(増水中)。政に仕掛ける清次、会うシーンで背後に上賀茂の神事橋が映っているような気がするが確定要素なし、雷鳴のもと二人のバトルはセット。 *今回のターゲットの一人・表は料亭で裏は女郎屋の主・丁子屋は「仕事人」設定、もとは清次の親分。尖ったものを鋭く投げる技を使う現役、しかし外道。竜の気配を察し天井に得物を投げるが、板を外す結果となりそこから竜の紐がしゅるしゅると飛んでくる。なお紐を切ろうと足掻くが、竜の捻り技に腕を絡めとられる。清次が政と同じ「枝刺し」なのも見もの、一騎打ちは空中で決する。 |
2004/9/16 |
■ 暴れん坊将軍 II 第120話「危機一髪!美しき囮」1983-1987テレ朝/東映 将軍暗殺計画もの、裏には尾張。街道筋に上様を誘き出して射撃、という図に持っていくのに使う回りくどい手段がドラマの過半を占める。事件は、不幸の手紙大流行ではじまったりしてなんかヘン。新さんに勇気を貰ったとか言って騙す茶屋女は、恋人の浪人が仕官を餌に操られているという哀れな設定で、最初から沈んだ顔をしており全編に暗ぁいムードが漂う。 ロケ地、不幸の手紙を馬鹿にして捨てた魚屋が大川で水死、広沢池東岸汀。新さんを襲撃した覆面侍たちが逃げる途中「居合わせた」お夕に手傷を負わせる、神護寺石段〜五大堂前。お夕の茶店、仁和寺塀際の林間(九所明神石鳥居付近)。馬でお夕を追いかけて尾張の手勢に狙撃される上様、間人海岸(立岩も)。 ■ 雪之丞変化 その弐「闇太郎ざんげ」1970フジ/松竹 お道の方は陰謀に落ち、土部の野望の一歩・浪路の大奥入りの手前まで。 小六を葬る太夫、幽霊仕立てで恐怖させ自滅に追い込む手口。お道の方を陵辱させた三人組を密殺したばかりの小六にはテキメン。実は役人だった服部、闇太郎の過去などお話に肉がついてゆく。お初は無闇に元気なまま。 ロケ地、暗くしかも部分しか映らないので確定困難。高飛び三人組の前に立ちはだかる闇太郎、大沢池堤か。闇太郎の操る船で橋場の船小屋へ向う太夫、大沢池か(あんまり水キレイじゃなさそう)。 ■ 必殺仕事人V 第23話「加代、五千両の金塊を拾う」1985.7.5ABC/松竹 大坂の蔵から運ばれる金塊がちょろまかされ、罪を着せられた蔵役人が刑死、依頼は父の無実を信じる娘から来る。金塊は荷からこぼれるように仕組まれており、その一つを加代がドブから拾ってタイヘン。かさこそと隠す加代の行動、取り戻しに来る一味に狙われたりして結局彼女のものにはならず一文無しになる経緯がコミカルに描かれる。 ロケ地、金塊を運ぶ街道筋、下鴨神社馬場か。金塊を隠す弁天さまのお堂、不明。その二十年に一度の奇祭・水洗い弁天が沈められる池、広沢池東岸(絶望の加代は池水に胸まで浸かる…アオコ寄せてていっちばんキタナイとこなのに、役者さんもタイヘン)。 |
2004/9/15 |
■ 長七郎江戸日記2 第44話「少女の叫び」1989.2.28日テレ/東映 母を目の前で殺された娘は町を彷徨い長さんに拾われるが、衝撃で言葉をなくしていた。親の無い子に弱い長さん乗り出し、治水工事で不正をはたらいていた悪家老を成敗。監禁から救出の際、幼女の口から「速水のおじさん」と声が出る運び。 ロケ地、おみつと遊んでいたしづかがさらわれる、大覚寺天神島、大沢池堤。吉津藩士・大月力が兄の死体を見る河原、罧原堤下河原。 ■ 暴れん坊将軍 II 第119話「"にが手"は恋の指南役!」1983-1987テレ朝/東映 剣の腕はからきしだが理財に明るい旗本の次男坊・荒見作次郎、兄の飛騨代官の善政も彼に拠るところ大。この才をお隣ゆえ漏れ聞いた美濃の小藩の殿様に見込まれ、妹の婿がねにと話が来るが当の姫様はお冠。その上、藩政を壟断する郡奉行が彼を狙う。難を排し彼らが結ばれるプロセスに徳田新之助大活躍、姫様はちょっと新さんに惚れていたりもする。 ロケ地、作次郎をお面つけて襲う鈴姫、腹に一発入れて倒したところを介入した新さんに扇で腕をはたかれる、仁和寺観音堂脇。鈴姫が初めて負けたと打ち震える、九所明神。作次郎の噂をする上様トリオ、枳殻邸印月池畔。お面の女は鈴姫と報告の庭番、今宮神社稲荷社前。美濃岩村藩上屋敷の庭、女たちに武芸の稽古をつける奥女中・ふじ、相国寺大光明寺石庭。作次郎に襲撃女は鈴姫と告げる新さん、今宮神社石橋たもと。岩村藩の百姓たちが訴状を持って江戸入り、侍に襲われ消されるのは大覚寺天神島。鈴姫と待ち合わせの新さん、仁和寺中門(落剥激しい)。市中を見物したあと雨宿りの新さんと鈴姫、大覚寺護摩堂縁先。ほのかな恋心を新さんに告げる鈴姫、広沢池東岸。岩村藩主の作次郎への期待を庭番に聞く新さん、今宮神社稲荷社前。姫を騙って作次郎を護持院ヶ原へ呼び出す郡奉行、下鴨神社馬場、河合社裏→ラス立ち。事後、作次郎との婚儀を報告のため上様に目通りの鈴姫、庭逍遥は枳殻邸侵雪橋上。 ■ 必殺仕事人V 第22話「主水、イッキ飲みする」1985.6.28ABC/松竹 大奥のお局さまと爛れた関係にある医師、万病に効くと評判の椿に目をつけ、木が生えている長屋を取り上げにかかる。ワルにとって都合わるいことに長屋は二代将軍秀忠に安堵されたもので、権柄ずく叶わぬと覚ったあと放火という暴挙に。これで母を亡くし、それでも遺志を継ぎ頑張っていた娘はワルに陵辱されたすえ謀殺されてしまう。最後の息で仕事人を求めた娘を、望みごと抱きしめて看取ってやるのは、彼女が思いを寄せていた政だった。 ロケ地、タケノコ族?ふうパフォーマンスの若い衆、金戒光明寺石段。秀忠のお墨付きの話を聞き作事奉行に手荒な手段を示唆の大奥のお局さま・村岡、仁和寺宸殿・南庭中仕切前。仕事帰り、政にほおずき市へお揃いの浴衣でと指きりするお妙、中ノ島橋上(夜)。連れ込まれた屋敷から逃げたお妙が殺される河原、橋下右岸河川敷。加代と順ちゃん出陣、下鴨神社二の鳥居。村岡に仕掛ける竜、糺の森。 *内容と全く関係ナシのタイトルは、お中元に届いた名水を強壮剤として飲まされる主水の、中村家エピソード。*今回の政の得物はアジサイ、悪徳医師とヤクザ二人を続けてぶっすり殺るにはいくらなんでもアジサイでは柔いのでは…それに、ここんとこ大ぶりの花が多いぞ。いちいち口に咥えるから、びょんびょん揺れてすっげー気になる。 ■ 雪之丞変化 その壱「大江戸初乗り込み」1970フジ/松竹 非業に憤死した長崎商人の父の仇を討つべく、二十年を経て遺児が江戸にやって来る。一族悉く連座し屠られたなか、丸山遊女に産ませた隠し子一人難を逃れ、当代の人気役者・中村雪之丞となって憎い仇の元長崎奉行に迫らんとする。 その仇、いまは隠居の身の土部三斉は、掌中の珠の娘を大奥に上げて世を牛耳ろうとする野望の爪を研いでいた。 ロケ地、対馬守の娘で将軍の子を懐妊中の中掾Eお道の方が襲われる墓地、西教寺(本堂大屋根、墓地、石段)。お道の方を保護した闇太郎が対馬守邸で口封じに消されかかりチャンバラの路地、相国寺大光明寺南塀際。 *丸山明宏の舞台もたっぷりと見せる、濃い作品。雪之丞と闇太郎は二役、仇の三斉には金田龍之介、雪之丞に迫る巾着切りのあばずれに吉行和子とコテコテ。要素てんこ盛りのお話に破綻ない脚本が見事な、「五社英雄アワー」。 |
2004/9/14 |
■ 暴れん坊将軍 II 第118話「吉宗がまさか!結婚詐欺!?」1983-1987テレ朝/東映 食中毒を出した公儀御用の菓子屋、罪をよそに被せる。これと結託の北町奉行、大枚受け取ってニンマリの座敷に上様乗り込みで成敗。これを軸に、処刑寸前の我孫子屋を救おうと時間稼ぎをするめ組や、恋の恨みでケチな意趣返しを企んだ炭屋の人情話が描かれる。 ロケ地、我孫子屋に頼まれて毒を入れたと書置きし「入水」の上州屋の番頭の死体が上がる大川、嵐山公園中州下河原。 *タイトルは、新さんをダシに高望みの我孫子屋の娘をハメる炭屋の次郎吉のエピソード。これに桜木健一、我孫子屋に北村英三、上州屋に多々良純、北町奉行に江見俊太郎と豪華キャスト。 ■ 必殺仕事人V 第21話「組紐屋の竜、右足を傷める」1985.6.21ABC/松竹 仕掛けた相手とタイミングが悪く竜の仕置が失敗、足に重傷を負う。その相手、凄腕の用心棒で以降加代と順ちゃんまで捕まりかなりピンチに。そして匿い手当てしてくれた夜鷹が落命するにおよび、竜は不自由な足をひきずって仕置に赴くのだった。夜鷹の父は竜に仕置された因業金貸しという因縁もついている。順ちゃんは吐かなかったことを主水にホメられたり。 ■ 必殺仕切人 第10話「もしも超能力でシャモジが曲ったら」1984.11.2ABC/松竹 幼児に念力があるかのように装い見せ物にする一味、これは隠れ蓑で実は盗賊。子らの一人が病気なのに医者にも見せず、念力で治るなどと嘯き死に至らしめる外道、助けようとした行者が殺され、子らは勘平のところへ駆け込んでくる。 ロケ地、スキゾーが行者を拾うお堂、不明。子らが旅立つ道、北嵯峨農道。 |
2004/9/13 |
■ 子連れ狼 第10話「最期の死闘!大五郎に贈る涙の言葉…」2004/9/13テレ朝/東映 冥府魔道をゆく父子の別れ、瀕死の父は子に哲学を説いて逝く。台詞はほぼ原作にあるとおりで懐かしくもあり感動もの。いま少し尺をとって欲しかったきらいあるもなかなか情感に溢れたクライマックスは、子役が見事に締める。 ロケ地、江戸入りに際し小舟で多摩川を下る父子、桂川亀岡付近か。慈照尼の寺へ薊の墓参に赴く、龍潭寺(山門、参道、門内、苔の崖)。墓地は複合、一部鳥居本か。江戸城イメージ、姫路城天守外観。決戦の場となる護持院ヶ原、砕石場か演習場か不明。 *一刀の背に最初に刃を入れる柳生者、よく見ると福ちゃん。元気だなー。 ■ 暴れん坊将軍 II 第117話「めぐり逢い 運命の凶弾」1983-1987テレ朝/東映 父を知らず育った息子は、母の話の故郷が大嘘だったとグレる。大水で消滅した母のふるさと、いまその治水事業に携わる気鋭の関宿藩作事奉行が実父と知れる過程で、ワルの手伸び父は狙撃されてしまうのだった。上様の大暴れでワルが屠られた後、息子が助けようとした娘と、再会を果たした「夫婦」と、共に根無し草として生きてきた人々に明るい未来が開けるハッピーエンドが用意されている。 ロケ地、仙太が女郎屋から連れ出したお菊を隠す小屋、広沢池東岸。仙太が訪ねて何もない葦原を見る母の故郷・関宿藩領中瀬村跡、広沢池西岸湿地。仙太がお菊をダチのもとへ落とそうとする目黒川、広沢池東岸汀。関宿藩作事奉行である父を水天宮に呼び出す仙太、広沢池西岸に祠セット。 *「父」に西沢利明、悪役もよいがやはりこうした「正直者の被害者」はよく似合う。暴将では火野正平が仕えるお殿様役(斬殺)なんかも同趣向でなかなかだった。*「カーン」無しの回、病床に駆けつけた新さんを見て作事奉行が「あっ」と驚くくだりがある。瀕死の怪我人にショック与えちゃダメじゃん上様。 ■ 必殺仕事人V 第20話「主水、田植えする」1985.6.14ABC/松竹 必殺で健気な子が出れば不幸の底、今回も身寄りもなく幼い子が必死に前向きに生きようとするのを、汚いちんぴらが踏み躙る。彼を構い親身になり鍛えてやった政はもちろん、ただで紐をやろうとした竜も、彼をサカナに稼いだ加代も悲憤に燃える。田中さますら幼児の死体に配慮を見せ、金にこだわるふうを見せた主水は結局小銭しか持っていかないのだった。 ロケ地、おみちの結婚を聞いた正太が寂しげに佇む水辺、罧原堤付近桂川畔。盗られた白犬を探し恐喝現場へ来てしまいボコられる正太、大覚寺天神島。ガキが喧嘩していると大工に起こされる居眠り主水、護摩堂縁先。正太にトレーニングを施す政、下鴨神社河合社脇、馬場。加代の企画で催される豆相撲大会、梅宮大社の土俵か。優勝した正太がシロと駆ける道、嵐山自転車道。正太が縊死死体で見つかる、大覚寺大沢池北西畔。 *正太の愛犬・ふかふかのシロ、主の危機を政に知らせに走る。門口の障子に飛びつき破る「演技」は見事、その後必死で政に急を説く鳴き声が哀切。*竜のダブル吊り、政の足裏ぶっすり刺し、主水のヤクザの親分の帯くるくる剥がしなど「仕事」も見せ場多し。*タイトルは、大飯食らいと詰られたせんが自給すると怒り田植をはじめる中村家エピソード、お弁当が田んぼに。 ■ 水戸黄門33 第21話「男意気地の恩返し」2004.9.13TBS/東映 舞台は村上、三面川の鮭を巡る騒動、騙されて零落した海産物問屋を遺児たちが立て直すお話。老公は入札に必要な資金を用立て、現場に介入し印籠見せて解決。 ロケ地、三面川、桂川亀岡付近か。旧主・和泉屋の墓に参る清次、金戒光明寺墓地〜本堂脇〜長安院道(東西)〜本堂下石段。村上の加賀屋支店へ資金調達に赴く八重、千太がお供の坂は長安院下坂。清次の奔走に礼を述べる和泉屋の遺児・ゆり、吉田神社竹中稲荷(本殿、舞殿、本殿脇の石段)、刺客出てアキら介入。事後、アキと鬼若がゆく道、くろ谷P前参道。 *ゆりに小林綾子、さすがに巧い。ラス立ちにはさりげなくボクサーのパンチも。 |
2004/9/12 |
■ 新選組! 第36話「対決見廻組!」2004.9.12NHK 伊東の蠢動、「びじねす」で西郷を説得にかかる竜馬、佐々木唯三郎との丁々発止、破滅に至る恋に迷う松原くん、でも今回も派手な事を起こすのは捨助。やだやだジタバタで火事を出すくだり、中村獅堂でなければ説得力ないかも。ところでハタキはどうしたんだ天狗次は錦旗か。 ロケ地、西本願寺屯所、本徳寺。会津本陣、金戒光明寺。 ■ 十手無用 九丁堀事件帖 第22話「江戸の町から魚が消えた!」1975-1976日テレ/東映 御用魚召し上げもの。時化続きでたださえ少ない魚を公儀賄方がことごとく召し上げ、思い詰めて役人に斬りかかる者や首吊りも出るなか、賄方に新しく入った真面目な小役人が救済をはかるが敢無くワルの手にかかる。当初の依頼は調査に入る間もなく当該者が磔、正義漢の役人が非業に斃れてのち仕置の運び。 ロケ地、賄方の役人に斬りかかった魚屋が磔刑、罧原堤下河原。江戸城イメージ、姫路城はの門下坂。賄方のヘッドの登城の際、直属上司の不正を訴える新人、妙心寺路地と思われるが石畳がちょっと?。 ■ 新必殺からくり人 第10話「桑名」1978.1.20ABC/松竹 舞台は桑名、お大尽と呼ばれる角屋は役人も手なづける化け物だった。 からくり人たちは、調査途中に関わった哀れな恋人たちを救い得ず、彼らの死を見て仕置に入る。看板の木綿問屋のほか、船の建造から賭場、宿も支配し渡船の運行も欲しいままにする大ワルの座敷で、お艶は彼が嫌う「桑名の殿さん」の歌詞を変えて唄い、控えていた刺客も鮮やかに討ってとる。 ロケ地、船大工の仕事場に聞き込みに入るブラ平が乗る船、嵐峡。小駒が洗濯の河原、保津峡落合河口。女郎から織り子に下げられたおしのが逃げて恋人を待つ雨の夜の氏神さま、上賀茂神社校倉(奈良社鳥居越しのショットも)。桑名を発つ一座をおしのと小吉の墓標越しに見る、北嵯峨農地と思われるがどこかの川堤っぽくもある。 |
2004/9/11 |
■ 町奉行日記 鉄火牡丹 三隅研次監督作品 1959.9.13大映 濠外掃除のお奉行を、朝吉や市をやる前の勝新太郎が演じた痛快作。 これ以降に映像化された他作品と比べて、事の推移がわかりやすく丁寧に描写されている。 隣藩の殿様に嫌味を言われて摂津守があわや「松の廊下」、濠外の親分衆は一旦屈服するものの重役連に因果を含められ刃向かってくる、など納得のいく筋立て。あと、濠外の代わりに銀山開発事業を持ちかけるなんていうのもある。親分衆に退去を求めるくだり、男と男、一人の人間としてとカツシンがぶつのはさすがに絵になる。 濠外の美術はあっさり目、しかしセットながら水辺の広がりは豪勢、酒場はエキゾチックでなかなかの雰囲気。小平太の遊びっぷりは主に女といちゃいちゃ、大宴会でぱーっというのは見られない。途中派手な立ち回りはせず最後に大殺陣、テンポよい作り。 ロケ地、大目付・堀邸から出た小平太が尾行される川べり、上賀茂社家町の明神川。つけてきた健士隊の若いのを煙に巻き柾木への伝言を託す、上賀茂神社北神饌所。柾木と会う禅寺、高台寺臥龍廊、青蓮院大楠。厦門才兵衛ら親分衆が退去に応じたと堀に話す小平太、竹生島宝厳寺(参道、本堂、鷺の営巣する山)。奉行職を辞しこせいと江戸へ帰る小平太、女の子に色目を使い怒られる街道筋、琵琶湖流入河川の堤道と思われる。 *堀が重役連と親分衆とのパイプであったことを指摘する段、小平太が濠外を喩えるのに竹生島のサギコロニーが使われるが、斬れと背を向けた小平太を斬れず帰ってゆく堀に呼びかけるシーンで一斉に鷺が飛び立つのは見事。でもいまここって黒い奴に取って代わられてるんだよねぇ。 |
2004/9/10 |
■ 名奉行遠山の金さん3 第24話「闇の上納金!遠山桜最後の勝負」1990ANB/東映 奢侈禁止の政策のなか、目こぼしを持ちかけ商家から金を毟る悪企みが横行。花火の玉屋も狙われ、裏金の上納金を拒否すると火付けというタチ悪さ、挙句娘をさらった黒幕の屋敷には遠山桜が花開く。 ロケ地、若様「小十郎」が入る禅寺・常念寺、大覚寺大門(金さんが素性を確かめに入る際には、お紺が石橋の上でキャー痴漢のお芝居)。玉屋の娘・お袖をつけ回す小十郎に理由を聞く水木、茶店は北野天満宮境内にセット(背後に本殿の破風)。勘定奉行の手下(菅貫)を尾行してちょっとやりあう金さん、大覚寺五社明神。浅草でデートの小十郎とお袖、北野天満宮本殿裏手に屋台をセット。裏金を断ってお上に訴えようとしたパン屋の死体が上がる大川、中ノ島橋たもと・堰堤脇。小十郎たちがならず者たちに囲まれる弁天様、大覚寺天神島。勘定奉行・大和田邸、明智門。 *若様の正体は将軍の世子、お忍びで町に出るよくあるパターン。町娘に惚れたり、水木同心にグーで殴られたりと賑やか、最後はお白州で証言もする。はじめのうち一人称が「余」なのも笑える。でも成敗とか余の顔見忘れたかとかは無し。*勘定奉行には「石屋」、ラス立ちには福ちゃん(用心棒の浪人)。 ■ 必殺仕事人V 第19話「加代、天才男と商売する」1985.6.7ABC/松竹 神童と呼ばれた三味線の名手は、演奏旅行を鉄砲密売の隠れ蓑にされており、秘事を知るや不用意に強請って消されてしまう。これを繕うため、ライバルの三味線の家元が犯人に仕立てられ死に追い込まれ、妹も陵辱された挙句惨殺。家元宅に出入りしていた政が恨みの筋を託される。 ロケ地、試し撃ちの犠牲者の死体が見つかる、中ノ島橋下手河床。棹屋佐理衛門邸、不明。鉄砲密売の密談と、自分を猿回しのサル呼ばわりに考え込む木阿弥、大覚寺護摩堂。一緒にいた家元の妹・千代に帰宅を促す政、放生池堤。毒殺された木阿弥の死体が投げ込まれる橋、中ノ島橋。翌朝発見され検分されるのは右岸河川敷(栗石の上)。千代が刺され落とされる、堰堤脇から。 *映画「アマデウス」のパロディ、木阿弥はがさつで下品、事あるごとに甲高い声で「アハハハハ」をやる。佐理衛門の新曲をいともたやすく弾いてみせバリエーションを展開する、六つのとき曲を作って弾いたなどの逸話も映画どおり。 ■ 暴れん坊将軍 II 第116話「戦慄!湯の里の美少女」1983-1987テレ朝/東映 旅もの。因習の生贄にされる・将軍さま助けての訴状を見た上様は甲府へ。 行ってみると確かに娘が生贄にされかかっているので身柄を確保、脱出にかかるがなんだか妙に山中をうろうろするうち、山伏は襲ってくるは、湯治場には怪しの老人がいるは、通りがかりの浪人夫婦なんか「茶店地獄」まがいにかかって来る。そして遂にどこかぎこちなかった当の少女が正体を現すが、上様の「根は優しい子と信じている」説得パワーが打ち克って、徳川一族を連綿と恨んで雌伏してきた「六波羅衆」の野望は潰えるのであった。 ロケ地、甲府山中、小川で休む上様を襲う山伏たち、酵素河川敷。甲府路をゆく辰五郎夫婦、北嵯峨農地畦道(山なみの向こうに富士山を合成)。山道、浪人夫婦に声をかけられる上様、酵素ダート。鳴神村を見下ろす峠、谷山林道頂上付近(小盆地を見下ろす)。浪人夫婦が豹変し斬りかかってくる山道、谷山林道作業場。娘が上様に銃を向け、安土山城守まで出てラス立ちとなる林、鳥居本八幡宮広場。事後、才蔵配下の忍びとなった娘が庭番たちとゆく汀、広沢池東岸。 |
2004/9/9 |
■ 名奉行遠山の金さん3 第23話「白い肌に謎の刺青」1990ANB/東映 十年前処刑された大盗の隠し金をめぐる騒動。残されたサインが遺児の背に彫られた花札に隠されているという仕立て、これゆえお白州ではワルが娘に背を見せてみろと囃したて、かわりにお奉行の桜が披露される運びとなる。 ロケ地、金さんと金森に新吾の三人が夜釣り、中ノ島橋上手中州岸。橋上で大工の長次と娘の加代がならず者にからまれる。その後ならず者の死体が見つかるのは中州舳先の汀。水木に父の実子でないと話す加代、広沢池東岸(盗賊の娘と知って入水未遂も同所)。楠同心が板橋からの帰途渡る橋、中ノ島橋。金が隠されていた熊野神社の絵馬堂、今宮神社高倉。 *からまれた大工父子を助ける際、隠居姿の金森の旦那、調子に乗って水戸黄門をやる「金さん新さん、やっておしまいなさい」。 ■ 暴れん坊将軍 II 第115話「大奥を盗みに来た女!」1983-1987テレ朝/東映 大奥もの、暴将でもお局さまたちはドロドロ、でも暴将だから女の世界もなんだか荒っぽい。 お話は、御客あしらい役の菊岡が若年寄と組んでお局さまたちの失脚を画策するもの、それぞれ野心逞しく上を狙う。菊岡はお局さまたちを争わせ自分は着々とシンパを増やすが、上様は彼女の胡散臭さをお見通しなのだった。 ロケ地、大奥での不審死が三人目と聞きさぎりに潜入を命じる上様(弓のお稽古中)、枳殻邸印月池畔。尾上の方に頼まれ調査にかける薬を持って城を出た菊岡の部屋子が刺客に遭う、大覚寺参道石橋〜五社明神(め組が有栖川でドブさらい中)。今度は自分が持ってゆく菊岡、小石川薬草園に中山邸(門、参道)。菊岡について報告を受け、疑惑を持ち始める上様、枳殻邸傍花閣前。菊岡に茶を点てさせゆさぶりを入れる上様、縮遠亭。上様に疑惑を持たれたかもと若年寄を呼び出す菊岡、広沢池東岸に屋形船を仕立て。療養を終え帰った部屋子を迎える菊岡、御広敷御門、相国寺大光明寺(門、前庭)。ラスト逍遥は印月池畔。 *荒っぽいお局さま、毒を処方したと医師を責めるくだりはほとんど火盗改の責め問い。フツー「えいえいぴしぴし」くらいだと思うんだけど。*これからは大奥総取締を直々に行うと宣言する上様、つい松平健が打ち掛け着てしゃっしゃっと歩くとこを想像…あとでよく見たら「人選を直々に」だった…上様ごめんなさい。*部屋子に放たれる刺客に福ちゃん、菊岡にツナギの際台詞あり、「十蔵」と役名もクレジットされる。 ■ 必殺仕事人V 第18話「花屋の政、ワル仕事人と闘う」1985.5.31ABC/松竹 政の辛い過去が垣間見える話。事故死した女児の兄・音吉に責められた政は、自責の念から幸福に背を向け恋人・お涼を捨てたのだった。その音吉とお涼が江戸で一緒に暮らしているのを知る政、彼らは夫婦ではなかったが互いに深く思いあっていたことを、お涼の死に際に知ることになる。 ロケ地、お涼と話す政、柊野堰堤下。回想、デートの菜花咲き乱れる河原、罧原堤下。 *タイトルの「ワル仕事人」って…音吉を殺ったのは仲間の盗っ人では。 ■ 新必殺仕事人 第27話「主水出張する」1981.12.4ABC/松竹 主水の同僚の資産家が、欲に駆られた親戚に狙われるお話。今回、主水も秀も、加代すら悲憤に燃えての仕事なのに、勇次のみ女をとられた私怨なのが笑える。主犯の家へ乗り込んで仕置の際には、寝たきりの未亡人を駕籠に乗せて連れてゆき、主が三の糸で吊るされるのを見せる趣向。タイトルの通り主水は出張に赴き、策謀進行中のドラマには関わってこない。 ロケ地、同心・恩地が暗殺される道、大覚寺五社明神。酒田から囚人を護送して江戸に帰還する主水、流れ橋。 |
2004/9/8 |
■ 名奉行遠山の金さん3 第22話「京の姫君の妖しい誘惑」1990ANB/東映 公家の姫を騙った美人局横行、放蕩息子の髷を届けて大店から金を強請る。手口荒っぽく、身代金が石ころの場合は斬殺、一味の女に声をかけた京での知人も密殺。身持ちの悪い公家崩れが哀れな女に恩を着せての仕儀、金さんの情に触れた女の心はワルから離れてゆくのだった。 ロケ地、質屋の主と出入りのかしらが放蕩息子の身代金持ってゆく隼人明神、鳥居本八幡宮広場。一味のアジト、少し剥げた丹の仁王門ぽい門、不明(栄花物語でも使用あり)。お志げに声を掛けた菓子屋の女中が死体で見つかる、広沢池東岸汀(水無)。その女の野辺送りの無縁寺、不明。お志げの回想、子と参る祠、松尾大社摂社。島村右近と京を発ち江戸へ向う道、嵐山自転車道。京に置いてきた子のイメージの小川、御殿川か。 *公家崩れのボスに和崎俊哉、すぐ殺されちゃう鳶のかしらに小島三児など豪華。 ■ 長七郎江戸日記2 第43話「弟よ!小蝶涙舞い」1989.2.21日テレ/東映 滝山藩江戸家老が出入り商人と組み私腹肥やし。その商人の義姉で家を出て軽業師となっていた小蝶太夫は、思い詰めた藩士たちに襲われるのを独楽で救うが、悪事は見逃せず情をもって弟を諭す。しかしワルと手を切ろうとした彼は用済みと消されてしまうのだった。 ロケ地、徳利担いでお弁当持って法恩寺の梅林へ鶯の音を聞きにゆく長さん、大覚寺心経宝塔と青空をバック。ラスト、江戸を発つ一座を見送る長さん、放生池堤と池畔。 ■ 必殺仕事人V 第17話「加代、子守唄を歌う」1985.5.24ABC/松竹 江戸へ「嫁ッコ」を求めて来た田舎者の男は、たちまちタチの悪い女に騙され投獄された挙句密殺されてしまう。また、彼が連れていた幼児も女の顔を見ていたことから虫けらのように消され、彼が加代に託した「新しい母ちゃんにきれいな紐を買ってやる」なけなしの銭が仕事料となる。単純なお話だが、上州訛りの純朴で元気のいいあんちゃんが本田博太郎なので独特の色がつく。台詞まわしに仕舞人のときの「〜よん」が入り懐かしい。 ロケ地、花の仕入れバイトの加代が大八を引いて渡る沈下橋、保津峡手前のアレか(現存危うし)。伊勢屋が大呉服市を開く戎神社、今宮神社。ここが勘助をハメる現場となる。東門(大看板と紅白幕セット)、石橋(毒婦・お葉が勘助にぶつかるクサい芝居)、高倉(茶店セット)、あと稲荷社や本殿前なども映る。勘助の息子・三吉が岡っ引に刺される、中ノ島橋下。彼を探しにきた加代が橋上から三吉を見つける。看取る加代の背後に堰堤。 ■ 暴れん坊将軍 II 第114話「借金取りを呑んだ女!」1983-1987テレ朝/東映 見た目からして凶悪な賊の一団が江戸へ。目をつけたのは裏店に住む駄菓子売りの老爺、大店を畳んだ際に大金を手にしていた。じいさまの住まいは自身番の近く、目立たず入るのに隣の小料理屋が利用される羽目になる。 ロケ地、青梅山中へ賊を追う上様、一味の首領と対決する滝は琴滝。金をお上に差し出して江戸を離れ、温泉場の下働きとなるじいさん、日吉山荘。 *小料理屋の女将が亡夫の借金背負ってキツキツのところを賊に追い込みかけられ悪事に手を染めかけたり、賊とやりあった上様が手傷負い片袖血に染めての大苦戦を強いられるなどお話は深刻。なのに小料理屋を手伝う新さんがおちゃらけ路線で笑える。赤い襷も可愛いが、焦がした魚の串を慌てて火からおろす際の腰つきがサンバしている点は必見。*賊の首領はもと侍、上様の顔を知っていて殺ってしまえとブチ上げる。作州浪人と名乗るのがなんだかお決まりでおかしい。 ■ 必殺仕切人 第9話「もしも女房が裸婦モデルになったら」1984.10.26ABC/松竹 今回はタイトルも完全に付けたり、時の風俗をパロったような妙な設定。 粗筋は、小普請組頭を次々ハメて大金を作らせては始末する一味のお話。僧正、一世を風靡する絵草紙作者、変態くさい役者の男女と異様に怪しい一団が跳梁する。仕切はお国、消された小栗の、これも斬られた息子から仇討ちを託される。 ロケ地、一人目の小普請組頭が縊死して見つかる、広沢池東岸(怪しの一味は屋形船から見物)。「江戸城の菊」の作者・おりょうが開く菊の宴、枳殻邸芝地(池からゲストハウスを望むアングルもあり)。西洋騎士のカッコしたおりょうが渡ってくるのは侵雪橋、小栗に挨拶する際には回棹楼が映り込む。おりょうとのスキャンダルを瓦版に書き立てられた小栗が訪ねる天海の寺、相国寺(お小姓姿の役者にはねつけられるのは回廊、背後に庫裏。とぼとぼ去る小栗は法堂基壇)。 *パロの基本はベルばら、絵草紙の主人公はおすがと安藤…。 ■ 新必殺仕事人 第26話「主水仮病休みする」1981.11.27ABC/松竹 諸大名から将軍に献じられた鯉が放たれている不忍池、ここに鯉泥棒が出没し町方が躍起になって張りこむが、悉く裏をかかれる。鯉泥棒の正体は池の番役人と小者、南町同心で、現場を見た少年が殺され、関わった秀は鯉泥棒の濡れ衣を着せられ捕縛されて窮地に。鯉の見張りが嫌で仮病を使っていた主水が引っ張り出され、秀を出牢させ仕事の運びとなる。 ロケ地、不忍池、広沢池東岸。番小屋も同所にセット。解き放ちの秀を尾行する鯉ドロ一味の同心、大覚寺明智門〜五社明神(縁日)〜秀は勇次が操る船に飛び乗り逃走。 *頼み人となる少年は健気な勤労少年、蜆を売って労咳の母を養い手をあかぎれだらけにしているさまが描かれ、秀に憧れ弟子入りする過程もあり、この丁寧な描写がワルの悪辣さをいや増す。鯉ドロ現場目撃者となる際も、暗いうちから起き出して蜆採りに行く途中、母に鯉の生き血を飲ませてやりたい心が不忍池に足を向けさせるという涙モノの設定。加代が見た死に様がまた母を守るように覆いかぶさっているもので、鯉を病人のいる金持ちに売って巨利を貪るワルに対する仕事人たちの怒りが、無いに等しい頼み料を是とし復讐が果たされる。 |
2004/9/7 |
■ 名奉行遠山の金さん3 第21話「偽装殺人、左ききの少女」1990ANB/東映 柏木屋の妾宅で起こった殺人、盗っ人に手を下した妾は正当防衛が認められお咎めなし。しかしこれには裏があり、金さんは進退を賭けて老中に再吟味を願い出るのだった。偽りを申し立てたお妾と、殺された盗っ人の娘が二人ながら心を開き真実が明らかになってゆく。 ロケ地、家探しされた盗っ人の長屋からの帰り金さんが柏木屋の番頭たちに襲撃される、大覚寺五社明神。殺された盗っ人が柏木屋を強請っていたと報告のお紺、天神島祠脇。柏木屋の妾・お勢の回想、母の死後父と二人旅ゆく道、大沢池堤。父に置き去りにされるお堂、護摩堂。 ■ 暴れん坊将軍 II 第113話「花の吉原人質新さん!」1983-1987テレ朝/東映 め組の衆と吉原に登楼するもお金が足らず居残りとなる新さん、勝気な振袖新造・お銀と出会う。その身の上から、勘定奉行に作事奉行が棟梁たちと談合し、工事費用を着服していた事実が明るみに出る。 ロケ地、居残りから帰った新さんが加納じいにガミガミ叱られる、仁和寺塔下。お銀の父の弟子・清吉に事情を聞く新さん、仁和寺経蔵越しに金堂。お銀の父と同じく談合に応じなかった棟梁が死体で見つかる、広沢池東岸。これを殺しと話し合うお銀と清吉、梅宮大社神苑汀。 ■ 必殺仕事人V 第16話「主水、入院する」1985.5.17ABC/松竹 仕事人同士の対決となる話。 組紐を使った殺しが三件続けて起こる。被害者はみな元裏稼業の者で、好き放題に仕事をするため足を洗った元の仲間を消しにかかる外道どもの仕業だった。主水は佃の隠居に助力を要請されるが、順庵のところへ入院なんかしてるうちに隠居と医者の卵の有為の息子もやられてしまう。この青年が順ちゃんの幼馴染で、虫の息で友のもとへ辿り着き恨みを託して逝く。 ロケ地、佃の隠居に両国の高級料亭・蔦屋へ招かれるせんとりつ、錦水亭。順ちゃんが幼馴染と話す菜花咲き乱れる河原、桂川罧原堤対岸汀。佃の隠居が長崎遊学を前にした息子と呑む屋形船、広沢池東岸。 *外道の一人は組紐使い、尾行した竜と紐対決もあり。*佃の隠居こと不知火の荘右衛門を演ずるは金田龍之介、フツーのメイクなのではじめ気付かず。しかし外道に船で襲われた際の断末魔の顔には「怪異」の面影。 ■ お庭番 「元禄十四年」第1話 1968C.A.L 浅野内匠頭切腹を受け、大石内蔵助の動向を探るべく黒鍬者が赤穂に放たれる。 一人は老中・柳沢から、もう一人は上杉の家老・色部から。籠城、殉死、一戦と変わる動きに翻弄される二人、互いの存在に気付き刃を合わせる段で中ほど。 ロケ地、江戸城イメージ、彦根城佐和口多門櫓越しに天守を望む。国に急を知らせる使者が出る鉄砲州の浅野屋敷、大覚寺明智門。赤穂へ向う街道筋の木橋、流れ橋に似るも確信なし(山が近すぎ)。赤穂、城へ殺到する藩士たち、彦根城天秤櫓。深夜、城へ忍ぶ柳沢差し回しの貝塚慎吾、佐和口多門櫓の石垣〜太鼓門櫓(内と外)。 |
2004/9/6 |
■ 名奉行遠山の金さん3 第20話「女房に誓った鬼十手」1990ANB/東映 犯罪者に容赦ない鬼の十手持ち、善人ぽい男の挙動を見逃さず追求、殺し屋集団に迫る。地雷に当たっても平気。善人を装うため隠れ蓑に使われた女房の哀れと、鬼親分の内情を描く人情もの。 ロケ地、百本杭に引っ掛かって見つかる相模屋の死体、嵐峡汀。山谷堀近くの藪で見つかる医者の死体、大覚寺心経宝塔下梅林。殺し屋を託宣する怪しの巫女「大歌女」の寮、望雲亭。「依頼者」の三国屋が番屋からの帰り殺し屋が変装した行者に襲われる、五社明神。 *殺し屋の手下「与吉」に福ちゃん、山伏のコスチュームで法螺貝を吹いてみせたりもする。鬼親分に佐藤充、渋い。 ■ 子連れ狼 第9話「決戦前夜!女柳生の必殺剣!!」2004/9/6テレ朝/東映 小仏峠に現れる一刀、柳生封廻状をゲットし決戦の地・江戸を目指す。今回の戦いで烈堂は最後のカードを切り、たった一人残った血族を失う。 ロケ地、小仏峠に立つ一刀、沢ノ池湖尻のガレ場。烈堂の命を受け甲州街道をゆく鞘香、山室堤道〜堤外地の麦畑(野仏の前垂れや案山子に一刀現在地)。船でゆく鞘香、広沢池東岸。祭りの楽に誘われる大五郎、走田神社(参道〜本殿前)。子を置いて高龍山を目指す一刀、沢ノ池東岸汀〜酵素(河川敷、降り口、ダート)、父に鞘香来るを告げに走る大五郎のシーンも同じ、ここで歌が被る。高龍山峰雲寺、神護寺山門。住職と会う本堂は粟生光明寺阿弥陀堂(内陣を使用、殺陣は堂前)。父のもとへ駆け寄る大五郎、大覚寺五社明神裏手。一刀の前に立ち名乗りを上げる鞘香、心経宝塔をバックにキメる。鞘香を人質にとった一刀が立て籠もる小屋、酵素河川敷にセット、戦闘シーンには竹林も使用。 *ヒューマンドラマの色濃い北大路版子連れ狼、鞘香は非情の剣を使わず正々堂々、守役の愛情を見たのち、あったかも知れぬ女としての倖せも空しく大五郎を庇って散る。ゆえに丸出しでなどかかって来ず、想像の大五郎脳天割りのカットも当然ナシ。阿部怪異も出ない平成版でやったら違和感あるしね。*封廻状解読を依頼された義源には福ちゃん、ナチュラルメイク。薙刀を振るって一刀とやりあい、ピクピクピクとわなないて壮絶に斬られ死に。ニセ封廻状を読み豹変する大喝も良し。 ■ 暴れん坊将軍 II 第112話「古き女房に花束を!」1983-1987テレ朝/東映 年若い藩主をよいことに藩政を壟断する足利藩江戸家老、悪徳商人と組み民は泣かされるばかり。事件は、窮した百姓が江戸でその商家に押し込みを働いたことからはじまる。そして、新さんがめ組の若い衆と行った酒肆で知己を得た剣術の先生が足利藩の隠し目付で、生真面目で頑固な剣客が御恩とヒューマニズムの板挟みになり苦悩するドラマが描かれる。最後は江戸家老の心無いひとことで頑固親父ブチ切れ、お役目を返上しワルの企みを阻止するに至る。道場破りで家老方の用心棒と見えた荒くれ剣客も実はいい人設定で、改革派の若侍を逃がしにかかりラス立ち突入、今回は上様と明かすことなく成敗を終える。 ロケ地、改革派の若侍・木次が室橋勘兵衛の娘とデート、大覚寺護摩堂縁先に腰掛け。室橋道場、宝塔寺塔頭・霊光寺。道場を出た室橋と新さんが話しながら降りる石段は参道(背後に楼門、橘紋の大提灯も映る)。佐野屋を襲った百姓の首領が足利藩へ護送されるのを阻止する若侍たち、仙吉に金を渡し落とす祠、酵素奥の藪にある神社。室橋を呼ぶ江戸家老、大覚寺望雲亭(対岸から主屋を見るショット)、設定は上屋敷か別業か。女衒から逃げる足利領の村娘を助ける新さんと室橋、大沢池堤に茶店セット(新さんが女衒を叩き込む池には水少なし)。仙吉を逃がしたかどで同志が捕われたあと木次が隠れる、宝塔寺墓地(バックに多宝塔)、ここで室橋は翻意を決する。佃島の下屋敷へ若侍を護送の山道は不明。 ■ 必殺仕事人V 第15話「主水、いじめられっ子になる」1985.5.10ABC/松竹 夫亡きあと、矜持を失わず健気に生きてきた母と娘がワルの毒牙にかかる。母のほうは富商とつるんだ南町与力に目をつけられ陵辱され自死、富商の底意地わるい不良娘にねちねちと苛められつつも耐えた娘も無残に消され、怒りに燃えた仕事人たちが動きだす。 ロケ地、イジメに遭い入水をはかる娘、桂川松尾橋付近か。仲間に入れてやる試験と娘に迫るいじめっ子の越後屋の娘、松尾大社右翼の祠前。娘に対する行為を責めたのち仕事を干された母が加代に述懐の汀、広沢池東岸(自死し見つかるのも同所)。 *玉助おじさん、順ちゃんとお新がならず者にからまれるところへ鞍馬天狗ばりのカッコで登場、たちまちワルを始末…ホントに強いのか場を演出したのかは不明…。 ■ 水戸黄門33 第20話「地獄酒場は金山の入口」2004.9.6TBS/東映 舞台は佐渡、奉行が掘る隠し金山を暴くお話。一行に調子よくついて入る旅人が実は公儀隠密で、荒くれ者の集う酒肆にいる奉行のお妾志願の女は彼の実の妹だったりする。兄妹は二人ながら、失脚せしめられた前佐渡奉行の父の仇を狙っていた。二人を結びつける隆達節は父奉行のお気に入り、老公が和する場面などもある。 ロケ地、出雲崎へ向かう一行、琵琶湖西岸松原。「旅人」の半次郎に無理をするなと諭す老公、近江八幡の鶴翼の山なみ望む岸辺。 |
2004/9/5 |
■ 新選組! 第35話「さらば壬生村」2004.9.5NHK 大筋は屯所の引越し、様々な思い去来し記憶の走馬灯もアリ、底では薩長連合の動きが進むが、大事な大事な密書は未だ狂言回しの道化者の手にあり届いてなかったり。 ロケ地、「うどん屋」桂発見前の新選組出動シーン、今宮神社東参道(初回の使いまわし)。西本願寺、本徳寺。 *羽織の紐以来おちゃらけキャラになったか斎藤一、捨助が苦し紛れに投げつけた刀に感心、「デキる…」の呟き。御陵衛士参加もこのノリだと怖いな。 ■ 十手無用 九丁堀事件帖 第21話「甦えったいれずみ者」1975-1976日テレ/東映 伝馬町の赤猫をきっかけに、北町同心殺しの冤罪事件を解決するお話。これは同時に、三年前友人の軽口で罪に落ち、父の仕事も恋人も失った哀しい女の無実を晴らしてやることにもなるのだった。 ロケ地、稲荷へ願いを上げに来る仁吉夫婦、広沢池東岸(水無)。同心殺しの目撃者の女に話を聞く、相国寺鐘楼脇。同心殺しの現場、大覚寺有栖川畔の道。 *仁吉の再吟味願いが却下され、処刑済みの死体を受け取ってきた段では夢之介が仲間に「落ち目」などとボロクソに言われるシーンあり、高橋英樹ものでは珍しいかも。実は元上司の粋なはからいで仁吉は早桶からコンニチハなのだが、依頼者みんな生存でハッピーエンドパターンもこの作では珍しいかも。 |
2004/9/4 |
■ あさき夢みし 実相寺昭雄監督作品 1974.10.26ATG 鎌倉期、蒙古襲来の世相をバックに王朝貴族の愛憎を描く。上皇の愛人・四条にスポットを当て、男たちに翻弄される彼女が前段、憧れていた西行法師にならい旅行くさまが後段となる。 ロケ地、御所さまの屋敷、上賀茂神社橋殿。出産のため宿下がりしている四条の屋敷、北神饌所。郊外にある前斎宮屋敷、三井寺光浄院。伏見に遊ぶ御所さま、イメージに大覚寺御殿川・落ち口から勅使門橋を望む。四条の衣を被ぎ池辺に立つ阿闍梨、大覚寺大沢池堤〜池畔。四条が阿闍梨との間にできた子の処遇について御所さまに迫るくだりの屋敷イメージ、上賀茂神社北神饌所。尼となって厳島神社に参詣する四条、本物。熊野街道をゆく四条たち、酵素(はじめダートから林越しに河川敷を見下ろし、次いで川を渡渉するシーン)。旅を続ける四条、落合トンネル。京に帰還した四条が御所の衛士に御所さまが亡くなったと聞く、建礼門。西園寺邸へ赴き、かつて産んだ女児にと自ら描いた絵巻を託す四条、三井寺唐院門。屋敷を辞し去る四条の後姿、参道。 *大沢池のカットは何度も挿まれ、アイキャッチふうな使われ方。荒野のシーンは特定困難だが、安威川支谷の砕石場に酷似した一件が。 |
2004/9/3 |
■ 名奉行遠山の金さん3 第19話「お婆ちゃんの復讐」1990ANB/東映 四年前、阿片密輸で処刑された回船問屋の老母が晴れて息子の汚名を雪ぐお話。 ロケ地、祖母の洗濯用に落ち葉を拾う孫娘、大覚寺天神島。水木同心におくら婆さんと孫の保護を命じる金さん、護摩堂前池畔に茶店セット(対岸から)。目安箱に訴状を上げにゆくおくら、参道・御殿川手すりと松並木の間を路地ふうに。評定所は明智門。孫娘を拉致されたおくらが取り戻しにゆく采女ヶ原、下鴨神社糺の森(二人を投げ入れるために掘ったという穴を池跡で表現)。おくらの息子夫婦の墓、不明(勝持寺下の段畑かも)。おくらと孫を保護する西光寺、勝持寺(石段、参道)。 ■ 暴れん坊将軍 II 第111話「新様まいる、おてふ恋日記」1983-1987テレ朝/東映 東啓子がこれでもかと降りかかる災難に泣く幸薄い娘、油問屋の下女・おてふを演じる、感動の一作。なにしろ上様なんか、御法をたてにおてふを晒すという忠相に怒気を発し鯉口をゆるめたりするのだ。また、負傷し追われる身を救われた盗っ人は、天然気味なれど聖母の如く優しい彼女に多大な恩義を感じ、体を張って庇う。しかしおてふの不幸度数はクサいレベルを超えて凄すぎ、寂しく江戸を去る運命となる。 お話は、勤め先の放蕩息子に無理心中を迫られたおてふが、過って刺し殺してしまうことにはじまる悲劇。大岡さまは定法通り心中者に対する処分を下し、あとで請け出してやる心積もりをするが一歩遅く、息子を溺愛していた油屋の女将が横からかっさらっていって無体をはたらく。この危地を救うのが彼女に手当てして貰った盗っ人、己の運命に嫌気さしていたおてふは自ら賊一味の引き込みとなる。ここで不幸にもうひとつの上乗せ、賊を使嗾していた新任伊勢山田奉行なんてのが現れ、用済みになった盗っ人たちを始末にかかるのだった。 ロケ地、釣り帰りのめ組と新さんの情景におてふの日記文が重なる、大覚寺大沢池堤。雨宿りのお堂でばったり会うおてふと新さん、宝塔寺本堂(バックに多宝塔)。馬鹿息子が放火した油屋の火事場から九ちゃんが持ち出したおてふの日記を読む新さん、大覚寺天神島大楠の根方。失踪したおてふを追って馬を走らせる新さん、嵐山自転車道。 *おてふが助けた盗っ人・お成り組の袈裟三に伊吹剛。彼がおてふを庇って死ぬのがまた罪悪感をもたらして最悪。*おてふ失踪は加納じいのはかりごと、感情移入激しい上様を案じて遠ざけたもの。ラブラブ日記読んじゃったもんだから上様ヒートアップ、忠相やじいを口汚く罵り当たりまくり。 ■ 必殺仕事人V 第14話「主水、上役の田中と出張する」1985.5.3ABC/松竹 とてつもなく強い行者集団が登場、白昼通り魔のように居合で人を殺す。表看板は鹿島新念流の使い手たち、しかし裏の顔は外道仕事人なのであった。夫と義母を殺された若妻から恨みを託された仕事人たちは、順ちゃんの科学的分析に基づいたトレーニングを積んで強敵に立ち向かう。このメインの筋にタイトルにある主水の出張ばなしが絡み、田中さまとの珍道中がたっぷりと描かれる。 ロケ地、岩鬼典膳が白昼「外道仕事」をする縁日の神社、北野天満宮(痴話喧嘩の順ちゃんとお新は本殿前、典膳の「百歩討ち」は本殿裏手)。旅立つ田中さまと主水、嵐山自転車道(川側からの撮り、嵐山東公園の針葉樹の先端がバックに)。水郷に差し掛かる主水、せんりつの船とバッタリ、大覚寺放生池堤・護摩堂前(汀に菖蒲あしらい)。鹿島への山道(あのへんに峠なんてあるのかちょっと疑問)、保津峡落合(トンネル抜けたへんの車道〜崖道〜落下岩、田中さまがたまぎる悲鳴を上げて落下したあとの谷底、河口見下ろし)。 *どぎついアイシャドウも怖い岩鬼典膳に山本昌平、江戸道場を任される高弟に内田勝正、コワイ顔てんこ盛り。*珍道中を縁取るは主水の日記、宿で先に寝た田中さまのいびきを綴った一節は傑作「我今夜初めてオカマの鼾たるものを聞けり/極めて気持ち悪い物也」。*谷底落ちの際探しもしなかったと激怒する田中さまに言い訳主水「田中はいずこ田中はいずやと方々を」、1985年時点でもフツーに判る人いるの?の軍神「広瀬中佐」ネタ。 |
2004/9/2 |
■ 名奉行遠山の金さん3 第18話「奉行に悪女の罠!」1990ANB/東映 妖怪・鳥居登場回、冒頭から中村嘉葎雄の怖い顔がバーンとアップで映し出され、お話の背景となる奢侈禁止令が説明される。事件は禁制品を江戸に運び込もうとする一味が、大川の漁師たちに船を操らせては使い捨てる殺し。脛に傷持つ親父が営む、川端の酒肆がいい味。 ロケ地、酒肆・汐入を出た漁師たちが中川で荷取りの汀、大覚寺大沢池北西畔。汐入の主・吾平に荷取りばなしを持ちかける一味、広沢池東岸(夕景、唐人が燈籠破壊して脅す。後の荷取り現場も同所)。長崎屋お辰が吾平に再度の荷取りを要請、西岸湿地。仕事が終わって始末される吾平のもとへ駆けつける金さん、嵐山公園中州北岸。吾平の墓、中州舳先をバックに右岸河川敷。復讐を誓う娘が金さんに意見され逃げ去る、公園林間〜中ノ島橋からドボン。「金さん」の前に釣りの格好で立つ鳥居、腹の探り合いは大沢池西岸汀。悪者を成敗して走って逃げる金さんの前に鳥居が立ちはだかる、五社明神(鳥居は頭巾して石鳥居をバックに、金さんはライトアップした心経宝塔を背に)。 *今回は鳥居と対決ではなく、南町与力がワルとつるんでの悪事摘発にシンクロするお二人。 ■ 暴れん坊将軍 II 第110話「あらイヤだ!魚の心は恋ごころ」1983-1987テレ朝/東映 女だてらに威勢良く魚を売り歩く娘と知り合い、惚れられる新さん。娘にはヤクザな兄がおり、こいつが落し物の財布をガメて凶事に巻き込まれる。事件は、次期勘定奉行と呼び声の高い目付の若様のご乱行。町で娘を追い掛け回し過って死なせ、現場に財布を落とす間抜けぶり。 目付に河合伸旺、息子の悪友に中田博久と強面が揃い、眉のうすい若様もけっこう怖い。対照的に、にぱーと明るく笑う幸薄い魚屋に西川峰子、ダメ兄貴は森川正太。 ロケ地、大川端で町娘にからむ若様、中ノ島橋上(財布落し)〜中州岸(もみあってドボン)。 *お話の途中で唐突に挿入歌「花」鳴り出し、菖蒲咲く水辺が映し出される。きれいな風景にカメラ寄ってゆき、花々の間にぷかーっと娘の水死体。見つけて立ち騒ぐ群衆の姿映り、まだ歌は続く…どんな趣味してるんだタイトルといい。 ■ 必殺仕事人V 第13話「主水、ヒヒ退治する」1985.4.26ABC/松竹 大名の接待にピンクな賭け事を演出する大黒屋、美人の娘さらってきて背に大蛇・蛞蝓・蝦蟇と三様の刺青を施し、これをコマに勝負をさせる。もちろん後で侍らせてウホホ、これに使う娘はヒヒの扮装した火消しが大屋根を跳梁して誘拐というとんでもなさ。逃げた娘が竜の家に駆け込み、保護も空しく見つかって消されるにおよび仕事となる。 ロケ地、大黒屋向島寮、中山邸門。用済みで殺された小町娘の死体が上がる、嵐山公園桂川中州北岸(魚道もはっきり映っている)。町でお新になつかれる順ちゃん、今宮神社石橋。振り切って入る禅寺の門、東門。寮から逃げた娘が身を隠す、中ノ島橋下。追っ手が橋上を駆けてくる。 *悪い遊びをしていた大名二人は、政に元結を切られて終わり。ヒヒは、真面目な顔をして竜が吊り。 |
2004/9/1 |
■ 名奉行遠山の金さん3 第17話「美人姉妹の七変化」1990ANB/東映 事件は鉄砲の抜け荷。運搬に利用された旅の一座の太夫は、十年前摘発の際殺された武士の遺児だった。妹と共に仇討ちを期す太夫を、川中美幸が芝居っ気たっぷりに演じる。 ロケ地、千歳座の男衆の死体が見つかる河原、中ノ島橋下手河原(見物は橋上と右岸堤、河床は涸れている)。一座の娘たちを茶店に誘い話を聞く金さん、大覚寺心経宝塔をバックにセット。沼津へ馬を走らせる楠同心、琵琶湖西岸松原。千歳座が小屋掛けしていた神社、鳥居本八幡宮(石段)。肥前屋の舟小屋がある船着場、琵琶湖西岸汀。もう一人の男衆の死体が見つかる、神光院本堂裏手(放生池の橋や裏手の回廊、西塀なども映る)。太夫が妹とツナギをとる、上御霊神社本殿裏手(ヤクザに襲われ立ち回りは合祀摂社前、金さんが太夫を連れて逃げるのは楼門)。太夫の回想、抜け荷を摘発に赴き斬られる塚越武太夫、大沢池堤。 *福ちゃん二態、太夫を襲うヤクザとラス立ちの浪人。 ■ 長七郎江戸日記2 第42話「まかない屋おりき」1989.2.14日テレ/東映 寺社奉行を狙う御側衆、これに出資の悪徳商人、悪企みの過程で泣かされる賄い屋の意気のいい女将の話が主体。何度も騙される善人の働き者を中村メイコが好演。 ロケ地、御側衆の中間と大喧嘩のおりき、今宮神社(楼門、稲荷社)。入水はかるおりき(二回)、大覚寺大沢池水門脇(夜)。おりきが昔の男に騙されて赴く谷中・正源寺の掘っ立て小屋のくだり、大沢池木戸(開口部から鐘が見える)〜天神島(ボロ小屋をセット)。おりきの店の衆が増上寺へ配達途中襲われる、大沢池堤か。この仕儀を笑って眺めるライバル商人、罧原堤付近の桂か。おりきの店に放火した男が口封じに消される、五社明神。 *ラス立ち福ちゃん入り、御側衆稲葉の家士。真っ先に斬り込んでぐわぁ、しかし後でもう一遍廊下に現れてつごう二回バッサリ。 ■ 暴れん坊将軍 II 第109話「妹よ!この兄に罪ありや」1983-1987テレ朝/東映 病の妹を抱え困窮する痩せ浪人、押し込み強盗にスカウトされ乗ってしまう。殺しはナシとつけた条件など頭から履行されず、深みに。町で彼の窮状を見ていた上様は、遅すぎた介入を後悔するのだった。 ロケ地、凶行をはたらいた後金を分配する強盗団のヘッド・尾形、大覚寺大沢池に屋形船。痩せ浪人を訪ね谷中・法性寺裏の長屋へ赴く新さん、お寺のイメージに仁和寺塔、九所明神拝殿越しに。江戸を売った強盗団が巣食う流山の寺、西明寺(本堂、山門)。 *血も涙もない強盗の首領に遠藤太津朗、コミカルさのかけらも無くひたすら凶悪。これとつるみ帳簿の穴を埋めようとする代官に汐路章、下卑た感じがサイコー。 ■ 必殺仕切人 第8話「もしも密林の王者が江戸に現れたら」1984.10.19ABC/松竹 深夜の町に響くターザンの雄叫び、怪しく小屋根を這うチンパンジー。 ターザンロープはどこに結わえてあるんだとか、月山はいったい裸で生活するに適当な山なのかとか、突っ込む気も失せる人さらいと闘った果ての「他左」の立ち往生、子を思い友を思う気持ちに人も獣もないと真面目に強気の「お姉」が、ホロリとさせないでもないお話。ワルはお家乗っ取りのためには幼児も平気で殺す外道で、このへんはちゃんと必殺テイスト。頼み人が猿という展開に難色を示す勇次と新吉も妙におかしい。 ロケ地、お姉が他左に保護される山、谷山林道。養い児を取り戻した他左が追っ手に射殺される林、大覚寺天神島。 *他左に阿藤海、見終わってクレジット出るまで判らなかった…。 ■ 必殺仕事人V 第12話「組紐屋の竜、忍者と闘う」1985.4.19ABC/松竹 過去の闇が竜に迫る。手始めに竜の組紐を買った娘たちが、次いで政のところへ納品に来た娘が、無残にも殺され見せしめに吊るされる。仲間に累及ぶを恐れた竜は死を覚悟してつながりを断ち一人立ち向かおうとするが、闇の手はそれを許さず仕事人と忍群との全面対決となる。 ロケ地、娘たちが吊るされる事態に出動の田中さま、大覚寺放生池堤を走り吊り現場の天神島へ。もう一件の吊りも同所。竜と恋仲だった九十九一族の娘・初音が兄と接触の河原、木津河原。娘の亡骸を多摩へ持ち帰る親父を見送る政、流れ橋上(これを見る竜は橋上手の右岸河原)。回想シーン、抜ける竜が追い詰められ峡谷にドボン、保津峡落合落下岩。お堂に巣食う九十九一族、大覚寺護摩堂(裏手からのショット)。依頼のターゲットの「野盗」を始末に多摩へ向う仕事人たち、政がゆく道、木津河原。主水がゆく道、北嵯峨農道。村は美山町か。忍群と対決の林、下鴨神社糺の森。 *竜が抜け忍と看破する主水、しかし理屈は、組紐→伊賀→忍者の三段論法なのが笑える。忍群との死闘、竜はともかく、忍者より勘鋭く鬼みたいに強い主水や、何遍刺してもへいちゃらな政のスーパー花の枝などのトンデモくさい展開も、大利根ウェスタン月夜が起こりの話なのでこんなくらいどうでもないのかも。 |
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