時代劇拝見日記
2007年7月

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2007/7/31

■ 天を斬る 第11話「倅は武士」1969.12.15NET/東映

 京で強盗をはたらいた自称「国士」が丹波へ逃げる。追ってゆく牟礼たちだが、藩領ゆえ立会いを求めた目付方の若者を殺伐に引き込んでしまう。

ロケ地
・寒そうに丹波路をゆく孫兵ヱ、切り通しのロングは谷山林道か。松並木の道は安行山、茶店に入ってきた行商人は侍と桜井が語るのは中山池畔。綾部藩領遠望は穴太の里を竜ヶ尾山から見下ろし。綾部城下はずれの郷士屋敷、民家長屋門。目付方を斬って逃走した「国士」を殲滅する神社、不明。綾部を去る牟礼たちに倅の死に様を聞く父、不明(6話で出た里と同じ)
*酔った舅を介抱していて斬られる目付方は住吉正博、父は月形龍之介で舅は明石潮、浪士との関わりを渋る上司は永田光男。*夫の亡骸が運ばれてくる直前、懐妊を知ったばかりの妻女が取り出していた梅干の赤が鮮烈。

■ 銭形平次 第472話「母の裁き」1975.5.28フジ/東映

 癇性な見習い同心は平次の言を容れずフライング、無実の逃亡者を追い詰めてしまう。芯に二組の母子の結びつきを据えた情話。
 ロケ地、目撃者の女中を聞き込んだ帰りの平次らが通る並木、不明(樹冠しか映らず)。文太が青柳の母堂を人質にとり「立て籠もる」船、広沢池東岸(設定は浜町河岸、漁具あしらい)
*見習い同心・青柳は南城竜也、母堂は北城真記子(鉄漿)。文太は工藤堅太郎、母は野村昭子。証文目当てに利兵ヱを殺ったヤクザは天王寺虎之助。*ねっちり嫌味な青柳の表現にアオリを多用。立ち回りでは親分の畳返しも。

■ 素浪人 月影兵庫 第3話 2007.7.31テレ朝/東映

 堅気を殺ったことで心に傷を負い三年を過ごした男、幼馴染の女のもとに転がり込んでいたそのヤクザこそお涼の亭主を殺めた仇。荒んだ男の意外な優しさを見た兵庫は、憎しみを露わにするお涼との間に立って話を聞くうち、品川屋清造殺しの矛盾に気付く。

ロケ地
・明神の丑松が殺される道、兵庫や半次が役人に誰何される街道筋、不明。
・藤吉が酒を食らっていると吉蔵が来て「話」を持ちかける宿場はずれ、大覚寺天神島
・お涼の亭主・清造が殺された品川宿はずれ、大覚寺五社明神裏手(それぞれの回想において微妙に違うアングルで複数回出る。夜間)
・吉蔵に強要されドスを呑んで貸元・松五郎を殺しに行く藤吉、大覚寺観月台下〜五社明神(表側、お涼が立ちはだかり)。斬りかかるお涼らをいなしたあと立ち去る藤吉を追って問い詰めるおみね、護摩堂(藤吉がおみねに清造を刺したと告白)
・兵庫がお涼に藤吉が致命傷を与えていなかった可能性を示唆する水辺、大覚寺遣水跡
・藤吉が吉蔵を呼び出し清造殺しの真相を問い詰めるも人数を繰り出され殺されかかる宿はずれ、湖南アルプスか竜王か。
・桔梗らや兵庫たちが行く街道、山室堤道
*藤吉は寺島進、おみねは芦川よしみ、吉蔵は団時朗、松五郎は石山輝夫。品川屋清造は冨家規政。*桔梗さま半次に乗せられ博打を打つ大酒は食らうのお下品、しかし宿酔いは東馬。
2007/7/30

■ 天を斬る 第10話「間者の来る朝」1969.12.8NET/東映

 二重スパイだった商家の大番頭、行為が露見し斬られるが、彼を手伝っていた手代も裏切者として狙われる。牟礼たちは彼を保護するが、気遣い空しく青年は我から闇に落ちてしまう。

ロケ地
・大番頭の家へ赴く已之吉、八坂神社境内〜石塀小路
・保護されていた旅籠を抜け出して「清水坂の屋敷」へ走る已之吉、石塀小路清水寺子安塔脇〜子安塔前の植え込み越しに清水寺の堂塔を遠景にして走り抜け。このあと法然院総門に駆け入り参道を走り山門へ。
・屋敷内、不明(萱葺き瓦葺と建物数多し、池泉と大刈込。阪口に似る)
・隠居を絞殺してしまった已之吉が繋がれる六角の獄、青蓮院長屋門
*純愛を踏み躙られて逆上する已之吉に石橋蓮司、隠居の情婦だったおりょうは志乃原良子、已之吉を慕う丹波屋の下女は中千鳥。大番頭のもとへ押しかける侍たちは幸田宗丸をはじめ川谷拓三や小峰隆司など。

■ 銭形平次 第471話「一人だけの約束」1975.5.21フジ/東映

 捕り方に追われた賊が逃げ込んだ先は、元の女の家。過去を隠し今の男を待つ女に、親分は一日の猶予を与えてやる。
 ロケ地、所払いになった男が帰ってくるのを待つお葉、下鴨神社参道
*お葉は葉山葉子。賊は首領が山岡徹也、浪人が有川正治、手下は井上茂に浜田雄史、お葉を騙し引き込みをさせた忠治は綾川香・頓死の経緯が痛すぎ。*ラス立ち、浪人ともつれてアタマから障子破り・直前に切り替わりがあるのでスタントか。

■ 水戸黄門37 第17話「育ての母、涙の決心」2007.7.30TBS/C.A.L

 破傷風で父を亡くし医師を志す少年、彼の意思を尊ぶも費えのため実親に返そうとする母。健気に互いを思いやる母子に、城中の陰謀が飛び火する。
 ロケ地、当地イメージに中尊寺・毛越寺・厳美渓。実の親のもとへやるため芝居を打った母に突き放され、泣きついてきた新吉と話す格さん、普済寺(導入は総門から、諭すのは鐘楼門下、陰で見る母は参道の並木)。新吉を拉致した悪党が母を呼び出す普源寺も同所、用人が姫に献上の袴に仕込めと針を渡すのは鐘楼門脇の林間。一関を発つ一行、不明。
*母は北原佐和子、実父は江藤潤。中年寄のお局さまに加担する用人は立川三貴。悪党の手下にくノ一もいるが弥七にあっさり制圧される。ラス立ち福ちゃんや峰さん入り、裃つけた藩士。
2007/7/29

■ 長谷川伸シリーズ 江戸の巾着切り 1972NET東映

 神技を持つ掏摸名人・芝節の芳蔵は、気ッ風が災いし常に飯櫃の底が見えている暮らし。陽気な女房が彼を支えるが、掏摸になりたいと現れた亭主の弟を擁護する始末。やむなく弟を訓練する芳蔵だが、好きな娘の苦衷を見た弟は兄の戒めを破り人様の懐から大金を掠め取る。事情を聞いた芳蔵はその金の封を破り弟に持たせるが、その夜助けた一家心中寸前の親子は弟に金を盗られた被害者なのだった。
 ロケ地、的を見つけ後をつける芳蔵、今宮神社石橋〜東門(仕事を同業者に持って行かれる場面はセットにスイッチ)。訓練中、好きな娘とばったり会う芳蔵の弟、「材木置場」(蔵が見えている)
*芳蔵は長門裕之、女房は藤田弓子、弟は佐々木剛で恋人は永野裕紀子、芝居口調の隣人はなべおさみ。*脚本/野波静雄、監督/井沢雅彦

■ 長谷川伸シリーズ 人斬り伊太郎 1972NET東映

 気まぐれで人を斬り、首吊りの足も引っ張る極悪渡世人・伊太郎。或る日亡母に酷似した飯盛女と出会ったことで更生を遂げるが、彼女の幸せを確かめにやって来た段で、かつて犯した罪の償いが巡ってくる。
 ロケ地、弟分の軽口に乗った伊太郎が旅の侍を斬る大間々の街道、北嵯峨農地・竹林際。心中者から盗った金で賭場へ出向いた伊太郎、出てくる門は金戒光明寺長安院、昔の弟分が声をかける道は永運院下坂。伊太郎の回想、義母に罵られ生母の絵姿を見て泣いたお堂の縁下、黒谷本堂か。亡母に抱き上げられた思い出、北嵯峨農地田脇。伊太郎を親分の仇と追うヤクザたち、金戒光明寺善教院前坂三門脇草叢参道下(弟分の魚金が三門から見ている)。おふうの部屋に金子を置いて出てきた朝、おふうに会わせてくれたと亡母に感謝する伊太郎、広沢池東岸。ヤクザたちが伊太郎を囲み散々に斬りつける夜道、中山邸参道
*伊太郎は丹波哲郎、亡母・おふう二役は鰐淵晴子。*脚本/鈴木兵吾、監督/斉藤武市

■ 長谷川伸シリーズ 旅の風来坊 1972NET東映

 親分なし子分なしの一匹狼・関戸の佐四郎、ある日助けた旅の父子の身の上を知った風来坊は、夫婦親子を隔てて泣かす悪党を懲らしめにゆく。
 ロケ地、冒頭の山道、不明(林道か)。帆立の親分とサシで勝負しおケラの帰り道は田畔か。高崎宿はずれ、釜太郎が五郎八の子分に見つかってしまう茶店、保津峡左岸の路傍にあしらい(入口演出の小道具のみ)。三人の斬りあう「崖下」、保津峡落合河口(見物の佐太郎は清滝右岸の崖道)。親子のその後を見に行く佐太郎、民家と周辺(導入は下の道から、元気になった坊に母への伝言を頼む田畔は門南側の田畔。下の車道が地道)。また旅ゆく佐四郎、不明(山道)
*佐太郎は片岡千恵蔵、釜太郎は伊吹吾郎、女房のおつるは中村玉緒。*がさつで大らかな好人物を、御大が伝法口調で演じる。おつるを女郎屋の二階から逃がすくだり、当て落とした赤木春恵の女中の帯をくるくる剥がして使うのが大笑い。*脚本/藤木弓、監督/稲垣浩

■ 長谷川伸シリーズ 三ツ角段平 1972NET東映

 親分が望んだ女の気持が自分にあると知った段平は、それでも目上の意向に従おうとするが、彼の侠気には悲惨な仕打ちが返ってくる。
 ロケ地、段平が棹を使う渡船、不明(水は湛水、岸は砂地、対岸には松林。茂十一家とのラス立ちもここ)。祭礼の神社へ向かう人々、民家前。お宮さんは藪田神社。親分にたばかられ成田の親戚筋に見舞いに行った段平の往還路、本梅川堤若森廃橋と周辺の田畔。
*段平は天知茂、彼を慕う芸者は野川由美子、店の女将に木暮実千代、親分は石山健二郎で亀裂を入れようとはかるライバルは天津敏。*脚本/宮川一郎、監督/村野鐵太郎

■ 長谷川伸シリーズ 頼まれ多九蔵 1972NET東映

 喧嘩っ早い黒塚の多九蔵、気に食わぬ者は片端からやっつけていたが、出会うたび調子を狂わされる、どうにも気になって仕方ない男がいるのだった。
約束したのに来ない男の代わりに、死んだ恋人が現れ仇のもとに誘導する逸話で締める。
 ロケ地、多九蔵が蟹蔵の顔に傷を呉れる街道筋の茶店、北嵯峨農地竹林際(設定は上州烏川、ラス立ち前蟹蔵の口から)。紋次と行き会うもいつもはずされる回想シーン、上州のは北嵯峨農地・信州のは保津峡落合河口。伊賀松が旅人を騙して殺し金をとる街道、広沢池東岸の林。尻啖え観音の刺青の男をとっちめる渡し船、大堰川。伊賀松が親切ごかしにさっきやっつけたのはこの先の矢板の親分の義理筋と教える道、大堰川堤か。伊賀松が飛脚を殺し金を奪う街道、北嵯峨・陵付近の地道。飛脚殺しと捕えに来た二足草鞋をシメた多九蔵が夜に泊まるお堂、鳥居本八幡宮舞殿に扉をあしらい。紋次がやって来てサシで対決となるが、矢板の親分が手下を引き連れて殺到し水を差す(立ち回りは鳥居付近や広場で)。意気投合した多九蔵と紋次が酒を酌み交わす船、広沢池東岸葦原(ここで紋次が背に彫った恋人・お峰の刺青を見せる)。紋次の回想、お峰を殺した浪人を討ち果たした町角、御室霊場参詣路途中の地蔵脇。紋次と約束した佐原へ馬に揺られ向かう多九蔵、広沢池西岸(稔りの田んぼ越し、馬子が神崎の渡しに出て「多九蔵さんを知らないか」と問う不思議な女の話をする)
*多九蔵は若山富三郎、紋次が渡世の義理を欠いても自分を襲わなかったと知り「喧嘩、やめよっか」が可愛い。羽斗の紋次は大木実で終始渋い(刺青のビジュアルが見もの)。*脚本/松村正温、監督/三隅研次
2007/7/28

■ 遠山の金さん 第81話「お京・合掌!」1977.5.5

 子供預かりの婆さんが裏で仕出かす人身売買、一味を見張るお京の脳裏に呼び覚まされる遠い記憶。お白州で年を理由にシラを切る婆さんだが、毒を盛られつつも尚慕い寄るお京に陥落。
 ロケ地、お仙が加賀の追っ手に囲まれる市中、相国寺境内か。葛籠を背負って出た熊五郎をつけるお京、相国寺方丈塀際。熊五郎が逃げ込む旗本・戸田左京邸、相国寺大光明寺門。病を発しキャンセルされた子を葛籠に入れて出てくるのは通用門。
*おさく婆さんは本間文子、熊五郎は曽根晴美。新顔のお仙は加賀前田家・伊賀者組頭の娘で、役目を嫌い出奔。お京の危機に忍者スタイルで現れる。*白州でお京に死なれてしまったお奉行、裁可のあとは尺をとって泣き芝居。「これにて一件落着」のつっかえ加減が哀切。

■ 必殺仕事人IV 第9話「主水晩めしをすっぽかされる」1983.12.23ABC/松竹

 窃盗団に恋人と父を殺された娘は、加代に仕事料を託したうえで仇を討ちにゆく。今までさんざん娘を苦しめてきた父が、ブツの出所を吐かず死ぬ情話が泣かせる。
 ロケ地、順ちゃんを連れ帰る途中で玉助に売る加代、今宮神社境内(ビラ配りの玉助は高倉脇坂、順ちゃんが隠れているのは稲荷社裏。このあと半九の行状のくだりで石橋が出る)。和島屋を呼び出し斬りかかるも返り討ちになるお栄、広沢池東岸(投石器の調整に来ていた順ちゃんが目撃/出陣も同所)
*実は盗っ人の質屋は中井啓輔、グルの岡っ引は野口貴史、お栄の父はタンクロー。
2007/7/27

■ 天を斬る 第9話「しぐれの町」1969.12.1NET/東映

 己の人生を犠牲にして女手一つで姉が育てた弟は、まだ一人前にもならぬ身で「国事」や「志士」にかぶれ、中途半端なまま死んでゆく。視野狭窄に陥った弟を掻きくどく姉の姿が哀しい。

ロケ地
・暗殺が行われた堀川、疏水分線・大豊神社御旅所前。釣りを装い獲物を待つ「志士」佐伯は右岸岸辺に、万五郎がひやかすが何も答えず。ムッとした万五郎がボヤきながら腰掛けるのは御旅所の東にある橋、百太郎もやって来て寒いので内から温めようという話になりお役目を放棄して酒肆へ。暗殺現場は御旅所前の辻。
*姉・おしのは森光子、弟・要吉は小川真司。佐伯は穂高稔、暗殺された男の妾は伊吹友木子。

■ 銭形平次 第470話「甲州地獄坂」1975.5.14フジ/東映

 甲州の岡っ引からの情報で大盗を捕える平次だが、その岡っ引が一味にさらわれたと聞き甲州へ。そこには、思いもよらぬ陰謀が渦巻いているのだった。
 ロケ地、甲府山中の情景はダイナミックな侵食地形からほぼ白水峡と思われるが、全部そこかというと街道筋や峠など疑問点あり。桑原のダンナの捕物を「助けてしまう」のは酵素か。紋次宅、民家門。桑原宅、不明。
*岡っ引の紋次は睦五郎でやっぱり悪党。天晴れな賞金首の儀十は山形勲で渋すぎ。実は儀十の弟だった、密告で捕まった疾風組首領は千葉敏郎。*崩壊地形を活かした大立ち回りが圧巻、それにしても親分強すぎ。

■ 刺客請負人 第2話「赤穂遺臣」2007.7.27TX/松竹

 また仕事に行った先で獲物を助けてしまう刑部、闇猫一派にも狙われていたその武士は、大石内蔵助と袂を分かち討ち入りに参加しなかった浅野の遺臣だった。徳松から来た新たな依頼に応ずる刑部だが、これにも浅野の遺臣たちが関わってくる。狙うは将軍の権威を笠に着た淫祀邪教のヌシ、希代の怪僧・隆光の弟。

ロケ地
・闇猫のアジト、丹波国分寺(門のみイメージ)
・天人教総本山・成光院、南禅寺三門(導入は下層の軒越しに基壇を見下ろすクレーンショット・西側)
・玉庄の娘が土左ヱ門となって見つかる水辺、嵐峡汀。
・奥野将監宅を辞した刑部を追ってくるゆき(将監娘)大覚寺放生池堤
・隆海の件の始末を話す将監と刑部、南禅寺僧堂坂
・隆海は病死ではなかったと擦れ違いざまに刑部に声をかけるお吉、大覚寺護摩堂前大沢池畔(堂は映らず、石仏と池が背景に)
*奥野将監は西岡徳馬、天人教の用心棒・河内は菅田俊。*原作を大幅に端折ってあるが、高田郡兵衛・毛利小平太・小山田庄左衛門らはちゃんと登場、討ち入りよろしく天人教へ斬り込み、用心棒の「吉良方」と刀を交える。これを止めた将監の言葉に感応してか、隆海に尊厳を踏みつけにされてきた河内は主を見限り、刑部の刃により解放されて死んでゆく運び。隆海の扱いは原作と異なりすぱっと一発。*お吉が刑部に接触してくるシーン、市中のひとこまには猫の爪シャキーンのシルエットが入ってて笑える。
2007/7/26

■ 天を斬る 第8話「旅先の女」1969.11.24NET/東映

 闇雲に京へやって来ては志挫け、良からぬ行為に走る郷士たち。牟礼と桜井は不逞と化した者を斬り、権田は未然に防ごうと地道な活動を続ける。救いの手届かずあたら命を散らす真面目な青年哀れ、弟の死を知らされず故郷へ帰る姉また哀れの、苦い一話。

ロケ地
・御用商人の駕籠に天誅をかける浪士たち、随心院参道(駕籠の中は牟礼で返り討ち)
・郷士・津村啓介がやって来る京道、親切な「旅先の女」が金を用立ててくれる茶店は木津堤にあしらい(内部はセット撮り)
・津村が訪ねてゆくさる藩の京屋敷、御所管理事務所東門(門前払い)
・津村の姉が故郷へ帰る道、流れ橋
*津村啓介は加藤恒喜、子犬のような困り果てた目が印象的。先に京入りし落ちぶれ果てている友人は柴田昌宏。彼をたばかる女は三原有美子、彼女の情夫に玉生司郎、親切面の「父」は吉田義夫。津村の姉が権田に挨拶して帰る際に擦れ違う、京にやって来たばかりと思しき浪士の一人に福ちゃん。*郷士の定宿になっている旅籠の向いを見張り所にしている権田、「未然に防ぐ」お説教をする相手を呼びに行くのは万五郎なのだが、怖い顔を近づけて「怪しいモンやおへん」とやるのが大笑い。百太郎も、牟礼たちが護衛に入っている御用商人の妾宅へ気味のわるい入り方をして桜井の微苦笑を誘うのが笑える。

■ 銭形平次 第469話「謎の脅迫状」1975.5.7フジ/東映

 放火が続く緊張の日々に届く一通の文、平次の十手を取り上げ不名誉に形で追放せよ・さなくば放火続行と脅す文面、笹野さまは市民のためとこれを呑む。平次を悪者に仕立て上げ十手を取り上げる役を振られたのが他ならぬ樋口であることと、彼の目が潤んでいることを平次は見逃さない。
 ロケ地、平次が十手召し上げと書き立てた瓦版を全部買い川に叩き込む万七、中ノ島橋上手中州岸(欄干越し)。熊五郎の仕事場へ雇われに行く平次、「材木置場」(材木のうしろに蔵)。平次を襲う火盗同心たち(イカ頭巾)下鴨神社泉川畔。
*火盗改筆頭与力に林与一、キャスティングと役職であらかじめ筋が判ってしまうハマリ役。腹心の同心には牧冬吉。島送りになったことで深く平次を恨み利用されてしまう熊五郎は金井大。今回から加わるひょうたんの看板娘・おちよは林寛子、魚屋の兄は吉田次昭。おせんちゃん退場に関してはエピソードなし。久々登場の与力の笹野さまは黒川弥太郎。「脅迫状」を笹野さまに届けにくる同心に福ちゃん、証拠を掴み奉行所へ押しかけた平次を留める場面でも登場、台詞はけっこうあるが立ち回りはナシ。*平次の苦境に周囲も涙ものの配慮を見せるが、晴れて宴の段で不在のお静が久々の昼風呂と称し熊五郎の位牌に香華を手向けに行っているのが泣かせる。
2007/7/25

■ 天を斬る 第7話「金色の湖」1969.11.17NET/東映

 店の主の理不尽に傷ついた青年は自棄となり、勤皇の志士という幼馴染の言に同調、悪しき世終われかしと協力を諾う。しかし友の一味は右左構わず伝手を頼る思想無き浮浪、青年と恋人の上に更なる理不尽が落ちてくる。

ロケ地
浮御堂を映し対岸にズーム、セットの草津宿の茶店(姥餅屋)のあと湖上交通の解説。矢橋の浦イメージに琵琶湖西岸(突堤と浜)。ここから横渡しに大津、と語られる場面では近江八幡の山なみにズーム。「瀬田の大橋」に本物の唐橋(通行人や駕籠あしらい)。このくだりは「東海道名所記」に拠ると語られる。
・道をやって来る平助、「右矢橋船着場」の道標がある湖岸、琵琶湖流入河川の河口(沖ノ島の見え方から西岸の川と思われる。河畔は草深い。ここで矢橋の舟運について語られるが、北湖を西から東へぐるっと見る図は琵琶湖大橋から北望のビュー)
・主の無体に店を飛び出した勇作がおすみと話す橋、不明(クリークに架かる木橋、船を通すため中央が嵩上げされている。背景には萱葺屋根なども)
・平助が勇作を呼び出した料亭・瓢亭、琵琶湖西岸の旅館ふう建物(牟礼たちがやって来るシーンで外塀が映り、路地越しに湖がのぞく。座敷からも湖が望まれ、庭の籬のすぐ外が浜。比良山の見え具合から和邇川左岸とも思われる)
・勇作を呼び出した平助の「供」を不審と見てつける万五郎たち、入った古寺は瀬田の雲住寺(西塀から門、中へ入って鐘楼脇へ出て本堂渡廊を行く「供」を見る。このあとはセット)
・牟礼たちの諭しによりやり直しを決めた勇作とおすみが店へ戻る湖岸、琵琶湖西岸。古寺を逃げてきた平助に斬られるのは突堤。
・勇作たちの死後金色に光った湖、今も秋の夜にと語られるくだりで映る湖は南湖・琵琶湖大橋から堅田方面を見た図。
*勇作は柴田p彦、おすみは御影京子。今回大沢孫兵衛は出ず。

■ 銭形平次 第468話「打首待った!」1975.4.30フジ/東映

 夢遊病の女が人を殺し捕まるが、彼女を知る者見た者はまさかあの女がと口を揃える。女牢の古狸が、切り放しの貴重な時間を費やして訴えるにおよび、平次は動き出す。
 ロケ地、万七の取調べに対するお園の供述、夢遊の気が出て徘徊し佇んでいた近所の掘割、上賀茂神社ならの小川畔。牢のお園に会いに来た女中に話を聞いた帰り、女を拉致しようとしている男たちを見て介入の平次、上賀茂神社北神饌所裏手渉成園(女も姿を消したことで「芝居」と判断)。お園への差し入れに毒が入っておりガメた牢番が頓死したあと、女中に差し入れの有無を確認する平次、上賀茂神社藤棚(川は映さず)。お園の処刑日が決まったと聞き奉行所を出てくる平次、大覚寺大門(亭主の「実家」の銭屋とヤクザの関係を調べてきて報告する八は参道石橋)。平次のはからいで一時牢を出されるお園、正体を現した亭主が彼女を始末にかかる江口屋の墓、黒谷か。
*お園は横山リエ、亭主は小川真司。牢名主のうわばみのお鉄は近江輝子、平次と懇意の牢奉行・石出帯刀は加賀邦夫、首斬り朝は南原宏治(メチャ怖の面つきと態度だが、平次の横紙破りを容れ協力してくれる「いい人」)。
2007/7/24

■ 天を斬る 第6話「桐の梢に」1969.11.10NET/東映

 国事に奔走する兄、世人と交わらず荒野に苗木を植え続ける弟。兄の身に変事が起き、託された書付を巡り弟の身辺が怪しくなるが、牟礼たちは過激派・町方双方の手から彼を守り落としてやる。

ロケ地
・望月小平次が耕す荒野、不明(養生中の砕石場跡にも見える)
・小平次に書付を託した兄がゆく山科から京への道、橋は穴太橋(たもとに地蔵や半鐘あしらい)、街道筋は不明(3話ラストの谷地田も出る)
・山科の里の情景、ほぼ不明(花嫁行列を見るおようは神社入口か/小平次に栗飯を持っていくと約束するおよう、谷地田?/小平次が寄宿する屋敷、長屋門の民家/おようの勤める飯屋、切り通しの出口にあしらい、切り通しの裾は石積、飯屋右手は開けた農地)
*小平次は佐々木功、兄は柳生博、おようは鷲尾真知子。

■ 素浪人 月影兵庫 第2話 2007.7.24テレ朝/東映

 道連れになった家出娘の素性はお姫様、困惑する娘を諭した兵庫はお家乗っ取りの悪党を退治してまた旅の空に。

ロケ地
・箱根山中でのんびり兵庫、保津峡遠景を映したあと落下岩に腰掛けるダンナ、半次は崖道を登ってくる。蜘蛛でからかわれた兵庫が半次を追うと娘が飛び出してくる山道は谷山か。
・兵庫がお奈津とうどんを食う茶店、谷山林道頂上付近にあしらい。半次がふらふらとやって来る道や桔梗の駕籠が来るのは切り通し(今回街道はだいたいここ、両側植林杉の林道は一部不明)
・つけてくる侍を誰何する兵庫、清滝川水系か。
・お奈津の生母と目されるお稲の家、酵素民家セット(木の前に畑、「左岸」に鳥居などあしらい、竹林や河川敷を村人が行き交う。民家セット内部からのアングルも。後段では降り口に刺客が殺到したり、ラストでは鈴を振り合う母子がダートと河川敷で)
・着物の袖ほ繕う兵庫、菩提滝(導入は滝上から、お奈津が滝壺で足を湿している)
・実は兼光藩の姫と知らされ困惑するお奈津、兵庫に泣き縋る水辺は沢ノ池東岸。
*お奈津は沢井美優、お稲は日下由美。途中から「姫」側になる藩士は菊池隆則、「分家」付きの剣客は清水紘治、「じい」は三谷昇。
2007/7/23

■ 天を斬る 第5話「祝いの夜」1969.11.3NET/東映

 商売で長く家を空けている亭主を迎えるため心を砕く女房、いじらしいその気遣いが惨劇を呼ぶ。高飛車で手前勝手な、体面のみ気にする愚か者どもに鉄槌が下る。

ロケ地
・「さる藩」の留守居役が牟礼たちに護衛を「命令」する庭、隣松園か。
・おたきが斬り合いの直後に出くわしてしまう空き屋敷、民家(南塀、内部と門内側)
*留守居役は舟橋元、おたきに偽証を強要する藩士は中田浩二。おたきは高森和子。*牟礼の金の出所、家屋敷を売り払って作ったものと本人が金使いを咎められ「告白」。この際神君を家康と呼び捨て。

■ 銭形平次 第467話「瓦版騒動記」1975.4.23フジ/東映

 将来を誓った女の、思いもよらぬ出自を知り苦悩する青年。一旦は秘密を握り潰そうとするが、酔って暴れたすえ「証拠」を平次宅に投げ込んでゆくのだった。
 ロケ地、お吉の身辺を聞き込んだ帰りの播磨屋番頭が殺される夜道、上賀茂神社ならの小川畔。この事件を瓦版に書き立てた三平がゴロツキにボコられる神社、今宮神社稲荷社。お吉に簪を渡す三平、今宮神社石橋(瓦版のことで苦言するお吉に構わず次号のヒントを得て駆け出してゆく三平は東門)。お吉に子供のお使いを立てて別れの文を届ける三平、上賀茂神社奈良社
*三平は三ツ木清隆、お吉は竹下景子。*瓦版はエスカレート、しまいに平次の大失敗などと書き立て、版元が万七から営業停止食ったり。殴り倒される三平を助けるのにおせんちゃんの機転、銭を投げて「銭形の親分さんこっちです」と大声。

■ 水戸黄門37 第16話「美人妻と武士の一分」2007.7.23TBS/C.A.L

 勘定方の「木っ端役人」が気付いた城代の悪事、冴えない男は命を賭して訴えようとするが捕まり、妻の命をタテにされ万事休す段で老公のお出まし。
 ロケ地、イメージに南部曲がり家。遠野入りの一行がゆく街道、不明。勘定方・貫井家、妙心寺雑華院。城代屋敷、妙心寺大通院。殿様に訴えに行く途中捕まる貫井、大覚寺大沢池北辺並木。遠野を発つ弥七、大沢池畔。一行のは不明。
*貫井は寺門ジモン、城代は石田太郎、悪徳商人は入川保則、御用を外される篤志家の米問屋は住吉正博。
2007/7/22

■ 長谷川伸シリーズ 雪の渡り鳥 1972NET東映

 恋をあきらめ下田を去った鯉名の銀平、四年後立ち戻った彼は外道の横行と恋しい女の窮地を見ることに。彼に引け目を感じた兄弟分は暴発、銀平は尻拭いを引き受けお縄を受けるのだった。
 ロケ地、下田港の情景に琵琶湖岸(砂浜の岸辺のほか、突堤も使用←ブロック丸見え)。五兵衛の駄菓子屋は海浜設定、琵琶湖岸の石垣を用いて表現。大鍋一家と帆立一家の出入りは湖南アルプスの涸れ河原。
*銀平は杉良太郎、お市は松原智恵子、兄弟分でお市と結ばれる卯之吉は江原真二郎、朋輩に古川ロック。帆立の親分は高品格、つるむ代官は高野真二。*尺ゆえディティールはかなり省かれ設定も一部変更されているが大筋は同じ。*監督・井沢雅彦、脚本・さわさかえ。

■ 長谷川伸シリーズ 中山七里 1972NET東映

 明日は祝言という女をヒヒ爺に汚された政吉は激怒、当の相手を嬲り殺して帰ると恋人は喉を掻き切って果てていた。逐電した政吉は、三年後旅の途でヒヒ爺におさんを斡旋した目明しと出会うが、御手配の女はおさんに酷似、政吉は唐丸を襲い女を連れて逃げる。
 ロケ地、昼休みに逢う政吉とおさん、新居のための日用品を買って帰りの坂、宗忠神社参道坂(見上げ)。昼を使うお堂の裏は金戒光明寺本堂裏手縁下(墓石も映り込む)。木場の情景、本物の貯木場と「材木置場」(玉垣は見当たらず、蔵と黒塀が見える)。中津川宿に現れる目明しの文太のくだり、飛騨路・木曽路分岐の石標を鳥居本の愛宕参道一の鳥居下にあしらい、飯屋の簾越しに見る趣向(この飯屋に渡世人となった政吉が居合わせる)。文太を避け中山七里をゆく政吉、山道は谷山か安行山か不明、峡谷は保津峡(左岸の地道と汀)。唐丸を襲いおなかを救出した政吉が縄を切ってやる巌、保津峡落合落下岩(この前に吊り橋が出る)。ラストシーンの早瀬、清滝川・落合橋下の河原。
*川並人足の政吉は竹脇無我、おさん・おなか二役は梓英子。ヒヒ爺の餌差屋は戸浦六宏、目明しの文太は菅貫太郎。おなかの亭主に島田順司。*餌差屋は単なる助平で特段の設定は無し、おなかは文太の横恋慕でハメられ火付けの罪人にされている設定・亭主の徳之助と門付けをしているところを見つかり。*おなかを助ける動機は死んだおさんの身代りにするため、亭主を庇うおなかの口からかつておさんが問うたのと同じ言葉が発せられ、政吉は正気に戻り二人を逃がし文太に立ち向かう運び。*監督・原田隆司、脚本・加藤泰。

■ 長谷川伸シリーズ 町のいれずみ者 1972NET東映

 弟夫婦の家に転がり込む島帰りの岩吉だが、人の目は冷たく愛した女もよそへ嫁いでいた。折しも凶賊が跋扈、彼に疑いがかかりいよいよ居場所もなくなるところ、自棄になって飛び出した夜道で岩吉は当の賊と出くわす。
 ロケ地、伊勢屋でかつての恋人に撥ねつけられた帰り、自嘲する岩吉が佇む大川端、宇治川左岸河川敷(祠あしらい。後段、口入屋を全て断られたあとにも出る)
*岩吉は近藤正臣、怒りを抑えひたすら耐える表情が真に迫る。弟夫婦は河原崎建三と大原麗子、兄を気遣うがどよーんと暗いへんが傑作。夫婦の知人で天真爛漫に接してくれる娘は田坂都。岩吉を見返った女は北林早苗、どうやら岩吉をハメて島送りに仕向けたヤクザは藤岡重慶、島抜け浪人の凶賊は波田久夫、虫の息の岩吉に無理解を詫びる同心は左右田一平。*運ばれてゆく岩吉の亡骸のシーン、次々と提灯を掲げ出てくる町衆→提灯のあかりのみになるラストが美しい。*監督・河野寿一、脚本・結束信二。

■ 長谷川伸シリーズ 一本刀土俵入 1972NET東映

 勧進元の意向に背き巡業先で追放された取的・駒形茂兵衛は、腹を空かせて彷徨ううち取手宿に。酌婦・お蔦の情けを受けて江戸へ戻るが、部屋の女将には旅先の親方から知らせが届いており復帰叶わず。思い余って入水しようとした茂兵衛だが、隣で念仏を唱えるお店者を助けてしまい、イカサマ博打の件を聞き怒りに燃えて殴り込みに行く段で中ほど。
 ロケ地、巡業先へ赴く一行、不明(田畔)。小屋掛けの野、不明(周囲に竹林と雑木林)。追放を言い渡される茂兵衛、鳥居本八幡宮広場。野を彷徨う茂兵衛、不明(葦原、土手等)。船戸の弥八と事を構える渡し場、木津川下流部
*茂兵衛は勝新太郎、我孫子屋前のくだりは力の入らなさ加減が○、貰った銭と櫛簪を押し頂く姿も良し。お蔦は岡田茉莉子、ヤクザの弥八は小池朝雄、部屋の女将は春川ますみ、勧進元に大滝秀治。*監督・安田公義、脚本・直居欽哉。

■ 長谷川伸シリーズ 一本刀土俵入 后篇 1972NET東映

 十年後、取手へやって来た茂兵衛はいかさま博打で追われる男を見るが、彼こそお蔦の亭主なのだった。儀十一家を撃退しお蔦たちを見送ったあと、名台詞「十年まえに櫛簪巾着ぐるみ意見を貰った姐さんに、せめて見て貰う駒形のしがねえ姿の土俵入りでござんす」。
 ロケ地、利根川べりの街道をゆく渡世人の茂兵衛、不明(薄原)。かつて供え物を貰った地蔵は川堤か。儀十一家の三下が人違いして茂兵衛の笠をはねあげる川辺、木津河原。川向こうへ上がる儀十も同所(渡し場)。お蔦たちを見送った翌朝、取手をあとにする茂兵衛、大堰川河川敷か。
*お蔦の亭主は滝田裕介、儀十は山本麒一。安孫子屋の女たちの消息を話す老船頭は加藤嘉。*お蔦を見送った直後残党が出てくるが、このときの殺陣がちょっと「市」。大立ち回りの際は相撲と杭ブン回し。*監督・安田公義、脚本・直居欽哉。
2007/7/21

■ 天を斬る 第4話「紫の袱紗」1969.10.27NET/東映

 相次ぐ商人の死、遺品には悉く紫の袱紗に包まれた天上人の短冊。集金システムの裏には、札付きの悪党が隠れていた。

ロケ地
・店の金を使い込んだ紙問屋の番頭が入水の池、大覚寺大沢池(大沢池堤からドボン、土砂降り気味の雨を演出)
・室町の旅籠へ向かうおゆう、桜井が追ってきて名所案内を呉れてやるのは神泉苑善女竜王社前、このあとおゆうは嬉しそうに草紙を眺めつつ法成橋を渡る。
・歌人・山尾を尾行する万五郎たち、不明(狭い路地は撮影所内に演出か/脇に竹垣のある茶店は東山界隈か)
・短冊を書いた少将の屋敷に乗り込む牟礼、大沢が門前で案じつつ待つのは御所・拾翠亭入口。
・公家の輦車がゆく路地、仙洞御所塀際。
・若旦那と共に故郷へ帰るおゆう、御室から原谷へ抜ける道(林から塔がのぞく)。後から輦車もやって来る。
*国士のつもりで「献金」していた若旦那は大丸二郎、大旦那の命で迎えに来た女中・おゆうは松木豊。悪党に使われていた歌人は夏目俊二、旅籠の悪い女将は水上竜子、ごろつき同心は山岡徹也。

■ 遠山の金さん 第80話「八丁堀佐渡情話」1977.4.28

 北町同心の新妻が見た殺し、犯人の顔は忘れもせぬ遠き日に別れた父のもの。彼女は婚家を出奔するが、全てを呑み込んだお奉行の采配で元の鞘に。
 ロケ地、佐渡を御赦免になった弥七が娘へ土産の人形を見る江戸へ八里の道、不明。使いに出たおなかが岡っ引殺しを目撃する八丁堀稲荷近くの夜道、相国寺鐘楼裏手(碑の脇に井戸あしらい、斬られた岡っ引がドボンの趣向)。弥七が隠れているお堂、不明(ここから扉越しに見る外に池、西方寺か。お堂はセット)。弥七の墓、招善寺墓地(暴将152話「男が火花を散らすとき」のアングルと同じ)
*おなかは上原ゆかり、夫の北町同心は青木良彦、養母の船宿女将は白木万理。無宿人狩りで私腹を肥やしていた火盗の旦那は田中浩。無宿人仲間を見捨てて置けず火盗に討ち込み凶弾に斃れる綾瀬の弥七は大木実。

■ 必殺仕事人 IV 第8話「せんとりつ子供をもらう!?」1983.12.16ABC/松竹

 明烏を謡って消える殺人鬼、正体は遊びの一つもと母が案じていた昌平黌の秀才。父である南町与力は、息子の所行を知るやすぐさま身代りを仕立てにかかる。
*人入ってのロケなし、小田切の倅を難詰する姉を殺された娘のくだりに北野さんの猫足提灯がインサートされている。*与力は亀石征一郎、躊躇なく人を刺す所作が妙に説得力あり。手下の岡っ引は浜伸二と滝譲二。自分のため武士の身分も学業も擲ってくれた亭主を殺される頼み人は佐藤万理。*養子はせんりつに恐れをなして退散。*玉助のグロ花売り娘、歌は「ひばりの花売り娘」。
2007/7/20

■ 銭形平次 第466話「兄んちゃん」1975.4.16フジ/東映

 植木屋兄弟の人情話。妹の縁談に異を唱える兄は、当の相手が殺されたことで容疑者とされるが、親分の働きで難を逃れる。兄と弟が互いを気遣って言い出した「親父の遺言」も、平次の機転で笑い話に。
 ロケ地、仕事先の庭三つ、不明(一つは芝地に茶亭)。兄にほんとに殺ってないか問う弟、木島神社本殿前(万七が出て兄は本殿に逃げ込み)。新助の墓に参るお春、西壽寺石塔脇(墓地参道から参道へパン)
*兄は松山英太郎、弟は大内正明、妹は紅景子。お春の情夫は黒部進、手下に小峰さん。*万七、悪態の「三遍回ってワン」を「それは奉行所で」と返され。

■ 刺客請負人 第1話「孤臣」2007.7.20TX/松竹

 松葉刑部が出羽・六郷藩を出奔した経緯が描かれ、舞台は二年後の江戸へ。深川の長屋に住み「叩かれ屋」を生業とする刑部に、藩からの刺客。鮮やかに返り討ちにするその腕を見た口入屋の徳松は、刑部に暗殺の依頼を持ちかける。彼の裏の顔は「助っ人屋」、人殺しを請負う闇の住人だった。
 徳松の依頼を受ける刑部だが行った先では妙な経緯、殺すはずの姫を護衛する羽目になり、お家騒動に関わってゆく。姫を狙う別口の殺し屋も出るがからくも防ぎ、藩主との対面を経て正当な後継が決まり悪は滅び、刑部を心から頼みにしていた姫は涙ながらにお屋敷へ。

ロケ地
・刑部出奔のくだり、泣く泣く殿の側室になりにゆく刑部の妻女が乗った駕籠、坂本街路(日吉大社参道・日吉の馬場、北側の里坊前付近)。妻の亡骸が返されてきたあと、謀反人として捕わるを拒み出奔した刑部を関所で待ち構える横目頭の葛、清滝川最下流部に柵等あしらい。斬り抜けた刑部が走るシルエットは落合トンネル、桜舞い散る巌頭は保津峡落合落下岩、腰を落ち着けて脇差で髭をあたる川べりは落合河口巌。陽炎立つ野をゆく刑部、不明。
・タイトルロール、御津町新舞子の干潟で刑部のチャンバラ。
・叩かれ屋の営業に行く刑部、仁和寺中門をくぐり露店立ち並ぶ参道へ。店を広げるのは参道石段、ここへ雇われ刺客が出る。そのさまを眺める葛は茶店に。
・徳松が刑部をスカウトするくだり、徳松配下の才助が導くのは八幡掘堀端、徳松と話すのは明治橋下。
・六郷藩下屋敷、大覚寺大門
・闇猫のお吉のアジト、丹波国分寺(イメージカット、室内はセット撮り)
・吉松藩邸、随心院薬医門。御小姓頭の大木が正室に江戸家老の所在を聞くのは書院
・菊姫のいる荒れ屋敷で徳松に身の上を語る刑部、冒頭にも出た妻女が側室として城に上がる道(駕籠)坂本街路(冒頭の効果をかけたものと違い昼間の絵)
・町に出たいと言い出す菊姫のくだり、姫と呼ぶなと叱られる刑部は長岡天満宮八条ヶ池参道の橋、踊る芸人(中の人は闇猫)を見てはしゃぐ姫は八条ヶ池水上橋、お団子を食し感激の茶店は本殿前鳥居下の石段にあしらい。姫を乗せて船をやる刑部、八幡掘から錦水亭東屋前八条ヶ池にスイッチ。連れて行く縁日は仁和寺参道、闇猫が出てチャンバラ。
・病篤い父藩主と対面するため藩邸に戻る菊姫、随心院参道薬医門大玄関(大木が随伴の刑部を止めるが姫が叱責し罷り通る)。対面の儀や祝宴は書院
・野望潰え逃げ出す大木にダブルブッキングの制裁を加えに来る闇猫一派、御津町新舞子の干潟。
・吉松藩首席家老・多田織部の書状を携えた藩士がやって来る道、民家塀際
・刑部をスカウトしに来る闇猫一味のお役者信次、刑部が佇むのは八幡掘白雲橋たもとの燈籠際、信次と話すのは白雲橋下堀端、申し出を断った刑部の前を通過する船に妖艶な笑みをたたえたお吉。
*菊姫は小林涼子、お付きの「じい」の老剣客・大貫自斎は福ちゃん(徳松の談話時に立ち回りはあるものの、刑部が来た時点で死んでる飛ばした設定)。吉松の殿様は立川三貴(病人で悪人要素皆無)、正室は未來貴子、菊姫の味方の江戸家老は寺田農、御小姓頭の大木は有川博、陰謀の主の国家老は名が出るのみ。
2007/7/19

■ 天を斬る 第3話「待ち伏せ」1969.10.20NET/東映

 奉行所同心の悲劇がふたつ。実直な好青年は牟礼の気遣い空しく凶刃に斃れ、内通者は桜井の判断で切腹は免れるものの武士を捨て京を去ることになる。

ロケ地
・村越新八郎が張り込みを命じられる真葛ヶ原の料亭のくだり、下鴨神社境内と周辺。真葛ヶ原へやって来る村越は馬場を行き、林の中にあしらわれた茶店へ(ここで万五郎のツナギを受ける。茶店の親爺が祇園さんに参詣かと聞く場面では二の鳥居がズームされる。以降もこの茶店は頻出)。桜井と会うシーンは泉川畔、玉垣越しに見張る料亭を示す趣向、浪士が出入りの料亭は境外の石村亭で、見張る村越は泉川の橋続きの玉垣に潜む。出てきた浪士をつける村越は参道、すぐに気付かれてしまうが旅行者を装い「八坂の塔はどこですか」で切り抜け。このあとは馬場、茶店で甘酒を飲んでいた万五郎をピックアップして更に尾行、オープンセットにスイッチ。探り当てた怪しい店の始末がつき、牟礼の配慮で御役替えになった村越が万五郎たちのいる真葛ヶ原の茶店に出向き世話になったと礼を述べた直後、件の浪士と鉢合わせし斬られる林は糺の森
・妻子を連れ京を去った吉辺が休む道隈、不明(遺骨を抱いて通りかかる村越の父はこの道隈を過ぎ谷地田の道を去る)
*村越新八郎は宮川K夫、吉辺十次郎は森山周一郎、履物屋の女将で吉辺の情婦は原良子。*吉辺の始末に関する「判断」を桜井におっつける牟礼と権田が大笑い。百太郎は茶店で亀に甘酒。

■ 銭形平次 第465話「地獄の使者」1975.4.9フジ/東映

 尽くす女房がいるにも関わらず身持ちの悪い男、平次も庇いきれず遂に入牢。牢番がとんでもないワルで囚人の身内にタカるが、親分決死の牢内潜入で命数は尽きる。
 ロケ地、お品に亭主の入牢を告げる平次、大覚寺放生池堤。牢番の伝次がお品を呼び出し金をせびる町角、仁和寺御室桜林西方(御所跡北通用門や観音堂に塔も映り込む。御室桜は落葉)。お品に亭主が死んだと聞かされた水茶屋女が伝馬町へ押しかけたあと死体で見つかる川、中ノ島橋下手河原(橋脚下部がちらっと映り込み)。水茶屋へ遺体を引き取れと掛け合いに行った平次がそこで働いていたお品と遭遇、事情を聞く川辺は中ノ島橋上手堰堤際岸辺(欄干越しの絵も)。牢に潜入した平次が伝次に告げた「俺の女が金を持ってくる」増上寺、仁和寺観音堂(御高祖頭巾のお静が伝法口調で応対、逢瀬に誘う)。誘われた屋形船にやって来る伝次、大覚寺放生池堤に船繋留、船頭は八で船の中に平次。見苦しく逃げ回る伝次は池に。
*伝次は穂積隆信、囚人の女房を情婦にやらせている水茶屋に送り込むという外道。男に合わせて非道な女将は松村康世。元は庄屋の若旦那で世間知らずの源太は二瓶秀雄、結婚の経緯に引け目を感じ尽くすお品は倉野章子、亭主の死を知らずにいた水茶屋女は野口ふみえ。牢名主は小田部通麿で、羽目板リンチ役は西田良。*牢に入る平次の変装はアイパッチにぼうぼう月代、獄門必至で腕には三本の入墨という仕立てで牢名主を畏れいらせ、牢番の悪事を暴露し囚人たちに伝次告発の書付を出させる、大胆にして痛快な趣向…でも小田部さんの牢名主がハマり過ぎてて、あの程度の親分の変装では汚さが全然違う…汚いと言えば八、屑拾いで水茶屋探るくだりで「臭う」と女たちに顔を背けられているがひょっとして地*平次の悪口を言う為さんや万七にムッカーおせんちゃん、万七にそんなだからいつまで経ってもぺーぺーなんだわ発言、「ぺいぺい」は歌舞伎でも言うからオッケーか。また、お静が源太の処置について手心を加えられなかったのかと呟くくだり、法は法と叱るその場で減刑嘆願書を書いてるのも細かい。よく練れた脚本に加え編集の妙、一時間の枠にこれだけの逸話を収める「仕事」を、いまきちんと見習わねばならない。
2007/7/18

■ 天を斬る 第2話「誰も知らない朝」1969.10.13NET/東映

 名を上げたいチンピラ浪士が役人を襲う。共にいたまだ前髪の少年の首級もとる無惨、牟礼たちが踏み込んだ旅籠では奇縁による悲劇が一つ上乗せされる。

ロケ地
・おさち父娘が京へ向かう街道(京へ五里と道標)、不明(山際にずらりと燈籠、反対側には家の軒先がのぞく。燃えよ剣25話「シノビリカ」で土方が五稜郭へ戻る道と同じ)。入洛イメージ、三条大橋。遠景に塔の風景は新選組血風録5話「海仙寺党全滅」ラストシーン・三番隊巡察の「甍」と同じか。
・三人が打ち合わせをする鴨川沿いの料亭、嵐山公園・中ノ島橋を望む中州端にバルコニーをあしらい(手すりに凭れる牟礼のみ水景入り・室内はセット)
・奉行所与力・井上父子が斬られた三条寺町はずれ・光明寺近くの道、随心院長屋門西角(この前に「光明寺」の薬医門も映る)。駆けつけてくる桜井たちは大乗院前。
・緊急配備で現場付近の三条・四条付近で張り込む町方、宇治公園か(橋は朝霧橋と思われるが今と全く異なるので不確定。宇治でない可能性も)
・井上家の葬儀が行われる光明寺、随心院薬医門。娘を亡くし一人帰る老父、冒頭と同じ。
*与力・井上は永井秀明、刀屋で桜井に「刀など使う機会が無い」と語る台詞や、元服を控えた倅が殊更折目正しいのも思いっきり悲劇の伏線。*権田が牟礼の金使いをボヤく一節あり。*井上暗殺を目撃していた男で百太郎登場、亀を大事にすると竜宮城へ行けると話しうどんの汁を所望。*不逞浪士が潜む旅籠、「池田屋」としてよく出る作りで階段での立ち回りも。

■ 銭形平次 第464話「熱血の十手」1975.4.2フジ/東映

 念願叶い十手を手にして張り切る青年だが、初めて手掛けた事件が理想と程遠い決着となり大いにクサる。しかし平次の説諭とアドバイスで気を取り直した彼は、無礼討ちの裏に隠された巨悪を暴く働きを見せ、一本立ちの岡っ引を目指すこととなる。
 ロケ地、船頭・留造が殺されて見つかる伊勢町河岸、嵐山公園・桂川左岸河川敷。伝吉が老船頭に聞き込みの川端も桂か。
*張り切り青年・伝吉は志垣太郎、彼を下ッ引に取り立てる親分は西山嘉孝、夫婦約束をしている娘は渡辺やよい。留造に贋金を掴ませた雇い主の堺屋は幸田宗丸、つるむ金座役人は外山高士。*事後鯛持って平次宅に礼に来る伝吉のシーン、八と対局中の親分は散々に負けていて来客を良いことに「八、これヤメだ」と駒を放擲・待たないと言う八に手上げかけてるし。
2007/7/17

■ 天を斬る 第1話「血の色の町」1969.10.6NET/東映

 不逞浪士跋扈する京の町に、密命を帯びた三人の男たちが放たれる。手始めに西町で追っていた御用盗にかかるが、出向いた先では役人を恨む哀しい女も見る。

ロケ地
・サブタイトル背景の京イメージに三条大橋
・およしの店の前を通る雲水たち、そのあとゆく町角は白川巽橋白川畔(辰巳大明神裏手から)
・御用盗の浪人が目明しを斬ったあと逃げ込む料亭、白川左岸の料亭。見張る東町の面々は辰巳大明神際に。
・京の行政を語るナレーションのくだり、京都東町奉行所、青蓮院長屋門。西町奉行所、御所長屋門。所司代、不明(海鼠壁)御所、大路と御所塀。
・牟礼、権田、桜井の三人が呼び出され密命を受ける屋敷、勧修寺(参道から山門を映し、庭をナメて書院座敷へ。拝命のあと庭へ出る三人は池畔芝地、塔基部も映り込む)
・東町が見張っていた浪士たちを河原へ連れ出しぶった斬る牟礼、宇治公園・宇治川左岸河川敷
・浪士たちの間に立ち周旋の「虎狩りのお浜」が入る東山の公卿侍屋敷(洛東山荘と柱に大書)法然院山門
*目明しの亭主を亡くし悲嘆にくれるうどん屋の女将に桜町弘子、亭主は波多野博。公卿侍は藤尾純。*お浜の二ツ名は和藤内の「とらとら」から。

■ 素浪人 月影兵庫 第1話 2007.7.17テレ朝/東映

 気儘な旅の浪人・月影兵庫は、足を挫いた老爺を背負い平塚宿へ。そこで起こる放火騒ぎ、阿漕な材木商と金貸しとチンピラの三兄弟で民を苦しめるが、筋を書いた大悪党は善人面のまま宿場を去ろうとしていた。

ロケ地
・寝ていた兵庫が焼津の半次と出会う橋の下、流れ橋
・娘にちょっかいを出す酔っ払いを懲らしめる街道筋、不明(葦原、道に轍。河原か)
・平塚宿、火事で焼け出された町衆が身を休める鎮守、鳥居本八幡宮(広場、舞殿など使用。被災者に食料を持ってきた代官と兵庫が出会う)
・桔梗に出くわし逃げた兵庫が代官所へ向かう道、民家南塀際。代官所、民家長屋門
・おみつが兵庫はやっぱり犯人ではないと言い出す喜平の墓、鳥居本か。
・嬉々として江戸へ戻る代官の前に現れる兵庫、山室堤道
・駕籠をおり山なみを眺めやる桔梗、谷山林道頂上付近。
・お涼が兵庫を待っている道、谷山林道切り通し。
*蕎麦屋の親爺・喜平は北見唯一、材木商(悪党三兄弟の長兄)は鶴田忍、代官は石倉三郎。兵庫に昔はご浪人さんと二人連れで旅したもんだと語る酒肆の親爺に品川隆二、ナレーションも担当。材木商の用心棒に福ちゃん、ラス立ちのけぞりアリ。

■ 銭形平次 第463話「燃える浮世絵」1975.3.26フジ/東映

 奥絵師に推挙されようという画家に、昔仕出かした行いが頭を擡げてくる。過去における心残りは二つ、貧に喘ぎつい描いた贋作と、尽くしてくれた女が身籠っていたはずの子。脅迫者を殺した疑いは平次の働きで晴れるが、一連の事象で絵師は出世の道を諦めるに至る。
 ロケ地、脅迫者の兄が殺されたことで絶望し入水しかける妹(絵師のモデル)中ノ島橋上手堰堤を川のイメージに(妹と、入水を止めるお歌の立ち位置はここの岸辺と思われるが明瞭に映らず)。お歌が「贋作」を捧げ焼き捨てる母の墓、化野念仏寺(石仏群の外の新墓)
*絵師は富田浩太郎、彼に尽くし身を退いた女の娘・お歌に真山知子、悪徳画商は梅津栄。

★月影兵庫のOPの植林杉の林道、アスファルト化?最近行ってないからすごく心配。
2007/7/16

■ 銭形平次 第462話「幼心に大きな秘密」1975.3.19フジ/東映

 母の再婚相手に懐かぬ幼女、曇りなき目が見顕した悪事。上つ方から差し止めのお達しも何のそのの平次主従、十手を置いて抜け荷一味を懲らしめにゆく。
 ロケ地、加助の死体が見つかる神社、木島神社玉垣前(元糺の池からの撮り)。八百屋に扮して若年寄の根岸別邸へ入る平次と八、門は大沢池木戸。捕われていた母子を救い出し一息つく水辺、大沢池北西畔(五社明神祠脇)
*麝香抜け荷の天川屋は永野達雄、番頭は伝法三千雄。二人して荷改めに来た万七にねちねち嫌味が傑作。抜け荷一味で「母子」を引き取った加助は入江慎也、天川屋の意を受けて動くチンピラに浜伸二と井上茂。*悪党の義父を嫌う感の鋭い幼女は、八には懐き姉様人形の「切札」をもたらす趣向。お静の内助の功久々、糠漬の養生に関する豆知識。*別邸の門番にやった蒸し饅頭が眠り薬入りなのは笑いのツボ。*上からの意向を伝える樋口さまに反発して十手返上の平次と八だが、樋口さまはちゃんと万七に託し届けてくれる。樋口さまに毒づく平次/麝香を用いる向きに皮肉→「お武家って奴は」シリーズにカテゴライズされる一話←町衆の投石入り。

■ われら九人の戦鬼 第1話「陽明御殿」1966NET/東映

 やんごとなき姫君をさらった、身分ありげな若者がアラカンの和尚に喝入れられて七年、無頼となった彼が戦国の荒野で大活躍しかけるところで第一話おしまいの蛇の生殺し。
 ロケ地、御所内の大路を疾走する夜八郎の馬車(牛車に馬つけてある)京都御所塀際。陽明御殿、仁和寺勅使門。近衛の姫をさらった夜八郎が駆け込む寺(夢窓国師が開基の五山随一と和尚、天龍寺か)、不明(立派な門の床は互の目の敷石で門際は石垣、入って右手に唐破風の玄関、門正面には拝殿?)。姫君誘拐の責を負って役目を辞した九十九谷左近を止める朋輩たち、不明(扉がケバい)。七年後の戦国の世、敗軍の侍大将が高明寺の美夜姫をさらうくだりの荒野、不明。夜八郎が馬をやる伊吹野の荒野、涸れ川の河床か。伊吹野のお屋形・泰田屋敷、芦浦観音寺門。

■ 水戸黄門37 第15話「三下り半は御免蒙る」2007.7.16TBS/C.A.L

 息子の嫁取りを契機に離縁を願い出る古女房、家を出たあともつきまとう亭主を袖にするが、お店には欲をかいた悪党どもの魔手が伸びてくる。
 ロケ地、浄土浜のカット挿入後一行がゆく浜は琵琶湖東岸(岸に水制、灯台あしらい)、宮古の港は八幡掘新町浜、嫁入りの船を見るのは明治橋から。小料理屋を覗いていた亭主を連れ出し話すも喧嘩別れの堀端、八幡掘堀端。息子の懇願を撥ねつけたあと堀端に佇むお志津に声をかける老公、八幡掘明治橋上手堀端。御用の品が燃え代品も調達できず絶望して入水の陸奥屋、西の湖園地太鼓橋(魚を買出しに来ていてこれを見かける助さんたちは園地汀、海イメージ挿入)。宮古を去る一行、弥七は西の湖園地汀、老公たちは琵琶湖東岸松原
*志津は浅茅陽子、陸奥屋は山本亘、志津の老母は淡路恵子。悪代官は中田浩二で手下は谷口高史、御用鑑札狙いの悪徳商人は大河内浩。
2007/7/15

■ 長谷川伸シリーズ 沓掛時次郎 1972NET東映

 明神一家に草鞋を脱いだ時次郎は、渡世の義理で人を斬るがその男から妻子を託される。亭主を殺した男に敵意をむき出しにする女を春日部の実家へ送ってゆく時次郎、女の親はとうの昔に亡くなっていた。
 ロケ地、六ツ田の三蔵が帰って来たと注進に走る明神一家の三下、不明(竹林際の地道、北嵯峨か)。一家の人数が三蔵を襲う五郎八沼、広沢池東岸。春日部へ向かう道中、不明(渡船が浮く川は瀞、堤上に松林。船をおりて歩く河原は礫、派流の渡渉もある)
*時次郎は鶴田浩二、三蔵は菅原文太、三蔵の女房・お絹は松尾嘉代。明神の親分は小田部通麿で配下に遠藤辰雄。時次郎を兄貴と慕う仙太は田中邦衛。*監督・山下耕作、脚本・結束信二。

■ 長谷川伸シリーズ 沓掛時次郎 后篇 1972NET東映

 人足仕事までして世話を見てくれる時次郎に、お絹の凍った心は融けてゆくが、病は篤くなってゆく。彼女をいい医者に診せるため時次郎は出入りの助っ人に、お絹は苦しい息の下で時次郎の名を呼ぶのだった。
 ロケ地、百助らが来たので身を隠す仙太、北嵯峨農地竹林際に茶店あしらい。時次郎が働く普請場、流れ橋(橋桁が落ちている)。おろく婆さんの宿がある集落、不明(田から一本道、村落入口に石垣)。絹の墓、不明(丘か土手下か/百助が斬りかかってくる際隠れる納屋は基壇が石)
*おろく婆さんは三益愛子、亭主が北村英三。時次郎が助っ人する八丁徳の親分は片岡千恵蔵、対立する聖天一家の親分は天津敏。*監督・山下耕作、脚本・結束信二。

■ 文化フォーラム「日本の時代劇を守ろう!」2007.7.15KBSホール

 時代劇枠廃止に危機感を抱いた有志が主宰の催し、一時は立ち見が出るほどの盛況がまずメデタシ。東映剣会の殺陣田村にはじまり、コミカルなキャラクターショーも楽しませて貰ったあと、KBSでお馴染みの中島監督の薀蓄がたっぷり。ディスカッションでは溜息ものの現況をひしひしと感じさせられた。ごくごく僅かながらカンパはしてきたけど、一個人では限界があるしなかなか難しい。いますぐ協力できることといえば、このサイトにご活動のインフォメーションを記載させていただくくらいか。

2007/7/14

■ 遠山の金さん 第79話「巡礼お勝参上」1977.4.21

 更生して市井に暮らす元女賊、かつての自分と同じ手口で凶行を働く者が出たことから、鮮やかな本格のお盗めを見せつける。しかしその行為から、昔仲間の凶賊に存在を知られてしまうのだった。
 ロケ地、元「巡礼お勝」のおたかが昔のおかしらに呼び出される神社、鳥居本八幡宮(石段〜舞、今ばたらきの「凶賊」の手下が二人を隙見している)。巡礼お勝に2パターンと書きたてた瓦版を読みながら歩くお勝を呼び止める金さん、大覚寺五社明神(おかしらが凶賊にさらわれたことで道を急ぐ場面も同所)
*おたかは真木洋子、喧嘩するほど仲のいい店の板前は河原崎建三で、後におかしらの倅と知れる(堅気)。おかしらは吉田義夫で盗った金を返そうとしておりおたかに協力依頼。凶賊のかしらは小林昭二、見張りのおでん屋や料亭の主等の顔を持つ。その手下の元亭主は宮口二朗、他配下に井上茂、ラス立ち福ちゃん入り。
2007/7/13

■ 銭形平次 第461話「佐渡の恋唄」1975.3.12フジ/東映

 越後から来た手踊り一座の太夫は訳あり。彼女を不幸な境遇に叩き込んだ悪党はお縄となり積年の恨みも氷解する。
 ロケ地、日光参詣帰りの万七たちが小浜一座と道連れの街道、不明(田畔、遠景に杉林)。渡船の着く船着き(太夫も万七も掏摸に懐中をやられる)広沢池東岸。船賃に着物を置いてきた万七たちが一座の衣装を借りて道中の道、不明(田畔)。小浜一座がおけさを披露する街頭、今宮神社東門内側(掏摸を見つけた万七が追っかけるシーンに楼門)。佐渡帰りの茶店の親爺に雁金屋のことを聞きこむ平次、平野屋。雁金屋が越後屋を恐喝する市中、不明(細竹編みの塀際、通りがかる平次は林際)。万七が太夫に過去を聞くのは御室霊場大窪寺前の太鼓橋、通りがかり二人を見下ろす平次はお堂前。越後屋の娘をさらう雁金屋の手下たち、走田神社本殿前、駕籠に押し込むのは稲荷社前、万七が栄助とやり合うのは稲荷の重ね鳥居。雁金屋一行や太夫が戸田へ向かう道、不明(冒頭の田畔と同所)。身代金受け渡しの戸田の渡し、広沢池東岸(ここでラス立ち)
*太夫は高田美和、妹だった越後屋の娘は松木聖、越後屋は永井秀和(悪人でなかったと判明)。雁金屋は灰地順、手下の栄助は平沢彰。*雁金屋極悪、不幸の元はみんなコイツなうえ阿漕を通り越した金貸し。
2007/7/12

■ 銭形平次 第460話「歌吉怨み節」1975.3.5フジ/東映

 平次にも公然と楯突く伝法な柳橋芸者、しかし寄場帰りの青年には親身に世話を焼く。動機には、思いもよらぬ確執が隠されていた。
 ロケ地、同心・相良を呼び出す平次、大覚寺大門。歌吉との関わりを問うのは参道石橋たもとの竹垣際。歌吉の過去を探るため縁日で聞き込みの平次、松尾大社楼門(門に立ち参道を見下ろすアングルで、門は映さず。ここへ八が歌吉の出自を聞き込んで駆けてくる)。賭場へ案内を強要された歌吉が括られるやしろ、木島神社本殿前の杉の木(ここで市太郎を庇って斬られ「父」に看取られて逝く)
*芸者・歌吉は宮園純子、莫連女ぶりはさすが。最期に父と呼ばれ号泣の「相良のダンナ」は稲葉義男、寄場帰りの市太郎は速水亮。

■ 必殺仕事人 IV 第7話「主水忘年会の幹事でトチる」1983.12.9ABC/松竹

 話は、好色な役人に女を貢ぐ材木商の仕置。狙われた柳橋芸者と、巻き込まれて殺された病んだ女は、おりくの昔馴染みの幇間の娘たち、そして彼は仕事人という仕立て。単身仇を討ちに行った「老父」は、万一の際にはと金を託していた。
 ロケ地、娘二人の亡骸を流す水辺、広沢池東岸(引き潮に乗り二人が生まれた佃島に流れ着くと語られる)
*ピン助は江戸屋猫八、芸者は堀川まゆみ、ピン助が家に保護していた病の「姉」は今出川西紀。いずれもピン助を父と知らずに逝く。
2007/7/11

■ 銭形平次 第459話「からくり殺人」1975.2.26フジ/東映

 大店の娘といい仲の大工が冤罪に落ちかけるのを救う親分、聞き込みの際人体を見た直感で動き、裏をとったり罠にハメたり。
 ロケ地、大工の伊之吉を痛めつけた木曽屋の木場人足が殺されて見つかる池端、広沢池東岸(材木あしらい)。木曽屋の人足頭に聞き込みの平次、「材木置場」(玉垣際)。木曽屋人足の辰次を呼び出し殺す喜三郎、木島神社本殿前(燈籠の火袋で偽手紙を燃やす)。お島の店の隣家で裏取りのあとゴロツキの襲撃を受ける平次たち、大覚寺五社明神
*人足頭・喜三郎は小沢忠臣(現・小沢象)、見た瞬間判る悪人面。伊之吉は荒谷公之、木曽屋の娘は服部妙子で主の兄は唐沢民賢。平次を襲うゴロツキの中に福ちゃん。
2007/7/10

■ 銭形平次 第458話「ある母の願い」1975.2.19フジ/東映

 悪い男に引っ掛かり行方知れずの娘、病篤い母の頼みで探し回る平次。しかし母は娘の運命の帰結を既に承知していたのだった。
 ロケ地、捜索対象の娘であるお直の亭主・利喜太郎について元の職場の火消しに聞き込んできた八が報告の石段、金戒光明寺参道石段。次の職場の木場で聞き込みは「材木置場」。お直を見かけたと聞き赴くとゴロツキたちが出る音羽界隈、相国寺鐘楼(ところの目明し・弁蔵が出てとりなす)
*お直は柴田美保子、ダニのような亭主は北村総一郎。このダニとつるむ目明しは内田朝雄、岡場所を支配し女を阿片漬けにするなど裏社会の人間。強面の用心棒は千葉敏郎。お直と出会い彼女をモデルに再生を果たす若い絵師は石山律雄、イカサマ骰子の技術を伝承するゆえ弁蔵にハメられ破門の憂き目を見ていた設定。母は阿部寿美子。*母は強殺犯の亭主を持ち、娘は人間の屑に見込まれてしまう、救いようのない不幸の環。しかし女を食いものにするワルどもは平次に裁かれ、娘の死を知りつつ平次を動かした母の願いは叶う。

■ 八州廻り桑山十兵衛 捕物控ぶらり旅 第8話 2007.7.10テレ朝/東映

 八重のためお役を退く決心をする十兵衛。最後の勤めと向かった宿場では、家庭を顧みなかった父を恨む娘と、娘のため手を汚そうとした父を見る。
 ロケ地、小幡宿の力士上がりの道案内・七蔵が殺された田畔、不明(土手は池堤か)。小幡への道をゆく十兵衛一行、広沢池西岸の道・農地からのアングル。「容疑者」たちの回想、金貸し女が七蔵に袖にされ刺そうとした鎮守、鳥居本八幡宮(七蔵がコナをかけた女と情夫が来て未遂)。七蔵の女房・おたきが父に逃げてと迫る水辺、大覚寺天神島。再び八州として出立する父を見送る八重、妙心寺大通院裏路地。街道をゆく十兵衛一行、大覚寺放生池堤嵐山自転車道(地蔵や灯籠あしらい)
*おたきは中山忍、父は平泉成。七蔵は菅田俊、つるんで献上品を横流ししていた郡奉行は江藤潤。「縊死」した七蔵配下の千太の死体を運ぶ役人に福ちゃん。*八重の言葉で八州を続ける十兵衛、上司は復職の申し出に渋ってみせ、十兵衛が去ったあとうひゃあ助かったと大はしゃぎ。
2007/7/9

■ 銭形平次 第457話「赤い犯科帳」1975.2.12フジ/東映

 薬種問屋への恐喝から出てくる、未解決だった吟味部屋での変死事件。早い段階で怪しい人物は浮かぶものの、毒の仕込みのからくりが平次を長く悩ませるのだった。
 ロケ地、御赦免船から降りた地獄政が根岸へ向かう道、不明(途中から木が生えた塀)。茨木屋薬草園、中山邸通用門。金を持って来いと指定された谷中の墓地で、相談した当の相手に斬られる茨木屋、永観堂墓地。茨木屋の女中に聞き込みの八(葬儀の寺へ向かう道)金戒光明寺長安院下坂(鐘楼下石段を上りかけ)。茨木屋が使っていた料亭の女将に聞き込みの平次、松尾大社楼門脇石灯篭前。凶賊三人毒死の犯人とされ獄死した牢番の女房(吉祥院境内で鳩の豆売り)に話を聞く平次、不明。そこから平次を連れ出し話す火盗改の菊池、茶店は大覚寺天神島にあしらい。手水を使う男を見て閃く平次、松尾大社亀の水場。急ぎ戻る道、渡る橋は上賀茂神社神事橋、刺客が出るのは北神饌所裏手、立ち回りは奈良社。菊池に呼び出しを受ける平次、赴く道は広隆寺裏塀か(映画村内?)。菊池の役宅、相国寺大光明寺
*菊池は佐藤慶、地獄政は伊達三郎、茨木屋は野口元夫、毒死事件の責を負って辞任した町方の吟味同心は山口幸生。*タイトルは朱で「未」と書かれた未解決事件の犯科帳。

■ 水戸黄門37 第14話「大食い男の恩返し」2007.7.9TBS/C.A.L

 人の借金をおっ被せられ窮した男は、富商と見てコソ泥に入り五両だけ拝借。元来人のよい男は、そのとき見たその家の幼い娘の顔が頭を離れずやっとこさ金を作って返却に来るが、当の店は潰れ娘は気の毒な境涯にあった。筋立ては、欠所に追い込んだ悪党懲らしめ。
 ロケ地、三ツ石神社、本物(老公一行が前にいる絵を撮ってあるが石の端っこが掠めるのみ・トリックくさい)。一行がおさきから草餅を買う市中、神護寺五大堂裏手。草餅を売り歩くおさきに因縁をつける繁三一家の三下、今宮神社稲荷社前、親分の繁三が高倉脇坂をおりてくる。幸助が現れ餅を買い上げ平らげるくだりは合祀摂社前と近辺、後日また買って「営業」も同所。繁三にハメられ藩公の御霊屋に足を踏み入れてしまうおさき、上御霊神社本殿裏手摂社(禁域表現に玉垣あしらい?)、突っかかった幸助がボコられるのは本殿脇。わんこそば大食い大会会場、神護寺山門内側(幔幕張り巡らせ)。禁域侵犯の過料を払うため、おさきの待つ奉行所へ走る幸助、ドジをかますくだりは映画村で、走る道は嵐山自転車道。事後、盛岡に住み着き大工仕事をする幸助、神護寺明王堂屋根からおさきの茶店を見る。当地を発つ一行、谷山林道か。
*幸助は風見しんご、おさきは神田沙也加、町奉行は中丸新将で二足草鞋の繁三は工藤堅太郎。
2007/7/8

■ 遠山の金さん 第78話「怨念の刃がとんだ」1977.4.14NET/東映

 三軒組んでのことと見えた材木商の悪のギルド、しかしマジで悪いのは一匹。これに唆された、かつて父をハメられ殺された青年が二度目の殺人を仕出かすのを止めに、桜吹雪がやってくる。
 ロケ地、会津屋の娘が手妻遣いの総吉を呼び出し店に入ってくれと懇願する八幡さま、赤山禅院池畔(背景に本殿の玉垣)。父・三国屋の墓に参る総吉、黒谷墓地(和泉屋が来て親切面で接し、三国屋をハメたのは木曽屋と吹き込み)。材木置場も出るが丸太しか映っておらず特定不能。
*総吉は佐々木剛、恋仲の会津屋の娘は森川千恵子。悪役陣、谷口完、木村元、須藤健。木場で総吉を襲う五人組のヘッドに福ちゃん、労いの酒に毒仕込まれててうぐぐ→大川(劇中呼称はヤス)。*総吉の得物はブーメラン、一人殺っちゃってる件は「かまいたち」で済ますお奉行。
2007/7/7

■ 必殺仕事人2007 2007.7.7ABC

 家を焼かれ双親を殺された娘の依頼で、「犯人」の商売敵に加えグルの役人が仕置されるが、事の裏には更なる巨悪が潜んでいた。

ロケ地
・絶望し入水しかける播磨屋の娘に闇から恨みを晴らす手立てを示唆する声、夜の橋は八幡掘・白雲橋
・白拍子の玉櫛が舞う縁日、仁和寺観音堂前。源太が店を出すのは観音堂脇(見回り中の小五郎が声をかける)
・伊賀忍の仲間と決別した玉櫛が佇む海辺、御津町新舞子
・南町与力の鳥山が加賀谷あるじに日本橋界隈町割の認書を渡す橋、流れ橋(駕籠から出ずにやりとり・駕籠は並列。橋下につけてきたお菊)。鳥山の駕籠を追うお菊が通る堀端、八幡掘堀端(汀)
・薫の書置を見た源太が走る道、仁和寺観音堂脇。イメージの夕陽の木は木津堤か。
・お菊が涼次に先の仕事の流れが変わったと伝える夜道、嵯峨小柴垣道。
・加賀谷に乗り込んで殺された薫の死体が見つかる茅場河岸、桂川松尾橋上手汀
・薫の野辺送り、木津堤か(夕景)
*殺し技覚書 小五郎/大刀(名乗るし) 源太/からくり蛇・茶運び人形併用 涼次/毒(画竜点睛と画竜紙下シュワー)
2007/7/6

■ 銭形平次 第456話「浮世絵女双六」1975.2.5フジ/東映

 浮世絵モデル殺傷事件続発、世人は争って被害者の姿絵を買い求める。事件に二系統あり、大儲けする胡散臭い向きもあり調べは難航、縺れた糸をほどいて出るは愚かな歪んだ愛情だった。
 ロケ地、お参りのお嬢様(モデルの一人)が髪を切られる神社、石座神社本殿。殺された矢場女に懸想していた浪人を尋問する万七、大雲寺閼伽井屋形脇。残りのモデルの娘が襲われる天神境内の茶店、石座神社参道踊り場に茶店あしらい。
*売れない画家・春太郎は小林芳宏、父に引き比べてと彼を叱咤する母は北城真記子(鉄漿施し)。その母の使嗾を受けモデルの娘たちを傷つける元弟子の遊び人は小林勝彦。殺された矢場女を描いた画家は波田久夫、版元は陶隆。
2007/7/5

■ 銭形平次 第455話「深川なさけ唄」1975.1.29フジ/東映

 不行跡で寄場送りになった元目明しは平次を恨み、遂に悪党どもに殺させようとはかるが、彼の娘を世話してくれた真実を知るや、憎悪ははらはらと融けてゆく。
 ロケ地、亡者送りの儀式に町衆がつめかける永代寺、赤山禅院雲母不動堂。行は境内を巡り、御滝堂脇の坂を上がったところで変死体を発見、殺害現場を見ていたらしい利三郎と言い合いになるのは延命地蔵前。利三郎が暮らす小屋、不明(林間。利三郎を狙う男が平次らを見て逃げ、墜死するのも同所か←このくだりでは坂や玉垣、丘や崖なども)。悪党とはかり平次を誘き出して殺そうとした船小屋、罧原堤下河原にあしらい。
*利三郎は花沢徳衛、娘の居所を求めるのは稼がせるためという外道。娘の幸せを考えていてくれた平次の真意を知り翻心する瞬間は劇伴もフォロー。娘は中篠郷子で勤め先の医者は岩田直二。永代寺で殺しをはたらいた盗っ人、残った三人は長谷川弘、阿波地大輔、川浪公次郎。

■ 必殺仕事人 IV 第6話「お加代商売敵の出現にあわてる」1983.12.2ABC/松竹

 硬派の塾と見えて内実は腐敗の「憂国館」、糺そうとした真面目な男は消され、彼の生き方をなぞろうとした息子も悪党の凶刃を受ける。
 ロケ地、糾弾のビラを撒いた塾生が追いつかれ連れ戻される坂、粟生光明寺参道石段(下部)。なす術もなかった吉之助が座り込み亡父に問いかけるのは山門。悪党の密談を立ち聞きして斬られ瀕死の吉之助から恨みを託されるおりく、中ノ島橋上で川から這い上がる彼を目撃(この前に料亭で斬られ窓外の堀にドボン)。石を集める加代と順ちゃん、桂川松尾橋上手右岸汀(中州合流点)。おりくが与力を殺る橋、中ノ島橋。事後釣りの主水、広沢池(船上)
*館長は外山高士、手下の与力は遠藤征慈。*タイトルは塾を追い出された吉之助がはじめる何でも屋。
2007/7/4

■ 銭形平次 第454話「地獄河岸」1975.1.22フジ/東映

 探索中に殺された岡っ引の息子が、見事悪党を追い詰め仇を討つ話。血の気の多いはねっかえりを、親分が諭し宥め導く。事件は阿片がらみ。
 ロケ地、監禁場所から逃げてきた辰造が夜鷹に煙草入れを託し息絶える永代付近、罧原堤下か。灘屋に怒鳴り込んで堀に叩き込まれた巳之吉が衣を乾かすお堂、大覚寺護摩堂(新内流しに変装した平次が声をかける)。御船手組屋敷、大覚寺明智門。御船手組頭と灘屋が夜鷹と巳之吉の始末を密談の船着き、嵐峡汀。川筋を聞き込む八に焦れて走り去る巳之吉、大覚寺放生池堤。幇間の金八が加賀屋を灘屋に引き合わせる茶店、不明(藤棚の下、池辺)。灘屋と別れた金八の前にぬっと現れる巳之吉、松尾大社水場。責め問いで秘密を吐いた金八が消されたことで平次に咎められ番屋を飛び出した巳之吉が佇む木、大覚寺天神島大楠(恋人の芸者・小花がやって来て十手を差し出す/親分が祠の陰から見守っている)。巳之吉と小花がお参りの八幡さま、松尾大社本殿。阿片窟行きの屋形船に乗り込む旦那衆(変装した平次入り)嵐峡(駆けつける巳之吉は嵐亭前の道、捕まった小花が乗せられるのを認めるも船は出てしまう)。船を追う巳之吉、中ノ島橋から船に飛び乗り。
*巳之吉は水谷豊、父の職業を厭い平次にも逆らうやんちゃがお似合い。灘屋は沢村宗之助、悪徳商人ぶりもなかなかだが怪しの清国人がナイス嵌り。グルの御船手組頭は北原義郎、手下は岩尾正隆。幇間の南利明もいい味、灘屋配下の清国風味?の黒覆面のヘッドは宍戸大全で怪しい形の小道具が武器。
2007/7/3

■ 銭形平次 第453話「過去の重さ」1975.1.15フジ/東映

 縁談が来ている娘のため過去を隠そうとする老爺が犯した罪、彼をそこへ走らしめたのは役職を悪用し恐喝をはたらく卑劣漢。あるまじき行為に、親分の怒りの十手が振り下ろされる。
 ロケ地、御用箱を担いだ駆けつけ御用の髪結いたちが集まってくる本郷の源松寺、神光院中興堂。観念した仁兵ヱが平次に経緯を告白する川べり、嵐山公園中州岸・堰堤脇(中ノ島橋、部分映り込み)。脅迫者に会いにゆく仁兵ヱ、木島神社舞殿脇。
*仁兵ヱは有島一郎、娘は立木悠子、相手の若旦那は峰蘭太郎、勤め先の鶴床の主は松川勉。恐喝の黒幕のお町のダンナは中田博久。*放火犯はあっさり自訴して出て解決、火事を持ってくる布石。でもって、火事の際奉行所から書類を持ち出す駆けつけ御用が出て、お決まりで夜道の難(この夜道は広隆寺塀っぽい/映画村内?)。

■ 八州廻り桑山十兵衛 捕物控ぶらり旅 第7話 2007.7.3テレ朝/東映

 裕福な紺屋の若妻誘拐事件、出向いた先では奇妙な経緯。目の前の事象にも己が運命にも無関心で投げやりだった女は、十兵衛の刃の一閃により自ら運命を拓くことを選択する。
 ロケ地、父上を出迎える/見送る八重、妙心寺大通院裏路地。みきの実家・越谷へ向かう十兵衛たち、広沢池東岸汀。草加へ戻る十兵衛、道案内が走ってきて脅迫状を見せる街道は大堰川堤。助蔵がみきに刃を突きつけ金をとり逃げるあやめの渡し、大堰川河川敷。船から上がった二人が友五郎に捕まる河原も大堰川。みきの回想、助蔵に求愛され芝居を打って逃げようと持ちかけられた岩槻宿の鎮守、大覚寺五社明神裏手
*紺屋の後妻・みきに加藤たか子、亭主は小倉一郎。若槻宿の新興ヤクザは成瀬正孝。

2007/7/2

■ 銭形平次 第452話「晴姿女岡っ引き」1975.1.8フジ/東映

 岡っ引志願と平次の後をついて回る大店のやんちゃ嬢様、無茶をやらかす真意に気付いた親分は、彼女付きの手代にハッパをかけ「出雲の神様」に。
 ロケ地、ひょうたんでお駒が大店の娘と知った絵師の優男が彼女をうまうまと連れ出す道、大覚寺大沢池畔。このあと連れ込む泥棒仲間の潜む絵馬堂は五社明神舞殿、壁と絵馬をつけた扉をあしらい。手代の安吉にお駒の行動の真意を説く平次、不明(茶店は藤棚の下、報告にやって来た八は鳥居が二基ある坂を登ってくる)。身代金受け渡しの誓願寺、赤山禅院雲母不動堂(加賀屋が下りて来るのは御滝堂脇の石段)
*お転婆嬢様は岡崎友紀、手代は佐々木剛。親分たちが盗っ人を懲らしめている立ち回りの最中、告白モードに突入している二人が笑える。盗っ人の首領は有川正治、手下に川谷拓三と三島史郎(優男)。聞き込みのくだりに福ちゃんチラリ、ちょっとチンピラふう。*「お正月」はお転婆の羽根突きくらいであっさり。

■ 水戸黄門37 第13話「藩を救った女剣士」2007.7.2TBS/C.A.L

 かつての朋輩を八戸に訪ねる老公、ちょうど彼の娘が別式女に取り立てられるところに来合わせる。凛とした女武芸者に育った娘が実は捨子だったり、藩侯の奥方が次席家老の悪事の証拠を掴もうと無茶をしたり、男として育てられた女武芸者が助さんにほのかな思いを抱いたり、とお決まりネタがてんこ盛り。
 ロケ地、八戸城イメージ、皇居巽櫓。別式女選抜の試合会場、神護寺山門内側に幔幕を張り藤の方が座す。南宗寺へお出ましの藤の方の行列が襲われるくだり、南宗寺のイメージカットに続き神護寺五大堂東をゆく行列を下の林から見上げ、立ち回りはその杉林でも行われる(弥七が放たれた矢を防ぐシーンに「CG」)。抜け荷の品を運ぶ一味、および奥方の意を受けて動く目付方を待つ紅緒のくだりは鳥居本八幡宮、鳥居下と広場を用いる(設定は「おかみ神社」、クレジットにはこの字が表記されている。抜け荷の品が隠されているという荒れ寺へ赴く藤の方と紅緒のシーンでも舞殿の屋根がインサートされる)。父と老公の話を立ち聞き、出生を知った紅緒が佇む水辺、広沢池北西岸
*紅緒は岩崎ひろみ、父は山口崇。悪い次席家老は磯辺勉、「お娟の風呂」に挑み風呂桶に足引っ掛けてドボンのベタなギャグあり。
2007/7/1

■ 編笠権八  三隅研次監督作品 1956.12.28大映

 孤高の剣士・志賀原権八郎は、乞われて池田の殿様の御前で腕前を披露するが、散々に打ちのめされた若侍に恨まれ闇討ちされる。しかし止めに入った指南役・神道十兵衛を過って斬り、江戸を退転。そして若侍たちの偽証から、神道の娘二人は権八郎を仇と狙うことに。
東海道を西に向かう権八郎は、山の湯宿で一行に遅れ足を養生していた神道の娘・露路(妹)と知らずに心を通わせるが、やがて互いの立場を知ることとなる。京での再会を約した権八郎は露路に討たれてやる決意でいたが、悪心を持つ神道の弟子の一人にたばかられ南禅寺に呼び出されてしまうのだった。

ロケ地
・池田家の指南役・神道が権八郎の腕前を見る林、不明。
・池田の殿様の御前で行われる試合、仁和寺白書院南庭(設定は寛永寺)
・権八郎に随行の許しを貰う城介のくだり、茶店は鳥居本の平野屋
・山の湯宿で出会った仇討ち志願の娘・露路に稽古をつけてやる権八郎、保津峡落合河口汀。
・露路を拾って東海道を西へ向かう仇討ちの一行、琵琶湖西岸松原
・大津に宿をとる一行、宿から見えるのは琵琶湖か。
・権八郎が滞在する京東山法泉院、不明(路地、庫裏)
・露路の名で南禅寺に呼び出される権八郎、本物の境内。仇討ち一行が待ち構えるのは三門、立ち回りは林間や三門下から回廊。
・旅立つ権八郎と露路を見送る姉・千草と秋田、知恩院御廟参道坂

キャスト
志賀原権八郎/市川雷蔵 露路/近藤美恵子 千草/三田登喜子 神道十兵衛/夏目俊二 菊池(神道弟子)/千葉敏郎 秋田(神道弟子)/荒木忍 お浪/角梨絵子 城介/水原浩一
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