2007年2月 |
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2007/2/28 ■ 銭形平次 第366話「罠にはまった道行」1973.5.9フジ/東映 稚気溢れるアンちゃんが岡場所から女を足抜けさせ、逃げるにあたって幼馴染の兄貴分を頼るも、その男はとんだ悪心を隠し持っていた。アンちゃんをしおらしい心持ちにさせるのは、逃避行の途中出会った、貧しくも仲良く温かい夫婦者。形だけなれど盃を交わさせてやり連行する親分も泣かせる。 ロケ地、お直の手を引いて逃げる勘次、広沢池東岸並木/堤法面(追ってきた「恋敵」と揉み合い腹を刺してしまう場面)。一時身を寄せる船小屋、広沢池東岸汀にあしらい。文三が八をボコって撒き勘次と会う橋、中ノ島橋。 *勘次に水谷豊、お直は小鹿ミキ。水谷豊のいきがったアンちゃんぶりが傑作、盗ってきた芋を生で齧ってるし。*広沢池ロケ、前段ではほぼ水面を映さず。 ■ 南町奉行事件帖 怒れ!求馬 第13話「求馬危うし!」1998.2.2C.A.L 西洋からの武器購入に警鐘を鳴らす蜀山人、儲けがフイになる死の商人に命を狙われる。お奉行の要請で護衛につく求馬だが、悪党は凄腕の殺し屋を雇っており苦戦、しかも魔手はお奉行にまで伸びてくる。 ロケ地、江戸城イメージ、二条城隅櫓(老中に蜀山人の本発行差し止めを迫られるが、お奉行は老獪さを発揮して煙に巻く)。大名たちも武器購入の動きと求馬に話す豆千代、嵐峡船着。蜀山人の隠れ家、中山邸門。事後、水辺に佇む求馬を呼びに来る豆千代、嵐峡汀。 *凄腕の刺客に木村栄、お白州でのお奉行とのやりとりも味わい深い。死の商人は田口計、つるむ旗本は睦五朗。福ちゃん二態、絵草紙屋へ押しかけた攘夷浪人の騒ぎを見ている大工(このとき横に峰蘭太郎)と、奉行を襲う刺客の一人で黒イカ。 2007/2/27 ■ 銭形平次 第365話「星の降る夜に」1973.5.2フジ/東映 島帰りの男が再びお縄の危機、なかなか職も得られず悩む男を支えたのは、島送りの発端となった恋人ではなく、情深い幼馴染だった。 *ロケなしセット撮り。島帰りの与吉は藤巻潤、幼馴染の髪結いは十朱幸代。与吉とともに三宅島から帰ったゴロツキ三人組のヘッドは汐路章、人相をギョロ目とか表現されてて笑える。*与吉は完全に潔白、お店の娘と引き離すため仕組まれたことで、岡っ引もグルというひどい話。ために目明しを憎む彼が、親分を信頼してゆく過程も見もの。裏で全ての糸を引いていた悪党を指弾するのは婚礼の席上、平次にしては情のない手法だが相手の女も相当な描かれ方をしていて、因果応報を匂わせる。タイトルは万事おさまり与吉に結婚話が出て、親分がお静と見上げる星空。*ひょうたんの娘が交替、いきなり八にちょっかい出されてるおせんちゃん。おゆき引退の理由は語られず。*主題歌およびアイキャッチのアレンジ変更。 ■ 南町奉行事件帖 怒れ!求馬 第12話「消えた死体」1998.1.26C.A.L 半田たちが夜回り中遭遇した斬り合い、しかし死体が掻き消える。お奉行の「うっちゃっとけ」に求馬はかんかんに怒り、「勝手に」関わってゆく。出てくるのはお家騒動、デリケートな問題をうまく捌くお奉行が憎い。 ロケ地、烏山藩邸から出る物々しい人数を尾行する求馬、神護寺明王堂脇〜五大堂脇から石段(求馬が石段を登りかけると、上からわっと出る集団が迫力。下からも出て囲まれ、中ほどで立ち回り)。かつて烏山藩に仕えた腰元の暮らす高井戸へ向かう求馬、広沢池西側の道(カメラは畦道にあしらった灯籠をナメて・法華の衆あしらい)。同じ所へ向かう烏山藩ご舎弟派の人数、北嵯峨農地の畦道。汐路が畑を耕し、爺さまが「若君」に稽古をつけているのは同じく北嵯峨農地の高台・杉林際(刺客と爺さまがやりあうシーン、一部大沢池堤際か/竹林での立ち回りも)。事後、鷽替え神事の天神さま、梅宮大社(千鳥ご一行は神苑門から境内へ出てきて、本殿前をゆく求馬と豆千代を見る。冷かされた二人がくぐるのは楼門。天神さまは亀戸か湯島か)。 *汐路は伊藤美由紀、彼女の父は土田嘉男。留守居役に若君捜しを命じられ斬られる藩士は峰蘭太郎。*「兄上」、考え事をしている爺さまに冷たくされ萎れる→母上の短絡→「求馬が何かした」が大笑い。 ■ 遠山の金さん 第6話 2007.2.27テレ朝/東映 阿片密売組織を探る金さん、怪しい回船問屋は口入屋を通さないのでそこへ出入りの仕出屋に潜り込む。その店の息子は母を誤解し家を出てヤクザに身を投じ、当の密売組織に関わっているのだった。 ロケ地、江戸城イメージ、姫路城天守。卯之吉が故郷へ帰そうとしていた弟分が運び屋をつとめたあと消される川端、嵐峡汀。母を拉致し卯之吉を呼び出す鳥居神社、鳥居本八幡宮鳥居下(駕籠に乗せられ)。 *卯之吉の母に丘みつ子、回船問屋は中田浩二、捕り方が入った段で消される番頭は小沢象、用心棒は福ちゃん(役名・設楽十蔵、何遍も金さんに石ぶつけられて「オワっ」。北町の隠密を斬る際のステップはお見事、お白州でも活躍のほかリアルな人相書も出る)。 2007/2/26 ■ 銭形平次 第364話「泣くな八五郎」1973.4.25フジ/東映 おゆきちゃんの「てぇへんだ」は八の恋、もちろんいつもの通り成就はないが、人のよい八はあくまで恋した女の幸せを願い、相手の男(ちょっと頼りないボンボン)を叱咤激励し自らはピエロに徹する。そんな八が可愛くて仕方ない、親分の表情も見どころ。 ロケ地、八がお照を呼び出しもじもじ言い寄る神田明神、今宮神社境内(恋人の若旦那が来て、お照は石橋を渡り東門を去る)。ヤクザの仁兵ヱが殺されて見つかる水天宮、石座神社舞殿脇(八が若旦那の煙草入れを見つけるのは参道脇の屋形)。八がお照に煙草入れを見せるも、恋の意趣返しだ卑怯だと詰られるお宮さん、今宮神社若宮社/合祀摂社傍。 *お照は鮎川いづみ、勝気でポンポンがちょっと「加代」風味、八っぁんにほだされる場面もある。若旦那は住吉正博でお照の父大工は花沢徳衛、殺されるヤクザは藤尾純、真のワルのヤクザの子分に田口計で用心棒に阿波地大輔。 ■ 南町奉行事件帖 怒れ!求馬 第11話「肥前守暗殺!」1998.1.19C.A.L 事件はお奉行暗殺の企みで佃島開発をめぐる鞘当て、福祉施設を建てるというお奉行が煙たい、歓楽街作って大儲けを企む一味。彼らが追い使う殺し屋は深川の中州に巣食う、「濠外」スラムものでもある。 ロケ地、求馬の父の法事が営まれる浄土宗・善栄寺、粟生光明寺(来ない求馬に焦れる一同は本堂座敷、娘に挨拶して引き上げるお奉行は回廊、帰りの駕籠が襲われるのは紅葉道・薬医門前)。この襲撃実行犯の浪人たちが殺されて見つかる谷中は紅葉道崖際か。深川中州のスラム濠端、嵐峡左岸河川敷(「濠外」へ通じる「橋」は足場を水に張り出させてあしらい、船着や汀をセットと組み合わせて表現されている)。訳あり女のお蘭が経営する、密談現場となる料亭・江戸春、嵐山公園中州料亭・錦。佃島開発の黒幕だった高砂屋が消され死体で見つかる百本杭、嵐峡汀。「危篤」のお奉行が来ないつもりで行われる佃島開発についての評議、お城イメージに姫路城天守。 *お蘭に清水ひとみ、自分を踏みつけにした男を見返ろうと野心を燃やす悪女なれど、亡くした赤子に心痛め続け潔く罰を受ける哀しい女を好演。欲深な癖に腰の引けた勘定奉行は山本紀彦、殺し屋の元締は山田吾一(濠外もので定番の記号も纏う)、お奉行毒殺を強要される医師は草川祐馬。ラス立ち福ちゃん入りで用心棒の浪人。*己に企みありと察知していたお奉行は医師の薬を金魚で試すが、「許せよ」と桶に薬を振り掛けるのは珍しく、また高廣さんの言い回しが味わい深い。ラス立ちでは豆千代姐さんの裾まくりキックも拝める。 2007/2/25 ■ 新・座頭市3 第15話「かかしっ子」1979.8.13勝プロ/フジ 父母亡き後意地の悪い親戚に引き取られた幼女、兄が叔父夫婦を「殺して」逃げたあと彼女は口を閉ざし、一人健気に兄を待つ。その子と関わった市は、やがて「殺し」の真相を知る。 ロケ地、妙の兄が鬼熊の親分に叔父叔母殺しと決め付けられ逃げる田畔、不明(畔にはさ木あり)。釣りの妙が通りかかった市に鉤を引っ掛ける河原、大堰川汀。妙が屋根に乗り案山子を掲げ兄を待つ家、大堰川河川敷にセットか。妙が子守をして米を貰う農家、民家縁先か。 *二足の草鞋の鬼熊、大木正司。兄弟に同情的で、逃げ込んできた妙の兄を匿い市に託す酒肆の親爺に殿山泰司。*もの言わぬ妙に竹笛を作ってやり意志の疎通をはかる市、鬼熊との立ち回りはこれを吹きながら(妙に「出るな」等の合図を送る)。 ■ 新・座頭市3 第16話「送り火 迎え火 灯籠流し」1979.8.20勝プロ/フジ 賭場で恩を受けた男の家へ金を届けに行った市は、いきなり湯を沸かせと老婆に引っ張り込まれ、そのまま出産に立ち会う。その縁から三年後再び深谷宿へやって来た市は、亭主が帰らぬまま健気に暮らす母子を見るが、道中ずっと市を追っていた渡世人が、彼女らがずっと三人で暮らせる日を夢見ていた亭主なのだった。 ロケ地、深谷宿への道を歩く市、堤際の田畔か。灯籠流しの川、劇中歌の流れのイメージ、大堰川か。 *健気に亭主を待つ女に倍賞美津子、亭主は待田京介で母は浦辺粂子。*待ち焦がれた亭主の酷薄さを思い知らされ、何もかもわかった上で仕込を置いていった市に応えるおりょうが泣かせる。その気遣いの、市に届けられた提灯を見て笑うヤクザどもの浅薄さ加減も利いている。 ■ 新・松平右近 第15話「越すに越されぬ箱根山」1983/4-9 箱根の寺へ墓参の藪さんに、湯治を当て込んだ音松ばかりかおらんもついて来てしまい賑やか道中。これに加え凶賊を追う平四郎たちもヒントが箱根で出張り、藪さんたちを疑ったりしてドタバタ。宿では賊一味の仲間割れで次々と血腥い事件が起こり、哀れな身上の娘も手にかけた悪党どもは右近の制裁を受ける。 ロケ地、箱根さしてゆく藪さんと音松に追いついてくるおらん、北嵯峨農地畦道(背景に富士のお山を合成)。お昼をつかう平四郎たちが藪さん一行を遠目に見る小田原の山道、谷山林道。藪さんが巡礼親子(父が発作)を拾う道(渓流沿い)、不明。箱根関所、谷山林道に柵あしらい。横目付と会う平四郎、座敷から見える山なみは谷山林道から見た山なみ(縁先のみ林道にセットか)。甲州屋が千両箱を埋めるやしろ、鳥居本八幡宮広場(箱根関所定番とガハハのところへ現れる藪さんは石段から、立ち回りは竹林でも行われる)。定番と賊が相討ちなどと事件の経過を話す平四郎たちが休む茶店、谷山林道。そこからズームされる藪さんたちが行く街道は切り通し。 *巡礼親子は西川峰子と奥村公延、正体は賊一味で娘は押し込み先で「父」に助けられた赤子設定。実は賊の首領の甲州屋は田口計、つるむ役人は原口剛。*帰り道、大荷物を持たされた音松がはしゃぐおらんと藪さんに「おめぇたっちゃ人間じゃねぇ」の一発ギャグ、行き道では浮かれてひばりの「旅笠道中」を唸る場面も。フツーの着流しだった藪さんが、成敗場面ではちゃんと医者の服を着てきて、成敗衣装への変身もやるのが大笑い。これも荷物に入ってたのか。 2007/2/24 ■ 必殺仕事人 III 第25話「殺しを見られたのは秀」1983.4.1ABC/松竹 秀に呪詛の言葉を喚き逝くターゲット、以後秀は常に何者かの視線を感じ脅え暮らす。苦悩は仕掛け間際まで続くが、自身で解決・納得。的は、卑母から生まれたことを僻ませぬよう甘やかされて育ち、狂気を孕む度外れた我儘者になってしまった姫と、その取り巻き。 ロケ地、小間物問屋で見かけた秀を捜すあいだ姫を待たせる待合、錦水亭。 *諏訪十万石の姫は風祭ゆき、御世話役は波田久夫(村正で姫に刺される)。 ■ 遠山の金さん 第59話「友情」1976.11.18NET/東映 血の気の多い幼馴染を案じる娘、幼い弟が彼の真似をするのにも心を痛める。諌めにゆく金さんだが、ところの親分が父を殺ったと知った青年は暴発して果てる。 *ロケなしセット撮り。青年は森次晃嗣、彼を憎からず思う娘は市毛良枝、南蛮手裏剣で青年の父を殺しシマを奪った親分は和崎俊也で手下に有川正治。 ■ 銭形平次捕物控 雪女の足跡 加戸敏監督作品 1958,12.28大映 江戸城御金蔵から三万両を盗んだ凶賊・花蝙蝠だが両替商へ入ってドジを踏み、一党五人は市民の協力もあり袋小路へ追い込まれ殲滅され小塚ッ原の台の上。協力者たちはお奉行に賞揚され、八五郎は町衆に褒めちぎられいい気分。しかし祝い酒で千鳥足の八五郎が襲われたのを皮切りに、お上を助けた者たちが相次いで変死、しかも盗られた三万両は出ず、年内解決を迫られていたお奉行の進退も窮まる。ここに平次、きわどい勝負に打って出て除夜の鐘が鳴り響くなか大立ち回り、晴れて新年を迎える。 ロケ地、花蝙蝠捕縛に協力せし者に褒賞金と高札の出た前で瓦版を売るお仙(歌入り)、梅宮大社楼門前堀端。三万両大捜索のシーン、一部ロケで小丘の向こうに派手な伽藍が破風を見せているが不明。小塚ッ原の晒し場に出たおれんを尾行するも見失う八五郎、不明(石垣と石段、奥に花頭窓のお堂)。浅草の掛小屋でツナギの文を渡したおれんを追う平次、妙法寺の縁下へ身を隠したところへ銭をコツンとやるのは清涼寺本堂(平次は縁先に)。幕閣に辞職願いを出しにゆくお奉行をとどめる平次、勧修寺参道(平次が門を走り出て、参道をゆくお奉行の駕籠に走り寄る。行列は南望・北望両方のアングルがある)。一件落着で新年のお参り、石清水八幡宮(南総門から本殿を望むアングル、屋台が出ているのは参道)。 *タイトルの雪女は協力者の娘が殺害されるところに出るが、見た駕籠舁きがうひゃあなくらいで、以降はお品親分が罠をかけるため扮するのが出るだけ。初参りの親分が八に雪上の足跡の種明かしをするオチはある。*はじめのうち平次は旅に出ていて、花蝙蝠五人の捕物には八五郎とお品親分が活躍、酔った八が襲われ危機一髪のところへ旅から帰った親分が投げ銭で登場の運び。 2007/2/23 ■ 銭形平次 第363話「噂」1973.4.18フジ/東映 桶職人の粂吉が富商の井戸替えで拾った小判、やっかみ半分の悪い噂が立つが、その金の出所にはとんだ大悪党の目論見が隠れていた。事実を暴露できず、粂吉を苦しめた「噂」を解消してやれぬ事態となるが、悪党だけにちゃんと他の罪も犯していてお縄。 ロケ地、後から出てきた紛失金のことで粂八に話を聞いた帰り、八がボヤくのは御室霊場・大窪寺前の石橋たもと。このとき墓参の態で向こうを通りかかる備前屋の娘、お堂前。このあと坂を登り、別のお堂裏で露次郎と「逢引」。設定は観音堂、坂を行くお琴を見て平次があちらに墓は無いのにと不審を抱く。備前屋の井戸は個人宅か。 *粂吉に柴田p彦、いつものように困り顔の被害者役で女房は藤田弓子。お琴に無体の色悪は大村文武、つるむ浪人は柳原久仁夫・轟謙二などお馴染みの面々。 ■ 南町奉行事件帖 怒れ!求馬 第10話「お見合い誘拐事件」1998.1.12C.A.L お見合いに引っ張り出されてぶーたれる求馬だが、当の相手が自分のせいで誘拐されたと言われ奔走する。大立ち回りのすえ救出してくれた求馬にお嬢様はメロメロだが、求馬は逃げ出して豆千代姐さん上機嫌。 ロケ地、求馬が母に連れられお見合いに赴く道、妙心寺東海庵前路地(帰り道も同じ、逃げた求馬の背後に東海庵の唐門)。お相手の旗本寄合衆・大宅邸、相国寺林光院。大宅の娘・志乃が根岸家を訪ねる道、妙心寺衡梅院前路地。誘拐は妙心寺大庫裏脇路地クランク。豆千代と誘拐現場に行ってみる求馬、妙心寺春光院南塀際〜相国寺大光明寺南路地(塀をナメて湯屋前)〜大光明寺門前(歩き疲れた豆千代がへたりこみ、出てきた中間に水を撒かれる)。身代金を置けと指示された小日向の切支丹坂、不明(林間の緩い坂)。 *誘拐の主体は大宅家に縁談を断られた旗本の冷や飯食い、彼に雇われた浪人衆のヘッドに福ちゃん、ベタでクレジット。打首獄門のところ、被害届が出ていないので寄場送り。 ■ 逃亡者おりん 第17話「母娘哀しき大和路」2007.2.23TX/C.A.L おりんを迎えに来た根来衆だが、彼らは手鎖人に里を滅ぼすと脅されおりんの里入りを拒否。父を敬愛し娘を育ててくれた里人を思い、おりんは懊悩する。一方、鎌倉の尼寺で妙と再開する宇吉が描かれ、「母」の目的とこれまでの経緯が明らかとなるが、幕府の内情については謎が深まる。そして郡山城下、おりんに道悦の包囲網が迫る。 ロケ地、手鎖人に追われたおりんが駆け込む茶店、谷山林道(根来衆が手鎖人たちに「茶店地獄」を仕掛け、おりんを救う)。おりんを誘う根来衆、途中渡る吊橋、不明。弥十郎がルートに異議を示す道隈、谷山林道(弥十郎談:根来へ行くにはここを南下して吉野→五条/仁兵衛談:ここを西に行けば大和郡山)。郡山城、本物を大手門内から隅櫓を望むアングル。木津川に注ぐ川におりんを導く根来衆、大堰川右岸河川敷(船を指しここから大坂へ下れと要請)。里入り拒否の理由を語る回想シーン、根来の里に現れた手鎖人が仁兵衛を脅した畑、美山町・北村集落の民家前。仁兵衛の話を聞きその場から駆け去ったおりんが身を寄せるお堂、大覚寺聖天堂(外観イメージ、おりんが姉様人形を出して母に問いかけるシーンはセット撮り)。如春尼(おりんの母・妙)が住持する鎌倉・琳香院、不明(山道を登ったところに石段、中ほどの山門は簡素な草戸)。如春尼の回想、おりんを宇吉に託し別れたあと、おりんが道悦のもとで手鎖人に仕立てられていると知り絶望の果て入水の橋、中ノ島橋(ドボンは無し、琳香院の一室に寝かされているシーンにスイッチ)。郡山城下、おりんに高額の賞金がついた高札が立つ市中、仁和寺観音堂脇(大道芸人に化けた手鎖人たちが弥十郎を襲撃)。そこを通りかかり逃れたおりんが囲まれるのは仁和寺九所明神(仁兵衛らが現れ介入、おりんを掘割の船に乗せ逃がす←堀のシーンはセット)。町方が出てお城へ連行される仁兵衛たち、城イメージは郡山城隅櫓。 *根来衆組頭の仁兵衛に和崎俊哉、道悦の「草」である郡山藩家老に河原崎建三。*道悦とタイマンのおりんは、郡山城乗り込み時点でレオタード。女の匂いに敏感な大入道の手鎖人に「御免!」の必殺技をカマしたあとさらに道悦とやりあうが、根来の鉄砲隊が出て道悦の足もとに狙撃→道悦煙玉逃げ。人の心は無いのかと道悦に問うおりんが今更過ぎて笑える。 2007/2/22 ■ 銭形平次 第362話「ついてない男」1973.4.11フジ/東映 とことん運の悪い男、心機一転はじめた焼き芋屋も壺が爆発。払いに困った男はあてどなく町を彷徨うが、殺しの現場に立ち入ってしまい、罪人にされるのを恐れ逃げ回る羽目に。 ロケ地、屋台の親爺に化けた熊五郎の示唆で万七が赴く不忍池、大覚寺大沢池畔。服に血のついた怪しい男は五社明神舞殿の柱に抱きつき中(嫁取りで舞い上がり・血は興奮して吹いた鼻血)。家に帰れず野小屋で夜明かしの熊五郎親子、下鴨神社泉川畔。首吊りを試みて失敗の林、糺の森。 *熊五郎は長門勇、独特の演技で話を長門カラーに染める。彼の倅役の子がぷっくり肥えててよくお似合い。千葉敏郎の浪人がやっぱり悪いのも笑える。*嫁も戻り焼き芋屋再開、しかし爆発を恐れ皆遠巻き。ここへ親分が出て、表しか出ない銭で「激励」のコイントス。 ■ 南町奉行事件帖 怒れ!求馬 第9話「親子引き裂く贋小判」1998.1.5C.A.L 事件は贋金作り。巻き込まれた飾り職人の、健気な子供たちを中心に描く人情話。逃走中の職人を追うほか、求馬に頼まれた豆千代姐さんは子の母に戻るよう説得しに旅へ。 ロケ地、贋金作りの工房が八幡掘端の蔵に設定されていて、出てくる川筋に八幡掘各所を宛ててある。橋は明治橋が使われ、背景にも。家に戻ってきた職人を追う求馬、一味の用心棒が斬りかかる神社、車折神社か(石畳と鳥居)。豆千代が職人の女房を説得にゆく川崎の海辺、琵琶湖(街道筋の茶店と干物作りの里、汀は落ち込んだ急崖や岩浜/島影からすると宮ヶ浜あたりの東岸か)。 *贋金作り/マネーロンダリングの両替商は入川保則、番頭に下元年世、用心棒は谷口高史。ラス立ち、チンピラの福ちゃん入り。 ■ 新はんなり菊太郎 第7話「大黒様飛んだ」2007.2.22NHK 大風の夜、美濃屋へ飛び込んできた大黒様の軸で一騒動。多佳の差し金で菊さんが美濃屋へ出向くが、すれ違いは続行。戻ったお信はお凛拉致を目撃、次回へ。 ロケ地、美濃屋は錦水亭。菊さんが喜六を連れ伏見へ向かう道、大覚寺大沢池北辺並木。田村邸、妙心寺雑華院(お凛が訪ねてくる)。美濃屋からの帰り、喜六を返す菊さん、上賀茂神社ならの小川畔(後段、美濃屋を出て京へ向かうお信親子も同所)。米蔵のところへ行き話す菊さん、神光院中興堂前(米蔵、子らに芋を焼いている)。 *美濃屋から金をせしめる算段だった米蔵、菊さんに阻まれたあとは博打うちらしく降参。怜悧な憎めぬ悪党を遠藤憲一が好演。美濃屋のおっさんも渋い。 2007/2/21 ■ 銭形平次 第361話「母娘はぐれ鳥」1973.4.4フジ/東映 やくざ者の亭主を失い娘とはぐれ、自らは盲いた女。その目が開いたとき、彼女は地獄と極楽を同時に見ることとなる。 ロケ地、お袖の娘かも知れない幼女が暮らす寺(孤児院/尼寺)、不明(お堂に花頭窓、前庭に刈り込み)。熊谷宿を逃げたお袖一家、道で渡世人が立ちはだかり亭主が斬られる水辺、広沢池東岸(水無し)。 *お袖は小山明子、彼女の亭主を斬った渡世人にして今はお袖のため堅気になり親身に世話を焼く男・弥助に木村功。はじめ弥助が犯人と疑われる金貸し殺し、主の倅に頼まれた実行犯のヘッドに小田部通麿(助かった女中が弥助の面通しの際の、いかついならず者で髭が等の表現が的確すぎて笑える。出てきた小田部氏はきっちり見事な髭づら)。*手術で目が治り、その場で我が娘を確認できるものの、もはや離れ難くなっていた弥助は遠島。ここで全てをハッピーエンドにしないあたりが当節にはない味わい。きっぱり別れを告げてゆく弥助の演技も巧く、二人の進展具合にも含みを持たせていて深い。*亭主を失い出てきた江戸で地震に遭い娘とはぐれるお袖、この「乙未」の大地震がいつなのか不明で歯痒い。銭形の設定は寛永から文政に飛んだりするので、面白い材料が出たと思ったらとんだ難物。地震も架空か。 ■ 南町奉行事件帖 怒れ!求馬 第8話「罪を償うお役者小僧」1997.12.22C.A.L その昔義賊で鳴らした老盗は、金を与えて身投げから救った親子が幸せに暮らしているのを見たくて江戸へ戻ってくるが、盗っ人どころではない悪党が彼らを踏み躙り、悲劇の上に胡坐をかき栄えている事実を知る。 ロケ地、お奉行に長崎行きを指示された花井同心宅を訪ねた求馬が、帰り道「ケッ」と毒づく路地、妙心寺大心院前路地(北望、画面左端に東海庵の築地端っこをナメて)。お奉行登城イメージ、二条城北大手門(お城の廊下で関宿藩の殿様に家老の悪事の証拠書類を手渡し)。 *隠居として千鳥に来ていて「義賊」の与えた金が親子をとんだ不幸に落とした事実を知るお役者小僧に市川左團次。求馬に引っ張られ関宿藩邸に忍び込む際、昔とった杵柄が錆付いてて「お役者じじい」とか言われるお約束が大笑い。お白州での泣きも見もの。恩を受けた「小僧」の人相風体を吐かぬよう縊死した母の遺志を継ぎ証言を拒む花魁もいい味、島崎路子。久世の殿様は川浪公次郎、盗っ人を利用して使い込み穴埋めの悪家老は波多野博。 2007/2/20 ■ 必殺仕事人V激闘編 第31話「加代、究極の美男に惚れる」1986.7.11ABC/松竹 御台所お立ち寄りの栄誉をめぐり、阿漕な旦那がついているほうの料亭は悪謀の限りを尽くす。しかし街道筋で谷底へ落としたはずのライバル店の板前は、記憶をなくしつつも江戸へ帰りついていた。これを保護するのは加代、その気になって彼との新生活を夢見るが、もちろん板前はもう一遍頭を打って記憶を取り戻す。 ロケ地、笹採りに出て髭ぼうぼうの男を拾う加代、鳥居本か(竹林に大岩)。菊水の板前・喜之助が落とされる谷、保津峡落合落下岩(崖道から見上げのアングルも)。菊水の娘が喜之助の墓前で自刃、墓地へ向かう坂は西壽寺か。 *喜之助は加納竜、松屋をやらせている旦那は藤岡重慶。*「究極」はもちろん美味しんぼネタで、中村家コントに珍妙にして貧相な究極のメニューが。 ■ 銭形平次 第360話「十手を捨てるとき」1973.3.28フジ/東映 粋がる若手の岡っ引は、張り込みに行った先で容疑者の娘に入れ込み思い悩む。事終ったのち、平次は彼の十手を取り上げ、別の生き方を示唆。事件は凶賊の江戸入り、足を洗った錠前師が帰参を強要される筋立て。老目明し殺しが発端となる。 ロケ地、塗師・佐吉に聞き込みの帰り道、平次らを襲う雇われ浪人たち、大覚寺五社明神(佐吉宅は殺された目明し・油坂の文吉の向い/本郷の油坂か)。佐吉が凶賊一味に呼び出され船に乗せられる船着き、大覚寺大沢池船着き(小)。娘に過去をバラすと脅された佐吉が押し込み先に向かう道、下鴨神社河合社前(東の鳥居をくぐり門前へ)〜河合社裏塀際(小三郎が出て自首を促すが腿を刺され足止め)。 *小三郎は佐々木剛、佐吉は水島道太郎。 ■ 南町奉行事件帖 怒れ!求馬 第7話「濡れ衣晴らす乳兄弟」1997.12.15C.A.L 盛り場で殺された男の胸には植木鋏がぐっさり、持ち主の植木職人が捕えられるが、彼は無実を主張するもののアリバイを話さない。この兄ちゃんはお松の実子で求馬の「乳兄弟」、心痛めるお松のため、お奉行まで乗り出して解決に当る。 ロケ地、捕まった半次郎の植木屋(青山)へ向かう求馬らが、帰ってくるお松を見かける夜道、広沢池東岸か。半次郎は自分の乳兄弟と姉崎に打ち明ける求馬、大覚寺大沢池畔。殺しのあった日、半次郎が仕事に出掛けた先の材木商・近江屋の屋敷(芝)、嵐亭門。釈放された半次郎を迎えに出る求馬、大覚寺大沢池木戸。同じく来ていたお松と涙の出会い、背景に御殿川流れ込みがのぞく。 *アリバイ黙秘のわけは、その日身分違いのお嬢様に別れを告げに行った故。死罪になっても言わぬと決めていた・それは叶わぬ恋の完遂と言う半次郎に、珍しく高声のお奉行がいい味。毎度のことながらピントはずれの兄上が今回絶妙におかしい。 ■ 遠山の金さん 第5話 2007.2.20テレ朝/東映 羽振りのよい材木商・山徳の周囲で起こる殺し、その被害者から何かを聞き出そうとしていた鳥追い女には悲しい過去。彼女が掻き鳴らす童唄の調べと鈴の音は、凶賊の押し込みで運命を狂わされ離れ離れになっていた姉妹を結び合わせる。 ロケ地、江戸を売る途中の女郎屋の男衆の駕籠の前に立ちはだかる鳥追い女、大覚寺大沢池北辺並木(紅葉)。その女に事情を聞く金さん、天神島。故郷へ帰る姉妹、放生池堤。 *鳥追い女に池上季実子、親を殺され店を焼かれたあと旅の浪人に拾われ芸を覚えた設定で、得物は仕込み三味線。山徳は大出俊、女房の女郎屋女将は長谷川稀世、手下の荒くれは篠塚勝。最初に鳥追いに迫られ味方に殺される木場人足に小峰隆司、久しぶりに凶悪なご面相。*金さん女郎屋に潜入は無銭飲食で居残り金さん←鶴やの女たちに岡場所就職斡旋を断られ。 2007/2/19 ■ 必殺仕事人V激闘編 第30話「主水、年上妻にあこがれる」1986.7.4ABC/松竹 かつて際物芸で売っていた芸者は一念発起、幇間のホレ助に常磐津を習い始める。しかし普通の遊びに飽いたお大尽をもてなすため、心を通わす二人は見せ物にされ殺されてしまう。 ロケ地、ホレ助が鶴吉の上達をお祈りする神社、今宮神社稲荷社。鶴吉に綱渡り芸をさせホレ助を連れてきてむごい目にあわせる野原、下鴨神社河合社脇。壱が仕事料を取りにくる祠、今宮神社合祀摂社(導入は稲荷社の中から、裏手の玉垣ものぞく珍しいアングル)。 *鶴吉は風祭ゆき、ホレ助は小米朝。お大尽は堺左千夫で、悪趣味接待を思いつく飛騨屋は芝本正。お大尽が火付けの本人だったり、「年上」要素あんまり関係なかったり、キワキワの見せ物のくだりでは芸者と幇間の恋部分弱かったりで惜しい。 ■ 銭形平次 第359話「平次御用」1973.3.21フジ/東映 疾風組なる賊が横行、糸口を掴みかけた平次を悉く邪魔する嫌味な十手持ち、しかも彼は事もあろうに平次が賊の手引きをしたように扱い、縄をかけようとまでする。亭主を賊の一味と知った女房が平次に縋る一幕もあり、これがまた間わるく状況をややこしくするが、結局悪は白日のもとに暴かれる。 ロケ地、弥助が疾風組の首領を呼び出し分け前を要求する神社、新日吉神社本殿裏手。平次がおゆうに呼び出されやって来るのも同所、平次は舞殿裏の参道石畳を来て本殿前石段に近づき、おゆうはお猿の裏側に隠れて声をかける。おゆうと揉めていると弥助の悲鳴が聞こえ、行ってみると彼は刺され殺されていて、おゆうの娘・お竹が平次が殺したと「偽証」。疾風組がおゆう母子を連れて船に乗る河原、松尾橋下手右岸汀(河原に六兵ヱが潜む船小屋セット)。 *マムシと異名をとるネチネチ親分・天現寺の六兵ヱに稲葉義男、一味を調教して使嗾する手の込んだ仕掛けが見もの。一味のどうしようもない男を情夫とした哀しい女に吉行和子、彼女の娘を演じる子役がまたちゃきちゃきと憎さげで巧く、これも見どころ。 ■ 南町奉行事件帖 怒れ!求馬 第6話「消えた女囚」1997.12.8C.A.L 火事でお解き放ちになった女囚を縦糸に進むお話、そもそも火事は付け火で、回向院に出頭せぬ彼女は、復讐に燃える賊の悪謀に巻き込まれていた。 そもそもの彼女の罪状が同情すべき偶発事、放火から幼時誘拐・脅迫に至る凶賊の企みに、身を危険に晒して解決に手を貸した女にお奉行から寛大な処置が下る、いい話。 ロケ地、解き放ちの囚人が出頭する回向院、大覚寺大門(炊き出しを受ける囚人らは護摩堂前)。吉野屋の孫娘の身代金受け渡しが行われる浅草寺、清涼寺(山門には赤提灯あしらい、境内描写には本堂前が使われ、多宝塔が映り込むほか張り込む姉崎は茶店に)。身代金受け渡しに現れたお政が浪人らに囲まれ殺されかける水辺、広沢池東岸。一味を誘い出すため、お政を市中に出しお参りをさせる駒形堂、大覚寺聖天堂。 *お政に斉藤とも子、吉野屋先代の妾腹の息子で憎しみに燃える賊の首領は伊吹剛。広沢池でお政を襲う雇われ浪人のヘッドに福ちゃん、求馬にボコられ鼻血でクレジットは浪人A。お政は姉崎同心の幼馴染設定。 2007/2/18 ■ 新・座頭市3 第13話「鬼が笑う百両みやげ」1979.7.30勝プロ/フジ 十年も家を空けふらふらしていた青年は、ひょんなことから悪党が隠匿した大金を手に入れ、有頂天で故郷へ。道中、用心棒として頼られてしまった市は、悪気のない青年が闇に落ちるのを防いでやる。 ロケ地、仙太が隠し金を見つける深谷の鎮守、鳥居本八幡宮。仙太が払いに小判を出して悪党に目をつけられてしまう茶店、丹波国分寺前にセットか(背景にはさ木と河畔林ぽい林)。市を斬りにきた浪人とやりあうところへ、仙太を狙った者どもが鉢合わせの街道、天井川の堤か。 *仙太に谷崎弘一、人の良さ丸出しの足りないっぽい青年を好演。彼を盗っ人に仕立てようとした二足の草鞋にボッコボコにされるくだりは真骨頂。十年も帰らぬ息子のためいつも好物を用意してくれていたおっかさんは赤木春恵、おっ母のおっ切り込みが旨そう。 ■ 新・座頭市3 第14話「あんま志願」1979.8.6勝プロ/フジ 市に弟子入りを願い髷まで切ってしまう若者の真意は父母の仇討ち、放浪の途にあり十日前に事実を知った混乱ぶりを火野正平独特の演技で見せる。困っている者を放っておけぬ気の良さ、苦界に身を沈めた姉や、泉下の父母との「会話」も正ちゃん節炸裂、とどめは姉に仇討ち完遂を知らせに走りながら吹く按摩の笛。 ロケ地、田畔や水辺、亀岡あたりと思われるがほぼ不明。 ■ 新・松平右近 第14話「涙に濡れた花嫁衣裳」1983/4-9 病篤い富商のもとに、生き別れの娘を探し出し届ける甥はもちろん悪党。偽者に仕立てられた娘は、右近らがよく知る気立てのいい働き者、皆して彼女の幸せを願い動くが、音松はいちいちお金にこだわる(悉くパァ)。 ロケ地、お峯が迷い鶏を捕まえようとして和尚に怒られる寺、神光院きゅうり塚前(コラっと怒鳴る和尚は本堂縁先)。お峯の養親・丸屋が高飛びの途中殺されて見つかる境内、神光院本堂脇。気色の悪い松前屋の甥との縁談を嫌って逃げたお峯を匿う音松、隠す船小屋は広沢池西岸湿地にセット。 *お峯は岩崎良美、松前屋は佐竹明夫、甥は藤木孝でつるむ松前藩江戸家老は近藤宏。 ■ 必殺仕事人V激闘編 第29話「主水、まっ青に染められる」1986.6.27ABC/松竹 藍染工房の悲劇、劣悪な労働環境のうえ職人のプライドを踏み躙る安物作りの強要、かてて加えて大奥のお局さまが求める名品を作り上げた途端、独占するためその職人を葬るという無法。父も恋人も殺され悪党に身を汚された娘から、闇の会に願いが上がる。 ロケ地、江戸城イメージ、姫路城天守。大奥御廊下、大覚寺宸殿回廊。藍職人の娘が父に恋人を半人前ゆえ駄目と言われ泣きにゆく河原、桂川松尾橋上手右岸汀(中州合流点)。 *タイトルは、せん手染めの寝巻が色落ちして体につく主水。藍職人が参考にする紫陽花はハイドランジアなんだけど必殺だし別にいいか。竜の大奥潜入もカルい。 2007/2/17 ■ 遠山の金さん 第58話「陰謀の銃弾」1976.11.11NET/東映 「陰謀」は長崎奉行のポストを狙った悪企み、「銃弾」は悪党のもとへ乗り込んだ金さんのどてっ腹にマジで撃ち込まれちゃう鉄砲玉。ポスト簒奪で消される侍の一人はお奉行の剣友、悪に対する怒りは二倍増しでぼうぼうと燃えさかる。 ロケ地、恋人を呼び出してデートの次期長崎奉行に内定の藤堂、赤山禅院本堂脇(絹江がやって来る道に参道、彼女をつけてきた赤目らが出てくるのは拝殿脇)。藤堂と約束した茶店で待ちぼうけを食らっている絹江を元気づけるお京、大覚寺大沢池畔に茶店あしらい。江戸城イメージ、姫路城天守(幕閣に陰謀ありと言上にゆくお奉行のくだり)。 *内定者二人を消してポストを狙う悪党に菅貫、なんかダルそうなそぶりでしれっと悪事をはたらくのも、白々しい態度もさすがの巧者。つるむ悪徳商人は浜田寅彦、こやつが金さんに銃を向ける。*金さん撃たれちゃって絶対安静、しかし奉行として白州に立たないと菅貫が長崎奉行になりに行ってしまうので、根性で開廷。詰まりながら進むお裁き、ぜーはー言いながらちゃんと桜も見せて「一件落着!」の声とともに崩れ落ち。こんなだから、桜はしまえず出したまま。心配して老中の水野さまも来ているという、珍しいパターン。 ■ 必殺仕事人 III 第24話「三味線二重奏したのは勇次」1983.3.25ABC/松竹 年貢代わりに大島から連れて来られた織子たちを救う、生き仏と見えた尼僧はとんだ夜叉。尼を信じ脱走する娘たちを運んでいた娘船頭だが、辞めると申し出た途端に消され、その幼い弟から加代に願いが来る。 ロケ地、ほぼ全て大覚寺。大川端と、向島妙月庵も全て大沢池まわりで撮影。織子たちが逃げてくる堤、放生池堤。庵の戸口は東塀通用門(有栖川側・妙月庵と木札)。庵近くを通りかかった勇次が妙なる三味の音に聞きほれ自分も三味線を出して弾き合わせるのは五社明神。娘船頭が織子たちを上陸させる船着き、大沢池船着き(小)。縁へ出て三味を爪弾く妙月尼、観月台か。大川端にあがる娘船頭の死体、放生池堤。勇次の出陣、船で大沢池をゆき、池溢出口を有栖川から見上げて石垣の間を船がすーっと通るアングルも。秀の仕掛け、東塀に取り付き戸口から出てくるのを待ち、通用門前の橋上で丹波屋を殺り、後は有栖川河床に降りて伊助を引きずり込んで始末。 *妙月尼に加茂さくら。一味は大坂新町遊郭に女を供給する企みで織子らを引っ張り込み、尼と同心がデキていたり←娘船頭はこれを目撃し嫌気がさす設定。順ちゃん不参加←試験に落ち熱出して寝込み・ツナギにも顔出さず。 ■ いろは若衆 ふり袖ざくら 佐々木康監督作品 1959.1.9東映 ひばりと里見のコンビが歌を織り交ぜて道中の人情劇、いなせな兄哥と花嫁衣裳の二態のひばりでサービス。 明神さまの祭りで暴れるヤクザと事を構えた菊太郎は、ほとぼりをさますため父の古馴染という浜松の貸元のもとへ。道中、調子のいい渡世人の源太と道連れになり、やりこめて親分と呼ばせるほか、道中師の姐さんとも関わりあう。浜松の親分・仏の銀兵衛は菊太郎を暖かく迎えてくれるが、対立する天狗一家には、江戸でトラブった憎っくき権九郎が客分として来ていたのだった。 ロケ地、菊太郎が源太と出会う街道、不明(山上の地道、眼下にもやった盆地)。二人して財布を掏られ女道中師を追っかける道、田んぼの中に立つ鳥居、大原野神社参道鳥居(現在石灯篭は残るものの鳥居は撤去されている)。銀兵衛親分の仇を討って江戸へ帰るお菊、追いついてきた源太と渡る橋、本梅川若森廃橋か。 2007/2/16 ■ 銭形平次 第358話「唄が殺しを呼んでいた」1973.3.14フジ/東映 ヤクザの逆恨みによる殺し、はじめ間違えて別人を殺り、以降も執拗に付け狙う。ドラマは殺された女の亭主や狙われる女の葛藤を織り交ぜて進み、緊迫の捕物を経て重苦しく沈んでいた亭主の心はほどけてゆく。 ロケ地、下手人の渡世人にたばかられた梅吉がチンピラに殺されかける桜堤、不明(土手下は荒地)。樋口さまが念仏の寅蔵の素性を聞きにゆく関八州取締役役宅、相国寺林光院(導入は内側から、待っていた平次と路地を西へ)。囮になり町をゆく師匠を行商人姿で尾行する平次と八、仁和寺水掛不動入口〜鐘楼前〜経蔵から金堂付近の林間(ここで立ち回り)。 *師匠は小畠絹子、彼女の家へ転がり込んでいた女が喉をきかせていて誤認されるのがタイトル。殺された女の亭主は長谷川明夫、暗い目をして仇討ちを志す翳のある男を好演。傑作なのが渡世人の藤岡重慶、通り名の念仏は子分の位牌を持ち歩き始終ぶつぶつやっていることから来ていて、執拗な性格がよく出ている。呟いてるのは南無阿弥陀仏じゃなくてお題目。 ■ 南町奉行事件帖 怒れ!求馬 第5話「騙されつづけた女」1997.12.1C.A.L 筆屋を営む未亡人は世話好きで気のいい女、その人望に付け込み大金を騙し取る男は彼女の恩人。女は裁きの場でも彼を擁護し被害届を出さず、ために戻るはずの金も頑として受け取らない。 ロケ地、後藤屋の手代が心中を擬装されて見つかる野原、不明(丘の上か)。 *おせいは中村玉緒、大悪党の札差に和崎俊哉。お白州にいる椅子に座った同心に福ちゃん。 ■ 逃亡者おりん 第16話「闇を裂く柳生の剣」2007.2.16TX/C.A.L 道悦の鼻をあかしてやろうと企む田安・森川組は、柳生を使い密書を奪わせる策に出る。復権の機会に沸き立つ柳生衆、その中にあり新参の男は女房を楽にさせてやろうと逸るが、その妻はかつておりんが逃がした手鎖人なのだった。 ロケ地、柳生へ向かう道で山なみを望み「大和の国…」と呟くおりん、谷山林道。田安邸、大覚寺大門。柳生へ入る街道に張られる検問、山道は酵素ダート、町の辻のはセット。詮議を避け迂回したおりんが柳生衆に囲まれる町はずれ、大覚寺五社明神裏手(道悦が出て柳生と立ち回り)。逃れたおりんが息をつく木の根方、酵素河川敷の木(竹林から出て川を渡る)。そこで畑を耕していた農婦、酵素降り口際。その農婦「お駒」の家、酵素民家セット。道悦が巣食う東はずれの無住の寺、神護寺鐘楼と石段(後段、柳生者が道悦を襲い斬られて「石段」落ちでイタタ)。お駒の亭主・坂本平八がおりんを見つけチャンバラの林、神護寺参道南の杉林(坂本が道悦とやりあうのも同所)。お駒が去る道悦を見る道、神護寺参道南の道(トイレへ行くとこ/遠景に金堂石段の横っ腹が映り込んでいる/下写真左)。坂本夫婦が獣道から逃がしたおりんを襲う手鎖人たち、清滝川・金鈴渓(沈下橋にデコレーション、橋脚を覆ってあるほか簡単な欄干を付けてある/下写真右)。戦闘後、清滝川右岸沿いのハイキングコースを歩く合羽着たおりんの姿もある。ラスト、おりんがゆく街道の一部に谷山林道。 2007/2/15 ■ 銭形平次 第357話「雪の挽歌」1973.3.7フジ/東映 万両分限の仏具商殺し、当初息子が疑われるが彼の放蕩の因である大旦那の妾に平次の目は向く。調べると出てくる幾つもの不審、裏には惨めで哀れな浪人の実態が隠れていた。 ロケ地、江島屋の妾・佐和の亡夫の友人に面通しをさせる寺、大覚寺(平次らは勅使門橋の上で月参りに来る佐和を待つ。彼女は有栖川沿いをやって来る)。観念し神妙な態の佐和を表で待つ平次、放生池堤(八が自害を知らせに走ってくる/親分は武家の奥方らしい最期だったか八に問う。江島屋は池之端萱町、池は不忍池か)。 *佐和に三条泰子、身を捨てて男の希うところを叶えようとする哀しい愛が泣かせる。「綾乃」の情夫・最上浪人は山本学、江島屋若旦那の馴染み芸者に御影京子。「佐和」の亭主・高木浪人を看取る際の山本学の顔メチャ怖。 ■ 南町奉行事件帖 怒れ!求馬 第4話「密命帯びた男の剣」1997.11.24C.A.L 勧進相撲をネタの博打で儲けた金を、お家乗っ取りの資金に使う痴れ者あり。秘密を守るため重ねた殺しで町方が動くが、当のお家のほうから獅子身中の虫を駆除すべく忠義の臣が遣わされていた。 ロケ地、勧進相撲の土俵、不明(後段、回向院のそれも同所)。幕下の力士を殺めたと目され失踪していた火消しの死体が上がる川端、嵐峡汀。不知火藩下屋敷、門は不明、庭は中山邸庭園(苔庭、苦海)。上屋敷門、嵐亭か。相撲の博打はイカサマと胴元の口入屋に捻じ込んだ米問屋が襲われる帰り道、大覚寺護摩堂前。 *謎の浪人・鏑木に北大路欣也、留守居役に磯野勤、つるむ博徒あがりの口入屋に黒部進。行司が峰蘭太郎だったり、米問屋を襲うチンピラに福ちゃん。*鏑木を呼び出し釘をさすお奉行、やり取りが将棋の手で進むのも面白い。 ■ 新はんなり菊太郎 第6話「秘密」2007.2.15NHK 不可解な行動をとるええしの嬢が抱えていた深い悩み、彼女一人で到底捌ききれぬ重さを、菊さんが温かく手を添え昇華してやる情話。惑い怖じながら、きっぱりと運命に立ち向かうと決めた取り替えっ子の表情が美しい。 ロケ地、思い詰めた顔で橋に佇むお琴、中ノ島橋。釣りに出た菊さんがついてきたお凛にまだ帰る気にならないか問う川辺、大堰川汀(ラストシーンも同所、右岸)。伏見・美濃屋、主の親戚筋がお信と会っていると聞き溜息の政江、錦水亭東屋橋上。お琴が産婆のおたつに何やら渡すお宮さん、今宮神社稲荷社。 *お琴の両親に真実を告げにゆく菊さんのくだり、泣かす仕掛けのお芝居なれどやっぱりほろりと来る、説得力のある「たとえ話」。重すぎる悪戯をはたらいた老婆に見せる怒りもいい。取り替えられた「貧しいほう」の現況設定、やりすぎかもな感じ。*釣りに出る川の設定、この川はどこへの会話で「伏見へ下って」とあるゆえ鴨川と推測される。 2007/2/14 ■ 銭形平次 第356話「巳之吉いのち」1973.2.28フジ/東映 自首しお咎めも軽いと思われた男が獄死、無惨な死に様の裏には、というお話。女房の復讐譚と謎解きが緊迫したドラマを作り、テーマは涙の夫婦愛。 ロケ地、巳之吉について担当した馬道の勘助に尋ねる平次、今宮神社東門内側・石橋たもとに茶店をしつらえ(茶店の女将は後に「刃傷事件」目撃を証言)。お房が伝馬町牢番の仙造を難詰する夜の大川端、大覚寺大沢池畔。巳之吉の墓に参るお房、黒谷か。 *お房に桜町弘子、馬道の勘助に内田朝雄。*タイトルは、巳之吉の死に関わった者どもが不審死を遂げるたびに出る「巳之吉いのち」の貼り紙。その真意を汲み取る親分が泣かせる。水茶屋勤めをしていたお房が巳之吉に救われた事情を自分と重ね合わせ、仇討ちなら完遂させてやってと懇願するお静も涙もの、ラストシーン「平次いのち」と書いてみるのも可愛い。この場面ちょっと気になるのは…親分ひょっとして盆栽もヘボ? ■ 南町奉行事件帖 怒れ!求馬 第3話「歌麿美人画の謎」1997.11.17C.A.L 北町同心殺害事件出来、月番は南。両奉行所の面子がかかったデリケートな案件を、飄々と乗り切るお奉行が見もの。お孫さんは勘違い方向へも突っ走るが、とにかく忙しなく動いてヒントを探り当てる。 ロケ地、殺された同心が握りしめていた美人画のモデル・高島おひさ宅へ赴く花井のダンナたち、大覚寺大沢池畔〜望雲亭(おひさの暮らす「寮」)。帰り道、お京が冷かした為吉をどやしてドボンは放生池堤。江戸城イメージ、姫路城天守(御廊下で北町奉行が根岸肥前守に捜査中止を申し入れ、このシーンはもちろんセット)。 *北の内通者宅を家探しするのに使われるお奉行、自宅に呼び出して長いこと待たせ、出てきたと思ったらのらりくらり、次第に追及のトーンが上がってゆき「証拠は!」と同心が叫んだそのとき、泥だらけの花井らが現れるナイスな構成。高廣さん巧すぎ。*求馬が判じ物の解説をしていて火箸の意味に気付くくだりも傑作、「ユリイカ!」状態で走る走る。笑えるポイントは柴のお長屋家探し現場にも・床の根太まで切っちゃって、見つからなかったり帰って来ちゃったりしたらどうしたんだろう。*柴誠十郎に藤堂新二、北のお奉行に大林丈史、高島おひさに由美かおる。*クサっていた花井のダンナに花を持たせる「思いやり」もなかなか利いている。 2007/2/13 ■ 銭形平次 第355話「地獄を告げる鐘」1973.2.21フジ/東映 冤罪事件に取りかかる平次、しかし担当は酷薄な鬼与力で痛め吟味のすえ自白をとり、遂に白州が開かれることに。期限を切られた親分は命を賭して悪党に向い、その行為は鬼の心をも動かすのだった。 ロケ地、八丈島遠島の罪人が船に乗せられる番所、琵琶湖西岸・浮御堂か。失踪した、鍵を握る男の実家がある柴又へ向かう平次と為吉、広沢池東岸。 *罪人に情けをかけるもののたばかられ腹を切った父を持つゆえ鬼となった与力、息子と今生の別れをしている老婆を突き飛ばすなどばりばりの悪人面が、自ら非を認め職を辞する潔さを見せさばさばした顔で歩み去る「いい人」に。悪くない戸浦六宏が、悪人面と善人面同時に拝める貴重なお話。*事件は阿片抜け荷の金をめぐるいざこざ、捕まってエラい目に遭う男以外、殺されてるのもみんなワル。手蔓を辿ると糸が切れ、証人を確保するとかっさらわれと起伏の多い話、冤罪の男のいる牢に火が迫ってお解き放ちなんかもある。このときの牢奉行と平次のやりとりも情味深い。 ■ 南町奉行事件帖 怒れ!求馬 第2話「大奥に駒が飛ぶ」1997.11.10C.A.L 前回残ったままの黒幕にメス、木曽屋毒殺に関わった牢同心から悪徳商人にアシがつく。その男がもてなすお中揩ェらみで風紀紊乱著しい大奥が出てきて、これが黒幕を屈服させる決定打に。 ロケ地、「豆千代」が田安の使いで大奥へ赴くくだり、お城イメージに二条城隅櫓、城門は北大手門。田安の使者が大奥へ入った旨報告を受けるお艶の方、清流園。京坂屋の駕籠をつける花井同心、大覚寺観月台脇〜五社明神。お艶の方と懇ろの役者に苦言を呈する求馬、大覚寺天神島(祠、汀)。お艶の方が役者と密会する京坂屋の寮、中山邸通用門。 *お艶の方は山本ゆか里、奥野哲翁は坂本長利、京坂屋に高野真二。*お白州に無資格で入ってくるのだから驚くに当らないが、役者とお中摶ァ会の閨からぬっと出るのは大笑い。 2007/2/12 ■ 銭形平次 第354話「万七子連れ唄」1973.2.14フジ/東映 町方が躍起になって追う凶賊、一味の男に運命を狂わされた女を万七が保護。二人は心を通わせるが、立場の違いは越えられず別れが待っている。 ロケ地、万七がおとよに声をかける橋、中ノ島橋(その後の入水は映像なし)。万七が疾風組にボコられ因果を含められる夜道、相国寺弁天社前〜鐘楼脇。十手返上と言い出した万七に事情を聞く平次、大覚寺天神島祠脇。江戸を売ろうとしていた一味のヤサに討ち込み大捕物の寺、丹波国分寺境内(夜間撮影)。おとよが江戸を去ったことをまだ知らず坊と縁日をゆく万七、木島神社参道。 *おとよは弓恵子、彼女の元情夫(疾風組)に穂積隆信。*おとよを敢て引き止めない平次、彼女が万七の亡妻に酷似という事実を慮ってのこと(万七の真意は不明)。 ■ 南町奉行事件帖 怒れ!求馬 第1話「両国橋に駒が飛ぶ」1997.11.3C.A.L 両国橋普請中に起きる大事故、人足ら多数死傷。手抜き工事と囁かれるが、そのことを訴えようとしていた男は消される。早々と打ち切られる不審死に関する調査、残された娘が役人への不信を募らせるのを見た求馬はブチ切れ、お奉行の祖父に強談判→「勘当じゃ」。ここからはじまる求馬の大活躍、身分を離れ悪党めがけてまっしぐら。但し、彼の行動は様々な人にサポートされているのだった。 ロケ地、両国橋の事故で大川へ落ちる人足たち、嵐山公園中州掘割(湛水域)。お静の父の死体検分、中ノ島橋下手河原。老中・水野を呼びつけ両国橋に関する詮議を牽制するお艶の方、粟生光明寺(堂内部、回廊)。姿を消したお静のことを聞き回る求馬、茶店のシーンは大覚寺放生池畔に床机あしらい。手がかりなく座り込みボヤく求馬、放生池堤。普請奉行改方が出て彼に突っかかるのは護摩堂前。お京らが屋台蕎麦の親爺にお静の父の目撃情報を聞き込み、中ノ島橋たもと(先に出た改役が出て凄む)。普請に関する暴露本を出した蜀山人のもとへ駆けつける求馬、中山邸門。ここへ殺到する改役らを誘導し自分を追っかけさせた蜀山人が芸者の船に飛び乗り逃れる川、嵐峡。 *普請奉行は川辺久造、改方は内田勝正、つるむ材木商は外山高士。こやつら三人が尻尾切りされて今回はおしまい、黒幕には至らず持ち越し。 ■ 続・三匹が斬る! 第1話「女の砦 降るは涙か血の雨か」1988.12.1 お奉行なのに殺人犯として追われる陣内、わけの判らない襲撃を受ける残り二匹。存外早く合流した三人が、山賊に狙われる女ばかりの里を守って戦う。悪党は、公金横領を糊塗しようとはかる所司代や、謎の財宝狙いの欲深と取り揃い、里に血の雨。 ロケ地、京都町奉行所、大覚寺明智門。寝ていた千石に矢が降り注ぐ神社、鳥居本八幡宮。船の殿様に槍が飛んでくる川、木津川。郷士・川野杢兵衛邸、民家門。体を洗う千石がSOSメッセージの布を拾う川、保津峡落合河口。追われていた娘を助けた千石が彼女をおぶって里へ向かう道、落下岩前〜千草の里(そそり立つ岩壁に小滝落ちる山中、「あずみ」等でも出たあそこ)。夜を待って京へ向かう千石を襲う赤虎党、下鴨神社泉川。町奉行所へ辿り着くも陣内の仲間として追われる千石、二方から挟まれ川に飛び込んで逃げる橋は流れ橋(船を出す追っ手を岸辺で寝ていた陣内がひっくり返し/衣を乾かす千石は橋下)。里へ向かう三匹に小田島浪人が合流する山道、谷山林道。京都所司代、大覚寺大門。陣内が探りにくるシーンでは前の御殿川を伝う。 *紅一点の新顔は里にたまたま来ていたおせん、藤代美奈子。千石との別れが悲しい村娘に高樹澪。所司代は田中浩で杢兵衛(兼赤虎)は勝部演之、女たらしの浪人は中条きよし。*陣ちゃんの頭、今回はずっと月代剃ったまま。 2007/2/11 ■ 新・座頭市3 第11話「人情まわり舞台」1979.7.9勝プロ/フジ 恩人の市を見かけた「ぶっといヒモ」は見栄を張ってもてなすが、転がり込んでいる先の代貸に市を殺れと因果を含められてしまう。腐っても市に手をかけたりできぬ男の「工夫」が見もの、牙をむいたヤクザどもに市の仕込みが舞い、「ヒモ」とその女に纏わりついていたしがらみがほどかれる。 ロケ地、代貸が差し向けた用心棒と斬りあう市、広沢池北西岸。 *博打狂いで親を泣かせた潮来の船大工の倅に原田芳雄、今はヒモ。市を招じ入れた二間の家で、市の手を引いてぐるぐる回らせ広い家に擬装するのが大笑い、奥の座敷とか渡り廊下とか。市に毒を飲ませて仕留めるためのお芝居宴会、賑やかに歌うヤクザたちの顔凍ってるのが妙味、小峰隆司の表情が秀逸。 ■ 新・座頭市3 第12話「虹のかけ橋」1979.7.23勝プロ/フジ 現実を肯定できず、いもせぬ娘を求めて旅する女と道連れになる市。彼女の身の上話が狡猾なヤクザに立ち聞かれ、子を求める母の心は市への仕掛けに利用されてしまう。 ロケ地、市とお須磨が出会う深谷宿への抜け道、保津峡落合(お須磨が崖下を見て傷心し顔を伏せるのは落下岩、下の清滝河口も落下岩も共に見上げ・見下ろし両方のアングルあり。市が落下岩の「下」から現れ、お須磨が引き上げてやる←抜け道と教えられたがとんだ急崖だったという設定)。道連れとなった市とお須磨がゆく野道、七谷川河畔林そばの畦道。休む茶店、丹波国分寺前にセット(土塀のみ「茶店の中」から映り込む)。ヤクザがお須磨の娘に仕立てる下女が、隠して飼っていて放られた子犬を追ってゆくと市がいる葦原、広沢池東岸(後段、里の子らと遊ぶ市も同所、水無し)。お須磨が勧める酒を呷って昏倒した市にヤクザが殺到する河原、大堰川河川敷。 *お須磨に中村玉緒、娘は死んでない神隠しに遭ったと言い募る狂気を孕んだ目が怖い。市の首をとり組の跡目を継ごうとはかるヤクザに蟹江敬三、話を持ち込まれるところの親分に今井健二、手下に有川正治。*娘をとるか市をとるかと迫られ毒酒を渡されたお須磨が市にそれを勧める際のブラックな暗喩と、ヤクザが娘に刃を突きつけている遠くの気配に全てを覚り芝居を打つ市、ほとんど神の領域。 ■ 必殺仕事人V激闘編 第28話「何でも屋の加代、求婚される」1986.6.20ABC/松竹 母が番頭と再婚したことでグレる青年、彼が加代にコナをかけたことがきっかけで再婚相手の悪辣さが知れるが、その途端悪党どもは正体を現し母子を葬り去る。 ロケ地、町中でラリっていた紅屋の死体が見つかる水辺、大覚寺天神島。屋台を引く加代に脅しをかけたあとで真吉と駆け落ちしろと金を出す和泉堂の現当主、今宮神社(東門内側〜稲荷社前と裏手)。医師・玄斉に阿片中毒女始末の件で詫びる和泉堂、小石川養生所薬園設定の水辺は梅宮神苑か(池に菖蒲が茂る)。 *加代につきまとうナイーブな青年・真吉に新田純一。悪党どもは和泉屋乗っ取りは序の口、、養生所流れの阿片を売り捌き巨利を貪る一味。 2007/2/10 ■ 遠山の金さん 第57話「ギヤマン飾りの女」1976.11.4NET/東映 冒頭、国防・外交について水野老中との議論が前フリの、異国船に救われ帰国した者たちのお話。国法により罰せられることを逆手にとり、難破から辛くも帰還した漁師たちを脅し娘を売り飛ばし肥え太る悪党どもに、お奉行の特大の雷が落ちる。 ロケ地、恋人が失踪し荒れる魚屋の千吉が弁天一家と喧嘩する神社、吉田神社竹中稲荷舞殿脇。千住宿の飯盛女に売り飛ばされた千吉の恋人が物思いにふけっていると、やり手婆にどやされる水辺、広沢池東岸。 *千吉に志垣太郎、恋人のおれんに渡辺やよい。安房勝山藩代官に武藤英司、代官手付に伊吹聡太朗(クレジットの字は謎)、ヤクザは岩尾正隆。おれんを千住で見たと話すお大尽に北見唯一、遣手婆に新屋英子なんかも。*お白州、悪代官とやりあっててキレたお奉行、請求されてもいないのに証拠を見せてやると桜を出して迫る←代官、後ずさってて縁から落ちるが長袴の裾で風起こして後押しする金さんもナイス。もちろん判決は全員極刑。 ■ 必殺仕事人 III 第23話「ギックリ腰で欠勤したのは主水」1983.3.18ABC/松竹 秀が拾ったのは、山形から父探しに出てきた母子。坊を連れて行った見せ物小屋に父はいたが、彼は好き者の女を誑かす道具にされていた。 ロケ地、秀が母子を拾う川端、大覚寺放生池堤。お静の回想、茂助を見送った故郷の峠、不明。茂助の営業実態を見てしまったあと、親子三人語り合う丘、不明(松の根方?)。一家が始末されかかる屋形船、広沢池(秀が駆けつけるのは東岸、茂助の検死も東岸、水上のシーン一部大沢池か)。仇討ちを加代に託し江戸を去る母子がゆく小雪舞う野道、酵素河川敷。 *「怪力熊男」で見せ物小屋に出ていた茂助に丹古母鬼馬二、舞台では全身毛だらけ。女房のお静は早乙女愛、座頭に黒部進。*順ちゃん参加(ライデン瓶)。 2007/2/9 ■ 銭形平次 第353話「狙われた町奉行」1973.2.7フジ/東映 お奉行暗殺計画情報がもたらされ情勢は緊迫、しかし話の出所が怪しいほか嫌味ったらしい火盗改が平次のまわりをうろつき、加担者と思われる男女は相次いで消され事態は混迷するが、平次は理詰めで真実に迫る。 ロケ地、お奉行登城下城の道を固める町方一同、奉行の駕籠がゆくのは相国寺湯屋前〜弁天社脇〜鐘楼前〜林光院(訪問先の本多家?)へ入る(平次や樋口さま以下この付近の物陰や林間に潜む)。町をゆく火盗改の川辺に声をかける妹、永観堂弁天社鳥居前池端(茶店の床机あしらい)。川辺宅に小間物屋に化けて探りを入れる八、そこへ帰宅した川辺が歩く前庭、相国寺塔頭か(苔庭と石畳)。お奉行のお忍びを狙う浪人たちが潜む建物、上賀茂神社奈良社。奉行の駕籠を襲う一味とチャンバラは北神饌所前、川辺とお奉行が語り合うのも同所、その頃まだ立ち回り中の親分が浪人をシメているのはならの小川畔。 *お奉行は江見俊太郎、悪役じゃないときは上品さが線の細い優男になるのが面白い。大目付への昇進を断った清廉さが災いする設定、実はお奉行と同じ性質で硬骨漢だった川辺は吉田輝雄、小津作品でお見かけしたことが。獅子身中の虫は高桐真、黒幕の旗本は高野真二、浪人たちは平沢彰・柳原九仁夫・笹木俊志と常連の悪役陣。*平次が覚悟を迫った元吟味与力は切腹、黒幕については詳らかならず。 ■ 逃亡者おりん 第15話「涙の姉弟酒場」2007.2.9TX/C.A.L 酒肆を営む女に拾われるおりん、女の弟は腰の落ち着かぬヘタレ気味の青年で、おりんに言い寄ったり金のためお上に売ろうとしたり。結局姉弟はおりんを追う者どもの手にかかってしまうが、それでもおりんを庇い通すのだった。 ロケ地、手下におりん探索を命じる道悦、鳥居本八幡宮本殿(中盤、報告を受けるのも同所で、弥十郎が道悦を追って立ち寄る場面も)。大和屋の旦那が倒れているのを見て介抱ドロをはたらく為吉、大覚寺大沢池北辺並木(ここは町はずれの道設定で後段も出てくる)。おせんの家、美山民家(井戸や前の畑、お隣の民家も映り込む)。手鎖人に後金を要求し斬られる親分、鳥居本八幡宮広場林間。 *姉弟は有森也実と佐藤亮太、ところの親分に工藤堅太郎。*庇ってくれた姉弟の無惨な死に涙し怒りまくったおりん、手鎖人二人をギタギタ(レオタード変身、今回謎の武器「手鎖」の材質がよりワケわかんねー見え方)。追っ手を倒したかと思うと道悦が現れ「出せ」でおりん激怒、もうここで殺っちまう勢いだったが弥十郎が介入、しかも二人の決着は描かれず。*場所の設定、道悦の指令から名張と思われる。他の者には伊勢路や熊野街道を探らせていたり、伊賀街道逆行の可能性も示唆。また、ラストシーンでおりんが山道を歩きながら「この山を越えれば娘のいる…云々」の呟きがあり、次は柳生だしルートはよけい謎に。 2007/2/8 ■ 銭形平次 第352話「谷中河童横丁」1973.1.31フジ/東映 ミヤコ蝶々の母もの。20年前捨てた娘を求め江戸へやって来た浪花女は、立派に育ち婚礼を控えたその子を陰ながら見るが、子の父の島抜け男が関わってきてしまう。 ロケ地、和泉屋をのぞいた帰り、お市とお参りのお仲、吉田神社竹中稲荷本殿。お市が内緒と和泉屋の娘が捨て子と平次に耳打ちするのは参道重ね鳥居。和泉屋の娘をさらってゆく代貸たちと立ち回りの平次、相国寺弁天社脇。 *お仲にミヤコ蝶々、はじめ我が子かと訪ねてゆき以降も関わるやさぐれ三人娘のヘッドは土田早苗。子の父は北村英三、兄弟分の制裁覚悟で娘たちを助けるかと思いきや泣きは芝居という極悪人。三人娘にいっぱい食わされ代貸に泣きつく悪徳高利貸しは藤尾純。*タイトルの「河童」の訓みは「がたろ」、三人娘の住む「大坂」者が寄る長屋を謂うもので、職を指したものではない模様。今回も河内というと河内音頭。 ■ 新はんなり菊太郎 第5話「怪談・冬の蛍」2007.2.8NHK 先代と家付き娘が次々亡くなり、奉公人だった婿の手に落ちた料理屋に「出る」女の幽霊。お信情報とバーターで父に頼まれた菊さん、苦手だけど頑張る。出てくるのはよくある欲と妬みのお仕込み芝居、しかし己を卑下する亭主の心の裡に晴れぬ悔いが蟠るのが深いところで、凍った心を溶かしに、マジもんのお出ましとなる。 ロケ地、但馬屋の家付き娘を看取った医師・良庵邸、民家長屋門(外観イメージ)。女房の墓に参る清太郎、西教寺墓地。お信のことを聞き慌て駆けつける菊さん、大堰川堤か。今回も菊さんに会えなかったお信、休みの日の用は「済んだ」と言い放つ美濃屋玄関先、錦水亭東屋・橋上。 *清太郎に吹越満、家付き娘につぐみ、先代を恨んでいた女中に押谷かがり、同じく女中のお花に久保田磨希、「浦尾ちゃん」はお団子で内情をべらべら。*菊さんも田村の隠居も鯉屋の主も、ごっつい男どもが揃って「怖い」のが大笑い、マジもん目撃の源十郎が泡吹いて失神が更に大笑い・加えて現場へ来るのに衣の下お札だらけ。*決着つけようと出てきたお信が帰っちゃったのはお凛の横槍←菊さんへの思いが冗談でなくなり。*長屋、どぶ板直ってナイ。 2007/2/7 ■ 銭形平次 第351話「女将棋指し」1973.1.24フジ/東映 旅の将棋師が殺された一件から浮かぶ、おさまりかえった富商の過去の悪行。捕物名人の泣き所・将棋のヘボさを笑い話でたっぷりからめ、推理はいつも通りの冴えを発揮、悪党にボロを出させる大芝居に打って出る。 ロケ地、旅の将棋師・文吉の死体が見つかる川端、下鴨神社泉川畔。仏を見て声を上げた娘を尾行する八、糺の森〜撮影所セットにスイッチ。解き放ちになったお香代の行く手に用心棒連れで立ちはだかる浜田屋、河合社裏手〜立ち回りは池跡へ。 *香代は早瀬久美、文吉は鮎川浩、浜田屋は河村弘二、平次の将棋の師匠に西川敬三郎、ラス立ち細いほうの浪人は福ちゃん。*今までもちらちら出てきた平次の将棋の腕、八どころかお静にも敵わぬレベルと判明、皆にあんたホントに銭形平次?などとひどい言われよう。せっかく師匠に教わった妙手も見透かされフテ寝の親分が可愛い。このほか、旦那衆釣り込みのお芝居で目こぼし料を求めるいたずらっぽい目つきも傑作。 ■ 必殺仕事人 III 第22話「湯女に惚れられたのは勇次」1983.3.11ABC/松竹 変態のお大尽に殺されてしまう湯女の仇を討つ話、それは勇次に惚れていて、痛めた腕を労わり案じてくれた女だった。 ロケ地、勇次が順ちゃんを呼び出し医学的見解を聞く水辺、広沢池東岸(水少なし)。湯女のゆきがお参りの小春稲荷、今宮神社稲荷社(与力と幇間に拉致されるくだりでは、駕籠で東門を出てゆく)。 *変態サディストの両替商に梅津栄、つるむ南町与力は上野山功一。勇次の腕は順ちゃんが電気治療。 ■ 必殺仕事人V激闘編 第27話「主水、トカゲのしっぽ切りに怒る」1986.6.13ABC/松竹 悪徳商人とつるむ上役に収賄の罪をおっかぶされる下役の話。苦労して育てた妹に迎えた優しい婿を犠牲にされ、妹自身も仕事仲間も失った女は、闇の会に願いを上げる。 ロケ地、江戸城イメージ、姫路城天守。下勘定所、大覚寺式台玄関。賄賂を受けた件で下役に覚悟を迫る勘定組頭ら、大覚寺天神島。お藤が参る妹夫婦の墓、黒谷か。 *苦労人の姉に佐野アツ子、なんでも出前屋など企画して加代もたじたじの女傑。勘定所の悪い役人に宗方勝己、有川正治、高並功。 2007/2/6 ■ 銭形平次 第350話「三人の牢破り」1973.1.17フジ/東映 傷ついた脱走犯を捨て身で匿う女、裏には哀れな経緯。はじめ高利貸しの証文を「焼いてくれた」賊に報いるべく行動する女だが、状況が判るにつれ、思いは逃げ込んできた男個人に向いてゆく。 ロケ地、小伝馬町を破牢した男たちが酔漢の服を剥ぐ橋、中ノ島橋。逃げた賊の一人が兄貴分と会うくだり、潜むのは橋下手・右岸の小溝に架かるステップの下(材は木と縄の模様)で、兄貴分が出てくるのは橋下(設定は両国橋)。 *脱走の際肩を撃たれ酒肆に逃げ込んだ賊は森次浩司、女将は森秋子。のうのうと神田に店を開いていた賊の首領は外山高士。 ■ 遠山の金さん 第4話 2007.2.6テレ朝/東映 怪しさ満点の、金さんを用心棒に雇った常盤津の師匠にはとんだ悪党がついており、金さんを己の身代りに仕立てて殺し、新たな悪事を働こうとしていた。逃れられぬしがらみに苦しむ女を、桜吹雪が鮮やかに救う。 ロケ地、井坂浪人が「阿修羅の五郎蔵」に殺される芝山、鳥居本か。お奉行の回想、井坂殺害現場から立ち去った女が井坂と会っていた平河天神、上御霊神社本殿前。金さんと八太夫のツナギも上御霊さん、本殿脇と合祀摂社前。所払いとなったおちかがゆく道、大覚寺大沢池堤。 *おちかに床嶋佳子、7時台にはきわどいシーンをちょこっと。夜鳴き蕎麦屋に河西健司←お白州でお奉行に向かってゆき蹴り倒され。 2007/2/5 ■ 銭形平次 第349話「わんぱく純情」1973.1.10フジ/東映 悪たれのいたずらガキは、ふだんの行動から殺しを目撃したのに信じて貰えず、というおきまりの話。母が酒肆勤めなため淋しい、庄太の心を慮ってやる親分は冷たい大人にお説教。 ロケ地、庄太が万七を騙したり塒にしていて殺人を目撃する百姓小屋、大覚寺大沢池畔にセット。嘉藤次の調書を見た平次が出てくる神奈川奉行所、大覚寺明智門。 *怪しさ満点の悪党は海賊一味、甲比丹(カピタン)の傳次なんて二ツ名がいたり、温厚な町役を装っていたり、服装がケバ過ぎて親分に見透かされる下品な女も←三島ゆり子。*万七へのイタズラの一つ、腐った櫓がクライマックスの伏線に。坊のくりくりお目目が可愛いが、甘やかすとつけあがりそうな油断ならない感じも巧い。 ■ 三匹が斬る! 第21話「さらば三匹!満開の悪の花咲く京の都大路」1988.3.31 殿様は京都町奉行に見込まれ、千石は旅を共にしてきた一座の座長に惚れこみ、事件に関わってゆく。不平浪士を糾合して世直しの義挙がはかられるが、彼らを陰で援助するおじゃるはとんだ食わせ者という筋立て、拾われた恩で使嗾される実は優しい板前や、彼に恋するお奉行の養女、擬態して公儀の懐にいる大悪党など、豪華なキャストで派手な展開。最後は誰かさんの正体が明らかになり、二匹は京をあとに旅立ってゆく。 ロケ地、殿様がお伊勢参り帰りの母子と道連れでゆく東海道、谷山林道(継飛脚を襲う佐太郎や、佐太郎のなりで街道をゆく殿様も同所)。雨宿りの殿様が佐太郎に頼みごとをされるお堂、大覚寺護摩堂。奉行の養女とともに料理屋を出てきた佐太郎を見た殿様が彼を追いかける林、上賀茂神社渉渓園。奉行の娘に話を聞く殿様、広沢池西岸流れ込み際か。本物の「闇の佐太郎」を追い詰める殿様、およびおじゃる一味が金箱を船に積んでずらかるところでチャンバラ、大覚寺天神島。京を発つ殿様が渡る橋、流れ橋(河原に千石)。 *闇の佐太郎の身代りをつとめさせられていた板前に目黒祐樹、彼と恋仲の奉行の養女は石野陽子、呑んべで気さくなお奉行に鈴木瑞穂、奉行の密偵を勤める女将に佐野アツ子、その侠気に千石が惚れる座頭に御木本伸介、千石に色目を使う蔭間?役者は柴田p彦、義挙から脱けようとして消される浪人に藤木悠、本物の佐太郎に高橋長英、御所の金蔵が目当てだった悪いおじゃるに金田龍之介。*お芝居で殿様の勘平に首を刎ねられる千石の悪夢ではじまり、斬り込みにゆく彼が着ているのも定九郎の衣装なのがおかしい。 2007/2/4 ■ 新・座頭市3 第9話「雨の船宿」1979.6.25勝プロ/フジ 川止めの宿で展開される、ちょっとグランドホテルみたいなお話。市のあとからやって来て相部屋になる、十手を返上にゆく途の老目明しは、たった一つ心残りの十年追い続けた対象にここで出会う。市を相手にしんみり夜語りがなかなかの見せ場、目明しは市の所行を知悉している設定。 ロケ地、船宿、大堰川河川敷(宿から川を望む入口を河原に、船宿はセット)。雨上がり、対岸で待っている船頭を「見逃す」くだりは堤、そのあと市を襲う渡世人たちとのチャンバラは堤外地の地道(轍あり)。 *逃亡者だった船頭に山本圭、彼を慕う宿の下女に根岸とし江、目明しは須賀不二男。市を殺ろうとする下品な親分に藤岡重慶。このほか、金を積んで船を頼む訳ありげな若い男、女郎を乗り逃げする僧侶、雨の中遊んでいて作った傷から破傷風を発病する子供、子のため危険を承知で出す船に乗ろうとする傲慢な侍たちなどの群像劇がお話に厚味をもたらす。ここを先途と稼ぎまくる宿の親爺もいい味。*渡し場の設定、藤岡重慶が凄む際にここは岩淵の兄弟分の縄張りと発言、岩淵宿とすると岩槻街道の荒川か←日光御成道の荒川はたいそうな暴れ川で当時架橋不能。 ■ 新・座頭市3 第10話「市の茶碗」1979.7.2勝プロ/フジ 立ち寄った庄屋宅で名器を触り目利きを誉められた市は、その茶碗を作った名人に惹かれ窯場へ。いろんな人の肩を触ってきた手だと、弟子の助言を退け市が「心で」ひねった茶碗を見た名人は、天啓を得る。 ロケ地、庄屋屋敷、不明(茶碗を見る縁先と庭、名人の女房が代金を受け取る門まわり)。俺もひとつ作ってみるかと呟く市がゆく枯れ田、七谷川畔か。女房が茶碗入りの行李を盗られる茶店(市も行き合わせ)、平野屋。盗っ人が行李を開け茶碗ばっかりと怒って投げ捨てる神社の神楽堂、鳥居本八幡宮舞殿(市が居合わせ飛んできた名人の茶碗をキャッチ)。名人の工房、酵素河川敷(木のそばに登り窯、河原に小屋をあしらい)。返された自作の茶碗をお地蔵さまに持たせて去る市、北嵯峨農地か(松の根方)。 *名人・夢七は江原真二郎、妻女にいしだあゆみ。チャンバラは名人を斬りにくる土佐藩士らと(夢七はもと土佐藩のお抱え焼き物師)。土をひねる「手」のほか、火加減を「聞き」異能を発揮する市が見もの。また、名人に閃きを与えるものの、市の作った茶碗は評価されないのがよく利いている。 ■ 新・松平右近 第13話「おいてけ堀河童騒動」1983/4-9 河童に扮し人を脅して金品を盗る青年をとっ捕まえる右近だが、世話を焼いて更生させようとした矢先、青年は口を封じられてしまう。また、青年を殺った兄貴分も、彼の面倒を見ていた女掏摸も虫けらのように消されるに及び、かよわき者を利用し尽し甘い汁を吸っていた香具師は成敗される。 ロケ地、おいてけ堀はセット。右近が捕えた「河童」の惣太の長屋(本所回向院裏)を訪ねた音松が、「姉」と称するおきちと話す門は金戒光明寺三門。香具師の雷門の五兵衛が追い使うならず者が屯する本所回向院裏のスラム、下鴨神社泉川畔(境外への橋下手)、池跡(泉川にも池跡にもテントやバラック風味の建物や煮炊きの風景を演出)。惣太が右近に保護されている件で言い争うおきちと為吉、柊野堰堤下。惣太が毒殺されたことにショックを受けたおきちが歩く夜道、大覚寺有栖川畔(河床から見上げのアングル、背後に大沢池木戸、河畔に杭あしらい)。為吉が呼び出され殺される神社、五社明神(為七の死体を見たおきちが訴えてやると喚き始末されるのも同所、燈籠際)。 *おきちに水原ゆう紀、惣太に水森コウ太、為吉に本郷直樹、香具師の元締は川辺久造。*惣太の「おっかさん」に反応し無償で動く音松はお決まりの正ちゃん節、斬られたおきちが彼の背でこときれる、いつかどこかで見た構図もある。*音松の「河童は女が好き」の軽口に女装してくる常八親分が大笑い(ご丁寧に化粧もしている)、惣太を追って堀に飛び込んだ右近とおらん二人分の着物を見て「んー?心中か」も抱腹もの。 2007/2/3 ■ 遠山の金さん 第56話「可愛い女」1976.10.28NET/東映 髪結いの亭主が女房の命を狙うと見えたは誤解、凶悪な賊が錠前破りを迫る脅し。いじらしい女を見た金さんは、御金蔵破りの現場に踏み込み亭主の犯行を未然に抑える。 ロケ地、一味に加わることを断った錠前破りを殺してきた浪人とすれ違う釣りの金さん、広沢池東岸。髪結いのおせんがお参りの湯島天神、吉田神社。お参りは今宮社、石燈籠が落ちてくる帰りの石段は参道石段(端っこに交互に燈籠をあしらい)。直後亭主が現れるのは大本宮へ行く坂。亭主に女郎だったと告白し入水しようとするおせん、中ノ島橋たもと堰堤脇、亭主が去るのは橋上。 *おせんは鳳八千代、亭主を脅していた賊の首領(表の顔は善人の口入屋)は遠藤太津朗、一味の凄腕浪人に千葉敏郎、エンタツの手下に平沢彰や井上茂。*立ち回り後金さん珍しくグロッキー、肩で息←一味に浪人多数、しかも最後は剣客という演出。*今回で長命庵看板娘・お初退場、花嫁修業のため寿退職設定。 ■ 月形半平太 花の巻 嵐の巻 衣笠貞之助監督作品 1956.10.17大映 悲劇の美剣士・月形半平太を、天下の二枚目・長谷川一夫が演じた大映映画。 文久三年の京、尊攘浪士のなかにあって開国を説く月形は、攘夷に凝り固まった同志の反感を買い孤立、彼に私淑していた若者も離反し、幕府をも巻き込んで封建制度そのものを変革しようとした試みは、心ない天誅により頓挫する。そして見回組が桂小五郎らの会合を襲うと知った月形は、身の危険を顧みず駆けつけるが、その途次彼を裏切者と指弾する同志の凶弾を浴びて斃れる。 ロケ地、桂小五郎が隠れ住む南禅寺南禅院、本物の門と塀(導入は遣水落ち口を見上げ)。浪士狩りに襲われる高辻のアジト、外へ出ての立ち回りの小川、明神川か。藤岡らが新たなアジトとする洛北・妙泉寺(旧松ヶ崎歓喜寺)、高山寺石水院(藤岡らと出てきた早瀬に間宮の娘が戻るよう懇願するシーンはセットか)。姉小路卿が桂小五郎のもとを訪ね、月形と三人で将軍・家茂を理をもって説くプランを協議する南禅院のくだり、卿の供が待つ南禅院塀際、不明。 *月形半平太/長谷川一夫、早瀬辰馬/市川雷蔵、桂小五郎/山村聡、藤岡九十郎/山形勲、岡崎幸蔵/黒川弥太郎、間宮玄斎/大河内傳次郎、奥平文之進/田崎潤、文吉/沢田宗之助、勝股新兵衛/勝新太郎、梅松/山本富士子、萩乃/京マチ子、歌菊/中村玉緒、染八/木暮実千代 2007/2/2 ■ 銭形平次 第348話「初春 押しかけ女房」1973.1.3フジ/東映 とんだ騙り男の甘い言葉を信じ、「銭形平次の嫁」になりにやってきた田舎娘からはじまる珍騒動。お屠蘇気分もそこそこに贋金事件を追う平次は、お静に迫られニセ平次のもとに赴き、そこで思わぬ手がかりを得る。 ロケ地、「押しかけ女房」おたみの回想、ニセ平次が簪をくれて所帯を持つ約束をした佐倉の水辺、広沢池観音島。おたみを連れて浅草の神社へお参りのお静、今宮神社本殿、お参り後団子を食べる茶店は門前茶屋・一和。葛西村の清六の仕事場、不明(平次が偽者とやってくる道の遠景に豪壮な屋敷、とっつぁんの家は溜池端)。 *おたみに沢田雅美、ニセ平次の飾り職人に山田太郎。ニセ平次の持つ十手が大笑いの特大サイズ、これにカチンと来る親分も傑作で、最後は赦してやる段で樋口さまと金棒だ火箸だと笑い話に。ニセ平次に話を聞きだす親分はコミカル路線、いたずらっ気たっぷりにニセ者をのせて喋らせる。葛西村ではニセ者を持ち上げてついて来ている設定なので、親分は尻ッ端折りしてなくて裾かっさばいての立ち回りを披露。 ■ 逃亡者おりん 第14話「弥十郎 悲しき再会」2007.2.2TX/C.A.L 蝮に咬まれ動けぬおりんを助けた老婆は、自分にも娘がいると語り、娘に会うため旅していると打ち明けたおりんを励ましてくれる。一方おりんを見失った弥十郎は、侍に追われ殺されかかっている母子を助けるが、彼女は他ならぬ弥十郎を育ててくれたおばばの娘で、婆さんはいまおりんを匿っているその人なのだった。 ロケ地、蝮に咬まれ動けなくなったおりんが潜む鎮守、鳥居本八幡宮(後段、弥十郎たちが泊まる段でも出てくる。舞殿に扉を付けて、中から鳥居を望むアングルもある)。田安宗武邸、大覚寺大門。お梅婆さんの家・戸上村郷士の新田家、美山町北村かやぶきの里、おばばの家は民俗資料館。道悦が母子をタテに密書を渡せと迫る林、走田神社参道(立ち回りには参道脇の林間も)。 *水野久美演じるお梅婆さんは幼い弥十郎を預かり育てた設定、弥十郎の出自は「妾の子」と本人が言っているが詳細は不明なまま。おばばの死に涙するおりんとは対照的に、人の血など流れておらんと強がる道悦はまたまた手下を失うほか、一揆まがいに押しかけた村人を見て姑息に逃げるしかなくますます不利?な感じ。おばばの娘と孫を欲がらみで消そうとする若侍に加担し、弥十郎を襲うのは手鎖人ではなく田沼の手先で、リーダーは小峰隆司。*将軍がいる傍で密談の大岡と田沼、キャハハ上様はしっかり二人の話を聞いている。*里の設定、お梅婆さんの姓は「しんでん」、村は「とがみむら」と聞き取ったが字や場所は不明。前回は伊賀、行き先は根来だから、フツーなら名張街道を南下して一旦大和へ入ると思われるのだが、おりんは裏街道をゆくのでどこをどう通っているかわからない…まさか名阪国道ルートではないよね、旧道あってもあんな勾配のとこ手鎖人でも行かないと思うが果たして。 2007/2/1 ■ 銭形平次 第347話「八丈追分節」1972.12.27フジ/東映 八丈帰りの岩吉は、自分が島へ送られたあと残された家族になされた仕打ちを知り、復讐をはじめる。正義をふりかざし弱者をいたぶった三年前の無惨が浮き彫りになるほか、岩吉の感情を操り己が利をはかる者もいる、重苦しい話。 ロケ地、呑んだ帰りのは組の衆が兄貴分と別れる夜道、大覚寺五社明神。一人不忍池端をゆく紋次が岩吉に突っかかられ殺されるのは護摩堂前(紋次の通夜から帰る越後屋の番頭が殺されるのも同所、通りかかり「追分」を聞く清吉は大沢池畔)。行くあてなくお堂に寄りかかり追分を口ずさむ岩吉、上賀茂神社奈良社。岡場所にいる妹のところへ現れる岩吉、二人話すのはならの小川畔。 *岩吉は南原宏治、紋次は丘路千で番頭は坂口徹、岩吉を使嗾した山崎屋の甥に中田博久、とんぼ切っての大立ち回りは吹き替え?*岩吉の家族を八分にした長屋衆に、親分の辛口お説教。 ■ 新はんなり菊太郎 第4話「黒猫の婆」2007.2.1NHK お信の長屋に越してきた権高な老婆、娘夫婦と折り合いが悪く公事を頼むまでになるが、折しも盗品を商ったかどでお店に危機。一身に罪を着ようとする母を冷ややかに見ている娘だが、取り調べの段で持ち出された彼女の花嫁衣裳に縫いこまれていた心遣いが、全ての行き違いを氷解させる。 ロケ地、伏見の料亭・美濃屋、錦水亭。 *老婆に淡路恵子、養女の娘に楠見薫。信念を曲げぬ頑固婆さんと、気のきつい娘との言い争いが傑作。花嫁衣裳の襟元から出てきた金四分を見る際の、娘の表情が秀逸。 |
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