2010/4/30
■ 若さま侍捕物手帖 べらんめえ活人剣 (後篇) 1956.2.25東映
森の一軒家での若さま狙撃は謎の鬼面が防いでくれるが、その後もなかなか埒はあかず。一計を案じた若さまは豊五郎を脅しつけ、蔓のもとへ飛んでゆくのを見届ける。焦った悪党どもはおいとを拉致、助けに行った若さまが釣天井で危機一髪などもある。
ロケ地
- この二日が関ヶ原と話す豊五郎と横川、妙心寺仏殿基壇。
- 高家・横川邸、妙心寺龍泉庵。とん平が聞き込みをする通用門は大庫裏西塀通用門。横川邸へ逃げ込む豊五郎のくだり、とん平に尾行がスイッチするのは大庫裏脇路地。追い詰められた横川のくだりでは龍泉庵の門内側と式台玄関が使われている(門の外には捕り方が殺到)。
- 森の一軒家は前編と同じく糺の森、紅葉橋も映る。
*若さま乗り込みで大立ち回りの横川邸では、隙を見て皿を盗った安をきっかけに皿のキャッチボールがはじまって大笑い。あれで割れないんだから、ずいぶんな堅牢さ。
2010/4/29
■ 若さま侍捕物手帖 地獄の皿屋敷 (前篇) 1956.2.25東映
布袋屋の蔵が幾度も襲われる事件に乗り出す若さま、出てきた因縁は旗本家の拝領の皿。質入れした途端上覧の話が出る、返却を渋った布袋屋の主は間もなく頓死している、怪しい状況。墓がカラなのを確かめた若さまは燻り出しの芝居を打つが、主が隠れていた野中の小屋に黒イカが湧いて出る。
ロケ地
- 小普請組の山岡邸、不明(瓦の棟門、塀の石積みが少々腰高)。
- 山岡の倅と布袋屋の娘が密会する神社、不明(鳥居と小祠、周囲は草深い)。二人を見ていた布袋屋の大番頭・豊五郎が島抜けの安に声を掛けられ、場所を移し話す橋、不明(相国寺の天界橋みたいな感じ、池も映る)。
- 布袋屋の墓、不明。墓の中を確認して帰る若さまに声を掛ける高家・横川出羽守(上覧話持ち込みの当人)のくだり、不明(若さまと新吉がくぐる門は四脚門、適当にいなしたあと歩く路地は塀際、狙撃されるのは林間からで若さまたちは石畳上)。
- 山岡家に皿請け出しの金を与え、布袋屋に掛け合わせたあと豊五郎を張り込む若さまたち、尾行の道は下鴨神社紅葉橋〜河合社脇。一旦見失ったあと見つける野中の一軒家は糺の森にセット。
*二代さまから拝領の呉須の皿、絵柄は陵王か(線画で目のとこぐるぐる模様なもんだから、はじめパプアニューギニアの神様かと思った)。
2010/4/28
■ 敵は本能寺にあり 大曽根辰保監督作品 1960.9.11松竹
叛逆に至る光秀の心情を、細かく事象を積み上げて描く。各人の思惑ははっきりと示され、狡猾な後継者の登場を見る。
ロケ地
- アバンタイトルの山道、不明。あとで同じ道が出てきて、老ノ坂であることが判る。
- 安土城、模型か。デザインは江戸期の城っぽい。
- 安土から坂本へ帰る光秀主従、船がゆくのは琵琶湖上。
- 近江坂本城、琵琶湖畔に城門等をセットか。後段出る浜辺のシーンでは石積みの具合がよく判る。
- 人質の母を波多野兄弟に引き渡す道、不明(河原か、砂地でまわりに幼松)。
- 波多野兄弟が磔になる野原、不明。
- 船遊びの信長が光秀の功を称え盃をとらせるシーン、琵琶湖上に船を多数浮かべ。
- 細川忠興との縁談に反発した珠が、左馬之助と桔梗のデートを見るお堂、浮御堂。
- 甲斐へ進軍する信長、不明(台地、饗庭か。家康との連合軍で武田を滅亡に追いやる大会戦)。
- 秀吉の高松城攻め、模型。
- 安土城、家康を能でもてなす庭、仁和寺南庭。勅使門前の白州に舞台が。
- 亀山へ向かう光秀の軍勢、不明(山道)。愛宕神社、セットか。
- 亀山城を出て行軍の光秀、雷鳴轟く山道はアバンタイトルのそれ。やがて「老の坂」と書かれた道標が出て、駒をとめた光秀が「我が敵は備中に非ず」と宣する。
- 本能寺、セット。睡蓮が咲く溝が表現され、山門前には風雅な橋が架かる。炎上シーンはけっこう派手。
- 秀吉のもとへ凶事を告げに走る早馬、不明(人質渡しの道と同所か)。京へ駆け戻る秀吉軍、迎え撃つ光秀軍、不明(同じ道、平地の野原)。山崎合戦、セットと野原を併用か。
- 左馬之助湖水渡り、琵琶湖畔。敵軍に気付き引き返すシーンの橋は流入河川の橋、駒で上陸の浜は琵琶湖汀。
- 落ち武者狩りに遭う光秀主従、不明(竹林)。
2010/4/27
■ 丹下左膳 怒涛編 松田定次・松村昌治監督作品 1951.1.3東映
豪放磊落を絵に描いたような左膳、ガハハ笑いが似合いまくりな大友柳太朗。ちょっと落ち着いてものを考えよと思わず突っ込みの入る愛くるしさで、視る者を引き込んでゆく。
大海賊・張鬼竜の財宝のありかを秘めた香炉をめぐる活劇に情話と恋がからみ、大立ち回りへなだれ込んだあと、左膳と長屋衆は鹵獲した船で大海原へ。
ロケ地
- 柳生へ下賜される香炉の行列がゆく街道、木津堤か。このあと堤法面や堤下石垣際で、香炉を掠めた与吉を長崎屋一味が追って大騒動。
- 庭の池で釣りの上様に香炉の件を報告する愚楽老人、二条城二の丸御殿書院前池泉。
- 左膳がお藤とチョビ安を連れてやってくる浅草寺、清凉寺山門に大提灯あしらい。縁日のシーンはセットにスイッチ。
- 伊吹の指示でお藤とチョビ安の危機を知らせに走る与吉、途中通る海辺は琵琶湖西岸。湖畔の家並みも使い漁師町を表現。左膳が駆けつける際にも出るが、こちらには砂州等も映り込む。
- 長崎屋から取り上げた大船で財宝の眠る島へ漕ぎ出す泰軒たち、船が浮くのは琵琶湖か。
2010/4/26
■ 水戸黄門41 第3話「過去を消した謎の女!」2010.4.26TBS
一行が見た、ためらいつつ東慶寺に入った駆け込み女は、果たして訳あり。因果は老公によってほどかれ、引き裂かれかかった一家は元の鞘に。
無幻斎が現れて悪党に加担、彼によって危機に陥ったお娟たちを隼人がチェストでヘルプ。
ロケ地
- 悪夢を見た美加が早駕籠を仕立てて来る道、不明(大岩ナメて山道、植林地か)。
- 東慶寺、毘沙門堂参道と薬医門。内部はセット撮り。東慶寺イメージに本物の堂塔。
- 三年前、民蔵がお鶴を助けた崖、不明(山道)。
- 無幻斎の術に惑わされたお鶴が入り込む林、不明(竹まじりの雑木林、奥に巨石。いつものアレかどうかは不明。この林に先立って溜池らしき水面が映る)。
- 当地を発つ一行がゆく道、不明(造園業者の敷地?スタンダード仕立ての杉生えた切り通し、苔が印象的)。
*外道から逃げてきた元武家女のお鶴は村井美樹、彼女を助けた鎌倉彫職人は布川敏和。非道を目撃したお鶴を追う家老父子は青山良彦と比留間由哲。東慶寺の庵主は白木万理。
2010/4/25
■ 雪の渡り鳥 加戸敏監督作品 1957.10.29大映
やむなく恋人を諦め、故郷を去った銀平。戻ってみれば恋しい女は不幸の淵に、ばかりか再会した彼らを目撃した女の亭主は嫉妬に狂い、銀平を売ってしまう。
ロケ地
- クレジットタイトルの下田港、琵琶湖か。
- 下田に帰った日に銀平と卯之吉が痛飲しへたりこむ夜の浜辺、不明。
- 銀平が下田へ戻るくだり、不明(海辺の道が様々、琵琶湖内湖?に似た渡し舟の情景など)。
- 帆立一家との立ち回り、奇岩そそり立つ磯。
2010/4/24
■ 赤穂浪士 第19話「悲恋の大文字」1979/4-12テレビ朝日/東映
大石の遊蕩募り、浮大尽の名は轟く。世を欺くためと承知しながら、年嵩の同志でさえ眉を顰めるご乱行は、瀕死の遊女の枕辺に駆けつけるほど。その大石を護り、隼人は柳沢が放った刺客を斬って捨てる。
ロケ地
- 朝帰りの隼人が月見草を摘む水辺、広沢池東岸。花はお仙に。
- 夕霧太夫の回想、15年前の大石が両親とお参りの自分を暴れ馬から助けてくれた大坂・天満天神、下鴨神社参道。立ち竦む親子は奈良殿橋にいて、背景に二の鳥居が来ている。大石は若殿快癒の願ほどきに来ていた設定。
- 柳沢の家来が手懐けている、泉岳寺の寺男が目撃した、大高・潮田の墓参、大覚寺聖天堂前(二人は土饅頭に額づき嗚咽)。
- 大石が夕霧太夫と眺める大文字、作り物か(松明の数が少ない/中央の火床から炎が上がっていない)。
- 柳沢の放った刺客たちが男衆から話を聞く清水寺の茶店、仁和寺茶店。これに先立って清水寺舞台が映し出され、仁和寺の塔をナメて茶店のカットにスイッチ。隼人らが入ってきたため出てゆく刺客たちは、参道のステップを下りてゆく。
- 京に於ける浅野家香華所であり、密談の場に使われる瑞光院(堀川通鞍馬口下ル)、門は一様院山門、お堂は西壽寺本堂。
- 夕霧太夫をみとって帰りの大石を襲った刺客を斬った隼人、大石に心底を見透かされたことに忸怩・立ち尽くす水辺は広沢池観音島。
*島原の太夫・夕霧は小川真由美。父はお犬様を殺め処刑された設定。
2010/4/23
■ 新吾十番勝負 第三話 時代劇スペシャル、1982.7.30三船プロ/フジ
非道をはたらく偽新吾は、新吾を尾張へおびき寄せる罠。気さくに接してくる宗春や尾張柳生の総帥は、キナ臭い企みを隠していた。
思わぬ「顔」との再会、新吾のため体を張った友の死、そして新吾は母と別れ再び旅の途に。
ロケ地
- 名古屋城イメージ、本物の天守。
- 江戸城イメージ、皇居富士見櫓。「新吾」の非道を書き立てた宗春の親書が届けられるくだりで出る。
- 母やお縫と別れ旅立つ新吾、多摩川堤松並木。
2010/4/22
■ 新吾十番勝負 第二話 時代劇スペシャル、1982.2.26三船プロ/フジ
旅を続ける新吾だが、降りかかる火の粉を払い、気の毒な人を助ける行為が、ますます彼と父母を隔ててゆくことに。また、御落胤の存在そのものが世を揺るがすとして、刺客が放たれる。戦いのなか、新吾は大事な友を失い激怒、父将軍に会うため江戸へ向かうのだった。
ロケ地
- 新吾のことを思い出し佇むお縫、そこへお鯉の方がやって来て新吾の消息を告げる橋は彦根城玄宮園竜臥橋。
- 大坂から戻ったお縫にトラブルの経緯を聞き沈むお鯉の方、そこへ吉宗が現れて大名を斬ったから新吾の召還は難しいと告げる城内、彦根城天秤櫓下石垣際。
- 大坂へ遣わした大和守から、己の処置に不満をぶちまけた新吾のことを聞き激怒する吉宗、彦根城城内坂(天秤櫓下)。
- 新吾の無事を祈願するお縫、帰りかけると鳩と遊んでいた駄右衛門が声をかける神社、根津神社本殿前。彼を急かし走るお縫は楼門をくぐってゆく。
- 事後、新吾がお縫を待っていると吉宗がお忍びで対面しにやって来る神社、根津神社。二人は楼門を挟んで対峙、ずんずん歩み寄る新吾だが声は掛けず走り去る。
- 再び旅ゆく新吾、富士の見える野。
2010/4/21
■ 新吾十番勝負 時代劇スペシャル、1981.5.15三船プロ/フジ
橋蔵はじめ、いろんな人が演じてきた御落胤もの。主人公の若武者ぶりは言うに及ばず、脇の配役が楽しみなのは定番ものの必然で、忠臣蔵を見るたのしみに通じる。本作の見どころの随一は、個人的には日本駄右衛門を演じた田中浩で、彼の「ええもん」が珍しいばかりでなく、赤フンちらちらさせながら新吾のために立ち働くけなげなオヤジが、めっちゃ可愛いのである。
秩父山中で修行三昧の日々を送る青年・美女丸は、剣の上での諍いで人を斬ってしまい、死を賜るところで出自が判明、大騒ぎに。
江戸からやって来た老中が、御落胤だった美女丸を連れて帰る途中、悪逆なる者どもが襲い老中は頓死。いきさつを知った美女丸は懊悩し、一旦は秩父へ帰るものの師匠の叱咤を受け、難事に立ち向かい見事悪の首魁を討ってとる。しかしその天晴れな行為が、彼と両親を更に隔ててしまうのだった。
ロケ地
- 冒頭、滝でトレーニングの美女丸、白糸の滝。お縫が来てのやり取りがある河原は別撮り。
- 江戸・千代田城、彦根城佐和口多聞櫓。お鯉の方と吉宗が逍遥する大奥の庭は彦根城玄宮園、天守映り込み。
- 師範代以下の藩士を斬ったかどで殿様の裁可を受けるため、美女丸が連行される筑前福岡城イメージ、彦根城天守頂部。
- 美女丸の師匠のはからいで江戸へ赴いたお縫が、お鯉の方と会う上野寛永寺、百済寺庭園本坊。これに先立って映る「門」は別の場所。
- 曲折を経て、父母のいる千代田城の堀端に立つ新吾、彦根城堀端。
2010/4/20
■ 髑髏検校 1982.8.20CX/東映
百六十年を経て現れた復讐鬼は、ヴァンパイヤとして顕現。妖しの検校とその一味は、大奥のお局さまや筆頭老中を次々と手に掛け、遂に御台所や将軍自身に危難が及びかけるが、命を投げ出して主の命乞いをした腰元の行為は、「神の子」のトラウマを突く。
横溝正史の原作は改変されていて、陽炎姫の設定や、朱之助が検校に会う経緯などが変えてある。被害者は大奥に巣食っていた悪党ばかりで結果世直しになってたり、演じるのがマサカズゆえ検校のグロい場面は無くて、音消して見てると腕下主水と間違えるかもって感じ。松虫鈴虫の牙シャキーンや、櫓から落っこちると白骨化はあるが、骨寄せはやられキャラの役者が舞台で見世物に使うだけ。あとどうしても気になるのは、ドーベルマンのその後。個人的には、蘭渓先生が盛大に撒くにんにくの花が大受け。
ロケ地
- 御用船・橘丸が難破し、助かった水夫と鬼頭朱之助が漂着する西海の孤島、不明(島や浜はマジ海)。松虫鈴虫が彼らを誘導する不知火検校の屋敷、中山邸門。
- 江戸城イメージ、姫路城天守。
- 家斉が側室・お美代の方と一緒になって御台所にイケズをするお庭、枳殻邸印月池畔。導入は侵雪橋の橋脚越し。
- 祈祷を終え日啓の寺を出てくるお美代の方や姉小路の局に松平伊豆守、相国寺大光明寺玄関前。中仕切りと門内側も映る。
- 姉小路の局と通じていた役者が死体で見つかる堀端、渡月小橋下手右岸河川敷(欄干ナメて)。
- 腰元の琴絵に恋の経験について聞く御台所、枳殻邸回棹楼〜傍花閣。遣水がイメージに挿入されている。
- 不知火検校主従が塒にしている谷中・観得寺(元隠れキリシタン祈祷所、閉鎖中)、大覚寺心経宝塔。前に竹矢来つきの柵があしらってある。
- 検校の中の人が琴絵を見て思い出す、恋人と睦んだ天草の浜、不明(マジ海)。
- 吸血鬼のアジトへ入って犬に追われ、スケベ侍女にたぶらかされて血を吸われるチンピラたち、大覚寺護摩堂。
- 吸血鬼に変じて将軍を襲ったお美代の方が、伊賀者に追われ行き着く城門、彦根城天秤櫓。彼女がコケると扉が自動で開いて、外に検校が立っている運び。事の始末にキレた日啓が、薙刀振りかざして襲い掛かるシーンも。ここは後段、朱之助らが駆けつけて検校の侍女と戦う場面にも使われる。
- 吸血鬼避けの十字架が法に触れ、投獄されていた蘭渓の釈放を喜ぶ朱之助と数馬、中ノ島橋。ここで妖怪退治は昼間と話が出て、数馬が谷中の寺の狼犬の噂を思い出す。
- 事後、自刃するも生きていたことの不思議を思い水辺に佇む琴絵、嵐山公園中州堰堤脇(中ノ島橋上手、橋映さず)。
2010/4/19
■ 水戸黄門41 第2話「恋と嵐の江戸の春(後)」2010.4.19TBS
前回のちゅどーんに続き、今回はみんなそれぞれに危機一髪。風車の親分なんかラス立ちに至るまで消息不明だったりするが、そこは水戸黄門、広げた風呂敷は一瞬で畳まれ、いとけない子供まで道具に使った悪党は、闇へまっ逆さま。
ロケ地
- 前回の続き、老公が爆薬を仕掛けられた神奈川の浜、不明(マジ海)。このあと船でゆく一行、不明(池?静水域)←ここでおせいと隼人の馴れ初めが語られる。
- 宴果てて屋形船から降りてくる中条と蔦吉、嵐峡船着き(夜)。
- 松平源之助の回想、隣家の娘だった幼い蔦吉が屋敷を出てゆく日、達者でと声をかけた町角、随心院長屋門前。
- 江戸を発つ一行に新吉が加わる道筋、大覚寺聖天堂前。このあと海辺へ(先の「神奈川」と同所)。
- おせいと弥七が別れる街道、酵素か。
*ラス立ち福ちゃん入り、大目付の家来。印籠見てびっくりの蔦吉のうしろにもいる。騒ぎを聞きつけて大目付屋敷に駆けつけてくる役人は波多野博。
2010/4/18
■ 勘太郎月夜唄 田坂勝彦監督作品 1952.9.11大映
忍ぶ恋は勘太郎に無謀なカチコミを敢行させ、愛する女の亭主に妬心を起こさせる。その亭主は悪党に利用され勘太郎を嵌めにかかり感情は縺れるが、一途に夫を慕う女を目の当たりにして、激情はくたくたと溶けてゆく。
ロケ地
- 勘太郎が清吉と名乗り働く、材木積み出しの飯場がある天竜川、保津峡。筏流しは峡谷で、人夫たちの大喧嘩は落合河口、止めに現れる清吉は桟道があった左岸の巌から登場。
- 伊那、おまつ婆さんの茶店がある渡し場、琵琶湖流入河川河口部か(涸れ川、堤法面には蛇籠ふう護岸)。勘太郎が生きていたとの噂を聞く野良の夫婦、不明(木橋たもと、欄干つき)。
- 勘太郎の親代わりの和尚が住持する寺、仁和寺九所明神拝殿。今のように囲いの柵が無く、勘太郎やおみつは縁先に腰掛けたり。後段では本殿の玉垣がちらりと掠め、織部灯篭ははっきり映っている(蕨手の灯篭はあしらいものか在ったものか不明)。
- 勘太郎が伊那へ向かう道、不明。山あいのうねうね道や吊り橋、礫河原に架かる木橋、両側石積の切り通しなど。筏流しを見る河原は保津峡。
- 勘太郎の回想、鍾馗一家に簀巻きにされ運ばれる天竜の土手およびドボンの川、不明(谷口か、屈曲点)。
- 勘太郎が足を踏み入れる、お京の家がある里、不明(くねった坂道を登ったところにある集落、基礎は石積み)。
- 天狗組が新吉に次の押し込みを強要する街道、不明(松並木)。脅されているところへ勘太郎が現れるお堂、不明(御室霊場に似るがセットかも)。
- 新吉が鍾馗の手下に捕まり、訴人したのは勘太郎と吹き込まれる道、不明(山道、道端に民家)。
- 寺の参道、不明(門くぐると大きな杉、もう一つステップ経て中へ)。新吉と待ち合わせる場面。
- お京夫婦、和尚と娘に見送られ里を去る勘太郎、不明(山裾の道)。
2010/4/17
■ 長七郎旅日記 はやぶさ天狗 大西秀明監督作品 1959.11.24東映
家綱が将軍職を継ぐにあたっての日光参詣、ここに悪心を抱く獅子身中の虫あり、日光に監禁されていた前越前宰相・忠道の遺児とのすりかえをはかる。家綱の守役の爺さまはキナくさい空気を読み、甥の長七郎を派遣。葵真流を操る貴公子は華麗に大暴れを繰り広げ、たった一人で悪を誅滅する←ほんとに一人で大立ち回り、味方は上様守ってるだけで手出しせず。このほか、吉田義夫と進藤英太郎が忠義面してべらべら申し立てて話が見え見え、わかりにくさ皆無の痛快作。
ロケ地
- 日光奉行・石塚主水正が忠常を牢から出すくだり、石塚と一味が騎馬で渡る神橋、清滝の落合橋か。忠常が監禁されている日光奉行所特別番所を見遣る尾根、湖南アルプスか。
- 江戸城、書割。真ん中に五層の立派な天守。
- 忠常が牢への落雷で焼死したという知らせに不審を抱いた守役・道閑が急ぎ訪れる長七郎の屋敷、不明。アプローチは石積に生垣、門は細竹編みの洒落た作り。
- 老中筆頭・土井豊後守邸、仁和寺本坊表門。両脇に海鼠壁パネルあしらい。
- 土井の手下・秋月右京らが、日光へ向かう長七郎を阻止しようと待ち構える壬生宿手前の道別れ、木津堤か琵琶湖流入河川か、いずれにせよかなり高い堤。秋月らをかわす長七郎たちは土手法面中ほどに、ちょん平に文を託された乞食坊主が土手法面上部に伏せる刺客に「御役目御苦労 はやぶさ天狗」と書かれた文を渡す。秋月に叱られる刺客たちの背後、遠景に細長く水面が光る。
- 樹上に潜む刺客の銃撃を、馬腹に隠れてやり過ごす古賀宿の松並木、琵琶湖岸松原。
- 日光参詣に出立する家綱、東映城か(郭が長すぎ)。
- 日光奉行所門前に立ち中を窺う、虚無僧姿の長七郎、京都御所長屋門。
- 家綱の行列がゆく街道、不明。道端に薄揺れる地道、ヘアピンカーブの山道。
- 土井ら一行が渡る神橋、先に出た橋と同所。江戸からさらってきた棟梁に抜け穴の秘密を迫る道は林道。水を一滴も与えていない棟梁の前で、水をたらふく飲んだり水遊びしたりして陥落させるのは山中の小橋上、細い谷川は清滝水系か。
- 日光イメージ、華厳の滝。右へパンしたあと映る、虚無僧の長七郎が土井たち一行を見遣るのは谷川沿い、清滝か(流れ豊か)。
- 杉並木をゆく家綱の行列、不明(巨杉の並木、細い一本道)。東照宮、本物か否か不明。御霊屋はセット。
- 事後、晴れやかに将軍の駕籠を先導する長七郎、通るカーブは先に出たものと同じ、右にパンすると映る盆地は亀岡や湖東のそれに似る。
2010/4/16
■ 赤穂浪士 第18話「蝉しぐれ」1979/4-12テレビ朝日/東映
間者の視線を認めた大石は、その足で撞木町へ。擬態を理解する者あれば、遊蕩に怒る者あり、隠忍の日々は誰にとっても「死人の修行」なのだった。
ロケ地
- 大石が主税を連れて京へ遊びに出る道、北嵯峨か(竹林際、道の下が池のようにも見える/この前に出る、隼人が居眠りを決め込んでいる水辺も不明←背後は傾斜地)。
- 柳沢の指示で岩瀬に山科行きを命じる権太夫、金戒光明寺墓地(塔映り込み)。
- 安兵衛らに忠告する細井広沢、不明(農地に茶店仕立て、遠景は川堤か。現役らしき水車映り込み)。
- 岩瀬ら四人の間者が京を目指す道、不明(河原か、2シーンとも水辺)。
- 懊悩の果て幸のいる家を出た小山田が石を投げる水辺、広沢池北岸か。
- 大石寓居を見張る岩瀬ら、不明(竹林)。大石の駕籠がゆく山道、不明。
■ 探偵!ナイトスクープ
「悪役として斬られたい71歳・父の夢」2010.4.16ABC
依頼者の父が、「ええもん」に扮した峰蘭太郎に、悪代官として斬られる。代官の手下に、福ちゃんと木下さん。本番に先立って、剣会の道場でレクチャーを受ける様子も放送された。福ちゃんは浪人姿、海老反りをばっちり披露。病み上がり丸出しのオッチャンが、「現場」の匂いを嗅ぐやお目々キラキラ、背筋シャキーンで体当たり演技が傑作だったけど、果たしてあのあと大丈夫だったろうか、とても心配。
2010/4/15
■ 大化改新 2005.1.3NHK、古代史ドラマスペシャル
幼馴染で学友設定の鎌足と入鹿、時の移ろいの果て新政のため親友を討つに至る若き鎌足を描く。聖徳太子の遺徳を偲ぶ鎌足は、太子の一族を滅ぼし南淵請安を殺した入鹿が許せずに中大兄皇子に与するが、朝堂の階に伏す友を抱いて号泣する。
ロケ地
- 幼い鎌足が祖父に連れられ大和へ向かう雪嶺、セットか。この年、聖徳太子没す。
- 「中臣の若」が祓いを頼む男に捕まる棚田、飛鳥か。里居、明日香村野外セット。
- 僧・旻の学堂からの帰り道、入鹿と話す鎌足、春日山原生林(日向らに囲まれてからまれ)。
- 中臣の家がある里、明日香村野外セット。
- 蘇我館の門、薬師寺中門(夜)。
- 唐の使者が宝皇女に帰国の挨拶を述べるくだり、法興寺は薬師寺。金色の飛鳥大仏と西塔をイメージに挿入、鎌足に声をかける入鹿は玄奘三蔵院伽藍で、回廊を毛人がやって来る。伎楽がはじまる段でセットにスイッチ。中座した山背大兄皇子を呼び止める鎌足は白鳳伽藍回廊外、西塔が映り込む。このあと山背が馬を駆る丘、甘樫丘か(都を見下ろし)。
- 岡本宮炎上後、放火犯を忖度する学堂帰りの鎌足と入鹿、若草山(飛鳥ふう彫像あしらい)。
- 三島郷へ行くと決まったあと、入鹿と話す鎌足、若草山。二上山に沈む夕日を演出。
- 三島の鎌足の家、木津河原(右岸)。
- 宝皇女の雨乞い、不明(山上に「台」しつらえ)。
- 毛人が山背と密会する場を押さえ、父の行動を牽制する入鹿、酵素。山道はダート、父と話す伏屋は河川敷にあしらい。
- 山背と戦になると知らせてきた入鹿の文を見て、都へ馬を駆る鎌足、木津河原か。
- 斑鳩宮、平城宮跡東院庭園南門(外側、夜景)。内部はセット。山背皇子を説得して戻った鎌足が、「約束」を破って進撃してきた軍を見る野、河川敷か。
- 斑鳩宮炎上後、軍を率い引き上げてゆく入鹿、若草山か。死屍累々の野、不明(丘の斜面?)。
- 南淵請安の施療所、木津河原にしつらえ。ここにいたボランティアの中大兄と鎌足が意気投合、川で水汲み。
- 板蓋宮、セットに町並み合成、遠景の山並みは飛鳥の里か。
- 宮殿を見下ろす位置に新しく建てられた甘樫丘の蘇我館、亀岡か。
- 高句麗への出兵のため徴発される民のくだり、明日香村野外セット。男たちが引かれてゆく道、不明(竹林際の野道)。
- 兵を刺したかどで投獄される鎌足、請安も入れられている牢、不明。請安の亡骸が放り出されるのは蘇我館から。
- 蹴鞠をしていた中大兄の沓を鎌足が拾う法興寺(飛鳥寺)の庭、薬師寺金堂脇。その後二人が話す森は春日山原生林。
- 石川麻呂に接触した鎌足を捕えてこさせ、思いとどまるよう迫る入鹿(狩りの最中の野原)、大堰川河川敷か。
*斑鳩宮炎上後、皇女の亡骸を引き取りに来た中大兄を誰何する兵の一人に福ちゃん、防人ふう。
2010/4/14
■ 長七郎天下ご免! 第50話「殉死!悲しき武士道」1980テレ朝/東映63
先代の殿に殉じようと心決めて生きる侍、彼が煙たい向きはその事情を利用しての始末をはかる。彼を真の武士と見込んだ長さんは、己が身分を明かして説得するのだった。
ロケ地
- 太助と釣りに出た長さんが、抜け荷を摘発して危機に陥っていた烏山藩目付を助ける川端、広沢池東岸。
- 烏山城イメージ、彦根城佐和口多聞櫓をいろは松越しに望む図。
- 烏山藩江戸家老が悪徳商人と密会する屋形船、広沢池。船頭が弥太、芸者がなつ。
- 国元から戻る途中の村田が路傍の地蔵に祈る街道、北嵯峨農地農道。妹の祝言を終えて、悪党を退治し終えたら先君に殉じると独白。
- 長さんが伊豆守に村田のことを話す庭、嵐亭延命閣前庭。伊豆守は弓のお稽古中。
- 村田の妹に会い励ますおみつ、神泉苑。おみつは法成橋を渡ってやってきて、くめのいる善女龍王社脇へ。高所からのアングルあり。
- 駿河大納言の死後、一人生き残った身の惨めさを説いて村田を説得する長さん、広沢池東岸(村田は例え話のみで「身分」に気付く)。
*村田は中野誠也、妹のくめは三浦リカ、彼女と祝言予定の部下は谷岡弘規。抜け荷でウハウハの江戸家老は川合伸旺、腹心の留守居役は綾川香、グルの悪徳商人は田島義文。善玉の国家老は永野辰弥。
2010/4/13
■ 折鶴笠 冬島泰三監督作品 1951.8.31大映
旅の途中で供とはぐれたお嬢様を、ちんぴらの兄哥が助ける話。思い込みによるぶっ飛んだ誤解と、掏摸や欲深渡世人がこそこそ立ち回るせいで、兄哥は娘を守って大立ち回りを演じる羽目に。
鶴太郎の所作が決め手のコメディ、おちゃらけたけちな兄哥をさんざん見せられたすえに出る、お菊の夢に登場の「前髪立ちの折鶴さま」は噴飯もの。
ロケ地
- お菊が番頭とはぐれてしまう馬入の渡し、不明。渡し場と周辺の街道筋は、松がぽつぽつ生えた地道、対岸に並木のある土手など。琵琶湖周辺かあるいは淀堤か、判別できず。
- 鳴海屋にはとどまらず水戸の母のもとへ向かう鶴太郎、谷地田の切り通しか。
2010/4/12
■ 水戸黄門41 第1話「恋と嵐の江戸の春(前)」2010.4.12TBS
柳沢に取り入って出世した男がまともなはずもなく、悪事の根は深い。彼に両親を殺されたも同然の辰巳芸者や、彼女の馴染みの柳沢大キライな御血筋など出て賑やかに展開、悪党どもは薩摩を陥れて利権を漁ろうとしており、事態はけっこうアブナイ方向へ。
ロケ地
- 薩摩藩江戸屋敷、門は大覚寺大門。助さんが見合いの座敷は随心院書院、元々の見合い相手が乗り込んでくるのは随心院本堂前池泉畔、雨降って地固まるカップルを見ている老公たちは随心院回廊。
- 薩摩に向けて放たれた隠密がチェスト侍に斬られる坂、不明(山腹、周囲は林)。
- 怪しの一団により沈められた薩摩船の船員が漂着する神奈川の浜、不明(マジ海)。ここは前編のラストシーンにも出て、老公狙って派手ファイヤー場面あり。
- 薩摩船の唯一の生き残りの娘を連れて逃げる弥七、酵素ダート〜河川敷。助格や源之助が参戦、印籠もここで。
*「仇」の大目付は亀石征一郎、つるむ悪徳商人は石田太郎。市井にあって喧嘩仲裁などする松平源之助は中村雅俊、辰巳芸者は東ちづる。薩摩の家老は小沢象、殿様は篠塚勝。酵素で出る役人に福ちゃん入り。
2010/4/11
■ 四谷怪談 三隅研次監督作品 1959大映
貧乏御家人の入り婿が妻を見返り、組頭の娘を娶る段で起こる惨劇。根幹の筋立ては他の作品と同じだが、長谷川一夫が主役ゆえ伊右衛門は極悪人ではなく、悪友にたばかられて悲劇を出来させる運びで、おどろおどろしい場面は少なく抑えぎみ。
*ロケは無し、全てセット撮り。民谷家や袖を助ける茶屋など、よく作りこまれて美しい。隠亡堀はさほど陰惨ではないが、髪が絡みつく場面はサルガッソ海みたいで気味悪し。
- 民谷伊右衛門/長谷川一夫 貞淑で夫が役付きになることを望む妻を少々疎ましく思うも、気には掛けていて櫛も買い与える。若党の小平にはマジで嫉妬したり。
- お岩/中田康子 流産ののち体調を崩し寝込みがち。鉄漿施し、化身は蛇。
- お梅/浦路洋子 乱暴者から助けてくれた伊右衛門に一目惚れ、遂にゲットするも新床でバッサリ。
- お袖/近藤美恵子 岩の妹、夜は湯女風呂でバイトして結婚に備える。直助の魔手からは逃げ切り。
- 小平/鶴見丈二 岩への情募り抱きついたり。岩と戸板に括られ隠亡堀へ。
- 与茂七/林成年 店を持ち袖と結婚するため精出して行商、彼に悪の手が伸びることはない。
- 直助/高松英郎 岩に毒を盛る企みはこやつが考案、袖の計略にかかり悪事を開陳。
- お槇/村田知栄子 袖の乳母、直助と組んではかりごとを巡らす結構悪いおばさん。
- 秋山/杉山昌三九、関口/須賀不二男 伊右衛門の悪友の御家人仲間、金目当てで袖に取り持つ。
- 伊藤喜兵衛/嵐三右衛門 袖の父、はじめ伊右衛門をすげなく扱い笑いものにした作事方組頭。
- 宅悦/東良之助 ただの按摩で悪事とは関係なし、民谷家に出入りし岩を揉み療治。
2010/4/10
■ 大仏開眼 後編 2010.4.10NHK
仲麻呂が勢力を伸ばし、専横を極めたのち滅びるに至るプロセスに、出来事をからめる。巨大な偶像は、その大きさゆえに人を圧し、癒し、惹きつける。
ロケ地
- 恭仁宮、不明(谷あいの里を遠望し合成?)。
- 光明皇后に大仏造立を命じられた諸兄が、真備にその困難を愚痴る宮の庭、大覚寺遣水跡(草地で安積皇子が打毬に興じている)。
- 行基が用水路工事を施工している、泉橋院近くの野、瑞穂造成地。
- 行基のもとにいる優婆塞たちの僧侶昇格は難しい旨を、真備に告げる阿倍内親王、不明(谷川畔、二人は川に突き出した大岩で釣り)。
- 大王を狐狩りと称して連れ出し、行基に会わせようとする真備、途中で襲撃を受ける道、不明(林道)。
- 聖武帝の回想、幼時父帝の平癒を祈った巨樹、春日山原生林か。
- 行基が大仏造立への助力を応諾したあと、夜更けた泉橋院近くの野を歩き話す真備と阿倍内親王、不明(優婆塞たちが野に座し読経)←安楽律院、2010/4/18現地確認。
- 玄ムと真備が互いの思いをぶつけ合う夜の森、下鴨神社池跡。
- 盧遮那仏造立の詔を拝聴する諸官、平安神宮(背景に鴟尾つきの甍)。各地でなされる布告風景、行基が民を説く陸は瑞穂造成地、高札立つ街路は一乗谷朝倉氏遺跡復元町並、土手下の里は大堰川河川敷。
- 詔のあと、難波宮へ向けて発つ大王一行、下鴨神社馬場。列から離れて恭仁へ戻る安積皇子が通る道は不明。
- 真備に呼び出され、泉橋院へやって来る仲麻呂、優婆塞らに下馬を求められる道は酵素ダートか。
- 平城京へ戻る民衆がゆく街道、大堰川堤。
- 大仏造立現場、亀岡か(山中の台地?)。
- 玄ムが暗殺される大宰府近くの野、瑞穂造成地か。
- 行基から仲麻呂についての不満を聞いての帰り、真備が通る林、不明(雑木まじりの竹林に「巨石」のアレ)。ここから歩いて大仏現場へ向かう坂、不明。
- 阿倍内親王が登極する大極殿、平城宮跡大極殿。両脇の建物等合成。
- 開眼供養が執り行われる大仏殿、甍はCGで大仏は凝った拵えもの(金が間に合わず顔だけ金箔施し)。
- 遣唐使船が漂着しかろうじて帰還する真備、再び仲麻呂の策略で大宰府へ飛ばされる真備、およびそこから帰還する道、全て同所か。
- 恵美押勝の乱、会戦の野、不明(愛発関の戦か)。三尾崎に陣取り指揮する真備、不明(丘の上)。負傷した仲麻呂が辿り着く湖畔、琵琶湖西岸(汀にはヤナギ、真備が駆けつけるシーンには流入河川河口州と思われる広野)。
2010/4/9
■ 赤穂浪士 第17話「禁じられた恋」1979/4-12テレビ朝日/東映
攻める側は苛立ち、迎え撃つ側は気に病み、人々は仇討ちを当然と思い込む。皆を待たせる指揮者は悠然と閑居と見え、その実一挙の意義について深い思索に耽っているのだった。
ロケ地
- 堀部宅からの帰り道、奥田孫太夫が前原伊助を伴って渡る橋、中ノ島橋。夜更けて前原が奥田の娘と涼みに出る橋も同所、下の河原に花火の子らあしらい。
- 柳沢の下屋敷・涼亭、セットと思われるが窓の外の落水が印象的。
- 大石を狙う井関らを斬り捨てる隼人、竹林は北嵯峨か。
- 大石一家がピクニックの裏山、不明。
*小山田が、肩入れした娘・幸に惑うも必死で衝動を抑えるエピソードくらいが話の進展。柳沢の着てるチャイナドレスがなんというかアレで、成田三樹夫恐るべし。犬医者と妾の掛け合いも傑作。
2010/4/8
■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊
第41話「はばたけ!あの雲の彼方へ!」1983テレ朝/東映
源九郎を名乗る怪しの覆面が江戸城に放火、将軍も危機に晒される事態に。濡れ衣を晴らすべく奔走する御控さまは、悪を討ったあと再びの旅へ。
ロケ地
- 江戸へ帰るか水戸へ寄るか話していると、お秀により江戸の急がもたらされる分岐道、大内辻堂前。急ぎ馬をやる御控さまは、亀岡道の坂を駆け上る。あしらわれた道標に「右江戸、左水戸」の記述、日光街道小山宿付近か。
- 弥々姫たちが変事を聞く街道、不明(林道)。
- 江戸へ戻った御控さま、源九郎が犯人と書き立てた瓦版を読んでいると、男女を襲う浪人たちに遭遇する町角、走田神社本殿前。
- 襲撃に失敗した浪人たちが入ってゆく佐渡屋の寮、中山邸門。
- 麻布材木町御控屋敷、相国寺林光院(門と式台玄関)。
- 佐渡屋のことを報告するお夕、走田神社社務所前塀際。
- 佐渡屋の番頭を呼び出し、約束が違うと文句をつける伊三郎だが、却ってお加代を殺せと命令されてしまう町角、今宮神社石橋。
- 弥々姫が一時戻る池田家イメージ、不明(31話で出た「入口」と同じ、手前に出窓)。
- 事後、城門を出てくる御控さまは東映映画村門。
- 弥々姫と別れの橋、相国寺天界橋たもと。
- 一人旅の空の御控さま、大内亀岡道(北望、道端に地蔵あしらい)。
*遊興に身を持ち崩し悪党に付け込まれた伊三郎は伊吹剛、彼と結婚するはずだった口入屋の娘は三浦リカ。陰謀の主の西の丸老中は久高惟晴、源九郎に化ける腹心は船水俊宏。悪徳商人は小林勝彦。
2010/4/7
■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第40話「春を待つ夫婦だるま」1983テレ朝/東映
父の仇は許婚者という悲劇、しかし振り下ろされたのは正義の刃と知れる。それでもいつかは来る春の陰で、涙を拭う少女がいた。
ロケ地
- おきみが達磨を売る二荒山境内、長岡天満宮。境内の路地や石段、摂社のお稲荷さんなど各所が使われ、立ち回りもある。
- おきみが津田を隠す神輿小屋、大覚寺五社明神。舞殿に壁あしらい。
- 伊代の従僕を呼び出し問い詰める御控さま、金戒光明寺三門。
- 津田に接触し黒羽からの荷が一日遅れると告げるお夕、金戒光明寺永運院下坂。
- 勘定奉行が黒羽から荷を仕立ててやって来るのに合流する配下、下鴨神社紅葉橋。これに先立って橋下に潜む絵が出てくる。ここから荷駄を進めると、御控さまが出てラス立ちとなるのは河合社脇から糺の森にかけて。
- 当地を発つ一行、水戸街道分岐がある道は林道か(杉林)。
*次席家老を斬って退転した勘定吟味方の津田は森次晃嗣、家老の娘の伊代は千野弘美でお供の従僕は河合絃司。津田に宇都宮城下の長屋を世話したおきみは江本紀代美。家老とつるみ産品の横流しをはたらいていた勘定奉行は田口計、強面の配下は五味龍太郎、悪徳商人は武藤英司。黒羽からの荷に従ってきた藩士の一人に福ちゃん。
*今回小柄は津田に身分を明かすアイテム、ラス立ちは一刀で。
■ 長七郎天下ご免! 第49話「仇討ち・木曽節しぐれ茶屋」1980テレ朝/東映63
木曽からきて江戸の片隅に暮らす父子には、辛い過去。再び同じ悪党ばらが彼らの幸せを突き崩したとき、娘は「中乗さん」の衣装を着込み仇の屋敷に殴りこむ。
ロケ地
- 三次を捜し夜の町を呼ばわって歩くおさき、不明。同じく三次を捜す藤兵衛は嵐山公園か(石積から見上げ、松あり)。
- 三次を捜す捕り方が出る夜の橋、中ノ島橋。人数がどっと橋上を渡ってゆき、橋下に三次がいる図。
- 武蔵屋の駕籠を襲う三次、上賀茂神社ならの小川畔〜校倉脇。
- 父の遺骨を抱いて三次とともに故郷へ帰るおさき、道端に竜胆咲く中山道は北嵯峨農地・農道。
*おさきは三沢あけみ、父・藤兵衛は小栗一也、元おさきの婚約者で悪党にたばかられ佐渡送りになった三次は長谷川明男。悪徳材木商は天草四郎で強面の番頭(後段のなつの台詞では手代に降格)は黒部進、つるむ材木石奉行は外山高士。冒頭、魚河岸の闘鶏で喧嘩沙汰を起こし杉山のダンナを殴る男に福本清三、クレジットは「ごろつき」。
*闘鶏が大はやりという背景を持ってきて、藤兵衛が軍鶏を仕立てる名人。奉行がその軍鶏を欲しがる運びで、動機は屋敷で闘鶏を催しズルで丸儲け狙い。小道具のトリさんは長さんにポイポイ投げられてお気の毒。
2010/4/6
■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第39話「陸奥みやげ三春駒」1983テレ朝/東映
祭りでベコに引っ掛けられ、人事不省に陥った坊を助けるが、担ぎ込んだ医師宅から「父親」が姿を晦ます。調べてみると父どころか誘拐犯、発端があまりに馬鹿馬鹿しく、因を作った者どもは御控さまの大喝を食らう。
ロケ地
- 猪苗代湖、琵琶湖西岸松原。茶店あしらい場面も。
- 守山藩城下、郡山天満宮の祭礼は下鴨神社河合社脇に露店等賑やかにあしらい。
- 御控さまと弥々姫が気持ちを確かめ合う小川べり、下鴨神社泉川畔(紅葉)。
- 兵六の回想、妻子を置いて泣く泣く小諸を出た際の里は下鴨神社泉川畔、イメージに浅間山を挿入。
- 兵六が国分屋夫婦に見送られ故郷へ帰る際の渡し場、罧原堤下汀。
*子が懐くため拐かしに使われる出稼ぎ男の兵六は谷幹一、坊の父の国分屋は瀬川新蔵。猟官運動の資金を誘拐で調達しようとした勘定奉行は草薙幸二郎、パシリのヤクザは山岡徹也。己が職務を無責任極まるかたちで投げ出し、後釜をめぐる騒ぎを引き起こした大番頭は中村錦司。福ちゃん三態、側用人襲撃の覆面、ヤクザの用心棒、ラス立ちの藩士。
2010/4/5
■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第38話「駆けろ!げんこつ街道」1983テレ朝/東映
会津に住む、むかし仕えた中間を訪ねる御控さま。再会を心から喜ぶ男だが、どうやら一人息子が頭痛のタネらしく口ごもる。そして彼はいきなり切支丹の疑いを掛けられて身柄を持っていかれてしまい、御控さまは珍しくカリカリ。御控さま崇拝者のオヤジが、若者の心を萎縮させていたことがキモの、人情話。
ロケ地
- 佐渡から送られてきた金の荷が強奪される街道、酵素か。
- 会津城下入りの一行、強奪の件で物々しい街道は日吉大社参道。
- 弥々姫がならず者たちの亡骸を見る杣小屋、不明(竹まじりの林)。
- 芳三も奉行所へ引っ張られたと報告するお夕、仁和寺経蔵前。
- 身請けの金の調達方法を責められた芳三が走り出た先、追ってきた御控さまが身分を明かす町角は仁和寺九所明神拝殿前(草ぼうぼう)。
- 蝋燭に砂金を仕込んだ荷が運ばれる今市の街道筋、不明。これを追い関所を騎馬で押し通る御控さまは日吉大社参道、大宮橋。取引が終わって為吉が始末されかかるところへ駆けつけて大立ち回りは西本宮。
- 御控さまの配慮で、改めて御用の金が運ばれてゆく道、仁和寺御室桜林石畳。
*元中間の為吉は左右田一平、倅の芳三は手塚茂夫で恋人の水茶屋女は風祭ゆき。為吉が勤める蝋燭問屋の主は玉川伊佐男、被害者ぶりがすげー不自然で丸わかり。
2010/4/4
■ 大仏開眼 前編 2010.4.3NHK
長く唐土にあって博識を身につけた留学生は、揺らぐ政情のなかで「理に適った」道を選び取り、良き世の招来に尽くす。しかし野心家の友が、彼の口利きをきっかけに中枢に食らいつき、己が欲望を満たそうとしていた。
ロケ地
- 真備らが乗った帰り船が見る日本の島影、琵琶湖か(船と別撮り)。
- 真備が母と妹に再会する里、木津河原か琵琶湖畔か。母が耕す畑は竹林際。
- 仲麻呂に伴われ葛城王のもとへ赴く真備、平城宮跡朱雀門前。町を合成。
- 葛城王の館、平城宮跡東院庭園南門。
- 真備が葛城王に伴われ大后に会う平城京東院、平城宮跡東院庭園。ここで阿倍内親王とも出会う。内親王が真備を追いかけてきて、学問で人の心を変えられるかと問う廊下は薬師寺回廊。
- 帰国した遣唐使らが大王に挨拶する平城京大極殿、平城宮跡大極殿。高御座がしつらえられた内部はそこで撮ったかどうか不明。ロングでは朱雀門と併せて使われる。
- 病人や死者、飢えた子など見る帰り道、一乗谷朝倉氏遺跡復元町並。玄ムが葛城王に会わせろと迫る。
- 放浪者たちが摘発され追われる道、若草山薄原。逃れた海蔵が、真備たちの耕す畑に逃げ込み匿われる。
- 疱瘡が猖獗をきわめ、多数の死者が荼毘に付される野原、不明。
- 教育係を仰せつかった真備が内親王に政治の話をする野原、若草山(鹿入り)。
- 橘諸兄から仲麻呂に乗り換えた玄ムが酒色に耽る仲麻呂の館、門は平城宮跡東院庭園南門。
- 海蔵の過去を聞かされる、行基の架橋現場、木津河原か。
- 阿倍内親王の立太子、平城宮跡大極殿。
- 広嗣の乱、挙兵の大宰府近くの野原、不明(崖の下の広場)。
- 都を出てゆく聖武帝、朱雀門を出て南へ。門越しに大極殿がちらり。
2010/4/3
■ 赤穂浪士 第16話「夕顔の女」1979/4-12テレビ朝日/東映
吉良が隠居したことと、大石が山科に居を構えたことが、皆の心に波紋を投じる。病癒えたのちの大石は、先が死と決まった若者たちに思いを致す。
ロケ地
- 長屋へ戻ってくる小山田が渡る橋、中ノ島橋。このあと幸の父に変な口上を述べて「援助」の手を差し伸べる次第。
- 京イメージ、金閣と塔(山際)。山科へ家を見にやって来る大石たち、竹林は北嵯峨か(後段、住みついた大石が逍遥に出るシーンは「陵」前の小道に似る)。「大石寓居」は映画村セット。
- 大石一家が船で京へのぼるくだり、夕景の播磨灘は琵琶湖か。
2010/4/2
■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第37話「孤剣に賭けた越後の女」1983テレ朝/東映
抜け荷横行する新潟、上つ方と通じた悪党をぴしぴし指弾する気鋭の役人は、御控さまの剣友。元火盗改の切れ者は望んで当地へ着任しているが、理由は任務ではなく、恋い慕う娘のためだった。
ロケ地
- 抜け荷現場を見た御控さまに斬りかかる一味、広沢池東岸(水少なし)。鉄砲出されて危機なところへ、岡野率いる新潟奉行所の捕り方が殺到。
- 悪ガキを散らし「久江の息子」を助ける弥々姫、仁和寺参道石畳。
- 新潟奉行所、大覚寺大門。
- 御控さまの回想、岡野と斎藤弥九郎道場から帰るさ、岡野の許婚者の幾野を見かけた町角、仁和寺観音堂脇。
- 新潟奉行所から出てきた御控さまに弥々姫の消息を伝えるお夕、大覚寺参道石橋。
- 毒入り弁当を差し入れた牢番が斬られる町角、仁和寺御室桜林西端塀際。
- 岡野が久江との経緯を告白する町角、石座神社。御控さまと岡野は舞殿前から石段を下りてきて中ほどに腰掛けて話す。
- 釣りに出てツナギをとる新潟奉行と春日屋、広沢池東岸汀。
- 久江の回想、婚約者に心変わりを責められる岡野を目撃した町角、仁和寺九所明神。久江は金堂下の坂を来て二人を見かける次第。
*岡野は小林稔侍、久江は山本みどり、岡野が火盗時代に扱った事件で久江の姉夫婦と関わり知り合う設定→新潟まで追っかけ。抜け荷商人は高城淳一、つるむ新潟奉行は高野真二。福ちゃん二態、冒頭の抜け荷現場にいた人足と、ラス立ちの侍。
*ラス立ち変則、小柄投げはラスボスの奉行を斬る前に。小柄も投げず名乗りも上げてないのに、春日屋が「もしや御控さまでは」とやるあたり、どんなふうな噂になってるんだか。
2010/4/1
■ 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第36話「奥能登に架けた蜃気楼」1983テレ朝/東映
輪島入りした途端殺人現場に出くわし、犯人にされてしまう御控さまたち。騒ぎの元の、私腹を肥やす悪家老の専横の裏には、木っ端役人で終わりたくない男の野望が隠されていた。
ロケ地
- 輪島入りの一行がゆく浜、間人海岸。ロングの絵も。塗師殺しで連行されるところを宿場役人に逃がされる浜は琵琶湖岸(岩露出)、このあとも出てくる。
- 金沢城イメージ、姫路城天守。
- にせトリオを追い詰める鎮守、鳥居本八幡宮。
- 輪島を発ち魚津の浜をゆく一行、間人海岸。
*御控さまたちを逃がしてくれる役人は藤巻潤、七尾奉行は出水憲司、家老は青木義朗。専売品横流しを断って痛い目にあわされる問屋は穂高稔、娘は岐邑美沙子。にせ源九郎は福本清三、くるくる坂転げ落ちのほか撃たれてきれいにのけぞり。
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