2010/3/31
■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第35話「荒海に哭く恋人形」1983テレ朝/東映
改革派の若侍を助けたことで、福井藩の騒動に関わってゆく御控さま。藩政を壟断する悪党についている雇われ浪人は、その昔心ならずも引き裂かれた、お夕の愛する人なのだった。
ロケ地
- 浪人たちに斬られかかっている若侍を助ける御控さま、不明(砂浜と松林)。
- お夕が浪人の一人を伊十郎と知る竹林、北嵯峨か。
- お夕と伊十郎の哀しいドラマが展開される三国の浜、間人海岸。立岩周辺のほか、丘から見下ろしの絵もある。波打ち際の美しさを強調した絵がみごと。
*伊十郎は峰岸徹、お夕が約束の場所に来なかったため身を持ち崩した設定。リーダー格の若侍は吉田次昭、態度のわるい神経質そうな仲間は中嶋俊一。黒幕の若年寄は葉山良二、グルの大目付は大竹修造、悪徳商人は井上昭文。悪者にされていた頑固親爺の城代は加賀邦男。ラス立ち福ちゃん入り・表具ごとぐっさり。
*今回、御控さまの成敗衣装は赤の振り毛つけた獅子で。立ち回りは一刀で、納刀無し。
■ 長七郎天下ご免! 第48話「命みじかく三十両」1980テレ朝/東映62
父の眼を治したい孝行娘に、悪党が付け入るよくある話。しかし、娘は忍者で悪党は凶賊というドラマチックな構図。手を汚す決心をするものの、人殺しなどできなかった娘を、長さんがフルサポート。
ロケ地
- 凶賊・小草履組がおせつを連れ込み仲間になれと迫る鳥越神社、仁和寺二王門(境外からのショット、遠景に塔)。うなだれて帰るおせつが通る塀際、境内か(足もと草深い)。
- 賊のかしらが大目付邸へ入ってゆくのを見届ける弥太、大覚寺参道石橋〜大門。弥太は橋の欄干を乗り越え御殿川におりて、大門を河床から覗く。
- おせつに小柄を投げて「試す」長さん、仁和寺観音堂脇。おせつは跳躍してお堂縁先に飛び乗り。
- おせつが賊と会っていたと報告するなつ、大覚寺五社明神。
*おせつは日向明子、剣客の父は小林昭二。賊のかしらは石橋雅史で手下に堀田真三。黒幕の大目付は安倍徹←曰く付きの道具盗ませて大名から大金を掠める大悪党。賊に入られる商家の主に山村弘三、中村錦司。町医者が柳川清で奥医師は疋田泰盛、体の養生からはじめなければ難しいという見立てが、奥医師にかかると一瞬で目開いて荒っぽいのなんの。
*小草履は賊どもが揃って履くもので、甲州で何とかかんとか出てくるが一言だけであとのフォロー出ず。とりあえずヤラしい意味は無いみたい。
*身分ネタがしつこく入っている。
2010/3/30
■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第34話「黄金の伝説 大黒様と白兎」1982テレ朝/東映
因幡の国に巣食う悪党を退治る御控さま、昔話に因んだ謎解きは牧歌的なるも、親玉は藩重職を手駒扱いのふてぶてしさ。御控さまと知ってもたじろがず、侍の世の終焉を予言して逝く。
ロケ地
- 追われる森岡を匿うくだり、捕り方をごまかす又八と和尚は広沢池東岸で釣り。小屋はここにセットしたかどうか不明。
- 大黒屋の墓がある通念寺、不明(墓地は山腹に)。
- 因州屋の駕籠を襲う森岡、駕籠がゆく夜道は大覚寺有栖川畔(河床から見上げ)、森岡が潜んでいるところへ声を掛け陽動を引き受けるお秀、大覚寺五社明神祠裏(有栖川畔)。駕籠を襲うも因州屋に撃たれ負傷した森岡を保護し手当てする寺(?)、西明寺(山門をイメージに挿入、内部はセット撮り)。
- 又八らが食料を調達してくる農家、植藤か(軒瓦を出した萱葺民家、前庭には石塔)。目明しが尾行しているのに気付き走り出す戻り道は広沢池東岸並木道。
- 御控さまが弥々姫に謎解きを開陳する気多の浜、琵琶湖東岸(砂浜)。
- 当地を発つ一行、琵琶湖流入河川河口部堤道(左岸)。
*元藩目付の森岡は大門正明、なりは渡世人。彼を慕う大黒屋の娘は里見奈保、亡父は疋田泰盛。因州屋は浜田晃、森岡に斬られたメンの傷も怖い凶悪さ。グルの次席家老は高木二朗、御控さまにビビり因州屋を頼って刺される馬鹿な役回り、これを指して「武士の世も終わり」呼ばわりされる運び。目明しは佐藤晟也。
2010/3/29
■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第33話「やがて愛でたき宮津節」1982テレ朝/東映
城代を押し込めた次席家老は、殿の御用を騙り多額の運上金を課して民を泣かす。密かに集まる有意の士も消されかかるが、命を賭して彼を救ったのは名も無い遊女だった。
ロケ地
- 宮津イメージ、天橋立。街道をゆく一行、のんびりしたい御控さまに友が治める宮津を勧める石谷さまのくだり、大覚寺放生池堤。
- 会合を持っているところを討手に襲われ、横目付に追い詰められ崖から落ちる晋介、保津峡落合落下岩。
- 宮津入りした弥々姫らが、調子のいい親無し子に引っ掛かる寺、西明寺鐘楼。
- 石谷さまが訪ねると閉門になっている城代屋敷、大覚寺大門。
- 御控さまが晋介とおこんを連れて逃げる林、不明。潜むのは保津峡落合落下岩、晋介に化けて追っ手を誘導するのは河口汀、顔を見て追っ手が去ったあと横目付が出てくるのは桟道の方から。
- 追っ手に捕まり連行されるおこん、上賀茂神社神事橋〜ならの小川畔。拷問のあと釈放されたおこんをつけてくる目明し、上賀茂神社奈良社。おこんが晋介を匿っていた小屋、酵素河川敷に小屋あしらい。
- 当地を発つ一行、上賀茂神社ならの小川畔。正月なのでお獅子も出ている。
*悪党の意を受けて動くものの、悪にはなりきれない横目付は綿引勝彦。城代派の若侍のリーダー格の晋介は柴田p彦、彼を助けてくれた「船饅頭」のおこんは泉じゅん。次席家老は小沢象、手下の役人は堀田真三、目明しは滝譲二。石谷さまの友達の城代は永野辰弥。城代を介錯する横目付の刀に水を注ぐ係で福ちゃん、ラス立ちにも登場。
2010/3/28
■ 三日月次郎吉 (三日月仁義) 後藤袋山監督作品 1930.5.1東亜キネマ京都
享保の世、反目を強める旗本と町奴。そんな情勢のもと、旗本衆を十八人も切り倒した男伊達は、奉行のはからいで落とされるが、権力を笠に着た悪党どもは遂に奉行を害す。既に可愛い子分を二人も亡くしている次郎吉は、勝利を謳歌する宴の席に乗り込んでゆく。
ロケ地
- 次郎吉が旗本を切り伏せた芝浜、不明(日本海か、巌そそり立つ磯)。
- 奉行に談判して出てくる旗本衆、不明(玄関と門)。
- 次郎吉が隠れ住む大井戸村、不明(次郎吉のいるあばら屋は萱葺き、里はありものっぽい)。
- 不動山秀五郎に挑まれる街道、不明(地道、周囲は田地)。
- 誘いを受け赴く佐倉藩の家老屋敷、南禅寺塔頭。源次は水路を経て塀に取り付き、お菊は門番をかわして入る。門は開山大明国師霊光塔所の門。
- 家老屋敷から引き上げる夜道、捕り方から身を隠す次郎吉たち、不明(松並木の端に墓石)。
- 佐倉城下の里の情景、不明(高所から俯瞰の絵もあり)。街道に次郎吉らを手配する高札が立つ。とにかく江戸へ引き上げと話す次郎吉たち、蔵の建つ堀端。
- 江戸への道中、小休止した茶店で旗本衆に気づき身を隠す次郎吉たち、茶店の向かいは五本線入り塀。
- 桜の馬場でお奉行がと聞き駆けつける次郎吉、不明。寺社の参道のような並木道〜竹垣際に奉行の駕籠、敵めざして駆け出す「坂」はどこかの境内か。
2010/3/27
■ 秘剣 稲垣浩監督作品 1963.8.31東宝
剣才溢れる若者は親無しの軽輩、加えて兵法家として名を成すこともはや夢となった泰平の世、たださえ生きにくいところ、火を噴くような舌鋒も災いとなる。
求めて買った憎しみと、重職たちの意向が重なり、閉門から脱藩と追い込まれる若者に差し向けられた討手は、兄弟同様に育った親友。めくるカードは全て凶、ただひとつの希望である秘技も二重の意味で消えてしまう。
ロケ地
- 奈良イメージ、興福寺。三重塔と南円堂の甍を前景に五重塔を望む図。
- 典膳が天啓を得る新薬師寺の十二神将、本物かレプリカか不明。内陣の柱や垂木、堂内側の扉など見ると本物を使った可能性があるが、御本尊の薬師如来のお姿は見えない。典膳の目にとまるメインの像は伐折羅大将。
- 木片の両端に刃をつけてトレーニングの林、不明。
- 釣りをしている典膳のところへ、討手が来たと注進に来る三輪、旧大乗院庭園か(蓮池に橋、周囲は林)。
- 三輪宅から出た典膳が十二神将に会いにゆく山道、不明。ここから見える大仏殿と塔は書割か。道端には印象的な石仏もある。
- 肥後熊本イメージの阿蘇山、本物か否か不明。
- 長十郎が秘剣を使って出てくる体捨流道場の門、丘の麓にセットか。彼が逗留している春日村の御坊、不明(林の奥に山門)。
- 長十郎が三輪に刀を預けて典膳に会う神社、不明(坂の上に鳥居、石段は真ん中のみ石畳)。
- 典膳と長十郎が決闘する荒野、不明(鬼押し出しに酷似)。
2010/3/26
■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第32話「神のお告げの夢おんな」1982テレ朝/東映
旅先で運命の女に出会ってしまった男は、身請けの金を得ようとして深みにはまる。生木を裂く悪党どもは御控さまの手痛い成敗を受け、恋人たちは新天地へ巣立ってゆく。
ロケ地
- 出雲入りの弥々姫たち、宍道湖畔は琵琶湖東岸、宮尾が知り合いの大工にばったり出会うのは日吉大社奥の院参道坂登り口。
- 御控さまが女の悲鳴を聞く川のほとり、日吉大社境内・大宮川畔。おはるが斬られかかっているのは走井橋上、助けたあと事情を聞くのは大宮橋上。
- おはる宅に踏み込むも不調で引き上げる一味、アジトへ向かう途中通る町角は慈眼堂(廟所前の石灯籠)。アジトは民家塀際と内部か。
- おはるの回想、辰吉にプロポーズされた宍道湖畔、琵琶湖東岸。
- 賊のかしらが入ってゆく藩大目付の屋敷、門は相国寺大光明寺門。良からぬ相談をぶつ庭は石庭、桔梗の一群れが映り込む。
- 江戸へ帰る辰吉たちを見送ったあと、自分たちも発つ御控さま、日吉大社奥の院参道坂登り口。
*おはるは早乙女愛、錠前職人の辰吉は織田あきら、弟を捜しに来た兄の大工は和崎俊哉。賊のかしらは田中浩、吹き矢女は川崎あかね、強面や浪人に阿波地大輔や岩尾正隆、川浪公次郎。賊と通じる大目付は中村孝雄。福ちゃん二態、賊の一味の浪人と、ラス立ちで目付配下の侍。
2010/3/25
■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第31話「すっぽん夫婦ながれ旅」1982テレ朝/東映
がちゃがちゃ女とダメ男の珍道中は、起こりからして掛け違い。こやつらに身に覚えのない話を持ち込まれるも、男気を見せるお奉行がいるかと思えば、それをネタに失脚を目論むわるいヤツが現れて大騒ぎ。
ロケ地
- 奉行が襲われるところへ行き合わせ、刺客を撃退する御控さま、北嵯峨竹林か。
- 弥々姫が一時帰るくだりに岡山城、旭川越しに天守を望む図。
- 姫を見かけてさらう浪人たち、浜は琵琶湖東岸。監禁の小屋は不明。
- 庭瀬藩奉行所、不明(ステップ付きの門を出窓ナメて見る図、イメージカット。暴将1「子連れじょんがら無念流」ほかでも出たアレ)。
- お奉行のことを聞き込んできた半助がおかねに報告の町角、大覚寺天神島祠脇。
- おかねがお奉行を呼び出す蓮池畔の茶店、大覚寺大沢池畔。おかねの回想、勤番時代のお奉行がおようとデートの水辺(江戸)、広沢池観音島橋たもと。
- とっ捕まった半助をネタにお奉行が呼び出されて消されかかる浜、琵琶湖東岸。危機に御控さまが駆けつけてラス立ち。
- 当地を発つ一行(おかね半助入り)、琵琶湖東岸松原。
*おかねは中村晃子、船宿での朋輩の遺児を預かり育て、父親のお奉行から養育費を取る心算で庭瀬へやって来る次第。おかねの亭主の元板前は蟹江敬三、子の実父だが言い出せずにドツボはまり。お奉行は西岡徳馬、勤勉実直なため虎の尾を踏む清廉なお役人。奉行が煙たい若年寄は山本昌平、つるむ悪徳商人は曽根晴美、強面の中間は井上茂、雇われて消される浪人の一人に福ちゃん。
2010/3/24
■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第30話「命を捨てに来た男」1982テレ朝/東映
勘定奉行と通じたライバルの企みで、潰されかかる藩御用の店。家を出ていた兄が戻るものの捨て鉢、しかし彼は血しぶくような思いを隠していた。
ロケ地
- 坂出屋の荷が襲われる山道、不明(切り通しの坂道)。番頭の崖落ちは保津峡落合落下岩で、別撮り。負傷した番頭を姫らが見つける崖下の道、不明。
- 高松城イメージ、小倉城。琵琶湖を合成した絵あり、水没しそうな勢い。
- 坂出屋の兄妹に話を聞く御控さま、琵琶湖東岸(砂浜に岩露出)。
- 先代坂出屋の墓、亀岡か(山腹に墓標)。
*実子でないため、わざとグレて身をひいた兄は森田健作、妹は山本郁子。勘定奉行は幸田宗丸、坂出屋を潰し藩御用を狙う商人は岩城力也で、手下のならず者に小船秋夫など。
■ 長七郎天下ご免! 第47話「金襴緞子の影で泣け!」1980テレ朝/東映62
娘が玉の輿に乗りご機嫌なオヤジが、過去の罪状をタテに悪夢のどん底へ落とされる。その「罪」は過去の長さんがらみでしかも冤罪、因縁は解きほぐされ悪人は一掃され、お祝いのやり直しでめでたくシメる。
ロケ地
- 源さんが役人を突き落としてしまった日光山中の崖、保津峡落合落下岩。回想シーンは真っ赤で転落の模様を描き、源さんの告白シーンで全ての顛末が語られる際はリアルカラー、逃げてゆく源さんのシーンは崖道・奥に落合トンネルから来る道が見えている。
- 江戸を売ろうとした源さんを目ざとく見つけ脅す侍、広隆寺東塀際(境外)。木の脇に祠あしらい。
- 長さんの回想、六年前会津から日光へ抜けようとして遭難した雪山、イメージの雪嶺は不明、遭難シーンや源さんの炭焼小屋はインドアセット。
- 伊豆守を訪ね源さんを脅している伊豆代官のことを話す長さん、嵐亭延命閣前庭。二人で弓のお稽古。門は映画村オープンセット。
- 娘と若旦那が未来の夢を語るのを見かける源さん、広沢池観音島。
- 源さんの娘がさらわれ監禁される三島屋寮、中山邸門。
*源さんは遠藤太津朗、娘は山本ゆか里。元日光奉行で現伊豆代官の汚職政治家は睦五郎、源さんを脅しに来る強面の腹心は宮口二郎、悪徳商人は城所英夫、実は生きてて源さんに恨み骨髄の崖落ち役人は北九州男。
*長さんの遭難が自棄になっての行為と語られる、哀切な一幕が秀逸。身分バレして日が浅いので、長七郎ぎみネタも満載。寮から娘を助ける際の弥太さんの得物がちょっとコワい。
2010/3/23
■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第29話「哀れ!小判の雨に死す」1982テレ朝/東映
藍で欲をかき民を泣かす悪家老、立ち上がる有意の士。彼らに肩入れする篤志家の女将が実は賊、その裏には哀れな母心があった。
ロケ地
- 阿波徳島城イメージ、姫路城天守。城下掘割イメージ、宇治川派流。稲作を押しのけ藍を作らせる政策に怒った民が蓆旗をあげる在所、民家塀際。
- 鉄心が賊を追っていくと富田屋の女将たちが出てくる寺の門、常寂光寺仁王門。
- 正義派の若侍たちが集まる寮、中山邸門。御控さまたちが参道で見張っていると、女将が入ってゆき、つけてきた鉄心が塀に取り付く。
- 暴発しかける若者たちを諌めるリーダー格の侍、江戸表へ奔った者たちが消されたシーンは相国寺天界橋と周辺。
- 民へ施しの米俵が置かれる鎮守、小幡神社拝殿。殺到する民は脇参道を来る。
- 弥々姫が滞在している庄屋屋敷イメージ、不明(山裾の萱葺民家)。ここを訪ねて戻る御控さま、小幡神社脇参道(外側から)。鉄心が追ってきて女将を助けてと訳を話すのは小幡神社本殿前階。
- 女将が脅迫者に呼び出される東光寺、龍潭寺。山門を入ったところで紋次とやりあっていると、家老の手下が鐘楼脇から殺到、立ち回りは参道脇の斜面で。
- 女将の墓、不明(うしろに祠)。
- 当地を発つ一行、相国寺境内路地。
*女将は赤座美代子、彼女の父の部下だった「おじさん」は伊達三郎。女将の息子だった若侍は津田和彦、青年たちのリーダーは田畑猛雄。悪家老は川合伸旺、悪徳商人は溝田繁、手下の脅迫者は森章二。
2010/3/22
■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第28話「怒れ!いごっそう土佐鯨」1982テレ朝/東映
浦奉行の苛政に怒り、天誅を加える青年郷士たち。たまたまそれを阻む形になった御控さまは、深い事情にまで入り込んでゆく。
ロケ地
- 浦奉行の駕籠が襲われるところへ駆けつける御控さまたち、川堤か。
- 桜貝を拾う弥々姫についてきた小源太が役人に追われる浜、琵琶湖岸。役人と小源太がもみ合うところへ又八らが介入する林、不明。
- 笹森に浦奉行襲撃の犯人について話す御控さま、大覚寺五社明神内陣。後段、悩む笹森に小源太を逃がせと意見するシーンでは本殿前階。
- 石谷さまが役人に小源太らの人相書を見せられる街道、酵素ダート。
- 小源太らが潜む炭焼小屋、酵素河川敷に小屋あしらい。後段、ここで大乱闘。竹林など河川敷各所が使われる。
- 小源太の母の回想、亡夫の庄屋が漁師を庇って役人に逆らい捕縛された松ヶ崎の浜、広沢池東岸。
- 笹森の回想、友の庄屋を介錯した浜、北嵯峨農地か。
- 笹森らが処刑されるところへ御控さまが乱入し大立ち回りの浜、琵琶湖岸。
- 事後、月見の宴が催される桂浜、琵琶湖岸。
*笹森権之助は長門勇、豪快な槍の使い手。庄屋は唐沢民賢、その後家は桜町弘子で倅の小源太は中越司、母子して笹森の世話になる運び。浦奉行は石橋雅史、腹心は中田博久。石谷さまと言い争う頑固者の家老は中村錦司。炭焼小屋を包囲する捕り方の一人に福ちゃん。
*タイトルの「いごっそう」には強調記号つき。
2010/3/21
■ 天晴れ一番手柄 青春銭形平次 市川崑監督作品 1953.8.19東宝
後世、大親分と評判をとる「銭形平次」が、世に出る前のお話。平次青年は、名岡っ引だった父親の跡を継ぐべく、係りのダンナにせがんでやっと十手を貰ったばかり。なりたて子分の八五郎ともども、まだ全然食えないばかりか頼りなさすぎて、前途に光明ひとつ見えない毎日。そんな彼らにの前に、大掛かりな贋金作り事件が降って湧く。
ロケ地
- 八五郎がバイト中、死体の入った酒樽を担いでしまう、虎屋の荷揚げが行われる川端、宇治川派流・大倉記念館裏手堀端。水は満々と湛えられ、滞水。
- 南町奉行所、大覚寺明智門。内部描写はセット撮り、後段では捕り方が一斉に出撃する場面も。
- 笹野さまに丁子屋を洗えと指示された平次と万七が、競って対岸へ向けて船を漕ぐ堀、宇治川派流。
- 丁子屋の使用人たちを調べるものの思うにまかせずブツブツ愚痴たれる平次、濠川堀端(御駕籠町・都鶴酒造倉庫裏手。土橋手前の濠川運河端)。後段、一味だった丁子屋手代を追い詰めると濠にドボンのくだりも同所。派流と同じく滞水。表の通りから川端へ通じる路地も使われる。
- 捕り方が走り回ったりする市街描写の一部に、酒蔵のある伏見市街。さまざまな個所が使われ、後段でも何度も登場。
- 勘定奉行所、大覚寺大門。
- 贋金作りの工房を発見してしまった平次、悪党に追っかけられるくだりは、伏見市街と世田谷・九品仏浄真寺。仁王門から入り、本堂・龍護殿の前で大捕物が展開される。この際、鐘楼や三仏堂も映り込む。平次が雨森らに追い詰められ危機に陥る段で、八五郎の知らせを受けた町方が出動、大覚寺明智門や伏見市街がセットと併用して使われる。寺から出た平次を一党が追っかけ、奉行所に至るくだりも同様。
2010/3/20
■ 影同心 第28話「わたしが愛した殺し節」1975.10.11毎日放送/東映
ちんけな騙りに怒っていると、その向うに巨悪。ワルは三人を仕官で釣ろうとするが、直にお断りに来られてしまう。
ロケ地
- 儀平とお滝が美人局に失敗した挙句痛い目を見て立ち尽くす水辺、広沢池か。
- 普請改方の吉岡が土左衛門で浮く川端、広沢池東岸。
- 武蔵屋の手下にからまれていたお滝たちを助けてやる源太、今宮神社境内。
- ヤバいので旅に出された武蔵屋の人足頭の前に立ちはだかる源太、不明(塀際)。
- 「貝」を埋めて封じるお父さん、罧原堤下河原。
*儀平は岡田裕介、お滝は水原麻麻記。普請奉行は戸浦六宏で腹心は田島義文、つるむ悪徳商人は高城淳一。不正を正そうとして消される、勘平たちの元同僚の普請改方・吉岡は平泉征。吉岡と会う酒肆の女は主題歌を歌う朝月愛、劇中名を聞かれ答える場面あり。
■ 赤穂浪士 第15話「遠目鏡」1979/4-12テレビ朝日/東映
ゆっくりと、事態は動きだす。早や脱落者の出る赤穂浪士、ひそかに見捨てられる吉良。そして、来襲を予期した男は、諸方に複雑な布石を打ってゆく。
ロケ地
- 大石一家が隠棲する尾崎村の家、民家外観(早回しで背景を変え、時の経過を演出)。赤穂から医者を呼んで戻ってくる八助、野良帰りを装いそれを見張る陣十郎と行き会う道は北嵯峨農地・小丘。
- 江戸、やっと長屋に落ち着いた奥田孫太夫、訪ねてきた前原伊助と連れ立って堀部宅へ向かう町角は今宮神社稲荷社脇。
- 隼人らがアジトにする赤穂・尾崎村の川べりに建つ船宿、広沢池東岸に建物あしらい(内部はセット撮り)。病癒えた大石が釣りにでたところへ接触する隼人、東岸に船着きあしらい(水側からのアングルは別撮りかも)。
- 吉良が引き止められることを期待して、柳沢に進退伺いのくだり、柳沢邸内の高殿は銀閣(慈照寺観音殿)。花頭窓を開け遠眼鏡であたりを眺める柳沢のシーンはセットにスイッチ、遠望するお城は二条城外観、柳沢が目をつける腰元・お幸は阪口青龍苑池泉端を歩く。
2010/3/19
■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第27話「さらば!湯の町残侠伝」1982テレ朝/東映
友達の若き藩主に頼まれて、「下々」を視察の御控さま。代替わりに乗じて利権を漁る愚者も見るが、時代遅れの浪花節も生きていた。
ロケ地
- 伊予松山・石手川イメージ、現地か。石手川橋工事現場は流れ橋、橋桁が流出し増水する場面のほか、橋脚のみとなった橋にビケ付けて工事現場に。派手な放火シーンも撮られている。
- 伊予松山城、本物をイメージに(全景ロングと天守下から見上げ)。御控さまが藩主に頼まれごとをされる城内、大覚寺勅使門橋。
- 長兵衛親分の乗った御赦免船が着く浜、大覚寺大沢池畔。回想シーンで出る、送られる浜も同所の船着(小)。以降、親分が時の流れを愚痴るシーンや、半助が若棟梁の過去をつらっと喋ってしまうシーンなどもここで。
- 当地を発つ一行、琵琶湖東岸。姫を忘れてきたと慌て戻る御控さまのアップで終わる。
*乾分の罪を被っての流罪から戻るときっちり裏切られている、時代遅れの任侠は金田龍之介、女房と娘は桜田千枝子と村田みゆき。長兵衛の財を掠め妻子を追いやった悪党で、人を陥れて公共事業に食い込もうとしている五郎兵衛は梅津栄、つるむ普請奉行は北原義郎。倅の瑕疵を言い立てられ御用を失いかける棟梁は河合絃司。人情家の目明しは早川研吉。親分のたった一人の子分のダメ男は玉川良一。工事現場で狼藉をはたらく、五郎兵衛の手下の一人に福ちゃん、橋脚にのぼって材木を投げつけ。
2010/3/18
■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第26話「月に帰った三度笠」1982テレ朝/東映
悪徳商人と組んだ郡代が民を泣かすなか、救済を期待された青年は、故郷を前にして病を得ていた。事情を知った御控さまは、ムシリを付け三度笠を被り、彼の代わりに日田へ。そこには、青年の許婚者が美しい娘になって待っているのだった。
ロケ地
- 豊後・日田にやって来る弥々姫たち、街道は亀岡・千歳町の農地。後段、村のシーンでも同じアングルが出てくる。丹波国分寺の近く。
- 又八たちが喧嘩騒ぎを聞きつける町角、民家南塀。駆けつけると弥々姫が介入してくる塀際は民家塀角。
- 郡代に不満を持つ青年たちが寄り合いを持つ宿場はずれの寺、丹波国分寺。門前の畦道には「はさ木」がしっかり密に映っている。
- 日田・西国郡代陣屋、民家長屋門。
- 清二郎に扮した御控さまと、許婚者のおちかが話す水辺、広沢池西岸湿地・養魚場。御控さまの身分が知れたあとの別れのシーンでは、足踏水車があしらわれている。
- 当地を発つ一行が休む茶店、天神川河川敷・若布谷落ち口。又八らは岩の下の「滝」で水浴び、茶店は天神川左岸にあしらい。
*おちかは森田理恵、病床から「清二郎」に結婚を促す父は吉田義夫、おちかを慕う村の青年は伊藤敏孝。郡代は久富惟晴、悪徳商人は外山高士。寺を急襲する役人の一人に福ちゃん。
2010/3/17
■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第25話「手毬は知っていた」1982テレ朝/東映
山林奉行の放埓な御母堂には訳あり、彼女を民の敵と付け狙う職人は宮尾の弟分だったり、ボディガードになった御控さまが弥々姫に泣かれたり。裏で糸を引く悪党を見定めて、葵の紋の御登場。
ロケ地
- 太鼓の練習をしていた大工らが、於美代の方の駕籠を見て襲うくだり、太鼓を据えてあるのは大覚寺五社明神舞殿前。駕籠は放生池堤を来る。
- 延岡城イメージ、小倉城天守。
- 用心棒に雇われた御控さま、於美代の方のお供で出向く苗場家菩提寺付近の水辺、大覚寺護摩堂前(池畔)。先代の不審死について語られる。
- 御控さまがお芝居で大工を「斬る」町角、仁和寺九所明神。それを見た姫に難詰され刃を向けられるのは経蔵脇。
- 当地を発つ一行、不明(北山杉の林道)。
*於美代の方は宮園純子、お家を壟断し材木を横流ししていた側用人は江見俊太郎で、悪徳商人は長谷川弘。宮尾の父の弟子だった大工は工藤堅太郎、女房は一柳みる。
■ 長七郎天下ご免! 第46話「情けが仇の父娘草」1980テレ朝/東映
幼い頃からよそへ預けっ放しの娘に、せめてと届けた高貴薬はニセ薬。道を踏み外した父だが、長さんの説得と娘の悲痛な叫びに更生を期し、巨悪を暴く一穴に。
ロケ地
- 伊造が薬を取りに来いと告げた下谷五条天神裏、仁和寺五重塔西側の石畳に露店あしらい。父に与えたが効かなかったと怒り、文句をつけた峰蘭太郎の若旦那が消されるのもここ。その事件について長さんに報告するなつは大覚寺大沢池畔・船着(小)たもと。
- お梅が参る養母の墓、不明(高台の模様、卒塔婆立て付き。五輪塔映り込み)。
- 与えた人参が効かず養母が亡くなったとお梅に聞き、衝撃を受け詫びる伊造、仁和寺九所明神本殿前。
- 桝屋根岸寮に怪しの浪人たちがたむろ、と報告する弥太郎、大覚寺大沢池畔に木塀あしらい町角に仕立て。
- 桝屋と会津藩用人がもみ消し工作をはじめたと長さんに報告するなつ、大覚寺大沢池畔・船着(小)たもと。
- 長さんに諭されるも今夜一晩見逃せと走り去る伊造、仁和寺九所明神拝殿前。
- 桝屋に雇われた浪人たちが会津から来た岩人参を受け取る草加宿付近、砕石場か。彼らが始末される竜閑橋、中ノ島橋。
- 用人らがブツ受け取りに出向く草加宿、先の岩場と同所。
- 無罪放免となるも、娘には会わず長さんに見送られ旅立つ伊造、大覚寺護摩堂前。
*伊造は藤巻潤、お梅は佐久間真由美、養父は穂高稔。ニセ薬を国から運んで大儲けの会津藩用人は菅貫太郎、桝屋は弘松三郎で乱暴な雇われ浪人は中田博久。ラス立ち福ちゃん入り←虚無僧のカッコしてブツ運んできた侍、長さんに偈箱両断されてあわわ。
2010/3/16
■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第24話「地獄砦の用心棒」1982テレ朝/東映
舞台は飫肥、隠し金山で私腹を肥やす一味あり。怪しまれつつ用心棒として潜り込んだ御控さまは、任務のためとはいえ女心を利用する正義派の青年に鉄拳制裁を加えたあと、悪党ばらをまとめて成敗。
ロケ地
- 鵜戸屋の番頭らが間道を抜けて隠し金山へ至るルート、高山寺石水院塀際〜酵素ダートに設置した茶店へ←ここの奥に祠あり、開くと金山へ抜ける設定。
- 弥々姫らが始末されかかっていた庄太の妹を助けるくだり、高山寺参道、茶園前から裏参道あたりを使って展開。
- 隠し金山のある地獄谷、白水峡か(花崗岩の裸地が連なるバッドランド、派手に発破かけまくり)。
- 金山で使われている小女の八重が水を汲む谷、保津峡落合河口。ここへやって来る御控さまは桟道を来て、矢文でツナギをとる宗吉は崖を駆け上がる。
- 八重を使って庄太を逃がし、彼らを囮に脱出する宗吉、遡る滝は菩提滝。滝上の道に御控さまが待ち構えていて鉄拳制裁+お説教でシメられ。
- 摘発にやって来る城代を暗殺にかかる一味だが、中の人は石谷さまなうえ御控さまに出てこられてしまう山道、酵素降り口。立ち回りは河川敷におよぶ。
- 飫肥藩城イメージ、福山城(全景と天守アップ)。
- 武士を捨て飫肥杉人足頭になった宗吉や、当地に残ることになった庄太らに見送られ当地を発つ一行、仁和寺観音堂脇。
*金山に潜入している城代の隠密・宗吉は小野進也、利用されていることを知っていて彼を慕う八重は田中綾。人足の庄太は内田喜郎、妹は仁和令子。金山を差配する口入屋の鵜戸屋は福山象三、番頭は重久剛一で人足頭は牧冬吉、彼らの黒幕の次席家老は亀石征一郎。清廉な城代は相馬剛三。逃亡に失敗し、狙撃されて果てる人足・相州は真田健一郎。
2010/3/15
■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊
第23話「葵は薩摩の怨敵でごわす!」1982テレ朝/東映
よそ者に門戸を閉ざす薩摩、御控さまは藩主と胸襟を開いて語るべく、弥々姫の伝手をたどって乗り込むが、出水に蟠る悪党が阻む。彼のもとには、かつて御控さまが青春を共にした親友が、挫折感を抱いて燻っていた。
ロケ地
- 薩摩イメージ、桜島。溶岩道路からのビューも。
- 「薩摩飛脚」の隠密が追われ消されるくだり、酵素竹林から河川敷、降り口上のダートに梟首台など。断崖は保津峡落合落下岩。
- 矢筈岳・思案坂(薩摩入りについて協議する茶店のシーン)、白水峡か。
- 郡代から逃げた琉球の姫を匿うくだり、広沢池東岸(船舫り)。おいてけぼりの又八らが、海女さん見てキューの海岸も、アングル違いの同所。
- 食料を調達して安里姫を隠してある炭焼小屋へ戻る御控さま、農家は植藤か(軒瓦を出した萱葺民家)。小屋への道は不明(林道)。
- 丈介の回想、加治木の差し金で兄の首を落としてしまった刑場、北嵯峨農地小丘。
- 弥々姫が御控さまのため藩主の書付を貰うくだり、鹿児島城イメージに姫路城天守。書付を持って馬を駆るお夕、木津堤法面。
- 郡代一味と大立ち回りの河原、保津峡落合河口。槍に貫かれた丈介が、カラ元気を出して御控さまと安里姫を見送るシーン、御控さまたちは落下岩上。河口右岸に死屍累々を見下ろすロングの絵も。
*消息不明の薩摩飛脚の兄を探しに来て、加治木の手下に成り下がっていた御幌丈介は目黒祐樹。郡代に見込まれてしまった安里姫は津島要。徳川は仇、若殿・斉彬はキライと公言する出水郡代・加治木将曹は藤岡重慶、最後の息で丈介を刺す郡代の配下は有川正治。冒頭消される山伏姿の隠密に福ちゃん、ぐっさぐさに刺されて血塗れのほか、逆さ吊りに。
2010/3/14
■ 聖徳太子 2001.12.25NHK
幼時から、長じて帝の摂政をつとめるに至る、太子の半生を描くドラマ。仏法に通じ、民を思うゆえ戦を嫌う皇子は、血縁でべったりと結ばれていた蘇我氏と対立してゆくことに。馬子に弟を殺され、激した皇子が振るった刃は、思わぬ結果を呼ぶ。
ロケ地
- 兵を斬ったあと、雪で返り血を洗う伊真、海の見える雪山は湖北か。設定は朝鮮半島。この後、倭へ渡る船に。
- タイトルロールの終わり際、広隆寺の弥勒菩薩像の前に出る山は二上山、里芋の葉っぱ越し。
- 大兄皇子(用明帝)が息子たちに舶来の鋤を見せる広野、飛火野。
- 甘樫丘の伊真の作業場、丘イメージに曽爾村の屏風岩。皇子がここへ来る際通る林は不明、このあとも何度も登場し、雪景もある。
- 嶋宮の蘇我馬子邸、平城宮跡東院庭園。宴が行われる邸内描写で、釣殿や橋、池泉がたっぷり使われる。
- 中臣勝海を暗殺する迹見首赤檮(とみのおびといちい)、木津川堤と河原。射られた勝海が馬に乗ったまま果てるシーンは川中で。
- 海石榴市(つばいち)、流れ橋下手河原に「市」あしらい。守屋の軍勢が気勢を上げたり、憂愁の厩戸皇子が病者を見たり、印象的なシーンが多数展開される。遠景に橋ちらり。
- 蘇我・物部の決戦の地となる河内・渋川郡、曽爾高原。戦いのシーンは飛火野や春日原生林を併用か(細流の谷や滝もあり)。蘇我軍が行進する山道は不明(林道)。
- 飛鳥・真神原の救護所で立ち働く厩戸皇子と刀自子郎女、飛火野(率川の谷寄り)。
- 建築中の飛鳥寺、四天王寺。回廊外から堂塔を望む図、堂塔にはビケあしらい。
- 新羅出兵を強行しようとする馬子と対立する厩戸皇子のくだり、悪夢を見る大臣のシークエンスの前に来る「館」の門、平城宮跡東院庭園南門(外側)。
- 巨勢・大伴を頭に筑紫へ出兵の情景、木津堤。
- 帰着した第一次遣隋使を迎える四天王寺、四天王寺回廊。塔下部や中門映り込み。妹子の報告を嘲う豪族たちに、新設の官位は家格に比例しないと言い放つくだり。
- 厩戸皇子の宮が新たに造営される斑鳩の地、不明(葦原や竹林が遠景に見える広野は更地、山裾)。
- 新羅が百済に戦を仕掛けたと伊真に告げるくだり、不明(雪の甘樫丘は冒頭に出た湖北っぽい「山上」に似る)。
2010/3/13
■ 影同心 第27話「赤いしごきの殺し節」1975.10.4毎日放送/東映
行き詰ったお店の資金繰りのため、無尽講にのめり込んだすえヒヒ爺の慰み者になる女。彼女は、かつて右近と縁談のあった御家人の娘。玉の輿に乗るも一時のこと、幸薄かった女は右近の褥に赤いしごきを残し、奈落へ堕ちる。
ロケ地
- 爺やに連れられて江戸を去ってゆく、越前屋の坊、不明(亀岡か、田んぼの中の地道。茶店あしらい、見送った右近は妙の形見となったしごきを浮き草まじりの澱んだ水面に投げ捨てる)。
*亭主に死なれ番頭に金を持ち逃げされた越前屋の後家・妙は茅島成美。無尽講を催す詐欺師は川合伸旺、場所を提供する料亭の主は柳沢真一で悪事に加担する仲居は宗方奈美、親切面で妙を食う債権者は汐路章。料亭の男衆に福ちゃん、仕置時は当身されてキュー・クレジットはベタで、元は「清二」って書かれてたっぽい。
■ 赤穂浪士 第14話「またたび」1979/4-12テレビ朝日/東映
「家の問題」が、密偵にも犬医者にも、そして「復讐」を受け止める側の男たちにことのほか重くのしかかる。来る事態を動かす主役は、開城を終え疲労困憊し昏々と眠り続けていた。
ロケ地
- お仙が東帰する道、北嵯峨農地畦道〜陵前。またたびの花を見つける谷川は清滝。
- 大石一家が隠棲する尾崎村の家、民家外観(前畑越し、漆喰が激しく剥落)。
- 紀州家のお犬様の診察を終え出てくる朴庵、相国寺大光明寺門。
- 眠り続ける大石の夢に出てくる、亡き殿との遠乗り、琵琶湖西岸松原〜罧原堰堤下桂川(駒を止め小休止)〜流れ橋上。
*お仙の父で元上杉藩士の矢下部彦之進は高原駿雄、失脚の経緯と、お役目をつとめるお仙の訳が語られる。犬医者の下男は河原裕昌。
2010/3/12
■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第22話「肥後の影花わかれ花」1982テレ朝/東映
グレる若様を庇い、時には厳しく叱りつける酒肆の女将。彼女の行動はもちろん訳あり、哀しい母の今際のきわを、せめてもと若様に看取らせてやる御控さま、その足で罠を仕掛けた悪党どもを始末に向かう。
ロケ地
- 熊本城、本物をイメージに。
- 「辻斬り」にやられた材木商の見分、大覚寺放生池堤汀。これについてお夕の報告を聞く御控さまは護摩堂前。
- 陰謀の主の回船問屋が入ってゆく次席家老邸、大覚寺大門。
- 家老に会ってきた女将に声を掛け、探りを入れる御控さま、大覚寺天神島。導入は池側から鳥居越しに見上げ。
- 当地を去る一行、御控さまたちがお昼をつかっているところへ姫たちが来て芥子蓮根を呉れるお堂、御室霊場(山頂近くのお堂、巡拝路を旅人が行き交う)。
*女将は三浦布美子、若様は長谷川裕二で父家老は内田稔。若様を罠にはめ家老失脚をはかる次席家老は遠藤太津朗、御用船建造が狙いの悪徳商人は山岡徹也、雇われ浪人は丘路千、若様の取り巻きは黒部進。
■ 陰陽師安倍晴明 〜王都妖奇譚〜
其の五「最後の賭け」 2002.7.30松竹/フジ
躊躇ったすえ、将之の魂を冥府から呼び返す晴明。しかし影連は、それに乗じて早良皇太子の怨霊を甦らせ、王都を闇に落とそうと画策していた。
ロケ地
- 陰陽師たちが瘴穴封印の功を嘉される御所前庭、大覚寺宸殿前白州。御所を出てゆく晴明がくぐる門は勅使門、奥に御影堂が見えている珍しいアングル。
- 自分を責める千早を慰める彩子のくだり、仁和寺勅使門を昭陽舎イメージに。
- 右大臣家の大納言らに話しかけ、帝の譲位を唆す光弘、東福寺通天橋。
- 晴明に反魂の奥義書を渡した帰り、忠行が雷に打たれるくだり、酵素。土塀は川ちかくにあしらい、落雷のシーンは河川敷草原。
- 早良皇太子を封じた祠、不明(崖の下のアレ、小滝確認)。後段決戦の場となり、炎上シーンもあり。
- 忠行に反魂の遂行を示唆された晴明、将之との思い出を反芻しながらの帰り道は仁和寺参道、背景に中門。
- 晴明が反魂の術に入ったあと、影連の妨害に気付いて知らせに走る氷月と千早、影連の術で迷わされる山道、不明(杉の大木あり)。
- 早良皇太子について保憲に訪ねる藤哉、大覚寺宸殿裏手縁先。
- 反魂失敗を彩子に詫びにゆく晴明、仁和寺参道(背景に二王門)〜勅使門。彩子の部屋を辞して戻る晴明に、雷切丸の刃先で作った破魔の矢を渡す氷月、大覚寺回廊。
- オニ入った将之が御所に乱入し大暴れのくだり、大覚寺勅使門〜宸殿。クライマックスには、光弘からモーフィングして現れた影連が、晴明とゾンビ将之を連れて三人で早良皇太子の祠前にテレポート。
- 即位したばかりの幼帝が歩む御所の階、大覚寺宸殿前縁。白州に官人が控える。
- 晴明と将之が佇む水辺に彩子がやって来て声を掛けてゆくくだり、大覚寺遣水跡。立ち位置は菊ヶ島の前。
2010/3/11
■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊
第21話「葉隠は金魚侍と見つけたり!」1982テレ朝/東映
殖産に努める民思いの侍が煙たい輩は、領内にやってきた御控さまも大キライ。もろともに消そうとする動きに、過去の因縁も絡んでくる。
ロケ地
- 博多から背振山を越えて佐賀入りの御控さま、一斎が現れて一当りしてゆく山道は酵素ダート。佐賀で待つと捨て台詞。
- 佐賀・鍋島藩城、不明。
- 城下入りした一行が、又八の軽口のせいで藩士に絡まれる坂道、金戒光明寺永運院下坂。土下座を迫る藩士に、鉄心が思わず「身分」を口走り、奉行の配下に聞きつけられる運び。
- 百姓娘たちが佐賀錦を売る町角、大覚寺境内か。
- 殖産方の森田が金魚を飼う池から流れてくる小川、上賀茂神社ならの小川。後段では、池の堤を切られたという設定で、神事橋下で下流方向を覗き込む図が出てくる。
- 森田の倅が御控さまに父が軟弱と愚痴る石段、金戒光明寺石段。
- 一斎が御控さまを呼び出して対決の西の原、酵素河川敷。
- 森田一家に見送られ当地を発つ一行、酵素ダート。茶店あしらい。
*森田は山本紀彦、内職で佐賀錦を織るしっかり者の奥方は早瀬久美。産品を一手にしようとする悪徳商人は鈴木康弘、手を貸す町奉行は御木本伸介で腹心は石倉英彦。彼らに復讐心を利用される剣客・一斎は遠藤征慈、南紀で三段壁から落とされた山伏の弟設定。カラミ藩士は杉欣也と立原啓裕。ラス立ち福ちゃん入り。
■ 陰陽師安倍晴明 〜王都妖奇譚〜
其の四「親友の死」 2002.7.23松竹/フジ
影連の企みにより瘴穴が開けられ、陰陽師たちはそれぞれ封じに走り、宮中の護りは空白。勇を鼓して一人警備についた将之は、友が発していた警告を生かせずオニに遭ってしまう。
ロケ地
- オニの腕の封印を解く晴明、琴滝裏の洞窟(中はセット)。
- 藤哉がオニ退治に出ている屋敷イメージ、妙心寺玉鳳院(門と塀を斜めに見る図)。
- もののけを祓って公家屋敷を出てくる晴明、式神を使いその家の主をビビらせる門は西教寺大師堂北門。帰る晴明がおりてゆく坂、参道(桜並木は新緑)。
- 鬼面をつけた賊が出てパニックの市中、仁和寺中門。牛車などが逃げ惑うさまは、参道が全部入る遠景のアングルで。
- 怪異ばかりでなく賊も出て都は不穏と晴明に語る将之、梅宮大社神苑。二人は中島の石橋上、藤哉は西側の池端にいて子犬とたわむれ。
- お見合いをすっぽかして姉にがみがみ叱られる将之、昭陽舎イメージに仁和寺勅使門上部(夜景)。
- 鳥辺山、および吉田山の瘴穴、
不明(杉林の山腹)。★出雲大神宮の磐座、現地行の末確認(3/14追記)。
- 御所を守るという将之に、結界に使う鬼の腕を渡す晴明、平安神宮東神苑・橋殿を望む栖鳳池畔(夜間撮影)。
- 晴明が守護する化野、化野念仏寺内陣(夜間撮影、灯明あしらい)。
- 朱雀門を守護する将之、一人押し開ける「朱雀門」は平城宮跡朱雀門(夜間撮影)。深更、彩子の姿をしたオニが将之のもとに現れる際の回廊と門は石清水八幡宮頓宮。
2010/3/10
■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第20話「燃やせ玄界!男の炎」1982テレ朝/東映
流人船に食らいつき、私腹を肥やす悪党ども。秘密を隠すため犠牲にされた人々や、利用された「元政治犯」の嘆きを見た御控さまは、断罪の刃を振るう。
ロケ地
- 福岡城、イメージに二条城東南隅櫓と本物の潮見櫓。
- 今回出てくる海はマジ海で現地ロケの模様、海女のいる磯や砂浜、「生の松原」など。
- 流人船探索の話を立ち聞いた弥々姫が、わくわく顔で渡る石橋、不明(庭園?)。
- 宗像大社に詣でて、西条圭之介に祭神を尋ねる弥々姫、本物の拝殿前。この前に境内各所がぱぱっと映し出される。
- 石谷さまがお夕を引き連れて参拝する筥崎八幡宮、崇福寺、本物。
- おさとの祖父が沖をゆく流人船を目撃してしまい斬られて落ちた毘沙門山の断崖、保津峡落合落下岩。
- 足手まといなら置いてゆけという弥々姫、待っていろと言う御控さま、二人が話す海辺は桜井二見ヶ浦夫婦岩前の浜、白い両部鳥居も映っている。
- 御控さまの計略にはまり馬を飛ばす大目付、木津堤か。
*大目付の使嗾で役人たちを斬った流人・どくろ一角は原田大二郎、大塩の乱の政治犯。彼の子を身籠った流人の女は竹井みどり。役目で流人船に乗っていた兄を案じる藩士・圭之介は村嶋修、兄は波多野博。祖父を殺された娘は山本ゆか里、千鳥饅頭の店で彼女にショバ代を強要するヤクザは福本清三で「当八」とクレジット。大目付は高野真二。
■ 陰陽師安倍晴明 〜王都妖奇譚〜
其の参「もののけの子」 2002.7.16松竹/フジ
うら若き姫君たちが、次々と神隠しに遭う異常事態。光弘の嫌がらせで晴明が係りを外されるなか、明らかとなった妖の正体は「狐の子」のトラウマをびしばし抉る。
ロケ地
- 徳子の輿が通りかかると琴の音が聞こる鎮守、鳥居本八幡宮(鳥居前)。徳子が光の中へ消える林は竹林。この事件の噂を聞く彩子のくだり、昭陽舎イメージに仁和寺勅使門(衛士つき)。
- 悪夢に見た母の最期を思い立ち尽くす晴明、瑞穂造成地の草原。将之がやって来て神隠しについて問うが、晴明は黙して去る。
- 真柴が神隠しに遭う林、不明(例の巨岩のある林、林床にはみっしりと落ち葉、ここへ近づく道には小柴垣、岩には標結われ)。
- 保憲に晴明をはずすよう強要する光弘、大覚寺天神島朱橋。
- 晴明の前に影連が現れて母のことを言い立て、共にオニになれと迫る夜の林、下鴨神社池跡(ぐるっとレール撮り)。
- 神隠しで騒ぐ昭陽舎のくだり、イメージに大覚寺回廊。
- 神隠しを出来させていた「童」の亡母の回想、子と遊んだ野辺、大覚寺遣水跡。晴明の術により彼らが昇天する森の遠景、瑞穂造成地に光柱合成。
- 真柴が快復し喜ぶ内蔵頭邸、妙心寺玉鳳院勅使門。
*童の亡母は木村多江。
■ 長七郎天下ご免! 第45話「誰がための花かんざし」1980テレ朝/東映
手に手をとって逃げたものの、追っ手に女を殺されてしまう男。自身も危ういところを長さんに保護され、浜乃家に。そこには、さっき死んでしまったはずの女が酔い潰れていた。
ロケ地
- お咲と松吉が追いつかれてしまう祭礼の神社のくだり、導入の神輿が練り歩く境内は上御霊神社本殿前、二人が逃げてくる竹林(祭礼の幟あしらい)、北嵯峨か。松吉が簪を購めている間にお咲が刺されてしまう境内、不明(現場は踊り場の石畳で露店あしらい、石段の上に鳥居)。釣り帰りの長さんが通りかかり騒ぎを聞きつけるのは広沢池東岸。
- 松吉が語る、お咲との経緯、船遊びの大川は広沢池東岸(船上)。お紋が長さんにお咲は双子の妹と明かす夕方の水辺は広沢池東岸。
- 伊豆守に会う長さん、嵐亭延命閣前庭(ガーデンセットあしらい)。帰り道の長さんを襲うならず者たち、広沢池東岸並木(若年寄の手下が正体を見てビビり)。
- 中州にある相模屋の寮、中山邸通用門。伊助は塀から忍び込み。撃たれた伊助を助け出した弥太郎が通る塀際、不明。
- お咲の墓、亀岡の墓地か(伊助の墓はその「山裾」)。
*相模屋の妾のお咲と、浜乃家常連の芸者・お紋は野川由美子。お咲を連れて逃げた船頭の松吉は亀石征一郎。回船問屋・相模屋は加賀邦男、大奥のお局さまを阿片漬けにしている若年寄は横森久で腹心は波多野博。ラス立ち福ちゃんと峰蘭さん(加賀屋に大刀を渡す役回り)入り。
*伊豆守が相模屋に入れていた手の者・武井弥太郎は川崎公明、レギュラー入り。
*伊助殉職、死に際の報告で長さんの正体が皆に知れる運び。長さんの扱いは今まで通り、外部にはナイショの取り決めが成立。
2010/3/9
■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第19話「海峡に咆えた父娘鈴」1982テレ朝/東映
舞台は小倉、海峡の町で行われていた抜け荷が、御控さまの知るところとなる。不幸な経緯の果て小倉に辿り着き、成り行きで悪事に手を染めていた男は、役目で拷問した娘に、亡き妻の面影を見出す。
ロケ地
- 一行が感心して眺める奇勝・平尾台、役者入っての現地ロケ。抜け荷のブツが地下坑に隠されているという設定で、後段にも登場。
- 秘密を知って逃げた手代の相手・おきわが船上で始末されるところ、弥平次の機転で逃がされる夜の海、広沢池。おきわが泳ぎ着くのは東岸。
- 小倉城、本物をイメージに。御控さまが弓の稽古中だった殿様のところへ罷り通り、案内される野点の席は嵐亭延命閣の前庭。
- 御控さまが上げたゾンデに反応した筆頭家老のことを報告するお秀、不明(大きな岩のある浜辺、マジ海か)。
- おきわが弥平次と話す海辺、不明(島影見える、草深い汀。琵琶湖かも)。
- 家老と桝屋がブツを運び出す山道、湖南アルプスか(ガレた山肌が背景に)。
- 弥平次がおきわの父だと明かさずに当地を発つ御控さま、不明(マジ海、砂浜)。
*難破して異国に流され、戻ると妻子は心中していた弥平次は大木実、桝屋の下で汚れ仕事をしていて「娘」に会う運び。おきわは佐藤万理、恋人の手代は高木吉治。桝屋は神田隆、弥平次を裏切者として刺すも自分も桝屋に始末されてしまう荒くれは佐藤京一。小倉の殿様は大竹修造、桝屋と組んで私腹を肥やしていた筆頭家老は葉山良二。
■ 陰陽師安倍晴明 〜王都妖奇譚〜
其の弐「王都への恨み」 2002.7.9松竹/フジ
まことの心底はともかく、遺恨を忘れ民に奉仕する日々を送っていた不遇の皇子の心の隙に、影連が魅入る。闇を払い、宮を助けようとした晴明の思いは苦い結果に。
ロケ地
- 観桜の宴が催される昭陽舎、大覚寺観月台。舞手と楽人は大沢池船着(大)に。池中からのショットもあり、観月台の裾には幔幕が張り巡らされている。ここで話題に出る野盗のイメージ、随心院裏土塀際(塀の闇に影連の姿)。
- オニの手を滝裏の洞窟に封じる晴明、琴滝。
- 将之が千早に雷切丸を渡すくだり、導入は大覚寺回廊で桜咲く御殿はセット。
- お仕事で老婆から悪霊を祓う晴明、酵素民家セット。お供の藤哉と帰る道は河川敷。
- 野盗に襲われた親子を助ける四の宮、酵素ダート。
- 四の宮が都へ戻ったと彩子に注進に走る氷月と千早、大覚寺回廊。
- 四の宮が法力で民を癒す法林寺、金戒光明寺。戸板に乗せられた病人が担ぎこまれるのは三門、宮が民を治療するのは経蔵前。後段、晴明がやって来る段では、三門に晴明がいて、宮が石段をおりてきて対峙する。
- 伊勢出張の忠行が、留守中のことを晴明に頼む陰陽寮の階、仁和寺宸殿縁先。
- 四の宮が影連の魔手に落ちたあと、暗雲垂れ込める都に異形の野盗が現れ、物も盗らず人々を殺戮する町角、下鴨神社河合社脇。
- 事態を耳にした将之が賊を退治にやって来るが相手はゾンビの夜道、上賀茂神社ならの小川畔(霧立ちこめ、背景にうっすら朱玉垣)。
- 光弘が四の宮と会う宮中の廊下、東福寺通天橋。光弘はバルコニーで待つ。
- 四の宮との術くらべの「ぺてん」で謹慎を食らった晴明、家から消えたのに気付いた藤哉と将之が捜しに出る夜道、上賀茂神社北神饌所裏手〜ならの小川畔。行き先の四の宮の庵は松竹オープンセット・酵素の家と似たアレ。
*四の宮が法力を見せる寺、劇中晴明が「ほうりんじ」と発音。便宜的に法林寺と書いたが、詳細は不明。だんのうさんか、あるいは虚空蔵さんか。
2010/3/8
■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第18話「望郷、三田尻はぐれ鳥」1982テレ朝/東映
特産の塩に食らいつく悪党ども、浜の人々のため彼らに抵抗する男勝りの塩問屋の女将。ここへ、幼い頃さらわれて行方不明だった女将の息子が帰ってくるが、けんもほろろの「瞼の母」展開、しかし冷たい態度には訳があった。哀しい母子を永遠に引き裂いた者どもを、御控さまは許さない。
ロケ地
- 三田尻の浜、琵琶湖東岸。砂浜は佐波江浜、河口州や堤は日野川か。浜には塩田あしらい、河口の葦原は灘屋裏口設定。
- 新二郎が岩田屋殺しを目撃する八幡さま、日吉大社東本宮前参道付近。
- 御控さまがお夕に塩田奉行を探るよう指示する町角、相国寺境内か。
- 新二郎の墓に参る灘屋の女将と娘、湖畔の墓地か。
*さらわれて転変のすえ渡世人となった新二郎は志垣太郎、母の灘屋女将は浅香光代。塩会所を作りウハウハを目論んでいた家老は幸田宗丸、手下の塩田奉行は宮口二朗、味方のフリをしていた同業者は天草四郎。
■ 陰陽師安倍晴明 〜王都妖奇譚〜
其の壱「王都最大の危機」 2002.7.2松竹/フジ
晴明の予言通り、帝の寵姫に災いが降りかかる。女御の魂にからみつき容易に離れないオニを退治る過程で、陰陽師と貴公子は互いを認め合う。
ロケ地
- 弟子を従え宮中の回廊をゆく陰陽寮司・賀茂忠行、平安神宮橋殿。
- 清涼殿、大覚寺宸殿。陰陽祭の祭壇は宸殿前白州に。
- 彩子の牛車が神隠しに遭う道、下鴨神社馬場。築地塀のパーツあしらい。
- 陰陽寮、大覚寺勅使門(上部)。影連に怒り愚痴る忠行、仁和寺宸殿縁先(池泉越しに塔が見えている)。彩子が難に遭った旨将之に知らせに来る使いは宸殿と南庭の仕切り前に控える。
- 権大納言・光弘に群がり心中を忖度する公卿たち、東福寺通天橋。導入は臥雲橋から見たショット、お芝居は橋上で。
- 忠行が晴明に将之と行動を共にするよう命じる廊下、大覚寺回廊。
- 彩子の御殿・昭陽舎の門、仁和寺勅使門。室内はセット撮り。
- 晴明が兄弟子・影連とオニが見える話をした幼時の竹林、北嵯峨か。
- 雷切丸を取りに行くルート、将之が影連のことを聞く竹林は北嵯峨か。ここで挿まれる晴明の回想、恨みを抱いて去った影連と別れた橋、松竹オープンセット。巌頭に立つ晴明たち、保津峡落合落下岩、足を止めて峡谷を眺めやる。雷切丸が封じられている洞窟、琴滝の滝裏にある設定、滝壺に役者が入るシーンあり。
- 彩子から離れ逃げたオニを追い、からくも退治るのは大覚寺天神島。
2010/3/7
■ 天下の御意見番罷り通る 彦左衛門外記 1987.9.10テレビ朝日/東映
大御所・秀忠逝去に際し、次期将軍・家光が採用した危険な政策を阻むために知恵伊豆がとった奇策は、過去の遺物の起用。禄も返上し、気ままに自堕落な日々を送っていた大久保彦左衛門のもとに送り込まれた工作員は、見目麗しくうら若き、伊豆守の妹なのだった。
ロケ地
- 大御所危篤の報を携え水野屋敷へ走る旗本、金戒光明寺永運院下坂(南望)〜長安院下坂(南望)。坂を駆け上り駆け下りる道を表現。駆け込む水野十郎左衛門屋敷は相国寺林光院門。
- 彦左邸を抜け出したちづるがやって来る伊豆守上屋敷、大覚寺大門。兄・伊豆守にお墨付きの件を報告する庭は白沙村荘倚翠亭。
- 大御所の供養に登城する彦左、江戸城イメージに姫路城天守。
- 外様大名帰国に向け持ち場を下知する水野、屋敷の玄関は相国寺林光院式台玄関。
2010/3/6
■ 影同心 第26話「金がかたきの殺し節」1975.9.27毎日放送/東映
弱い立場の無宿人を雇う、ピンハネ放題の親方は、寄場役人と結託しさらなる悪事を重ねる。わけても悲惨な一件が勘平たちの身近で起こり、悪党を粛清しても空しさだけが残るのだった。
ロケ地
- 仕事帰りの周太が通る道、上賀茂社家町・明神川畔。川中で子供の鞠を拾ってやり、杭に引っ掛かった袋を見つける次第。後段、周太が無宿人狩りに遭うのも同所。
- 南町奉行所、大覚寺明智門。集金のお金を落とした手代が拾得証明を貰いに来るが、宿直の勘平に断られ絶望して帰るくだり。
- 自刃した手代が見つかる川、大覚寺御殿川河床・落ち口付近。見つけて悲鳴を上げる娘たちは勅使門橋に。
- 周太が斬られ埋められる寄場、不明(砂地に幼松、水は湛水)。
- 周太が捕まった経緯に疑問を抱き右近と話す勘平、大覚寺蔵前(奉行所内)。
- 出陣時、夜の海イメージは琵琶湖南湖(バンクフィルムか)。
*周太は左右田一平、親なしというだけで脅えて暮らす腕のいい大工。彼と結婚を約束していた娘は入江若葉、父親は岩田直二で最後に己の出自を明かすのが泣かせる。ピンハネ親方は谷村昌彦、グルの寄場役人は八名信夫。
■ 赤穂浪士 第13話「城明け渡し」1979/4-12テレビ朝日/東映
いよいよ開城、藩士のみならず領民も別れを惜しむ。彼らに相対する大石の姿を見て、陣十郎が思わず拝跪するなど、「密偵」たちも大石観を今更ながら改めるが、彼は沈着な表情の下に滾る思いを秘める男なのだった。
ロケ地
- 副使・木下肥後守の家来が、酔って赤穂藩士を揶揄しなじる塩屋門、彦根城太鼓門櫓。いきり立つ安兵衛らを大石が大喝、宥める。
- 脇坂淡路守の許しを得た赤穂領民が別れを惜しみに押しかける大手門、彦根城天秤櫓。大石が直に出て民に礼を述べる。
- 大石の家族が仮の宿りとしている尾崎村の家、民家萱葺屋根。
- 開城のくだり、彦根城天秤櫓、太鼓門櫓の内外で正使副使軍勢が入ってゆく。退去する藩士らのシーンも同所。見分の係が入る城の蔵、彦根城佐和口多聞櫓(内側)。
- 脇坂淡路守が求めて大石に案内させる隅櫓、スリットから見える「海」は琵琶湖か。内部はセット撮り。
- 最後にひとり城を出てくる大石、彦根城天秤櫓。皆が外で待っているなか、橋上に立ち尽くし城を見返る。その後去ってゆく大石のシーンは橋下から坂。
2010/3/5
■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第17話「瀬戸は夕焼け夫婦船」1982テレ朝/東映
舞台は尾道、瀬戸の小島に抜け荷のブツを隠し、御用船に積み込み荒稼ぎの悪党ども。彼らに運命を狂わされた男女を救う御控さま、青年の若気の至りには鉄拳制裁も。
ロケ地
- 尾道イメージ、瀬戸の小島群と浄土寺多宝塔。尾道入りした御控さまが夕陽を見る浜辺は広沢池東岸、水中に鳥居あしらい、投網を打つ漁師も演出。
- 荒くれ水夫たちに追われた船頭が消されるくだり、琵琶湖岸(大きな岩が汀にある磯、「対岸」に高島の岬がちらり、遠景には長く伸びる河畔林と思しき影。渡し守の小屋脇には石鳥居、これは有りものと推測)。
- 辰吉とおみよが話す水辺、広沢池東岸葦原際(水中に鳥居、両部鳥居形式)。他に回想シーン等何回も出て、御控さまの立ち回りも。
- 抜け荷のブツを隠してある向島、琵琶湖岸(巨岩露出した荒磯、高島の岬が近く見える…沖ノ島とかかも)。
- 悪党一堂に会しガハハのところを御控さまに乗り込まれる奉行所、青蓮院長屋門。
- 一行が当地を去る浜辺、琵琶湖岸(砂浜、際まで草地が寄せている。行く手に河畔林らしき砂州、松原が控えている。波はけっこう荒い)。
*志破れ故郷に逃げ帰るものの、恋人の前に出られずにいるうち悪党の手先をつとめさせられてしまう辰吉はにしきのあきら。結婚を約束した娘・おみよは木村理恵、謀殺された彼女の父は河合絃司。悪徳網元は山本昌平、手下の荒くれは浜伸二、強面浪人は川浪公次郎。黒幕の家老は八名信夫、手下の尾道奉行は吉見荘三郎。冒頭に消された船頭は白井滋郎、向島に詰めていた用心棒のセンセイに福ちゃんや小船秋夫。渡し守の爺さまは神津善行。
2010/3/4
■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第16話「姫のお国の幽霊武者」1982テレ朝/東映
池田の殿様が拓いた新田に、奇ッ怪な事態。里人を泣かす騎馬武者はもののけに非ず、欲深い悪党どもの仕込み。それによって引き裂かれていた、哀れな夫婦の復縁を見て、御控さまたちはやっぱり姫も一緒に、山陽道を西へ。
ロケ地
- 旅の一座と共に岡山へ向かう一行、御室霊場巡拝路(坂道)。うるさいので他の道へやられた又八たちが迷い込む秋月新田の夜道、上賀茂神社ならの小川畔(祠寄り、川はあまり映さず)。このあと神事橋を渡り、怪しの騎馬武者に遭遇。後段、それを懲らしめに行って、同じく成敗に来た弥々姫たちと鉢合わせするくだりでは、又八と和尚は薙刀を振りかざされ川中に叩き込まれ。
- 岡山城、旭川越しに天守を見る図。
- お夕に村の様子を調べるよう指示する御控さま、梅宮大社舞殿脇。
- 侍姿をした一座の男衆をつけてゆく御控さま、仁和寺観音堂脇石畳。彼が参る小杉家の墓は仁和寺九所明神脇に墓石しつらえ。
- 小杉のことを住職に聞く御控さま、小杉の母が騎馬武者に殺され、妻女が拉致された摘み草の現場、仁和寺疎林。小杉の上司・郡奉行が仇討ちを指示した境内、仁和寺経蔵前。住職と御控さまはその経蔵の基壇に腰掛け。
- お甲婆さんが絹代を連れ出すと小杉とばったり出会う山道、酵素ダート。「元夫」に去られたあと、絹代が御控さまに事情を話す川べり、酵素河川敷。
- 郡奉行とその倅が馬を駆るのを見るお夕、下鴨神社馬場。
- 郡奉行の倅に罵られいたぶられていた小杉を助けたあと、彼の話を聞く御控さま、梅宮大社神苑汀。
- 騎馬武者の格好をした郡奉行の倅と取り巻きがゆく道、下鴨神社馬場。御控さまが待機しているのは河合社脇、馬上彼らを斬り捨てるのは馬場。あとからやってきた郡奉行たちを成敗する林は糺の森。
- 小杉が池田家へ帰参せず新田に残ると語られるくだり、イメージの青田は北嵯峨か。
- 一座と共に城下を去る御控さまを見てお冠の弥々姫、相国寺境内路地。
*小杉は和田浩治、騎馬武者に陵辱され離縁された妻女は朝加真由美、その父の名主は海老江寛。郡奉行は川合伸旺、趣味と実益を兼ねて騎馬武者を演っていた馬鹿息子は手塚茂夫、彼の取り巻きは峰蘭太郎と中嶋俊一。新田請負を狙う悪徳商人は大東俊二、奉行の意を受ける目明しは玉生司朗。一座の太夫は若柳禄寿。寺の住職は山村弘三、村の婆さんは荒木雅子。
2010/3/3
■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第15話「極楽とんぼのひとり旅」1982テレ朝/東映
姫路のご城下、名乗れぬ母の哀話。悪党にハメられ、殺しの罪を着せられ窮した若旦那は、それと知らず実母を頼る。罠は彼の父に迫り、悪事に加担させられかけるが、御控さまが現場に踏み込んでワル一巻の終わり。
ロケ地
- 姫路城、本物の天守を様々なアングルで。
- 盆踊りが催される城下、燈籠流しの川は上賀茂神社ならの小川。若旦那が追われ囲まれてチンピラを刺してしまう茂みは下鴨神社河合社脇。
- 御控さまが若旦那とその恋人を匿う寺、西明寺。弥々姫の池田家ゆかりの寺設定、山門と本堂縁先が使われる。
- 以前、御用の綿布の荷が賊に襲われた事件の真相を語る回想シーン、襲撃現場の水辺は広沢池東岸。
- 事後、これ以上若旦那に接触せぬため姫路を去るおるい、広沢池東岸と船上。船のシーンでは池の北東部がぐるっと映し出され、萱葺きの一件も映り込む。
*おるいは中村メイコ、襁褓の頃に手放した子の「若旦那」は加納竜、彼の恋人の娘は丘路恵子、若旦那を実の子として育ててきた播磨屋の主は深江章喜。播磨屋を綿布横流しの悪事に引き込もうとする次席家老は石橋雅史、グルの悪徳商人は江幡高志、使嗾を受け弟分のチンピラを殺し若旦那に罪を着せる紋々のアニキは井上茂。
■ 長七郎天下ご免! 第44話「恋も一途の仇討奉公」1980テレ朝/東映61
連続する辻斬りは物盗りに非ず、的の隠蔽に無辜を巻き添え。実行犯は仇持ち侍で、性根腐り果て悪党の手先に堕ちていた。彼に仕える、忠義の折助の情話が主題。
ロケ地
- 病に倒れた又平が先代と金吾に助けられた街道、不明(池端か)。
- 先代が佐々山大膳に斬られた津山の城下、不明(作り物っぽい石垣際、奥に楼門らしきシルエットも)。
- おさんの勤め先へ会いに来る又平、二人話す裏手は中ノ島橋たもと(中州側、堰堤の落水や欄干映り込み)。
- 金吾の回想、佐々山に挑むも敗れ、惨めに命乞いをした鎮守、鳥居本八幡宮。
- 又平が自首したあと、失踪した金吾を捜し回る浜乃家の衆、中ノ島橋上。
- 金吾の立ち回り先や、佐々山の現況を長さんに報告するなつと伊助、三人が下りてくる石段は神護寺石段。
- 伊豆守に会いに行き、又平の釈放を求める長さん、阪口青龍苑池泉。
*又平は森川正太、おちゃらけ一切無く糞真面目。恋人のおさんは岐邑美沙子。又平の主・金吾は三上真一郎、仇の佐々山は佐藤京一で凶悪風味、これを雇う作事奉行は勝部演之、つるむ悪徳請負師は金井大。
2010/3/2
■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第14話「なにわ娘の恋十手」1982テレ朝/東映
昼行灯の目明しは、娘の結婚資金を得るため凶賊逮捕に躍起。しかし相手の男は、当の賊に脅され苦しんでいた。若い二人のため奔走する御控さま、悪党のうしろにいた大鼠をぱきっと成敗、仲人もつとめ当地を去ってゆく。
ロケ地
- 淀川下りの三十石船、大覚寺大沢池。上り船の描写もあり、大沢池堤際で岸から船を曳航するさまを撮ってある。対岸からロングで上下する船の表現も。
- 大坂城、本物の大阪城を大手橋から。
- 新吉がガラの悪い一味に連れ去られたあと、御控さまにそのことを話すお葉、中ノ島橋上。後段、御控さまが新吉を説得するシーンでは橋下河川敷が使われている。
- 佐野屋を出た与力が大坂城代と密会する屋形船、大覚寺大沢池船着(小)。
- 大坂城代・牧野備前守邸、知恩院北門。
- 大坂を去る一行がゆく街道、東高瀬川河川敷。通行人や茶店あしらい、菜の花がちらほら咲いている。
*目明しの親爺は北村英三、娘のお葉は荒木由美子、恋人の新吉は荒木しげる。大坂城代は江見俊太郎、意を受けて動く与力は剣持伴紀、グルの両替商は森章二、凶賊のかしらは笹木俊志で一味の浪人に小峰隆司。賊に入られた商家の生き残りの手代は小船秋夫。
2010/3/1
■ 五瓣の椿 第5話「父と娘」2001.12.28NHK
遂に最後の的であり、最も憎むべき「実父」と相対するおしの。つまみ食いして孕ませた女は母のみならず、酷い目に遭わせた女も。鳥の生態に擬えて養父を揶揄する下衆さ加減に、おしのの怒りのゲージははね上がるが、心の奥底より湧き上がる肉親の情が、一線を踏み越えさせてくれない。
ロケ地
- おしのが丸梅屋を誑し込むのに使う、本所枕橋近くの茶屋・むらた、錦水亭東屋(池越し外観、夜景)。
- 青木が奉行の叱責を受ける南町奉行所内の一室、相国寺方丈座敷(開け放たれた襖から、法堂と北庭両方が望まれる)。
- おこよが店の小僧から徳次郎の消息を聞いて駆けつける弁天のやしろ、車折神社参道石畳。徳次郎の姿が掠める背景に、朱玉垣(字は霞んでいる)。おしのを乗せた駕籠舁きに話を聞く青木も、同所の石畳。
- 同心たちにおしのの跡を追わせている間に青木が休む茶店、今宮神社高倉下にしつらえ。ここへ青木宛のおしのの文が届き、そこを窺う彼女の気配に席を立ってやって来る青木のシーンは稲荷社裏手。
■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第13話「葵咲かせた白頭巾」1982テレ朝/東映
王城の地に立ち、それでなくても思うところある御控さまの前で、民を泣かせ私腹を肥やす、「葵」を笠に着た役人ども。どうにも捨て置けぬ奴輩を懲らすため大変身の御控さま、捨て身で兄の仇を討ちにゆく青年と心を合わせ、成敗の雨嵐。
ロケ地
- 京イメージ、金閣、銀閣、清水寺舞台(南から遠望)、東寺(南大門越しに五重塔)、八坂神社西楼門、渡月橋(左岸下流側の橋たもとから嵐山望、橋下に投網打つ男、河川敷に舞妓、橋上に雲水あしらい)、白川巽橋(白川女と舞妓芸妓あしらい)、清水寺全景(塔中心、南から遠望)、広沢池(南岸から遍照寺山を望む図)、大徳寺(鐘楼と金毛閣)、左大文字火床(大の字のみアップ)。
- 入洛した御控さまが感慨深げに風景を眺めるくだり、渡月橋たもと(右岸下流側、亀山を望むアングル。設定は鴨川・三条大橋)。このあと八坂の塔をイメージに挿入し、映画村オープンセットにしつらえた三条小橋たもとの茶店にスイッチ(屋敷町掘割畔、堀に船を浮かべ高瀬川を演出)。
- 弥々姫たちが夕涼みに出るくだり、京の夜イメージに東寺五重塔。「床」の出る鴨河原は嵐山公園・桂川川中に緋毛氈の床机を出して演出、姫と宮尾は中州河川敷・堰堤脇に立ち、「白頭巾」が起こす騒ぎを聞きつける(御控さまの立ち回りはセット撮り)。
- 京における幕府機構を語るくだり、二条城は本物の東南隅櫓、所司代は映画村のセットに看板、京都町奉行所は青蓮院長屋門(役人が出入り。喜三郎の叩刑執行は映画村のセットで)。御控さまたちが仮の宿りとした、喜三郎の住む裏長屋には塔の書割。
- 京都西町奉行所、大覚寺大門。山城屋からの賄賂が届けられるくだり。
- 御控さまに山城屋のことを報告するお夕、茶店は三面大黒天の中、導入は門越し、お夕のうしろに「文の助茶屋」の文字(撮影当時は移転前)。
- 御控さまが、喜三郎に言われてズキっと来た件を弥々姫に話すくだり、嵐山公園中州岸・堰堤脇(渡月橋下手、桂川河床に「床」のあしらいもの)。いいムードの二人をからかう舞妓の「見返り」は別撮りか。
- 事後、一行が京を去る際に出る京イメージ、東本願寺(御影堂門越しに御影堂と阿弥陀堂の甍)、泉涌寺舎利殿、東福寺(臥雲橋から通天橋を望む図、洗玉澗は新緑)、伏見稲荷千本鳥居と楼門、宇治川派流と酒蔵。伏見の二件のところで又八の「伏見京橋より淀を流れ三十石船」の台詞被り、役者が入ってのロケに移行。
- 京街道をゆく一行、松本酒造前東高瀬川堤(堤に地蔵や伏見・京橋の道標、茶店の小屋あしらい)。
*堅気なりかけで半ばヒモ状態の喜三郎は火野正平、タラシ風味。彼の恋女房は衣通真由美、河内の百姓総代で来て殺されてしまう実兄は岡八郎。黒幕の町奉行は北原義郎、配下の与力は早川保、悪どい目明しは汐路章、悪徳商人は高桐真、意を受けて荒事をこなすヤクザは有川正治、雇われ浪人は平沢彰や小峰さん。長屋の住人に島米八や広瀬義宣、ラス立ち福ちゃん入り・奉行配下の侍。
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