時代劇拝見日記
2010年2月

・日記目次 ・ロケ地探訪 ・ロケ地探訪表紙テキスト版 ・ロケ地一覧 ・時代劇の風景トップ
・このサイトについて ・サイトトップ

←2010/12010/3/→

2010/2/28

■ 銭形平次捕物控 鬼火燈篭  加戸敏監督作品  1958.7.27大映

 「シマ」に棲む幼馴染を訪ねてきた男は、鯔背な兄哥。その男っぷりに、子らのみならず親分の娘まで惚れ込む始末。しかしそのアニキの正体は銭形平次、頻発する卑劣な幼児誘拐事件を解決するため、決死の覚悟でスラムに潜入した姿だった。平次が任務を志した動機が、重ねて泣かせる仕掛け。

ロケ地
  • 浅草寺境内イメージ、泉涌寺。陵へ行く道から霊明殿の建物をナメて舎利殿と仏殿の甍を見返る図。ばっと鳩が舞い上がる演出。
  • 人々で賑わう浅草寺山門、清凉寺山門。「大提灯」あしらい。代地の新助が、八卦見に赤犬の兄貴の居所を問うシーン。そのあとの境内はセット撮り。
  • 新助の縊死体が見つかって大騒ぎのくだり、イメージに泉涌寺の舎利殿と仏殿の甍の絵を挿入。
  • 事後、シマの子らを養父母に会わせるくだり、泉涌寺。子らの手を引いて門をくぐる平次は本堂の門をくぐる。その行く手に仏殿がのぞき、奥に参道の坂も見える。子らと親が抱き合うのは、舎利殿と仏殿の間。おしんやお千代のことを語る平次を、お千代が覗いているのは仏殿。八五郎を促し去る平次、カメラ上方にパンし甍を映してエンドマーク。

2010/2/27

■ 影同心 第25話「相合傘の殺し節」1975.9.20毎日放送/東映

 悪徳商人のライバル殺しに、若い職人が利用される。投獄された兄を助けてと勘平に縋った妹は、彼をほのかに恋うていた娘だった。

ロケ地
  • 唆され鉄砲を渡された猪之助が、相模屋を殺ろうとして別人を撃ってしまう寺、相国寺大光明寺。相模屋の法事は方丈座敷で、猪之助が取り付く塀は南塀、逃げたところを勘平が捕まえるのは湯屋前付近南路地。
  • 南町奉行所、大覚寺明智門。早朝出勤の右近が押収品の鉄砲を持ち出すくだり。
  • 「現場」の寺へ掃除係で入り込み探るお父さんとお佐知、相国寺大光明寺石庭。右近がやって来て南塀に取り付き、ここからだと届かないと分析。
  • 相模屋から帰る立花の懐を狙う源太、大覚寺大沢池堤
*猪之助は山本圭、兄の銃から弾を抜いておいた妹は亀井光代。相模屋は福田豊土、猪之助に銃を渡す鳶の親分は北村英三、法事の際実際に弾を撃った浪人は天津敏。

■ 赤穂浪士 第12話「一発の銃声」1979/4-12テレビ朝日/東映

 開城の準備が進められる中、藩士のうちには思い詰める者も出る。また、お仙は千坂との約束を果たそうと躍起になり、過激な手立てを思いつく。

ロケ地
  • 安兵衛の脳裏にお仙の高笑い(幻)が響く夜道、上賀茂神社ならの小川畔。
  • 隼人と金助が銃を手に入れるくだり、隣国・美作山中イメージの山なみ、猟師から買った銃を試し撃ちする滝、帰りの山道等不明。
  • 赤穂領内の峠へやって来る隼人たち、山道は谷山林道(両側切り通し)。そこから見える本街道は不明(山道)←ここから狙撃の算段、銃を隠すのは山腹の植林地。銃を隠したあと見張りに見つかり追われるくだり、追っ手が姿を見失うのは保津峡落合落下岩、隼人が身を隠すのは落合汀の巌か。
  • 大石の妻子が城下を退去するさまを見ている隼人と陣十郎、駕籠と大八が通る道は上賀茂神社ならの小川畔。隼人らは対岸の木の陰から。
  • 尾崎村・大石仮宅イメージ、民家萱葺屋根
  • 夜を待って銃の隠し場所へ向かう隼人たち(お仙入り)、渡る谷川は保津峡落合河口。
  • 収城使の軍勢がやって来る山道、不明(山道や台地、バンクフィルムか)。港に押し寄せる軍船は書割。
  • 衛兵が詰める、開城直前の赤穂城堀端、彦根城佐和口多聞櫓前内濠端。

*正使に先立ってやって来る公儀目付の二人は、御木本伸介と玉生司朗。長患いの身を悲観し腹を切る藩士・高木兵助は坂口徹郎、開城を目前にして惑乱し大石邸へ松明ふりかざして乱入する藩士・中川栄之進は佐古正人、大石に食ってかかる彼の祖母は毛利菊枝。


2010/2/26

■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第12話「黒潮、むぎ酒虎目付」1982テレ朝/東映

 紀州入りした御控さまに付けられたのは、江戸で同門だった大酒呑みの目付役。彼は家老の信篤く、お家に巣食う毒虫退治に一役買っていたが、そのことが恩ある舅の命を奪う結果に。義父との思い出の麦焼酎の封印を切った男は、したたかに酒を食らい大トラに変じて悪党の屋敷に乗り込んでゆく。

ロケ地
  • 和歌山城、本物の天守をイメージに挿入。
  • 白浜に滞在する姫たち、イメージに円月島、姫と宮尾が浸かる牟婁の湯は崎の湯(湯の色は緑、撮影効果のためバスクリン入れてるっぽい)
  • 海辺の情景、三段壁千畳敷など、白浜の海浜が使われ、断崖でのスリルある殺陣も繰り広げられる。
  • 庄屋・藤右ヱ門が、武州屋の横暴を田辺藩へ訴えに行く途中射殺される山道、酵素河川敷
*大トラ目付の西脇左内は長谷川明男、酔って乗り込むはいいがすぐに撃たれてあとは御控さまに丸投げ。妻女は上村香子、舅の庄屋は増田順司、左内を登用した紀州の家老は北原将光。獅子身中の虫の勘定奉行は木村元、グルの悪徳商人は浜田寅彦、ワルの手先をつとめる山伏のヘッドは浜田晃、配下の荒くれは岩尾正隆や阿波地大輔など。ラス立ち福ちゃん入り、複雑なステップ踏んで海老反り。

■ 五瓣の椿 第4話「宿命」2001.12.21NHK

 四番目の的に手こずるおしの、その間もお上の調べは進み、焼死体がおしのでないことが明らかに。危機を知らせに来た徳次郎と一夜の夢を結んだことが、絵師の劣情を刺激する。

*ロケなしセット撮り。
2010/2/25

■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第11話「波切、潮鳴り悪を斬る!」1982テレ朝/東映

 悪党てんこ盛りの状況に、ビキビキ怒る御控さま。今回の旅には妙な道連れができるが、正体も目的も限りなく御控さまに近い爺さまなのだった。

ロケ地
  • 江戸城中で町奉行が津藩主に津之国屋に関する訴状が来ていたことを話すシーン、冒頭に姫路城天守をイメージに挿入。
  • 宮宿・七里の渡し場、広沢池東岸。又八たちが置いてけぼりを食わそうとするが、鼾のひどい爺さまはやって来てしまう。
  • 海上の渡船を見ながら陸路をゆく姫たち、ならず者に追われる娘・お里を助ける浜は伊勢付近の海岸か(侵食を受けた岩場が砂浜に点在)
  • 桑名の茶店で休む御控さま一行、広沢池東岸葦原際に茶店仕立て、汀に船着きも。ここで爺さまは名物の焼き蛤を食っているが、金子信雄と蛤の貝殻の取り合わせはやはり凶悪な構図。
  • 京と伊勢との別れ道、渡れば四日市日永村の橋、不明(河口直前に架かる木橋、暴将や映画でも出てくるアレ。御控さまたちは実際に渡っている)
  • 雲助の鈴鹿の源五郎にからまれる街道、酵素降り口、河川敷。
  • 津入りの御控さま一行、同行したお里のみ止められてしまう新設の関所は酵素ダート。爺さまがお里を連れて入る次第。爺さまに促されて先に行った御控さまたちが待っている茶店は退避所か。
  • 伊勢イメージ、二見浦の夫婦岩。山田入りの一行がお里と別れる街道、酵素か。
  • 御控さまが山田奉行らを呼び出す大王崎、不明(先に出た海浜と同所)
  • 伊勢参拝の一行、本物の五十鈴川宇治橋伊勢神宮
*杢兵衛と称する、津の老公は金子信雄。津之国屋の娘・お里は千野弘美。源五郎は南道郎。津之国屋を陥れた山田奉行は勝部演之、グルの地回りは五味龍太郎、ワル仲間の津の勘定奉行は原口剛。

■ 五瓣の椿 第3話「絶体絶命」2001.12.14NHK

 蝶太夫が殺された店の仲居が、清一とおしのが使う茶屋に手伝いに来て「見てしまう」。この女だとまくしたてる仲居、しかし青木はおしのが殺人を犯すような娘と見ず「見逃す」。そして起きる清一殺し、傍らにはいつものアイテムに加え、おしのから青木へのメッセージが置かれていた。

ロケ地
  • おしのが清一と逢瀬を重ねる、深川の料理茶屋・かね本、嵐山公園・(桜宿膳の看板がそのまま)
  • かね本の一室で迫る清一をかわし、場所を変えると外へ出たおしのが「また今度」と踵を返す坂、今宮神社高倉脇坂

2010/2/24

■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第10話「つっぱり囃子の子守唄」1982テレ朝/東映

 藩主の乳母として終身御用をつとめる身となった女の、家に残した子への思いを描く。その家が欲深の悪党どもに陥れられる件は、御控さまが出てさっくり始末。

ロケ地
  • 名古屋城、本物の天守をイメージに。木立越しの絵で金鯱のアップも。
  • 弓の稽古中の藩主に御控さま来訪を告げに来る浦路の方、嵐亭延命閣庭先。入口の門も映る。
  • 城下へ入った御控さまが、藩主差し回しの庭番をまくため又八らに芝居をさせる町角、相国寺鐘楼前。
  • 又八らに庭番を任せて道をゆく御控さま、木曽屋と菱丸屋の若い衆の喧嘩を見るのは相国寺法堂脇回廊。介入し、何人か池に叩き込むシーンは放生池天界橋(池水ドロドロ)。菱丸屋の連中が捨て台詞を吐いて去り、木曽屋の孫娘・お里が御控さまに剣突を食らわせているところへ木曽屋の主が現れるシーンは、梅宮大社神苑にスイッチ(入口の門の前)
  • 幼いお里が母のいない惨めさに泣いた神社(?)、不明(アーチ回廊あり、下部板張り)。後段、浪人の襲撃の際にも使われ、反った材が大写しに。祭りの境内で浦路が御控さまに乳母になった経緯を告白するシーンでは本殿(?)が見える。
  • 菱丸屋と次席家老・来島左近が密会する料亭、錦水亭東屋(靄立つ池越し)
  • 娘と別れる辛さに身を投げようとした玉枝(浦路の方)上賀茂神社ならの小川神事橋(回想シーン)
  • お里が祭り装束の若いのに絡まれる神社境内、上賀茂神社ならの小川畔。
  • 名古屋を発ち伊勢路へ向かう御控さま一行、木津堤

*お里は服部まこ、母の浦路は弓恵子、彼女が乳母をつとめた尾張の殿様は草川祐馬、木曽屋主人は高城淳一。悪い次席家老は小沢象、グルの菱丸屋は守屋俊志。御控さまにまかれる庭番は矢部義章と大矢敬典。ラス立ち福ちゃん入り、しつこいほど何回も殴られ斬られ、お夕にまでぶっすり。
*御控さまの指弾を受け窮した次席家老、一旦控えてたくせに、己の殿様の前なのに、「御控さまともあろうお方が何の御先触れもなくこのようなところへ参られるはずがあるまい、曲者じゃ出会え出会え」と悪あがき。呼ばれて出てきた家士たちは、一様に肩衣片っぽはずして立ち回り。

■ 五瓣の椿 第2話「変身」2001.12.7NHK

 男に媚びる術をわざわざ学習し、目的を遂行するおしの。もはや恋人の言葉すら届かず、贄の傍らにまた一枚、椿の花びらが置かれる。

ロケ地
  • 蝶太夫が死んでいた茶屋の仲居が事情聴取を受ける町奉行所、大覚寺明智門
  • 医師・得石が「謎の女」と会っていた茶屋、不明。

2010/2/23

■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第9話「ちゃんが命のざんげ金」1982テレ朝/東映

 矢作川の普請場に仕組まれた事故、密かに杭を切った男は又八の命の恩人という奇縁。捨てた娘を苦界から救いたい、哀れな親心を利用した悪党どもに、御控さまは怒りの剣を振り下ろす。

ロケ地
  • 矢作川普請場、流れ橋
  • 又八の回想、八年前安中の賭場でイカサマを仕出かし簀巻きのところ、弟分を斬ってまで助けてくれた島蔵、上賀茂神社ならの小川畔。
  • お君を連れ出した又八が、鉄心に見つかって逃げる町角、上御霊神社本殿裏手。隠れていた島蔵が顔を出すのは本殿北側の摂社。
  • お君に拒絶された島蔵が、名乗って出ると又八を振り切るところ、悪徳商人の手下が出て立ち回りとなる町角、梅宮大社舞殿脇から蔵前、殺陣は神苑へ移動。
  • 江戸城イメージ、姫路城天守。傷を得て江戸へ戻った石谷が将軍に中間報告。
*島蔵は中野誠也、娘のお君は井澤明子、安中での弟分は福本清三で「やくざ者」とクレジット。ライバルを追い落とし後釜を狙う悪徳商人は森幹太、グルの奉行は田口計。

■ 五瓣の椿 第1話「復讐の炎」2001.11.30NHK

 病をおして働く父を案じつつ暮らす娘、しかし無理が祟って父は儚くなる。今までもずっと夫を顧みず、男と遊び暮らしていた家つき娘の母、その口から漏れた己の出自、それを聞いた娘は復讐鬼となる。

ロケ地
  • いつも見ていたと父が語る、川崎在の池畔の藪椿の古木、河畔か湖畔か。
  • いよいよ病篤く臨死の父に望まれ、仕方なく亀戸の別宅へ駕籠で連れてゆく道、土手は大堰川堤か。駕籠の中で亡くなってしまう雪の橋は摩気橋、橋脚は木。
  • 炎上し三つの亡骸が見つかった武蔵屋の亀戸別宅、検分が行われる焼け跡は大堰川河川敷か(背景に河畔林らしき竹林がちらり)

2010/2/22

■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第8話「いのち白浪恋の舞」1982テレ朝/東映

 浜松を拠点に、関所をスルーして武器を売買する一味あり、偽装工作に昔の大泥棒の名を使う。本格の盗賊だった祖父の名を汚す輩に怒って乗り込んできた孫娘、上つ方までグルと知らず盗賊摘発に奔走する若者、彼らは心ならずも別れた、幼馴染の恋人同士なのだった。

ロケ地
  • 浜松城イメージ、福山城天守
  • 御控さま一行がゆく、浜松城下の街道、酵素ダート
  • 浜名湖の岸をめぐり御油へ抜ける街道(姫街道)で荷駄を襲う、日本左衛門の裔と称する一味、北嵯峨農地か(竹林沿い)。荷を運び去る賊を追ってゆき斬り結ぶ藩目付・国松、酵素河川敷←御控さまたちが通りかかり、ダートから駆け下りて参戦。
  • 姫街道に出る賊について報告するお夕、大覚寺天神島。ここを一味の浪人に狙撃されるが、これをお秀が尾行、浪人が逃げ去る道は有栖川畔、お秀は河床にいて見張り。
  • 一座の太夫が幼馴染のおりんと知った国松、外で話す二人は広沢池西岸。かなり広がりを感じさせるふうに撮ってある。
  • 姫街道を見にゆく御控さま、酵素ダート。おりんが近づいて中にいた浪人に捕まりかける小屋は北嵯峨か(竹林の中)
  • 日本左衛門の孫だと御控さまに告白する太夫、広沢池西岸。国松との経緯を語る段で出る、求婚された水辺は広沢池北岸
  • 荷を船に積み込む一味、大覚寺大沢池畔。捕えてあった国松と太夫を始末しようとするところへ御控さま、大立ち回りは五社明神船着(大)も使って繰り広げられる。
  • 当地を発つ一行、一服していると姫たちがやって来る茶店は北嵯峨農地・木の下。
*太夫は土田早苗、国松は西田健。一味の黒幕の悪家老は山岡徹也、「賊」をつとめていた目付は内田勝正、グルの回船問屋は長谷川弘。
2010/2/21

■ 影同心 第24話「男の操は殺し節」1975.9.13毎日放送/東映

 己を襲った不逞浪士を囲い込み、野望の道具にして使い捨てる悪徳商人。しかし、流れで「懲らしめた」同心が勘平だったため、企みは気の毒にも頓挫する。

ロケ地
  • 「常盤津の師匠」にハメられ晒し者になる勘平、吊られる橋は渡月橋
  • 南町奉行所、大覚寺明智門
  • 狼牙党に斬られた材木問屋の検分、大覚寺五社明神
  • 増田屋の根岸妾宅、不明(広沢池のアレか、戸は引き戸)
  • 増田屋に大金を貸し込んでいた高利貸しが斬られる屋形船、広沢池東岸に繋留。

*お町のダンナにはいい顔をする野望家・増田屋は新田昌玄、勘平をハメた妾のおりうは森秋子、狼牙党ヘッドの浪人は中田博久。勘平に根負けしておりう情報を呉れる辰巳芸者は堀越陽子。お父さんにヤラしい本を見せられまんまと勘平に破牢される牢役人は中井啓輔。

■ 樅ノ木は残った  2010.2.20テレ朝/東映

 御家の大事に、身を挺して藩の存続を図った男の物語。ただ単に命を擲つだけでなく、古い友、子飼いの家来、気のいい若者と、愛しい者たちが無為に死んでゆくのを見過ごすことにより、敵の目を完全に晦ませるという凄絶さ。死後も不名誉を引き受け、老母も死なせた男だが、彼が愛した木は彼の生き様の如く、今日も独り山中に聳え立つのだった。

ロケ地
  • 伊達藩分割の噂について、三人の重臣が釣りを装い密かに話し合う早暁の三味線堀、広沢池東岸に船着きあしらい。水辺には靄かかり。
  • 綱宗が蟄居に追い込まれて五年ののち、領地である仙台船岡郷への道をゆく原田甲斐と家臣たち、谷山林道切り通し(後段、江戸へ戻る甲斐を見送る宇乃のくだりでは「崖道」も)。船岡郷はダム湖(?)を前景に山腹に集落を合成か。
  • 船岡郷の「樅ノ木」、井尻のような台地に「木」を演出?周りには幼松も。
  • 青葉城イメージ、不明。
  • 酒井雅楽頭邸、随心院薬医門
  • 伊達藩上屋敷(桜田から愛宕下へ移転)滋賀院門跡勅使門。甲斐が国老に就任したあと、一ノ関の金山について評議が行われるくだりのアイキャッチに映る。
  • 甲斐が慶月院へ宛てた文を携え船岡郷へ赴く丹三郎、谷山林道か(谷川沿い林道)
  • 前藩主・綱宗との会見後、甲斐が佇む水辺に刺客が殺到するくだり、広沢池東岸(船着場設定、刺客は甲斐に怒った綱宗側近の若侍たち)
  • 仙台一ノ関城城内、宴が行われているところへ単身斬り込む七十郎、二条城二ノ丸御殿内庭に幔幕あしらい。
  • 七十郎が処刑される誓願寺河原、大堰川河川敷
  • 伊達安芸が訴訟を決意し国を出立する峠、谷山林道
  • 甲斐の死後、取り潰しとなった原田家を出て山道をゆく慶月院、谷山林道林間。

2010/2/20

■ 赤穂浪士 第11話「内蔵助暗殺」1979/4-12テレビ朝日/東映

 開城を宣した大石に、城下に屯していた浪人たちは激怒。お仙がこれを焚きつけるが、返り討ちに遭い手駒を失う羽目に。また、隼人は大石の動向を己が生きざまに重ねはじめていた。

ロケ地
  • 評定が開かれる赤穂城イメージ、皇居巽櫓彦根城天秤櫓
  • 隼人のところへ町の様子を知らせにやって来る金助、広沢池北岸
  • 開城の事務に没頭する大石ら、お城イメージに皇居桔梗門
  • 花岳寺へ赴く大石を待ち伏せる浪人たち、不明(夜の林、建物もちらり)
*お仙の使嗾を受ける浪人たちに加担する藩士・喜田重兵衛は勝部演之。大石を襲い返り討ちに。
2010/2/19

■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第7話「大井川兄弟仁義」1982テレ朝/東映

 大坂へ焔硝を運ぶ大筒方が狙われる。襲撃ポイントは大井川渡し、人足を束ねる頭は大筒方の侍の、家を捨て女をとった弟で、情話がひとくさり。アブナイ企みは、弥々姫主従と御控さまがさくっと始末、川止めも解けて一行は賑やかに川を越えてゆく。

ロケ地
  • 大筒方が襲われる、島田へ向かう手前の山道、谷山林道切り通し。御控さまが通りかかり、浪人たちを撃退。弥々姫たちが来かかる道は北嵯峨農地と組み合わせ。
  • 島田代官所、大覚寺明智門。ところの地回りが代官に賭場の上がりを持ってくるシーンは枳殻邸臨池亭のバルコニーで、代官は鯉に餌やり中。
  • 大筒方の「兄」の回想、弟に縁談を勧めていると、意中の人を連れてきていて物別れとなる「江戸城下」、不明(連子窓の塀や石垣など見える)。お城イメージは姫路城天守
  • 大井川渡し、広沢池東岸。富士山合成の絵も。
*川人足を束ねる、硬骨漢のかしらは平泉征、彼を婿にした三番組の家つき娘は小林かおり、かしらの兄で大筒方を務める侍は品川隆二。代官は中田博久で地回りは伊達三郎、彼らを抱きこみ使嗾する若年寄は菅貫太郎。ラス立ち福ちゃん入り、誰の配下か不明だが士分。
*スガカンは、現政権を批判し世を憂えるふうな発言をするが、口先だけで欲得だけみたいにも見える…いつもがいつもだから。

2010/2/18

■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第6話「駿府茶どころ父子みち」1982テレ朝/東映

 ご先祖ゆかりの地で、民を泣かせ私腹を肥やす、悪辣な役人を見る御控さま。悪党をやっつけ、同時に運命に翻弄されていた父子も救い、晴れ晴れと駿府を後にする。

ロケ地
  • 駿府城イメージ、犬山城天守
  • 駿府は通過とずんずん歩く御控さま、茶畑を眼下に見る街道は木津堤
  • 佐渡村庄屋屋敷イメージ、走田神社社務所
  • 村を襲った捨吉たちが潜む樵小屋、不明(竹林と雑木混じる林)
  • 安次の倅が村の子に苛められているところへ通りかかる姫、下鴨神社糺の森・河合社裏手。庄屋が役人を伴い帰ってくる道は馬場
  • 窮した安次が密かに村を出るところ、倅に証人になれと止められる坂、日吉大社白山宮石段。大中小三つの祠も映り込む。
  • グルだった町奉行に見限られ、抹殺された捨吉たちが屍を晒す川、日吉大社境内・大宮川(大宮橋上手、新しい隠れ家設定で河畔に小屋も演出)
  • 道端に座り込む安次の倅に事情を聞く庄屋の娘、木津堤法面。堤下にある小屋を効果的に映し込む。
  • 事後、当地を発つ一行、下鴨神社参道。石谷のはからいで赦され帰ってきた安次が、走り寄る倅を抱きしめる林は糺の森
*安次は川地民夫、村人に銘茶の製法を伝授した恩人ながら、庄屋の娘の件で捨吉の恨みを買い窮す運び。正体は淀藩の脱藩者で、妻(亡)の兄の罪を被ったかたち。安次を憎からず思う庄屋の娘は本阿弥周子、庄屋は相馬剛三。庄屋の娘を手籠にしようとして阻まれ安次を憎む捨吉は大木正司、荒くれ仲間は出水憲司と小船秋夫。捨吉を使嗾する町奉行は江並隆、村人を追い出して茶畑ゲットを狙う悪徳商人は疋田泰盛。石谷に町奉行の始末をねじ込まれる駿府城代は永野辰弥。
2010/2/17

■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第5話「誰がために鍔は鳴る!」1982テレ朝/東映

 弥々姫にご執心な馬鹿殿に乗じて悪事をはたらく、獅子身中の虫。こやつのせいで運命を狂わされた人々を見た御控さまは、己を殺しに来た一統を撫で斬りに。

ロケ地
  • 沼津城イメージ、郡上八幡城天守と彦根城天守。
  • 鬼門の沼津を早々に過ぎ、千本松原付近に差し掛かった姫が雲助にからまれる橋、日吉大社走井橋
  • 三島でも沼津でも遊べなかったと御控さまにからむ又八、流れ橋たもと。橋下で大捕物に遭遇、捕り方は蒲原作兵衛で賞金首は御嶽の茂平次。設定は吉原橋。
  • 沼津藩目付の手先が御控さまを襲う吉原の町外れ、大覚寺五社明神。襲撃に失敗した一味の首領が帰り着く目付の屋敷、大覚寺大門
  • 富士川を渡り、岩淵あたりをゆく御控さま一行、囚人を護送中の蒲原と再会する道隈、不明。ここでさったとうげは通れないと聞かされる。
  • 御控さまたちが蒲原の娘を道連れにして歩む迂回路の身延道、高山寺参道。先に行った蒲原たちが襲われ殺されたあと、再びゆく街道も同所。
  • 逃げようとした若い囚人を阻み、傷を負わされた茂平次を手当てする神社、走田神社。ここへ目付の手先が殺到、ラス立ちは本殿前で。蒲原の娘の婚約者が来るのは参道。
  • 事後、当地を発つ一行、北嵯峨農地・農道。
*定年間近の吉原の御用聞きは川辺久造、娘は舟倉たまき、婚約者の興津の役人は白井滋郎。悪党の沼津藩目付は田中浩、手先は曽根晴美。石谷とは友人の沼津藩家老は細川俊夫。蒲原が嫌々捕えた、賞金首の大物・御嶽の茂平次は藤岡重慶、実はむかし目付にハメられた無実の人。茂平次と共に護送される若いチンピラは北村総一朗。

■ 長七郎天下ご免! 第43話「死に損ないの夢に咲け!」1980テレ朝/東映

 旅をしていた頃の長七郎が、一家心中から助けた娘の哀話。彼女はその後南蛮手妻の一座に売られて辛酸を舐め、今は悪党の手先となっていた。淡い恋のため儚く散る娘哀れ。

ロケ地
  • 慰安に出た両国で弁当を売る浜乃家一同、金戒光明寺参道石段。上から下りてきたお久は三門で仲間と打ち合わせ、極楽橋で丁子屋の娘を拉致。橋は両国橋設定。
  • さらった娘を船に積み込む一味、桂川畔。それを見送ったあと、長さんに誰何されるお久、嵐山公園中州下手端。
  • 長さんの回想、お久を一家心中から助けた水辺、大覚寺大沢池水門際。設定は木曽付近か。長さんが駆けつけた時は他の家族飛び込み済み。
  • 連続する誘拐事件のことをなつに聞く長さん、嵐山公園中州岸・桂川堰堤脇。
  • お久に黒幕は誰か問う長さん、中ノ島橋上。
  • お嬢さまがさらわれて慌てる丁子屋の手代を呼び止め事情を聞くお久、金戒光明寺永運院下坂
  • 誘拐現場を調べている手代に、調べて知らせると告げるお久、金戒光明寺三門。手代がお嬢さまと祝言予定と聞かされるのは三門下石段(見上げ)
  • 好いた男が別の女と結婚すると知り、落ち込んで水に石を投げるお久、中ノ島橋下背割上。長さんが来て説教まじりに話すのは橋下手河川敷。
  • 黒幕の能役者・狛江新之丞邸通用門、相国寺玉龍院門を放生池越しに。探る伊助は池の植え込み際(内側=池側)に。後段、ここでお久を抱えた長さんが放生池に逃れる場面も。ラストには閉門の竹矢来が演出される。
  • 狛江のことを長さんに報告する伊助、嵐山公園中州岸・桂川堰堤脇に茶店仕立て(緋毛氈の床机と朱傘あしらい)
  • 伊豆守に会い、狛江のことで念押しする長さん、相国寺大光明寺石庭(野点)
  • 千石屋と狛江がさらった娘たちを船に積み込もうとする川端、広沢池東岸。土手上に海鼠壁仕立ての大がかりな塀をあしらい。成敗に現れる長七郎ぎみは、いつもの浜乃家の半纏ではなく、知盛の衣装をまとい「船弁慶」を吟じつつ現れ、派手に水しぶきを上げて大立ち回り。
  • 事後、お久の墓に参る長さん、金戒光明寺墓地(背景に文殊塔)
*お久は鶴間エリ、手代は水上保広。お久を操る親分は大木正司、悪徳商人は長谷川弘、将軍ご贔屓の能役者・狛江は石濱朗←出自がアレで世の中金じゃ主義者。ラス立ち福ちゃん入り、狛江の家臣で桟橋から広沢池に背中からダイブ。
2010/2/16

■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第4話「花の湯の宿隠れ里」1982テレ朝/東映

 代官の倅に傷を負わせたかどで追われる男は訳あり、彼を保護した御控さまは、大元の巨悪を懲らすほか、心ならずも離れ離れになっていた恋人たちの取り持ちをして、鬼姫主従の尻拭いもして、当地を去ってゆく。

ロケ地
  • 箱根関所、不明(山道に関所の柵)。雲助から女を助ける御控さまのくだり(関所手前の街道)、不明(林道か)。
  • 関所を通ったあと、助けた女と別れる道隈、大内道隈。三島へ向かう道と、おけいの里・韮山村への道との分岐という設定、一行は亀岡道を南へ来て、おけいはここから八木道へ去る。この間、辻堂は映らず。
  • 韮山村の温泉、日吉山荘前・飛龍の滝(スモーク焚き)
  • 直次郎から事情を聞く町角、今宮神社本殿脇。
  • 韮山村の庄屋屋敷、民家門(前景に湯気の立つ木樋をあしらい)
  • 弥々姫が村の青年に竹槍訓練を施す鎮守、藪田神社。鍛錬は本殿前、ここへ来かかる御控さま一行は境内南の畦道、余計なものは無く山裾の里がちらり。また、舞殿はまだ萱葺き。ラストシーン、里人に見送られ当地を発つ御控さまのくだりは、鳥居前。
  • 直次郎と再会するも、今の我が身を恥じて逃げるおけい、若森廃橋(痛んではいるが充分渡れる状態)本梅川(湛水域)。御控さまは対岸から二人を見ている。
*庄屋の息子・直次郎は伊吹剛、江戸で水茶屋勤めをしていたおけいは奈良富士子。直次郎の父で、代官の倅に無礼討ちされた庄屋は宮城幸生。韮山村の良湯を狙い、歓楽街建設を目論む悪代官は睦五郎、倅は本郷直樹、つるむ悪徳商人は汐路章。
*弥々姫は関所パスのため若衆姿、これで御控さまと間違われ里人に見込まれる運び。

2010/2/15

■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第3話「港祭りの闇を斬れ!」1982テレ朝/東映

 姫さまの美貌に目をつけた悪党は、たちまち一服盛って拉致監禁。しかし連れに御控さまがいたもんだからワルには最悪、過去の悪行が悉くバレたうえ、人身売買組織は一網打尽に。

ロケ地
  • 酒匂川渡し、大堰川と河川敷。茶店の婆さんに託された前客の忘れ物が、御控さまを事件に巻き込んでゆく。渡船から降りたあとのお祭りの演出は、近くの土手か。
  • 小田原城イメージ、彦根城天守。映画村オープンセットに演出されたお城は書割。
  • 小田原の海浜、琵琶湖東岸。砂浜や河口州、巨岩の露出した汀など様々な場所が使われるが、いずれも遠景に沖ノ島や長命寺山が見えている。
  • 相州屋が姫さまや娘たちを監禁する西ヶ崎の寮、中山邸通用門
  • 御控さまに保護された船頭の回想、沈められた五木屋の船から一緒に逃げた朋輩が、侍に斬られた平塚付近の里、北嵯峨農地・小丘下の畦道。
  • 五木屋の墓、北嵯峨農地・小丘の木の根方。当地を発つ一行がゆく街道、北嵯峨農地の農道背景に富士山を合成。
*「難破」した五木屋の船の生き残り・弥助は大場順、許婚者だった五木屋の娘は木村弓美。弥々姫に目をつける相州屋は小林昭二、五木屋乗っ取りの張本人で本業は鰹節問屋。六連発の短筒をぶっ放す、呂宋ハーフの赤毛の悪党は山本昌平、怪しげなスペイン語(?)をぺらっと喋ったり。こやつらとつるむ小田原藩町奉行は外山高士、強面の家来に岩尾正隆、丘路千、波多野博。雇われ浪人に矢部義章、峰蘭太郎(浪人一、二でクレジット)、ラスボスの前に斬られるセンセイは福ちゃんだがクレジット無し。酒匂川渡しの茶店の婆さまは和歌林三津江。
2010/2/14

■ 鬼あざみ  冬島泰三監督作品  1950.10.28大映

 代官の倅と貧しい水車小屋の娘の恋は、とてつもなく数奇な転変を経てのちに成就する。最後のさいごに、切れかかった糸が繋がるさまは感動的。
世間知らずのボンボンで沖田ふう細身月代、翳のある凄腕の浪人で総髪、「東京」の床屋で粋なザンギリ頭と、なりを変える長谷川一夫も見もの。

ロケ地
  • 御赦免船が着く船番所、セットか或いは湖畔の施設を利用か。奥に水面、浜へ突き出したような作りで屋根には見張り所つき。
  • お光と礼三郎がデートの水郷、内湖か。湖畔は広大な葦原。
  • お光の父の水車小屋、田んぼの中に萱葺の小屋。ありものを利用か。
  • 黙って茂原を出ようとしたお光に追いつく礼三郎、町外れの墓地は干拓地か。墓はありものっぽく、背景の長く伸びる林は河畔林ぽく、遠くに水面が光る。
  • 茂原代官所、不明(門のパーツのみ)。内外のアングルあり、外に森が見える。
  • 駆け落ちの二人が乗る船、琵琶湖か。
  • 代官所手代の軍兵衛が代官の後妻と道行きの山道、不明。眼下に渓流を望む谷筋。
  • 別離と再会の舞台となる永代の高灯篭、琵琶湖西岸にあしらい。木の桟橋はありものっぽい。
  • 夜鷹のお光を見て自棄になった礼三郎が一味に加わり押し込む医師宅、不明(細竹編みの戸、萱葺がちょこんと乗った瀟洒な門口)

2010/2/13

■ 赤穂浪士 第10話「春の嵐」1979/4-12テレビ朝日/東映

 密偵の目にも千坂兵部の目にも明らかな、大石の意思。若者の先走りを戒める際にも、吉良の首ひとつが目的ではないと言い放つ内蔵助は、総登城を触れ出し開城を宣言する。

ロケ地
  • 赤穂城、彦根城天秤櫓
  • 赤穂へ戻った隼人が、陣十郎と話す水辺、広沢池北岸。このあとお仙が現れ、浪士を一人斬れと示唆。
  • お仙の示唆で、城下に屯する元赤穂藩士の一人を斬る隼人、西壽寺。隼人が山門を入り石段を半ばまでのぼると、上から小谷浪人がおりてくる運び。立ち回りは踊り場。
*お仙の正体に気付き、隼人に斬られる小谷隆之介は河原崎建三。

■ 影同心 第23話「花嫁買って殺し節」1975.9.6毎日放送/東映

 札差の馬鹿息子が仕出かす、数々の悪行。お父さんなんか、ハメられて打首寸前。そして養家を絶するに及び、勘平たちが動く。三億円事件をパロったり、ハチャメチャ展開が連続する、騒がしくも楽しい一話。

ロケ地
  • 勘平が見合相手の逢引を目撃する水辺、大覚寺大沢池畔。軽と倉之助が会うのは水門のそば。
  • 北町奉行所、御所長屋門。勘平が縁談を断りに行くシーンと、ラストのお父さん釈放シーンで出る。
  • 平野屋が運ぶ三千両が強奪される伝馬町牢近くの道、大覚寺五社明神
  • 南町奉行所、大覚寺明智門。呑気に出勤してきたお父さん大捕物でお縄。
  • 軽が倉之助に会いに来るも、金蔵の企みで爆破されてしまう小屋、酵素河川敷。
*軽は望月真理子、父の北町同心は北原将光、恋人の花火職人・倉之助は成瀬正。勘平の名前を騙り同心ごっこをしていて、のちに軽の婿におさまる札差の倅・金蔵は石橋蓮司。札差の父・平野屋金兵衛は桑山正一。敵娼の高尾太夫は賀川雪絵。北町奉行・遠山景元は山城新伍、首斬り朝は若山富三郎。
*勘平ちゃんなんかメじゃないくらいイっちゃってる、若い頃のレンジの狂気を孕んだ演技が見もの。

2010/2/12

■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第2話「命を的の母ごころ」1982テレ朝/東映

 旅をはじめた御控さま、さっそくの世直し人助け。御ある亡夫の形見の問屋場を守る女将は、生き別れの息子と思わぬかたちで再会する。

ロケ地
  • 弁天一家の荒くれに狼藉を働かれている問屋場の人足を助けるくだり、騒ぎに気付くのは金戒光明寺石段で背後に本堂の甍。石段下に焼き餅が名物の茶店を仕立て、立ち回りは石段脇の傾斜地等で。
  • 江戸城イメージ、姫路城天守。石谷が将軍に御控さまのお供を願い出るくだり。
  • 弥々姫と宮尾が呑気に休む茶店、金戒光明寺石段下。
  • 人足が怖じて逃げたため、問屋場の助っ人を買って出る御控さま、紀州家の荷を運ぶ峠は不明(山道、植生は雑多な広葉樹林)。御控さまと別の道を行った又八たちが襲われる山道、湖南アルプス(暴将第一シリーズでオープニングに使われた、切り通しの岩場など出る)。彼らの危機を察した御控さまが馬を飛ばす河原は天神川大堰堤上河川敷。
  • 奪った荷を境木代官所(看板に大書)に運びこむ弁天一家の衆、大覚寺明智門
  • 弁天一家に内通していた問屋場番頭が土左衛門で見つかる水辺、大覚寺放生池堤。見に来た女将と話す御控さまは五社明神
  • 又八らに正太を連れて来させ、女将との関わりを問う御控さま、金戒光明寺鐘楼脇。女将のところへ引っ張って行こうとすると、姫たちが出て正太に逃げられる坂は長安院下坂、又八らに捜せと命じるのは三門下、見上げ。
  • 事後、藤沢を発った御控さまに追いついてくる姫、大内辻堂前。助けてくれたカッコいい恩人が、御控さまと知った途端につんつん突っ張りだす姫が大笑い。
*ろくでなしの前夫に幼い息子を売られてしまった過去を持つ問屋場女将は中村玉緒、グレた挙句弁天一家の鉄砲玉となり女将を殺しに来てしまう「息子」の正太は佐々田修で、恋人の娘は立枝歩。問屋場を狙う弁天の丑五郎は遠藤太津朗、つるむ代官は高野真二、内通者の番頭は国一太郎。
2010/2/11

■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第1話「燃えろ!天下の風雲児」1982テレ朝/東映

 将軍の弟「御控さま」が、見聞を広めるための旅を思い立つに至る、起こりの話。
兄将軍の意向もあり、御控さまの縁談が持ち上がるが、花嫁候補の姫が二人までも変死。裏には、御控さまを将軍に仕立てて操り、天下を恣にせんと謀る悪党がいた。

ロケ地
  • 雅姫をさらった怪しの修験者を追う又八たち、見失ったと思うと上から降ってくる町角は相国寺鐘楼脇。
  • 御控さまのお見合いが行われる増上寺、イメージの門は仁和寺二王門か。
  • 麻布材木町の御控屋敷、相国寺林光院
  • 江戸城イメージ、姫路城天守
  • 雅姫が土左衛門で見つかる水辺、大覚寺大沢池畔。
  • 登城した御控さまがずかずか歩く御廊下、仁和寺宸殿
*娘を御控さまと娶わせて政を牛耳ろうとはかる堀田正衡は青木義朗、手を貸す奥祐筆は御木本伸介、堀田の手の者に五味龍太郎。弥々姫んちの用人の爺さまは中村錦司、雅姫をさらわれて焦る用人は永田光男。
2010/2/10

■ あゝ忠臣蔵 第39話「花の四十七士」1969.12.27関テレ/東映

 討ち入り後の仕儀を、詳細に描く最終話。義士らは世の称賛を浴び、一時は助命との噂も飛ぶが、法の裁きは厳密に下される。しかし吉良家にも処分が為され、片手落ちが正されたことに満足した一同は、従容として切腹の座に赴くのだった。

ロケ地
  • 泉岳寺へ押しかけ、中を覗き込む町衆、宝塔寺方丈高麗門。様子を見に来たお幸と、瑤泉院侍女のお輝が出会い、門から離れて話すシーンは石塔脇。石塔の囲いと、方丈前の地面と木に「雪」、撮影時期を察するに、あしらいものか。この前に来る、内匠頭墓所はセット撮り。
*大石以下十七人を預かる細川家の殿様は夏目俊二、義士の世話をする細川家の物頭は中村錦司、主従とも赤穂浪士に多大なる敬意を払う。片岡らが一統と離れ次第を申し立てに出向いた大目付・仙石伯耆守は高田浩吉、義士らに篤く吉良家には皮肉たっぷり。
脚本/結束信二、監督/松村昌治


■ 長七郎天下ご免! 第42話「暗殺!死を賭けた友情」1980テレ朝/東映61

 亡き殿の仇と「松平長七郎」を狙う元松倉藩士たちだが、全くの誤解で悪党の使嗾。「結城長三郎」と剣友になっていた旧藩士は、武士道と人情の板ばさみになって苦悩する。

ロケ地
  • 松平長七郎の似顔を渡された旧藩士たちが捜し回る市中、オープンセットと上賀茂神社神饌所裏手をミックス。
  • 長さんがおみつとお参りに来たところを旧藩士たちに見られる神社、今宮神社。境内石畳脇に縁日の露店を演出。
  • 松平長七郎を殺す相談をしているところを、通りがかった大工に聞かれ斬り捨てる小船稲荷、今宮神社稲荷社(相談はやしろの中で、大工殺しはぐるりを追っかけ廻したあと鳥居前。後で杉山のダンナが現場を説明、日本橋小舟町の稲荷)
  • 長さんと剣の稽古をする浪人・長尾多聞、広沢池東岸
  • 多聞に声をかける元朋輩の梅沢、上賀茂神社ならの小川畔。亡君の仇・松平長七郎が見つかったと聞かされるのは奈良社
  • 娘を人質に取られた多聞が、長さんと対峙する町外れ、仁和寺九所明神。茂みから狙撃されるが、多聞が弾を受ける運び。
*長さんとタメを張る腕の持ち主設定の多聞は大木実、いい人で出てきたら死ぬいつものパターン。娘の八重は吉本真由美。旧藩士の束ね・梅沢は高野真二。彼らを使嗾する悪徳商人は小田部通麿、長七郎ぎみ暗殺で伊豆守や大久保のご隠居の失脚を狙う若年寄は五味龍太郎。
*松倉藩改易は隠れキリシタンがらみ、放浪中の長七郎が隠密と噂された件を悪者が利用。

2010/2/9

■ あゝ忠臣蔵 第38話「暁の勝鬨」1969.12.20関テレ/東映

 浪士たちは粛々と己がつとめを果たし、夜明け前には吉良の首級をあげ本懐を遂げる。侍の心を知る旗本は烈士を賞賛し、安兵衛の呑み仲間は上杉家の人数を一人で引き受けて邸外に果てる。

*ロケなしセット撮り。高張提灯で吉良邸の庭を照らしてくれる隣家の旗本・土屋主税は大友柳太朗。吉良邸の人数の一人に福本清三、クレジットはベタ。
*弓の弦を切るのは右衛門七、灯を掲げて回るのは寺坂、清水一角と安兵衛の一騎打ちは池泉の切石橋、小林平八郎は不破の槍に貫かれ、寝所の抜け穴を見つけるのは主税たち、片岡は土屋さまに挨拶に行き、寺坂は大石の命で南部坂へ。
脚本/結束信二、監督/松村昌治

2010/2/8

■ あゝ忠臣蔵 第37話「吉良邸討入り」1969.12.13関テレ/東映

 雪降りしきるなかを、集合場所の蕎麦屋へ集まってくる浪士たち。そこへ辿り着けぬことを嘆き、果てる者も。そして、蕎麦屋の女将の気遣いで通報を免れた一同は、万感の思いをこめ本所へ向かう。

*ロケなしセット撮り、蕎麦屋では二階を借り受け。討ち入り衣装を見てうひゃあのお約束も。女将が心尽くしの前祝いの菰かぶりは※マーク入りの澤の鶴、老舗だが創業は享保年間で討ち入りには間に合ってないのもご愛嬌。
*女将は森光子、彼女に気がある、酔い潰される目明しは春日章良で、係りのダンナは平沢彰。
脚本/結束信二、監督/松村昌治

2010/2/7

■ 赤穂浪士 第9話「決断」1979/4-12テレビ朝日/東映

 死を覚悟して集まった烈士に、大石は存念を吐き出す。こんにちの仕儀は、全て吉良上野介ゆえとブチ上げた「昼行灯」は、来るべき試練も見据えていた。

ロケ地
  • 山崎へ向かう峠をゆく八助、不明(山道)。淀川の渡船、桂川か大堰川か。
  • 石清水八幡宮の参道をのぼる八助、吉田神社参道石段。大石の甥が住持する僧坊へ向かう道は不明(寺院境内か、塀際で起伏地)。八助が僧の返事を待つお堂、黒谷か(花頭窓のあるお堂、基壇は石造り)。僧へ宛てた大石の文を盗み見、書き写してきた隼人が、籠城も殉死も嘘ではないかと呟きつつ下りてくる坂、吉田神社龍神社参道石段。
  • 総登城の触太鼓に、集まってくる藩士たち、彦根城天秤櫓
  • 大石の策謀を知らず、殉死と聞きクサる浪人たちのくだり、金を持ち逃げした男を追い詰める林は下鴨神社糺の森

2010/2/6

■ 維新の曲   牛原虚彦監督作品  1942.5.14大映

 幕末も煮詰まった頃、孤立する長州と、未だ旗幟鮮明ならざる薩摩を取り持ち、王政復古を果たして新時代を招来せんとした若者・坂本龍馬の活躍を描く。
池田屋事件から禁門の変を経て、沸騰する時勢。徳川幕府の威信は急激に精彩を欠いてゆき、朝廷に政権を返上せよとの意見も出始める。しかしさんざん痛い目に遭った長州は、会津に拠った薩摩に含むところあり、両者の距離は容易に近づかない。ここへ希代の快男児・龍馬が奔走、連合の要を解き、また徳川最後の将軍は重い決断を下す。そして大政奉還の上奏が明日為されると知らせを受け、欣喜雀躍し祝酒を呑もうとしていた龍馬の宿に、刺客が殺到する。

ロケ地
  • 新選組に捕縛された枡屋喜衛門の口書により、所司代に慶喜の指令が下る冒頭のシーン、二条城に本物の東大手門(北から)
  • 所司代が門前払いされる薩摩屋敷の玄関、不明(長屋門)
  • 池田屋事件の後、大挙して京へ押し寄せる長州軍のくだり、毛利の旗を靡かせた船がゆく海、不明(琵琶湖か、波は静か。岬や島影は見えず)。男山へ押し出す益田右衛門介、不明(山道)。真木和泉・久坂義助らが押し出す天王山、不明(谷山林道のような切り通し)。福原越後が押し出す伏見、不明(谷地田か)。国司信濃・来島又兵衛が押し出す嵯峨天竜寺、不明(並木道?)。軍勢がゆく街道、不明(土手か)。蛤御門はセットの模様(脇に塀)
  • 長州の劣勢を訴え、薩摩に出兵を請いに伝令がやって来る薩摩藩邸、青蓮院長屋門。賊軍として長州を討つと決断した西郷が陣羽織を着て階段を下りてくるシーンもある。
  • 長州の敗残兵がゆく街道、不明(谷地田)
  • あきが幾松に仕立物を届けにゆく道、相国寺大光明寺南路地に似る。
  • 捕縛され連行される浪士を見る幾松、三条大橋は本物か。橋下にいた乞食に変装中の桂小五郎に会うシーンはセット、新選組が出て立ち回りとなり橋上へ移動の際は橋たもとに蔵など見える。橋には立派な擬宝珠つき。
  • 山内容堂の建白書が提示され、諸侯の意見が求められるくだり、諸侯の行列が続々とやって来る二条城は本物、東大手門を南から。東南隅櫓も映り込み、堀川通は地道。
  • 沖田総司が療養中のあきの叔母の家、子らの歌声が沖田の癇に障るくだり、子らが遊ぶ路地は妙心寺か大徳寺の路地か(石畳は曲折、ちょっと坂ぎみ、手前に蔵が見える)。叔母の家(寺設定か、花頭窓あり)はセット。
  • 官軍が錦の御旗を掲げて東上する街道、土手と富士山を合成か。

2010/2/5

■ あゝ忠臣蔵 第36話「討入り前夜」1969.12.6関テレ/東映

 14日は更け、浪士たちはそれぞれ思う人との時を過ごす。しんしんと冷える雪の深更、緊張を強いられ続けてきた守り手は、今日一日を無事に過ごせたことで、ほんの少し心を緩める。

*ロケなしセット撮り、表はずっと雪。赤垣源蔵の兄・塩山伊佐衛門は中村竜三郎、妻女は中村あやめ、女中は東山明美。密偵の小田部さん安兵衛に斬られて殉職、犬に嗅がれてて笑える。
*羽織の別れのほか、赤穂塩を持って多門宅を訪ねる片岡源五右衛門、大工親子に討ち入り装束を見せる岡野金右衛門など出て、安兵衛夫婦の別れで締める。


■ 剣客商売スペシャル「道場破り」2010.2.5CX

 世に出ることのなかった剣客の、哀しい身の上。捨てた娘の難儀を知った父は、いつもの身過ぎ世過ぎで金をつくるものの、それが命取りになる。
最期に見えることになる父と娘に、それぞれの縁で関わりあった秋山親子が肩入れ。

ロケ地
  • おはるの漕ぐ船で大川を渡る小兵衛、ロングは西の湖園地太鼓橋付近、顔の映る絵は広沢池東岸
  • 鷲巣見平助が住まう小屋、大覚寺大沢池北辺水路端にあしらい。ここから天神島に橋が作られていて、彼が世話する稲荷は天神島の祠、あしらいものは他に朱の鳥居など。後段、小屋を襲われるアクシデントの際は、通りかかった大治郎に危急を告げる里人の段で朱橋が使われる。
  • 小兵衛隠宅、酵素民家セット。間宮が小太郎に呉れた木刀を見せに行く大治郎のくだりで初出。前に畑、鶏をあしらい。
  • 母の墓に参る胡乱な浪人を見かけるおしの、普済寺墓地。
  • 不二楼に鷲巣見を招く小兵衛のくだり、身の上話で出る、養子話が破談になって荒れ刀を振り回す鷲巣見、沢ノ池か。妻子を捨て武者修行に出た鷲巣見が、勝負の遺恨で襲われるシーン、鳥居本八幡宮広場。回想シーンが終わり、祭礼中の神社境内の茶店で話す二人は上賀茂神社ならの小川(川端に緋毛氈の床机、川中には遊ぶ子ら、おまつりの幟や音曲もあしらい)
  • おしのが悪徳医者に連れ込まれる、悪徳薬問屋の根岸寮、宝厳院通用門。
  • 父だと名乗り出てはと鷲巣見に持ちかける小兵衛、大覚寺護摩堂に腰掛け。鷲巣見の小屋近く設定。
  • 大場道場へ殴りこむ件で田沼に断りを入れに行く大治郎、田沼邸門は随心院薬医門、会う座敷は書院。
  • 大場道場の看板を流す川、桂川か清滝か。流量豊かな平瀬。
  • 亡妻の傍らに葬られた鷲巣見の墓に詣でる秋山父子、寺の門は普済寺総門前。父母の墓に参るおしのを見て声を掛けずに去るシーンは、先に出た墓地と同所。このあと、二人が佇み物思う水辺は沢ノ池東岸汀。

2010/2/4

■ あゝ忠臣蔵 第35話「南部坂の別れ」1969.11.29関テレ/東映

 14日の朝は雪、逸る浪士たちの話を少し入れて、メインは大石と瑤泉院の最後の会見。見慣れぬ侍女を怪しんだ大石は、心にもない芝居をして未亡人を怒らせ、三次浅野家屋敷を辞するのだった。

*ロケなしセット撮り、三次浅野家の門前を坂にしてある。瑤泉院の侍女になりすました女間者は三島ゆり子、これとツナギをとる密偵は有川正治。茶会の客に姿を見せるなと言われクサる付人に志賀勝、眉毛なくてコワい。「小豆屋」の神崎が無理に頼む研師は中台祥浩、「叔父さんは赤穂の人?」とか言ってタダにしてくれる。
脚本/高岩肇、監督/倉田準二

2010/2/3

■ あゝ忠臣蔵 第34話「決断の時来たる」1969.11.22関テレ/東映

 確実な在邸日は茶会の前後、懸命に探る浪士たち。しかし大高の伝手は不調、ここに来ての足踏みに焦れる男を放っておけぬ、恋する娘がいた。

ロケ地
  • 浪士たちが頼母子講名目で集まり、起請文に血判する深川八幡の茶店、イメージに三宅八幡宮。一の鳥居越しに参道坂を見て、「狛鳩」が控える二の鳥居へズーム、参道脇の茶店をナメる。内部描写はもちろんセット撮り。
  • しのが情報を取りに行く本所・了泉寺、不明(門入ってお堂までは石畳、堂の屋根は萱葺き。大石瀬左衛門がツナギを取りに来るくだりでは参道石段が出て、大刈込が見える。石垣は城砦の如く重厚)
  • 大高源吾が花入の竹を伐る林、北嵯峨か。
*了海和尚は浅野進治郎、吉良邸の腰元をしていた頃にしのが知り合った僧。
脚本/宮川一郎、監督/倉田準二


■ 長七郎天下ご免! 第41話「紅い幽霊屋敷」1980テレ朝/東映60

 稚気ゆえ仕出かした、悪戯に等しい意趣返しが、ほんものの仇討ちに変じる椿事。長さんの手配りに加え、国許の殿様差し回しの「正義派」が、悪党の手から娘を守る。

ロケ地
  • 霊岸島の「幽霊屋敷」である元山形屋寮、中山邸。門に廃屋ふう小道具あしらい、ここへ来る道に朝鮮石人像と「参道」。
  • 長さんとおみつが行商のおふみを助ける街道、谷山林道か。
  • 長さんが山形屋と最上屋の因縁を聞きに行く伊豆守邸、相国寺大光明寺石庭。今回は庭の隅っこにミニ菜園があるという趣向で、茄子を収穫。石庭にはいつものガーデンセットもちゃんと置いてある。
  • おふみの弟の回想、父母の死後きょうだい三人で房州の親戚を頼っていった道、桂川河川敷(礫河原のロングと荒瀬の汀)
  • 家老の手先をつとめていた谷村が、弟を案じ寮に侵入したおふみを追って斬り、水に蹴落とした川端、広沢池観音島。ここでおふみの遺留品を見つけた伊助が長さんに報告する橋たもと、中ノ島橋たもと(中州側、背景に堰堤の落水)
*紅花問屋・山形屋の遺児・おふみは佐藤万理、妹を問い詰めて弟が仕掛けた幽霊芝居を知る運び。殿の密命を受けていた谷村は剣持伴紀。山形屋を追い落とした悪徳商人は守田比呂也、結託していた江戸家老は北原義郎で腹心は五十嵐義弘。山形屋は石浜祐次郎、井戸に身を投げした、琴が得手だった妻女は小林泉。
*幽霊屋敷の仕掛けがベタで大笑い、後で調べに入った杉山と太助が、吾兵衛が放置した重箱を漁り、大酒を食らって寝込んだすえに「見る」段も傑作。

2010/2/2

■ あゝ忠臣蔵 第33話「内蔵助危機一髪」1969.11.15関テレ/東映

 警戒の裏をかいて、大胆にも日本橋穀町の旅籠に滞在する大石。しかし千坂兵部の読みも鋭く、また思わぬ方向からもとんだ危難が招来されるが、焦れて禁を犯し盟主に会いに来た浪士たちが、危ういところで間に合うのだった。

*ロケなしセット撮り、オープニングの渓流は落合と思われる。穀町の旅籠の主は明石潮、番頭は亀石征一郎、番頭を好きでおしのに嫉妬する女中は橘まゆみ、彼女が手引きする岡っ引(実は吉良の密偵)は小田部通麿。大石の偽名は垣見五郎兵衛、公事で近江から出てきたと触れ込み。
脚本/結束信二、監督/松村昌治

2010/2/1

■ あゝ忠臣蔵 第32話「恋の絵図面取り」1969.11.8関テレ/東映

 著名なエピソードを、情感をこめて描く。己を好いてくれる娘への背信行為に、惑う岡野金右衛門。決断できずにいた彼の背中を押したのは高田郡兵衛の脱落で、逼迫のシンボルに持ってきてある。

ロケ地
  • 小間物屋の手代・新吉に偽装中の岡野金右衛門が、吉良邸へ奉公に出ている棟梁の娘・小夜と忍び会う神社(?)赤山禅院。本殿を主に使い、朱玉垣と狛犬が印象的。
*28話で出た吉良家へ奉公する娘・小夜は小柳冴子、岡野と相愛に。父の棟梁は千秋実、岡野の正体に気付くも黙し、娘の絵図面持ち出しを誘導。
脚本/高岩肇、監督/松村昌治

←2010/12010/3/→

・日記目次 ・ロケ地探訪 ・ロケ地探訪表紙テキスト版 ・ロケ地一覧 ・時代劇の風景トップ
・このサイトについて ・サイトトップ