時代劇拝見日記 2004年12月

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2004/12/31

■ 泥棒と若殿 1987.5.7テレ朝/東映

 食い詰めた泥棒が入った家は化物屋敷と見紛う陋屋。そこにいた不思議な若者を構うドロボー、やがて離れ難く通い合う心。
しかしこのまま続くと思われた暮らしにも別れはやってきて、「二人でどこかへ」の約束は果たされずに終わる。
 泥棒・伝九郎に田中邦衛、くすぐったそうに照れながら「ノブさん」に接する仕草は絶品。二人の交流を、細かいシークエンスを積み重ねてドラマを盛り上げてゆく。
 ロケ地、冒頭あわただしく描かれる梅津藩の騒動、彦根城(忍者走る石垣は天秤櫓下、その橋上でハラキリの侍、天守も使用)。狙撃される藩士のシーンは下鴨神社糺の森池跡。ノブさんを連れ出して泥鰌とりの伝九、広沢池西岸湿地。伝九がバイトの渡し場、広沢池東岸。殿様としてなりを整え馬に乗って出立のノブさん、広沢池西岸沿いの道・農地からのショット。
*渡し場の段、川人足の一人に福ちゃん、台詞もあるが後姿と横顔のみ。

・紅白のマツケンサンバII拝見…審査員の聖路加の医者のじいさまが唖然としていたのが印象的。そうだよねぇ、自分もはじめて見たときは「上様ご乱心」としか思えなかったもんね。でも、河合伸旺や遠藤太津朗が踊らされたという舞台は見てみたかった。
2004/12/30

■ 必殺! III 裏か表か 工藤栄一監督作品 1986.5.24松竹

 仕事人激闘編がベースの、ハードアクション巨編。政、竜、壱と参に加え秀も登場のメンバーが、窮地にある主水を補佐して戦う大立ち回りが見もの。
 お話は、「金・カネ・金の世の中」を現出させる両替商たちとのバトル。
システム維持のためには人の命など屁とも思わぬ冷血どもと事を構えてしまう主水、奉行所にももちろん手は伸びており孤立無援となる。主水を抹殺しようとする動きは、遂に仕事人仲間を巻き込んだ大乱闘に至る。
主水たちと両替商組合をつなぐ糸となるキャラクターも多彩、組合側にも味のある悪役が多数出て前段にしっかりと人情の機微を描き、後段は追い込まれた主水たちの死闘のチャンバラを堪能させる小気味よいテンポ。原作の持ち味も損なわず、工藤監督のカラーが鮮明に出た傑作と言える。
 ロケ地、一斉取締りに出役の南町、門に鴻池新田会所長屋門。塀に西本願寺南塀(役者は映らないイメージカット)。御金蔵へ金を搬入するくだり、八幡堀堀端(搬出)姫路城天守彦根城埋木舎前堀端(陸揚げ)彦根城三重櫓(御金蔵)。清原の殺害後、真砂屋に戻るよう迫られるおこう、西の湖湿地に木の舗道セット。主水をハメる道具に使われた娘のくだり、出会いの茶店は仁和寺塔西側にセット、墜落シーンは塔自身を用いる。決戦の舞台となる州、琵琶湖(水中に生える柳が印象的)。ラスト、石段を降りてくるおこうと主水がすれ違う、粟生光明寺参道石段(上部のアップから門越しの見上げにスイッチ、かなり広角の撮り)*秀と戯れるおこうや、船を燃やしてみせる浜辺、不明。おこうのいる「島」の石垣は琵琶湖と思われるが特定に至らず。
 キャスト
中村主水(藤田まこと) 獅子奮迅の大立ち回りを見せ圧巻。
政(村上弘明) 隣の一家心中に怒り、主水を焚き付ける熱血漢。
竜(京本政樹) 攪乱を買って出るが奮戦空しく膾→写真集で復活?
壱(柴俊夫) 主水のピンチに颯爽と登場、激闘の末討ち死に。
参(笑福亭鶴瓶) 決戦を前に惨殺され、首を誘き出しの道具にされる。
加代(鮎川いずみ) 決戦の島で危険な走り役をつとめる。
秀(三田村邦彦) おこうのツバメから仕事人に立ち戻る。
真砂屋(伊武雅刀) 両替商組合の肝煎、闇のフィクサー。
舛屋(成田三樹夫) 酷薄な両替商、主水とのやりとりが話の軸。
彦松(岸辺一徳) 舛屋算盤頭、ミスを咎められ失職し一家心中。
清原英三郎(川谷拓三) 舛屋を強請って消される同心、殺害シーンがダイナミック。
おこう(松坂慶子) 夫・清原死後組合側の世界に戻るヒロイン。凄絶な美しさを見せる。
せん、りつ(菅井きん、白木真理) 意外や主水を暖かく迎えるが騒がしさはいつもどおり。
2004/12/29

■ 必殺仕業人 第25話「あんたこの毒手をどう思う」1976.7.2ABC/松竹

 善人面で信用させ、うまうまと主を誘い出して殺害する男。自らも同じ毒を呷ってみせるうえ亡き主の枕頭でボロ泣き芝居、周囲の信用は万全となり後継の話も出る。しかし未亡人は男を疑い嫌っており、無体をはたらかれたあと、裏稼業のことを口にし背中を押すやいとやに頼み料を託すのだった。
 ロケ地、美濃屋と大番頭の彦三が釣りに出かけて落ちる川、広沢池観音島(江幡高志の船がすーっとやってきて救助)。彦三がご新造付きの女中を誘い込むあみ舟、広沢池上。女中の死体が夜鷹に偽装されて見つかる、広沢池東岸汀(劇中、主水が天神橋と発言)。美濃屋が大川の川船で会食と聞いたやいとやが走る、広沢池東岸堤道。帰途の美濃屋が河豚の毒に苦しんで駕籠から転がり落ちる、桂川松尾橋下手右岸堤。主人の死後、親族会議で彦三との再縁を勧められたご新造が泣きにゆく主人の墓、くろ谷か。彦三の無体に泣くご新造が佇む汀、広沢池東岸汀
2004/12/28

■ 必殺橋掛人 第7話「湯島天神の紅梅を探ります」1985.9.13ABC/松竹

 ターゲットはその昔江戸を荒らし回った凶賊、依頼者は家族を殺され夜鷹に落ちた女と見えたがさにあらず、賊の首領の息子。受けた仕事を新吉とおくら夫婦が仕留めたのち、真に仕置すべき相手の前に柳次が立つ。
 ロケ地、賑わう湯島天神、北野天満宮参道(本殿前に縁日セット)。夜鷹に落し物を届ける新吉、女の身の上を聞かされる、大覚寺天神島
*柳次の前の女房登場、娘を交えてお食事は鰻屋。若い葛岡さま。

■ 暴れん坊将軍 VII 第6話「てんやわんやの親孝行」1996-1997ANB/東映

 浜松藩のお家騒動と、め組の源次の「孝行」芝居を描く一話。二つの話は別のものだが、導入に浜松藩城代の娘と、源次の母の出会いがある。
お家騒動のほうは、藩主を乱心と押し込め我が子を次期につけたい江戸家老の悪謀。め組のほうは、頭に出世したと嘘手紙を故郷に送ったため母が江戸に来てしまうのを受けてみんなでお芝居。見ものは源次の母で、菅井きんが演じる。
 ロケ地、箱根山中で次席家老の手下に襲われる城代の娘、酵素ダート崖の林。菅井きんが若衆姿の娘を手当ては河川敷木の根方。次期とされる若君は江戸家老の子と報告の庭番、仁和寺中門(内側)。城代の娘に事情を聞く新さん、広沢池東岸(映りが鮮明なのでアオコの質感出ている)

■ 徳川綱吉 イヌと呼ばれた男 2004.12.28CX

 五代将軍・綱吉の半生を描く。フレームは館林時代の思い出「ぼくをあの川辺へ返して」。
治世下の事件は老中・堀田暗殺と忠臣蔵、この間生類憐れみの令の上乗せを濫発し続ける綱吉、ほぼ誰にも理解されず脳内は無闇矢鱈な博愛で溢れかえる。プラス評価は、彼の死後即トンデモ政令が廃されたあともとりあえずみんな犬可愛がるようになったじゃん描写と、ナレーションで語られる博物学者の外人の著述と、御用儒者のヨイショ。昏君の評価を覆す再評価と言い条、けして英邁な君主とは描かれず、扱いやすい将軍として選ばれて死期迫るや次期選定も同じく傀儡という、システムの冷徹を強調する作り。
 ロケ地、館林時代、渡良瀬川畔で御機嫌の綱吉、天神川堰堤上の広河原。将軍として出立の行列、下鴨神社馬場〜市中セット〜二条城唐門。側室・松子とツナギをとる堀田老中、東福寺通天橋と周辺(ここは以降も城内風景に多用される)。松子を親に会わせてやろうと思い立ち出る夜の町、捨て子拾って町方に不審尋問される宮、大覚寺五社明神舞殿。ごまかしてその場を去ったあと、堀田老中の真意を告げる松子、南禅寺三門。柳沢の諫言を受けて考え込む綱吉、平安神宮橋殿。犬斬った浪人が遠島と聞く柳沢のショット、随心院大玄関。松の廊下、東福寺方丈。徳松君逝去を急報に走る柳沢、大覚寺むらさめの廊(以降も城内シーンに出てくる)。二度目の勅使接待の際、吉良に教えを乞う内匠頭のくだり、相国寺方丈(前廊、座敷)。浅野刃傷後、屋敷を出る柳沢、随心院薬医門。山科の大石寓居、法然院山門。討ち入り後、大石に会いにゆく綱吉、鹿王院客殿前廊。綱吉死後、城を下がる柳沢、駕籠を出て歩き出す、二条城本丸櫓門橋前。*赤穂の大石邸、不明。
*冒頭、辻斬りが出て物騒のショートドラマ、斬られる乞食?に福ちゃん、やけにのけぞるなと思ってあとでよく見ると紛うかたなきセンセイ。*綱吉持ち上げのためかテッテ的にイラチの馬鹿殿として描かれる内匠頭、だすだす歩くさまがけっこう似合う陣内孝則、ここまでゴツくてオッサンくさい浅野も珍しいかも。対する吉良にはとても高家とは思えぬ脂ぎった竹中直人、台詞もいっつもの「じゃーい」…陰陽師でも加藤清正でも一緒か。大石は学者肌のナイーブな青年ぽく描かれていて、江戸入りののち浮様。赤穂浪士・間瀬に高橋英樹、不出来な主持って不幸と述懐…嫌いだったまで言うか。*討ち入りは柳沢の男児誕生の聖夜設定で、柳沢邸に赴き生まれたての赤子を抱いて慈しむ聖母子みたいな綱吉とオーバーラップされ、戦闘シーンのBGMはHymn調。*城のCGは前作と同じ様態、この頃よく出ているお城のムックみたいな感じ。*前回と同じく主人公ピュア系善人のヒューマンドラマ、庶民難儀の具体例は省かれ、政争部分等オイちょっとそれアリかの史実歪曲も。
2004/12/27

■ 月影兵庫あばれ旅 第5話「やっぱり女は怖い」1989.10-12TX/松竹

 仙台へ向かう途中、とんだ性悪の泥棒女にひっかかったり、恐妻家の旦那に泣きつかれたり、幻一角もしつこく襲ってくる珍道中。お話の根底には兵庫にアタックの桔梗、もろに妻にしてくれと迫られる兵庫だが、出会う諸々の事象からタイトルの結論が導かれ黙って旅だつ。ラストは街道で男装・騎馬の桔梗に追いつかれて幕。
 ロケ地、駕籠に乗って橋を渡る桔梗、流れ橋。妻から逃げ出した男に泣きつかれる兵庫たち、谷山林道。騙りの盗っ人女を探しに出てゆく兵庫、大覚寺放生池堤護摩堂前。仙台藩御用の飛脚を襲う一角、酵素ダート。藩士に囲まれチャンバラは河川敷川中。騙り女とグルの浪人がたむろする乗覚寺、永観堂(放生池石橋、阿弥陀堂と石段、墓地)

■ 暴れん坊将軍 VII 第5話「卯之吉の死神退治」1996-1997ANB/東映

 石垣工事指名をめぐる陰謀、親友とその弟が巻き込まれるキナくさい事態に、阿呆なお芝居がきっかけでめ組の小頭も振り回される。
毒婦の誘惑で心中沙汰の卯之吉、からがら助かったあと幽霊を装って「出て」ワルをビビらせ、親玉のもとに逃げ込んだところを新さんが成敗に出張る。
 ロケ地、先夜酒を過ごして珍しく的をはずす上様、二条城二の丸御殿。材木商急死の件を探っている旨新さんに告げるおぶん、仁和寺手水場下に茶店セット。巽屋の後妻と普請奉行らが悪企みの屋形船、大沢池上。乗り込みの際船着(大)も使用。これは卯之吉と後添えが「心中」する芝の海にも用いられるが、こちらは夜でアングルも変えてある。ラスト上様トリオ逍遥の庭は二条城清流園
*小頭の「お芝居」、親友が寝込んで死ぬ死ぬと騒ぐのをいなすために打つ方便で、枕元の死神を足元に移すというおまじない…布団回すだけ。後添えがこれを「利く」と信じ込み、取り殺そうとしている二代目が助かっては困るため小頭を色仕掛けで籠絡にかかる。乗っ取りを企む割には間抜けな女で、幽霊を見たと奉行の屋敷に駆け込んで消されてしまう。*奉行配下の用心棒「駒田」に福ちゃん、なりはモロに「センセイ」。勘当の身ながら弟を案じる長太を襲い、おぶんに邪魔されて「貴様も斬るぞ」。ラス立ちにも登場、どアップで斬られポーズ決めておわぁとのけぞり。*脱け出すのに大奥ゆきを言い訳にする上様、お鈴廊下のシーンがあるが、そのカルさにコケる「暴将」大奥。
2004/12/26

■ 必殺仕業人 第23話「あんたこの替玉をどう思う」1976.6.25ABC/松竹

 シリーズ200回記念作品、錚々たる過去のレギュラーをチョイ役に散りばめたお遊びも楽しい一話。
お話は、手配の回った凶賊の女首領が自由を得るため思いつく、そっくりの女を身代りに立てる企み。ハメられて牢に放り込まれた女は捨三の幼馴染、彼の依頼で主水たちが動くが、このとりかえばやプロセスを実に丁寧に描く。ゲストもうるさくなっていないが、次々登場するなつかしい顔ぶれに必殺フリークは落ち着かないかも。
 ロケ地、剣之介がウェイト背負ってトレーニングする水辺、大覚寺大沢池畔。牢屋敷門、明智門
*やいとや、捨三の依頼に金は貰うと、勝手にちゃっちゃと捨ちゃんの貯金壺から金をとる仕草が笑える…なんで金のありか知ってるのか考えるといっそう笑える。*牢でお弓を眠らせるのに、潜入役のお歌が急遽レクチャー受けて針刺し、殺したらどうするんだ。
・特別出演ゲスト抄録(登場順)
 中村玉緒/使いに出た物慣れぬお弓に打ち水ぶっかけ「あんさんが悪い」と開き直り
 沖雅也/賊に入られた三原屋の前を通り過ぎる蜆売り
 草笛光子/内職届けのせんりつが見る犬の散歩の婦人
 中谷一郎/お艶が同心に「見つかる」屋台の親爺、おでん屋
 大塚吾郎/訓練中の剣之介を誰何する岡っ引、迫って逃げられ「淡白ねぇ」
 野川由美子/牢の亭主に会いに来る七人の子持ち女
 田村高廣/銀次が出すゴミを回収にくる屑屋、頬っかむり
 緒形拳/お弓を身代りにして自適のお艶に鍼を打ちに来る
 三島ゆり子/お歌が鍼を打とうとしたとき寝言を発する女囚「なりませぬ」
 石坂浩二/お芝居に呼ばれた医師、丸眼鏡着用


■ 剣客商売3 第4話「冬木立」2001.7.10CX

 悲惨な境遇から女を掬い上げてやろうとした小兵衛の思いは空転。小兵衛やおもとらの真情を理解しつつも、女は「亭主」と過ごした春秋忘れ難く、その死を知ってのち儚く消える。女を不幸に落とした奴輩を成敗しても、小兵衛の虚ろは晴れない。
 ロケ地、小兵衛とのやりとりを怪しみ、おきみに迫る「亭主」竹造、近江八幡水郷葦原(西の湖の州と思われる)。香具師の元締・若松屋のことを報告の弥七、八幡堀堀端。釣りの小兵衛、おきみを襲った相模屋の主についての弥七の感想を聞き「耳が痛い」と述懐の川端、沢ノ池東岸汀。若松屋、中山邸通用門
*脚色に際していくつか綻びのあるシナリオなれど、重苦しいドラマの各段の印象は鮮やか。なんといっても、土臭い気のいい小女と、すさみきった現在とを演じた女優のうまさが際立つ。
2004/12/25

■ 必殺仕業人 第22話「あんたこの迷惑をどう思う」1976.6.11ABC/松竹

 大名家の揉め事に関わってしまう仕業人たち。
お家のため詰腹を切らされた男の妻が真実を暴露しようとする動きを大名家が黙っているはずもなく、手が伸びる。請け負うは、主水も怖れる闇の口入屋・藤兵ヱ。暴露文書を預かってしまったことでお歌が拉致され、仕業人のこともほぼバレてしまう危機的展開、しかし志を強要したかたちの義弟に「愛の告白」のあと死なれた未亡人に「依頼」の金を置かれてしまってからは尻込みもどこへやら、きりきりとお仕事にかかるチームであった。
 ロケ地、藤兵ヱの手下に追われボコられ川落ちの瓦版屋(詰腹侍の弟)中ノ島橋

■ 必殺仕業人 第23話「あんたこの女の性をどう思う」1976.6.18ABC/松竹

 夫婦揃ってかなり強烈な変態さんの大身旗本。妖しい美女の奥方はアブノーマルな欲望ゆえ密かに岡場所の通い女郎をしているが、お屋敷の新米中間が客として登楼したからタイヘン。しかしこの21歳童貞の青年、もともと奥方をマドンナ扱いしていたこともあって、もっともらしい作り話を頭から信じ込んで忠誠を誓った挙句恋に溺れ、実は夫公認だった変態さんに不都合な行動をとり、虫けらのように殺されてしまう運びとなる。
 ロケ地、旗本・間部邸、中間・直助の傷を手当てしてやる奥方、相国寺方丈裏手廊下と庭。弓のお稽古の主人は方丈前庭と前廊階。大道芸の赤井夫婦、今宮神社楼門。赤井夫婦のヤサ、流れ橋上手左岸河原。
*奥方の妖艶さは、物慣れぬ若者のほか、思い切り自信のあるやいとやもイチコロにする。俺が金を出して女を、と自嘲するやいとや、事が終わるやすげなく去られてて笑える。奥方の行為を黙認するどころか、成果や具合を聞いたりする旗本は河合伸旺が演じているが、いつものにたにた笑いはせず終始むっつり顔なのが工夫の見せ所。
2004/12/24

■ 必殺仕業人 第21話「あんたこの計り事どう思う」1976.6.4ABC/松竹

 いっぱしのワルのつもりの若旦那、入れあげた芸者とグルの岡っ引にハメられ弟を誘拐し、金の分配の段で消されてしまう、よくあるお話。岡っ引が田口計なこともあってハナっから読めてしまう筋も、仕業人スパイスで緩急ある見せ場が多く作られる。
誘拐実行犯が子をさらい逃げ込む先が捨三の洗い場というのがよくできていて、とりあえず追い出そうとするくだりや、見て見ぬフリを決め込もうとするところなど、このシリーズの世界観が反映され興味深い。また、気になって戻ってくる主水はいつものことだが、お歌に怒られた剣之介もやってくる。ここではわずかなショットながら中尾ミエ利いていて印象的、蕎麦屋の亭主にもおんなじふうだったと感慨深し。救出劇では、ありあわせの材料でくるくると弓を手作りする剣之介が見もの。殺しではやいとやが同時ダブル刺し、上と下でプルプルが傑作。
 ロケ地、志賀勝が子供をさらうのに誘い込む道、広沢池東岸。身代金授受で若旦那が殺されるのは嵐山の中州か。

■ 暴れん坊将軍 VII 第4話「花の吉原 空飛ぶおいらん」1996-1997ANB/東映

 なにコレの絶句もののタイトルだが、一応ホントに吉原の花魁は「飛ぶ」。
当該の花魁は、幼時押し込みに両親を殺され、その後売られて軽業一座に育ち、回りまわって吉原一の花形となる。賊の顔をしっかりと見覚えており、親の仇を討つべく動くのが今回のストーリーだが、この花魁夜な夜な吉原を抜け出し、女郎を騙した男を成敗に出ているという傑物で、周囲にはシンパもいる。そのシンパが花魁の仇を探すため嘘ついてめ組に「依頼」、新さんも深く関わってゆく。仇は札差となりおおせていて、御金奉行とつるみ公金横流しで米相場吊り上げという悪事が設定されているが、なんだか上様が成敗するためのつけたりみたいな印象。
 ロケ地、鬼子母神の朝顔市で花魁のシンパの野だいこと出会う新さんとめ組、清涼寺本堂前に縁日セット。花魁の親が殺された事件の報告を聞く上様、大覚寺大沢池木戸(忠相が小船着で鯉釣り、新さんが木戸をくぐってやってくる)。事後、じいと逍遥の上様、吉原の話で盛り上がり、二条城清流園
*人探し依頼の幇間に初代め組小頭。花魁付きのぶっとい姉ちゃんも見物、強弓を扱う。おぶんが花魁の身代りをさせられる一幕もあり、スケベ爺に剣突を食らわす表情が笑える。*空飛ぶ一件、楼を抜け出すのにロープ伝うがこれではなく、ラス立ちの際の跳躍を指すものか。確かにばびゅーんと飛んでた…小林旭が猛禽類のマスクつけて立ち回るアレに、似ていた。*ラス立ちちょこっと福ちゃん入り。
2004/12/23

■ 御用牙 鬼の半蔵やわ肌小判 井上芳夫監督作品 1974.2.9勝プロ/東宝

 怪作・御用牙、シリーズ第三弾。フォーマットができあがっているので、「鍛錬」シーン、手下二人や上司とのやりとり、女たちとのからみなどは彩りとしてあっさりコミカルに描かれ、ストーリーに重点が置かれたつくり。
 今回板見のダンナの標的にされるのは老中・堀田備中守、悪徳検校とつるみ御用金を横流しし御家人に貸し付けて大儲けのワル。老中に西洋文明の要を諫言し不興を買った医者と、借金がらみで検校の用心棒に殺された親友と、半蔵は二人の男の命を背負うこととなる。
事件の発端は幽霊騒ぎ、ここから御用金がらみの秘密が明らかになってゆく。
 ロケ地、御堀端で幽霊を見た鬼火とマムシが肝をつぶして逃げ帰る橋、中ノ島橋。北町奉行所、京都御所管理事務所門。老中の命で医師・玄庵を連行する半蔵、広沢池東岸堤道。老中・堀田邸、仁和寺本坊門大玄関宸殿廊下。石山検校の梅屋敷裏門、中山邸通用門。堀田邸裏手から侵入する半蔵、仁和寺宸殿北塀か。老中出仕の駕籠がゆく道、仁和寺参道から勧修寺参道へスイッチ(ここで大砲ぶっ放し)。事後、親友の墓に取り返した槍を持ってくる半蔵、丹波国分寺跡礎石。検校の用心棒との立ち回りは本堂前。ラスト、橋を渡る半蔵、渡月橋
*老中や検校を脅しつけ、奥方をコマす手口はいつも通りの型破り。しかし今回はとんでもアイテム登場、西洋式大砲。製作過程、材料調達手段、運搬、使用方法、始末に至るプロセスがノリノリの傑作。また、死んだかと思わせて最後に現れる成田三樹夫の使い方が泣かせる。
2004/12/22

■ 長七郎江戸日記2 第58話「影のある女」1989.8.22NTV/東映

 幸薄く悪の道に踏み込んだ女につきまとう鬼同心、行く先々に現れ居場所をなくすと見えた行動の真意は「愛情」。それを知った女は、過去を清算すべく情夫の悪事を密告し自ら縄につく。
事件は富商の弱味に付け込んだ勘定奉行の悪謀、貸し倒れ金を盗られた芝居で救済金を騙し取り、上前を半分もハネての丸儲け。
 ロケ地、美濃屋三番番頭の吊り現場に来る「鬼同心」丹下、大覚寺放生池堤端の石橋たもと・吊りの木(輪っか残留)護摩堂脇大楠。長屋にいたたまれず引越しのお紋が大八をとめて佇むところへ来た長さん、身の上を聞くのは大沢池木戸脇、有栖川畔。
*ほとんど綿引勝彦ワールドの一作。鬼同心実は仏のピュアなぶっきらぼうというキャラクターがたまらなくよく適っている。立板に水かと思えば唐突な胴間声の台詞まわしも魅力的、お紋が自宅に訪ねてきた際のあたふたぶりが可愛すぎの保存モノ。*丹下の上司の与力に中村錦司、ワルの勘定奉行に波田久夫など脇の脇も渋い。ラス立ちには福ちゃんも登場、長七郎ぎみがぱっと双剣を抜くのに驚いてかさかさと後退。

■ 暴れん坊将軍 VII 第3話「母恋し!がまん涙の夢枕」1996-1997ANB/東映

 涙の母子再会もの。丸亀藩城代家老の娘と奥小姓の道ならぬ恋は駆け落ちに至り、子もなすが引き裂かれる。このとき手討にしたと報告して父子を見逃し、娘を連れ帰った城代だが、後年これが政争の攻撃材料に使われてしまい悲劇となる。
 ロケ地、元丸亀藩士・矢島について何か秘密があると話す上様トリオ、二条城清流園。雨の日に蜆とりをしていて倒れる矢島の息子・大吉、上賀茂神社ならの小川。大吉を母親に会わせてやる新さんたち、丸亀藩の若君(大吉の母が乳母)が野点の菖蒲園は梅宮大社神苑(野点の席は門脇に、これを見る新さんたちは雁行橋上。母に拒否される大吉、築島植え込み。大吉が母の守袋を投げ捨てるのは池中亭土橋)。逃がすため矢島を呼び出す城代、大覚寺五社明神(江戸家老の手下出て二人とも斬殺)。ラスト鯉に餌やり上様、二条城清流園
*城代に御木本伸介、今回は悪役ではなく人情家。ラス立ち福ちゃん入り。
・第2話「江戸怪奇吉宗魔界を斬る!」はスルーされた模様。どこがいけないんだか…栗塚旭出てるのに。

■ 暴れん坊将軍 II 第188話「大暴れ!しばし名残りの二人旅」1983-1987テレ朝/東映

 日光ご社参をめぐる大騒動、普請等一切無用「あるもので充分」との上様のお触れが発端。もう既に甘い汁を吸っていた日光奉行が大慌て、お忍びの上様を害さんと画策、荒くれ修験者を差し向けてくる。当の上様は質素通り越してじいと二人旅、この旅程は二人の感傷旅行に仕立ててある。
 ロケ地、道中探索のお庭番、さぎりが温泉に入ってゆっくりなどと才蔵に持ちかける道、日吉大社走井橋。不動院、西明寺か。庭番が橋の普請について聞いていると山伏が襲う、中ノ島橋上。不動院の連中にさらわれた女の死体が上がる、日吉大社走井橋下河原。その後上様を襲う山伏たち、白山宮。辰五郎を追っかけて日光道中のめ組の衆、広沢池東岸堤道。渡し舟に乗る上様とじい、木津川下流部。渡し場に着くと山伏+浪人の襲撃、流れ橋(橋上のシーンこそないものの、橋脚や桁はっきり映ってる…渡船の意味ないじゃん)。上様の出立について忠相に迫る老中、仁和寺観音堂脇。山伏浪人混成軍が襲う日光お山へ二里の山道、谷山林道東照宮、本物のイメージショットに続いて下鴨神社楼門(衣冠束帯の上様のバックに御手洗川の太鼓橋)
*今回で終わりの「加納さま」有島一郎氏に何度かスポットが当たる。ボケてみせたり拗ねてみせたり、鬘を黒髪に替えて若い加納さまも披露。*老中が日光奉行のところへ駆けつけてワル勢揃いのくだり、普通ならここで成敗のラス立ちだが、現れた上様は断罪のみで「斬っても詮無し」とずかずか去ってしまい、あとどうなったかは描かれず。*め組が儀式に臨む上様を見てしまい「あれっ新さんじゃないの」と疑問を持つが、その後宿にやってきた新さんが座につくや餅をがっつき喉に詰まらせるのを見て「違う」…。*福ちゃん二態、山伏と浪人。両方ともかなりのアップあり。
2004/12/21

■ 暴れん坊将軍 II 第187話「食通くらべ日本一!」1983-1987テレ朝/東映

 普請道楽の大名が打つ借金チャラのための大芝居、金主の札差が食通なのを利用し、鼻持ちならぬ贅六を仕立ててグルメ対決に持ってゆく。そこで出された吸物に禁制の鶴があったかどで札差は欠所・遠島の裁可が下るが忠相の罠、いい気になって祝宴を張っていた大名はぺらぺらと陰謀を喋っているところを上様に乗り込まれてしまうオチ。
 ロケ地、葛飾村へ遠乗りの上様が猟師親子と会う、下鴨神社馬場。以降、葛飾村の描写に糺の森泉川畔が使われる(林は紅葉)。国元へ帰る途中、川崎の手前で陣を張り休息の久留米藩主、大覚寺心経宝塔(陣幕張り巡らせ)。断罪の上様と忠相が塔から降りてくる趣向、久留米藩主マジ斬り成敗も階段で。猟師・権六の墓、谷山林道頂上付近か。
*メインはグルメバトル、贅を尽くした大国屋の料理に対し、浪速屋の出したのは竹皮包みの握り飯と沢庵、但し肥料が超級…おまえは海原雄山か。*思い切り憎さげな贅六に藤岡重慶、大名は河合伸旺。鶴密猟の陰謀に巻き込まれる猟師に牧冬吉。

■ 月影兵庫あばれ旅 第4話「生きる為に忘れろ!」1989.10-12TX/松竹

 白河藩での紛争、土地が貧しいため国替えを画策する改革派と、産品で私腹肥やしの国家老が対立。「切腹」して死んだ改革派の勘定奉行の遺児たちが真実を求めて走るが、親切づらで彼らに接する「妹の婚約者」は世の中金と変節し、ワルに通じていた。
タイトルはその婚約者が事あるごとに兄妹に説く、追求をやめるよう諭すターム。兵庫はこれに反発し、兄をも殺された妹の仇討ちを助勢することになる。
 ロケ地、白河藩城、彦根城天守。本丸石垣下で「切腹」の勘定奉行・戸倉主馬、天秤櫓下。戸倉邸、相国寺林光院門と玄関。白河へ向かう兵庫たち、戸倉の息子・元之介を見る道に谷山林道切り通しや分岐道など各所を使用、茶店セットもあり。夜の城下、追われる戸倉の娘・加代に助けを求められる兵庫、相国寺方丈塀際。兄がやってきて再会は法堂と方丈間の回廊。婚約者・新島が加代に「忘れろ」説得、大覚寺天神島。兄のほうにも「忘れろ」をやる新島、見ていた兵庫が元之介と話す坂、知恩院北門下の坂道。新島が陰謀に加担した勘定方与力と元之介を暗殺する寺、西明寺(山門、参道、アーチ回廊)。白河を発つ兵庫一行、谷山林道・両に切り通しの道。

■ 暴れん坊将軍 VII 第1話「江戸っ子神輿が吉宗を呼ぶ!」1996-1997ANB/東映

 尾張宗春の陰謀炸裂、吉宗暗殺を謀る。献上のお雪に仕込まれた毒は寸前で阻まれ、上様は宗春に帰国を厳命する暴将にしてはハードな展開。しかしこれがために乗り込み成敗時宗春は不在で家老が血祭り、中尾彬は逃げのびる。
 ロケ地、江戸城へ入る山王祭の神輿、姫路城大手門〜広場。尾張藩上屋敷、大覚寺大門。長岡藩牧野駿河守邸、妙心寺隣華院。中間に化けて牧野邸に入り込んだ尾張の隠密を怪しんで尾行する古参の中間・善平、衡梅院北東角〜鳥居本八幡宮広場。善平を殺した隠密に血の匂いを嗅ぐ朝右衛門、大覚寺参道石橋。尾張藩邸を探るお庭番・佐助、御殿川河床〜大門。善平の足取りを追う岡っ引・文吉と娘のおぶん、衡梅院角〜東海庵東塀際〜鳥居本。藩邸を探っていて斬られた文吉が放り出される、大覚寺参道。事後、上様トリオ事件を述懐の庭、二条城清流園
*暴将では何度もある尾張の陰謀、たいていは江戸家老くらいしか出てこなくて、成敗のおり主君には関係ござらん拙者一人の企てなどと申し立てるのだが、今回は本人が登場のゴージャスな作り。やっぱり中尾彬は思いきりエラそうで迫力。*新顔のおぶん、女一心太助として登場、亡父の後を継いで十手を手にする経緯が描かれる。新さんを「にやけたサンピン」呼ばわりが笑える。*上様が毒の仕込まれた献上雪を口にする寸前で忠相が阻むくだり、毒と確認するのに金魚鉢に入れるが、諸侯居並ぶ接見の場にそんなもの置いてあるかフツー。*タイトルはメインのお話となんの関係もない、お祭り上覧の席で辰五郎に目くばせされて厠に行くなどと嘘ついて中座し、着替えて神輿担ぎに行っちゃう上様のこと。

■ 必殺橋掛人 第6話「本所の七不思議を探ります」1985.9.6ABC/松竹

 女子教育で人気の高級塾、しかし実態は娘たちの母親を誘い込み麻薬漬けにして売春を強要する魔窟。これを主宰する謎の婦人・姉小路は、過去何人もの男を手玉に取り破滅に追い込んで財を掠めとってきた名うての毒婦で、春光尼の実母なのであった。
母の行いと親友の死に揺れる春光尼、最後はためらいを振り切って頼み料を置く。西崎みどり独特の生硬な演技が見事にハマっている。裏事情は柳次のみ知る設定。
 ロケ地、お久が立派ななりでお屋敷(デリバリー先)へ入ってゆくのを見る春光尼、大覚寺大門。ヤク中女に迫られた姉小路塾塾頭がこれを刺殺する、五社明神護摩堂脇。殺害後の塾頭とすれ違う新吉、放生池堤。亡父・多助に聞いた、母が亡くなったという滝野川村へ赴き、農夫に事情を聞く春光尼、北嵯峨農地。お清が取り殺した男の一人・筑波屋の未亡人が語る回想の心中現場、罧原堤下汀
*「本所」マークを焙ってもなかなか出てこない「清」の字、しかも薄い。これに父のためらいを見る春光尼のくだりが泣かせる。
2004/12/20

■ 必殺仕業人 第20話「あんたこの志をどう思う」1976.5.28ABC/松竹

 ストーリーの芯は内職詐欺。近々出る政令により、妾にやらせている小間物屋の品が捌けなくなると知った高利貸しが企むもの。貸した金を侍に踏み倒された高利貸しは、同じ侍を詐欺の道具に使い溜飲を下げようとする。ターゲットに選ばれたのは、剣之介に国へ帰るよう諭されていた、能天気に禄を捨てて江戸へやってきた甘ちゃん侍だった。
 ロケ地、職を求めて道場を訪ね歩く小坂夫婦、道場に相国寺林光院大光明寺。その間歩く道に大光明寺南路地(墓地側塀越しのアングル)。赤井夫婦が芸をするのは鐘楼基壇。小坂の妻女が拝む祠は弁天社。この間に挿まれる、疲れて佇む水辺は桂川松尾橋下手右岸堤
*小坂をハメる役の高利貸しの手先に梅津栄、高利貸しに情報をリークする同心に今井健二とおなじみの面々。どちらも大悪党ではなく、セコくこすっからい小悪党を演じいい味。*ハメられた小坂の処刑は素早く行われ、稚気もそのままに死んでゆく。妻女も、仕業人たちのツナギを立ち聞きして夫の死を知るや喉を突いて自死という儚さ。このテンポを継ぐかのように、仕業人たちの行動も迅く殺伐。*やいとやは気が乗らないとヤバいとスペシャル験かつぎで、怪しの巫女にご託宣を受けにゆく。これが「見えた」心象をぺらぺらと述べ立てるヘンな女で、当時流行った「霊感占い」の田中佐和自身が演じる。

■ 暴れん坊将軍 II 第186話「仇姿、つよい女が泣きました!」1983-1987テレ朝/東映

 神君の遠忌の増上寺改築をめぐる陰謀、職人の名誉と儲けを捨ててかかる棟梁が、強欲な同業者に殺害される。葬儀の寺で、旧知の左官に棟梁が実父と聞かされた元辰巳芸者のおりんは、意思を継ぎ「妹」だった遺児を補佐して奔走、この健気をはたで見ていた新さんが放っておくはずもなく、ワルは集まっているところを一網打尽にされてしまうのだった。
 ロケ地、武蔵屋の心底を確かめて上機嫌で帰途につく新さん、嵐山公園中州岸辺(背景に堰堤のせせらぎ)。武蔵屋の葬儀の寺、おりんが出生の秘密を聞かされる橋、御室八十八ヶ所霊場の放生池石橋。武蔵屋のライバルのアリバイについて庭番の報告を受ける新さん、仁和寺塔下。葬儀後の協議に容喙した新さんに差し向けられる刺客、日吉大社境内林間。事後、用材が間に合って良かったねのくだり、木場風景にどこかの本物の貯木場。これを見下ろす土手に嵐山自転車道
*悪辣な強欲ライバル・甲州屋に第一シリーズお庭番の和崎俊哉。強面のワルだが、アリバイがはなっから時間に無理のある疎漏なものというお間抜けもある。ラス立ちは福ちゃん入り、裏で糸を引く寺社奉行の家来で、二回上様にぶっ叩かれて、きれいに斬られポーズを決めてくるりとのけぞり。
2004/12/19

■ 剣客商売3 第3話「狂乱」2001.6.26CX

 暗く内向的な性格から疎まれ蔑まれる若者。加えて並外れた剣の天稟は、軽輩の彼を底なしの孤独に誘う結果となる。この「狂乱」の剣の道の迷い子を掬い上げてやろうとした小兵衛であったが、若者は既に抜き差しならぬところへ踏み込んでしまっていた。
 ロケ地、牛堀道場から憤りのまま出た石山甚市が突き当たった侍を斬ってすてる浅草観音参道、清涼寺境内(経蔵から本堂、多宝塔がぐるっと背景に映し出される)。石山が仕える湯島天神下の本多丹波守邸、大覚寺明智門遠侍前。彼が暮らすお長屋、不明(大川橋蔵版・荒木又右衛門にも郡山城下のお長屋として登場、アレは東映だからこの物件はセットでない可能性大なり)。出稽古の牛堀九万之助を襲おうとして小兵衛に阻まれる石山、随心院裏土塀際。田沼に事の経緯を報告の三冬、書院をバックに池(田沼さま鯉に餌やり中)
*原作とは話のゆくたてを少し変えてあるが、石山の底知れぬ孤独は同じ。追い詰められ暴発した魂は狂気をはらみ、無関係な人を多数巻き込んで返り血塗れの石山が「師」に討ち果たされ昇華されるくだりは、凄惨さゆえ尚更凍てついた心の悲惨さ哀れさを浮き彫りにする。
2004/12/18

■ 沓掛時次郎 池広一夫監督作品 1961.6.14大映

 渡世の義理から斬りつけた男の妻子を親身に世話する時次郎、しかし女はもともと彼女を狙っていた親分の魔手から逃れ得ず儚く散る。遺児は時次郎により祖父のもとへ届けられるが、この過程が丁寧に描かれ、殺陣あり人情ありの見せ場たっぷりのドラマが、宮川一夫の美しい映像で綴られる。
 ロケ地、冒頭の橋、不明(天井川の模様)。六ツ田の三蔵が溜田の助五郎に斬られる宮、大覚寺五社明神。熊谷宿はずれ、八丁徳一家と聖天一家の大出入りが行われる天神ノ森、鳥居本八幡宮。道中風景、ほぼ不明。おきぬの実家の足利在の農家、萱葺民家の前は見事な棚田、仰木地区かとも思われるが確信なし…山の形は湖北っぽくもある。
*美しい画面。冒頭の早暁の橋など、つよく記憶に残る印象的な風景が連続する。棚田や早苗に降る驟雨なども良し。ほんわかした演歌が被るのも妙によく合う。*雷蔵の殺陣はたっぷりと拝める。また、ラス立ちとなる桔梗屋以降のくだりは路地→室内→馬小屋と移動し、火ついて馬びっくりのシーンなどもありじっくりと多対一の立ち回りを楽しませる。また、堅気になって稼ぐというシチュエーションも用意され、きぬと門付のシーンがあって雷蔵が喉を披露。

■ 子連れ狼 三途の川の乳母車 三隅研次監督作品 1972.4.22東宝/勝プロ

 「虎落笛」をベースにした一話。
刺客依頼は阿波藩江戸家老から。藍から生まれる富に目をつけた幕府に、逃げ出した藍玉総名主を収監される前に斬ってくれというもの。護送にあたるは弁天来三兄弟、船の火災を逃れたあと、砂丘での死闘が描かれる。
 拝一刀が冥府魔道をゆくおおもとの理由は劇中では語られず。柳生や黒鍬者は山のように襲ってくるし、公儀介錯人であることは明示され刺客依頼も受けているが、一族悉く滅ぼされた経緯が描かれていないので、この作のみ見ると些か唐突かも。
しかし見進むうちそうしたことは瑣末になってしまう、迫力の殺陣。アメリカではスプラッタ分類されているというのも頷ける、指や腕は落ちるし、首が縦にまっ二つになったりする、びっちゃびちゃぬたぬたの血まみれシーンの連続で、ラスト藍玉総名主の駕籠に双剣かざして向かってゆく一刀はまさに悪鬼。堺筒こそ出ないが、箱車の機能も大五郎がスイッチ押したり海ではフロートになったりとフル活用される。
音もまた、この映画の見どころのひとつ。不安を掻き立てる寒念仏の鉦の音、大五郎を誘き出す闇夜の太鼓、そして左弁馬の喉笛に鳴る「木枯らし」の虎落笛へ持ってゆく見事な演出。
 ロケ地、壊滅的になんにも判らず。砂丘は規模から鳥取大砂丘と思われるが、ランドマーク見えず轟沈。
*別式女に鮎川いずみや三島ゆり子いたはずなんだけど見分けられず。弁天来の来馬は岸田森とすぐ判る、片目を隠す前髪がキュートにして凶悪。鞘香の変貌も見もの。弁天来を狙う三次に江波多寛児(現・江幡高志)が出ているのも楽しい。
2004/12/17

■ 必殺仕業人 第19話「あんたこの奥の手をどう思う」1976.5.21ABC/松竹

 やいとや中心のお話、女霊媒師にぞっこん惚れこまれる。調子のいいその上方女に振り回されるかたちのやいとや、成り行きで肌をあわせるに至るが、女の占いは強請りに利用されており悲劇となる。
 ロケ地、霊蝶と芝居見物の約束をしたやいとやが待ちぼうけを食らう日本橋、中ノ島橋。去りかけたやいとやが美濃屋の女将を見て貸した金の返済を迫る、嵐山公園中州岸辺(桂川の堰堤前に「壁」をセットし、その円窓から流れを見る趣向)。強請られていた美濃屋の女将と番頭の心中死体があがる大川端、広沢池東岸(大金を投げて貰い、取り戻されてはマズいと逃げてきて行き合わせる赤井夫婦は堤道)
*やいとやに惚れる霊蝶に坂本スミ子、けたたましいが可愛い女で、仲間の情報リークと強請りを知って手切れを宣言し、刺されたのち体を引きずってやいとやのもとに辿りつくが、恨みの筋を託すのでなく「帯でも買って」と金を渡すへんが泣かせる。*霊蝶のカラー碁石占いや、瓦版屋が出入りするオカマのいる阿片窟、霊蝶の代わりの女をトレーニングする世話役の嘉兵ヱなど、怪しいビジュアルが凝っていて見もの。*赤井夫婦、食い逃げをする、投げ銭に大金入っててビビり逃げるなど赤貧ぶりが描かれるが、なんだか呑気で鰻の天麩羅のと痴話喧嘩。*仕事を仕切るのはもちろんやいとや、怒っているので験かつぎもせず出陣。しかし殺しはクールにこなす。

■ 暴れん坊将軍 II 第185話「俺がまことの吉宗だ!」1983-1987テレ朝/東映

 忍藩のお家騒動、側室が我が子を次期藩主にと暗躍、殿様毒殺計画が進む。これにからんで捕われた藩士を、重病の妻と会わせてやりたいとの「依頼」が新さんに来る。
依頼者は藩士の老父と子供たち、内容は「将軍様と似ている」新さんを将軍に仕立てて、権威で突破し救い出そうという無茶なもの。これに乗る新さん、側室たちがかけた罠も難なく突破し救出に成功。そのあとはずんずんとお城に踏み込み、成敗の雨嵐なのであった。
 ロケ地、老爺たちがおまちをさらって新さんを呼び出す西光寺、神光院本堂脇〜中興堂。「将軍」装束で忍藩領新郷川俣関へ騎馬で乗り込み、谷山林道切り通し〜頂上付近。逃げ出した間道にも追っ手(うち一人福ちゃん)がいてチャンバラは、分け入ったところの狭い切り通し。新さんたちをあぶり出すため引き回しとなる藩士、奪還の舞台は日吉大社大宮橋(河畔、橋下や参道などフルに使用)。藩士の娘に送られ発つ新さん、大覚寺放生池堤。馬をやる「上様」を峠で待ち受け平伏の爺さま、谷山林道切り通しに祠セット。
*「偽将軍」を演じる上様、爺に「馬子にも衣装」などと言われてて笑える。また、忍へ入る際や去る際、松平健が馬をすっ飛ばすシーンが多く挿まれ迫力。
2004/12/16

■ 大奥 第一章 第11話「命果つるとも」2004.12.16CX/東映

 春日局の終焉を描く最終話。
どうあってもお万の方の出産を許せない春日は、遂に膳に一服盛る挙に出る。しかし廊下にお江与の幻を見、お夏の産んだ赤子を抱き、突如思い直してお膳ひっくり返しに乱入。そこで倒れ床につくが、家光が痘瘡に罹った折の願掛けを頑なに守り弱り果ててゆく。
 ロケ地、家光にお万の腹の子は不義と吹き込む春日、彦根城玄宮園蘇鉄山橋。あとで上様がお万の方の肩の紅葉とったりしているのも同所。天守イメージに姫路城。家綱・綱重となる赤子らがあやされるお庭、姫路城西の丸。おふくの辞世を口にする上様に、腹の子はちゃんと産むが公式には死産扱いにすると告げるお万、東福寺通天橋
*本人に拒絶され、上様に嘘ついちゃダメと怒られ、窮した春日が膳方に現れる姿はまさに幽鬼の如し。また、ほとんど死にかけてるのに、しゃんとなりを整え女たちに最後の挨拶を述べるくだりは圧巻。息子の赦免を告げにきた上様に、勘当した者ゆえ御無用と言い放ち、自分から意地をとったら何が残ると吼え、まだ用事あるんでそっち行っててと退けるあたりは傑作。で、深々と一同に頭を下げた姿勢のままころんと逝く…凄すぎ。*どーするんだのお万の子は、表にはお玉の子として処理され、女たちのシークレット扱いとなる。…犬公方と桂昌院なんだよね、コレが…。

■ 暴れん坊将軍 II 第184話「夫婦喧嘩と釣り天井!」1983-1987テレ朝/東映

 叱責を根に持った老中が尾張と組んで将軍暗殺を企てるお話。参詣の折の御休息所の天井を落として圧死させようという計画で、忠臣蔵ばりに大工の絵図面を狙うエピソードがある。うまうまと抱き込まれかけた大工の若夫婦だが、途中で陰謀に気付き注進におよび、老中は自分が細工した休息所で茶を立てさせられる羽目となる。
 ロケ地、遠乗りの上様を狙撃する老中たち、谷山林道(忠臣の自主的替え玉で残念)。身代りの件について報告の忠相、枳殻邸印月池(弓のお稽古中)。休息所の千草亭、不明。亭主と父の無事を祈願してお百度のお若、木島神社本殿。
*睦五朗演じる老中が誘い込まれる茶室、お話中にみしみしぎしぎし。しまいに茶を喫する上様にざらーっと砂がかかる事態に、度を失いあたふたと逃げ出す老中は上様にしっかと袖を掴まれてしまう。事が終わったあとも天井裏でお芝居の大工親子は揺すり続けてて、加納のじいさまにいつまでやってると怒られてたり。よく「被害者」を演じる睦氏、今回は悪役なんだけど、この引っ掛け芝居に慌てるさまはほんとうにお似合い。尾張の江戸家老は宮口次郎で凶悪。
2004/12/15

■ あばれ八州御用旅4 第12話「国定忠治 涙の八木節」1994TX/東映

 最終話は前シリーズと同じく、任侠の漢を助けて動くお話。天保の大飢饉で苦しむ民衆に施しを与える忠治だが、蔵米横流しの悪代官たちによりあらぬ罪を着せられ追われることに。関東巡検使なんてのが岩鼻代官所に乗り込んできて、藤堂に捕縛を命じできねば切腹と脅すが、こいつもワルの一味。藤堂は忠治を死なせるに忍びず、隠れ家が炎上という態をつくろい落としてやって、その夜白頭巾と化しワル皆殺し。
 ロケ地、飢饉イメージのひび割れた地面、広沢池か。山崎が忠治の手配書を見ていると里の女が破いていく神社、不明。近所の子を集め野博打の忠治の娘、神社?不明。ラスト、再び共に旅行く四人、木津堤と河原か。つーか京都撮りか?コレ。
*国定忠治に清水健太郎。

■ 長七郎江戸日記2 第57話「夕映えの女」1989.7.25NTV/東映

 長さんが拾った薄幸の女は、運命に抗いきれず命を落とす。小太刀を使う女はその技能により不幸に落ち、贖罪ののちも腕を見込んだワルに目をつけられてしまうのだった。
 ロケ地、屋形船で暗殺される回船問屋の番頭、広沢池東岸。その船宿から島帰りを理由に岡っ引に引っ張られるお夕、ボコって逃げ出すところで長さんと出会う道、大覚寺放生池堤。お夕の回想、奉公先の娘を救うためからんだ侍を斬ってしまう、仁和寺茶店。引退した元北町筆頭与力の戸張一閑の隠居所、中山邸門。一閑の手先の殺し屋が回船問屋を嗅ぎ回る御徒士目付を暗殺する、大覚寺五社明神本殿前(雲水は有栖川のほうに去る)。一閑の投げ文で禅導寺に呼び出されるお夕、仁和寺塔下。お夕の名を記した灯籠を流すおれんと長さん、広沢池上に船(夕景、これがタイトル)
*一閑に呼び出され殺し屋になれと迫られたあと思い決めたふうに彫師を訪ねるお夕、彫ったのは「長さま命」…薄幸のヒロインが一気にヤンキー。*お夕に芦川よしみ、一閑は田口計で凶悪な隠居姿。グルの回船問屋は牧冬吉。

■ 暴れん坊将軍 II 第183話「友情!決死の砂丘脱出」1983-1987テレ朝/東映

 まだ砂丘まわりをうろうろの上様、領民を手に掛ける鹿野藩主の狂態を見る。この領地に、別の藩のスケベ殿様に迫られて逃げたカップルがいて、追っ手はサド殿様に救援を求めちゃったりしてタイヘン。夫婦を落とすのにめ組が関所で暴れたり、一揆衆が吶喊したり大騒ぎ、最後は鹿野陣屋へ乗り込みチャンバラでワル一巻の終わり。
 ロケ地、鳥取砂丘浦富海岸など映り当地を説明。樗谿神社ではツナギ場面など。夫婦を落とす山道に雨滝。京で待つじいのくだりで京都イメージに白川
*タイトルの「友情」は追っ手の一人と上様のそれ。綿引勝彦演じる使い手の小倉藩士は、逃亡者の女に惚れていて、好き者殿様に頭に来てる設定。憤懣が昂じて将軍の悪口までつらっと口に出したりする。綿引氏は例の独特の口調で、ちょっと乱暴で不器用な一徹侍を好演。逃避行に同行する徳田新之助なる旗本が将軍と知ったあとの、かちんこちんの態度も傑作。*身分は陣屋乗り込みの際忠助が出て「吉宗公なるぞ控えい」とやるが、馬鹿殿がきょとんとしているのに家老の中田博久がくいっと顎をしゃくって上様を指し「将軍でござる」、仕草がとっても不敬。…ところで女好きの小倉藩主も相当のアレだと思うが処分等の言及はナシ、いいのか。

■ 大奥 第5話「京から来た姫君」2003.7.1CX/東映

 家定の死去、篤子の落飾、まるは残留で、14代の御生母として実成院が大奥に乗り込んでくる。そして和宮降嫁、政治的大事件も大奥では「なによあの女」レベルの諍い、きたる荒波も意識せず太平楽な一時が描かれるがそれなりに深刻。
 ロケ地、江戸城、姫路城天守。和宮お輿入れの道に好古園路地。八瀬童子が担いできた輿を女陸尺に渡すの渡さないのですったもんだのお迎えの門、姫路城ぬの門
*場が一瞬にして凍る、和宮の実成院への答礼「ありがとう」。安達祐実うますぎ。
・野球スケジュールのせいで見逃した一話、ボックスが二万円切ってたので発作的に購入・視聴。放映時は飯食いながらのいい加減な見方だったので再視聴が楽しみ。
2004/12/14

■ 剣客商売スペシャル 「助太刀」2004.12.14CX

 タイトル通りの仇討ちもの。仇の設定をふくらませ名優を数多く迎えて、情味あふれる作り。
大筋は原作通りの少年の仇討ち話で師弟の設定もそのままだが、師の関わりは仇討ち前に終わり「助太刀」は大治郎が引き継ぐかたちとなる。扇売りの浪人に無体をはたらく旗本の馬鹿息子どもも原作通りに出てくるが、首魁の若様についている用人に本田博太郎を起用しこれが狂乱暗黒系なので、陰謀の糸を一手に操るフィクサーに仕立ててある。肝心の仇は道場主設定のみそのままで別のキャラクターが創出されており、原作にある男色変態さん部分はカットされ、主家を出奔し仇と狙われる理由となった不義の仲の女に純愛設定。彼が騙して入り込む道場が小兵衛の剣友のところで、このドラマの見どころのひとつである老剣客の父と婚期を逸した娘が登場する運びとなる。お話の落としどころは原作と同じく、憎悪のループを断ち切るという田沼さまの意思が示され、仇の道場主の「女」がそれを体現するうまいシナリオ。裏で道場主を操っていた用人は自裁と語られ、劇中にあった手招きのイメージカットが入るのみだが、本田氏の怪演が利いているので詰腹のくだりがなにやら脳裏に来るあたりも憎いつくり。
 ロケ地、田沼の呼び出しを受けおはるの操る船で大川を渡る小兵衛、西の湖(カルガモつがいのショット入り)。扇売りに出ている林牛之助、上賀茂神社ならの小川(原作設定は柳原土手で堤の描写があるが、ドラマでも見物が対岸にいる画あり)。林浪人を襲った馬鹿息子の家・旗本高田壱岐守邸、随心院長屋門。茶店の女に林浪人の居所を聞いて赴く大治郎、途上は大覚寺大沢池南堤から五大堂を見るショット、林浪人の寓居は天神島祠脇にセット、大楠下で林と伊織少年が剣のお稽古、大治郎と林が話すあいだ伊織が佇む水辺は天神島北辺汀(原作では牛込祟伝寺あたりの小川畔、劇中では団子坂の禅寺・祟竜寺の弁天島)。林の回想の伊織少年を拾った中仙道鳥居峠(伊織の兄が発作で頓死)琴滝前。旧友の酒井善蔵と釣りの小兵衛、沢ノ池東岸汀。酒井の娘婿・忠兵衛の帰り道、妙心寺大通院裏手路地(南東角)。酒井の娘・お信の回想、父の薬を取りに行った帰り忠兵衛と「何度も」会う門、仁和寺中門(内側から二王門を望むショット)。大治郎に伊織を預けるよう頼んだ帰り、伊織が他所に預けるのは自分を嫌ってかと師に問う、大覚寺大沢池北畔・遣水旧跡付近。彼らに殺到する刺客、大沢池北畔の林間。父の隠宅へ赴き、酒井道場門弟の行跡を告げ了解をとる大治郎、酵素民家セット。月に一度の遠出(情婦宅へ金を届けにゆく)の忠兵衛を尾行する弥七たち、妙心寺大通院裏塀(南向き・北向きを巧みに使って動線を表現)。田沼邸、随心院薬医門。小兵衛が通される座敷は書院。道場傍の林で伊織に真剣の稽古をつける大治郎、仁和寺疎林(バックに瓦練込塀)。伊織の果たし状を受け卑怯にも大人数を伏せて待ち構える忠兵衛、神護寺仁王門前石段(設定は護持院で門に看板掲示、仇討ちの大立ち回りは本堂石段下・五大堂前)
*ドラマの根幹を成す男女関係は二通り、逃亡した不倫カップルと、偽りの夫婦。前者の女には日陰者の暮らし、後者の女には嫁かず後家がようやく掴んだ安楽。男と逃げた時点での激情を幸福の絶頂として自己完結する女と、眼前の幸福に執着し惑いのうちに足掻く女と、運命に翻弄される女たちの哀しみを、仇討ちという理不尽な侍のしきたりにオーバーラップさせて描く。*若様の尻拭いを長年務めて上げて妖怪じみた存在となった用人の本田博太郎、わるさをしてきた若様にすりすりと寄る仕草も、忠兵衛を手招く仕草も、ねっとりと不気味。押し殺した声がたまらない魅力の、キレた系本田氏はやっぱり凄い。*小兵衛の剣友で、娘の幸福のため醜態を晒す酒井道場の主に蟹江敬三。伊織の師の浪人に益岡徹、味のある剣客がお似合い。この上ない名優の所作はどれ一つとして目を離せない。酒井の娘役をつとめる女優さんも、執着する男が最後の息で呼んだのが自分でないと認識した折の表情が秀逸。忠兵衛の情婦もなかなか、ラスト晴れ晴れとした表情で洗い張りのシーンが(ビデオ撮りくさいが)美しい。*レギュラー陣では、道場襲撃に際し颯爽と戦う三冬の殺陣や、小太猫かわいがりの爺様ぶりがハマってきた藤田御大も楽しい。

■ 必殺橋掛人 第5話「六本木の朝顔を探ります」1985.8.30ABC/松竹

 華道家元をめぐる騒動。亡父の遺志を継ごうとする妹と、あさはかな金儲けに走る姉。家伝書を先代に託された高弟が妨害工作の果て謀殺される過程で、恨みの筋は橋掛人たちに届く。
 ロケ地、入水の井泉流家元次女を助ける新吉、広沢池東岸汀と木立。井泉流家元邸、中山邸通用門(届け物に来た柳次が門前で弟子相手に叩き売りシーンもある)
*出陣に際してのおくらの「テスト」は今回自分の髪でなく亭主のかざす「紙」をスパっと切り。実行の際も松がターゲットを固定するなど新味。今回の頼み人となる家元の「妹」、入水を新吉に阻まれ保護される段の、柳次→おくら→新吉ループで「元に戻る」プロセスが傑作。今回の柳次が家元を殺るくだり、蚊帳の上に例の不気味な反物の図柄を見せてビビらせ、殺す段ではずかずか乱暴に踏み込んでてるてる坊主にして括るのも傑作。

■ あばれ八州御用旅4 第11話「女渡世人 涙をかくす三度笠」1994TX/東映

 恋しい人の出世のため身を退いた女と、許婚者を一途に慕う女と、二人の女の人生がクロスするお話。彼女らの「男」は同一人物、はじめ女たちをたばかっての不実と見えた行為は、代官就任直後悪者の手に落ちての不本意な交信途絶で、男の女房だった渡世人の女は身を挺して彼を救出し落命する。
 ロケ地、「許婚者」百合恵の回想、鳶山代官として発つ柏木甚三郎を見送る街道、大覚寺放生池堤(雪舞う景色、導入に屋形船係留の南岸が映る)。「甚左」の思い出を語る渡世人のお蝶、天神島朱橋(バックに祠)。代官に関する謎を語る山崎浪人と政吉、護摩堂縁先。代官所を訪ねたあと絶望して入水の百合恵、池畔船着(小)。お蝶の死に落ち込む山崎と政吉が座り込み、旅人姿の藤堂がしゃきしゃき歩く街道筋、山室堤道。代官と百合恵が参るお蝶の墓、大覚寺聖天堂前・心経宝塔が背景。
*くれないのお蝶に大沢逸美、小太刀を使っての立ち回りもキレイ。代官を監禁する大ワル一味の、親切面の織元にさりげなく白影さんがいる。

■ 暴れん坊将軍 II 第182話「妖艶、因幡の白うさぎ!」1983-1987テレ朝/東映

 旅もの。遠征先が鳥取と遠いので、公務で上洛中という言い訳じみた設定がなされている。その宿の二条城に因幡の白兎の乱行を伝える麒麟獅子が出て、宮中儀式にげんなりしていた上様は即鳥取へ。そこでは、無聊をかこつ先代の正室を色気虫の悪者に仕立てて事件化し、家老の失脚を目論む陰謀が進行中であった。
 ロケ地、漁師が連れ込まれる御後室の葵御殿、中山邸通用門、庭。贈正二位の答礼に上洛の将軍、御所イメージに建礼門。宿舎の二条城は東南櫓をイメージに。因幡入りの上様、才蔵が採ってきたアケビを食するのは雨滝前。鳥取大砂丘はめ組一行が道に迷って一晩中うろつく設定で出て、新さんがやぁとか言って丘を駆け下りてきたり。松原でデートの辰五郎夫婦も付近の海浜と思われる。御後室が参る池田家墓所、本物。参道や亀さんに乗った墓碑も映る。岩井温泉近くの漁村風景にたっぷり海浜が使われるほか、ラストには因幡の傘踊りがサービスで貝殻節を。
*話の起こりの麒麟獅子は、将軍家宣の姫である後室・浄月院をお輿入れの際に見かけて以来ぞっこんの呑んだくれ役人が扮していたもの。幕府の力を借りようとしたのはいいが、将軍自身が来ていることにのけぞって驚く気の毒なおっさん。また上様が「呼んどいて忘れる奴があるか」などと酸素の吸いすぎ発言。…ところで上様、浄月院を面罵したまま謝ってナイ…。
2004/12/13

■ 月影兵庫あばれ旅 第3話「蔭で糸引く奴の顔」1989.10-12TX/松竹

 今回の旅は会津、お家騒動中。重役の思惑に振り回される哀れな藩士夫婦のお話、幼君をよいことに藩政を壟断する国家老には稲葉がついていて、サポートのため東山温泉へお忍びでやって来ている。痔という設定で、口実かと思いきや成田三樹夫はほうほうの態で温泉へ這ってゆく…。
 ロケ地、日も高いのにのんきに桶持って銭湯帰りの兵庫、今宮神社東参道。松平伊豆守に国家老の横暴を訴えた会津の江戸家老が将軍の姫を貰う話にされ、弱りきって出てくる門、大覚寺大門。兵庫と安が食い物の話をしながら会津へ向かう道、および稲葉の駕籠がゆく道、不明。国家老に人斬りを強要される中山恵吾邸、民家門。国家老・高藤邸、随心院長屋門。中山が間違って兵庫に斬りかかる、本堂裏手土塀際。稲葉が滞在の東山温泉への橋、西明寺参道・指月橋。登城の藩士を見て堀端を歩く兵庫、二条城内濠端。企てが失敗し稲葉の手下に消され棄てられる国家老、清滝川

■ 暴れん坊将軍 II 第181話「夜叉の涙はあかね色!」1983-1987テレ朝/東映

 係累を世継にしたい家老の讒言で奥方を手討にしてしまい、長子を虐待する藩主。その子がたまらず逃げ出し、荒くれ男にまじって普請場で働くおもんに助けられたことからドラマが展開。事情を知った元壺振りのおもん姐さんは、藩邸に乗り込み殿様を面罵し啖呵を切る。
悪家老はおもんを助けに入った上様に成敗され、DV藩主は隠居させられるが、おもんを母と慕う与一が別れ難くてわぁわぁ泣くのは容れられない。このへんはしっかり封建君主の上様なのだった。
 ロケ地、大水で破損した相生橋の普請場、流れ橋(派手に橋桁が流されている)。飯坂藩の世継が出奔と報告の庭番、枳殻邸印月池畔芝地(上様は弓の稽古中)。泣きじゃくっておもんに縋るも駕籠に込められ連れて行かれる与一、木津堤。じいがお見合いしないと家出すると上様を脅す、枳殻邸侵雪橋

■ 忠臣蔵 第9話(終) 2004.12.13テレ朝/東映

 前半を離脱者の描写や「挨拶」に使い、後半は尺をとって討ち入りをたっぷりという作り。
エピソードは、大高源吾と其角の付句「宝船」、南部坂雪の別れに赤埴源蔵羽織の別れ、高張提灯も掲げられオーソドックスだが、頼母子講が武装して降りてきて蕎麦屋びっくりはナシ。清水一角は二刀流で雪の庭、一段落しての吉良探しはわりとあっさり寝所から炭小屋。肝心の仇討ちはまず自裁を進め逆らったのでぐっさり、首級をあげるシーンは省略。お預け先でのもてなしや、義士の扱いについての論議は荻生徂徠召して聞くだけ、切腹のくだりにはEDかぶり大石の辞世でホワイトアウトして幕。
 ロケ地、ほぼセット。江戸城イメージに姫路城天守、雪の豊岡路イメージは不明。
*凱旋行進の前に瓦版が出て義士の名前を全部載せてあるのは…マズいとは思うがまあいいとして、寺坂吉右衛門に大石の下知シーンないのは唐突かも。よそのドラマに出てる人も多くて、戸田局が近藤勇の母に見えちゃったり、将軍が天川屋に見えたり。*役名ないもののクレジットはあった福本センセイ、炭小屋から飛び出してくる付け人。赤埴源蔵に槍で脇腹を刺され、もっぺん真っ向に割られてのけぞり。
*テレ朝サイト「討ち入り…狙うは怨敵・吉良上野介の首でござる!」朝日新聞ラテ欄「雪の江戸…赤穂浪士涙の討入り!狙うは怨敵・吉良上野介!感動の時代劇巨編ついに完結!」
2004/12/12

■ 新選組! 第49話(終)「愛しき友よ」2004.12.12NHK

 甘んじて斬罪を受ける近藤、助命嘆願を無駄という勝も、有馬の進言を封殺する西郷も、彼の死を官軍の幕府に対する憎悪の的とする目的という論理に収斂する。近藤のシンパは、それぞれ「仇討ちのための戦い」に転進設定で、「大将」の死に殉ずるは捨助のみ。浅葱のダンダラを着崩して鉢巻に風ぐるまを二本差した滑稽な姿は、時代に遅れてきた侍集団である新選組の隠喩にもなっている。
 ロケ地、鶴ヶ城、本物。
*それにしても捨助のなり、「皆様がた今に見ておれでございますよ」のパロか。勝海舟の近藤「ラスサム」発言は面白い。一人だけ江戸っ子なのも浮きまくってて勝らしかった。視聴者サービス?の土方兄と沖田預かりの植木屋もなかなか。

■ 剣客商売3 第2話「鬼熊酒屋」2001.6.12CX/松竹

 日ごろからどうにも気になる居酒屋の因業親爺が、人知れず業病に苦しむさまを見かけた小兵衛は当然のごとく首を突っ込み、その心を溶かしてゆく。浪人たちが酒場に押し入ったのを叩き伏せたあと、小兵衛は病よりも深く親爺を苦しめていた過去の行いを告白され、罪滅ぼしはとうに済んでいると説き肩の荷をおろしてやるのだった。
 ロケ地、鬼熊酒屋を襲う助っ人を頼んだ浪人に斬られかかっている与吉を助ける三冬、上賀茂神社北神饌所前。隠れて薬を服む熊五郎を見かけ宗哲を呼び診させる小兵衛、松尾大社亀の水場脇(背後に用水畔の山吹の枯れ枝がぼんやり映りこんでいる。原作設定は浅草の玉姫稲荷絵馬堂)。隠宅を訪ねてきた熊五郎を船で送ってゆく小兵衛夫婦、嵐峡
*鬼熊を演じるは大滝秀治、気に入らぬ客を平気で叩き出す荒くれぶりと、内実は養女への呵責に苦しむ人間性を見事に融合させて演じる。*キャスティングの関係か、原作にない筋書きも入り、微妙に鬼熊の指向性が違ったりする。*おはるが熊五郎にふるまう「鴨飯」のほか、じゅうじゅうと焼かれる鬼熊酒屋の肴が生唾もの。
2004/12/11

■ 新必殺仕事人 第34話「主水粗食に我慢する」1982.1.22ABC/松竹

 お話のカテゴリーは「母もの」。しかし必殺らしく、実母の追慕も乳母の慈愛も踏みにじられる、殺伐たる哀話。くたびれた夜鷹が水に落ちた風邪引き秀を助けたことから展開するドラマで、赤子をあやすように看護された秀は母への思いを募らせ、夜鷹のほうは引き離された子への情を甦らせ、悲劇へとつながる。
 ロケ地、秀と釣りの主水、大覚寺放生池堤。坊主の主水は早々に引き上げ、子守女を見て慨嘆、護摩堂脇。夜になって帰る秀が夜鷹にからまれ落ちる橋、中ノ島橋。将軍の側近の旗本・奥平邸、相国寺大光明寺門まわり。夜鷹たちがやってくる間引いた子の塚、木津河原。お浪が奥平親子にたばかられ斬られるのは流れ橋下。
*ターゲットは三人、奥平父子と奥方。母も乳母も「汚物」と始末したくせに、邸内で爛れた関係を繰り広げる冷血どもの痴態が描かれる。*実母・お浪に川口敦子、乳母の煮豆売りに正司歌江、抑制の利いた渋い演技の「二人の母」が泣かせる。
2004/12/10

■ 最後の忠臣蔵 第6話「花嫁の父」2004.12.10NHK

 可音を倅の嫁御にと茶屋四郎次郎からの申し出、話を持ってきた寺坂には激する孫左衛門だが、その後は淡々と縁談が進行。孫左の指定で義士の十七回忌法要が営まれたその夜に、可音は茶屋家へ嫁いでゆく。花嫁行列がゆく道には、わらわらと何人も何組もの赤穂の旧臣が駆けつけて、列に従う。そのさまをうるうると見る孫左、しかし茶屋家へ可音を送り込んだあと、進藤源四郎が晴れの席で満座のなか長年の養育の苦労について披露しようとしたそのとき、彼の姿は消えていた。
 ロケ地、大和郡山の寺で墓の手入れをする寺坂、西教寺墓地。縁談をもって大枝中山の可音を訪ねる寺坂、笛の音に駒をとめる竹林、鳥居本か。薪割り孫左に声をかける寺坂、酵素民家セット。義士の法要が営まれる鞍馬口瑞光院、粟生光明寺阿弥陀堂、方丈座敷。花嫁行列がゆく堀川通、大覚寺大沢池堤(ロングで撮られた、水面に映る松明の群れが美しい)。孫左の墓を尋ねて大和郡山の寺へやってくる篠、西教寺墓地、本堂縁先。
*孫左が可音に対して持つ「感情」は、寺坂の言葉に激し斧振りかざして向かってくるのと、可音に止められて泣き伏すので微妙に表現されている。篠の落としどころもなかなか心利いたシナリオ。

■ あばれ八州御用旅4 第10話「身代り観音夫婦唄」1994TX/東映

 病の夫のため蕨宿で飯盛女をして健気に働く女、夫は病が死病と知ってそれと告げず別れに会いに来る。女房が勤める飯盛旅籠の主の正体が凶盗で、夫婦は血腥い事件に巻き込まれ危地に陥るが、危難を救ったのは夫が女房への思いを込めて彫った観音像だった。
凶盗は背後にいた大ワルの寺社方大検使に始末され、富籤の大金を手に入れうはうはのワルは白頭巾に乗り込まれてしまう。
 ロケ地、船着の茶店で谷中の富籤興行が大宮へゆく話をおりんから聞く藤堂、罧原堤か。おりんが富籤持って大宮へゆく山崎とばったり会う街道、大覚寺大沢池堤。飯盛宿の主が情婦に任せている宿場はずれの茶屋、中山邸通用門。凶盗の手下が潜む堂、大覚寺五社明神(裏手から)。寝っころがって富籤の札見てご満悦の山崎、五社明神舞殿。雇い主の凶行を目撃したおしのが隠れるお堂、大日堂。観音様に貰った命と静かに生活をはじめた夫婦を見たあと旅立つ藤堂、広沢池西岸(農地からの撮り、遠景に富士山合成)

■ 暴れん坊将軍 II 第180話「爆破!人質は八百八町」1983-1987テレ朝/東映

 火薬の爆発による火事が続き人心を不安に陥れる。犯人の狙いは、これでお上に脅しをくれての盗賊の釈放。その賊は、捕縛後も盗った大金の有りかを吐かず処分保留となっていた。
裏で筋を書いていたのは気取りまくった軍学者、血気にはやるシンパの若者に爆弾騒ぎを起こさせる、賊の女房を洗脳して協力させるなどするが、正体は銭の亡者。上様に乗り込まれてしまった際の苦し紛れの発言も、「ええい者どもこの五千両が目に入らぬか」。
 ロケ地、忠相に駕籠訴の賊の女房、相国寺方丈塀際。亭主の釈放について要求のくだりは法堂基壇(下から見上げのアングル)。軍学者・玄斉のいる寺の塀際で庭番の報告を受ける新さん、二尊院本堂塀(才蔵が聞き取り芝居に描いた腕の墨を流水で落としている)。上様の回想、玄斉と会った前田公の茶会、枳殻邸傍花閣前芝地(野点の席セット)。玄斉を訪ねたあと刺客に遭う新さん、大覚寺五社明神。お紋にもうすぐ亭主に会えると話す玄斉、相国寺墓地。賊の釈放のくだり、指定の護持院ヶ原へ向かう道でお紋を呼び止める新さん、大覚寺護摩堂(この先護持院ヶ原と記した道標が立っている)聖天堂前〜下鴨神社河合社(ここで南町の役人が賊を解放)。め組に爆破犯立てこもりと才蔵の報告を聞き馬をやる新さん、馬場
*玄斉の「悪いほうの」手下の浪人に福ちゃんや小峰さん。玄斉は亀石征一郎、由井小雪ばりの風体。
2004/12/9

■ あばれ八州御用旅4 第9話「おしめ十兵衛」1994TX/東映

 藤堂に医学書を届けようとした娘が、ちんぴらに襲われ殺される。怒りに燃える藤堂は犯人を突き止めるが、その父は旧知の剣友だった。
「おしめ十兵衛」と通り名のあるその男、赤川河岸の大物で汚い真似も仕出かし財を築くが、全て不肖の倅に残してやるため。通り名のいわれは、妻を亡くした十兵衛が赤子を背負いながら人足仕事をしていたことによる。夢を捨て妻の形見と育てた息子がろくでなしという、十兵衛の悲哀が泣かせる。
 ロケ地、赤川河岸、八幡堀明治橋付近に荷船をあしらい。赤川へ向かう藤堂とおりんが乗る船がゆく利根川、西の湖。船は太鼓橋をくぐり、その上を藤堂に本を届ける旅のちづると老僕がやってくる。ちづると老僕の塚、罧原堤か(映りこむ筈のシルエットが波たって見えず)。藤堂を消すため人数を手配してかかる十兵衛、早朝のラス立ち野原は酵素河川敷(川が深く掘れているさまが鮮明に確認できる)
*ラス立ち福ちゃん入り、赤川代官の家士でお揃いの青鉢巻。今日の白頭巾は、皆殺しのあと「送り状」を鴨居に留めてゆく、いつもと違うパターン…まさか最初にやるの忘れたとかではないよね。

■ 大奥 第一章 第10話「許されざる生命」2004.12.9CX/東映

 大筋では、心離れていた上様とお万の方が曲折を経て胸襟を開き語り合うようになる流れ。
事象は、お楽の男児出産、お夏の懐妊、隼人の死に打撃を受けたお万の方の引篭り→お褥すべり願い出の末の懐妊発覚。めまぐるしい動きと生臭さはさすが女の城のお話、「男のお褥すべりはないのか」と嘆息する上様のお気持ちがよくわかる。
 ロケ地、御廊下で行き会う春日局とお万の方、粟生光明寺方丈前廊。江戸城イメージ、姫路城天守。春日にお褥すべりを申し出るお万の方、相国寺方丈北廊(座敷から見るかたち)。お楽の出産後、早暁の庭で話す上様とお万の方、彦根城玄宮園臥龍橋。お万の方に懐妊の兆し見える御廊下、不明。クレジットされていた東福寺、??
*お楽の方の乳母拒否のくだりで吐露される家光の深い傷、我が子を抱けぬ母ほど不憫なものはないと慨嘆するシーンは、前シリーズの家定同様、巷間伝えられる人物像に新味を加えて興味深い。存在を否定されたかたちの「おふく」はかなり気の毒、このあとの綾をどう描くか見もの。…再度の父上様磔刑イリュージョンあったりして…最近の流れでは「出る」のはお江のほうが確率高いかも。

■ 暴れん坊将軍 II 第179話「夢かるた、師走の謎唄!」1983-1987テレ朝/東映

 大奥御年寄・永井さまの弟は箍の外れた馬鹿殿、目をつけた材木商の御寮人を謀殺して金を奪うほか、まだ財あるはずと強盗に入ったり、あきらめきれずに大奥勤めの跡継ぎ娘を姉ごと拉致ってお宝を探す。悪党のくせに「今の上様は」などとナマを言いクーデタまで口にするあきれた男は、上様とめ組に阿呆な手でハメられて一巻の終わり。
縦糸に、材木商の長女で勘当されたわがまま女が、妹の深い思いやりを知り反省する情話。
 ロケ地、信濃屋の御寮人暗殺に関わった船頭が殺される、仁和寺経蔵〜九所明神。弓の上様に船頭の身元を報告の忠相、枳殻邸印月池畔。御年寄・永井の実家の九鬼坂邸、大覚寺明智門。信濃屋を勘当されたおとみが参る母の墓のある寺、不明(ラス立ちには大笠灯篭立つ参道)
*タイトルは、信濃屋の先代が財産の隠し場所のヒントとして娘に忘れぬよう何度も覚えさせた、百人一首の凡河内躬恒「初霜の置きまどはせる白菊の花」。しかし上様が寺で発見した隠し場所ってば、床の間の菊活けてある置台回すとゴゴーって開く雅と程遠い仕掛け…笑うとこなのかドキドキして見るとこなのかよく判らないへんが暴将で、「そうか、白菊寺かぁ」なんて言ってる上様がたまんなく可愛い。
2004/12/8

■ あばれ八州御用旅4 第8話「消えた八千両 悲しい女の夢芝居」1994TX/東映

 事件は高崎藩の御用金がらみ、城代を失脚させようと次席家老が悪徳商人と組んでの悪企み。しかし中身は山崎のダンナの純情炸裂の人情話。
御用金強奪の芝居に使われ虫けらのように消された浪人、看取った山崎哲之介は約束を果たすべく彼の女を捜すが名を騙る女に翻弄される。しかしそれは薄幸の女の哀しい嘘、哲之介を庇って凶弾に斃れた女を見て白頭巾発動。
 ロケ地、事件の真相を知った山崎が上州屋を呼び出す夜のやしろ、鳥居本八幡宮。舞殿まわりでドラマが展開。

■ 長七郎江戸日記2 第56話「川開き・大輪の花」1989.7.18NTV/東映

 将軍上覧の花火大会に向けて、ライバルを蹴落とそうとする悪徳商人が富士屋の主を暗殺。養父亡きあと必死に頑張るまだ前髪の息子、これを見て花火作りに手を貸す男は彼を捨てて出奔した実の父だった。長さんは、暗殺現場に居合わせたり、江戸へ舞い戻るもまた博打で簀巻き男を助けたり、夫に去られた妻の心情を汲んだり、まんべんなくケアしたあと悪徳商人と組んだ鉄砲弾薬奉行をまとめて成敗。
 ロケ地、富士屋の花火試射を大川の橋上で見る長さん一行、中ノ島橋。打ち上げの河原は中州下、簀巻き男を助け上げるのは湛水域。
*富士屋の情報リークにイヌがいると鋭い辰、見張り中唸ってみせる。また、奉行屋敷の床下で密談を聞いていて露見し、畳ぐっさりやられて「きゃいーん、チュウチュウ、にゃぁお」と混声で鳴いて逃げる…余人に真似できぬワザ。

■ 暴れん坊将軍 II 第178話「怨みを染めたつのかくし!」1983-1987テレ朝/東映

 沈みかけた船から海神への生贄として荒海へ放り込まれた少女は、15年後当の御用船の責任者の後妻に入り込み復讐を遂げようとする。 このお話がメインなもんだから、江見俊太郎演じる勘定奉行のエピソードなんか完全につけたり。せっかくお庭番が行く先々でのご乱行を調べ上げてきているのに詳細は省かれ、ちゃっと成敗されてオシマイ。
本筋のお話のほうは、丑の刻参りしているは、義理の息子に悪い遊びを教えるは、亭主が調べている上役の調書を当の相手に渡すはと、きびきび復讐を果たす女の姿が描かれるが、息子を殺そうとした段で、でっかい息子に「父を許して下さい」とえぐえぐ泣かれて復讐心は萎えてしまうのだった。
 ロケ地、勘定奉行に夫の書いた調書を差し出すさき、大沢池上に屋形船。孫を連れた老巡礼が乾に船に乗せてくれとせがむ佐渡の浜、琵琶湖西岸。さきの回想、祖父と旅する石竹咲き乱れる海辺、琵琶湖西岸。
*さきの手首に残る痣、海に放り込まれた際祖父と数珠でつながれていて付いた跡。乾が見た時点では付いてなかったのでは…暴将だからイイか。*新さんのことでからかっため組の衆をビビらせるため、丑の刻参りルックで現れるお末、等身大のでっかい藁人形を持って入り釘を打ち込むが、得物が掛矢だから凄い。「恨めスや」と訛っているのは可愛いんだかなんだか。

■ 新必殺仕事人 第33話「主水安心する」1982.1.15ABC/松竹

 南町同心と口入屋に岡っ引が組んでの悪企み、商家にお尋ね者がいると踏み込んで難癖をつけ罪に落とし、次々に乗っ取る。彼らにハメられて遠島になった一人が将軍家の慶事で赦免となり帰還するが、悪事の露見を恐れたワルどもは、せっかく帰ってきた男も家族も、ついでに知らずに悪事に加担させられていた絵師も殺害。頼み料はたった一人残された妹が身売りして作り、牛太郎から加代のもとに届けられる。
 ロケ地、三宅島からの御赦免船が着く深川・州崎の浜、大覚寺大沢池船着(大)に番所の柵をセット。うろのきた父を抱えていて遅れるきくが行く道、放生池堤(岡っ引が北岸から見ている)。迎えがないのでうろついている友三に斬りつける岡っ引、五社明神川端の祠。逃げる友三は有栖川河床を走ってゆく。
*岡っ引に江幡高志、口入屋に遠藤太津朗。主水がワルの同心を誘き出す芝居の強請りネタに使う、彼を含めた三人の人相書き、江幡氏の分が非常に福々しく描かれていて傑作、一通欲しいくらい。
2004/12/7

■ あばれ八州御用旅4 第7話「妻恋街道流れ旅」1994TX/東映

 「八州」の藤堂が狙撃されてはじまるお話、鳴沢には悪代官どころではない男がいた。そのワル、代官ではあるが正体は凶盗、盗んだ金を猟官運動に使い成り上がった無役の旗本愚連隊だった。その凶盗に女房を売り飛ばされた岡っ引が、三年越しの旅の果てようやく見つけるも人妻で涙をのんであきらめ、功徳と同名の女郎を身請けする哀話が縦糸となる。
 ロケ地、八州の藤堂が馬上撃たれる鳴子峠、谷山林道。落ちる谷は保津峡落合にスイッチ、スナイパーが始末される山道は落合崖上の道。鳴沢代官所、不明。彦蔵が谷川で藤堂の陣笠を拾う、保津峡落合河口。拾って持っていた笠をお地蔵さんにかける、山室堤道(堤内地の田んぼ脇、直後通りかかった政吉が「ダンナのじゃん」と持ってゆきエラい目に遭う)。スケッチ中の藤堂に助けられた礼を言いに来る彦蔵、沢ノ池か。藤堂が宿所にしている妙泉寺、普済寺(門の傍に立つ彦蔵、「女房」のおちかが土地の織元と仲良さげに赤子を抱いて来るのは本堂前、三人を見送るのは苔道の参道)。江戸で代官の身辺調査を終えたおりんが早馬を駆る、谷山林道と宿場町セットを交互に。彦蔵が代官とグルの二足草鞋に呼び出される宿場はずれの樫の木の下、大覚寺天神島。鳴沢で集めた金を持ってひと暴れしてトンズラの相談をぶつ代官と手下、鳥居本八幡宮本殿。白頭巾が送り状を留めるのは舞殿、石段付近で大立ち回り。街道筋の茶店で休む藤堂に声をかける彦蔵に身請けして貰った「女郎」のおちか、山室堤道田脇。
*女房「おちか」を探す彦蔵のくだり、遊里の通行人に福ちゃん。酔客の足どりがどこか斬られ役っぽくて傑作。

■ 暴れん坊将軍 II 第177話「箱根八里の鬼退治!」1983-1987テレ朝/東映

 落馬して湯治の加納じいが心配で箱根へ赴く新さん、め組の衆は駆け落ち娘を追っかけて同じく箱根へ。そこでは、関所奉行が大目付のどら息子にへつらいか弱き者を泣かせていた。
手形を盗られて難渋する、病の子のもとへ急ぐ母を見かけ、彼女がどら息子の「趣味の鉄砲」の的にされかかったのを助けた新さん、ワルを成敗に向かう。
 ロケ地、箱根関所、日吉大社参道にセット。鳴海屋の駆け落ち娘がゆく街道、大覚寺大沢池北畔(導入は南岸から遠景のショット)。じいが逗留の温泉宿、日吉山荘(もうもうとスモークが焚かれている)。助けた篠に自分の印籠を渡し、これで関所を通るよう促す新さん、大宮橋上。謝して去る篠、西本宮参道をのぼってゆく。この他関所まわりに日吉さん各所を使ったと思われる個所が多いが特定には至らず(まわりの杉木立はかなり太い)
*ラス立ち前、身分の名乗り方が「お前のような者を任命して民に難渋を云々」「紀州から来て今は吉宗」となぜか婉曲表現。馬鹿息子たちはマジ斬りされている。大目付の息子は伊吹剛、手下の剣客に真田健一郎。駆け落ち娘に頼りないとフラれる手代に山田隆夫。

■ 必殺橋掛人 第4話「小伝馬町の怪奇牢を探ります」1985.8.23ABC/松竹

 柳次の過去が垣間見える一話、彼に殺し技を伝授した師匠がターゲットとなる。
地図に浮かんだ文字は牢、足跡を残さず細糸で絞める凶盗が出て柳次に疑いがかかるなか、新吉の牢潜入により依頼者とターゲットが知れる。柳次は、牢で生きていた「師匠」に凶行に加わるよう要請されるが、借金をして自らが頼み人になり外道に落ちた師匠との対決に向かう。
 ロケ地、小伝馬町牢屋敷、大覚寺明智門。柳次に疑問を投げつけ問いただす新吉、放生池堤(蓮開花)。重蔵の手下・辰五郎を誘き出す新吉、中ノ島橋を逃げて下に回り追ってくるのを待つ。このあと一旦かわされて橋から落とされる新吉だが、とどめを刺そうと堰堤上を来たところを水中から躍り上がり仕留める。仕事の前にリゾートに逃がしておいた妻子を迎えにゆく柳次、ベソかきお咲は大覚寺放生池堤石橋〜護摩堂前。
*柳次の師匠・重蔵に戸浦六宏、同じく反物に糸を仕込んで使うが柄はドラゴン。師弟対決は互いに糸をかけてぎりぎりと力対決になるが、次の糸を素早く繰り出した柳次の勝利に。仕込んだ襦袢が墨絵で渋い。*新吉の重力無視の大ジャンプ、秀の柊野堰堤での飛び上がり以来の伝統か。
2004/12/6

■ 月影兵庫あばれ旅 第2話「消えた姫君を追え!(後)」1989/10-12TX松竹

 姫の駕籠の行く手では、牧野の内意を受けた藩の家老と、伊豆に知れてはお家の一大事と反発する若手のトラブルになったりして物騒な展開。剣戟に巻き込まれた姫が絶望して「もう死ぬ」モードに入ってるのを見た兵庫は、「自害なされた」ことにして姫を解放してやる…いいのかなー。
 ロケ地、小田原を先発した桔梗がゆく道、下の道に兵庫と安が通りかかる、酵素ダートと河川敷(見下ろし)。姫が足を浸し休んでいるところへ現れる兵庫、清滝か。沼津城下、宿場でトラブルに巻き込まれ逃げた姫がゆく夜道、下鴨神社参道石橋〜河合社脇。絶望して侍女とともに死のうとする林、池跡。
*兵庫と喧嘩の宗像、浪人を雇って命を狙わせたりするが、沼津城下で若侍の密談を聞いてしまい敢無く斬殺されてしまい一巻の終わり。*幻一角はもはや個人的理由で兵庫の命を狙うが、情婦となった小料理屋の女将に割って入られてしまう。対決の場のセットは、隠亡堀みたいなしつらえで不気味感を出してある。

■ 忠臣蔵 第8話 2004.12.6ANB/東映

 討ち入りを前にした個々の浪士たちにスポットを当て、それぞれの事情や家族との別れを描く一話。大きな流れでは、吉良邸絵図面の入手と在宅日の確認。当初の「五日」が「十四日」に日延べの話を、「奇しくもその日は月こそ違え亡君の御命日」で運命論に持ってゆく。
 ロケ地、岡野に会いにゆくお艶、墨田川の情景は八幡掘堀端〜新町浜。江戸入り大石のイメージに姫路城天守。小山田を訪ねた奥田らが外で話す、仁和寺中門(内側から)。岡野に絵図面を渡すお艶、車折神社本殿前参道(灯あしらい)
*絵図面の件、「見せて欲しい」と頼む岡野に、もういきなり判っちゃってるお艶は一片の愛でも存在したか問う。岡野のほうも即「実は俺は」の発言、これはお艶が「もういいの」。お艶の父の棟梁がまた、一瞬で全部呑み込み設定でポンと絵図面を渡し、最後の逢瀬を示唆。ベタな情話だが、見た目はけっこうクールに仕上げてある。棟梁が西田健で、コワい顔で優しいのが泣かせる。*見せ場のひとつの天野屋利兵衛は男でござるのくだりは、ED被ってさらっと。
*テレ朝サイト「討入り前夜 揺れる浪士たち」、朝日新聞ラテ欄「討ち入り前夜(2)最後の恋と涙の絵図面…そして決行へ」

■ 暴れん坊将軍 II 第176話「家康公の借金証文!?」1983-1987テレ朝/東映

 借金証文というのは、本能寺の変のおり死地を脱した神君が決死の伊賀越えの際、土地の乱破に助けられたことを謝し書いた起請文。この「古文書」が、甲賀の里から盗まれて騙りに使われるお話。加納のじいさまを神君が夢枕に立ったというお芝居で暗示にかけ、旗本屋敷を乗っ取った上で騒動を起こし、加納さまと忠相の失脚を目論む、当の旗本屋敷の所有者。その家の殿様は不行跡を咎められ失脚した旗本で、甲賀の里を追われた極悪忍者を引き入れていた。これに、古文書が盗まれた際父を殺された乱破の子孫が、いやいや仇討ちに江戸へ出てきているエピソードがからむ。
 ロケ地、加納じいが屋敷を乗っ取ったと忠相に突っかかる下条掃部太夫、枳殻邸侵雪橋たもと。これを上様に告げる忠相、印月池畔。下条邸、中山邸門と庭(忍者トレーニング中)。鉄砲が運び込まれる下条邸裏の船着場、大覚寺大沢池木戸脇の船着(小)。下条邸をのぞき仇を発見の鬼沢夫婦、中山邸参道塀。新さんが来て女房のお政に事情を聞く、放生池堤天神島。お政と鬼沢雲右衛門の馴れ初めの祭り、大沢池畔。仇の武井信玄斉を見て斬りかかるお政、護摩堂裏手。ラス立ちの下条邸裏の林、下鴨神社糺の森池跡
*じいを引っ掛けるお芝居の神君、顔は上様。暴将お得意のおどろおどろしいヘンな脚色が笑える。

■ 必殺仕業人 第18話「あんたこの手口をどう思う」1976.5.14ABC/松竹

 名人の飾り職のじいさまの弟子が、色と欲につられ悪人の囁きに応じフェイクを作る。顧客に偽物を売りつけた末の事態は、店は潰れて老職人は娘可愛さに弟子の罪をかぶって獄門という悲惨。そして身籠っていた娘の死を聞かされたじいさまは、主水に晴らせぬ恨みを扱う裏稼業の存在を示唆される。
 ロケ地、赤井夫婦が出ている「寺」、今宮神社(芸は楼門で、豊島屋の番頭と定吉がやりとりは高倉下)。甚作の娘が身投げして見つかる、桂川大堰付近か(増水していて判別困難)
*ターゲットには町方の手が迫っており、主水は赤井剣之介を実行部隊から外す。今回はやいとやが一時ピンチの場面もある。
2004/12/5

■ おしどり右京捕物車 第7話「忍」1974.4-9ABC/松竹

 今回秋山から頼まれた仕事がケチなものなのでクサる右京、しかし事件は深刻な様相となり、利権がらみの大物が出てくる事態に。今回の戦闘も破天荒そのもの、忍者相手に箱車で迎え撃つ右京、車が横倒しになる場面もある。
 ロケ地、北町奉行所、京都御所管理事務所北門。常念寺、神光院山門と中興堂。金方番所への道、大覚寺参道石橋大門
*灯心の利権をめぐってライバルを消す「甲賀衆」の頭目に佐藤慶。金方役人に江幡高志。

■ 新選組! 第48話「流山」2004.12.5NHK

 勝海舟の方針で江戸を追われる新選組、会津へ行く前に隊を調練するため流山に布陣。しかしこれは官軍の知るところとなり、黒熊が検分にやってくる。今回は近藤でないとして出頭、御陵衛士だった官軍兵士を連れてこられ対面でエンド。
永倉と原田の別れ、斎藤が沖田を訪れしんみり、そして勝ちゃんとトシの会話もこれが最後となるのだった。登場時暑苦しく凶暴なチェスト侍に見えた有馬氏、意外と紳士でイイ奴じゃん設定で役者も良し。

■ 剣客商売3 第1話「手裏剣お秀」2001.6.5CX/松竹

 杉原秀の話。父・左内は存命という脚色がなされている。
鰻売りの又六が小兵衛のもとに持ち込んだ話は、多人数で女一人を殺すという隣の浪人のよからぬ企み。その女にさんざんに打ち負かされた旗本の若様たちに加勢するというもので、物騒な話は七年前の事件も引きずり出す結果になる。的外れの遺恨を受け仇と追われる身の女とその父、主家に迷惑をかけぬため父娘二人して身を退いた老剣客は、病みついた体の捨て場所を求めていた。
 ロケ地、浪人たちが杉原道場へ赴く道、民家塀二箇所。富士楼から品川台町へ赴く小兵衛、駕籠をおりたところへ三冬がやってくる、仁和寺茶店裏付近林間。
*杉原秀の根岸流手裏剣「蹄」披露は、小兵衛の求めに応じ三冬と対戦の形で行われる。父の左内には寺田農、渋い老剣士を演じる。もちろん最終武器としてロケットパンチなんかは繰り出さない。又六の隣人の浪人で、実は仇討ちメンバーの一人だった益田に宇梶剛士。
2004/12/4

■ 十三人の刺客 1990.3.28CX/映像京都

 60年代に工藤栄一監督がメガホンをとった映画のリメイク。媒体が違うので比較は気の毒なるも、明快な話運びに好感が持てる一作、決戦の場となる落合宿の仕掛けも見もの。
 前将軍の子にして現将軍の弟である明石藩主・松平左兵衛督斉韶は手のつけられぬ馬鹿殿、江戸家老がお上に処分を訴えて老中屋敷門前でハラキリの挙に出て話ははじまる。将軍がその痴れ者を老中職に就ける考えと知った土井大炊頭は、利け者の目付・島田新左衛門に白羽の矢を立て、暗殺を示唆。拝命した新左は人材を集め、馬鹿殿が国許へ帰還する道に待ち伏せて戦う計画を立てる。迎え撃つ立場の馬鹿殿の用人は、新左の無二の友であった。
 前段において馬鹿殿の所行とチーム結成の経緯が描かれ、後段は中山道に仕掛けを準備し待ち受け、宿場での大決戦となる。
 ロケ地、江戸城イメージに姫路城天守。老中・土井大炊頭邸門前で切腹の明石藩江戸家老、大覚寺大門。このことを協議の幕閣、相国寺方丈座敷。明石藩上屋敷、随心院薬医門。江戸家老の身内を引き据えたと聞き激怒して同輩に抑えられる鬼頭半兵衛、相国寺方丈北側廊下。新左邸、随心院長屋門。ここを見張っていた明石藩士が、出た侍の一人を詰問する道、相国寺湯屋前。ヤクザにショバ代を迫られ、鮮やかな剣技で追い払う浪人・佐原平蔵を見る新左、大覚寺大沢池北西畔。江戸を出立した斉韶がゆく中山道、木津堤。木曽路を馬で急ぐ新左一行、下鴨神社糺の森馬場。木曽福島を過ぎ尾張領境の王滝川で斉韶一行の通行お断りの高札が立つ橋、木津川流れ橋(橋詰には斉韶に息子夫婦を殺された上松陣屋詰の尾張藩士・牧野靭負が立ちはだかる)。決戦の場に新左が選んだ黒瀬街道落合宿、入口となる落合橋は摩気橋(宿場はセット、遠景には合成画面もある)。落合宿の死闘の果て、斉韶を討った新左に一分立たぬと挑む半兵衛、酵素河川敷(ダートから見下ろしのショットもあり、土地の子供が遊ぶ情景をあしらってある)。斉韶は病死で処理のナレーション、御廊下をゆく丹哲は相国寺方丈南側廊下。EDには姫路城、いの門からろの門を見る画と、菱の門遠望のショット。
*新左に仲代達矢、半兵衛は夏八木勲、友垣の絆消えぬまま敵味方となる葛藤が男くさい骨太なドラマを展開、最後の殺陣もなかなかに味わい深い。新左の腹心・倉永に下川辰平、要所をきちんと詰める有能ぶりをかっちり演じる。甥の新六郎に田中健、ジゴロぶりもはまっている。新左宅に寄食の剣客・平山に益岡徹、剣の達人設定で鋭い太刀ゆきも披露。雇われ浪人・佐原に綿引勝彦、一癖ありげな性格は団子むしゃむしゃ食ってたりする細かい仕草で表現。牧野靭負には米倉斉加年、倉永により語られる自決も哀れ。土井大炊頭は工藤映画と同じ丹哲。斉韶には立川三貴、かつて菅貫が演った馬鹿殿に新味を加えて熱演。どっちかというとねちっこさより乱暴さが前に出た感じ。ハラキリのみの江戸家老は古谷一行、友情出演。*落合宿のの大殺陣、映画でも馬鹿馬鹿しいまでの規模だったが、この作でも明石藩一行は53人って言ってるのに、厳密なカウントはしてないけど楽に倍の人数は斬られてる感じで、斬っても倒しても湧いてくる。

■ 必殺仕業人 第19話「あんたこの掠奪をどう思う」1976.5.7ABC/松竹

 冒頭定火消しと町火消しの喧嘩があるが、お決まりの対立ではなくガエンの馬鹿息子の悪行を描く。これを諌めるどころか、男らしいなどと非行を助長する母親がついているからどうしようもない。依頼は、娘を手籠めにされた挙句うまうまと丸め込まれ、娘に首を縊られてしまった父親から来る。悪人たちの所行や性格が丁寧に描写され、やっちゃえ状態でスムーズに仕置。
 ロケ地、お歌に因縁をつける龍神組の衆、今宮神社楼門前。仙太がおきよにプロポーズしていてガエンにからまれ狼藉を受ける、広沢池東岸
*やいとやのゲンかつぎ情景連想ゲームが抱腹もの、猫は結局…。
2004/12/3

■ 最後の忠臣蔵 第5話「忘れがたみ」2004.12.3NHK

 綱吉逝去、柳沢も失脚し新しい御代、浅野の遺臣たちの身も立つようになる。寺坂は仕官せず遺族を回る日々、そして大石家にあった骨董から孫左の消息が知れる。彼は果たして大石の遺児を守り育てていた。
 ロケ地、篠が嫁したと聞き土産の簪を手に寺坂が佇む夜の橋、中ノ島橋。大和郡山へ向かう寺坂、嵐山自転車道。旧主・吉田忠左衛門の家族が世話になっている本多家家臣・伊藤十郎太夫邸、民家長屋門。江戸城イメージ、姫路城天守(はの門下から見上げ)。旗本に取り立てられた浅野大学の駕籠を待ちうけ挨拶の寺坂、山室堤道。今出川千本・上善寺のかるの墓、くろ谷墓地。孫左が大石の遺児・可音を養育している洛西大枝中山の寓居、酵素民家セット。
*これからは二人で重荷をと申し出る寺坂に怒気を発する孫左、苦衷の本音を漏らす会話が圧巻。

■ あばれ八州御用旅4 第6話「鬼の首の弥藤次」1994TX/東映

 野州を荒らし回る凶盗を追う藤堂、下野黒沼城下へ。政吉はかつてイカサマが見つかり制裁を受けている際助けてくれた女と再会、しかし彼女は凶盗の引き込み役をやらされていた。
 ロケ地、街道筋や池辺、石神御番所の砂金場(時々出てくる砕石場、小滝あり)、ことごとく不明。
*砂金場近くの人の良さそうな茶店の親爺が山田吾一ゆえ、最初に話の筋がなんとなく判ってしまうのもなんだか。和気藹々の砂金場の人夫の一人にちらっと福ちゃん。

■ 暴れん坊将軍 II 第175話「母哀し、裏切りの二重奏!」1983-1987テレ朝/東映

 大工・幸次郎の母が殺人事件に巻き込まれるが、当人は口を開かず謎が深まる。裏には、息子の出生にまつわる秘密が隠されていた。タイトル通りの、ワルの上ゆく大ワルが最後に現れる仕立て。
 ロケ地、中間・民造が殺される宮の裏、仁和寺九所明神。神田の福江藩上屋敷、大覚寺明智門。中間の殺害について現場を検証の新さん、仁和寺経蔵。福江藩留守居役の妻女・静江の駕籠がゆく道、大覚寺放生池堤。屋形船に乗る、船着(小)。事情を告白したおりくが新さんとゆく道、仁和寺観音堂脇〜大覚寺放生池畔〜日吉大社走井橋。幸次郎と才蔵が連行される霊岸島、大沢池北西畔(バックに五社明神)
*娘婿の栄達に障ると、昔娘が産んだ不義の子を始末しようとする冷血の富商に織本順吉、にこりともしない織本氏はなかなかコワい。その娘・静江が飼い猫に生餌やるエピはなくてもよかったんじゃないのかな…でも「吹き矢」が導けないか。*ラス立ち福ちゃん入り、留守居役の部下で槍持って向かってくる。上様今回は名乗る価値なしとして「カーン」なしのマジ斬りパターン。
2004/12/2

■ 暴れん坊将軍 II 第174話「決戦前夜の仮祝言!」1983-1987テレ朝/東映

 疫病が出て以来無人の箱崎町の中州、ここには脛に傷持つはぐれ者の集落があり折から高騰中の人参を闇で捌いていた。一党の頭目はかつての海賊・黒潮の重兵衛、心優しい荒くれたちは保護した若い恋人たちに希望を託し、闇の人参取引を一手にしたい悪党どもから島を守って討ち死にを遂げるのだった。
 ロケ地、おせつが釣り帰りのめ組の衆に中州へ行きたいと申し出る岸辺、嵐山公園中州湛水域護岸。中州、汀は広沢池東岸を主体に湿地等を組み合わせ、重兵衛の小屋は酵素河川敷にセットされていて適宜スイッチ。船を仕立てて討ち込んで来る長崎屋と勘定吟味役のシーンに一部罧原堤下桂川を使用。
*ワルの薬種問屋の裏にいた勘定吟味役を召喚の上様、バックレると御簾するする上げさせ重兵衛の扮装して座ってるという趣向、マスクなんだよねコレが。*重兵衛の手下の一人に福ちゃん、役名は「甚太」で小船秋夫と共に囲まれて膾に。仲間に「清造」なんていうのがいて笑える。

■ 大奥 第一章 第9話「非業の死」2004.12.2CX/東映

 大筋は、痘瘡がからくも治癒の上様と、キリシタン弾圧中止を訴えて「間違って」斬られ落命する笛吹きのお話。危篤の枕辺にお江与がアルカイックスマイルで座ってたり、事あるごとにお万を睨みつける春日局の顔や、スプラッタに流血して斃れる笛吹きなど、印象的にしてコワい映像が連続する。訴状はやっぱりちゃんと竹の先に挟んで行かないとね。
 ロケ地、増上寺参詣と称し隼人に会いにゆき逃亡を示唆するお万の方、鹿王院(舎利殿前、客殿縁先、回廊)。江戸城イメージ、姫路城天守。おりさが上様に紹介される野点の席、西の丸。お万の方と逍遥の上様、彦根城玄宮園臥龍橋。東照宮へ出立の上様、西の丸。道中小休止の山道、谷山林道か…植生がちょっと疑問。隼人が斬られた時刻、紅椿が落ちるのを見るお万の方、彦根城玄宮園蘇鉄山橋そばの植え込み。

■ あばれ八州御用旅4 第5話「人情峠の遠い春」1994TX/東映

 舞台は三国街道金谷宿、出稼ぎの越後の男たち「椋鳥」が往還の道。その一人が、女郎に売った娘を身請けしようと図っての「強請り」が悲劇を呼ぶ。ネタは、山名主にうまい話を持ちかけて盗みを計画中の凶賊を江戸の奉公先で「見ていた」こと。
 ロケ地、身請けのタカを娘に問う椋鳥の弥平、桂川か。代官が山持ちの三国屋に用心棒を推挙の屋敷、萱葺民家不明。弥平が「武蔵屋」を装う凶盗・カマイタチの久造を強請る、大覚寺護摩堂前。事後、山崎浪人の賞金により解放された弥平の娘と友達が越後へ発つのを見送る道、大沢池堤
*悪代官に河合伸旺、材木商を装った凶盗に田口計とコテコテ。凶盗がお芝居で送り込む、実は一味の用心棒に福ちゃん。役名は無いが、直新影流の使い手設定。
2004/12/1

■ 長七郎江戸日記2 第55話「蛍の哭く川」1989.7.11NTV/東映

 高家肝煎・畠山家出入り献残屋で、馬鹿息子を博打と女で籠絡する女。目的は仇討ち、長さんとゆかりのある公家・今出川中納言家の妹姫で、父と姉を畠山に殺されていた。年月を経て邂逅した長さんと姫だが、間もなく永の別れとなる。
 ロケ地、夜の散策に出て蛍を見、京を思い出す長さんと宅兵衛、大覚寺大沢池畔。頭巾の女がお数寄屋坊主・宗達を刺殺する、大沢池木戸前。長さんの回想、四条河原で蛍狩りの幼き日々、桂川中州下付近か。一橋家の姫と野点の畠山の若様、枳殻邸印月池畔芝地。お甲がお参りの寺に出向く長さん、二尊院(お参りは本堂、声掛けは黒門近くの塀際、身の上話と説得は紅葉の馬場)。畠山家へ仇討ちの仕上げに入り失敗、斬られたお甲を助け出し横たえる木、広沢池東岸。お甲の求めで船を出す、広沢池上。事後、お甲の墓に参る長さんが登る坂、紅葉の馬場
*事情を聞いたあとうかうかとお甲をそのままにしておく長さん、きっちり畠山親子に意図見破られてておじゃん…長さんってこの死なずに済んだのにパターン多い…。*ラスト、唐突にオカマ辰、ナニごと。

■ 暴れん坊将軍 II 第173話「愛の証しの月夜唄!」1983-1987テレ朝/東映

 阿漕な金貸しが横行、暴利で民を泣かせる。諸大名にも睨みをきかせているため、摘発も甲斐なし。この諸悪の根源の大元締が、珍しく新さんがマジ惚れした女を囲っていて若僧呼ばわりのふてぶてしさ、身分が判っても平然と将軍が死ねば世は大混乱で儲かるなどと嘯く始末。生まれて初めて惚れた男を凶弾から庇って死ぬ女が哀れ。
 ロケ地、糸屋妾宅、大覚寺望雲亭。もう一度小笛に会いたくて船を出す新さん、夜の大沢池。無視されて岸へ船をつけ声を掛ける、放生池堤。暴利を自身番に訴えた三州屋が北町同心に斬られる、仁和寺御室桜林(観音堂前)。その死体が上がる大川端、広沢池東岸汀。金貸しを摘発の騒ぎを見る群衆に小笛を見つけて追いかけ事情を聞く新さん、初めて会った時から好きなどと言われるも去られる、仁和寺金堂前。小笛が糸屋の妾と知り、拗ねてプイっと去る新さんを追う小笛、九所明神。糸屋の本宅か料亭か、配下を集め指令を出す家の門、不明。
*糸屋の「汚い金」を散財するのに芸者遊びを思いつく天然系の小笛…上様が好きになる女ってみんなどこか浮世離れしてる感じ。*ラス立ち、糸屋が「出ておいで」と号令しわらわらと登場の先生方の一人に福ちゃん。*め組の衆を料亭に誘うも財布を忘れてゆかいなサザエさん状態の新さんだが、ちょっと表に出ると虚空から小判がひらひら飛んでくるのだった。お庭番は常時上様に補給用のお金を携行している模様…出処が気になる。

■ あばれ八州御用旅4 第4話「濡れ衣 母子流転の旅」1994TX/東映

 事件は、傘下に入らぬ良心的な仲買人を煙たく思った紙問屋の策謀。商売の旅に出た男を消そうとするも初手に失敗、次手は当地の代官を抱き込んで罪に落とし抹殺を図る。代官の言うまま男を捕え手柄を賞され出世も示唆され有頂天の若き手代、しかし藤堂らの無実申し立てに心は千々に乱れる。彼は瞽女の母を亡くした幼時、代官に拾われ大恩ある身なのだった。
 ロケ地、街道筋等不明個所多し。仲買人・弥助が代官所の人数に追われ逃げ込む村、酵素河川敷。捕まった弥助が藤堂の名を叫ぶのを聞き、一行を探してやって来る山崎浪人、茶店で事情を話すのは沢ノ池畔。藤堂を呼び出し弥助が自白したと告げる手代・多三郎、罧原堤下河原
*瞽女の母と旅する幼い多三郎のシーン、砂の器ふうに美しい景色が展開される。*弥助を狙う、武蔵屋に雇われた殺し屋に峰蘭太郎、こすっからい小悪党を好演。代官所の人数に福ちゃん、関所を固めて「まだ見当たりません」ときびきび報告したり、弥助を拷問したり(ささらで叩いたり火押し付けたり)、声がドス効いてる。
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