2008/9/30
■ 銭形平次 第765話「血を吸う部屋」1981.5.13フジ/東映75
目撃した血だらけの死体が忽然と消え、化かされたかとクサる八。しかしちゃんと動機のある企みが隠されており、世に不思議なし。誤ってはいるものの一途な心が作らせた、途方もない仕掛けも、やっぱり投げ銭が解決する。
ロケ地
- 本所・亀沢町にある佐原屋の寮、不明。銭平や杉良金さんで既出の「料亭」、円山公園内の施設か。柴垣の塀が続く坂が特徴。
*亡夫の願いを叶えようとするあまり過激な行動に出る口入屋の女将は稲野和子、事が露見したあとは自ら仕掛けを作動させ壮絶な死を遂げる。女将と行動をともにする番頭は花上晃、寮にいる老僕は桑山正一。釣り天井を作ったものの強請って当の仕掛けで殺される渡り大工は平沢彰、人相書がそっくりで笑える。
*釣り天井は折角作ったので三回作動。親分はギアに銭を噛ませて止め、虎口を逃れる。
2008/9/29
■ 銭形平次 第764話「この愛に生きる」1981.5.6フジ/東映49
あまり居心地のよくない婚家で過ごす若き未亡人は、ある日再会した懐かしい人に心惹かれてゆく。その人の境遇は昔と大きく異なり、町方の目に怯える日陰者、平次の気遣い空しく恋の成就は成らず。しかし残された女はこれを転機として生きてゆくのだった。
ロケ地
- 抜け荷の証拠を売ろうとした男が消される大川端、中ノ島橋とたもと。堰堤際の法面が殺害現場、栄二郎が来かかり見てしまうのは橋たもと、夜回りの万七が橋上を来る。
*駕籠屋の未亡人は由美かおる、彼女で持つ店という設定。前科者の元寺子屋師匠のコブつき浪人は林与一、危機に際し贖罪意識から抜かず戦い落命の運び。身勝手で口喧しい駕籠屋の姑は菅井きん、身持ち定まらぬ次男坊の栄二郎は有光豊、駕籠舁きには小峰さんほかよく見る顔。回船問屋の用心棒は川浪公次郎。
2008/9/28
■ 柳生一族の陰謀 2008.9.28テレ朝/東映
家光を将軍の座につけるため、柳生但馬守は春日局や松平伊豆とはかり秀忠暗殺・忠長追い落としを画策。その過程は過酷、但馬守は我が子を二人までも亡くすが使命を完遂。しかし用心のための口封じが長男・十兵衛の激しい怒りを買い、肝心要の大事な駒はあっけなく消えてしまう。
ロケ地
- 出雲阿国が興行を打つ江戸の神社、出雲大神宮。鳥居越しに阿国が踊る舞殿を見る。
- 家光の乱行を諌めた家臣がお手討ちになるくだり、江戸城イメージに姫路城天守を映して渡櫓にパン、別式女の試技を見ている家光のいる園地へつなげる。その庭は大覚寺遣水跡の芝地、大沢池の蓮がちらりとのぞく感じに幔幕をめぐらせ。
- 持仏堂に安置されている秀忠の亡骸から「胃」を盗って逃げた半蔵の手の者と戦い阻止する柳生の兄弟、大覚寺有栖川河床(雷雨の夜を演出)。
- 半蔵と渡り合ったあと阿国の小屋を訪ねる十兵衛、出雲大神宮参道石畳(夜間)。
- 柳生江戸屋敷、大覚寺大門。
- 十兵衛を伴い登城する宗矩、姫路城菱の門。十兵衛は門をくぐったところで立ち止まり天守を見遣る。
- 秀忠の葬儀に嘴をはさんできた尾張と協議するため、宗矩や春日を従えお城の廊下をゆく家光、東福寺通天橋。
- 秀忠の葬儀が営まれる寺(史実では増上寺)、室内は妙顕寺(建具は蔀戸)、山門で十兵衛に柳生行きを命じる宗矩は金戒光明寺三門。
- 柳生の庄・黒谷、イメージの山なみは谷山林道からのビューか。里は酵素、固定の民家セットのほか竪穴式住居みたいなのもあしらわれている。ここは以降も何度も出てきて、河川敷や「木」、竹林や葦原に降り口、ダートなど幅広く使われる。
- 駿府城、彦根城天守遠景に富士山合成。
- 宗矩が柳生から出てきた根来衆と会うくだり、茜たちを従え馬を駆けさせる街道は大堰川堤、左源太に一族復興を約束するのは大堰川河川敷。設定は武蔵・玉川。
- 狩りの土井大炊頭を襲う柳生の兄弟、不明(砕石場様の崖下のアレ、幔幕めぐらせ)。
- 半蔵が猿若雪之丞に家光暗殺を命じるくだり、一座が興行の神社は出雲大神宮舞殿。失敗した雪之丞の死体が晒される野原は酵素か。
- 片目をなくした十兵衛が間合いの取り方に悩む竹林、北嵯峨か。
- 十兵衛と名古屋山三郎が戦うくだり、十兵衛に手裏剣が飛んでくる山道は沢ノ池ダート、以降戦闘は東岸汀から池中へ。
- 再び土井大炊頭に仕掛ける柳生の兄弟、谷山林道切通し。茜は土井を討ち果たすも半蔵の手にかかり落命。
- 京イメージ、東寺五重塔。帝に企みを上奏の烏丸少将のくだり、御所イメージに二条城唐門越し二の丸御殿車寄。
- 烏丸少将がたばかられ連れ込まれ爆殺されかかる「料亭」、不明(土井大炊頭が襲われた狩場と同所、爆破炎上があるほか、「小滝」下で傷を洗う少将と阿国が会う)。
- 三条卿の言葉尻をとらえ上洛にもってゆくくだり、家光の行列がゆく傍らで左源太に頼みごとをする宗矩、姫路城西の丸。
- 焦り忠長を焚きつける江与、駿府城イメージに彦根城天守。
- 別木庄左衛門になりすました左源太が、天野刑部ら牢人衆をハメる駿府城下の鎮守、鳥居本八幡宮。
- 家光の行列がゆく駿河まで三里の街道、瑞穂の造成地。駿府の牢人衆が襲撃をかけるも待ち伏せの兵にやられるくだりは小丘付近を効果的に使い、三条卿が崖を転がり落ちたり。
- 三条卿死亡の責を負わされハメられたことを聞かされる上洛途中の忠長、谷山林道。
- 忠長をうまく罪に落とせたとの報告を小田原城で聞く家光、イメージに本物の小田原城天守を映し、家光のいるバルコニーは東福寺通天台(家光の背後に通天橋も映り込み)。
- 駿府城に殺到する軍勢のくだり、城門は彦根城天秤櫓、父に会う十兵衛は天秤櫓下石垣際。
- 配流の忠長に会う十兵衛、高崎城イメージに伊賀上野城天守遠景。
- 烏丸少将が尾張大納言を焚きつけるくだり、名古屋城は本物の天守をイメージに。
- 大津にとどまり用を果たせと阿国に命じる少将、広沢池。船上〜東岸に上陸。
- 阿国を始末にかかる少将の下人、不明(鳥居本か、竹林の中に巨石)。
- 十兵衛と少将が決着をつける山中の滝は琴滝。滝壺周囲に石仏等あしらい。
- 黒谷の里の惨状を見たあと、怒りに震える十兵衛が立つ巌頭、保津峡落合落下岩。導入は河口汀から岩を見上げ。
- 勝ち誇り大奥を闊歩する春日局、東福寺方丈廊下。
- 首を届け城を去る十兵衛、姫路城西の丸〜好古園路地〜琵琶湖西岸汀。
■ 遠山の金さん 第6話「三年かかって帰った男!」1982テレビ朝日/東映49
妻子にも会わず過ごす島帰りの男の頑なさは、世間への不信から。彼の無実をあかす過程で、抜け荷で大儲けの悪徳商人が浮かび上がる。
ロケ地
- 父無し子と苛められる子(弥助の子という「偶然」)を助ける金さん、大覚寺天神島。
- 三年前偽証した元板前の爺さまをおぶって走る金さん、大覚寺放生池堤。告白を聞くのは護摩堂前。弥助の女房が拉致されたと聞き備前屋へ駆けつける段では前を走り抜ける。
- お裁きのあと晴れて妻子と再会する弥助、下鴨神社参道。導入は瀬見の小川土手越し、走る坊をスローモーションでとらえる。
*冤罪で島送りの弥助は川地民夫、女房は宮井えりな。弥助に罪を着せて抜け荷の元締を殺害した備前屋は外山高士、実行犯の番頭は山本一郎、色仕掛けをセッティングした妾は湖条千秋、偽証を強要された板前の爺さまは河合絃司、備前屋が使うヤクザに平沢彰、ラス立ち用心棒の先生で福ちゃんが出て手拭からめられ。
2008/9/27
■ 逃亡者おりん 烈火の巻 2008.9.26TX
訳ありの子を保護する羽目になるおりん、その子が歌うわらべ歌には由比正雪が遺した軍資金の在り処が秘められていた。亡霊が亡霊を焚きつけ、真の悪霊が姿を現す。
ロケ地
- 駿河の浜辺をゆくおりん、琵琶湖西岸(河口州か)。日笠村近くの野道、不明(林道)。由比小雪の亡霊が里人を殲滅する村、酵素河川敷。
- 駿府城、二条城北大手門。百介の報告を聞く弥十郎は隅櫓を望む堀端。
- イメージカットの富士山が出たあとのおりんがゆく山道、谷山林道。子の悲鳴を聞く。
- すみれを連れ城下へ出るくだり、おりんが役人に誰何され逃げたところを囲む虚無僧たち(城代の手下)、大覚寺護摩堂裏(聖天堂も映り込む)。
- 城代が財宝探しをさせている白頭山、不明(崖は岩肌、坑道から見た外にゴロ石)。
- 矢を射られたおりんを保護した城代の娘・佐奈子がすみれを散歩に連れ出す野道、山室堤(麦畑が稔りの色)。魚とりの川、大堰川。
- 城代の意図を知り屋敷を出たおりんがすみれを伴い歩く山道、不明。駄々をこねて消えたすみれが歌をうたう林、不明。
- 歌にあった六地蔵付近を掘らせる城代配下の島田、酵素竹林際。
- すみれ捜索の人数が走る山道、酵素ダート。おりんたちが誰何される検問所は不明(林道)。すみれを抱いて逃げるところへ弥十郎が現れヘルプの山道、不明。
- 軍資金のことやすみれの出自を話す弥十郎、不明(砕石場か、岩場の崖)。
- 風魔がすみれを連れてゆくのを目撃する佐奈子、不明(林道)。尾行が露見し危機に陥る佐奈子、おりんが助け二人して飛び込む淵は嵐峡。
- 風魔がすみれを伴いやって来る狭霧沼、不明(湖畔に植林杉)。朝顔が目印の坑道、不明。坑を抜けるとある滝、琴滝。滝壺下にミイラと金箱入の「お堂」あしらい。
- 事後、尼寺にすみれを預け旅立つおりん、龍潭寺山門(孤児院設定か、中に子ら多数あしらい)。
*駿府城代は田村亮、娘の佐奈子は木下あゆ美、野望は抱くものの基本は善人。虚無僧に扮して悪いこともする城代配下には日野陽仁、最後ちょっとキレてて笑える。大岡忠光の使嗾を受ける風魔一族の長は遠藤憲一、いくら人事不省とはいえ学習能力ゼロの落っこち方がなんじゃコレは状態。由比正雪の亡霊には白井滋郎、道悦「顕現」時には榎木孝明にモーフィング。由比正雪の末裔だった幼女・すみれは兼崎杏優。
2008/9/26
■ 銭形平次 第763話「浮世絵の女」1981.4.22フジ/東映49
芸者と深間にはまり破門になった絵師、その後絵が売れず遂に断筆を覚悟するに至るが、裏には欲深者たちの汚い意図が隠されていた。
*ロケなしセット撮り。元芸者は星由里子、相手の絵師は大出俊、師匠は加藤嘉。兄弟子を襲わせる悪党は石田信之でつるむ版元は谷口完。二人を始末にかかる段でわらわら湧いて出るヤクザ者に福ちゃんや小船さん。
2008/9/25
■ 銭形平次 第762話「娘せんせい奮斗記」1981.4.15フジ/東映49
婿がねの堕落に心痛め酒に溺れる父、さらに彼を陥れようとする当の元弟子。しかし、寺子屋を営み健気に家計を助ける娘の生徒が悪党の密談を聞いていて注進に及び、事件は解決の方向へ。
ロケ地
- 賢哲塾を抜け出しメダカ捕りに行った悪童どもが通りがかり人殺しの密談を聞く稲荷町の神社、鳥居本八幡宮。子らは小柴垣の道を駆けてきて、小丘を登り本殿前へ・舞殿に隠れて悪党の話を聞く。
*塾の女先生は遙くらら、父の浪人は内田稔で事後就職するものの酒はやめず。仇討ちの意思をなくし盗っ人の一味にまで堕ちた元弟子にして女先生の許婚者だった元烏山藩士は岡崎二朗、賊のかしらは牧冬吉で質屋を抱きこみブツを捌くも内紛でワヤな運び。夜嵐組のブツを捌いていた質屋が殺された大川端での検分に群がる見物衆に福ちゃんチラリ、顔の振り方が派手で目立つ(+)八のうしろでけっこうなアップも。
2008/9/24
■ 銭形平次 第761話「花の若衆仁義」1981.4.8フジ/東映49
生き別れだった母子再会の情話、囚われの母を求める娘はきりりと男装。母はヒヒ爺に監禁されているのだが、その屋敷では親分たちが追っている事件に関わる賭博が行われているのだった。
ロケ地
- 若衆姿で江戸へやって来るお葉がゆく川べり、嵐山公園桂川河川敷。
- 置屋で母の消息を聞いたあと、お葉が物思う川辺、桂川大堰下手中州舳先。
- 佐渡屋が差し向けた用心棒らに襲われるお葉、大覚寺護摩堂前。危機に駆けつける平次は放生池堤を走ってくる。
- お葉の回想、父に男扱いされ剣の稽古をつけられた林、不明(竹林、北嵯峨か)。
- 小田原へ帰るお葉と母を見送る街道筋、広沢池西岸と映画村セットを組み合わせ。
*凛々しいお葉は汀夏子、ラス立ちでは襲い来る者どもをばっさばさに撫で斬り、しかし親分に斬っちゃならねぇと言われ「ハイ」で以降は峰打ち…既にいっぱい斬ってるケドいいのか。あと、勝負服が由美かおるみたいなのもツッコミどころ。母は小畠きぬ子で監禁して迫りまくるヒヒ爺の旗本は江見俊太郎。殿様を利用して旦那博打を開催する外道は田口計、手下に岩尾正隆や小船秋夫ほかお馴染みの面々に加えレツゴー三匹が出ていて笑いを添える。
2008/9/23
■ 銭形平次 第760話「約束された祝言」1981.3.25フジ/東映49
色悪に見込まれた商家に訪れる不幸、親分の奔走で悪党の正体は露わとなるが、ぶっきらぼうでナイーブな青年がすぐさまの復縁に応じないあたり、味のあるお話。
ロケ地
- おいねをならず者たちから助ける与三郎、広沢池北西岸(水無し)。
- 暇乞いをして店を出た佐太が物思う岸辺、罧原堤下汀。井筒屋の主が幼い二人を連れてきた回想シーンも出てくる。
*おいねは村田みゆき、佐太は江口正昭、井筒屋は武内文平。与三郎は西田健で情婦は中島葵、与三郎の使嗾でおいねを襲ったり井筒屋を殺したりするならず者は有川正治ら。
*西田健を首実検に連れ出す際の、親分の笑い顔が大笑いで必見。
2008/9/22
■ 銭形平次 第759話「浮世がからんだ一番富」1981.3.18フジ/東映49
一番富は三百両という僥倖が、ひとの心にもたらす明暗。謎解きは、様々な人間模様を照射し、ドラマを紡ぎだしてゆく。
ロケ地
- 富籤が売り出される湯島天神、上御霊神社。八とお静が買って帰るくだりでは本殿の唐破風が映り、富突きは舞殿で行われ、当り籤は自分のものだとお春が金を受け取りに来る段では境内に幔幕がめぐらされる。
- 吉川浪人に話を聞く平次、広沢池観音島(水無)。
- 江戸を出るお春がゆく街道(箱根の先の故郷へ帰る設定)、広沢池東岸〜北岸(斜面)で、水面は映らず。東岸に茶店があしらわれ、大山まいりの衆が休んでいる脇を、万七を従えたお春がずんずん通り過ぎる。その法華衆(どんくつの団扇太鼓アリ)が正体を現しお春に襲い掛かるのは北岸、危機に平次が駆けつけ大立ち回り。
*当選金の受け取り役に使われる酌婦・お春は水原麻記、倣岸で蓮っ葉な態度をとるがその実は哀れな女というのを好演。彼女を使嗾していた腐れ縁の地回りは江幡高志、親分の尋問に泳ぐ目線が可愛すぎ。一旦は悪心を抱くも仕了せなかったご浪人さんは原口剛、同じくガサにまで入っていた資金繰りに困る質屋は陶隆司。当り籤を亭主にワヤにされた蕎麦屋の女将は桜京美、自分のことばっかりでイヤーな感じだが当選金は全額寄付という逸話つき。蕎麦屋の親爺に籤をおっつけられひどい目に遭う大工は坂口徹郎、赤影さんは好青年。大工を襲って籤を盗った畳職人の死体を見つけた船頭は福ちゃん、富突きのシーンでも前列にいて目立っている(ベタでクレジット、しかし不自然な形の「清三」で放送当時は清二と誤記の疑いムンムン)。
2008/9/21
■ 遠山の金さん 第5話「江戸の華!一番纏で一件落着」1982テレビ朝日/東映49
わざとらしく証拠をぶら下げての放火、捕まった男はあっさりと罪を認めるが、彼が庇った相手は気持ちに値する者ではなかった。
*ロケ地は「材木置場」がアレっぽい感じなほかはセット撮り。放火犯として捕われる手代は伊吹剛、拾い育ててくれた上総屋に海山の恩を感じ罪を被ろうとする運び。彼を慕う上総屋の娘は山本ゆか里、上総屋は根上淳。福ちゃん二態、上総屋が娘を連れ戻す街頭で騒ぎを見ている通行人(妙にキョドり不審なのが笑える)と、ラス立ちの用心棒。
2008/9/20
■ 逃亡者おりん 紅蓮の巻 2008.9.19TX
子と離れ巡礼となり贖罪の旅を続けるおりん、しかし「元手鎖人」ばかりを執拗に狙う一団が跳梁し否応なしに戦いの渦中へ。そして倒したはずの悪霊が立ち現れ、おりんを手先に使おうとする。彼は、暗い意思をもって再びの騒擾を起こそうとしていた。
ロケ地
- 冒頭、紅蓮に追い立てられ斬り殺される元手鎖人とその女房、下鴨神社河合社裏手。
- 巡礼姿のおりんが参る神社、鳥居本八幡宮本殿。その後足を浸し水を汲む小川、酵素河川敷。紅蓮が現れチャンバラは葦原や川端、ダートなどでめまぐるしく展開。
- 御金蔵の火事騒ぎの際現れて逃げる白夜叉、嵐峡。設定は「この先は荒川、行き先は夜叉が峰」と万介談。
- 甲府入りした清国使節団に挨拶に出る甲府勤番支配、随心院書院。一行の中にお咲を見たおりんが庭(サツキ開花)に入り込み。見つかって逃げるシーンは長屋門前や裏土塀、竹林に潜むところで次郎吉に袖を引かれる。
- 次郎吉と夜叉が峰の話をするくだり、セピアで保津峡落合河口。
- 江戸城イメージ、姫路城天守。城門などは映画村のセット。
- 夜叉が峰にやって来る弥十郎たち、保津峡から落下岩を見上げ。鳥居本八幡宮石段で黒夜叉や青夜叉が出てチャンバラ、広場でも斬りあう。このあと落合崖道にスイッチ、落下岩から弥十郎が落下するも途中で引っかかり、千介がロープ出して救出。
- 使節団がゆく街道、酵素ダート。同時に紅蓮が出て行列脇で元手鎖人狩りをはじめ、見ていたおりんはたまらず参戦。
- 甲州街道をゆく使節団の宿(八王子手前)、随心院薬医門。おりんが潜入すると道悦が現れ、再び手鎖をはめられてしまう。
- 道悦の手から逃れ夜叉が峰へ娘を取り戻しに赴くおりん、谷山林道切り通し(仁平がおりんを襲った手鎖人たちを一掃、この林は不明)。
- 正面からの侵入を諦め、裏山を登攀して入るおりん、保津峡落合落下岩を登る。下に仁平が来ていて、おりんを殺意溢れる目で凝視。
- 夜叉が峰の手鎖人たちが江戸へ向かうのを阻止するくだり、下界へ通じる一本道を塞ぐと弥十郎に方策を話すおりん、指し示すのは谷山林道切り通し。仕掛けのある小屋は頂上作業場にあしらい、ここで羅神たちと大立ち回り。
- 道悦の僕だった老中を成敗したあと、内藤新宿で使節に化けている道悦の宿館に踏み込む弥十郎のくだり、逃げ出した道悦をおりんと二人で追い詰めるのは鳥居本八幡宮広場、みっしりと落葉散り敷く崖下に「底なし沼」を演出・合成。
- 弥十郎にお咲を託し旅立つおりんがゆく山道、谷山林道。仁平がおりんに矢を射掛ける竹林は不明、鳥居本の奥か(林床に巨岩)。
*宇吉に頼まれお咲を保護した設定の、全ておりんのために動いていた元手鎖人仲間の次郎吉は高知東生。お咲は八木優希、達者な子役。道悦の僕はいっぱい、老中・脇坂飛騨守は山田明郷、夜叉が峰を差配する羅神は菅田俊、使節に化けてる漢神は春田純一。甲府勤番支配は峰蘭太郎、福ちゃんは四態で幕閣でチラリ甲府で旅人チラリのほか紅蓮メンバーにいたり手鎖人のなかにいたりと大忙し・派手なのけぞりもアリ。
■ メタル侍 第12話「転交生!アタイが拙者で拙者がアタイ」2007東映
でっさんこと松平出洲之進とおみつが、神社の階段から転げ落ちると人格が入れ替わり。安芸の国・尾道ではよくある話と済まされかけるが、いつものお奉行のちょっかいが幸いし大騒動の最中に元の体に。もうサブタイから遊んであって、体の変化に気付いて「オォゥ?」つう、アレもやる。このお話には神社の石段が入用なのでちゃんとロケ、鳥居本八幡宮が使われている。但し落っこちてたのは明らかに人形で笑いを誘う。でっさんの体の中にいるのはおみつと見抜くお奉行がなかなか泣かせるほか、ノビているおみつの蛙みたいな脚の開き加減もなかなか。
*サブタイトルの字面はママ
2008/9/19
■ 銭形平次 第758話「黄金は白銀に散った」1981.3.11フジ/東映
百年前に強奪された黄金が、贋金に仕立てられ江戸の町にばらまかれる危機。秘密は、消されるところ一人逃れた錺職の青年から露わになり、平次は悪党が巣食う秩父の雪嶺へ。
ロケ地
- 贋金つくり一味が潜む秩父山中、不明。ずいぶん高い雪嶺で、木の生えてない斜面広すぎな条件からするとゲレンデっぽく、湖北のスキー場みたいな感じ。狙撃から一人逃れた仙太が辿るルートも不明、神社参道っぽい林や、笠を失敬する農家(萱葺)など映るが、全て雪景色。
- 一味の男が仙太の妹を連れ出し居所を迫る墓地、招善寺墓地。かなり判りにくいが、福ちゃんの背後に映り込んでいる「お堂」が桶置場のすぐ北にある小堂と一致。設定は、浅草三間町の長屋のかみさんが「裏のほうへ行った」と言っているので、広小路を隔ててある浅草寺ではなく、浅草本願寺かもしれない。
*仙太は火野正平、妹は村上理子。一味の頭目は田中弘、手下の鎖鎌使いに唐沢民賢、仙太を殺しに出向くのは福ちゃんで、小船秋夫もちらり。
2008/9/18
■ 銭形平次 第757話「見かえり坂慕情」1981.3.4フジ/東映49
己のため罪を得た男の子供を引き取り育てる女、彼女の弱味に付け込み偽証させようとした悪党どもだが、平次乗り出しという虎の尾を踏む結果に。おそらく気持ちはもう夫婦の男女を見守る親分の目が優しい。
ロケ地
- 見回り中の平次らが苛められる太吉を見かける神社、吉田神社竹中稲荷。八にお昼をねだられている親分は参道重ね鳥居下、父なし子と罵られ悪童に水をかけられる太吉は灯籠付近。
- 江戸払いになった栄次郎を見送る街道、木津堤と流れ橋。堤法面の登り道に木戸をあしらい、おしのと太吉が走る「坂」に仕立て。付き添いの役人が栄次郎を解き放つのは橋上、右岸のコンクリート橋脚部分。流れはけっこうある。おしのの回想で出る河原もこの付近と思われるが特定に至らず(足もとは砂地かシルト)。親分が江戸入りを見逃し見送るくだりももちろん同所。
- 子に会いたくてひそかに江戸へ戻った栄次郎がおしのたちと落ち合う約束の神社は吉田神社竹中稲荷、栄次郎がヤクザに囲まれ殺されかけるシーンは本殿裏手の摂社群、涙の再会は舞殿前や参道で。
*おしのは田中真理、ロマンポルノの星は芯の強い薄幸の女を演じ絶品。彼女を庇い罪を得た板前の栄次郎は久高惟晴。ヤクザは元締が長谷川弘で手下に小沢象(殺人犯)や内田勝正、殺された錺職にして栄次郎に不利な証言をした男は大竹修造。
*栄次郎を見送る街道の設定は語られず、東海道だと六郷の渡しだし、甲州街道だと川は無いので、日光街道・千住大橋かと思われる。但し、「見返り坂」もしくは見送り坂が本郷だった場合は、もうわけわかんねーのでパス。あと、勘兵ヱ一家が蟠居するのは根津界隈設定、竹中稲荷がどこ設定なのかは語られず・根津権現とかの名前も出ず。
2008/9/17
■ 銭形平次 第756話「命を狙われた万七」1981.2.25フジ/東映49
兄の仇を討つと思い詰めた娘は万七を襲うが、悪党のはかりごと。襲撃におびえまくる万七がコミカルに描かれ、賊の使嗾を受けていた娘には咎めなく、一応「お手柄」で決着。
ロケ地
- おみつの兄が転落して死んだ正覚寺、金戒光明寺墓地・文殊塔下。万七が呼び出されて切りつけられるくだりをはじめ、何度も登場。ラス立ちもここで。卒塔婆はセット撮りと思われる。
- おみつが連れられてゆく相模屋の寮、不明(銭平でも何度か出ている料亭ふう入口・細竹編みの塀)。おみつが短剣投げの練習をする庭も同所か。
*おみつは佐藤万理、実は賊の一味だった兄は有光豊。龍神組の首領だった相模屋は神田隆、情婦の酒肆女将は湖条千秋。亡母の里を訪ねる設定で出る万助は岡本崇。
★パクられてますよ報告メールが複数来ていて、検証サイトまであるらしく驚き。以前にも京都情報系とかアレとかでやられてたけど、今回のは漫画関係みたい。ただ、ジャンルがいったいなんなのかよくわからないうえ「トレス」とか余計わけわかんねーので思考停止。とにかく不正なことはやめてくれよな。
2008/9/16
■ 銭形平次 第755話「汚れなき純情」1981.2.18フジ/東映49
仲がよくお神酒徳利とまで称される青年たちだが、一人の婀娜っぽい女との邂逅が均衡を崩す。誤解と恣意が二人を翻弄するが、解決ののちは再び爽やかな友情が戻りめでたし。
ロケ地
- 安吉が「吐き」伝馬町送りになったと聞いた親分が出向く途中、川辺に佇む伊之助に声をかけるのは上賀茂神社ならの小川畔。外側の柵越しのアングルも。
- 事後、まだ「入院中」の清吉を見舞う万七のくだり、先立って映る甍は大覚寺聖天堂と大日堂の甍、背景はまばゆい青空。
*青年たちを誘惑し罪をおっつける「魔性の女」は加賀まりこ、情夫は木村元、殺された「旦那」は人見きよし。まだ16歳の青年二人は佐瀬陽一と堀広道。
*殺人犯に清吉を傷つけられた万七はフライング、青年たちを拷問するほかいやらしい詐術で彼らを引き裂く手に出たりして、親分に思い切り怒られる。しかしラストには二人に顔向けならずこそこそ隠れ、背に手を合わせる姿が描かれていて、えげつない所行の臭み消しに。
2008/9/15
■ 銭形平次 第754話「秋田から来た花嫁」1981.2.11フジ/東映49
八の失恋話、今回はイケるかもとの期待空しく、女の腹には四月の子。夢破れ盗っ人の仲間入りをしていた「子の父」を救済する情話に仕立ててある。
ロケ地
- 身投げから助けた女の身なりを整えたあと、お団子買って二人で食べる八、今宮神社境内の屋形(稲荷社脇)に腰掛け。
- 盗っ人に脅迫されるも逆に犯人を仕立てて殺害の依頼をする桔梗屋の女将と番頭、今宮神社若宮社脇・灯籠を効果的に使う。見張る青柳同心は稲荷社玉垣裏手に潜み。
*八に助けられる秋田の女は浅利香津代、恋人は山谷初男で盗っ人仲間は松山照夫。賊の侵入を奇貨として旦那を殺す鬼女は山口奈美、女なのに銭を当てられ。
*そういう趣向の話なので、八の妄想炸裂。祝言の夢はいつものことだが、名岡っ引「明神下の銭っ八」は大笑い・賊をつとめるは万七と清吉で、赤ん坊は八の「二役」。
2008/9/14
■ 遠山の金さん 第4話「奇々怪々!二度死んだ女」1982テレビ朝日/東映49
寄場の女を売り飛ばし私腹を肥やす一味、己が部下の非道に怒り心頭のお奉行から鉄槌が下る。また、罪無くして寄場へ送られた者たちの境遇にも、深く思いを致す金さんなのだった。
ロケ地
- 寄場の女を仮死状態にして運ぶ御用船、大覚寺大沢池(夜)。上陸は船着き(小)。
- 蘇生に失敗した女が放置されて見つかる回向院墓地、西方寺小谷墓地池端。
- 猫目の懐から証拠品の元結を掏るお竜、大覚寺護摩堂脇。
- 石川島寄場、罧原堤下河原に柵あしらい。
- 常平の話に出る出稼ぎ人たちの惨状、どぶ浚いをする男衆は大覚寺有栖川河床。
- おのぶが高遠を出てくる折途中まで見送ってくれた恋人、別れた野道は酵素河川敷。
*寄場から深川の岡場所へ売られたおのぶは永島暎子。悪党一味はコッテコテ、寄場詰同心は菅貫太郎、人足目付は五味龍太郎、寄場差配は江幡高志、女たちを売り飛ばす口入屋は伊達三郎、協力する医師は近藤宏…濃すぎ。ラス立ち福ちゃん入り・口入屋の下っ端。
*さすがの北のお奉行さまも高みからしか物を見ていないと批判の常平、元結を寄場の紙と見抜いたり、出稼ぎ人の悲哀についてひとくさりぶつ場面も出て、ヒストリーがちらちら。
2008/9/13
■ 刺客請負人2 最終話「明るい方へ」2008.9.12TX
刑部に来た依頼は病んだ女郎から、亡父の仇討ち。的は刑部もよく知る温和な木戸番の親爺、あっさり事実を認め観念するさまを見て一旦退くものの、中の人が闇法師の首魁ときてはただで済むはずもなく、道化じみた男の野望も加わりカタストロフが口を開けて待っている。
ロケ地
- 友を斬り日田藩から出奔した貴志伝左衛門(嘉助の回想)、保津峡落合河口付近汀(見下ろしのアングル)。
- 女郎殺しの犯人として町方に追われる身となった刑部を案じお百度を踏むお静、わら天神六勝大神。
- 刑部は無実とまくしたてる岩切同心の訴えを排した神崎与力が日暮れてこっそり出る北町奉行所の門、大覚寺明智門。彼を尾行する岩切、大沢池畔〜大沢池木戸(神崎が振り向いたので岩切は木戸陰に隠れ・神崎は舟着(小)から道八の操る船に乗り込み)。
- 神崎与力が事態を注進に及び、新たなパートナーとして道八が紹介される長居伊賀守の寮、民家長屋門(南望のビュー)。
- 闇法師のアジトへ斬り込んだ刑部のもとへ駆けつける岩切同心が銃声を聞く夜道、大覚寺参道石橋。
- 箱根より西、富士山を望む街道筋の茶店で親爺と話す旅装のお吉、嵐山自転車道(富士山合成)。
*依頼者の女郎・お染は中原果南。
*お吉が刑部に助っ人を要請する運び、刑部は金をとらずお吉の更正を要求。示唆のターム「明るい方へ」は、お静が刑部に語ったもの。
*死闘のすえ闇法師を殲滅するものの、道八が引き込んだ捕り方に包囲され進退窮まった刑部は、お吉を逃がすため決死の吶喊を敢行、火をふく銃口が映ったあと刀をかざす刑部が止め絵になる。以降は「関係者」にも消息不明。
2008/9/12
■ 銭形平次 第753話「やさしい悪女」1981.2.4フジ/東映49
女をとって父と義絶状態の倅が、事件に巻き込まれる。切りようもない親子の絆、苦界から救ってくれた男に対する感謝の念、思いあう心は土壇場で通じ長いわだかまりも氷解し、父と息子夫婦は幸せそうに旅立ってゆく。
ロケ地
- 泉州屋の荷が禁制品と知り怖気づく人足の房吉、逡巡しつつの帰り道で兄貴分ともみ合いのすえ刺してしまう大川端は中ノ島橋と周辺。振り返りつつゆく房吉から導入、橋下手の右岸河川敷の栗石が照らされて浮かび上がる。源次に声をかけられる段では橋が背景に来て、もみ合いの段では背割を走り堰堤上から川に落ちる次第。検分に駆けつける平次は橋上、見物衆が配される。
- 青柳同が持っていた証拠品から源次殺しが倅の仕業と知った親爺が、女房同然のお袖に会いにゆくくだり、広沢池東岸・桟橋と茶店を汀にあしらい。お袖は柳橋の船宿勤め。
- 身売りしようとしたあとお袖が佇む夜の橋、中ノ島橋。青柳同心が声をかける。
- 親爺と話し房吉の居所を聞きだそうとする平次、広沢池観音島(木橋架かる)。
- お袖と房吉が落ち合う竹中稲荷(劇中ほんとにそう呼んでいた)、吉田神社竹中稲荷参道重ね鳥居。泉州屋の手下が出て二人を拉致ろうとするところへ青柳同心が出てチャンバラ、殺陣は舞殿前へ殺到。平次が駆け下りてくるのは三高碑へ通じる石段、親爺もここから登場。
- 上方へ旅立つ三人を見送る品川宿の大木戸、下鴨神社馬場に柵あしらい。
*女郎上がりのお袖は三浦真弓、亭主の房吉は小野川公三郎、彼の父で酒肆の頑固親爺は金子信雄。泉州屋は谷口完、房吉を殺そうとして返り討ちにあう源次は唐沢民賢。
*ED小芝居、鍋を囲む三人。親分やっぱり手つきが怪しくて、いっぺんに具をざこーっと鍋ン中に。いつぞやのソルトシェイカーぶりよりはマシだけど。
2008/9/11
■ 銭形平次 第752話「鬼面組御用!」1981.1.28フジ/東映49
跳梁する凶賊が兄かもという疑念に、押しつぶされそうになる娘。見かねた友人のおくみが首を突っ込み、八の立ち聞きから平次の耳に達し、真実が明らかになってメデタシの運び。
ロケ地
- 鬼面組がきまって消える下谷界隈、下鴨神社河合社脇。後段では賊が出てくるところに親分が立ちはだかる運び。旗本・内藤監物邸付近という設定で、万七が不忍池付近の地図を指しながら「下谷茅町」などと発言。内藤邸は映画村オープンセットを使用。
*料亭の下働きがカッコ悪くて隠していて妹の疑義を呼ぶ浪人の兄は村野武範、妹は舟倉たまき。兄と共に放逐された朋輩で鬼面組の首魁は溝口舜亮、黒幕の旗本は川合伸旺。ラス立ち福ちゃんや小船さんなど「見た顔」多数。
*葛藤のドラマは銭平らしく堅いつくり、ラス立ちはファンサービスかと思われるような展開で、手の届かぬ巨悪に十手を脱して立ち向かう親分を描く。青柳同心に十手を渡すから今から行くのかと思うと翌日、昼間に堂々と行く。しかも正面から入り、どうどうと腕組みして邸内をずんずんずかずか、わらわらと湧いて出た人数は迫力に気圧され後ずさるのみ。立ち回りははじめ素手、銭投げののち奪った刀で二刀流もやり、シケ垂らして奮戦するくだりは映画時代を髣髴とさせるが、しっかり岡っ引の殺陣なのが見どころで、峰で寸止め。
2008/9/10
■ 銭形平次 第751話「魚河岸の暴れン坊」1981.1.21フジ/東映49
魚買占め一味に憤る棒手振りの青年は、助け合って育った孤児仲間に裏切られてしまい殺人者として追われる身に。最終局面では友が改心し悪党ども一網打尽、罪に服す友を待つ青年の情が泣かせる。
ロケ地
- 殺しの現場に行き合わせ平次から逃げた伊佐吉が佇む夕暮れの水辺、広沢池畔葦原(いずれの岸か判明せず・奥に南堤が見えている感じ)。
- 三次の幼時の回想、いじめっ子から庇ってくれた伊佐次、罧原堤下汀。看病してくれた縁の下、不明(亀腹が見えている)。
- 三次が伊佐次を匿う海辺の小屋、広沢池東岸。水はかなり引いていて、干潟のように見え効果抜群。
- 包丁持ち出しについて三次を問い詰める平次、嵐山公園・桂川河川敷(臨川寺地区・左岸河川敷の堰堤脇)。
*伊佐吉は森進一、劇中「通りゃんせ」を披露。三次は松山政路、伊佐吉を羨み追い越そうとして焦ったことが蹉跌、済まなさそうに泳ぐ目が巧い。わるさを働く魚河岸の顔役は伊達三郎、邪魔になった子分を手ずから天秤棒でぶっ叩いて殺すのも迫力。その殺される手下は黒部進、彼が消した下っ端は阿波地大輔。黒幕の海産物問屋は森幹太。
■ 金さんVS女ねずみ 第22話「危うし勘平!殺しの獅子舞」1998.10.31テレ朝/東映
獅子頭を被った殺し屋にやられたのは、密かに送り込まれたスパイ。悪を暴く過程で様々な人間模様が浮かび上がる趣向、奉行やお紺は若者の苦悩を見据えていた。
ロケ地
- 町で無体を繰り返したあとの若様たちが降りてくる石段、常寂光寺本堂下石段。菊江が出て嫁ぐことを告げるのは石段を降りきったところ、追いかけろと口を出すお紺のくだりは仁王門下。
- 殺された丸屋手代・清次の墓、二尊院墓地に卒塔婆あしらい。参りに来た三島屋親子から金さんが事情を聞く。
*部屋住みの若様たちのリーダー格は竹本孝之、その兄で汚職常習犯の御納戸頭は中丸新将、隠居は芝本正。悪徳商人は久富惟晴。
*勘平親分の危機に、女ねずみの衣装のまま長屋に駆け込むお紺という逸話が入っている。
2008/9/9
■ 銭形平次 第750話「再会」1981.1.14フジ/東映75
大風の夜舞い込んだ珍客がもたらした僥倖、それにより幸せを掴んだ女だが、五年後の恩人との「再会」は平穏な暮らしをめちゃくちゃにする。夫婦は別離・お店は欠所という悲劇だが、悪徳商人がお縄なのが救い。
ロケ地
- 秋田屋と伊三郎が入札妨害の密談をする材木置場、斉宮神社脇にあったアレか。材木の奥に蔵映り込み。
- 大津屋が伊三郎に呼び出され入札を遠慮せよと脅される神社、鳥居本八幡宮。伊三郎ははじめ舞殿に腰掛け、石段に移動。
- 入札会場、大覚寺明智門。警備に詰める親分たちは御殿川畔に立ち、人の出入りで大門前あたりの参道や参道石橋も映り込む。
- 伊三郎がおいちを呼び出し金をねだる神社、豊国廟鳥居下石段。このとき鳥居は映らず石段のみ映り、尾行している八の背後に石垣が来る。石段下にはみっしりと落葉が降りつむ。ここは以降も重要な舞台となり、金を渡す段や伊三郎の検屍の段および刺殺の段では、大きな鳥居が映り込む。
- 大津屋を問い詰める平次、大覚寺護摩堂。石仏も映り込む。
- 伊三郎を殺したあと、おいちが佇む水辺、中ノ島橋上手堰堤脇・中州側。橋映らず、鮮やかな紅葉映り込み。
*大店の女将として幸福を得るも運命に追いつかれる元女郎のおいちは二宮さよ子、亭主の大津屋は石山律雄。おいちを苦界から救済した仏であり、幸福から引き剥がした悪魔でもある伊三郎は藤木敬士、彼をずっと追っていた目明しは山本清、彼に大津屋脅迫を依頼した悪徳商人は浜田寅彦。
■ 金さんVS女ねずみ 第21話「子連れ鬼女面盗賊」1998.10.17テレ朝/東映49
手下に裏切られ殺された義賊、残された女たちが仇を討ちに江戸へ。金さんやねずみの働きもあり、一人も殺していなかった女たちは所払いとなり帰ってゆく。
ロケ地
- 一年前の大坂、賊を追って走る捕り方、大覚寺放生池堤〜池畔。追っ手をやり過ごし金箱を開ける段で殺される首領の耳蔵、五社明神祠脇。刺され大沢池へ池ボチャ、回想シーンで引き上げられる様子も出る。設定淀川べり。
- 久兵衛が女たちのことを伊勢屋に報告する屋形船、広沢池東岸。お紋が池畔の木陰からそのさまを凝視。
- 弥寿と奈津がお参りの子安神社、上御霊神社。楼門からはじまり露店を多数あしらった参道、本殿でお参りのあと舞殿前で久兵衛にさらわれかけたお紋の娘・お光を助ける運び。あとで金さんが出てお光を「家」へ送ってゆく。
- お紋たちが潜む荒れ寺、大覚寺聖天堂。前景に崩れ塀あしらい、外観のみで内部はセット撮り。
- 牢から出された怒り心頭のお紺を宥める金さん、大覚寺放生池堤。
*耳蔵の女房・お紋は松本留美、あとは彼女の娘二人(一人は幼女)と耳蔵の妹。ふくろうの耳蔵は有川正治。裏切者の手下は田口計、柴田p彦、野口貴史で用心棒は藤沢徹夫。福ちゃん二態、上御霊さんで騒ぎを見ている町衆と、ラス立ちの先生方でお白州は後列に。
2008/9/8
■ 銭形平次 第749話「平次・忍術入門」1981.1.7フジ/東映49
身の軽すぎる怪盗が跋扈、何をとち狂ったか平次は忍術の先生と称する男へ入門。しかし「潜入」にはきちんと訳もあり、果たして真実もそこに転がっていたのだった。
ロケ地
- 釣りの師匠に声をかける平次、大覚寺大沢池堤法面・水門傍。師匠の家は市ヶ谷左内坂設定、尾張屋敷跡がまるっと市ヶ谷駐屯地。釣り場面の設定は江戸城外濠・市谷御門付近か。
- 霞小僧が仏像を盗りに現れる海真寺、神光院。親分が山門をくぐって境内へ、あとは本堂西側縁先や中興堂前などで展開。像が隠されていたのは門入ってすぐの建物。
*忍術の師匠・成瀬九十郎は小池朝雄、ふざけてるのかマジなのか判りかねるあたりが妙味で「兄さん」と二役。彼の娘は叶和貴子で、いつものように八が一時岡惚れ。千両箱盗られて腹切りのところ親分を頼る尾張様の用人は木田三千雄、一緒についてくる蔵役人は浜田雄史。霞小僧に狙われる寺の住職は岩田直二、ホントに生臭かどうかは不明。
■ 金さんVS女ねずみ 第20話「罠!帰ってきた婚約者」1998.9.12テレ朝/東映49
船宿乗っ取りの手口は、五年前に回船問屋がされたのと同じ。金さんらの奔走で親切面の旧悪も暴かれ、父を亡くした娘のもとには恋人が戻りメデタシな展開。
ロケ地
- 船宿の親爺が「縊死」して見つかる水天宮境内、仁和寺林間。新吉の回想シーンでは九所明神も映り込む。
- 町名主が経営する回船問屋・長崎屋、八幡堀新町浜(荷揚げ風景演出)。
- 駿河屋らの悪事を書き立てたお紺がやげん堀一家に凄まれる茶店、仁和寺水場下にあしらい。お紺お団子でおやつ中。
- 一味とグルの悪辣な瓦版屋・萬字堂が殺されて見つかる明神裏の雑木林、下鴨神社河合社裏手。
- 恋人は無事・すぐ戻ると墓参のお妙に告げにくる勘平、仁和寺塔下〜塀際(卒塔婆や墓石多数あしらい墓地に仕立て)。
*船宿の主は中田浩二、娘・お妙は小林綾子、父親に拒否られ去った元板前の恋人・新吉は沢向要士。善人面の町名主は入川保則、グルの両替商は小林勝彦、パシリのヤクザは高峰圭二、萬字堂は草薙良一。中田浩二の検屍を覗き込む大工に福ちゃん。
2008/9/7
■ 遠山の金さん 第3話「御意見無用!五人の女スリ」1982テレビ朝日/東映1
正体不明の賊が跋扈するが、脅して取らせた蔵の鍵の拓本が掏摸にやられて金さんの知るところとなる。奇しくもその女掏摸の姐御の父は、当の賊に陥れられ遠流の地に客死していたのだった。
ロケ地
- 女掏摸たちが立花屋の手代の懐から拓本入りの財布を掏る浅草の縁日、仁和寺塔前石畳に露店あしらい。手代や猫目たちの追及をかわしたあと、本日の上がりを皆で出してみるのは九所明神裏手。
- 番所へ引っ張られた手代を囲み、情報漏れが無いか問い詰める賊の手下たち、大覚寺五社明神裏手。
- 女掏摸たちが営業していると賊の手下が出て捕えにかかる縁日、仁和寺参道に露店あしらい。女たちが逃げてくるところで金さんが介入の水辺、大覚寺大沢池畔(池ボチャ)。
- 姐御の弟に罪を着せるため、立花屋の手代を殺して放置してある待乳山、大覚寺五社明神裏手。
- 弟が殺人で御手配になったと嘆く姐御、話を聞いてやる金さんは大覚寺大沢池畔。
- 姐御が掏り取った一味のツナギ文を金さんに渡すお竜、大覚寺大沢池畔。
- 旅の一座を組んで江戸を出てゆく姉弟と女掏摸たち、下鴨神社参道(河合社映り込み)。
*掏摸の姐御は三浦真弓、グレた弟は佐瀬陽一。表の顔は俳諧の師匠な賊のかしらは小林昭二、手下は野口貴史や福本清三(クレジットはベタ)。
2008/9/6
■ 刺客請負人2 第7話「抹殺指令」2008.9.5TX
闇法師の正体を知ったお吉には組織への完全なる服従が求められ、刑部暗殺の指示が出される。理不尽な命に惑ううち、お吉は雀を失い闇に消える。
ロケ地
- 刑部をつけ回す岩切たちのくだり、営業を撤収して一休みのお堂は大覚寺護摩堂。しつこく刑部を監視し続ける岩切たちは放生池堤石橋たもとに立つ。護摩堂の建具が格子戸に変えられていて、中にいる徳松が見える趣向。中からのアングルもあり。
- 暗殺対象の岩切の養父を見に行った刑部が帰ってきた岩切と話すくだり、大覚寺天神島大楠の根方。導入に大沢池の蓮が映る。
- お吉のアジトの閻魔堂、浮御堂(外観のみ)。
*岩切を幼少時より育ててくれた父の朋輩の養父・吉岡半蔵は高橋長英、吉岡を抹殺にかかる元武士の呉服商は工藤俊作。
*道八役・本田氏の原作本プレゼントのお知らせつき、不気味ムードのままで大笑いのレアもの。
2008/9/5
■ 銭形平次 第748話「一日だけの家出」1980.12.24フジ/東映75
働かないDV亭主と幼子を抱えた女は、一から出直すという同郷の男の誘いに乗り家族を棄てるが、実は賊の一味だった男は殺され約束の場所に来ず、ばかりか賊が女をつけ回す。しかしトラブルの果て、亭主の改心という褒美が待っていた。
ロケ地
- 浅吉がお幸に財布を託し先に行かせる夕暮れの二ツ目橋、中ノ島橋。翌日、浅吉の死体検分は橋下手右岸河川敷。後段、大家がお幸を連れ帰る際にも渡る。
- お幸の回想に出てくる木曽の雪嶺、不明(バンクフィルムか)。
- お幸が勤める本所の悪所近くの塔、仁和寺五重塔。店で聞き込みの平次をお幸が連れ出し、塔の前で話す。背景に梵字の額が映り込んでいる。塔全体が映る、石畳を前景にしたロングの絵が最初に出る。
- お幸が土方仕事をはじめる普請場、大覚寺聖天堂前にビケ組んで筵あしらい。土固め作業の労働歌に「ヨイトマケの唄」が流れる。子らが母に作ってきたおむすびを食べるのは大日堂前、子の健気さに嗚咽をこらえるお幸が見上げる空は聖天堂の甍越し。八に弁当を持ってきてそのまま見張りに入る親分、青柳同心もやって来て様子を聞くくだりには五社明神裏手映り込み。遂に現れた凶賊の手下を追う八、わらわら湧く人数とやりあうのは天神島で危機一髪には銭が飛んでくる。一味を全て捕縛し連行してくるところへ、品川から帰った万七と会い縄尻を譲るシーンは護摩堂前、天神島朱橋が背景に来る。
*お幸は赤座美代子、亭主は山田吾一。もっこ担ぎの女房を見て改心の運びだが、山田吾一がこんな程度で反省するはずもないし、赤座美代子がこんな程度で幸せゲットのはずないじゃんというのがウォッチャーの感想。浅吉は和崎俊哉、賊の首領は玉生司朗、深川の悪所の女将に新屋英子。
*ヨイトマケの唄は、もちろん工事現場とか小学校とかの歌詞は使われず、「母ちゃんのためならエーンヤコラ」の部分のみ使用、「放送コードに引っかかってアレ」な時点を忖度する際の資料として貴重な一件。時代劇では「長七郎江戸日記」にもこの歌の使用例あり、ロケ地は同じく大覚寺。
■ 金さんVS女ねずみ
第19話「観音様は見た!慈善富のからくり」1998.9.5テレ朝/東映49
富突きに不正を働き大儲けの悪党ども、というよくある話。寺の尼僧に深く帰依する実直な老爺が、秘密を見てしまう。
ロケ地
- 慈善富の愛宕山日照寺、粟生光明寺。続々とやってくる町衆は参道坂、与兵衛爺さんの茶店が本堂脇にしつらえられるほか、回廊や鐘楼など各所が映り込む。富突きは阿弥陀堂縁先で行われ、華やかな天蓋がのぞく。事後与兵衛の観音様を厨子におさめ祈るくだりでは内部で撮影・座敷から表を見る図も出る。
- 与兵衛の死体が見つかる愛宕山中の崖下、酵素ダート下か。
- 与兵衛の死に不審ありとして情報提供を呼びかける瓦版を撒くお紺に「苦情申し立て」の与兵衛の娘、広沢池観音島。
- 与兵衛が観音様を祀っていた愛宕山中の祠、酵素か(崖の中腹)。
*不正を働く寺の執事は遠藤憲一、グルの勧進元は大河内浩。与兵衛の娘は古柴香織。
2008/9/4
■ 銭形平次 第747話「身代り八年」1980.12.17フジ/東映75
堅気になるため親分の罪を被った島帰り、恋しい女との再会は叶わぬ夢と終るが、思わず助けた女掏摸は愛しいひとの忘れ形見の己が娘なのだった。
ロケ地
- 辰三郎が親分と約束した鳥越稲荷、吉田神社竹中稲荷。回想シーンでは舞殿越しに参道の重ね鳥居を望むアングル、元締が殺されるシーンは舞殿前。このほか摂社祠なども映り込む。
- 辰三郎が女掏摸に意見する町角、北野天満宮脇お土居降り口。不適な女掏摸を殴り倒したあと辰三郎が去る路地は、お土居西側の路地(現京都衣笠アーバンライフ南塀際の路地)。
- おたかの母の元芸者・小りんの墓、招善寺。墓地参道坂と墓地が使われるほか、寺男に聞き込みの親分のくだりは本堂縁越しのアングルで鐘楼など映り込み。
*女掏摸のおたかは沢かをり。彼女の父だった島帰りの辰三郎(ノスリの辰と異名をとった掏摸)は犬塚弘。
*刑を終えて帰ってみると実は、というお決まりの展開。ステレオタイプの悪党が親分に懲らされたあと、ぎこちない父子は新天地を目指すめでたいフィニッシュ。
■ 金さんVS女ねずみ 第18話「いじめられた息子!父の復讐」1998.8.29テレ朝/東映
愛した女とその子を失った男は、倅同然だった青年を死に追いやった者どもに刃を向ける。一党の首魁はしたたかで復讐鬼となった男と同時に足手まといの仲間も消そうとはかるが、そも因を作った馬鹿息子は常人の考えもつかぬ行動に出る。
ロケ地
- 吾市と金四郎がかつて鍛錬を積んだ剣心館道場(廃墟)、民家長屋門(破れ戸あしらいの室内はセット)。
- 佐倉領、蘭方医・橋田弘庵邸、走田神社社務所。篝火を焚いての撮影も。
- 佐倉入りした吾市の前に立ちはだかり阻止しようとするお紺、広沢池西岸(これに先立ち、南岸から北望の絵が出る)。
- 吾市の回想、橋田の息子らに苛められ追い回される仙太、大堰川河床か。仙太とその母の急を聞き駆けつける吾市、民家南路地塀際。
- 橋田邸警護のための兵が出てゆく佐倉城、二条城本丸櫓門。
- 橋田邸の警戒ぶりを見た金さんが脇坂と話すのは走田神社境内。
- お紺に助けられ逃げた吾市、関所および脇坂が立ちはだかる領境、酵素河川敷(水量多し)。脇坂の立ち位置は竹林。
- 南町奉行役宅、妙心寺天祥院門。
*江藤吾市は江原真二郎、橋田弘庵は大林丈史。
*橋田家のご子息はミリタリーオタクでちょっと意識が彼岸行っちゃってる設定、お裁きでは同期生とおんなじふうに扱われてるのがむしろおかしいヤバいキャラクターで、両親とかフツーに殺しててもはや苛めとか関係ないアレな奴だが、お奉行のお説教は被害者加害者双方にひとしなみに降ってくる。
2008/9/3
■ 銭形平次 第746話「怨みの紅折鶴」1980.12.10フジ/東映75
入婿としてお店を継ぐ話が持ち上がった男には、間の悪いことに孕んだ恋人。もちろん欲が先行し惨事が出来するが、その後怨みの形相凄まじい女が男の前に現れ手荒い報復を加えはじめるのだった。
ロケ地
- おみのが大根を洗う小川、上賀茂社家町・明神川。裾をまくって川中に立ち、川に渡した台に野菜を並べる。おみねが勤める八百屋は三河町設定。
- 船宿裏の船着き傍の汀に折鶴を見つけるお栄、広沢池東岸汀。
- 大川端に上がるおみのの土左ヱ門、広沢池東岸。
- 水天宮へ赴きおみのの結んだ御籤を見つける平次、梅宮大社本殿前。
- つけられていることに気付いた礼次郎が文七にツナギをとる茶店、梅宮大社境内にあしらい。お栄は楼門外にいて格子越しに窺う。
- お栄を始末するべくつけてゆく文七、北野天満宮御土居西側の路地(現京都衣笠アーバンライフ南塀際の路地)。お栄を見失う文七の絵は塀南東角(ラウンド形状)を天神川の谷から見上げる構図が出て、背後から忍び寄ったお栄が彼を絞めにかかる運び。さすがに女の力では完遂できず反撃に遭うが、平次が間に合い。八が文七を捕縛するのは天神川の橋上(橋桁は木)。
- お栄が真実を告白する池端、梅宮大社神苑・咲耶池南東畔(池の石橋や神苑入口の門が映り込む)。
- お栄の回想、年老いた二親と妹と四人で暮らした信州の家、不明(萱葺きで軒瓦を出した仕様、よく出てくる一件)。江戸へ働きに出るお栄を見送った妹、柊野堰堤落差工下(堰にかかる大岩も映り込む)。おみのが礼次郎と逢瀬の夕暮れの水辺、広沢池東岸。殺される直前に姉に会いに来て赤子ができてもうじき結婚と話していたおみの、柊野堰堤下(背景は落水のみのバストショット)。
- 江戸を去るお栄を見送る平次と八、罧原堤下汀(水面にくっきり、対岸の嵐山東公園の高木が映り込む)。
*酌婦の姉は夏純子、妹は木村弓美。おみのを孕ませた青年は永井秀和、彼を婿に望む雇い主は村田正雄、青年とともにおみのを始末する悪い友達は根岸一正。
*紅折鶴はおみのが願掛けしていたアイテム、恨みを告知する小道具になったり、おみのの意図を察した平次たちが真実に辿り着くきっかけにもなる。
■ 金さんVS女ねずみ 第17話「美しい娘白浪の涙」1998.8.22テレ朝/東映48
若い男女二人組のはぐれ者が、寂しい老人と出会い共に転機を迎える情話。身寄りの無い金持ちの老人を狙うとんでもねー悪党が暗躍、白浪気取りの若者たちなどまるで敵わないのだった。
ロケ地
- 天夢の向島隠宅、イメージに広沢池北東岸の萱葺き。大根を洗うお涼は東岸。隠宅入口に東岸料理屋跡?の門。
- 気の毒な婆さんが火葬された東雲寺、不明(門の前に祠、前シリーズ19話と同所)。
- 一旦江戸をフケかけるものの天夢が気になると踵を返すお涼、大覚寺五社明神。
- 江戸を発ち伊豆へ向かう天夢とお涼たち、大覚寺大沢池畔。
*お涼は佐藤友紀、弟分は菅原加織。元漬物名人の隠居・天夢は桂小金治で、金に群がる者どもに嫌気がさしている頑固爺設定。。年寄り狙いの悪党どもは松井紀美江に浜田晃、伊吹聰太朗。
2008/9/2
■ 銭形平次 第745話「謎の南蛮かるた」1980.12.3フジ/東映48
抜け荷商人どもに罪を着せられ消された父の仇を討つ女、彼女を愛してくれる男もいるが、苦界から這い上がり既に目的を遂行中の復讐鬼に、他の道は開かれていなかった。
ロケ地
- おいとが元いた品川の遊郭に向かう平次、駕籠が渡る橋は中ノ島橋。
- おいとに求婚する仙太、今宮神社境内(鳩に餌やり)。二人を見ていた男たちが武蔵屋に報告するのも境内。
- おいとの墓、不明(大きな五輪塔あり、立地丘の上っぽい)。帰り道の平次と八が渡る橋は中ノ島橋。
*おいとは香野百合子、同じ長屋に住む仙太は石田信之。おいとの父をハメた悪徳商人ども、いっとう悪いのが外山高士であとは山本清に溝田繁に鈴木淳。
■ 金さんVS女ねずみ 第16話「復讐!絵ローソクの謎」1998.8.15テレ朝/東映48
過去の悪行を覆い隠そうとした悪党だが、却って事は明るみに。悲惨な記憶は、処刑から見逃された子供の心の奥に眠っていた。
ロケ地
- 三春屋の荷が襲われ御用の品が奪われた道、北嵯峨の竹林か。
- 三春屋夫婦が子も連れて白装束で直訴におよんだ道、仁和寺参道か。
- 巽浪人に邪魔者殺しをおっつけて逃げる乾、大覚寺大沢池堤。「邪魔者」は金を貰い江戸を売る矢先、街道筋設定。
*三春屋の遺児は落合瞳、彼女を土壇場で匿い今まで育ててきた元処刑人の巽は高岡健二。彼をハメる元朋輩は伊吹剛、雇い主の三春屋を追い落とした悪徳商人は穂積隆信、黒幕の一橋の家老は江見俊太郎。金に目がくらみ三春屋を裏切った職人はコロムビア・トップ。
2008/9/1
■ 銭形平次 第744話「祭囃子に金が降る」1980.11.26フジ/東映74
盗っ人の上前はねて殺す役人、かたや金を手にするも我が物とするに臆す貧しき民。職を汚した痴れ者に、親分のみならず八や青柳も怒りをぶつける。
ロケ地
- お祭りの深川八幡、松尾大社。参道から楼門内外、水場や舞殿など境内をフルに用い露店やモブをふんだんにあしらって賑わいを演出。ガマの油売りが金を掘り出すのは門内側の橋たもと、金を埋めた寄場破りの盗っ人が死体で見つかるのは門続きの塀際(内側・東側)。
*旅人宿で働く薄幸の女は三好美智子、彼女を慕うガマの油売りは大山勝巳。寄場破りの盗っ人は福本清三、彼の逃走を助けた同心は宗方勝巳。
■ 金さんVS女ねずみ 第15話「花のお江戸の結婚サギ」1998.8.1テレ朝/東映48
娘を傷物にして脅す極悪集団、壊滅の決め手はお白州でレイパーを名指した娘の、勇気ある決断だった。
ロケ地
- 石州屋が脅迫者たちと斬り結び嬲り殺しにされる「中の島」、大覚寺天神島(雷雨の夜演出)。検分の際駆けつけた手代に勘平が事情を聞く水辺は大沢池畔、瓦版では「河原」と表現。
- 石州屋の婿がねだった建具屋の三男坊に話を聞く勘平たち、大覚寺護摩堂。
- 三男坊をつけていて見破られナンパされたあと、そのことを金さんにボヤくお紺、大覚寺放生池堤。
- 父の墓に参る石州屋の娘、くろ谷か(生垣の向こうに方形のお堂の甍がのぞく)。
*とんだ色悪の婿がねは田中隆三、グルの口入屋は片桐竜次、手引き役の手代は円谷浩。石州屋の娘は鈴木由香。
■ あばれ医者嵐山 第6話「神かくし」1995.11.13TX/東映
貧しいよりはマシという理屈で人さらいの片棒を担いでいた男だが、仲間の思わぬ凶悪さを嵐山に聞かされ改心。以降、子を親元に返す日々がはじまる。
ロケ地
- 神かくし一味に狙われるお滝を預ける玉園寺、祇王寺山門。
- 人さらい一味の男が賭場から出てきたところをシメる嵐山たち、粟生光明寺。スって本堂から出てきた男は回廊から草履を下に放り飛び降り、石垣際で覚兵衛に詰問される。逃げたところ口封じされる墓地も境内。
- チンピラに一味の浪人のヤサを聞き込む覚兵衛、粟生光明寺鐘楼。
- 人さらい一味の浪人をつける覚兵衛、粟生光明寺石段上部。直後浪人が入る寮は映画村セット。
*丈夫で賢い男児にマーキングする役目の薬売りは三ツ木清隆、人身売買組織の首魁である旅籠の主は中野誠也、一味の浪人は有川正治。一味が狙う、記憶抜群の床屋の看板娘は中坪和代。
■ あばれ医者嵐山 第7話「死んだはずの男」1995.11.20TX/東映
お駒の実の父が現れる。仲間の覚兵衛に幼い娘を預けていった男は、その後島送りの船が難破し死んだと思われていたが、長崎の富商となっており長崎奉行と組んで抜け荷の節が見えるのだった。
ロケ地
- 奉公先からヤバいブツを盗み斬られた男の墓、大覚寺五社明神祠脇に卒塔婆をあしらい。看取った美沙が最期の言葉を気にしてやってくるくだりに大沢池木戸、門に見立てか。墓に参っていた妹が借金取りに返済を迫られる町角は護摩堂前、嵐山が出て捻りあげ。
*お駒の父だった唐物商は織本順吉、つるむ長崎奉行は原口剛で腹心は山西道広。兄に死なれ借金返済に困り果てる妹は立原麻衣。
■ あばれ医者嵐山 第8話「おもかげ」1995.11.27TX/東映
妊婦を往診した美沙が事後始末されかかるが、一味と思しき男がこっそり助けてくれる。彼の亡き女房に美沙が酷似していたからだが、その死が彼を奈落に叩き込むきっかけだったという、哀しいエピソードがついていた。
ロケ地
- 事後、夫婦で町へ出る嵐山と美沙、お参りのお堂や子授け地蔵、茶店等を大覚寺大日堂、聖天堂前付近にあしらい、心経宝塔も木の間にちらちら。このくだりはエンディングクレジットに被り。
*美沙を助けてくれる殺し屋は加納竜、彼の亡き女房は渡辺梓の二役。殺し屋の元締で養女を使い大店牛耳りを狙うガン鍋屋の主は久富惟晴。
■ あばれ医者嵐山 第9話「じょんからの女」1995.12.4TX/東映
健気で哀れな女郎に肩入れする嵐山、しかし病は篤く女は運命を悟り後世を願い、献体を申し出る。女を食いものにする外道どもが火盗改と組んで火付けをしていたり、女の恋人がやっと目途をつけて会いに来るものの、などという逸話も入る。
ロケ地
- 嵐山が深川の岡場所へ通う道、団子坂は粟生光明寺石段。この前後は映画村。
- 玉園寺、祇王寺山門(足抜きさせた女たちの保護を願いにゆく)。
- おせいの回想、津軽の海、不明(断崖と荒磯)。身分違いで引き裂かれた恋人と参った祠、不明(林間)。
- おせいの遺骨を抱いた嵐山がゆく街道、山道は保津峡落合崖道、落下岩から「海」を眺める趣向。海は不明。
*おせいは佳山まりほ、恋人の津軽の侍は加藤純平。女郎屋の親爺は小林勝彦で遣り手は小柳圭子、火盗のダンナは伊藤敏八。
■ あばれ医者嵐山 第10話「良薬の罠」1995.12.11TX/東映
匙加減を間違い患者を死なせたとして美沙が囚われるが、もちろん冤罪で欲がらみの悪党の仕込み、もちろん嵐山ファミリー総出で事にあたる。
ロケ地
- 往診帰りの嵐山夫婦が悪ガキどもに囃されつつ行く道、金戒光明寺本堂脇〜長安院裏路地〜永運院下坂。急患と美沙が駕籠で呼ばれて行き、嵐山がつけている岡っ引のことを銀次に示唆。
- 覚兵衛が坂上をつけてゆき身分を聞く小石川養生所薬園、不明(薬園としてよく出てくるアレ、大刈込みの垣根)。
- 伊勢屋の娘が土左ヱ門で見つかる川、桂川大堰。杭に引っかかり、ロングのシルエットも。
- 牢から出された美沙を迎えた嵐山たち、屯っていた悪ガキどもがそれを見かけ囃す河原、嵐山公園中州河川敷(堰堤脇)。
*美沙をハメる三人組、岡っ引は工藤堅大良、同心は出水憲、養生所見回与力は成瀬正孝。
■ あばれ医者嵐山 第11話「きれた絆」1995.12.18TX/東映
亡妻の病のためにした借金が、「父」を苦しめる。尊敬する父の悪行を目撃した息子は心破れ彷徨い嵐山に保護され、連続する試し撃ちの真相が明るみに。後添を貰う話もからんだ情話仕立て。
ロケ地
- 納豆売りの棒手振りが撃たれる池端、大覚寺放生池堤。駆けつけた同心に犯人はあっちと指し示す南部屋主従は五社明神。孝太郎が父の関与を目撃する事件もこれで、用心棒に追われた彼は池ボチャ(後段の回想)。
- 小堺同心に接触し聞き込みのお駒、茶店は大覚寺大沢池畔にあしらい(放生池堤末端石橋たもと)。
- 孝太郎を預けにゆく玉園寺、祇王寺山門。門前で浪人の襲撃あり。
- 飛脚を試し撃ちする大名、大覚寺天神島。飛脚は対岸(北岸)を走る。
- 木田の墓に参る孝太郎とおとせ(木田が通う酒肆の女将)、大覚寺聖天堂付近の草叢に卒塔婆あしらい。見守る嵐山夫婦は聖天堂前。
*木田同心は冨家規政、彼が見殺しにしたかたちの朋輩は頭師孝雄。銃の抜け荷・密売を働く悪徳商人は伊藤高で借金で恩着せも悪辣、番頭は広瀬義宣、銃マニアで殺人鬼の小大名は中田博久。
■ あばれ医者嵐山 第12話「最期の土俵入り」1995.12.25TX/東映
末は横綱の夢破れ悪党の手下に成り下がっていた青年、ある日出会ったマドンナは美沙。嵐山夫婦に伸びる魔手に、青年は命を張る。
ロケ地
- 秋田屋の材木置場、丸太横積みの一件は斉宮神社脇のアレか。もしあの材木置場なら年代的に最後のほうかも。
*相撲常は松田勝、彼を拾って手先に使ってきた秋田屋は上野山功一、グルの町方は山本紀彦と当銀長太郎。
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