時代劇拝見日記 2005年1月

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2005/1/31

■ 八丁堀の七人6 第4話「昔、捨てた女!だまされた筆頭同心」2005.1.31テレ朝/東映

 ロートルの「昔の恋」ふたつ。弥生堂のはハチとの痴話喧嘩を呼ぶだけだが、磯貝さんのは深刻で、体よく騙された中年男の純情は後味わるい結末に。
前回に引き続き、青山さまの采配はなんだかダークで、囮の男女は捕物の際落命する。
 ロケ地、河内屋が伊助をハメたことを話す同心たち、大覚寺五社明神。おまつが弥生先生にノロケ話をする茶店、不明。伊助が呑んだくれて寝ている縁日、大沢池北西畔。おゆきが磯貝に架空の「if…」の話をする縁日、不明。ラスト、釣りの青山さまとハチ、広沢池観音島
*深刻で悲惨な話なのに、磯貝さんはどたばたと騒がしい。わけても河内屋が言い残した言葉の謎解きに振られる落語ふう聞き違えエピソード、「ちょっとだけ閉めて」→「ちょっと抱きしめて」は脱力モノ。*ダークな采配はさておき、ちょっとオヤジ入ってきたかもの青山さま、「女なんて夜中に布団に」…村上弘明だから別にヤラしくないけど。

■ 暴れん坊将軍 III 第16話「ちゃんにとどけ!江戸ばやし」1988-1990テレ朝/東映

 災害で財政難の中越藩が企む金儲けは禁制品の売買。高給で釣った出稼ぎの椋鳥たちを運び屋にして虫けらの如く扱ったことに加え、倹約令を蔑ろにされた上様はぷんぷん怒ってて成敗の雨嵐。
 剣の朝練上様に朝食をと呼びに来るじい、彦根城玄宮園魚躍沼畔。朝食の座敷は鳳翔台。行方不明の父を思い出してめ組を飛び出した子が佇む水辺、大覚寺大沢池水門際。その子と母が無事を祈ってお参りの神社、五社明神本殿。禁制品を運び込む小田原藩下屋敷、相国寺林光院(門、前庭)。故郷へ帰った椋鳥親子を思うお散歩上様、彦根城玄宮園竜臥橋。*山道、街道筋や人足たちが始末されかかる山際、不明。
*ラス立ち福ちゃん入り。

■ 水戸黄門34 第4話「お世継の陰謀を暴け」2005.1.31TBS/東映

 いよいよ仙台、林与一と対決。
若君に迫る危機に、心を鬼にして可愛い孫を身代りにお城へ上げる気風のいい女将が登場、側用人の陰謀により蟄居の国家老、有志の若侍グループも用意された、典型的お家騒動パターンで進行する。林与一の悪役はタメも利いててなかなか、上品にワルい。元辰巳芸者の女将を演じる野川由美子はやはり巧者で、啖呵きってみせたり泣き入ったりの熱演。あの寄せた眉根がいいんだよね。格さんの「日誌には書けない」馬鹿な言い寄られ話もアリ。
 ロケ地、仙台城、二条城(本丸西口、北大手門、二の丸御殿)。小屋を爆破される一行、桂の河原か。
*下城の林与一を襲う若侍たちのくだり、護衛の鉢巻侍に福ちゃん。助さんにぶっ叩かれる。
2005/1/30

■ 必殺からくり人 富嶽百景殺し旅 第2話「隠田の水車」1978.9.1ABC/松竹

 舞台は江戸郊外の貧しい村、しかしなぜか村の宿には江戸で儲けて帰りの富裕な商人たちが集まる。一座は、奇妙な雰囲気の村で絵に秘められた「亀」のキーワードから、ヒヒ爺相手の闇売春を探り当てる。
 ロケ地、渋谷村の水車小屋周辺、萱葺民家の傍を流れる小川、不明。お艶が出頭する代官所、大覚寺式台玄関。小屋掛けする神社、鳥居本八幡宮広場。「亀遊び」の舞台となる寺、西寿寺(石段は夜景のみ、左手に十三重石塔。探りを入れる唐十郎のくだりは昼間で、鐘楼越しに縁先で亀の品定めをしている和尚を見る)。庄屋屋敷、民家塀と玄関。釣りの唐十郎が寺に高く売れるという亀獲りの子らを見る、広沢池東岸
*キーワード・亀の探索がドラマの根幹を成す。人名、刺青、岡場所の屋号、悪い遊びの小道具とイメージを重ねてゆくつくり。*一座に罪を着せようとはかる代官らに扇動された村人が小屋を襲うくだりも見もの、鈴平の得意技で危機を脱する。
2005/1/29

■ 白獅子仮面 第4話「小判の好きな化け猫騒動」1973日テレ

 今回送り込まれるのは化け猫、古典的に手をクイッとやって人をとんぼ返りさせたりする。鍋島産か。悪企みは偽小判で江戸を大混乱に陥れること、大藩の姫にとり憑いて悪さをするところへ大岡さまの妹が潜入し、危機一髪にはかっこよく白獅子仮面が現れる。
 ロケ地、久世藩の姫の駕籠を職質の兵馬、南禅寺僧堂坂。久世藩邸周辺を固める同心たち、大覚寺勅使門前林間。姫の駕籠が出てくる、大門参道石橋勅使門橋(ここで尾行まいて消える)。化け猫に操られた縫が飛び降りろと命令される「塔」、南禅寺三門。白獅子仮面と怪猫軍団との戦いは三門前の参道
*白獅子仮面は、縫が塔から落ちて危機一髪に発動。しもべは呼ばない。

■ 白獅子仮面 第5話「顔なし男が顔を盗る」1973日テレ

 囚人を解放し江戸の町を混乱に陥れるプランを思いつく大魔王、送り込むは人の顔をトレースする特殊技能を持つ怪人・顔なし男。こやつが狙うは大岡越前、奉行になりすまして囚人解放を命令するが、越前をちゃんと殺せてないうえに白獅子仮面が駆けつけて一巻の終わり。
 ロケ地、林で猟師の顔を盗り「妖怪顔盗りの術」とか吹く顔なし男、下鴨神社池跡。大岡越前邸、相国寺林光院(門、前庭、塀外)。江戸城イメージ、大坂城千貫櫓天守。蜆売りの少年が顔を盗られる、下鴨神社河合社(倒れてた子を田所同心が助け起こすのは東塀脇)。子の悲鳴に馬を降りる越前、中ノ島橋上。子を助けにじゃぶじゃぶと川に入る、橋下の汀→怪人にヤラれて川へドボン。
ジャンボタニシ*顔なし男と言い条、形はある。…ツブツブの集合体だけど。色もピンクじみてて不気味なマスクには、しっかり空気穴も開いている。このブツブツ、なにかに似ているどこかで見たと記憶を辿ると、アレだったのねのジャンボタニシの卵。夏、田んぼにいっぱい湧いて迷惑な外来種(右写真)。*大魔王、越前を調べたらしく、弱点を狙うとブチ上げる。妹でも狙うかと思ったら、「忠相の類まれなる優しい心」を利用してガキ使うという悪辣な作戦…言い回しが妙なんだよ大魔王、褒めてるじゃないか。

■ 必殺スペシャル・新春
 「せん・りつ誘拐される 主水どうする」
  〜江戸政界の黒幕と対決!純金のカラクリ座敷 1992.1.2ABC/松竹

 事件の発端はせんりつの誘拐、しかしこのあと主水の出番は少なく、主題は丹哲演じる「過去の凄腕の仕事人」と、若手仕事人の「娘」がからむ切ないお話。
 前将軍を殺ったとされる幻の朝太郎は仕事人狩りで死んだと思われていたが、フィクサー・石和岳翁の子飼いとなり、次期老中首座をめぐり暗躍。互いに覇権を狙う二人の老中、そのどちらにも朝太郎の手がのびるが、これは岳翁の息子が漁夫の利を得るための陰謀だった。
 ロケ地、せんりつが誘拐される初詣の神社、北野天満宮(お参りは地主稲荷、本殿裏手に縁日セット)。老中・綾部越中守の駕籠を襲うおちかのチーム、下鴨神社河合社脇。江戸城イメージ、姫路城天守。おちかに依頼者のことを聞く丑寅の辰、広沢池東岸池底(紅葉、水無)。岳翁邸、中山邸門。野分の鶴吉と朝太郎が同時に越中守に仕掛ける、中ノ島橋(戦闘は橋上、川に落とされる家来、案じて来たおちかは堰堤下汀)。朝太郎が隠れ住む寺、真如堂(塔下、墓地裏路地)。せんりつを奪還後、捕まったおちかを助けるため撃たれた朝太郎を船に乗せる辰、大覚寺放生池堤石橋際。封鎖中の岳翁邸への道を突破する山田朝右衛門、中ノ島橋上。事後、おちかを連れて京へ帰る辰、嵐山自転車道
*一番の見ものは若手仕事人の元締・おちかを演じる美保純。「仕事」を仕損じて死んだ母の技を継ぎ、仕込み傘を操る。仲間を全て無くし「父」も亡くしたあと、岳翁への仕掛けの依頼人となるほか、自らも討ち入る。殺し技は?な部分もあるがキレイだからイイ。
2005/1/28

■ 月影兵庫あばれ旅 第9話「三途の川は渡れない」1989.10-12TX/松竹

 舞台は松代、民の困窮を見かねた若侍が庄屋屋敷から米を奪還しようとはかる。城代家老宅に招かれていた兵庫はその若侍を斬る役を振られるが、途中から悪家老らに刃を向けるのだった。
 ロケ地、真田領に入った山道で兵庫に置いていかれる安、保津峡落合崖道。郡代役人の若者・角田と百姓らが荷車を引くのに行き会う兵庫、幼松のある砂地の荒地、不明。兵庫を倒す剣を磨く幻一角、下鴨神社糺の森。滝に打たれ祈るおしま、菩提滝。一揆の相談をぶつ角田と百姓、大覚寺五社明神舞殿(壁をセット)、安がおしまの傷の手当てをしていて「聞いたな」と捕まってしまうのは本殿石段。城代家老邸、相国寺大光明寺(門、庭、中仕切戸)。逃げてきた一揆衆に、おしまの頼みで加勢する一角、広沢池東岸下鴨神社池跡。あらかた倒したとこで兵庫を見てしまい、そのまま果し合いに移行、場所も保津峡落合河口部へ移動。危なっかしい橋の上でチャンバラ→二人ともドボンで兵庫のみ上がってくる。願文を書いたかわらけを投げ、一角の無事を祈るおしま、落下岩上。桔梗を置いて去るも追いつかれる兵庫たち、流れ橋
*ニヒルに決めておしまのもとから去ったりする一角だが、性にあわない人助けをさせられたうえに、対兵庫の秘策「目に光当てて幻惑」がうまくいかず、挙句の果て川落ちで行方不明…可哀相すぎの目黒祐樹。兵庫の「泳げない」は大嘘、落ちたついでに魚を獲って上がってきたりする。

■ 地獄変 豊田四郎監督作品 1969.9.20東宝

 芥川の掌編の映像化、原作では暗示されるにとどまる「堀川の大殿」の人となりをクローズアップし、絵師とその娘に設定を加味し、ラストにはできあがった地獄絵の屏風が「道長」を焦熱地獄へ引きずり込む炎を描く。
絵師・良秀は高麗からの帰化人という設定がなされ、奇行は地獄絵に取り掛かってから。わが世の春を謳歌する大殿にはネガティブなエピソードを多々配してあり、社会派っぽい作り。良秀の娘には恋人ありの設定、相手は大出俊で良秀の弟子、野原でデートの場面あり、こらぁ待てぇなんていう青春ドラマふうで後段の悲惨を際立たせる。大殿の娘への懸想は具体的に描かれているが、焼き殺すに至る動機はちょっと弱いかも。
とにかく良秀が所望した牛車の中で焼死する女人の画はきっちり映像化され、迫力。大殿に騙されたと呪詛を吐く娘が壮絶。それを見る間の大殿の様子は、原作にある口端に泡をためてなんてものではなく、ぶるぶる震えて盃から酒を全部零してしまうさまが描かれる。灼かれる娘を見て恍惚というのはなく暴れて取り乱す良秀だが、最後は静かに魂魄となって御前に現れ、大殿を惑乱に引きずり込む。
少ない動きで表現する仲代達矢、高笑いも派手な中村錦之助の対照的な演技も見もの。

■ 暴れん坊将軍 III 第15話「三ッ葉葵は地獄の紋章!?」1988-1990テレ朝/東映

 綿引勝彦演じる生硬な南町同心のお話。彼は子供が事故死したことでやり場のない怒りを妻に向け、頑なな態度をとり続けるが、妻と義父が一本気な彼を気遣って隠していた真実を知るやへなへなと崩れ折れる。彼らの子の仇は旗本の御曹司で、父親の御船奉行は良貨を海外流出させる悪事を働いていた。
 ロケ地、金貸しに強盗に入った浪人を南町同心の猪俣が護送中銃撃に遭う、仁和寺観音堂脇〜御室桜林。猪俣の妻が参る子の墓、くろ谷墓地。銭買いの元締である両替商が、御船奉行邸に荷を運び込む、大覚寺東塀(五大堂脇の通用門、有栖川に架けられた小橋から入る)。これを見る庭番は大沢池木戸の上に潜む。この報告を受ける新さん、金戒光明寺三門下石段。猪俣の母が拉致される、参道石段(拉致用の駕籠は長安院下坂に)。猪俣の妻の回想、子を連れて実家へ帰った際お参りの芝神明裏、下鴨神社河合社前。境内で遊ぶ子を蹄にかける葵紋の陣笠の若侍、河合社脇の馬場。さらわれた姑の無事を八幡様の祠に祈る猪俣の妻、上賀茂神社渉渓園。母の身柄を引き取りにゆく猪俣、大覚寺五社明神(設定も「五社明神」)
*銭買いの悪行はほんのつけたりで、綿引勝彦の「陣笠のダンナ」の人情劇がメイン。独特の台詞回しでかちんこちんの同心を演じる綿引氏が、たまらなく可愛い。妻女が隠していた「犯人は旗本の若様」を知った際の、雨の中土下座して詫びるくしゃくしゃの顔がイイ。ワルのもとに新さんと共に乗り込んで「上様」と知るどっひゃーな表情も良し。*タイトルの「地獄」は、捕物の際父の形見の陣笠を失った猪俣同心を気遣って上様が下賜の葵紋の陣笠が、子を殺した若様の着けていたそれを連想させて妻女を苦しめるというもの。*御船奉行の家来に福ちゃん、人質交換の場とラス立ちに登場。
2005/1/27

■ 暴れん坊将軍 III 第14話「妻を斬った男」1988-1990テレ朝/東映

 下総高垣藩のお家騒動、銀相場を操る悪徳商人が娘を側室に送り込み、孫を次期藩主にと企てる陰謀。江戸家老までグルのこの企みは、身を捨てて御家を守ろうとした有為の若侍により阻止される。
 ロケ地、高垣藩菩提寺、伏見の宝塔寺(本堂、墓地、塔、寺務所門、仁王門に参道坂とめいっぱい使われる)。庭番とのツナギ、南禅寺三門僧堂坂大覚寺天神島。忠相が変装した同心たちを送り出す、大覚寺式台玄関明智門。辻斬り警戒見回りに出ため組の衆が風に脅えて大騒ぎ、相国寺法堂前。大津屋が子飼いの両替商らと密談の屋形船、嵐峡。高垣藩の事情を上様に報告の左源太、彦根城玄宮園鳳翔台。事後、馬を駆けさせている上様に高垣藩の処理を報告に走ってくるじい、彦根城西の丸三重櫓
*奸賊を斬るのに、前藩主の死にまつわる忌まわしき妖刀に「憑かれた」ことにして「辻斬り」を続ける忠義の士に第一シリーズお庭番の荒木茂。なにしろ徹底していて、御家に累が及ばぬための「憑かれて乱心」芝居に信憑性持たせるのに、愛妻を斬るまでする。*大ワルの大津屋に藤岡重慶、このほか側室の子を癇性な狂疾の君に仕立ててあって、派手なラス立ち成敗となる。*福ちゃん二態、荒木茂の義妹をさらおうとするならず者の一人と、高垣藩士。侍のほうでは側室の若君に剣の稽古で散々な目に遭うくだりと、ラス立ちに登場。

■ 必殺橋掛人 第11話「板橋のウラ仕掛けを探ります」1985.10.18ABC/松竹

 依頼者の意図が敵方にバレていて、罠のお芝居で板橋宿に誘い出される橋掛人たち。松と春光尼が捕われ、ルーティンにも変更を来たすなか、仕置は意外とあっさり。
 ロケ地、おくら夫婦が道中落石に遭う街道、谷山林道
*企みの首謀者でありメインターゲットの問屋場の主は、多助の知り合いの元同業者という設定。橋掛から身を守るだけでなく、裏稼業の覇権を掌握しようとする強敵。担ぎ呉服屋として接触した柳次との丁々発止が見もの。*橋掛依頼は宿場の飯盛女たちから。女たちが流した子を祀った地蔵のビジュアルがなかなかに必殺テイスト。
2005/1/26

■ 長七郎江戸日記2 第61話「長寿のご利益」1989.9.12NTV/東映

 嫁姑の犬猿の仲を利用し大店乗っ取りと借金チャラを目論む悪党、長七郎ぎみの知るところとなり敢無く皆殺し。姑の婆さんのほうに辰がからむ人情劇、亡母にそっくりと世話を焼く辰だが、安物の炭を持ち込んで不完全燃焼、年寄りを一酸化炭素中毒で殺しかけるというお間抜けなエピソードを入れられちゃってる火野正平…長さんに先駆けてマサカリ持ってワルの旗本屋敷に乗り込みという一見勇ましい晴れ姿や、綿入れ貰って喜びの踊りもあり。
 ロケ地、お松婆さんが大金を貯め込んでいると長さんに聞く辰、大覚寺天神島朱橋上。
*元気に嫌味も飛ばす意地っ張りのお松婆さんに千石規子、ハマリ役。ラス立ち福ちゃん入り、旗本成敗直前に斬られてきれいにくるくる回る。

■ 暴れん坊将軍 III 第13話「春の宴に舞う女」1988-1990テレ朝/東映

 気にかける女とはうまく行かない「上様法則」、今回は生半な別れなどでなく目の前で女を殺されてしまう悲劇。女は殺し屋で、亡父の遺恨を晴らすため手を血で染めていた。
 ロケ地、闇の賞金稼ぎについて報告を受ける弓のお稽古上様、姫路城西の丸。血祭り銀次殺害に関して報告を聞く上様、はの門と坂。寺社奉行が寛永寺参詣の式次第を上申、ろの門(内側)。つけてきた新さんに向き直り斬りかかるお蘭、広沢池東岸(水無)。参詣に向かう将軍の行列、仁和寺二王門と参道。銀次の身内がお蘭に襲いかかる、大沢池(林越しに心経宝塔)。寛永寺の描写、警護兵が固める門、大覚寺勅使門。内部は相国寺法堂(北西角、正面)方丈(南面縁先、北側廊下と庭)。銀次の手下に追われ逃げるお蘭、大覚寺有栖川河床〜御殿川木戸前で上がる。ここでお蘭は寛永寺内部へ入りこんでしまう設定、方丈北庭の植え込みから出てきて暗殺者の茶坊主を見る。寺社奉行・毛利甲斐守邸、西本願寺大玄関門(閉)。母を人質にとられて将軍暗殺を迫られたお蘭が新さんを呼び出す鳥越明神、北野天満宮本殿裏手
*上様を凶弾から庇って果てる悲劇の女・お蘭に土田早苗、田宮流居合術の遣い手設定の立ち回りも凛として○。浮世ばなれした夢見る少女ふうなのもイイ。彼女を道具と辱めるワルどもにブチ切れ上様は途中からマジ斬りモードに移行、ずんずんと迫る重量感は松平健ならでは。でもねぇ、ラストのお蘭と桜花のもと舞のイリュージョンはちょっと浮いてるかな…所作じゃなくて巨体が。*冒頭、お蘭に成敗される盗っ人に小峰さんや福ちゃん。クレジットあり、盗っ人(イ)に盗っ人(ロ)。

■ 必殺仕業人 第27話「あんたこの逆恨をどう思う」1976.7.16ABC/松竹

 立てこもりモノ、舞台は中村家。原因はタイトル通りの逆恨み、酔っての帰りに捕物に出くわした主水の要らざるちょっかいが大ごとに発展。恨みを撒き散らして斬首された盗っ人は、凶盗・赤兎馬(せきとめ)組のかしらの孫だった。
三蔵を捕えた同心が殺され戦々恐々の主水、警戒するも魔手は自宅に及びまんまと一味に立てこもられてしまう。主水の帰宅を待っての中村家居座りが尺をとって描かれ、捨三の注進で異変を知った主水とチームの逆襲はスピーディに行われる。
 ロケ地、小塚ッ原に晒される三蔵、下鴨神社池跡
*前回に続き大出俊不在、しかし出先からの文や、闇にぽぅっと赤くなるやいとやの仕事描写に加え、ちらっと見たせんりつの証言などで存在感たっぷりに見せる演出。

■ 必殺仕業人 第28話「あんたこの結果をどう思う」1976.7.23ABC/松竹

 冒頭から仕置の描写、やいとやがくしゃっと投げ捨てる凶のおみくじ、これが禍々しい「結果」を呼び込む。
赤井夫婦の無残な横死と、柴山藩留守居役の娘夫婦の破綻。侍の矜持を捨てきれぬ主水や赤井に土田小十郎と、あくまで自由人のやいとや。それぞれの生き方が強烈なコントラストで照射され、シリーズ中でも異色にして出色の最終回となる。
 ロケ地、柴山藩留守居役の駕籠を止め誰何する主水、相国寺大光明寺南路地。柴山藩上屋敷、林光院。捨三が柴山藩の山の衆から金を受け取る汀、小十郎が同僚にムキになるなと忠告されるお長屋、不明。帰らぬ剣之介を案じて明けた朝、お歌が佇む川端、罧原堤下汀。柴山藩邸から逃げるも追いつかれ堀の中で惨殺される赤井夫婦、大覚寺御殿川(二人が身を潜めるのは勅使門前太鼓橋下、やいとやが連行されるのは橋上)。土田小十郎と主水の「果し合い」、酵素河川敷(やいとやと捨三が見守るのは「木」の陰)
*唐突に挿まれる千勢先生の主水糾弾「今まで我慢してたけど手水場を覗くなんて」。せんりつ大騒ぎにも無反応の主水、赤井夫婦の死に際会し心のどこかが既に死んでいて、腹に鉛を突っ込まれたような重苦しさがひしひしと伝わってくる見事なシークエンス。
2005/1/25

■ おしどり右京捕物車 第8話「囲」1974/4-9朝日放送/松竹

 昔捕り逃がした悪党を追って上州へ赴く右京。そこにはかつて右京と共に働いた岡っ引がいたが、彼はならず者に迎合する生糸問屋や村人に行動を制限され侮られる日々の果て、アル中と成り果てていた。
 ロケ地、半造を見かけた手代が逃げる玉鼻村はずれの街道、北嵯峨農地畦道。右京の回想、出役し半造を追い詰めるも逃げられた賭場開帳の旗本屋敷外、相国寺大光明寺周辺の路地各所。上州へ向かう右京夫婦に追いついてくる観念、桂川松尾橋下手右岸堤
*はじめ村人の言うまま右京を追い出しにかかる岡っ引・万吉だが、今ひとたびの希望を持ち協力。しかし身重の恋人ともども戦闘中に落命する悲惨に、はなは「来なければよかった」と沈む。万吉は草野大悟。

■ おしどり右京捕物車 第14話「殺」1974/4-9朝日放送/松竹

 プロの殺し屋・竿甚登場、竿に仕込んだ吹き矢でターゲットを殺る集団。元締子飼いの男が殺人に倦み逃げ出すアクシデントから、ドラマが動き出す。
妻子を連れて逃げた殺し屋・峯吉は、足手まといの赤子を常念寺に置き去りにして女房とお堂に潜み追っ手をやり過ごそうとするが、運命に追いつかれてしまう。一方、赤子を養育する羽目になった右京夫婦は、その子から竿甚に目をつけられ抹殺対象となる。
 ロケ地、峯吉が村松藩江戸家老を吹き矢で暗殺する水辺の道、広沢池東岸。常念寺、神光院中興堂、本堂脇。笠甚の誘いに乗るかたちではじまる戦い、相国寺境内(墓地門越しに路地東望〜湯屋まわり〜大光明寺南路地〜大通院南西角〜鐘楼)
*峯吉に赤子を置き去りにされてしまった女房が市原悦子なもんだから、べたべたの母性が溢れかえる。また、子を養育することになったはなは有頂天になって構うが、市原悦子が子を取り戻していったあと、しょげてるのは右京のほうだったり。*赤子を伴ってラス立ちに望む右京、箱車に幼児というとナニかを連想してしまうが、子は死生眼を持っていないのでフツーに泣き喚く。

■ 暴れん坊将軍 III 第12話「絵草紙からくり心中」1988-1990テレ朝/東映

 読本に影響され心中がもてはやされる風潮がワルに利用され、不正を告発しようとした勘定方役人の抹殺は心中に偽装される。この悪事を暴くプロセスに、なんと近松門左衛門が絡んでくるトンデモ設定。近松老人は心中禁止の布告を出したお上に逆らい、勘定方役人と町娘の心中事件を執筆して上梓しようとするが、事のからくりを新さんに教示される。
 ロケ地、勘定方吟味役邸、大覚寺大門。勘定方役人と酒肆勤めの娘が「心中」して見つかる巽橋、上賀茂神社神事橋(後段、現場検証の新さんが人を引きずった跡を見つけるのは河畔の藤棚)。現場に佇んでいた酒肆の女将が殺される、渉渓園。お話の前後、弓のお稽古上様が報告を受けたり、じいに怒られたりする庭は嵐亭延命閣
*近松に織本順吉、上方言葉や隠居ルックがけっこうお似合い。最後に「もしやあなた様は」のベタ芝居もあり。ここで否定しなかったのを後で田之倉のじいに怒られる上様、巷を徘徊する将軍の絵草紙でも出されたたらいかがなさると詰め寄られる…ソレ見たい出たら並んでも買う。*福ちゃん、勘定吟味役の家来で登場、料亭の廊下で見張りのほか、ラス立ちにも登場。
2005/1/24

■ 八丁堀の七人6 第3話「恐怖が忍び込む!亭主を密告した女」2005.1.24テレ朝/東映

 乱暴な亭主に散々泣かされた女は、八兵衛の励ましで未来を掴むべく居場所を密告。その結果亭主は島送りとなるが、赦免され帰還。別の男と所帯を持ち、子にも恵まれ幸せだった女に暗雲が忍び寄る。過去は切れないと絶望して泣く女、八兵衛は青山さまのやっちゃえ指示を受け強盗団の一味になっている男を捕物の際斬殺する運びとなる。
 ロケ地、八兵衛と吉岡が「辻強盗」を叩きのめす縁日、仁和寺御室桜林観音堂脇。お葉の家近くの根津権現、上御霊神社(本殿、高倉脇、本殿裏手)。御赦免船の着く沖合、琵琶湖西岸
*仏の八兵衛の珍しい「成敗」、どうしようもない悪党を憐れむ形に仕立ててある。*萬屋儀十の手下の「本物」の強盗掏摸が出るくだり、通行人に着流しの福ちゃん。便乗犯の出る最初のほうの見物衆(職人)にも見えた気がするが小さすぎて確認できず。

■ 暴れん坊将軍 III 第11話「河原の黄金を盗んだ奴!」1988-1990テレ朝/東映

 大川藤原堤改修工事に食らいつき巨額のピンハネで私腹を肥やすワル、告発した正義漢の普請方役人は消される。これをネタに強請ったドケチの金貸しは新さんに諭され真相を告白、手抜き工事でまた堤が決壊したら大儲けと嘯く普請奉行と口入屋は、上様に乗り込まれてしまう。
 ロケ地、発破の山は不明。藤原堤普請場、流れ橋。普請奉行を召して工事の進捗状況を聞く上様(藁束斬ってお稽古中)枳殻邸印月池畔。奉行に口入屋の不正を上申した役人・三浦が襲われ川に落とされる、中ノ島橋(死体発見は流れ橋橋脚に引っかかって。のち現場付近で話す新さんと吉兵衛は橋たもとと公園)。酔って溺死とされた三浦の家が家名断絶と新さんに報告する疾風、仁和寺観音堂。強請りが成功しての帰り襲われる金貸し吉兵衛、仁和寺塔下〜九所明神。ラスト、弓の上様、枳殻邸芝地
*金貸し吉兵衛に初代め組小頭の園田裕久、吝嗇ぶりは落語ふう。口入屋に遠藤太津朗、コミカル要素なしの怖ぁいワル。*ラス立ち福ちゃんや峰さん入り、福ちゃんは冒頭流れ橋で見張りの役人もつとめる。*ワルを成敗に乗り込む上様、鬼面つけて地蔵和讃を唱えながら登場。普請奉行の捨て台詞は「上様に三途の川を渡って頂く」、抹香臭さで統一。

■ 暴れん坊将軍 VII 第18話「いなせ新さん、世直し道中」1996-1997ANB/東映

 先祖が神君に頂いた永代領地安堵のお墨付きをふりかざし領民を苦しめる旗本、在から奉公に来ていた娘は、父を殺された恨みと里人の難儀を思いお墨付きを盗み出す挙に出る。新さんはめ組の若い衆という態をとり、領地の下総へ向かう。
 ロケ地、お墨付きが盗まれた件の報告を庭番から聞く新さん、梅宮大社神苑(中で塀際のと、門越しに中を見るショット)。直訴が露見して斬られるおきぬの父、民家塀際。成田参りの辰五郎の「お供」で街道をゆく新さん、山室堤道。大里村の高見沢陣屋、民家長屋門。おきぬを伴い大里村入りの田之倉のじいとおぶんが役人に捕まる、民家塀際。一人帰途につく新さん、山室堤道
*えっらそうな旗本・高見沢に第一シリーズお庭番の和崎俊哉。上様に乗り込まれちゃって「カーン」鳴ったあとも抵抗、お墨付きかざして「吉宗どの、頭が高い」とやるのが傑作。上様がまたコレをずんばらりんと両断して「破棄」宣言。*おきぬの父を斬ったり、「め組の新吉」になってる上様に縄をかけたり、もちろんラス立ちにも登場と福ちゃん大忙し。

■ 水戸黄門34 第3話「父子つないだ職人魂」2005.1.24TBS/東映

 皆に慕われる甲冑師の老爺、息子は殿様の仰せも蹴る一徹な親父が母を死なせたと反発する。しかし悪徳商人の雇主が父を侮るのには逆らい、父子ともども大ピンチに陥るが、老公一行のフォローで円満解決となる。
 ロケ地、船着きでアキたちが鴉組と乱闘、広沢池東岸。甲冑師・甚兵衛と出会う老公、大覚寺五社明神。中村城、蔵へやってきて塩の出来を聞く殿様、大覚寺蔵。砦跡、鎧の試技の野原、不明。
*甲冑師が息子に会いにゆき、旅籠の庭にいるだけなのに短絡して「聞かれた消さねば」の産品横流し家老、想像力豊かすぎ。
2005/1/23

■ 必殺仕業人 第26話「あんたこの心眼をどう思う」1976.7.9ABC/松竹

 千里眼を持つ老仏師は、富商から金を毟ろうとした同心の目論見を打ち砕く。何もかも見透かされていると脅えたワルは老人を消しにかかり、もちろん超常の力はそのことも察知。そして、娘に言い置いた言伝と頼み料は主水に届く。
 ロケ地、珍しくお座敷のかかった夜、呑んだ帰りの赤井夫婦が橋から今晩の客だった若旦那が船を出すのを見る、中ノ島橋。その若旦那をさらったとの脅迫状を受け、指定の東橋西詰土手下に出張る南町同心・浜田、中ノ島橋たもと堰堤前岸。偽の脅迫状を出した遊び人が逃げ回るのは堰堤下の河床。仏師の言葉通り、両国橋下百本杭に引っかかって見つかる若旦那の水死体、桂川罧原堤付近右岸汀
*今回の見どころは、仏師が主水の生業を言い当てるくだり。固まる主水の表情や、仏師の娘から小判を受け取る画が洗い場のツナギにレイヤーされる工夫も楽しい。*やいとや不在回。

■ 嗤う伊右衛門 2004.2.7東宝 蜷川幸雄監督作品

 新解釈の四谷怪談、お岩と伊右衛門の「永遠の」純愛物語。
誇り高く「心正しき」女・岩は、愛する伊右衛門の幸福を願うあまり家まで譲って身を引き、その後彼が妻帯したと聞いても動じないが、すべて与力のはかりごとと聞かされ伊右衛門が不幸の裡にあると知るや暴発する。一方、岩のため家督を守って屈辱の日々をやり過ごしていた伊右衛門は、岩の激情を優しく受け止めたあと「掛け違い」の呪わしき運命を血煙あげて斬って捨てる。
ラストは、閉じた空間に愛を紡ぐ二人の睦み笑いで締めくくられる。
 ロケ地、又市と「老婆」との密事、鳥居本八幡宮舞殿。お梅との暮らしを覗いたお岩の前に立ちはだかる直助、随心院土塀。行方知れずになったお梅の赤子が見つかる林、下鴨神社糺の森池跡。田宮邸、萩ロケの模様。
*爛れた顔を堂々と晒して町をゆくお岩さま、これがこのうえなくキレイ。小雪の背の高さもよくハマっている。よく気をつけて見てないと細かい事情が判らない運びも、余韻を残す方向に働いてマル。びちゃびちゃ水浸しの長屋も、又市や宅悦の小汚さも必見のビジュアル。
2005/1/22

■ 白獅子仮面 第1話「青い目と赤い目の狼」1973日テレ

 なんだかとっても不穏な空気の江戸の町、南町奉行・大岡越前は武装同心隊を創設する。選ばれた同心たちが勢揃いしているところへ、隊長に抜擢された剣兵馬が襖をからっと開けて入ってくる…もうこの時点でコスプレの三ツ木清隆、白パンタロンに赤ベスト、得物の二丁十手は電工ベルトみたいなのに収納している…どんな同心なんだよ。
今回現れる火焔大魔王の手下は狼仮面、赤い息吐いたり目線ビームで人を操ったりする。なんとか戦う兵馬だが、洞窟に誘い込まれ爆薬をかけられ落盤で危機一髪。苦しむ兵馬に、虚空からひゅーっと現れ啓示を与えるお獅子の顔、「獅子吼!」の叫びとともにヘンシンの兵馬は白獅子仮面に。便利なしもべの白馬ももれなくついてくる。このあとは砕石場か造成地みたいな荒地で、悪の手先と大乱闘。操られた越前の妹が兄を爆殺する寸前に阻止し、狼仮面のヘッドを倒して変身を解く。しもべの白馬は自動的に林の中へ去っていったり。
 ロケ地、大岡越前邸、相国寺林光院(門、境内)
*変身の合図は二丁十手をかざしクロスさせる、これが主題歌にある「カッチンカチャリコ」なんだよねー。でも「ずんばらりん」は余計だろ。*ギャグ要員の同心・田所に古川ロック、犬怖い設定が剣の達人みたいだが腕はからきし。

■ 白獅子仮面 第2話「雨もないのにカラカサ小僧」1973日テレ

 日照り続きで水飢饉の江戸の町、大魔王の手下はこれに付け込み井戸に毒を投じて回る。
今回の化物は見た目は妖怪絵なんかにある通りのカラカサ小僧なんだけど、足は二本あり黄色いタイツを穿いていて、傘を開いて空を飛び(音からするとエンジンがついている模様)攻撃をかけてくる。集団でキャハハハ笑って勝ち誇り、喧しさも迷惑。はじめはノーマルに戦う兵馬だが、傘お化けのくせに強くて押し包まれ井戸に落とされ危機一髪→半身水に浸かった状態で「獅子吼ー!」で白獅子仮面登場、しもべの白馬も駆けてきて町外れで大乱闘。なんだかよくわからない戦闘のすえカラカサ小僧たちは倒され、前回の狼仮面と同様しゅわーっと消滅する。
 ロケ地、旗本屋敷の井戸を警護する侍たちをカラカサが襲う、鳥居本八幡宮(本殿、井戸)。大岡邸の井戸も狙う、相国寺境内、林光院。まだ水の出る井戸がある浄泉寺も狙うカラカサお化けたち、西寿寺(本堂前の井戸、田所と岡っ引が逃げ去る石段は墓地への坂、変身を解いた兵馬がしゅたっとキメるのは参道石段・本堂を背負う)
*井戸に毒、つぅのが悪い冗談。今ならムリかも。

■ 白獅子仮面 第3話「一ツ目の刺客がやって来た」1973日テレ

 今回の手先は、ストレートに大岡越前と兵馬を狙う。なにしろ、今や江戸の人々の心の拠り所になっちゃってるお二人なのだ。股旅者の集団としてざっざっと行進してくる妖怪たち、大岡邸へ討ち込む際はぱぱっと三度笠を投げてみせたりする。でも合羽とったら中の人はトンデモ。いや、一ツ目ってちゃんとタイトルにあるから、一ツ目小僧なのはわかってたけど、上半身裸だしトゲつきのパワーリスト巻いてるしチャンピオンベルトみたいな赤腹巻してるし毛むくじゃらだし…靴なんか妖精さんみたいな赤いトンガリ靴。怪力系で強くて、警護の同心たちは皆殺しになったうえ「死体」が操られて越前を襲うんだけど、小僧さんたちの詰めが甘いもんだから越前に見破られて役に立たなかったり。大魔王にこれを指摘され怒られた一ツ目たちは兵馬に殺到、ここで田所同心を盾にとられて縛られたうえ火をかけられ危機一髪。炎のなか瞑想する兵馬、息を整えて口笛吹いてしもべを呼ぶ。ロプロスでも来たらどうするんだ。駆けてくる白馬、ついでに十手も呼び寄せヘンシン。越前を襲う一ツ目たちの前に白獅子仮面が現れる。
 ロケ地、大岡邸、相国寺林光院。一ツ目たちが放る三度笠は向かいの大通院大屋根を背景に舞う。お城からの帰り、兵馬に大目付も寺社奉行も化物騒動が収束したと思ってるとぶつくさ愚痴る越前、相国寺方丈西塀際。白獅子仮面と妖怪のラス立ちは林光院境内
*妖怪を倒し小屋根に乗ってポーズ決めてるヒーローに、越前が「白獅子仮面…」と呟くのがなんだか激しく笑えてしまう。
2005/1/21

■ 月影兵庫あばれ旅 第8話「殺したのは私じゃない」1989.10-12TX/松竹

 裏で高利貸しをしていた阿漕な商人が毒殺され、酷い扱いを受けていた後妻が疑われ「土壇場」までゆく。兵庫の介入で、間者を送り込んでいた真犯人が知れ女は助かるが、悲哀は消えず当地を去るのだった。
 ロケ地、奥州岩代国をゆく兵庫と安、迎えの駕籠に押し込まれるのは北嵯峨農地か。連れ込まれるどこかの寮、中山邸通用門(桔梗が待ち構えているのは邸内)。丸橋屋利兵衛が渡って細工されてた橋桁がはずれてドボン、中ノ島橋(安が助けあげるのは右岸)。小間物屋に化けてお城へ入る安、門不明。お中揩ノ連れ込まれるのは相国寺方丈北廊下(障子破れてるのが映るが、これが「藩のお台所も火の車」情報の根拠?)。兵庫に刺客が殺到、仁和寺観音堂脇。勘定奉行の間者が証拠品を焼き捨てる汀、広沢池東岸
*兵庫は泳げない設定が出てくる。丸橋屋は遠藤太津朗。

■ 暴れん坊将軍 III 第10話「逆転!必死の王手飛車取り」1988-1990テレ朝/東映

 島帰りの男は、将来の見込み無い自分と引き替えに恩人の息子の罪を被り、妻子のたつきを確保しようとする。しかし庇った相手はとんでもない悪党で、殺人も過失などではなく阿片持ち出しを見られたためだった。
 ロケ地、喜助を無実とみて左源太に調査を命じる新さん、今宮神社門前茶屋・かざりや。小石川薬園奉行を呼び、阿片の管理について訊ねる上様、彦根城玄宮園臥龍橋。喜助の息子が捕われて呼び出しの早戸明神、鳥居本八幡宮舞殿
*タイトルは、将棋に事寄せて息子の悪事を蘭方医に暗示する件。*医者の息子と結託し阿片を捌く回船問屋の用心棒に福本先生、喜助の女房を襲ったり、さらった子供を押さえつけてたり。ラス立ちでは疾風に斬られる。

■ 暴れん坊将軍 VII 第17話「子連れ刺客」1996-1997ANB/東映

 ちょっとないくらい悪辣な毒婦登場、これに翻弄された挙句修羅の道から立ち戻ることなく果てる一人の浪人の悲哀を描く。
女は前米倉藩主の側室で若殿暗殺を企て中、雇われた浪人が育てている女の子はその側室の娘という奇縁。男は、仕えていた豊岡藩の側室だった女が産んだ不義の赤子を殺すよう託されてできずに逐電し、男手ひとつで刺客を生業としながら養育していた。情勢が変わり若殿暗殺は中止、側室は刺客に雇った浪人を口封じにかかるのだった。
 ロケ地、おぶんがコソ泥を捕まえたところへ出てきて頓狂にも弟子入り志願の若殿、大覚寺有栖川河床〜御殿川前芝地。小夜に父の浪人・鏑木のことを聞き出す朝右衛門と新さん、五社明神舞殿前。米倉藩上屋敷、大門。米倉藩前藩主の舎弟が野駆けで落馬して頓死(頭打つ石垣は別のとこみたい。騎馬のシーン、わーって喚いて走っててなんだかアレ)嵐山自転車道。鏑木が呼び出され押し包まれて斬られる桜の森、上賀茂神社渉渓園。愛猫を探す美代の方、大覚寺勅使門前。ラスト、じいと毒婦のことを話す上様、二条城清流園
*殺し屋の設定、なんだかあちこちから持ってきていて混沌。元締?は羅宇屋で流していてこそっとツナギに来て「世のため人のため」なんて言ってるし、鏑木浪人は刺客道(タイトルに「子連れ」入ってるし)や裏稼業などのタームを呟く。*福ちゃん二態、米倉藩士のほか、暗殺された幕府奥祐筆の家来としても登場(こっちは一応覆面してる)。*短筒で鏑木を撃つなどもするお美代の方、ラス立ちに山田朝右衛門が突如出てきてバッサリ斬り捨て。
2005/1/20

■ 暴れん坊将軍 III 第9話「炎に消えた女囚」1988-1990テレ朝/東映

 牢に火が迫り、忠相が解き放ちを決断。しかし戻らぬ一味あり、以後これ見よがしに凶行を働くほか、火盗改長官の一子をさらい捜査の動きを止めようとはかる。さらった赤子の世話を強要された女囚の、健気な哀話が縦糸になる。
 ロケ地、囚人集合場所の回向院、不明(朱の剥げた楼門)。女囚・お京の家、木津堤下にセット(酔った旗本が子を斬ろうとして母のお京と揉みあい堤を転げ落ちて、自分の刀刺さってお陀仏→お京は罪人に)。火盗長官・大久保邸、相国寺大光明寺。大久保の妻が身代金を持ってゆく浅草・竜仙寺、仁和寺(妻女が待つのは参道、新さんと忠相が見ているのは茶店、お京が妻女から包みを取ったあとは経蔵水場下〜観音堂脇)。お京が一味に包みを放る橋、中ノ島橋(一味は船で湛水域を漕ぎ去る)。その後お京が家へと急ぐ道、相国寺林間鐘楼まわり〜木津堤(河原で父が孫を遊ばせている。堤上で新さんがお京を説得、バックに竹林や河原の柳をうまく組み合わせてある)。ラスト、お京が大久保の運動で赦免になったことを話す上様トリオ、枳殻邸印月池畔。
*凶盗・夜鴉一味を裏で操るのは菅貫演じる元勘定奉行。賄賂を忠相に指弾され、調査に協力した大久保も一緒くたに恨んでいる設定。派手なスガカン節は無いが、ラス立ち前上様と気付く仕草が独特で笑える。剣戟の最中「ぶっ殺せ」とか口走ってるし。こういう悪役がいるので、今回町方と火盗の対立はナシ。*忠相配下の同心に峰蘭太郎、半ば過ぎまでワルの一味だと思って見てたのに、フツーの同心だった…。

■ 暴れん坊将軍 VII 第16話「め組の喧嘩!二人の女房」1996-1997ANB/東映

 おさいの幼馴染の女が登場、婚家が焼け主人を亡くしてめ組に保護される。この女・お勝は元々辰五郎を巡っておさいと鞘当ての経緯あり、ここをワルに付け込まれておさいと辰五郎を不幸に落とそうと陰謀に加担。しかし道具に使われたお勝は殺され、その死もおさいを罪に落とす芝居に使われようとしたとき、新さん乱入で幕が引かれる。
タイトルの女房はおさいとお勝、喧嘩は町火消しと定火消しの対立で、旗本が陰謀の黒幕。
 ロケ地、お参りのおさいがお勝一家(油問屋・江戸屋)とばったり出会う、梅宮大社本殿。庭番に江戸屋放火の調査を命じる上様、二条城内濠(北東部)。上州屋寮、中山邸通用門。辰五郎夫婦の仲裁を独身の上様が?とけたたましく笑う田之倉のじい、二条城清流園(ムカっときた上様が口の中でぶつぶつ)、ラスト逍遥も同所。
*ライバル・江戸屋に放火したうえ、お勝に辰五郎が江戸屋を見殺しにしたなどと吹き込む上州屋に中田浩二、こずるい商人をやらせたらピカ一。お勝は鈴鹿景子、ねっとりといやらしい女を好演。ラス立ち福ちゃん入り、上州屋の用心棒の「先生方」。かなりのアップでのけぞり。

■ 必殺橋掛人 第10話「日本橋の地獄火を探ります」1985.10.11ABC/松竹

 今回の相手は同業者、変わり身を得意とし衆人環視の中で堂々とやる手強い相手。この外道仕事師たちに殺された上方の元締の娘が情報をもたらし、ターゲットにされた呉服屋の番頭の臨終に、柳次が恨みの筋を託される。お話は、大店の呉服屋の跡目争い。
*本作の見どころは、旅役者の女形に化けて現れる外道仕事師のヘッド・菅貫。はじめ気づかず見ていたら、やけにドスの利いた声で菅貫と判ってびっくり。女装はそんな凶悪でもナイ。*柳次の仕掛けは変則、呉服屋に入っての殺しだけに反物が幾本も吊るされ、うち一本が餓鬼のアレという趣向。
2005/1/19

■ 長七郎江戸日記2 第60話「迷い込んだ女」1989.9.5NTV/東映

 将軍・家綱の病で次期が取り沙汰され、長七郎ぎみのもとへ刺客が放たれる。徳松ぎみを擁する大目付は、返り咲きを目論む風魔一族を使い手の込んだ芝居を打つが、当のくの一は長さんや夢楽堂メンバーの心にほだされ、使命を果たせず自ら毒を呷るのだった。
 ロケ地、本物のおしゅんが消される深川の汀、広沢池東岸。仲間に囲まれたくの一・室生を庇って斬られる長さん、大覚寺天神島。室生の墓、放生池畔。
*風魔くの一に風祭ゆき、導入の騙り芝居やお銀とのやりとりなど見せ場多し。長さんは、寝込んでたくせにラス立ちでは忍び相手に大立ち回り。

■ 暴れん坊将軍 III 第8話「晴れて夫婦の目安箱」1988-1990テレ朝/東映

 心中者を助ける新さん、罪人の娘ゆえ忌避された事情を聞き、七年前の事件を洗いだす。忠相の再調査につよく異議を唱える事件当時の北町奉行は、果たしてフレームアップの黒幕だった。
 ロケ地、辰五郎が目安箱に投じた誘いの書状を見て早速船を出す新さん、上陸は嵐山公園中州岸。め組の衆と夜釣りに出て心中カップルを助ける、湛水域(船上)。父の冤罪を北町に訴えたことを回想するお涼、大覚寺明智門。事後、じいと漫才の上様、枳殻邸侵雪橋上。
*ラス立ち福ちゃん入り、ミュージックスタートと同時にえぃやぁと斬りこみ。三回ばかり元気よくくるくるとのけぞる。

■ 暴れん坊将軍 VII 第15話「花の板前、妻敵討ち!」1996-1997ANB/東映

 武州松浦藩の内紛、藩主を毒殺し傀儡を立てようと謀る江戸家老。この企みを聞いてしまい消された女あり、しかも偽者を仕立てて不義密通の逃避行という筋を書かれていた。
彼女の夫の台所役人は、妻と情夫を追い成敗する責務を負うが、できずにいるうち舅の死をも見る羽目になったりして翻弄される。この男が、板前として雇われた先の娘に惚れられ婿に望まれて逃げ回るお話が、上様が事を知るきっかけとなる。
 ロケ地、新さんが小頭に誘われて行く、粂造が板前をつとめる料理屋、錦水亭(東屋外観、おぶんがそろっと入るのは東屋草戸、粂造が辞去の際立ち止まって眺めるのは八条池東岸)。千住宿はずれで乱闘を繰り広げる松浦藩士たち、山室堤道に茶店セット。松浦藩の内紛について庭番の報告を受ける新さん、嵐山公園中州東端先端部。おぶんに粂造のことを聞く新さん、中ノ島橋上。粂造の長屋を訪ねたあと、おぶんの話に生返事をして剣突を食う新さん、大覚寺放生池(背景に聖天堂)。舅から逃げて船をやる粂造、渡し場は罧原堤下河原にセット。落ち着き先の一膳飯屋で自分を見逃してくれた新さんに、女敵討ちの意思がないと語る粂造、広沢池東岸。松浦藩の騒動は江戸家老の企みと上様に報告の庭番、二条城清流園。松浦藩上屋敷、大覚寺明智門。家老の手下を尾行する粂造、参道石橋(庭番が下に潜む)大沢池堤。妻の失踪の真実を知った粂造が佇み回想の汀、大沢池畔。妻との暮らしの回想、上賀茂神社奈良社前、ならの小川畔。一旦故郷へ戻った粂造を思う上様、二条城本丸櫓跡(本丸石垣北東角上)
*粂造に大橋吾郎、花板ぶりや、「裏切った」妻に寄せる複雑な心情などを巧みに演じる。ちょっと詰め込み過ぎのシナリオだが、氏の好演に支えられ一貫したお話に仕上がっている。舅役の内田稔もいい味。*ラス立ち、福ちゃんと峰さん入り。
2005/1/18

■ 暴れん坊将軍 III 第7話「運命(さだめ)のめぐりあい」1988-1990テレ朝/東映

 水茶屋の女と大身旗本の間に産まれた娘は、長じて父のことを知るが名も判らず。知りたくてとる行動は、盗みに入ったあちこちの旗本屋敷に母の名を記した梅花一枝を置いてくること。そして、それと知らず顔を見ていた「義弟」は札付きの悪党だった。
 ロケ地、倉林の若様がおしのを連れ込んで無体を働き死なせてしまう、毘沙門堂(おこうが盗みからの帰り悲鳴を聞きつけ駆け上がるのは薬医門下石段、縁先から落ちるおしの、宸殿・本堂間回廊付近、若様の手下のチンピラがいるのは本堂西の透垣)。大川端に上がるおしのの死体、罧原堤下汀。旗本屋敷を狙う若い女賊のことを新さんに報告の左源太、仁和寺茶店。その後の庭番のツナギに二王門映るが、あとに来る建物は不明。おこうが母の永代供養を頼む尼寺・一銭寺、神光院中興堂。倉林の若様に食らいつき悪事を使嗾する唐物商のことを報告する左源太、仁和寺塔前。おこうが江戸を去るにあたりつけていった始末の件を上様に報告の忠相、姫路城西の丸
*おこうは気風のいい芸者が表の顔で、盗っ人は養父から習い覚えた裏稼業。小頭なんか一発でめろめろのイイ女、ヅカの男役か。*悪事を重ねる息子を成敗する悲哀の父に睦五朗。*おこうが町でチンピラをシメるのを見ている人足に福ちゃん、おんなじ格好でおしのの死体を見物にもやって来る。

■ おしどり右京捕物車 第13話「砲」1974.4-9ABC/松竹

 中尾彬がいっぷう変わった悪を演じる一話、役どころは蘭方医。
貧乏人にはぶっきらぼうだがとても親切、右京に夜間往診もしてくれる長庵は、金持ちからは毟り取ると嘯く硬骨漢。しかしとてもそんなものでは済まぬ行状、金を貰って殺し屋までしてのける。仕事料を値切った商人はライフルぶっ放して荒っぽく殺害、このときは悲鳴を上げた女まで容赦なく射殺。さすがに町方の知るところとなり、最後は診療所で患者を人質に立てこもりまでするが、右京の手からは逃れ得ないのであった。
 ロケ地、長庵にライバル殺害を依頼した白戸屋の多摩川寮、中山邸通用門。常念寺、神光院門と本堂脇。北町奉行所、御所事務所門。はなを人質に騎馬で逃げる長庵夫婦、北嵯峨農地御陵前竹林沿いの道。箱車を押させ追う右京、畔道。追い詰める山中は谷山林道か砕石場か、不明。
2005/1/17

■ 暴れん坊将軍 III 第6話「紅蓮の炎に消えた恋」1988-1990テレ朝/東映

 忠相失脚を狙う北町奉行、地上げを進める両替商、手先となって放火して回る岡っ引。火事を起こしめ組の仕業と言い立てる企み、店も父も失い深く恨みを抱く盲目の娘がお話の核。
 ロケ地、め組が火つけの噂を聞く弓の上様、姫路城西の丸。早速船を出す上様、彦根城佐和口多門櫓下濠。め組を呪詛のお園、大覚寺天神島(祠前に朱の鳥居あしらい)
*下卑た岡っ引が傑作にお似合いの江幡高志。徳田新之助をじろじろねめ回す視線がとっても姑息。*ラス立ち福ちゃん入り、高速回転。

■ 水戸黄門34 第2話「頑固な母がついた嘘」2005.1.17TBS/東映

 曲がったことや嘘が大キライな海産物問屋の女将、奉行への献上金を断ったことから店は窮地に追い込まれる。しかし、四角四面な母に反発して家を出ていた息子が調達してくれた鯛を地元産と言い張り、「嘘」をつくのだった。
 ロケ地、磐城をさして陸前浜街道をゆく一行、嵐山自転車道(堤下に漁具繕う女をあしらい)。久保田屋の女将と出会う白水阿弥陀堂(願成寺)の茶店、大覚寺護摩堂(子らが駆けるのは天神島朱橋)。小名浜、琵琶湖西岸松原。相馬沖、琵琶湖上。磐城のお城は映画村の忍者ロボ櫓で笑える。
*ラス立ち福ちゃん入り、助さんにブチのめされてのけぞり。

■ 八丁堀の七人6 第2話「後編 御金蔵破り!夫の恨みを晴らす女」2005.1.17テレ朝/東映

 小火は奉行の煙草の不始末、理不尽な仕儀に怒る夫を制止し得ずにいた奈津は、彼の死後意思を継ぐかたちで御金蔵破りを企む盗っ人に手を貸す。早世した子と夫の位牌を前に暗く沈む奈津、最後は賊の凶刃に斃れる。
 ロケ地、賊に恐喝された挙句斬られた侍の息子に事情を聞きにゆく花田同心、御三卿清水家屋敷前、二条城鳴子門。おやい誘拐未遂、妙心寺大通院裏塀際。奈津を尾行した八兵衛が当身食らわされ拉致、嵐峡船着き汀。監禁から逃げた八兵衛、追いつかれ奈津が機転をきかせて刺す→八兵衛ドボン、八幡堀堀端。上がってくる八兵衛、明治橋下。
*おやいちゃんの縁談は、手傷を負いながら助けてくれた市之丞の一件で白紙に。*もちろん大元の奉行も放っておかない大小コンビ、青山さまの「もう目付に知らせたよぅ」に気色ばんでいた奉行は膝を折り、この場面ではチャンバラ無し。*奈津が所持する金蔵の合鍵、アレは金奉行在職中に作った理屈になるが、それって…。

■ 暴れん坊将軍 VII 第14話「尾張宗春の謀反」1996-1997ANB/東映

 またぞろ反逆の虫騒ぐ尾張大納言、今回は企画段階から細かく指示を出したりする。
将軍にも臆せず建白書を上申する気勢の軍学者を利用、蜂起させて騒ぎに乗じ焔硝蔵に火を放つという荒っぽい計画。もちろん、宗春の人もなげなやり口が失敗の因となっておじゃん、上様の口からじかに謹慎を言い渡されてしまうのだった。
 ロケ地、軍学者・山下幸内が建白書を投じる評定所(目安箱)大覚寺明智門。尾張上屋敷、大門。仕官を断られた浪人が門前でハラキリの岡崎藩上屋敷、妙心寺隣華院。庭番とツナギの新さん、上賀茂神社渉渓園。石津青年の死後、山下のもとに武装して集まり気勢を上げる浪人たち、鳥居本八幡宮
*軍学者に「やいとや」大出俊、スクエアな中に軽妙さも見える人物を好演。彼が妹の婿に望む弟子の石津にあばれ八州御用旅で「表の八州」を演じた新田純一。*福ちゃん三回登場、新さんに賃仕事の労いに奢ってもらう塾生のくだりで遅れて入ってくる一人、鳥居本で正体(尾張の手先)を現して斬りかかってくるシーンにも登場。このあとラス立ちには尾張の家士として襷掛け鉢巻姿で出てくる。*公儀目付と偽り塾に討ち込みの尾張忍び、人の頭を飛び越す大跳躍カマして思い切り怪しい…こんなのに騙される奴らのほうがもっとアヤしいけど。
2005/1/16

■ 岡っ引どぶ 1981.9.18映像京都/フジ

 事件は木場の材木商の悪企み、堀に浮いた死体も、神輿小屋に吊るされた浪人も、起こること悉く江戸を焼き尽くし大儲けするためだった。
事件を解き明かす過程に、どぶの日常や人となりが巧みに織り込まれてゆく。町小路の殿様や鼠小僧との友情、お仙との微妙な関係などあり、侍時代のどぶもちらっと出る。
 ロケ地、三人の浪人の死体が吊るされる秋葉神社、今宮神社(駆けつけるどぶ、東門前〜石橋)。町小路邸、不明。木場・檜屋の蔵、宇治川派流畔酒蔵。お仙に浪人の情報を貰う縁日、下鴨神社河合社にセット。面影橋でお幾を待つ鶴吉、渡月橋。木場に潜入のどぶが屋形船に次郎吉を見る、広沢池東岸(柵セット)。鶴吉の回想、お幾を庇って悪徳十手持ちともみ合い刺殺、木島神社元糺の池
2005/1/15

■ 月影兵庫あばれ旅 第7話「悪党だます悪い奴」1989.10-12TX/松竹

 舞台は信州・上田。貧しい藩では大藩から養子を迎え、持参金で息をついていた。ここに悪企み発生、養子の若君誘拐、裏には家老の汚れた欲望があった。
誘拐事件に加担する幻一角、おしまのために大金を得ようとするが、誘拐のウラを憎き兵庫に聞かされてしまうという馬鹿を見るのだった。
 ロケ地、賭場からプイと出た一角に金を渡そうとするおしま、今宮神社境内。若君誘拐の恵林寺、神護寺(山門で兵庫誰何され足止め、金堂下石段で和尚や藩士斬られ若君拉致)。身代金を乗せた馬が出立する城門、彦根城天秤櫓(イメージに天守も)。最初のコンタクト現場・八丁峠は谷山林道(誘拐犯は崖上から荷馬のうしろをぞろぞろついてくる不自然な旅人や虚無僧の群れを見ていてバレバレ)。藩主の「実子」松千代君が遊ぶ庭、仁和寺宸殿。二回目の授受、大覚寺大沢池畔。

■ おしどり右京捕物車 第12話「簪」1974.4-9ABC/松竹

 今回の相手は偽金作り一味。偵察に行った途端、おしどり右京とバレて対策を講じられてしまい、はな危機一髪の場面も。そして、部下を何人も失ったうえ担当をはずされて怒り心頭の秋山も一個人として参戦するのだった。
 ロケ地、偽金作り一味の工房がある水辺、広沢池東岸(汀に大がかりな柵をセット)。常念寺、神光院(山門、本堂脇)。北町、御所事務所門。一味との戦いを終え帰る三人、罧原堤下河原嵐山自転車道
*一味のヘッドは鎖鎌使い、乗り込んだ右京の箱車をぎりぎりと吊り上げ。力勝負の果て、今回のキィとなる小道具「簪」がラスボスを仕留める「どくばり」となる。
2005/1/14

■ 暴れん坊将軍 III 第5話「新さん江戸の風に舞う」1988-1990テレ朝/東映

 あらぬ罪をでっち上げて何軒もの店を欠所に追い込み肥え太る商人、欠所物奉行とつるんで悪行の限りを尽くす。潰された一軒の店の主が自死、女房は無実を訴え名誉回復をはかるが妨害に遭い儚く落命。彼女の幼馴染で慕われていた男というのが「お役者新三」で、松平健の二役という趣向のお話。
 ロケ地、訴状を持って目安箱へ向かうおさよが追われる、日吉大社境内大宮川。強請りをはたらく岡っ引・安吉をシメる新さん、上賀茂神社ならの小川畔。欠所物奉行と密談の石見屋の屋形船、広沢池東岸
*「新三」と新さんのからみは一回きりでほんのちょっとだけ、もったいない。

■ 暴れん坊将軍 VII 第13話「凧よ、あがれ、誇り高く」1996-1997ANB/東映

 娘を手籠めにする、遊ぶ金欲しさに辻斬りをはたらくなど身持ち悪すぎの大身旗本の次男坊、ある日現場に印籠落としてったうえ侍が見ていて窮地に。しかし親も親、甘い餌で証言者を潰しにかかる。お話は、評定の席での証言を約した侍の苦悩がメインとなる。
 ロケ地、重陽の節句で菊飾りのお城の庭、嵐亭延命閣。凧あげの御家人・神崎父子、上賀茂神社御所舎前芝地(バックに神事橋)。神崎に証言をやめるよう工作の旗本の用人、広沢池観音島。おぶんと神崎を襲う刺客、上賀茂神社ならの小川(バックに北神饌所)
*大身旗本に西田健、豪華な衣装が姑息風味を助長してマル。*ラス立ち福ちゃん入り、酒肆の親爺の小峰さんもいい味。
2005/1/13

■ 暴れん坊将軍 III 第4話「血ぬりの一文銭」1988-1990テレ朝/東映

 万石大名御用達の金看板欲しさに、ひとを陥れる商人。工作に使われた職人が口封じに消されるが、彼が最後の力で目安箱に投じた血まみれの小銭から上様の知るところとなり、身を滅ぼす結果となる。
 ロケ地、偽小判を作ったかざり職人が消される、鳥居本八幡宮(受け渡しは本殿前、殺しは広場)。目安箱の血銭を見て船を出す上様、着く岸は広沢池東岸。職人の死体が発見される、大覚寺五社明神裏手(町方駆けつけシーンは放生池堤)。文三に職人の死亡を告げるグルの北町与力、明智門前。文三について庭番の報告を受ける新さん、金戒光明寺石段。文三尾行失敗を左源太に詫びる疾風、阿弥陀堂前。内通者の越前屋番頭が消される天神裏、大覚寺天神島。成敗の夜に船を出す上様、嵐山公園中州湛水域。かざり職人の墓、くろ谷墓地。度重なる上様の外出を咎めるじい、枳殻邸印月池畔。
*福ちゃん二態。文三行きつけの酒肆の客(町人)と、ラス立ち要員(家士)。*かざり職人の名が「秀」次郎で笑える。

■ 暴れん坊将軍 VII 第12話「仇討ち心中、盗まれた砂金」1996-1997ANB/東映

 め組の小頭が心中騒ぎ、一人生き残って入牢。しかしこれは芸者のお芝居、父を殺した領主を狙うため死んだと思わせる工作だった。
 ロケ地、卯之吉が死に損なって発見される大川端、広沢池東岸。心中相手の芸者・おきくの人相書きを上様に見せるじい、二条城本丸櫓門橋上。旗本・磯部の中間・文蔵が作次郎をボコる神田の市中、仁和寺鐘楼前〜水場(茶店セット)。磯部の知行地・房州勝田村へ調査に入る庭番、琵琶湖西岸(松原と湖成三角州の浜)〜どこかの海の海女漁風景〜民家門前。名を変えて暮らしているおきくを説得する新さん、桂川松尾橋上手右岸汀。事後、作次郎の遺骨を抱いて故郷へ帰るおきく、広沢池東岸(船上)。磯部が隠匿していた砂金の使い道を話す上様とじい、二条城内濠端。
*元凶の殿様・磯部隼人正に亀石征一郎、悪事は砂金を見つけて届けたおきくの父をいたぶり殺したこと。砂金は庭の灯籠に仕込んであるのが笑える。*卯之吉の父登場、歌丸師匠。長屋の女将さん相手に猥談や、今生の名残りに酒所望の語りが最高。*福ちゃん二態。磯部の中間(小船秋夫)が砂金持ってきて断られる賭場の用心棒と、ラス立ちの家士。

■ 必殺橋掛人 第9話「柴又帝釈天のトラを探ります」1985.9.27ABC/松竹

 地図ヒントの「虎」は温泉でぽっくり逝ったとされる帝釈天の親分、しかし死んではおらず娘婿の政五郎に監禁の身。「虎」の名を継ぐための権利書のありかを吐かぬため辛うじて生かされていた。その虎も、世話をしていた妹娘もついには殺され、恨みを託された橋掛人たちが動く。
 ロケ地、柴又帝釈天の縁日、仁和寺観音堂脇にセット。虎が監禁されている小屋がある葦の原、広沢池東岸(船着セット)西岸(小屋セット)。唐辛子売りの吉蔵と妹娘・お里が再会の帝釈天境内、仁和寺経蔵前。
*おくらの切れ味テスト、今回は紙。柳次の仕掛けは変則、布できゅっとシメてから糸を引き抜く。
2005/1/12

■ 長七郎江戸日記2 第59話「辰も男だ!」1989.8.29NTV/東映

 辰三郎がフライングをやってしまうお話、ライバル店を蹴落とす陰謀にうかうかと乗ってしまう。おれんのきつい叱責を受け夢楽堂を飛び出した辰は、書きたてた相手の涙なみだの事情を知る。あとはもう辰っぁんの青春パワーで負傷しつつ奔走「辰さん、頑張る!」。
島帰りの青年としんみり身の上を語り合うくだりがクサくも泣かせる。
 ロケ地、三河屋の飛脚・さぶが襲われる強羅の街道、酵素ダートか。辰がさぶを匿うボロ小屋、広沢池西岸湿地
*さぶ襲撃犯の浪人に小峰隆司、派手な目張りで思い切り人相ワル、これがカワイイんだよね。

■ 新必殺仕事人 第35話「主水友情に涙する」1982.2.5ABC/松竹

 悪役じゃない菅貫が拝める、貴重な一作。
菅貫は足を洗った盗っ人、退いた理由が子のためというから泣かせる。
お話は、かつての菅貫の相棒が再び盗みに手を染めたことからはじまる。古馴染の主水に、説得するなら見逃してやると言われ動く儀助。たちの悪い情婦と切れさせるため、二人で一度きり働く盗みは金座から千両、しかしこの金を狙った女とその情夫に見込まれ、事態は最悪の方向に転がってゆく。
 ロケ地、金の隠し場所で相棒の勘太郎を待つ儀助、大覚寺天神島。勘太郎の女に寄生する岡っ引・清次に踏み込まれ逃げる葦原、広沢池東岸。その翌朝、勘太郎の死体が見つかる汀には水無し、まだらに積雪。儀助を囲む仕事人たち、広沢池東岸堤道(儀助死後岡っ引たちの仕置場所に)
*渋いの一言の菅貫、屋台の蕎麦屋もお似合い。田中サマに「おじん」呼ばわりされている通りの枯れた風情、ぎらついた目も見せず狂気じみた面もナシ。しかし仕事人たちに囲まれた際「仕事人かい」「仕方ねェ」と侍でもないのに立腹切るのは凄絶、ものの二分程で仕置のターゲットをスイッチさせる荒技も説得力を持つ。「葦原」での勘太郎と儀助のやりとりは涙モノ。*ワルの岡っ引が「明神下の清次」なのが笑える。

■ 暴れん坊将軍 III 第3話「これぞ庶民の目安箱」1988-1990テレ朝/東映

 米価吊り上げの悪辣な企み、従わぬ店を爆破するなど荒っぽい手口。値については生産・流通・消費の三者代表による評定が開かれる運びとなるが、ここにも魔手は伸びてくる。しまいに田之倉の孫をさらうという挙に出る悪党どもだが、上様に乗り込まれてしまい一巻の終わり。
 ロケ地、脱け出し上様のおわい船が着く浜、中ノ島橋北詰岸(橋は映らず)。爆弾について庭番の報告を受ける新さん、上賀茂神社御所舎前。辰五郎と田之倉を引き合わせる橋、御室霊場放生池橋上。じいの孫拉致、大覚寺五社明神。青山下総守邸、大門
*冒頭の爆破シーン、伊吹聡太郎が出てきて即ばーんと火柱、妙に納得できる画。*代表として評定に出るおさいの張り切りフレーズ「やるっきゃない」が、今見ると物悲しい。*ラス立ち福ちゃん入り、左源太とがっきと刀をあわせ、上様にぶっ叩かれてくるくる回る。この際、お芝居で出した高値容認の許諾書をこそこそと拾い上げる上様が笑える。姑息シーンはもうひとつ、米騰がって芋食ってるめ組の衆が「お上がワルい」とぶち上げてるとこへ来てしまった新さん、こそこそ帰りかかったり、おさいに財布ごと渡して「とっといて」。

■ 暴れん坊将軍 VII 第11話「魔剣!鮮血の花嫁」1996-1997ANB/東映

 悪企みは、旗本が仕出かす騙りのイカサマ博打と借金逃れの札差殺し。これに使われる若侍が、タイトルにある婚礼間近のカップルを惨殺する変態さん。
遮二無二渦中に突っ込んでゆくおぶんをサポートする新さん、危機一髪を救いラス立ちなだれ込み。
 ロケ地、定斉屋が渡る橋、摩気橋。札差・大隅屋の若旦那と婚約者がデートの祭礼の宮、摩気神社(男女いちゃつき→惨殺は本殿裏手、お供が待つのは境内にセットの茶店)。上様が抜け出しの際田之倉や小姓をまく、二条城本丸西虎口(石垣の向こうに彦根天守に似たお城を合成)。高砂を吟じつつ鴉を抜き打ちの五島順之助、仁和寺林間。謎の外出の日野屋を尾行するめ組の衆、大覚寺有栖川畔の道。一人お参りの日野屋の娘が襲われる、仁和寺九所明神。その娘の囮となって花嫁の駕籠に乗り込むおぶん、御室桜林。連れ込まれる邸、不明。事後、お城の庭で祭囃子を漏れ聞く上様、二条城清流園
*大名を騙ってイカサマ博打開帳の旗本は遠藤太津朗。*「花嫁」に執着の変態さん、恋人に裏切られて逆上かと思いきや、脳内で思い込みの妄想。「魔剣」の持ち主のわりにはあっさり成敗されている。*トンデモ上様、二態。お城脱出の際、女装かと思わせて追わせ、本人は後ろから出てきてふっふっと笑い「許せよ」…。被衣の「大奥の女」なんだけど、どうせならホントに松平健が女装すればよかったのに。もう一つは、おぶんの妄想の婚礼の席で、思い切りカマっぽいキモチワルイうっふん上様…そこはかとなくサンバの香り。
2005/1/11

■ 剣客商売スペシャル 「母と娘と」2005.1.11CX

 死病に取りつかれた剣客が、死を前にとる行動。里人を苦しめるゴロツキどもを成敗する刃、それは己を裏切った妻への憎悪が振るわせたものでもあった。
他方、辻斬りで身を滅ぼした父を持つ青年は、運命を呪うでもなくたつきの道を見つけ日々精励するが、已む無くとはいえ人を殺めたことに嫌気がさし武士を捨てる。
 原作から二本題材をとり、江戸と郊外の村で起こる事件をつなぎ、死にゆく剣客に「妻子」という要素を加えて仕上げてある。タイトルの母子はこれで、幼くして母に棄てられた子の思いを、早世した母を持つ三冬の思いと重ねる趣向。母子の出会いのドラマは、母が旅の絵師という変わった設定なので、ドロドロにも大甘にもならず静謐に進行する。
 ロケ地、関屋村、美山町か。おふくが船で永井源太郎を送ってゆく掘割、八幡掘。小兵衛たちが村松のために鼈を持って青砥村へゆく道、美山か。青砥村、殺された仲間のことで村人たちに突っかかるゴロツキ浪人たち、大覚寺五社明神本殿前。仲間の屍を運んでゆく、民家塀際(後段でも登場)。宗哲に村松太久蔵を紹介した道誉和尚の寺・行慶寺、龍潭寺山門。浪人らとつるむチンピラ・為吉を見張る傘徳、真如堂(傘徳がいる茶店は本堂前、為吉と引き込み女がいる茶店は塔向かいの茶所)。啓養堂を出て砂村新田で弓の鍛錬をする源太郎、琵琶湖西岸(湖畔のブッシュと、逃げた刺客を射る浜は湖成三角州の汀)。三冬とおもとが村松の娘・さよを呼び母と会わせる和泉屋寮、外観に大覚寺望雲亭(大沢池側)、草戸は錦水亭東屋入口。母子対面の間、近くの社で話す三冬とおもと、大覚寺護摩堂前。村松の墓、亀岡の墓地か。

■ 暴れん坊将軍 III 第2話「大奥に咲いた危険な恋」1988-1990テレ朝/東映

 大奥もの。四代の将軍に仕えた物堅いお局さまが、利権目当ての寺社奉行と悪徳商人にハメられかける。「大奥ブランド」を利用した詐欺にお局さま自筆の短冊が使われるという手口、これに忠相が放った「密偵」は当の被害者、大奥勤めの話に大金を払って嬉々として江戸入りしてきた田舎娘。彼女がどたばたと駆け回り、解決の糸口を掴んでゆく。
 ロケ地、忠相と手合わせの上様、姫路城西の丸(幔幕張り)。大奥で野点の上様、西の丸(幔幕なし)。花畑のある吹上庭、彦根城玄宮園池畔。詐欺に半次郎の名を使った役者が口封じに消される、大覚寺護摩堂前。斬った浪人を尾行する左源太、有栖川と望雲亭の間の道から望雲亭前へ。滝川に短冊を貰った女が吹上庭へと渡る橋、彦根城玄宮園臥龍橋。参詣の滝川が城を出る、彦根城大手橋。お光の示唆で花奉行を追った弥市が捕まってボコられる備前屋寮の庭、望雲亭庭→斬られて大沢池へドボン。寛永寺へ入る滝川、仁和寺中門。お光と共におわい船で滝川を追う上様、彦根城佐和口多門櫓前濠。滝川の危機に駆けつけた上様、室内の殺陣は金堂下〜中門へ移動。ラスト、故郷へ帰るお光と弥市、嵐山自転車道
*お局さま・滝川に高田美和。悪役陣も豪華、備前屋に山本昌平、奉行に御木本伸介、手下の浪人に宮口二郎。*タイトルの「危険な恋」は滝川→田之倉のじいで、恋歌が溜りに溜って五百首。「枯れてはおりませぬようで」なんて真面目くさって発言の忠相が笑える。*ご主人・滝川さまのため走るお光が潜む船、いつも上様が使う脱け出し用のアレ、彼女の口からはっきり「肥汲み船」と確認される…。

■ 暴れん坊将軍 VII 第10話「夢で拾った百両」1996-1997ANB/東映

 北町奉行と組んで不正をはたらく両替商、忠相に嗅ぎまわられて窮し、賄賂の運び屋に浪人を雇う。根が善人のこの浪人、お仕事中老婆を助けてその賄賂を紛失、これが呑んだくれで女房を泣かせている大工の手に。大金を手にして浮かれる大工、案じた女房は拾ったことが夢と芝居を打つ。これがまんま落語の「芝浜」、このあと浪人が女房の生き別れの兄と知れたりの騒がしい展開となる。
 ロケ地、主を恐喝しようとした大黒屋の番頭が死体で見つかる、大覚寺大沢池畔。忠相が北町奉行に番頭殺しの件をチクリ、二条城本丸櫓門橋上。賄賂運びのバイト中、岡島浪人が疾駆する早馬から老婆を助ける道、大沢池北の並木道。このあと紛失したブツを探して北辺水路に入る場面も。
*「芝浜」に準拠のお話のオチは、祝宴で酒を勧められたアル中大工が「ここで呑んだらまた夢に」。*大工・虎吉(…)の酒乱ぶりを示す挿話に、往来で侍にからむシークエンス。頭にきて抜刀して凄む侍に福ちゃん、役名は「旗本」。
2005/1/10

■ 暴れん坊将軍 III 第1話「吉宗初暴れ!少女涙の訴え状」1988-1990テレ朝/東映

 御狩場で上様を狙撃する企み、試射の際たまたま居合わせた大工夫婦が的になり、生き残った幼い娘は事件を描いた絵を目安箱に投じる。恐怖から心を閉ざした幼女の心を、新さんとめ組が解いてゆく。
 ロケ地、江戸城イメージに姫路城天守。新年の行事に飽いた上様が馬を飛ばす、下鴨神社馬場。目安箱に入っていた不吉な絵を見た上様が不浄門から出て上がる、渡月小橋たもと階。絵を投じた娘を探すめ組の衆、仁和寺茶店。娘がねぐらにしている小網町稲荷、吉田神社竹中稲荷(参道、本殿等使用、お松は舞殿下に潜り込み)。お松の双親が射殺された目黒在の野、砕石場か(御狩場も同所)。事後、お松に身分を明かしたと上様を怒る田之倉のじい、姫路城西の丸
*上様射殺を目論むワルは勘定奉行と材木商、小沢象と河合伸旺。手下の浪人に小峰氏や福ちゃん、途中出る刺客とラス立ち、上様に三回ばかりぶっ叩かれている用心棒。

■ 八丁堀の七人6 第1話「前編 地獄を見た夫婦!幕府に恨みあり」2005.1.10テレ朝/東映

 お役御免になった金奉行・結城蔵人が水面下で企む深謀、その真相知れぬまま本人は自刃、奥方は姿を消す。その女は以前八兵衛と縁談のあった仲、昔を懐かしみつつ夫の行為に手を貸していた。
 ロケ地、路傍の祠に手を合わせる奈津、大覚寺五社明神祠。遊ぶ子らに凧をあげさせて貰う、心経宝塔前広場。その「自作」の凧を見かける八兵衛、中ノ島橋上。おやいに来た縁談から逃げた八兵衛がクサって佇む水辺、中ノ島橋たもと堰堤脇(見たことないくらい増水)。蓬莱堂殺しで疑惑を持った青山が結城と話す、仁和寺観音堂前。八兵衛から捜査状況を聞き出す奈津、大覚寺天神島汀〜大楠下。堀端で遊ぶ子らを見て八兵衛との昔を回想の奈津、八幡堀堀端、回想シーンの凧あげは嵐山自転車道。蓬莱堂の墓、不明。蓬莱堂の娘が入水しかけるのを止める一郎太、広沢池東岸

■ 新必殺仕事人 第34話「主水家でほっとする」1982.1.29ABC/松竹

 次期将軍を尾張にという、どこかで聞いたような陰謀ばなし。大奥を固めるためにお局様が籠絡され、御台所を亡き者にと企む渦に勇次の教え子の中揩ェ巻き込まれる。
勇次が一時投獄されたり、秀が尾張忍びにボコられたりして「仕事」の気運高まるが、最終回じゃないので大奥に潜入しての大仕事ではなく、御台所の葬儀で市中に出た奥女中たちに仕掛ける運びとなる。
 ロケ地、代参の老女・桐岡がゆく上野東照宮、相国寺(駕籠が入るのは方丈前回廊、伊賀忍びが見ているのは法堂脇、座敷は方丈座敷から南望で遠景に法堂)。一服盛られた御台所が倒れるお城の御廊下、相国寺方丈北側廊下。御台所平癒祈願の参詣に赴く桐岡たち、くろ谷墓地文殊塔下石段(秀が忍びに見つかってボコられる)極楽橋三門(尾張の用人と桐岡がツナギ)。御台所の亡骸が運ばれた増上寺から帰る奥女中たち、主水ら町方が警備に詰めるのは下鴨神社河合社(柵セット)。駕籠行列は馬場(土中に秀が潜む)。仕掛ける勇次が忍びに襲われる林間、池跡(主水が助勢)
*牢の勇次に、ここぞとばかり悪態をつく主水が笑える。

■ 水戸黄門34 第1話「旅のはじめのお見合い騒動」2005.1.10TBS/東映

 助さんに降ってきたお見合い話、仙台藩士の妹であるお相手のお転婆は、側用人の汚職事件に関わってゆく。心ある有志たちが殿に直訴の決意を固めるところ、老公が介入し暴発を諌め、お見合いは白紙だか保留だかよくわからないまま、老公一行は仙台へ向けての旅に発つ。
 ロケ地、西山荘、直指庵。お見合いを渋る助を騙して連れ出す格さん、山室堤道(騎馬)。側用人の不正を記した書類を持った仙台藩士が忍びに斬られる、大覚寺天神島。水戸藩邸、大覚寺大門。見合い相手の美加のところへ、手土産持ってやに下がって赴く助さん、大沢池木戸(放水路溝から見上げのショット)。坂口兄妹の同志と間違われて手裏剣の雨、五社明神裏手。水売りの老爺に扮した老公が美加を連れて船で逃げる浜、嵐峡船着き(夜)。坂口主水の同志が集まる小屋(爆破)、桂川畔か。
*側用人・大沼に林与一、悪役ぶりも堂に入る感ありのマフラー姿。助さんの母に池内淳子も面白い。*坂口に与する同志の一人に福ちゃん、峰蘭太郎と同じフレームに入ってるのも傑作、しかしこれは果たして「若侍」設定なのか否か。*すっかり老公一行を見守る精霊さんと化した夜叉王丸、忍びの前に立ちはだかり鮮やかに立ち回り。
2005/1/9

■ おしどり右京捕物車 第11話「変」1974.4-9ABC/松竹

 凶盗の隠し金をめぐる騒動に、はなが巻き込まれる。内輪もめで死んだとされた賊にからくりがあり、という展開。哀れな境遇の賊と女房は、はなの機転で見逃されるあたりが面白い。
 ロケ地、両替商を襲った賊が内輪もめで「兄貴分」を殺害、中ノ島橋下汀。北町、京都御所事務所長屋門。常念寺の「猪之吉」の墓、くろ谷墓地。隠し金の謎を暴いたあとはなを求め急ぐ右京、広沢池東岸堤道〜北嵯峨農地御陵前竹林から(お時と「けさ造」の逃亡シーンも同所と畦道)
*藤岡重慶に捕まっても気丈に応答のはなが傑作。けさ造たちを追う川中で、もう箱を押せないと夫を制止するシーンもなかなか。*お時には三島ゆり子。

■ 大化改新 2005.1.3NHK

 幼馴染で学友設定の鎌足と入鹿、時の移ろいの果て新政のため親友を討つに至る若き鎌足を描く。聖徳太子大スキの鎌足で、山背大兄を滅ぼし南淵請安を殺した入鹿が許せずに中大兄に与するが、朝堂の階に伏す友に号泣。
 ロケ地、中臣の家や車持氏の家がある飛鳥の里、冬野川流域か。山背を立てようとする父を戒めにかかる入鹿、酵素か。三島郷の鎌足の家、木津川法花寺野付近か。鎌足が中大兄の沓を拾う法興寺(飛鳥寺)の庭、薬師寺境内(先にも飛鳥寺として出ている)。その後入鹿討伐について話す二人は春日山原始林
*毛人は馬子死後の斜陽にクサり酒色の日々、ナイーブな青年貴族・入鹿はこれに反発というお話、鎌足の太子尊崇は?だが、車持氏の女をモロに出していて入鹿と三角関係だったりするから、まぁいっかという感じ。コワいのは皇極女帝で、ふぅっと息を吹きかけて入鹿を誘惑…したんだよね、アレは。ここらへん詳しく描かれてないので、女帝の御簾に首が食らいつくというナマな構図もなし。それにしてもお江与さまといい、お万阿さまといい、高島礼子うますぎ。*飛鳥や木津?で撮られたオープンセットはさすがに西岡善信氏、必見。*斑鳩宮炎上後、皇女の亡骸を拾い上げる中大兄を誰何の兵士に福ちゃん、声でも判る。防人のカッコもけっこうお似合い。
2005/1/8

■ 月影兵庫あばれ旅 第6話「三部の税と戦え」1989.10-12TX/松竹

 よくある代官の苛政に泣く民衆のお話、何してもかかる「三分」の税率がミソ。
改革派の若者を助けて動く兵庫、天狗のかっこして出てくるのが笑える。
近道で庄内入りの兵庫たち、保津峡落合落下岩。腹を減らした兵庫が、浪人たちの弁当を凝視していてスカウトされる、木津河原。農民たちに頼みごとを持ち込まれる桔梗たち、酵素ダート。一揆の相談がぶたれる鎮守、鳥居本八幡宮。庄内藩小砂川代官所、民家長屋門。桔梗らが代官の追っ手に遭う、酵素ダート。家老・松本邸、相国寺大光明寺(桔梗侵入は南塀)。世直し天狗が仮面をとる、大覚寺五社明神
2005/1/7

■ 暴れん坊将軍 VII 第9話「吉宗よ、誰が為に泣く」1996-1997ANB/東映

 タイトル通り、上様号泣の悲恋話。暴将の法則のひとつ「上様が好きになる娘は身分の如何にかかわらず手の届かない女」発動、今回は極貧ゆえ身売りの娘が不幸のどん底で命を落とす。娘を拷問の果て死に追いやったワルどもに、将軍ではなく徳田新之助として復讐の刃を向ける上様なのだった。
 ロケ地、おつるの下駄の鼻緒をすげ替えてやる新さん、善峯寺観音堂坂。おぶんが来かかり二人を目撃は阿弥陀堂下坂。おつるの長屋を訪ね、母に身売りのことを聞く新さん、広沢池西岸湿地に長屋の裏木戸をセット、小魚を漁る子らを汀にあしらい。おつるを身請けに行った辰五郎に報告を聞く新さん、梅宮大社神苑(奥のほうの植え込み際)
*鼻緒すげ替えの際、片足で立ってるおつるを「鶴みたい」と称する新さん、名前の話題の接穂なんだけど色気ないこと甚だしいような。おぶった娘が事切れてるのしばらく気付かないし。身請けのお金辰五郎に出して貰ってるし。でも巨体を揺すって泣くとこが可愛いんだよね。*霊岸島の長屋を追いたて、おつるを不幸に落とす一味が豪華。寺社奉行に中田浩二、配下に中田博久のダブル中田だけで迫力なのに、つるんでる商人は伊吹聡太朗で、こてこてのトライアングルを構成。*おつる役は中原果南、身売りした直後喀血という膝の力抜ける筋立てだが、女優さんは可憐に好演。

■ 必殺橋掛人 第8話「浅草のマル秘ドクロを探ります」1985.9.20ABC/松竹
    *「マル秘」は○の中に秘の字

 ほうぼうから借金しまくりの男、女房は健気に働き助けようとするが、男は阿漕な金貸しをも手玉にとる大ワルで、裏稼業の殺し屋も騙されかかってしまう。しかし柳次の沈着な観察により真実は見通され、男は自分が置いた頼み料で仕置される運びとなる。
 ロケ地、借金で一家心中の死体がぶら下がる、大覚寺天神島の大楠。大金を手にし祝宴を張っている仁平と情婦、広沢池東岸に屋形船。新吉とおくらの仕置はここでなされる。
*情婦を狙ったおくらの瓦は、数回水を切って飛んでゆく。
2005/1/6

■ 暴れん坊将軍 III スペシャル
 「みちのく血判状!魔性の谷の決戦!!」1989テレ朝/東映

 事件は国境をめぐる藩の対立、領地を侵犯する御家門のごり押しの裏には銀山。その銀をもって更なる陰謀が進行し、吉宗の治世を揺るがそうとしていた。スペシャルなので、もちろん陰謀のおおもとは尾張宗春。綺羅星のごとく悪役陣が配され豪華、なかにはかつてお庭番をつとめた和崎俊哉がいて楽しい。また、陰謀により暗殺される三春藩主にも、元お庭番の荒木茂がキャスティングされている。
 ロケ地、三春藩上屋敷、大覚寺大門。白河藩邸から帰る三春藩主の駕籠が襲われ毒矢を射込まれる坂道、二尊院紅葉の馬場。三春藩主の死について忠相の報告を聞く上様、枳殻邸印月池畔。陸奥・三春城、彦根城天守閣。三春領高木神社の三匹獅子舞、大覚寺五社明神舞殿前。領地争いの舞台となる藩境山中、白水峡か。尾張藩上屋敷、随心院薬医門。中の庭には大覚寺宸殿前白州を使用。三春藩の若侍たちが暴発し国元へ向かう、大覚寺明智陣屋前。三春藩近習で測量担当の平井泰助が婚約者とめ組へ向かう道、大覚寺天神島。三春藩の奥方と若君が墓参の香泉寺、金戒光明寺本堂裏手の墓地。これを襲撃した浪人たちが口封じに消される坂、長安院下坂。奥方が押し込まれる三春藩下屋敷、永雲院。三春藩江戸家老の駕籠がゆく道、永雲院下坂。若年寄・片桐大和守邸、起覚院。事後、泰助が協力しての測量が行われる武蔵野新田、広沢池西岸(水無、様々なアングルが使われる)。その向こうで馬を駆けさせる新さんは東岸汀を。

■ 暴れん坊将軍 VII 第8話「初手柄!おぶんの大奥退治」1996-1997ANB/東映

 大奥に瀰漫する天竺煙草、おぶんや辰五郎夫婦の活躍で首謀者が突き止められる。
オチは、上様が大奥をほったらかしなのがワルいと田之倉のじいが騒いで、上様逃げ回り。
 ロケ地、外から帰った上様が船でお城の濠をゆくと奥女中の死体がプカー、大覚寺天神島北辺の水路。この件を探るおぶんが、奥女中の友人に話を聞く、善峯寺山門(内側)。友人の回想、失踪直前の奥女中と話した茶店、多宝塔下にセット。新さんにこのことを報告するおぶん、大覚寺五社明神脇に茶店セット(背景は大沢池)。大奥出入りで煙草の運び屋をしている小間物屋が呼び出され消される夜の神社、木島神社本殿前。新さんに大奥潜入の結果報告をする辰五郎、梅宮大社神苑土橋たもと。マリファナ騒ぎ首謀者の御広敷支配について話す上様トリオ、二条城清流園。悪事を知った奥女中の死体遺棄、大覚寺大沢池船着(小)。事後、じいに騒動の始末を語る上様、二条城本丸櫓門橋上。大奥放置の上様を責めて追っかけるじい、清流園
*御広敷支配に立川三貴、マリファナでトリップシーンあり。奥女中の婚約者で、騒動の糸を引くワルの海産物問屋に草川祐馬。*奥女中の死体発見のくだり、上様は庭番二人とおわい船で出ているが、ご丁寧に「桶」がふたつ、ちゃんと乗せてあるのが笑える。また、「町場」で大根の煮付けをハフハフやる際の、上様のお箸の突き刺しっぷりに注目。
2005/1/5

■ 剣客商売3 第5話「金貸し幸右衛門」2001.7.24CX

 武士を捨て金貸しとなった男は、稼業のせいで娘を亡くしたことにより今度は生を捨てる。男が命を狙われたことで関わった小兵衛は娘の仇を討つかたちとなり、幸右衛門から莫大な遺産を託されることとなる。
ディティールを原作と少し変えてあり静謐な展開、幸右衛門自死のくだりが情感たっぷり。
 ロケ地、娘の姿を求めて浅草寺へ赴く幸右衛門、不明。浅草富坂町の徒目付・川田十兵衛邸、妙心寺福寿院。弥七らの見張りシーンではここへ入る路地も使用。川田に雇われ幸右衛門を狙った浪人が消される妙縁寺裏空地、御室霊場か。入谷田圃に幸右衛門を襲撃する川田一味、大覚寺放生池堤五社明神

■ 暴れん坊将軍 III スペシャル
 「初富士の花嫁 吉宗の禁じられた恋!」1989テレ朝/東映

 上様が気に入る女はみんな手が届かない女という法則に準拠した一作。
徳田新之助が助けた娘は公家娘、世間知らずの姫は一発で新さんに参ってしまい、上様のほうもちょっと浮かれたりするが、姫は水戸家へ嫁ぐため出府してきた身で、ハナから成就するお話ではなかった。
姫が狙われたのは水戸家の内紛、公金横領で父母を処刑されたことを恨んだ男が、家老たちを抱き込んでややこしい復讐劇の筋を書き、姫の命をしつこく狙いまくり。そしてお話の根幹は、水戸家の若君と姫が事件を経て固く結ばれるラブストーリー、結局上様は人の恋の世話を焼いて爽やかに去ってゆくのだった。
 ロケ地、流鏑馬の上様、下鴨神社馬場(幔幕張って、酒席をしつらえ)。清涼庵、中山邸通用門、参道、庭(新年の挨拶にゆく上様のくだりと、松子姫を預けるくだりで使用)。ヤクザに追われる道中師のお紺、御室霊場。結婚相手の人体を確かめるべく出奔した姫がゆく道、広沢池東岸堤道。水戸藩邸、大覚寺大門、式台玄関。庭で鍛錬の若君、相国寺大光明寺石庭。伝奏屋敷、門不明、庭は嵐亭延命閣。忍びに襲われた松子を助けた新さん、待ち合わせの水戸家の若君と間違われ姫にひっぱたかれる、大覚寺天神島。お紺らが拉致した松子を奪いに来る忍び、仁和寺林間。船で逃げる忍び、広沢池東岸汀。南町から松子を連れてめ組へ向かう新さん、上賀茂神社ならの小川(雨、傘の内で抱きつかれる)神事橋鳥居脇柵前。め組で保護されていた松子を連れ帰る水戸の若君、話しながら歩く道は仁和寺金堂前。水戸藩邸の茶会、姫に毒を盛る茶席は大覚寺宸殿白州に席をセット、ラス立ちはここで(福ちゃん入り)*姫一行がゆく三保の松原と、ラスト愛のキューピッド上様が馬で駆けてくる海浜、駿河湾か。
*森マリア演じる道中師は、前シリーズでの設定をクリアされていて名も違うが見た目などそのまま。潜入捜査に協力し落命する設定で、おふざけは少ない。*上様の悲恋設定、本人はめ組で浮かれて照れてるくらい、まわりが囃し立ててるだけでなんだか物凄く鈍いんだけどの新さん、にぱーと笑って二人を祝福…馬を駆って現れ、鮮やかに馬を返すとこはかっこいいんだけどねぇ。*「水戸」家の若様が姫を受け取りにめ組へやってくるくだり、身分を示すのに出すのがアレによく似た「印籠」で笑える。

■ 暴れん坊将軍 VII 第7話「愛妻騎馬奉行」1996-1997ANB/東映

 奈良奉行から抜擢の北町奉行、彼が奈良で裁いた領地争いで負けた大名はこれを深く根にもち、複雑きわまる仕掛けで彼と周囲を不幸に落とそうとはかる。彼の舅が仕える殿様をたぶらかす道具はガトリング砲という派手なもので、武器商の異人なども配されている、ちょっとトンデモくさい作り。妻に去り状を書き悪を討ちにかかる奉行と、一命をもって殿様を諫止する舅の、侍魂が描かれる。
 ロケ地、北町奉行・兵藤と行き合わせた新さんが共に馬をやる野道、山室堤道。その後馬に水を飼う汀は桂か。おぶんが兵藤謹慎と騒ぐ芝の草市、神光院境内に縁日セット。兵藤の妻墓参の墓地、不明。これについて兵藤と話す新さん、上賀茂神社境内。山中でガトリング砲の試射がなされ、かどわかされた娘たちが的にされたのを見たおぶん、追われずり落ちる崖は谷山林道。去り状を渡され自失の兵藤の妻、大覚寺天神島朱橋(新さんがやってくるのは放生池堤)。事後、夫婦でお参りの兵藤、梅宮大社本殿(からかうおぶんは舞殿)
*今回なんといっても笑えるのは武器商の露人。ロシアの人見たら怒るよの典型的「時代劇の異人」で、切腹が見たいとか武家女とヤラせろなどとろくでもない要求をカマして下品に「オーチンハラショー・ハラキーリ」のセルゲイ…ロシア語喋らせたり妙にリアルなのがまたなんともアレ。
2005/1/4

■ 国盗り物語 2005.1.2TX/東映
 第三部 「信長・桶狭間の戦いから天下布武の道」

 因果めぐり「我が子」義竜に背かれる道三、道半ばにして斃れる。蝮を慕い遺志を継ごうとする信長は、美濃併呑を経て天下統一へと突き進む。
戦いのたびに成長してゆく信長、牢人して立身を焦る光秀。二人の接点となった将軍義昭が企みをもって蠢動しはじめる迄を描く。
 ロケ地、蝮の軍勢に後詰を任せ那古屋城を出る信長、二条城本丸櫓門。母に出生の秘密を聞きにゆく義竜、西寿寺山門。蝮の危機を聞き木曽川を押し渡ろうとする信長、木津河原か。阿波の三次が跋扈する都の情景、仁和寺中門。朽木村の明神に油舐めの妖怪を退治にゆき細川藤孝と知己を得る光秀、鳥居本八幡宮本殿。尾張沓掛へ入る今川義元の軍勢、木津堤。今川との戦いにあたって熱田神宮に戦勝祈願の信長、上御霊神社本殿(舞殿越し)。桶狭間、酵素か。北国街道をゆく光秀が、信長が今川に勝利したと旅僧に聞く、谷山林道(切り通し)。一乗谷での光秀の段、弟・弥平次が釣りの川は清滝?兵法者と果し合いの楓の馬場、大覚寺梅林か。清洲城、二条城北大手門。将軍義輝に拝謁の光秀、設定そのまま本物の等持院(本堂北側、茶室からの撮り)。義輝暗殺後、藤孝の消息を求める光秀、仁和寺観音堂前。知行地の乙訓郡勝竜寺へ藤孝を訪ねる光秀、民家門。奈良・一乗院へ覚慶門跡を奪取しにゆく光秀、門跡をおぶって走る、南禅僧堂通用門前塀際。藤孝が迎えに出る、三門(原作設定では東大寺二月堂)。稲葉山城攻略に出る織田軍が渡る木曽川、木津川。門跡のいる甲賀の和田惟政屋敷へ入る光秀、妙心寺麟祥院門。金ヶ崎城へ義秋を迎える朝倉義景、丸岡城。完成する岐阜城、本物。大軍勢を率いて上洛の織田軍、仁和寺参道。信長の京都宿館となる東寺、本物(塔のみ映る)。征夷大将軍に任じられ御所を出る義昭、二条城唐門

■ 国盗り物語 2005.1.2TX/東映
 第四部 「信長と光秀…宿命の本能寺」

 無能で腹黒い旧勢力を激しく憎悪する信長は、将軍を追い叡山を焼き打つ。部下も峻烈に切り捨ててゆく信長を見るうち、光秀は心身をすり減らした果て主を弑するに至る。
 ロケ地、京の将軍館(室町御所)随心院薬医門。祝宴後突如兵を発し朝倉へ向かう織田軍、舞子浜。浅井長政裏切りの報入る金ヶ崎城、丸岡城。近江・美濃境の寝物語の里をゆく織田勢、広沢池西岸の道(農地からの撮り)。京・光秀邸、妙心寺龍泉庵。浅井朝倉軍が逃げ込む叡山、遠景のイメージカット。叡山焼き討ちを聞いた光秀が、信長を諌める田脇の畔、摩気神社本殿裏手。三方ヶ原の戦いのあとからがら逃げ帰る家康、本物の浜松城。山崎八幡宮で過去を懐古する光秀、梅宮大社本殿(舞殿越し)。将軍のもとを退転した藤孝を八幡宮傍の長者屋敷へ迎える光秀、梅宮大社神苑(門前)、茶室は池中亭。信長に公然と敵対した義昭が立てこもる南近江・石山城、大覚寺大門。京へ兵を進める信長が途中の逢坂山で藤孝を見る、大沢池北辺の並木道。野点の席をしつらえる、大沢池北畔芝地。石山城が落ちたあと義昭が入る宇治・槇島城、明智門。浅井朝倉との戦が終わり、領内を見回る信長、源平の頃の因習を続ける村は五社明神。光秀が築く近江坂本城、長浜城。荒木村重の摂津伊丹城、園部城址(説得に来た光秀が帰る門前の坂、櫓から嫁いだ娘が見ている)。完成した安土城、金ぴかの天守は安土城天守信長の館。勝頼自刃し武田家滅亡の信州諏訪法華寺、本物。近江・丹波の領地を召し上げられたあと光秀が赴く愛宕、参道と本殿前。

■ 暴れん坊将軍 III スペシャル
 「将軍が消えた!?吉宗暗殺の渦巻く紀州和歌山」1988テレ朝/東映

 吉宗に陰謀の手が伸びる。今回は偽物を仕立てて、次期を尾張に譲る旨宣言させようという趣向。偽物の浪人は松平健の二役。新さんは早桶に詰められて海に投棄されたり、海辺の崖地で立ち回りなどいっぱい危ない目に遭う。思いもよらないほど質素な将軍の日常に接する偽者のくだりが傑作。舞台は江戸から紀州へと派手に展開。
 ロケ地、紀州に不穏な動きありと告げる早馬がゆく道、谷山林道嵐山自転車道。弓のお稽古上様に暇乞いにくる紀州宗直、枳殻邸印月池畔芝地。乗馬の上様に懐剣を返しに来る忠相、下鴨神社馬場。参詣に城を出る上様、大覚寺式台玄関。寛永寺をゆく駕籠、仁和寺参道。上様の駕籠にまんまと乗り込む偽物、中門下。本物の上様をたばかり別の駕籠に乗せる、観音堂前。海から上がってきたあと、紀州へ発つ新さん、嵐山自転車道。左源太の報告を聞いたあと僧兵に襲われる和歌山東照宮、本物。将軍のストイックな日常を知り考え込む偽物、枳殻邸印月池汀。偽物の将軍が入る和歌山城、城郭各所のほか紅葉渓も使われる。和歌山城下の新さんのねぐら、大覚寺護摩堂。部屋住み時代の上様を助けた山伏とその娘(偽物の嫁)の消息を報告の疾風、紀三井寺。山伏が殺され娘が拉致される山中の小屋、酵素雑賀崎根来寺は本物、海浜に白浜。め組の衆とばったり会う新さん、大覚寺五社明神
*山伏の娘は「頼方」に恋をしていて、そっくりの浪人を夫に選んだ経緯がラストに尺をとって描かれる。山伏は高橋悦史。*今回の陰謀も尾張の仕掛け、姫路藩主が噛んでいる。全部バレてるのに白々しくバックレる憎さげな宗春には再び中尾彬をキャスティング。*福ちゃん二態、女郎屋で「紀文」をシメるならず者と、母子誘拐未遂の侍。
2005/1/3

■ 国盗り物語 2005.1.2TX/東映
 第二部 「蝮の道三・虎の信長」

 道三はついに主を追い事実上の国主となり、掌中の玉の愛娘・帰蝶は、政略により敵方の織田家へ嫁いでゆく。
いよいよ登場の尾張のうつけ殿と、道三の薫陶を受けた光秀のお話がメインとなり始める。
 ロケ地、木曽を渡り美濃に殺到の織田軍、山室堤道。那古屋城、二条城本丸櫓門。道三の包囲を受け館を退去の頼芸が渡る木曽川、着いた浜は広沢池東岸。落飾した深芳野が入る美濃川手・正法寺塔頭持是院、西寿寺(山門、本堂)。城内で鉄砲を試射の光秀、彦根城博物館。鷺山城、彦根城天秤櫓。山崎屋へ帰還の庄九郎の段、京都イメージに御室山内遠望ショット。帰蝶の侍女・各務野が見る尾張のうつけ殿、神護寺和気公廟所前〜林間(喧嘩)〜金堂下石段(敦盛を舞う)。織田信秀の葬儀が行われる大須万松寺、西教寺大師堂。信長と道三が会見の国境・富田庄聖徳寺(原作表記正徳寺)妙心寺衡梅院

■ 暴れん坊将軍 II スペシャル
 「燃える江戸城!男たちの一番纏!」1987テレ朝/東映

 放火で人心を騒がせ、忠相の評判を落とし吉宗を追い詰める陰謀が持ち上がる。民の不満が募ったところへ薩摩が挙兵して紛争を起こし、尾張が出て事をおさめる→政権交代という図を目論むワルどもだが、小田原なんか箱根までも行かないじゃんとカルく馬を飛ばしたり、お城の火事には自ら纏を振る上様には全然通じないのであった。
お話は、陰謀の一翼を担う小田原藩の家老を誅さんとして切腹の憂き目を見た目付の遺児たちを軸に進む。め組の纏が焼失して大騒ぎのエピソードなどもあり、火事に関する話題がいっぱい。
 ロケ地、放火の被害を才蔵に聞く新さん、大覚寺放生池堤石橋。小田原藩家老を仇と狙う姉弟がならず者に襲われる、天神島。その姉・早苗に事情を聞く新さん、大沢池船着(小)、木戸越しのアングルもある。小田原城、本物(イメージカット)。早苗と騎馬で小田原へ向かう新さん、舞子浜。城下で才蔵とツナギをとる新さん、慈眼堂参道。荒くれを集め更なる放火を示唆する尾張藩出入りの清津屋寮、大覚寺望雲亭。早苗の無茶を諌める新さん、大沢池北西畔。小田原藩上屋敷、大門。早苗の元婚約者を呼びとめお話の新さん、勅使門橋上。仇を求めてめ組を出た姉弟が一味に捕まる、仁和寺九所明神石鳥居。事後、晴れて出初めの町火消し、仁和寺参道勅使門前。江戸城の正月風景、枳殻邸印月池畔。
*今回、尾張は名のみ出て宗春登場はナシ。*二の丸火災に際し纏を振る上様、急を聞いて馬を飛ばし城門に駆け入ったあと、火消し装束で現場にやってくるのだが、大石内蔵助みたいなそのカッコの兜や胴にばばーんと三つ葉葵があってなんだか笑える。*清津屋に雇われた浪人の一人に福ちゃん、寮に乱入の上様にぶっ叩かれる。
2005/1/2

■ 国盗り物語 2005.1.2TX/東映
 第一部 「道三・天下への野望」

 徒手空拳の牢人・松波庄九郎が豪商の身代を手に入れ、土岐頼芸に取り入り、いよいよ本格的に美濃の国盗りにかかる段まで。
己の才覚と魅力で人を蕩しこんでゆく庄九郎がテンポよく描かれるが、原作にある艶っぽい部分はほぼ全部切り捨て。
お万阿の亭主は庄九郎、美濃で国盗りをしている侍は別人というスーパーロジック展開はちゃんと描かれ、妙に納得してしまうお万阿を高島礼子が好演。
 ロケ地、アバンタイトルの本能寺、桂川を渡る明智の軍勢、木津川下流部。出演者のクレジット流れる背景に岐阜城と長良川。奈良屋の荷駄を率いる庄九郎、有年峠で夜営の際土豪の襲撃、酵素河川敷。油神人たちに奈良屋が潰されたと庄九郎に注進に走る赤兵衛、石清水八幡宮頓宮鳥居。美濃・鷺山城、庭に佇む深芳野、随心院本堂前庭。正妻の姉がゆく廊下、書院北廊下。庄九郎に下げ渡され頼芸の居館を出る深芳野、大玄関。弟の上人と話す土岐家家老・長井、神護寺毘沙門堂。土岐政頼の居城・川手城、姫路城ぬの門(内外)。庄九郎の居城・加納城、姫路城ろの門

■ 暴れん坊将軍 II スペシャル
 「勅使下向、天下を賭けた江戸っ子神輿!」1985テレ朝/東映

 またまた吉宗に恥をかかせ失脚を目論む陰謀、裏には尾張宗春。今回の趣向は朝廷勅使接待がらみ、加納じいが京で神田祭を自慢したことから、勅使に見せる約束になっているのを利用し、神輿を損じにかかる。これを軸に、宮大工の息子の恋と成長、陰謀に加担するも改心し自刃する大身旗本のお話が展開する。二人が実は兄弟という設定もあるが、とってつけたみたいな感じで勿体ない。
 ロケ地、神田明神の縁日にやってくるめ組の衆と新さん、今宮神社楼門、境内。夜、神輿を燃やしに出る寅松と手下、高倉脇。弓のお稽古上様が神輿放火の報告を聞く、姫路城西の丸。勅使の輿がゆく道、随心院長屋門前〜入る屋敷は薬医門。宮大工の息子の恋人を送ってやる新さん、罧原堤下河原(投網の漁師あしらい)。勅使に流鏑馬を見せる上様、下鴨神社馬場(幔幕張り巡らせ)。このあと汗を拭く上様に黒幕について報告の忠相、姫路城西の丸築地脇。陰謀に加担した大久保采女正を説得の新さん、広沢池東岸(水中に祠あしらい)。改心し、己を唆した若年寄屋敷へ斬り込みに走る采女正、広沢池東岸堤道。無事間に合って城門に入る神輿、姫路城大手門。勅使上覧の席は正面の芝地にセット。
*宗春は今回成田三樹夫が演じる。さすがに巧いが、この人ならおじゃるのほうが似合う…と思ったら今回勅使は悪者でなくほんとうにお神輿が見たいだけ。悪役陣は、神輿襲撃実行犯に汐路章、若年寄に井上昭文、高家に外山高士と豪華。怪力で危難を救う口入屋に「がぶり寄り」荒勢が出ているのも楽しい。福本先生は若年寄屋敷のラス立ち要員、家来の侍。

■ マツケンサンバ I

 テンポゆっくり目、衣装は金ラメで歌詞は演歌調。
マンボの名残りか、「ウッ」の掛け声も入る。サビの文言はスペイン語、赤い月とかこんばんはとかお嬢さんとかやって、samba de la noche,viva !
2005/1/1

■ 暴れん坊将軍 II スペシャル
 「吉宗失脚!?初春一番の大江戸裁き!」1985テレ朝/東映

 尾張宗春のかなり本気な陰謀、生母・お由利の方をキリシタンに仕立てて吉宗を将軍の座から引きずりおろそうとする。父の野望を諌める尾張の姫も登場。
偽物の母上に冷たくされて落ち込む新さん、信仰が本当ならこの手で裁かねばと苦悩の上様、評定の席でのやきもきなど、いつもとちょっと違ったナイーブな上様が見られる。
 ロケ地、元日の行事に衣冠束帯で臨む上様、仁和寺宸殿北側縁先。お由利の方がわび住いする小梅清涼庵、中山邸(参道、門、境内各所)。お由利の方に城入りを勧めて断られた旨報告する加納じい、仁和寺南庭。雪が拉致されかかっているのに介入の新さん、上賀茂神社神事橋付近と林間。お由利の方の侍女が水死体で見つかる、広沢池西岸湿地。雪と縁日の帰り襲撃を受ける新さん、大覚寺護摩堂裏手。清涼庵でキリシタン集会の報告を受け慌てて協議の忠相とじい、仁和寺白書院。この手で母を処断と苦悩の上様、仁和寺北庭園池石橋上。雪と虚無僧(味方の尾張藩士)が連絡をとりあう、今宮神社東門内石橋たもと。清涼庵から出た怪しの農夫を尾行する才蔵、仁和寺中門(剥落が激しい)九所明神経蔵(代参の大奥老女を目撃)。ここで行われた密議についてさぎりと話す、下。尾張忍びを調べようとして露見した虚無僧が落命、大覚寺大沢池西岸に係留の船。清涼庵への手入れの際、飛び込もうとする上様を抱き止めた忠相が非礼を詫びる、今宮神社稲荷社前。事後、尾張へ帰るという雪姫に「告白」される新さん、上賀茂神社ならの小川畔。母のもとへ馬をやる新さん、下鴨神社馬場を中山邸参道へスイッチ。
*評定の場の宗春、してやったりとニマニマ笑う顔や、形勢逆転後口をへの字に曲げた顔も迫力でワルい中尾彬はまさにハマリ役。これを諫止する姫に三原じゅん子、健気な役柄なるもドス利いた声が中尾彬の娘設定によく似合う。尾張をそそのかす老中に御木本伸介。福ちゃん二態、清涼庵で虚無僧を襲う忍び(百姓姿)と、老中邸でのラス立ち要員(家士)。

■ マツケンマンボ

 1987年9月、新歌舞伎座での舞台。「花の松健マンボ」の表記。
昨年ブレイクのマツケンサンバIIの前駆をなすもので、サンバIIほど派手ではない。
バックダンサーもサンバIIより少なめで、どこかフォークダンスっぽい。、衣装も金ラメながら今よりはおとなしい。スタビライザのようなほつれ髪も黒。町人髷は変わらずで白塗り。ステップはサンバと似ているが腰をクイクイやったりはナシ。歌詞はマンボ特有の「ウーッ」入って「あーマンボ、あマンボ、マンボっ」…。最後はセリ下がって退場。
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