2008/10/31
■ 銭形平次 第787話「同心・青柳伸之介死す!」1981.11.18フジ/東映77
タイトル通りの顛末の、七曲署の若手刑事殉職みたいな展開。いい仲になりかけていた娘が、青柳に復讐心を抱く凶賊の手に落ち誘き出しの道具にされてしまう。賊の目的に疑義を持つ平次だが、お約束で間に合わず、八丁堀同心は大わらわで膾となり若き命を散らす。
ロケ地
- 中村座がはねたあとお食事の青柳とおゆみ、窓外の流れは桂川大堰。
- 夜鴉一味のアジト、不明(崩壊地形か砕石場跡か、谷地形の荒地。崖は水食地形で裾に襞が刻まれている。1990年代の渡哲也のかかし半兵衛シリーズでも出たアレか)。設定は不動ヶ原。
- 佐渡送りになった甚八の唐丸が奪還される内藤新宿追分付近の街道、北嵯峨か。
- 青柳がおくみを介しておゆみを呼び出し賊の情報を得る神社、松尾大社。話を聞くのは楼門内側の境内で、大灯籠や用水の石橋が使われる。石橋下には賊の子分が潜み青柳の話を聞いていて、彼が去ったあとおゆみを拉致。簪を渡し忘れた青柳が戻りかけてやめるのは楼門前。
- 賊の脅し文が来て青柳が出かけたあと、賊の目的に気付いた平次がやってきて丸めて捨てられていた文を見て飛び出してくる組屋敷、妙伝寺塔頭。
*おゆみは秋元圭子、賊の首領は浜田晃で青柳に捕まる実弟は山本昌平(スキンヘッドで目のまわり真っ黒の怖すぎメイク)。子分に小峰さん、雇われ浪人に平沢彰など。冒頭の中村座前通行人に福ちゃんチラリ。
■ 新・御宿かわせみ 第14話「師走の月」1997-1998テレビ朝日/東映
娘の所業に心痛める父、思う心は同じなのに、驕った心は要らざる一言を発してしまい血を見る事態に。苦悩を一人抱え込んだまま逝った職人を、るいと東吾は悼む。
ロケ地
- 父の墓にお吉を連れて参るるい、二尊院。寺僧の撞く鐘が導入、これは鐘楼を立て札もそのままに使い、お墓は山懐の墓地、お吉が甘味処に誘う帰り道の坂は紅葉の馬場。おたつの茶店はセットで夕日はホリゾント。庄司家菩提寺の原作設定は浅草浄念寺。
- 茶問屋・東竜軒の娘を誑かす船頭の話を聞きにゆく東吾とるい、船宿はセットで船を出す川は大覚寺天神島北辺水路、船を着ける岸は朱橋たもと。
*経師屋の鉄五郎は山本学、男の世話を受け茶店を出している娘は栗田よう子。その旦那で茶問屋の主は津村鷹志、男に貢ぐお嬢様は笹峰愛、相手の船頭は井田州彦。
2008/10/30
■ 新・御宿かわせみ 第13話「人は見かけに」1997-1998テレビ朝日/東映
かわせみに転がり込んですぐ赤子を産んだ女、相手の男は道楽者のうえ彼の父親は贋金作りの大悪党。奇縁めぐって東吾の兄に話が行く筋と、女を助けて宿へ来た謎めいた男の意外な正体が知れる筋と、るいの喜怒哀楽をからめて描く。
ロケ地
- 二人が待ち合わせる神社、上御霊神社。るいが楼門を入って参道石畳をゆくと、舞殿脇で東吾が待っている。政吉が作った帯止めの話は茶所、二人の座る床机は脇に出されているかたち。品物は嫂への貢物になり兄の目にとまる運び。
*男に騙され孕んだ諏訪の湯宿の女中・おていは小林綾子、彼女の世話を焼く自称錺職の政吉は黒田隆哉。丸太に横流しの金を隠していた材木商は小沢象。店の若い衆は福ちゃん入り、立ち回りアリ。
*おていを泊めた部屋の窓から町並みが見える絵が登場、けっこうよくできている。
■ 銭形平次 第786話「白菊ざんげ」1981.10.28フジ/東映77
島送りになった男を思い白菊を見つめては物思いに沈む女、そこには思慕の念とともに懺悔の思いが隠されていた。
ロケ地
- 団子泥棒の子を庇い、見物衆に啖呵を切ったあと、おりんが佇む川、下鴨神社泉川石橋下手汀。ここで父に拾われた際の回想シーンが来る。
- おりんの回想、佐吉とデートの寺(?)、不明(お堂前に柵、永観堂に似るが柵の底部が一致せず)。白菊の符丁で会うのも同所か(基部亀腹をナメて/人物の背景の板塀はあしらいものか)。
- 江戸を出る二人を待ち構える平次、朝靄の街道は下鴨神社参道。故郷の越前へ帰る二人も同所。
*おりんは小林かおり、佐吉は伊庭剛。おりんの養父は加藤嘉、旅は楽しかったと述懐するが砂の器ふう回想シーンとかはなし・加藤嘉だから期待したのに…砂の器の映画は1974年だから、当時見た人はかなりな確率であの旅のシークエンスを想起したことと思う。*唐突にはじまる塚田屋討ち込み、立ち回りに福ちゃんや小峰さん発見。
2008/10/29
■ 銭形平次 第785話「逃亡者」1981.10.21フジ/東映77
勘当寸前の与太者にさんざん邪魔された恋路は、紆余曲折を経て未来を見る。女を求めるあまり罪を犯した男は司直の手からの、身に負った瑕を恥じた女は恋しい男からの、逃亡者であった。
ロケ地
- 政吉が寄場から出たのを陰ながら見たお袖が物思いに沈む大川端、広沢池東岸。
- お袖がお参りの富岡八幡宮、吉田神社竹中稲荷本殿。鰐口をじゃらん。
- お袖を探し疲れた政吉が佇む川端(設定は柳橋界隈か)、広沢池東岸。
- 若旦那の言った料理屋へ行って殺しを見て逃げた政吉が逃げ込む葦原、西の湖。
- お袖の勤め先(富岡八幡横)へ赴き話を聞く平次、吉田神社竹中稲荷。
- その料亭・浜屋を出てくる平次、嵐山公園中州料亭・錦。後段、政吉がやって来て張り込み中の八を見て警戒するくだりはセット(裏口)。
- 捕り方に追われ疲れ果てた政吉がへたり込む市中、吉田神社竹中稲荷舞殿脇。ここでお袖の言動を回想、移った先を思いつくが、その川端は広沢池西岸(ヤナギの傍)。
- お袖を呼び出す政吉、話し合い出頭を決意した段で若旦那の取り巻き連が出て二人を囲む葦原、西の湖園地。
*お袖は里見奈保、政吉は高橋長英。若旦那は西田健で嫌味な憎たらしい色魔、眠剤使って出合茶屋連れ込みはヒド過ぎ。政吉が寄場を出されるシーンで柵の中にいる門番は福ちゃん。
■ 新・御宿かわせみ 第12話「持参嫁」1997-1998テレビ朝日/東映
持参金付きの嫁を二度亡くし、いままた大金付きの三人目を貰おうという医師はどうみても怪しげ。ひょんないきさつから転がり込んだ、二度目の妻の妹に引きずられ、るいはじめ一同は渦中に。
ロケ地
- るいと東吾が花嫁行列と土左ヱ門を見る綾瀬川の橋、流れ橋。左岸側たもとに茶店あしらい。入水した女が橋脚の下へ流れてくる。加江が花を手向けにくる場面などで幾度も登場。
- 加江を中津屋の娘に仕立ててお見合いに臨むくだり、宗庵と佐々木が待つ茶店は仁和寺茶店、変装して見張りに来ている東吾と畝は中門をくぐって入ってくる。付き添いのるいと四人、船へ向かうシーンは大覚寺天神島や大沢池畔、屋形船に乗り込み。
- 宗庵宅へ二度目の見合いに行き肝を潰しての帰り道、もうよそうと言うるいに続けさせてと懇願する加江、仁和寺塔下林間。
- るいと加江が宗庵の向島別邸へ向かう船、広沢池か(汀は草深い)。一瞬映るぼやけた塀は大覚寺御殿川沿いの南塀か。佐々木が正体を現す別邸の一室は梅宮大社神苑・参集殿。加江はここから水に落とされる趣向で、覗き込むのに池へ張り出したバルコニーを効果的に使う。建具はガラス戸なので入れ替えてある。
*入水した二度目の妻の妹・加江は長谷川真弓、ただの変人だった宗庵は松澤一之、何もかも仕切っていた代脈の佐々木は中島久之。中津屋のふくよか娘はのぎすみこ、花嫁修業にかわせみへ来ている設定。
★テレ東の時代劇も今の「主水之助」を最後に終るのだそうな。水戸黄門だけ残って、復活の必殺はなんか手垢ついてそうな感じだし、鬼平も今のままの顔ぶれではいくらなんでももう限界だろうし株価もアレだしマジでヤバい。
2008/10/28
■ 銭形平次 第784話「銃声に忍ぶ恋」1981.10.14フジ/東映50
恋しい女の心を傷つけたくなくて仕出かされた銃撃事件、籠の鳥だった女にずっと嘘をつき続けてきた気遣いが仇となる、哀しい話。告白もせずずっと身近に寄り添う男の、濃密で細やかな愛情が、画面からひしひしと伝わってくる。
*ロケなしセット撮り、年季明け直前に吉原へ娘を訪ねてきた父のくだりに映し出される雪嶺イメージはバンクフィルムか。
*女郎あがりの髪結い・おもんは高田美和、吉原で洗い屋をしていた朝吉は江口正昭。賊の仲間に入っていて、朝吉の忠告で足を洗おうとした父は小田部通麿、賊のかしらは清水彰。
■ 新・御宿かわせみ 第11話「水郷から来た女」1997-1998テレビ朝日/東映
男と出奔した姉を捜しにやってきた、男装の美剣士・小田ひろは、東吾に敗れた縁でかわせみの客に。ひろの人さがしと、頻発する誘拐事件の捜索が途中で重なってくる運び。
ロケ地
- 板倉屋の子供の誘拐事件で、身代金受け渡しに失敗し死屍累々の現場、吉田神社本宮前(鳥居続きの玉垣も映り込んでいる)。
- 町道場で東吾に敗れたあと、ひろが佇む小川、上賀茂神社ならの小川。
- ひろの回想、小田源太郎が修行の旅に出るくだり、姉のため源太郎を難詰するひろを覗き見て姉が誤解する水戸の街道筋、広沢池東岸。ラストの回想でも登場する。
- ひろに姉の死をどう告げたらと悩む東吾、大堰川河川敷。
- 嘉助の孫が誘拐団にさらわれた件に乗り出す東吾たち、別行動のるいが上がってゆく石段、吉田神社龍神社参道石段。
- るいが嘉助の娘に化けて出向く身代金受け渡し場所に指定の浅草・海禅寺裏、下鴨神社泉川石橋付近。川に入っての立ち回りも。
- 投げ込み寺で姉の遺骨を拾ったひろが骨箱を抱きしめ故郷へ帰ろうと話しかける石畳、不明(芝に敷石埋め込み、形はランダム。西壽寺本堂前のものに形が似る。石塔はあしらいものか)。
*小田ひろは中山忍。姉と逃げた尾形彦三郎は谷口高史、誘拐仲間のあばずれ女は塚本加世子。子を誘拐されるも町方に届けず金を渡し取り返した紀伊国屋は頭師孝雄。
*風邪をひいて寝込んだるいを寝ずに看病する東吾、本人たちは言わずもがな、嘉助やお吉もべったべたの濃い空気を醸しだす。あと、るいの立ち回りがあるが、相手は狂犬なのに行かせるか、フツー。しかも長助親分頼りないし。
2008/10/27
■ 銭形平次 第783話「甦った十手」1981.10.7フジ/東映76
八王子からの要請にこたえ遠征の平次、宿場にはヤクザが跋扈し民を泣かせていた。当地の目明しは酒浸りでヤクザの言いなり、しかし裏に已むにやまれぬ事情。平次はからまった感情の糸をほどき、かつては鳴らした目明しの「更正」をはかる。
ロケ地
- 八王子へ向かう平次と八、大覚寺大沢池堤。地蔵と常夜灯あしらい。
- 八王子代官所、大覚寺明智門。親分は西から門に近づき。
- 父をなじったあとお君が泣きにくる鎮守、大覚寺天神島。鳥居映り込み。
- 弥五郎の回想、捕えた賊から赤子を託された甲州の山中、清滝川下流部。立ち回りは川の中で。君蔵は渓流に頭を垂れ懇願。
*八王子の目明し・弥五郎は垂水悟郎、娘のお君は高見和佳、勤め先の酒肆の女将は三島ゆり子(弥五郎に気あり、斬られて吊られたりヒドい目に)。岡場所建設に血道をあげるヤクザは近藤宏、強面の用心棒は有川正治、子分は福ちゃんや小峰さん。夜鴉の君蔵は岡田栄弥、代官所の小役人は芝本正。
■ 新・御宿かわせみ 第10話「江戸は雪」1997-1998テレビ朝日/東映
新年早々のかわせみで持ち上がった盗難騒ぎは人情解決、頑張るるいには頼もしい「亭主」がついていて幸せなお正月の窓の外は、雪。
ロケ地
- 神林邸、妙心寺聖澤院。用人に東吾の縁談など聞かされたるいが親子(武家)連れを見て物思う帰り道、妙心寺玉鳳院前/衡梅院北東角塀際。
- 河内屋へ掛け合いに行った帰りの、若旦那の暴言を聞き塞ぎこむるいに駆け寄る東吾、大覚寺五社明神。露店あしらい、東吾の背後に心経宝塔映り込み。
- 佐吉が相談を持ちかけた蕎麦屋の親爺に話を聞く町外れ、仁和寺九所明神。話を聞き戻る二人は中門、巡礼一行とすれちがい・寺院境内設定か。
*50両紛失の部屋の隣に泊まっていて50両を所持の青年・佐吉は前田淳、彼の亡父の友人だった蕎麦屋は中田浩二で全くの善人。金を盗られた芝居の夫婦は勝部演之と服部妙子、娘は及森玲子。神林家用人は鶴田忍。成敗されないので視る者のフラストレーションを高める若旦那は井上倫宏。
■ 徳川風雲録外伝 主水之助七番勝負
其ノ二 「人斬り斑平」 2008.10.27TX/東映
幼馴染のマドンナを守るため、剣鬼となった心優しき青年。しかし悪党にたばかられ、当の女を襲撃してしまった彼は行き場を失い、主水之助と戦って死ぬ道を選ぶ。花作りの青年に剣技を磨くきっかけを与えた暗殺者は善鬼、またしても人の運命を歪めていた。
ロケ地
- 高遠城イメージ、出石城(登城橋の門をナメて復元隅櫓を望む)。
- 斑平が花を作る里、酵素民家セット対岸に花畑をあしらい。幼時の回想には小川や橋も使われている。
- 斑平が騙されて三奈の駕籠を襲わされる鴉の森、仁和寺塔そば林間。カラスの鳴き声あしらい。
- 高遠を去る主水之助を見かけ追いすがる秋津、谷山林道頂上付近に茶店あしらい。主水之助がずんずん行ってしまう道は首無地蔵前の神護寺へ通じる道。
*花作り名人の斑平は水橋研二、彼の幼馴染のマドンナで現在は殿の側室の三奈は竹本聡子。お家乗っ取りを企んでいた、善人面で主水之助をもてなす首席家老は深水三章。
*発表したものと内容が異なるとテロップ、何を意味するかは不明。
■ 水戸黄門39 第3話「いずれが正義?侍の魂」2008.10.27TBS
殿様への直言で勘気を蒙った男に上意討ちの命が下るが、討手は親友。夫の苦衷を和らげるため我から不始末を仕出かして去り状を貰い身を引く妻、潔く討たれようとする当の友、覗き見していて貰い泣きする格さんなど、爽やかな心ばえが袖をしぼらせる展開のなか、人の不幸を利用して己が不正をどがちゃがにと企む悪党は、老公の根回しで一巻の終わり。
ロケ地
- 岡崎城、本物(イメージのみ)。
- 老公一行が談笑しながらゆく城下、大覚寺五社明神南側の竹垣際。すれちがったイライラ怒り中の藩士・緒方が格さんに因縁をつけるのは放生池畔広場(心経宝塔前、塔は映らず)。
- 御小姓組御用取次の緒方戍一郎邸、妙心寺海福院。門内外を使い、大通院から麟祥院にかけての裏塀も映り込む。
- 殿様の弓の腕前について小姓組の秋葉隆之介が諫言した弓場、不明(遠景の森は書割か、弓場し土で幔幕めぐらせ)。
- 格さんが緒方を老公に会わせるくだり、不明(塔頭内の庭先か、縁と露地が見えていて壺が多数)。
- 緒方が秋葉と別れたあと捕り方に囲まれる矢作河原、大堰川河川敷。老公が出てラス立ちも同所、「梅里」の文を読んだ藩主が「控えーい」と走ってくる段で印籠。
- 当地を発つ弥七とお娟、不明(林道)。格さんを待つ一行は大覚寺五社明神南側の竹垣際。
*緒方戍一郎は倉田てつを、妻女は田京恵で岳父は小沢象、友で同僚の秋葉は宮下直紀。悪い家老は伊藤高、春本見てウフフの絵が雄之助風味で良し。家老と通じる悪徳商人は出光元、同じ穴の狢の勘定方は南原健朗。殿様・水野忠盈は片岡暁孝。
★なんで金曜八時に居てくれなかったのかテレ東、二時間続けてのナマ視聴は疲れる。被って視聴率悪くなるだけなのに謎。
2008/10/26
■ 徳川風雲録外伝 主水之助七番勝負
其ノ一 「剣鬼・人面狼之助」 2008.10.20TX/東映
悪魔が野に放たれたと聞かされた主水之助は、兄弟子であるその男を討つべく旅の途に。仇持ちの姉弟や、武士の一分を失って狂乱する哀れな魂を見る主水之助、むごたらしい運命を作り出しているのは、他ならぬ殺人鬼と化した兄弟子なのだった。
ロケ地
- 処刑したことにして監禁していた善鬼を上田藩の家老が暗殺のため出すくだり、洞窟内部はセットで、表に出てくるシーンに井上長石鉱山。善鬼が鎖で手を戒められたまま家老らを斬り殺す山道は谷山林道・分岐道の坂。
- 主水之助が吉宗に善鬼が世に出たと聞かされるくだり、野駆けの原や道は不明。
- 15年前、主水之助が善鬼と戦って斬られた野原、砕石場の崖地みたいなアレ。勝負は相伝を賭けての一戦。後段、お勢伊の回想で一刀斎の亡骸を前に主水之助がやったと吹き込む善鬼のくだりも同所。
- 甲州大月、斬りあいを見に走る里人を見る主水之助、酵素ダート。「不義者」の妻を縛り上げて晒し挑戦者を募る人面狼之助が陣取る野中の小屋は酵素河川敷にあしらい。ここへの降り口も使われている。
- 人面狼之助に挑む弟をたしなめてくれた主水之助に仇討ちの経緯を話す姉の秋津、大覚寺大沢池畔(蓮開花)。
- 仇の情報を取ろうとして人面狼之助に挑んだ弟に怒りずんずん歩くうち昏倒する秋津、大覚寺放生池堤。お勢伊が通りかかり保護。
- 人面狼之助を始末するのに雇った浪人を始末する虎吉、酵素奥の林間にある祠。佐々の申し出をはねつける主水之助も同所、このあと物思いに耽る水辺は大覚寺大沢池畔。
- 「人面狼之助」にケリをつけた主水之助を襲う甲府金横流し一味、沢ノ池ダート〜東岸汀。
- 茶店で休むお勢伊を見かける主水之助、酵素ダートか(林間から眺める)。
- 散ってゆく各々のシーン、船でゆく善鬼は大覚寺大沢池、秋津ら姉弟がゆく道は大沢池北辺並木、主水之助がゆく山道は谷山林道。
*義兄を守れず妻の捨て身で助命された事実に耐え切れず暴発、「人面狼之助」と成り果てる甲府奉行所同心は西村和彦、夫のため善鬼に身を許した妻女は北川弘美で横流しを調査中だった兄は大木聡。横流し組は朋輩を陥れる同心が鷲生功で黒幕の与力は片岡弘鳳、追い使われる地回りは大鷹明良。人面狼之助に挑んで斬られる浪人の一人に福ちゃん、思い切りのけぞって川ん中に背中から倒れこみの迫力・ダイジョブっすか。 *最近作には珍しく流血を派手に描く。笑っちゃうくらいドバっと出たりぴゅーって飛んだり。また、7時台なのに軽くエロいのも珍しい。
★御宿かわせみ 白萩屋敷の月(古手川祐子主演・テレビ朝日、1988年)
ロケ地資料に「根津神社」使用例追加しました。関東撮りなのでメモとってなかったから記事ナシです。白萩屋敷に使ってる寺は生田制作のドラマで何回か見た覚えあり、関東在住なら捜すこと必至のなかなかイイとこ。生田のセットもヨロキンやミフネが活躍していた頃を思い出し感慨深し。
2008/10/25
■ 水戸黄門39 第2話「母の一念関所を破る!」2008.10.20TBS
悪者が巣食う箱根の関だが、旅の女を売り飛ばそうとしたことが、赤子のときさらわれた子との再会につながる奇縁。べったべたの母子再会話だが、悲惨な設定が一転ハッピーエンドも良しの一話。
ロケ地
- 箱根へ向かう老公一行、大覚寺放生池堤〜大沢池北辺並木。箱根の山道や関所は不明、このシリーズでよく出てくる石積みなども見える。
- 老公たちを家へ連れ帰ったあと、お花が水浴びの川、清滝川下流部(馬入り)。
- 関所役人とグルの雲助たちに監禁されていたお国たちが逃げるも追いつかれ、危機一髪に弥七の山中、保津峡落合崖道。
- お花と別れ出立する一行、不明(幼杉が植えだされた植林地)。お国たちを介抱する弥七と会う川辺は清滝川下流部(落合河口と思われるが「河口」は映らず)。
- 急ぐというお国の願いを聞き、お花が案内する杣道は不明。お国が滑落する斜面も不明、下に小さな谷川。お国を休ませるのは例の鳥居本の奥と思われる巨岩のある林間、背景に竹林。
- 様子を見に先行したお花が役人を見て隠れるくだり、役人がゆく道は酵素ダート。
- お花がさらわれた子かも知れないと聞いたお国が、闇雲に走って山野辺の爺さまや役人と鉢合わせの山中、酵素河川敷。ここでラス立ち。
- お花の母が見つかったことを知った嘉平が地蔵を積む河原、清滝川下流部。
- 当地を発つ弥七が立つ巌頭、保津峡落合落下岩。峡谷を望むかたち。
- 山野辺の爺さまに見送られ発つ一行、谷山林道か(道脇に谷川、背景は植林杉。入口ゲート付近か)。
*お国は五十嵐めぐみ、馬子のなりをしているお花は安田登で養親の爺さま・嘉平はうえだ峻。関所番頭は柴田p彦で下役は長谷川公彦、女改め役のがめついおばさんは大和なでしこ。福ちゃん下っ端よりちょっと上くらいの役人で登場、立ち回り確認できずチラ出。
2008/10/24
■ 銭形平次 第782話「三匹の蟻」1981.9.23フジ/東映
粗暴極まりないヤクザにそれぞれひどい目に遭った三人は意趣返しを決意、憎い親玉を落とし穴で仕留めようとする。ひとしきり準備のどたばたが描かれ、穴の中から死体が一個出てきたりするが、結局むごい真似などできぬオヤジたちなのだった。
*ロケなしセット撮り。店を取られた屋台の親爺は下元勉、無体を受け入水した娘をもつ踊りの師匠は西沢利明、からまれて足を不自由にした男は鶴田忍。ヤクザの親玉は汐路章、酔って妾宅から帰る、落とし穴の用意された夜道を、穴を避けて通る千鳥足がむちゃくちゃ憎たらしくて笑える。ヤクザとつるんでいて欲をかき、消されて穴に棄てられる同心は浜田雄史。
■ 新・御宿かわせみ 第9話「冬の月」1997-1998テレビ朝日/東映
ひそやかに生きる者の小さな幸せを、口さがない「世間」が奪う。苦労を重ねてきた女がこれからというとき、行く道を理不尽に曲げられた哀れさに、るいの心も重く沈む。
ロケ地
- 東吾が麻生老人に縁談を迫られる神社、上御霊神社境内。麻生の爺さまとは「茶所」でお話。
- おふきがるいに身の上を語る川端、大堰川河川敷(アオサギ等映り込み・多数の鳥の声入り。同録か)。下り船を一艘あしらい。
- 藪入で孫と過ごす嘉助、不明(石垣際、上に玉垣。杉の巨木あり、神社境内か)。
*おふきは大空真弓。おふきに魅かれる癇癪持ちの隠居は梅野泰靖。隠居を刺す悪童は富田樹央、おふきの悪口を触れて回る、当の悪童の父の左官は伊藤達広。
2008/10/23
■ 銭形平次 第781話「万七親子が夢見た女」1981.9.9フジ/東映50
万助ちゃんがかわいそうなどと称し、万七宅へ上がりこみ世話を焼く女。やに下がる万七だが、正体が掏摸の女にはもちろん魂胆あり。しかし根は優しいその女とは、ほろ苦い別れが待っていた。
ロケ地
- 旅の商人から手形を奪う、近江屋の手先の二人組、不明(山道)。
- 二人組が万助を拉致する町角、大覚寺護摩堂前。万助が笛から出た書付を突っ込んでいた徳利の置場所は石仏の間(カブトムシ採りに使用)。
- 田舎へ帰るおようを見送る街道筋、大覚寺大沢池堤。
*万七宅へ来た女・おようは金沢碧、相棒の掏摸は大竹修造。手形を盗らせた両替商は睦五郎。万助は加瀬悦孝、ちっちゃい子供で奉公とかはしておらず前の設定クリアの模様。
*手形を盗った掏摸が追われ、咄嗟に露店の売り物の笛にそれを仕込むが、取り返す前に万七に買われてしまうハプニング。ドジな相方の代わりにおようが取り戻しに万七宅へ入り込むが、怪しまれぬよう言い繕った「その紙は幸福への切符」をてんから疑わずきっと捜すと言った万助の可愛さに、女掏摸めろめろで情にほだされというのがお話の肝。
■ 新・御宿かわせみ 第8話「息子」1997-1998テレビ朝日/東映
父と子の相克、殴り合いの喧嘩もする職人親子だが、底の底では互いを信頼し深く繋がっていた。それを表に出さぬ男たちの思いを、東吾とるいはしっかりと見届ける。
ロケ地
- 青物売りの船がゆく堀、八幡掘。買い求めるおかみさんたちの中にるいの姿もあり、強盗出没の噂が出る。
- 棟梁と息子が殴りあいの大喧嘩をする橋、中ノ島橋。棟梁の通夜から帰る東吾とるいを見送ったあと、表面上明るく振舞っていた倅が人知れず慟哭するのも同所。この橋の名は「おやじ橋」とるいが言う親仁(父)橋は東堀留川に架かる、元吉原の創始者・庄司甚右衛門に因む日本橋北の橋。欄干を叩いて感情を爆発させる小源のシーンは中ノ島橋の上で、るいと東吾がそれを見る段では撮影所のセットにスイッチ(このセットの橋、松竹の橋ではないかいな)。
*棟梁は高松英郎、倅(次男)は東根作寿英で恋人は佐藤友紀。
2008/10/22
■ 銭形平次 第780話「義賊・つむじ風」1981.8.26フジ/東映76
「義賊」が入った先での殺人事件は、親分に苦い役目を果たさせる結果に。幼き日は遠く、掛け違ってしまった運命を嘆くも時は戻らず、残された女のその後を見届けて平次は町をゆく。
ロケ地
- 義助の幼時の回想、坂を転がってきた大八から義助を庇い大怪我をした卯之吉、粟生光明寺参道坂。
- おせいが卯之吉を匿う船小屋、広沢池東岸にあしらい(小屋から船着きが張り出すのを「小屋」越しに見るかたち)。
- 一旦家に戻ったおせいが卯之吉の小屋へと船を出す川端、広沢池東岸。池から岸辺を見るアングル。
*おせいは野川由美子、薄幸の女が似合いすぎ。義賊の卯之吉は江原真二郎、幼き日の思い出が傷ついた彼をおせいのもとへ向かわせる運び。抜け荷をごまかそうとして平次をもたばかる山城屋の主・義助は土屋嘉男。八のところへ転がり込んだ頼りない青年・留造は、国へ帰った清吉の代わりに万七の下っ引に。キャストは有光豊。
■ 新・御宿かわせみ 第7話「ぼてふり安」1997-1998テレビ朝日/東映
寂しさから悪い女につかまるダメ親爺、見かねた娘は身売りして父の女の身請け金を作ってやる。知らずに娘の背を押してしまった東吾の落ち込みようを見て、まわりのおかしな江戸っ子たちは奮い立つ。
ロケ地
- 辻斬りにやられたかわせみの泊り客の検分、上賀茂神社ならの小川畔(神事橋下手・石のステップの汀。町方が橋下の川に入っての捜索風景も演出)。
- 頑なな父に出て行けと言われ飛び出したいちが物思う水辺、大覚寺大沢池船着(屋形船を横付け)。兄の言いつけで変装して辻斬り探索に出ていた東吾が来かかり、声をかけ送ってゆく。その後辻斬りが出てやりあうのも同所(辻斬りはドボン)。
- 伊八から金をとると決めた東吾、屋敷を出てくると畝の旦那に内緒で手伝う気満々の長助が待っている門前は妙心寺聖澤院。
- 女衒に女を売ったあとの伊八をつけてゆく東吾、煙とり付き大屋根をバックの一件はぼやけていて不明。伊八が尾行に気付く神社は吉田神社竹中稲荷参道重ね鳥居、逃げる林は三高碑のある丘、伊八が生きていた辻斬りに斬られるのは本殿前・辻斬り兄弟と東吾たちの死闘もここで展開される。
*魚屋の安は左とん平、娘のいちは佐伯日菜子。安に情婦を宛がうワル・伊八は本田博太郎で女は速水典子。辻斬りは福本清三、目のどアップあり。
2008/10/21
■ 銭形平次 第779話「憎まれ天使たち」1981.8.19フジ/東映76
掏摸まで仕出かす、色気も欲も残りまくりのがちゃがちゃ婆さん三人が大暴れの人情話。長屋追いたてに反対していた大工が殺された事件に、三婆関わりまくりで間抜けな誤解もやらかし危機一髪のところへ、きっちり銭が飛んでくる。
ロケ地
- 三婆が掏摸紛いを仕出かす天神境内、今宮神社境内。後段も頻出で、楼門や摂社、稲荷社など各所が映し出される。掏摸の段では縁日あしらい。
- 和泉屋のあくどい後妻は生き別れの娘だとお幸が告白する川端の茶店、広沢池東岸にあしらい。土手の並木を大工殺し実行犯が通り、婆たちは尾行開始。
- お幸が見張る和泉屋の寮、不明(料亭ふう門、756話や777話でも出たアレ)。
*三婆は年の順に菅井きん、久慈あさみ、日高澄子で三様に趣き深し。立ち退きに反対して殺される大工は牧冬吉で娘は山本ゆか里。金をさらって逃げる算段の和泉屋の後妻は湖条千秋、判り易すぎのオホホ悪女。グルの手代は高峰圭二。
■ 新・御宿かわせみ 第6話「鬼女」1997-1998テレビ朝日/東映
呉服屋の入婿は奇妙な二重生活にピリオドを打つが、新生も早々と終る。結果を見て溜息をつく男たちを尻目に、るいは裏切りが鬼女を生んだと述懐する。
ロケ地
- 千駄ヶ谷の瑞園寺、勝持寺。東吾とるいは山門(南門)をくぐり本堂下の石段前へ。お富士さまは不明(小丘の麓に鳥居、ピークに祠があり登り道にステップ。上からの眺めは別撮りと思われる。ここから見える、植木屋の孫が遊ぶ場所には巨岩)。和尚に記帳を調べてもらうのは本堂前、植木屋の婿の死体が運ばれてくるのは参道。観念した呉服屋の女将の告白を聞くのは鐘楼前。
*呉服屋の家つき娘の女将は二宮さよ子、激情をほとばしらせる台詞まわしがさすがの巧者。
*瑞園寺は、劇中あしらわれた看板にあった字をあてた。切絵図には瑞円寺とある。劇中ではもう一つ「富士権現別当寺」の看板がかかっている。お富士さまは鳩森八幡宮にある。
2008/10/20
■ 銭形平次 第778話「引き裂かれた絵図」1981.8.12フジ/東映50
獄死した大盗の隠し金をめぐる血腥い騒動、哀れな女が掘った先にはお宝はなく、とうの昔に汚い奴の手に渡っていた。
ロケ地
- ゆめやで散財した伊之助が斬られる帰り道、広隆寺東塀。
- 絵図の一部を持つ生臭坊主が塒にしている七軒町の荒れ寺、二尊院か(無縁の集合墓みたいに石塔が寄せられている「道」)。
*まんまと万七を騙すかしらの妾は服部妙子、絵図を持つ一味の者を襲う情夫は中田博久で総髪の浪人。開店資金が怪しい元火盗改同心は御木本伸介。
*絵図は四切れに分かれていて、それぞれに印があり、寄せて結ぶクロスポイントが隠し場所という趣向。
■ 新・御宿かわせみ 第5話「美男の医者」1997-1998テレビ朝日/東映
かわせみに転がり込んだ医者は男前の青年、東吾はるいのご機嫌な様子が腹立たしい。この医者を巻き込んで、計画倒産でたくさんの人を欺いた悪党どもに計略をしかけるお話。でも、何をしたのかは源さんに言えないのだった。
ロケ地
- 御典医の代診で弟子の寒井千種(本物)がやってくる麻生邸、妙心寺金牛院。イメージに門、見舞って帰る東吾に七重が意味深発言は前庭。
- 店じまいした四条屋の女将と娘が暮らす向島の陋屋、民家。正面や裏手さまざまなアングルで出て、娘が塵芥を埋めにゆくシーンでは橋を渡って対岸の畦に。
- かわせみ泊り客の寒井が釣りの大川端、広沢池観音島。
- 四条屋母子見張りの結果を報告する長助親分、神護寺石段下。
- 四条屋母子が亡き主の墓参に詣でたあと立ち寄る茶店、二尊院門内の茶店。設定は浅草西光寺。るいが注文を取りに来て、あとから東吾と寒井が入ってくる趣向。
*母子は白川和子と有沢妃呂子、グルの番頭は井上高志。実は御典医の息子だった「寒井」は橋爪淳。
*四条屋に品を納めていて代金を踏み倒された職人の兄妹は長助親分の甥姪設定。
2008/10/19
■ 吸血死美人彫り 大西秀明監督作品 1961.5/28ニュー東映49
関ヶ原の戦で神君の命を救った褒美に下されたお墨付きが、子孫をとんだ騒動に巻き込む伝奇ロマン。約束された十万石を狙い、怪しの者どもが徒党を組んで跳梁するところ、友の助けを借りた若武者は陰謀を暴き父母の仇を討ち果たすのだった。
ロケ地
- 弟が井戸に落ちたと騙され志津が連れ出されるくだり、当の弟がかくれんぼをしているお寺の境内、仁和寺五重塔下。露店などあしらわれていて、梯子持って坊を助けに来た花助が落とし穴に。この間芝神明の祭礼の模様が映し出される。
- 白魔党につかまった友・堀川波太郎を奪還しにゆく竜王寺、粟生光明寺。竜太郎が弾正と対峙する本堂内部からはじまり、脱出のくだりでは銃隊が本堂縁先に現れる。波太郎を駕籠に乗せ追っ手に銃をぶっ放すシーンでは鐘楼や水盤が映り込んでいる。
- お墨付きを求め旅立つ竜太郎と志津、不明。川堤の地道、堤に萱葺民家が屋根を接している。二人を凝視する婆は木橋の上(欄干あり)。
2008/10/18
■ 鬼平犯科帳スペシャル 「引き込み女」 2008.10.17CX
凶賊にがんじがらめの、引き込み女の悲哀を描く。女は潜入先で思いもかけぬ愛をつかみかけるが、首領の酷薄さを恐れひとり出奔する道を選ぶ。しかし舞い戻り全てをあきらめて入水したのは、おまさにもう少し居てくれと子供のようにせがんだあの岸辺なのだった。
ロケ地
- 五郎蔵が駒止めの弥太郎の引き込み女・お元を見かける橋、八幡堀明治橋。五郎蔵は橋上手堀端から橋上・欄干にもたれて物思うお元を見る。原作では見かけるのはおまさ、設定は築地川万年橋。
- 猫どのが張り込み中の沢田に弁当を届ける堀端、八幡堀明治橋下堀端。
- おまさをお元のいる菱屋へ潜入させるため頼みごとをしにゆく井上立泉邸、民家長屋門。原作設定は芝・新銭座。役者出ず、イメージのみ。
- 南品川の弥太郎のアジト、琵琶湖西岸河口州汀に小屋あしらい。後段では沖の釣り船からここを見る図が出てくる。
- 自分も引き込みだと明かしたおまさが、「おかしらの五郎蔵」にお元を会わせる待合、錦水亭東屋。導入に、八条池の石橋越しに見た東屋が出てきて、五郎蔵の背後にいる大物として頭巾被った平蔵がお元に声をかける座敷は東屋の座敷で窓越しに水面などものぞく。
- 平蔵の情に打たれたお元が、おまさと話す水辺、大覚寺天神島・汀の鳥居脇。導入は大沢池南岸から護摩堂や天神島を望む図。原作にないエピソードだが、おまさが心決めてお元に接触する原作の茶店は不忍池南岸の茶店なので、それがイメージとして考慮されているかも。事後、お元が土左ヱ門であがるのもここ天神島の水辺。但し、塩漬けされていた映像なので大沢池に蓮の気配は無し。
- ひとり出奔したお元が江戸を離れる戸田の渡し、桂川松尾橋下手右岸河川敷。船着は水制に演出、三次郎らが見張っている茶店は河原にあしらい。
- 押し込み当夜、一味の放火で上がった火の手を確認に走る船番所の役人たち、八幡堀堀端。騒ぎに乗じ船を繰り出す一味は白雲橋下掘割をゆく。番所はセットで、堀端のシーンにつないである。
- 芝神明の叶屋を狙う、かしらの弥太郎を含む一味が上陸する堀端、八幡堀新町浜。
*お元は余貴美子、彼女を愛した菱屋の番頭あがりの入婿は羽場裕一、菱屋の女将は佐々木すみ江で家付娘は栗田よう子、朋輩のお民は松金よね子。駒止めの弥太郎は石倉三郎、手下の軽業小僧は井手らっきょ、ツナギ役の萎びた野菜を売る女は左時枝。いっちょ噛みの立泉先生の倅は市川染五郎。
2008/10/17
■ 銭形平次 第777話「幽霊からの遺言状」1981.8.5フジ/東映50
御用を請け負った材木商の失踪後続けて起こる怪異、心弱りした後妻が役人を呼んだことで悪事は明るみに。きつい目をした女中が実は、という情話が被さる。
ロケ地
- 身の上と事情を平次に告白するおすみ、上賀茂神社境内、ならの小川畔。
- 後妻が連れ込まれおすみも捕われる伊勢屋の寮(横網町、津軽屋敷のそば)、不明(既出の料亭ふう門)。
*但馬屋は堀内一市、実は娘だった女中のおすみは甲にしき。浮気性の後妻は山口奈美、これを誑しこむ番頭は藤木敬士で黒幕の伊勢屋は谷口完。
■ 新・御宿かわせみ 第4話「江戸の子守唄」1997-1998テレビ朝日/東映
麻生の当主から東吾に縁談が持ち掛けられ、るいの存在は皆の知るところに。身を引くと言い張っていたるいだが、七重の闖入は二人の心をさらに寄り添わせる。タイトルは、かわせみに置いていかれた幼女にるいが歌ってやる子守唄。
ロケ地
- 麻生邸、妙心寺金牛院。門のほか式台玄関も出てくる。
- 「両親」に置いていかれてしまった幼女を散歩に連れ出するい、大覚寺放生池堤。麻生家から帰りの東吾が護摩堂脇に立っていて軽口を叩く。
- 七重が捜しに来たことを東吾に話す畝同心(るいに気兼ねしてかわせみから連れ出し)、広沢池観音島。
- 父の使いで東吾を迎えに来る七重、神林邸は妙心寺聖澤院、二人で歩く道は涅槃堂前路地。
- 七重が東吾に経緯をぶちまける寺、仁和寺観音堂前(塔や御室桜林映り込み)。東吾が駆け去ったあとるいがお堂西から出てくる。
- 幼女を「母」とともに送り出したあと、るいと東吾が出かけるお祭りの縁日(夜)、上賀茂神社ならの小川畔に露店あしらい。
*古希を迎えた麻生源右衛門は織本順吉、さらわれた子を求め江戸に出てきた天童の紅花屋の内儀は小野沢知子、子の産みの母は小川美那子で情夫の恐喝男は草薙良一。
2008/10/16
■ 銭形平次 第776話「花火殺人事件」1981.7.29フジ/東映49
完全犯罪に近いヤマだが、親分の正義感は逃げ得を許さない。ハナっからわざとらしいまでに張られた伏線を辿る謎解きに、残された妻の濃厚な追憶を重ねた情話。
ロケ地
- お篠の回想、利兵ヱと江戸行きの話をした鰍沢宿の水辺、柊野堰堤。落差工上を歩く姿や、堰堤に食い込んだ巨岩の傍でお昼をつかう場面のほか、落水を横から見たイメージ映像も。お篠は鰍沢宿の旅籠の下働き、利兵ヱは薬の行商人設定。
- 美濃屋の入婿が共犯者の花火師に平次の手が及んだことを話す水辺、中ノ島橋下水路背割上(右岸側)。
- お篠の回想、御守を貰って駆けてくる利兵ヱ、車折神社参道。
- 両国の花火を観る群衆のくだり、橋は若森廃橋か(映画等からのバンクフィルム?)。ゆめやの娘たちがいる橋はセット撮り。
- 花火の打ち上げ場へ共犯者を捕えに出た平次、逃げた長次を追い仕留める川端は広沢池東岸、船着あしらい。
- 利兵ヱの墓、くろ谷墓地。帰る平次の段では塔下の石段も。
*帳簿に大穴を開けている入婿は永井秀和、番頭殺しに一役買う友人の花火師は市川好朗。若旦那に頼まれるまま帳尻の秘密を守ってやったのに無惨に殺される番頭は天田俊明、永年苦楽を共にした女房は桜町弘子。
*番頭が花火の炸裂に驚き水に落ちてしまう橋はセット撮り、雁行する危なっかしい橋を誂え。
■ 新・御宿かわせみ 第3話「卯の花匂う」1997-1998テレビ朝日/東映
父を殺し母を奪った憎い仇を求める青年だが、圧倒的な男女の結びつきを目の当たりにし、刃は振るえず終る。そして彼にも、命がけで自分を愛してくれる魂の相手がいた。
ロケ地
- 吉野屋の夫婦がリハビリに励む近くのお宮、神護寺金堂下石段。東吾の道場近くという設定、道場は狸穴。
- 神林邸、妙心寺聖澤院。
*仇持ちの青年は坂詰貴之、献身的な侍女は古柴香織、彼を捨てた母は山本陽子で今は筆屋の吉野屋は井川比佐志、東吾は彼に字を習っている設定。
2008/10/15
■ 銭形平次 第775話「大先輩八十歳」1981.7.22フジ/東映49
喜寿を過ぎた元目明しの爺さまは少々ボケ気味、しかしデキのよくない息子と孫が二人してお上に引っ張られてからは嘆きつつもシャキーン。親分の奔走で事件が解決し、元通りの暮らしが戻るやまたトロトロになる爺さまは可愛すぎ。
ロケ地
- ゆうべも出たひったくりのことを平次にボヤく八、大覚寺大沢池畔(睡蓮はげしく繁茂)、徘徊中の源兵ヱを見る橋は天神島朱橋・家族が捜しに来る。話を聞く茶店は護摩堂脇にあしらい。
- ひったくりの若者たちも屯する両国近くの水茶屋(姐ちゃんたちの脚露出度高めで、バカヤロ様御用達らしき設定)、大覚寺大沢池船着(大)上にセッティング。背景に来る観月台は脚部に葭簀等吊り下げ。
- ひったくり三人組が源太をシメる河原、桂川・罧原堰堤下中州合流点(右岸河川敷)。三人は褌一丁で水浴び中、源太が来て平次に目をつけられたと言うとリンチ・そこへ銭が飛んでくる運び。
- 小唄の師匠殺しの真犯人が返り血のついた衣を焼きに来る林、糺の森池跡か。
*爺さまは曽我廼家明蝶、息子は北上弥太郎で孫息子は津山栄一。
2008/10/14
■ 銭形平次 第774話「炎の中の顔」1981.7.15フジ/東映49
棒手振りの青年に保護された記憶喪失の訳あり女は、彼に感謝し慕いつつも素性が判らぬうちはと身を任せない。記憶が戻れば別れが待っているかもしれない二律背反に悩む男、果たして半年間の二人の思い出は失われるが、新たな愛が紡がれてゆく。
ロケ地
- 信吉がおりんに別れを切り出す品川の神社、松尾大社楼門前。
- お蝶が白玉売りをする露店、二尊院紅葉の馬場。
- 品川宿へやって来る八、不明(川堤か)。
- 信吉がお蝶を騙して呼び出し殺して焼こうとする本所小梅村はずれ、広沢池東岸。池に張り出した船小屋があしらわれていて、汀に放火用の柴が積まれている。これを利用して燃やし記憶を取り戻させる運び。
*おりん(お蝶)は三浦布美子、彼女を大川で保護した棒手振りはなべおさみ。孕んだおりんが邪魔で殺そうとした色悪の信吉は石山律雄、同じ手口で手をつけた女を殺して放火したことからアシがつく。
■ 新・御宿かわせみ 第2話「秋色佃島」1997-1998テレビ朝日/東映
忍び寄る悪意は過去の因縁、しかしるいの心ばえが積年の怨念を溶かす情話。気強くしていたるいが、来てくれていた東吾の胸に顔を埋めるしぐさがいじらしい。
ロケ地
- 三春屋の願ほどきと称し毒入り饅頭が配られる山王御旅所(南茅場町)、上御霊神社境内。東吾が七重に引っ張りまわされているシークエンスでは物・人多すぎて判別不能。後段、宮司に聞き込みの段は舞殿脇。
- 神林邸、妙心寺聖澤院。七重が見舞いに来る段では門のみ、るいがお礼にやって来る段では中庭の石畳上で兄上と会う(門のすぐ内側)。
- 伊之助の手助けをした夜鷹が殺されて見つかる葦原、不明。
- 伊之助にたばかられ船に乗るるい、八幡堀明治橋上手左岸堀端。
- 船を止め正体を現す伊之助、西の湖(船上、葦原脇)。異変に気付き追ってくる東吾たちも西の湖、エンディングでは太鼓橋も映り込んでいる。
- 神林家を訪ねて帰りのるいが渡る橋、流れ橋。休む茶店を橋たもとにあしらい(左岸側)、るいが行った先をかわせみで聞き慌てて駆けてくる東吾(橋上)をここから見る構図。設定は永代橋か、旅人や通行人多数あしらい。
*恋人の死は役人のせいとるいの父(故人)を恨む伊之助は石黒賢、嫂の妹・七重は小島聖。
2008/10/13
■ 新・御宿かわせみ 第1話「秋の蛍」1997-1998テレビ朝日/東映
嵐の川で幼女を助けた船頭は訳あり、しかし人柄を見てかわせみに留め置き。悶着を経て「父子」見送りまで、濃厚な情話が展開される。
ロケ地
- 船に乗っていて流された嘉助の孫を救出に向かう長七のくだり、見守る東吾らの立つ岸辺は一部嵐山か八幡堀か、石積み護岸が見えるが散水凄すぎて判別不能。
- 神林邸、妙心寺聖澤院。塀越しのクレーンショットで前庭の東吾を望むアングルも。
- 長七がかしらの大三に脱退を乞うも通らず、争いとなる深川万年町の法乗寺(福住ランプ前に法乗院という寺はあるが、これを指すか否かは不明)、鳥居本八幡宮。本殿前から舞殿と使い、捕り方が殺到したりるいが長七の娘を伴ってきたりする際に石段を効果的に使う。
- 牢死したはずの長七と娘のお糸を見送る堀端、八幡掘明治橋上手左岸堀端。長七の船は新町浜の方から来て、お糸を乗せて「上流側」へ去ってゆく。
- 長七のことを黙っていたるいにお冠の東吾、二人してゆく大川端は大堰川か。
*船頭の腕を買われ賊に使われていた長七は名古屋章、幼い頃川から助けられ育てられたお糸は小川範子、行徳の実父は芝本正。凶賊・水鳥の大三は遠藤征慈。
■ 水戸黄門39 第1話「青空、恋空、江戸の空 いざ旅立ち!」2008.10.13TBS49
山野辺兵庫の孫・早月の恋が老公を動かす。将来を誓った男からきた文には別れの言葉、彼は長崎奉行に内定した兄の身を案じ、命がけの調査を始めていた。陰謀の根は深く、裏で糸を引く柳沢はじめ怪僧・隆光も登場、そして老公の長崎行きが決まる。
ロケ地
- 酔漢にからまれていた早月を橋場大二郎が助けた縁日、仁和寺参道。その後デートを重ね、大二郎が兄のことなど話す市中は塔付近林間。
- 早月のお供で江戸入りのお娟たちが橋場邸へ向かうくだり、新助が地図を見ながらこっちと導く街路、建仁寺両足院前路地(北望)。橋場邸は久昌院、参道脇の草地越しに門を望み、用人と会うシーンは式台玄関。
- 騎馬で吉原へ向かう黒沼、大覚寺護摩堂前(夜)。
- 江戸城イメージ、皇居巽櫓。
- 黒沼邸へ侵入し露見、逃げてくるところ水戸から出てきた山野辺とばったりのお娟たち、妙心寺大庫裏脇路地。
- 兵庫がお娟たちを連れて入る、静枝が待っている家のくだり、挿入される掘割イメージは大覚寺有栖川・御殿川合流付近を北望。
- 柳沢吉保邸、大覚寺大門。
- 柳沢邸での会話で出る前長崎奉行殺害シーン回想、中ノ島橋。
- 現長崎奉行・永井に迫られた誓紙を前に、弟と相撲をとった思い出を反芻する橋場善明、建仁寺久昌院前草地。
- 儂も何かせねばと黒沼邸へ入ってみる兵庫のくだり、行き帰りに妙心寺大庫裏脇路地、助さんが出て叱るシーンには大庫裏の建物上部映り込み。
- 三浦屋楼主はじめ男衆らが老公の旅立ちを見送るくだり、嵐山自転車道。一行がゆく道には嵐山東公園内も使われる。
*早月は磯山さやか、橋場大二郎は徳重聰で兄は篠塚勝、用人は住吉正博。赤鞘組首領の黒沼は藤堂新二、現長崎奉行の永井は有川博で抜け荷でつるむ悪徳商人は石井愃一。幕府要人でキャスト変更は柳沢がレンジに代わったほか綱吉が中村繁之になり、桂昌院の岩崎加根子と隆光の麿赤兒が新登場。黒沼をはねつけて騒動の元となる高尾太夫は純名りさ、侠気を見せる楼主は深水三章。あと山野辺兵庫は長門裕之に。39シリーズの初回は午後7-9時間の2時間スペシャル枠。
2008/10/12
■ 馬上の若武者 河野寿一監督作品 1962.7.8東映
西郷隆盛下野、各地で不平士族の乱が勃発する時勢下のお話で、舞台は人吉城下。新政府に不満を抱く旧藩士の若者たちは、私塾に拠り鹿児島の西郷と気脈を通じ決起を期すが、悲劇がてぐすね引いて待っているのだった。
ロケ地
- 冒頭、馬を駆けさせる伝八郎および雪江とデートの芝地、不明。ゲレンデか。
- 人吉の山なみ、不明。
- 早馬が駆ける街道、不明(古い作品で頻出の、谷地田の地道。「道隈」や溜池端も出てくる)。
- 集合がかかるもたるんでいた若者たちが裸で鍛錬させられるくだりの川、不明(粗い石礫)。
- 街道を来る実はスパイの行商人、不明(山道の地道)。このあと伝八郎の爺やが住む城下へ一里の家(セット)へ。
- 彦次郎に話を聞く河原(その後雪江とデート・塾生からかいも)、不明(切り立った岩肌の峡谷、淵瀬連続の澄んだ川、巨岩を水食して落ちる小滝も見える)。
- 伝八郎が伝令に発ったあと、大砲も出てドッカンの野原、不明(饗庭か、幼松なども見える)。鞍に伝八郎を乗せていない白馬が立つ道は地道。
2008/10/11
■ 遠山の金さん 第8話「黒髪秘話!蛇の目傘の女」1982テレビ朝日/東映49
女の命の髷を切る通り魔事件が続発、裏には涙ものの姉弟愛があり、薄汚い金儲けを企む大悪人が跳梁していた。
ロケ地
- 事件発生後二刻もせずに髷切りを報じるもぐりの瓦版がこっそりと売り子に渡される要津寺、大覚寺五社明神(劇中、捕まった売り子が「ようしんじ」と発音、そこから深川六間掘の禅寺と推測)。
*髷切りを強要されていた元小鍛冶の弟は内田喜郎、姉の辰巳芸者は新藤恵美。もぐりの瓦版で大儲けの表向き貸本屋は武藤英司、用心棒は阿波地大輔、手下に木谷邦臣。
2008/10/10
■ 銭形平次 第773話「めぐり逢ったふたり」1981.7.8フジ/東映76
亭主の医者代のため苦界に身を堕し死んでいった女房、それに生き写しな女に出会った亭主は、彼女が女房と同様の境遇に置かれていることを知る。女房の一件で医者を恨んだ男が仕出かした盗みには、親分の計らいで大甘な処置が下され、一組のつがいは幸せそうに江戸を去ってゆく。
ロケ地
- 亭主に女郎姿を見られたあと入水するおしん、罧原堤下河原。駆けつけた亭主・仙次の懐には無駄になった身請けの金。設定は大川と後で語られる。
- 仙次を呼び出し盗みの件を問いただす八、西の湖園地葦原。万七とゝ松が隠れて覗き見ている。
- 江戸払いになった仙次が、おきくの父の里へ二人して向かう道、北嵯峨農地・農道。
*おきくとおしんは木村理恵の二役、鋳掛屋の仙次は桜木健一。治療費水増しのうえ悪徳金貸しとつるみ患者の家族を苦しめるトンデモ医者は神田隆、絵草紙屋の裏で闇金をはたらくのは江幡高志で手下の強面は丘路千。
2008/10/9
■ 銭形平次 第772話「恐怖の影」1981.7.1フジ/東映49
父が貰った若い後妻に懐かず反発する子、そこへ立て続けに後妻を狙った事件が起き、万七などは子を疑うが、思わぬ筋が糸を引いていた。悪党から命がけで子を守った女は、晴れて「おっかさん」の呼称を貰う。
ロケ地
- 旅籠の子・千吉が潮来へ行っていなかった泊り客を見てしまう夕暮れの川端、広沢池東岸。
- 事後、お小夜の箪笥から出た地図をもとに吉兵ヱの隠し金を掘る不忍池、大覚寺天神島。地図には中島に大木と祠が描かれていて「不忍池」と明記されているが、生池院とか七福神とかの記述はなし。いまの不忍池には弁天堂のある島へは京成上野駅方面からのほか、野外ステージや爬虫類館のほうからも堤がついているが、昔は東からの一方のみ。
*旅籠屋の主は東八郎で、後妻は松本留美。隠し金の在り処を吐かぬまま獄死した盗賊・虎姫の吉兵ヱは千葉敏郎、水茶屋女将の情婦は藤江リカ、牢で伝言を託された弥十は玉生司朗…この「賊の遺族」たちが入れかわり立ちかわり旅籠屋へ来て幽霊になったり味噌汁に毒盛ったり梯子を切ったりと「後妻出て行け工作」をはたらく趣向、よって謎解きがタイヘン。清吉は甥の婚礼で下田へ、という設定で万七の子分にゝ松(ちょんまつ)登場、「万おじさん」などと呼んで怒られ・演者は田井克幸。
2008/10/8
■ 銭形平次 第771話「父娘ばやし」1981.6.24フジ/東映49
男手ひとつで育てた娘が嫁ぐに際し、せめて心尽くしをと願う父の心を弄ぶ悪党。もちろん、親分が哀れな親心を罪に問うことはない。
ロケ地
- 合鍵を作らせるためおたまをさらう稲妻組、広沢池東岸並木。
- 監禁する大川端の船小屋は広沢池東岸池底にあしらい、池水は無し。
*怪しみつつ金も欲しくて合鍵を作る父の職人は小鹿番、鍵を失くして困っている人がいてと騙す幼馴染は木村元で、質屋に潜入していた情婦は湖上千秋、賊のかしらは長谷川弘。結婚間近の娘は金沢明子で八木節を披露、恋人の板前は水上保弘。ラス立ち福ちゃん入り、賊の一味。
2008/10/7
■ 銭形平次 第770話「禁じられた恋人たち」1981.6.17フジ/東映49
恋してはならない人と夫婦約束をしてしまう島帰りの青年、事情を知るも言えずにいた青柳同心だが、悪党の企みにより最悪のタイミングで事実が暴露されてしまう。しかし悪党のさらなる悪行は、二人の縁を再び結びつけることになる。
ロケ地
- 待ち合わせの政吉とおさき、永観堂弁天社石橋上。池畔の鳥居前に茶店の床机があしらわれており、青柳と八がそこで休んでいて、女を待つ政吉を見かける運び。二人して帰る政吉たちは参道石畳、中門越しの絵もある。
- 昔の仲間におさきの兄を殺した件をばらされたあと、政吉が佇む水辺、広沢池畔(水無し、水脈が見えている)。
- 政吉を仲間に引き込むべくおさきを拉致した辰三らが、旅に出ようとした政吉を連れ込み脅す葦原、西の湖園地。
*喧嘩で相手の出した匕首を使い刺し殺してしまった政吉は佐藤仁哉、その相手の妹だったおさきは佳那晃子、二人は互いの素性を知らずに愛し合う設定。左官の政吉が出入りの店を狙う昔の悪い仲間・辰三は根岸一正。
*人の幸せを壊す言いふらし野郎どもをシメる青柳さま、裾おっ広げてのハイキックが傑作。
2008/10/6
■ 銭形平次 第769話「さまよえる死体」1981.6.10フジ/東映49
堀に浮いていた死体がなくなったあとに起こる怪異は芝居、平次はそのあとを引き継ぎからくりを暴き、アリバイを突き崩す趣向。世に不思議なしの明快な典型的橋蔵銭平だけど、藁の切片でお見通しのほか、柄杓の落ちた音で鹿威しの仕掛けに気付く親分凄すぎ。
ロケ地
- 結城屋の死体捜索の川浚い、罧原堤下汀と川中(船上)。後段、漁師が網に亡骸を引っ掛けるのも同所。青柳同心が出張ってくる場面では嵯峨の山なみが映り込む。結城屋がはじめに浮いていた堀はセットで、設定は深川佐賀町。
- 結城屋の部屋にズタズタの血だらけ衣が「出た」翌日、八にそのことを告げる結城屋の娘、広沢池畔(水無し、水脈が見えている)。設定に格段の言及なし。
*生まれ育ちから金に執着するタチだった結城屋の後妻は原良子、蓑合羽つけての疾走がなかなかに派手。登場早々に死体の結城屋は波多野博で娘のおみつは賀田裕子、物陰から睨む顔が怖すぎて犯人に見えてしまう忠義者の番頭は梅津栄。
*EDの小芝居でもいじられ役の八、話中でも万七に脅かされ。
2008/10/5
■ 水戸黄門
天下の大騒動 1960.12.27第二東映
白鷹城に巣食う悪を退治に向かう黄門さま、道中も賑やかに華やかに演出された娯楽作。偽や囮の三名様も出て、途中で正体を明かす心強い爽やかな味方や、なにかと噛んでくる掏摸の男女に加えおきまりの旅の一座もあり歌や踊りが入る。かなり長い尺をとっての大立ち回りのあと、政争の具にされた幼児には情けがかけられ、解決をみたあと老公は再びの旅に出てゆく。監督は深田金之助、脚本は結束信二。
ロケ地
- 「天下の大騒動」を伝える早馬が走る街道、不明(かなり引いたロングもあり/川堤か・堤高は木津川下流部なみ)。
- 早馬が駆け去るのを見た老公たちがゆく街道、一部土手のような道であとは琵琶湖沿いの松原脇の地道。道沿いにお宮さんや木橋なども映り込む。
- 初雪太夫一座がやってくる街道、昔の作品によく出てくる「道隈」、山は遠い。このシークエンス、老公がゆく道は谷地田脇。
- 一座が小屋掛けする宿場はずれ、小屋裏手の林は下鴨神社糺の森・河合社裏塀も映り込む。ここで掏摸の四郎吉が老公らから盗った金を数えていたり、四郎吉を追って疲れ果て空腹に倒れる助さんのシークエンスもここ。馬場には酒肆などあしらわれ宿場を演出。
- 白鷹城、彦根城天守。山の上に顔を出すロングの絵と、真下から見上げた寄った絵と二種類。城門はセットでこのときの天守は書割。
- 白鷹城を去った老公に囮の三名様と右近たちが追いついてくる街道、不明(谷地田の脇、溜池端)。
2008/10/4
■ 遠山の金さん 第7話「治した患者を殺す医者!」1982テレビ朝日/東映49
幼児も平気で見殺しにする医師はトンデモ外道、名医という評判も作り事で、富商乗っ取りに手を貸す始末。しかし企みはとんだ遊び人の知るところとなり、悪党はまるっと裁かれて一巻の終わり。
ロケ地
- 若先生・竜之進を強請って殺された大工が棄てられる大川、大覚寺大沢池(船上)。検分は天神島、鳥居前の池端。
- 医師・春日玄斉邸、相国寺大光明寺。門を南から見下ろしのクレーンショットも。左官夫婦が重篤な幼児の診療を求めるも用心棒に力ずくで追い返されるシークエンス。
- 殺された大工の、別れた女房に話を聞く金さん、今宮神社合祀摂社・稲荷社間の路地。いろんなアングルで映し出される。
- 奉行所へ訴え出て門前払いされた備中屋の娘と手代が、番頭に連れ去られかける帰り道、相国寺鐘楼脇。
*主に砒素を盛られ乗っ取られかけた備中屋の娘は荒木由美子、主が婿がねとしていた手代は林健樹、乗っ取りを企んだ番頭は川合伸旺。悪徳医師・玄斉は南原宏治で悪事に加担の倅は伊藤高。ラス立ち福ちゃん入り、モミアゲが派手な浪人。
2008/10/3
■ 銭形平次 第768話「平次・潜入大作戦」1981.6.3フジ/東映49
抜け荷で肥え太る悪党が拉致った娘を、大目付に頼み込まれて救出にゆくお話。親分の変装が二態あったり、「山の御大」がご出演など豪華な一篇。
ロケ地
- 宇野屋の娘がさらわれ未解決なまま過ぎる日、町をゆく平次をつけてきた編笠侍たちが遂に取り囲む町外れ、下鴨神社河合社脇。平次を駕籠に込めてゆく道は参道、瀬見の小川河床から見上げのアングル。大目付のところへ連れてかれるシークエンス。
*平次に磯崎藩邸潜入を依頼する大目付は片岡千恵蔵、彼に使われていて露見しさらわれた宇野屋の娘は平野真理、同じく奉公中の「同志」は小林かおりで成敗時にはくの一ルック。抜け荷親玉の江戸家老は横森久、腹心は中田博久で蝋燭垂らしの拷問とかもやる。悪徳商人は伊達三郎、密談を立ち聞き始末される正義派の藩士は峰蘭太郎。娘を助けて貰ったお礼が大量の蝋燭な、気の利かない親爺は阿木五郎。
*変装は賭場潜入の町人髷ムシリ付き(これで盗っ人姿もアリ)と、総髪の浪人。浪人・銭野平八郎の紋は寛永通宝で大笑い。殺陣は往時を髣髴とさせる武者ふうのもので、年食っても橋蔵は凛々しい。
2008/10/2
■ 銭形平次 第767話「おとぼけ捕物道中」1981.5.27フジ/東映76
阿片密売組織を追う話、密輸中継点と目される沼津へ出張の青柳や万七と、江戸に残って消された売人の伝手を調べ上げる平次と、二元中継ふうに進行。たばかられ動かされる姉弟の情話も挿み、沼津往還は賑やかに騒がしい珍道中となる。
ロケ地
- 大木戸で張り込む万七、木戸の向こうからやって来る運び屋の留吉は大内の、里へ通じる道(南望)。万七らがいる大木戸内は映画村のセット。
- 沼津さして街道をゆく万七たち、大堰川堤。堤内地の畑地から見上げのアングルと、堤上の地道を映すものとある。竹の河畔林が堤上に頭をのぞかせる。
- 沼津宿は映画村町並みセットに富士山合成。
- 手がかりの目明しが殺されていて仕方なく引き上げる万七たち、お昼を使う辻は大内辻堂前。八木道からおりんと三太姉弟がならず者に追われ駆けてくる。角禅が芝居に使ったならず者を始末する道は不明、大内付近の崖か(八木道かかりの山の中腹に鎮座する神社境内の可能性あり、石段上がったところの崖かも。このあと亀岡道をゆく一行を眺めやるシーンあり、この境内から見下ろしたっぽい)。
- おりんの回想、角禅に父を殺したのは青柳たちと吹き込まれた沼津宿の水辺、不明(桂川か広沢池か、水の動きは定かでない)。
- 万七たちが川魚を焼いてお昼をつかう川、柊野堰堤下巌上。青柳同心が三太と魚とりは巌下の湛水域。設定は相模川か。
- 三太が腹痛でダウンの街道、不明(幼杉が植えられた林道)。
- 沼津さして旅に出た平次らがゆく街道、北嵯峨農地の農道。
- 回復した三太をおぶい街道をゆく青柳たち、関所(箱根設定か)付近のシークエンスは大内亀岡道の登り。関所の柵は両側切り通し部分にセット。
- なお旅ゆく平次らが行き過ぎる水辺の道(干潟を表現か)、広沢池西岸農地沿いの道(ちらりと映る池面には水無く干上がり)。
- 青柳同心のみ乗せられてさらわれる渡し場、大堰川河川敷か(護岸のブロックが映っている。水制にも見える。亀岡と思われるが松尾下手の桂川の可能性も)。
- 泡くって青柳を探す万七を見かけ声をかける平次、桂川堤と河川敷か。平次の背後にちらりと映り込むヒマラヤ杉は嵐山東公園のそれかも。青柳同心を乗せた船が見つかる汀も罧原堤対岸の河原っぽい(葦原)。
- 青柳同心が連れ込まれ、おりんと三太も始末されかかる小屋、酵素河川敷にあしらい。立ち回りは小川沿いや竹林際に降り口など各所で展開される。
*おりんは森田理恵、三太は藤巻将義。孤児だった彼らを拾い育てた養父が、冒頭で口封じに消される運び人。一味の殺し屋で拳法の達人な角禅は石橋雅史、投げ銭も手刀で真っ二つの化物だが、親分は力学的に有り得ねー空気投げと投げ銭の併せ技で競り勝ち。阿片密売の大元の唐物商は戸浦六宏、番頭は田中弘。万七が旅籠で風呂ノゾキのくだり、年増どころではないヌードを御開陳の老婆は和歌林三津枝。
*三太が運ばされていたブツを確認する段、「借りるよ」と毀損してはならないはずの「父の形見」の太鼓を手に取るや、十手でごりごり皮を破って取り出すのも大笑いのツッコミどころ。しかも出てきたのはちっこい包み二つっきりで、こんな量じゃ商売にならねーあたりも笑いポイント。
*万七親分たちは確実に亀岡行ってるけど、橋蔵さんは行ってないっぽい←街道筋は広沢池んとこだし、川もそれだけで亀岡行かなさそう。
2008/10/1
■ 銭形平次 第766話「男と女の旅路」1981.5.20フジ/東映49
気持ちにハリをなくした楽隠居は、心の隙を埋めようと過去の思い出を手繰り、昔恋した女に出会う。老いた男女の微妙な機微を、巧者が丁寧にしっとりと演じる。
*ロケなしセット撮り、回想シーンの灯籠流しはバンクフィルムの広沢池かも。
*隠居は千秋実、幼馴染の女将は高田敏江。
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