2010/5/31
■ 編笠十兵衛 第21話「謀略」1975.2.28
長い忍従の果て荒み、女に逃げた浪士。十兵衛の叱咤で立ち直りかけた男は、小林の企みにより奈落へ落ちてゆく。
ロケ地
- 主税たちがゆく東海道、不明(山道、地道)。
- 主税たちの動きが知らされる中根邸、相国寺大光明寺。門を出てきた十兵衛を追ってきて、今度こそと話す達之助は法堂前。
- 日野伝に姿を見せた井田たちを尾行し、斬り伏せる十兵衛、上賀茂神社奈良社。急を聞いて駆けつける「仲間」は、北神饌所裏を走り抜ける。
*橋本平左ヱ門と心中する遊女は佐野厚子、柳沢の忍びに暗殺される浅野遺臣の若者は和田一壮。
*十兵衛は遂に井田を斬り、次いで舟津に深手を負わせる。
■ 水戸黄門41 第8話「貞淑妻の意外な過去」2010.5.31TBS
南都改の御朱印をいただく老舗に魔手、内助の功をうたわれる後妻の哀しい疵を利用した悪党どもは、老公が用意した罠にまんまと嵌る。生さぬ仲の息子との行き違いも解消してやり、一行は晴れ晴れと奈良を去ってゆく。
ロケ地
- 大和入りの一行、大覚寺境内。布を晒す草地、大覚寺遣水跡。この間、若草山と鹿がイメージに挿まれる。晒しの草地は後段でも登場。
- 葛城屋と用心棒に追われる藤一を助けるくだり、大覚寺聖天堂前〜護摩堂前、一行は護摩堂裏へ来かかり「目撃」、介入。
- 葛城屋の晒し場、酵素河川敷←粗悪品を製造し闇取引。
- 勘太がお美代を見かけるくだり、勘太が小銭を落っことす橋は大覚寺放生池堤石橋、新吉を連れて祠にお参りのお美代は対岸の放生池畔に。
- 葛城屋の晒し場を見に行き、無幻斎に遭遇する老公、酵素降り口←助格は河川敷で戦闘中、チェストのヘルプが入る。妖術は、逃げてきた人足がプシュっと空気抜け。
- 新吉にお美代への言伝を託す勘太、大覚寺五社明神舞殿。
- お美代が勘太に呼び出され赴く鎮守の杜、大覚寺天神島。
*老舗の主は江藤潤、後妻のお美代は映美くらら、生さぬ仲の倅・藤一は池田努。葛城屋は石沢徹、賄賂でつながる物産方与力は草見潤平、お美代の昔の男で葛城屋の手先をつとめるチンピラ・勘太は石井康太。
2010/5/30
■ 新・平家物語 溝口健二監督作品 1955.9.21大映
貴族や寺社の恣意で経済が悪化するなか、武士の台頭を見る保延三年の京。白河院と格別な繋がりを持つ平氏の棟梁・忠盛は、遂に昇殿を果たすが、反発する公家や、荘園を取られたと恨む法師らは、平氏を潰しにかかる。引責するかたちでの父の死を見た嫡男・平太清盛は、己が身に通う血を当てにせずただ一人の力で運命を切り開くと言い放ち、荒法師が繰り出す神輿を射抜くのだった。
ロケ地
- 市の立つ市中、本法寺境内に掘立小屋等多数あしらい。位置は本堂の南で、奥に仁王門と多宝塔が見えている。裏千家のセンターはまだ建っていない感じ。忠盛が海賊を平らげて凱旋と声が上がり、群衆がどっと駆けてゆき場面は大路にスイッチ、四脚門など見える街路はセットか。法師らが神輿を戴いて入ってくる門は仁和寺中門。行く手は先の大路で、忠盛は馬からおりて礼をとる。
- 恩賞も貰えず上皇の御所を下がってくる忠盛、大覚寺宸殿前に囲いを設置か。
- 平忠盛邸、野原に土塀や屋敷をセットか。奥に竹林。
- 父の命で馬を売り酒を買いにゆく清盛、馬市は本法寺境内にセット。先に出た市とあしらいもの等変えてある。酒は郎党を労う宴のためのもの。
- 屋敷内の畑を耕す清盛、石舞台のような巌盤の裾で鍬を振るう。ここへ母・泰子が遊び歩いて帰ってくる次第。
- 藤原時信邸へ使いにゆく清盛、邸内や門外はセット(野外か、竹林が見える)。時子が染めた糸を洗う水場は、まるい輪を嵌めた泉に拵えてあり、後段これを偲ぶ際に「水薬師の庭」と言っている。博打のための鶏を持ち出した時子の弟・時忠と出向く市は本法寺、ここで友人から商人・伴卜を紹介され、「祇園女御」の逸話を知ることに。
- 焼けた加賀・白山寺、セットか。
- 宮中・宸殿、セットか。叡山僧が帝に白山寺の件で強訴のシーン。
- 時忠が法師らと事を構えてしまう祭りの境内、上賀茂神社二の鳥居前〜境内。祭りの踊りは、今宮さんのやすらい祭のそれに似る。
- 続々と法師らが集まる叡山、山中の林は不明。これに先立って映る、湖面イメージは安土の山から見下ろした西の湖か。イメージに挿入される鐘楼、演説がぶたれるお堂等不明。
- 神輿を仕立てて山を下りた法師らが気勢を上げる日吉大社境内、日吉大社東本宮。神輿が出たところへ立ちはだかり、輿に矢を射込む清盛のシーンは楼門前。
- 忠盛の墓に参り、報告と決意を述べる清盛、不明(宝筐印塔や草庵が見える)。
- 藤三位を饗応する、白拍子宿の女主の戻っている母を見る清盛、不明(丘陵の草地)。
2010/5/29
■ 赤穂浪士 第23話「再会」1979/4-12テレビ朝日/東映
江戸入りした大石に会い、浪士たちの焦燥はひとまず収まる。かたや、千坂兵部も着実に準備を始めているのだった。
久方ぶりに江戸へ戻った密偵たちの脱力エピソードのほか、まだ燻り続ける小山田の苦悩も描かれる。
ロケ地
- 早朝京を発つ大石、最初に背景に来る塔は仁和寺五重塔(下部を松が覆い、霞かかり)、画面切り替わって木立を抜けてくるシーンでは、大覚寺心経宝塔が背景に。その後石仏前を過ぎ、原や奥野らと合流する山科はずれは天神島祠脇。一行がゆく街道は木津堤。平塚を過ぎる一行、舞子浜松原。藤沢の浜は琵琶湖西岸砂浜。
- 泉岳寺へ詣でて内匠頭の墓に額づく千坂兵部、大覚寺聖天堂前か。このあと高輪大木戸で大石を見る。
- 柳沢邸、鯉に餌やりの池泉は枳殻邸侵雪橋。大石出府に怒り、無事に京へ帰すなと指示。
*お仙の父が引っ張り込んでいた愛人は中尾ミエ、女二人つかみあいの喧嘩。前回散々な目に遭ったうえ柳沢の用人に叱られた挙句、大石を斬りに行って隼人に殺られる稔侍と勝正が気の毒。
2010/5/28
■ 編笠十兵衛 第20話「士魂」1975.2.20
戦力不足を痛感した小林は、遮二無二腕の立つ者を求めだす。合力を乞う小林の武士道に共感した「達人」は、浅野への情けを訴えた十兵衛の申し出を蹴り、吉良の付人になることを承諾するものの、汚い権力者の影を見せつけられて翻意する。
ロケ地
- 浪士らが会合を持つ屋形船を、柳沢配下の忍びが窺うくだり、罧原堤下桂川。岸辺(罧原堤法面)にいた十兵衛が企みを立ち聞き、浪士らに危機を急報(船に文付きの小柄を投げる橋は映画村セット)。屋形船が着く緑橋付近の岸で待ち伏せる忍びたち、大覚寺大沢池畔(十兵衛が現れて撫で斬り)。
- 忍びのヘッド・黒川が報告を上げる柳沢邸、京都御所管理事務所東門。
- 杉野十平次が夜鷹蕎麦を売りにゆく吉良家裏門、相国寺光源院(吉良邸を見張っていた前原伊助が気付き、正体を確かめるため芝居を打って店へ連れて入る。杉野は引っ込んだ東北から出てきたばかりで、初顔合わせの設定)。
- 杉野が蕎麦の盛りをおごり、井戸水を分けて貰う名目でうまうまと邸内へ侵入するくだり、セット撮りか(門は明瞭に映らず、すぐ門内・邸内の場面に)。
- 静江に頼まれ、留守宅の様子を見に行く十兵衛、走田神社社務所。中に舟津と井田が入り込んで待ち伏せている。
- お俊が小林に武芸者情報でツナギをとる神社、大覚寺天神島。お俊は祠に額づき、小林は鳥居をくぐってやって来る。カメラ池中からか。
- 本所横網町の俵星玄蕃道場、相国寺長得院。小林が訪ねるシーンでは昼で門正面、夜に杉野が蕎麦を売りに来て仕官ネタを仕入れる際は東塀を来て角を曲がり門前へ。
- 俵星に申し出を断られた十兵衛が、物思いつつ帰る道、相国寺庫裏前(回廊の柱越し、北望)。
- 十兵衛が俵星道場に現れたことを報告に走る一学、大覚寺宸殿廊下か。
- 日野伝で仕官の祝い酒を弟子たちと酌み交わし帰る俵星、立ちはだかって勝負を挑む十兵衛は永観堂弁天社前(放生池畔)。柳沢の忍びが現れての立ち回りは林間で。
- 十兵衛がゆく野道、川堤か。
- 主税が間瀬、大石(瀬)らとゆく東海道、木津河原(砂地)。この間、イメージに富士山。
*俵星玄蕃は長門勇、弟子に浜田雄史。
*千弥は千鳥橋に船宿を出させて貰い、おさんはそこの仲居頭におさまる。
2010/5/27
■ 編笠十兵衛 第19話「非道」1975.2.13
遂に大石が立ち、討ち入りは決定事項に。来襲の予感に警備は厳しくなり、赤穂浪士そのものへの襲撃も起こる。そして「支援者」には、さまざまな方面から魔手が伸びる。
ロケ地
- 円山会議イメージ、清水寺全景、「安養寺」は本物の山門か。会議を終えて晴れやかな顔で江戸へ戻る安兵衛、街道は川堤か。
- 付人にハッパをかけた小林に意見をする多仲、大覚寺回廊(吉良邸内)。廊の下にお俊が控えていて、報告を上げる。
- 柳沢邸、京都御所管理事務所東門。邸内はセット撮り。
- 妻を実家に避難させる十兵衛、見ていた浪人が舟津のいる溜まり場に走って帰るシーンは永観堂墓地、背景に多宝塔が映り込んでいる。のちにおさんが連れ込まれる際に「妙光院」と寺名が出てくる。
- 静江が預かり子を遊ばせる町角、今宮神社境内。各所が用いられ、山吉が割って入るシーンは高倉脇坂。ここで、十兵衛が偽名を使っていたことがバレてしまう。原作設定では、市ヶ谷八幡宮。
- 山吉が笠原を連れて「山口どの」の真実を確かめに来るくだり、山根邸は相国寺大光明寺。二人は方丈西塀際に潜み見張る(あしらいものの祠越し)。
- 柳沢の忍びを尾行する十兵衛、下鴨神社泉川畔(煙幕で逃げられかかり)〜河合社脇。突き止める忍者宿はオープンセット。
- 安兵衛が襲われる鈴が森付近、下鴨神社泉川畔。十兵衛が馬を飛ばし駆けつけるのは馬場。
- 江戸在府の同志が会合を持つ、隅田川をゆく屋形船、罧原堤下桂川。
2010/5/26
■ 編笠十兵衛 第18話「暴挙」1975.2.6
大学への沙汰が下ったことで、焦り逸る若者たちは、少人数で吉良の駕籠を襲うという暴挙に出る。あまりにもあからさまで浅はかな思いつきは、必然の結果を呼ぶ。
ロケ地
- 「美苗」の息子を引き取り、母の墓に連れてゆく十兵衛、行く道は金戒光明寺永運院下坂、墓は熊谷堂近くの墓地・健気に合掌する幼児が哀れ。
- 奥田や安兵衛も抜きで吉良を討とうとする、はね上がりたちの会合に向かう磯貝と前原、金戒光明寺東坂下石垣際(角、南西望)。寄り合いが持たれる寺は長安院(遠景のシルエット、中はセット撮り)。
- 磯貝らを止めに急行する十兵衛と奥田、下鴨神社参道(木の間から見上げのアングル、二人を柳沢配下の忍びが見ている)。十兵衛らが襲われる林、糺の森池跡。
- 吉良邸から出た駕籠をつける磯貝たち、斬り込む町角は下鴨神社河合社脇。しかし駕籠はカラで、手配の人数に囲まれ、殺陣は河合社裏手の糺の森へ移動してゆく。
- 大石が京で「円山会議」を開いている頃、江戸の町をゆく十兵衛、金戒光明寺石段(下から見上げ、十兵衛が下りてくる)。
2010/5/25
■ 編笠十兵衛 第17話「献身」1975.1.30
庇護が戻ったと喜ぶ吉良と用人だが、もちろん糠喜び。中根の御前は遂に将軍に会い、浅野大学への沙汰を促す。あとは絵図面の入手、決死の任務を果たす千弥を助けてくれたのは、あの謎めいた吉良の妾だった。
ロケ地
- 祐海和尚が赤穂へ戻る街道、不明(前回と同所、達之助が張り込んでいる)。このことを十兵衛に報告するのは今宮神社稲荷社前。
- 吉良家用人・多仲が、浅野家の嘆願を排除してくれたことで礼を言いに来る柳沢邸の庭、阪口青龍苑池泉。
- 十兵衛を襲う柳沢差し回しの雇われ浪人たち、大覚寺大沢池堤(設定は柳原土手、俺の獲物は渡さんと舟津が現れて皆殺し、その後通りかかった十兵衛が死屍累々を見る段では、舟津と井田は堤下の茂みに潜む←斬りたいが六人殺ったあとで息切れ・断念)。
- 浅野の遺臣の目的は御家再興だったと周知された、として段取りを協議する中根と十兵衛、中根邸は相国寺大光明寺。
- 美苗が十兵衛に送ってくれるよう頼む夜道、大覚寺大沢池畔←土手は怖い、と舟津らが待ち伏せる場所を回避させる。舟津らは大沢池堤に潜み、待ちぼうけを食らう。
- 中根の謹慎を解かせるべく若年寄・本多紀伊守を訪ねる十兵衛、大覚寺大門。謹慎は解けないが、と別の方法を示唆される。
- 将軍が参詣する寛永寺イメージ、金戒光明寺石段越しに甍。帰途通る街路、立ち寄る相模守邸茶室(中根が待機)、不明。
- 任務のためとはいえ、大勢の人をたばかり操ることに疑問を抱き、沈思しながら町をゆく十兵衛、大覚寺参道石橋。なおゆく町角、今宮神社石橋(たもとに茶店あしらい、柳沢の手の者が町人に化けて十兵衛を窺っている)。
- 浅野家へ、大学への沙汰をもって入る使者、相国寺林光院。十兵衛がゆく町角、今宮神社楼門前。
*かねてより柳沢が飼っていた元お庭番は、五味竜太郎と山口幸生。
*御大、赤穂を「あかお」と発音、シブい。
2010/5/24
■ 編笠十兵衛 第16話「追跡」1975.1.23
上杉家を通した小林の画策が当たり、吉良に再び柳沢の保護。十兵衛の方は行き詰まり、しかし大石の深謀が姿を見せ始める。
ロケ地
- 遠林寺住職・祐海が隆光に運動のくだり、護持院境内は大覚寺宸殿縁先。
- まだ謹慎中の中根邸から出てくる十兵衛、相国寺大光明寺。追ってきた達之助と道々話す町角は、今宮神社稲荷社前。
- 柳沢邸、門は京都御所管理事務所東門。贅沢な茶室を建設中の庭は阪口青龍苑(築山の上の茶亭、背景に東山の緑)。
- 柳沢の吉良邸訪問に際し、出張ってきた舟津らに難渋する一学のくだり、もうすぐ来る柳沢を迎える用意をしている玄関は相国寺林光院式台玄関、あたふたと行き来する家来衆の背後に門内側もちらり。。舟津らは中仕切りから出てくる。一学の意を受けて引き下がったあと、千両箱をくすねて出て行く舟津と井田は相国寺光源院門。
- 吉良邸の宴果てて帰る柳沢、その駕籠を物盗りに化けて襲ったあと、持たされた金袋投げ捨てる十兵衛、中ノ島橋。
- 祐海が使命を諦めて去る街道、不明(谷地田沿いか、古い東映作品で頻出のアレ)。
- 美苗のことを奥田と話した帰り、十兵衛がゆく町角、相国寺弁天社前〜鐘楼脇(ここで達之助が来て、大石抜きの動きがあると報告)〜法堂前。
*小林の工作で柳沢と吉良を取り持つ富商・奈良屋茂左ヱ門は見明凡太郎。
■ 水戸黄門41 第7話「にせ者殺到!孫探し」2010.5.24TBS66
娘の忘れ形見を求める祖父と、幼き日の母のよすがを求める孫娘のすれ違い。財を狙う悪党の思惑が被さりワヤなところを、老公が修正。おきまりの、野育ち娘のお嬢さま仕立ても入る。
ロケ地
- 鳥羽の浜、琵琶湖西岸松原。巌上のカワウも点景に。住民追い出し、旅立つ一行のシーンなどに登場、宮地真緒砂浜ダイブあり。
*鳥羽湊の海産物問屋主は鶴田忍、孫娘は小林さり。歓楽街建設など企む家老は立川三貴。雇われ者のニセお嬢さまは宮地真緒。
*チェスト侍は老公の危機にヘルプのほか、用心棒バイトもして「孫娘」を叩き出し←この際、「センセイ」と呼ばれていて笑える。老公のピンチを救った段では、「もしや水戸の」のやりとりが出る。
2010/5/23
■ 柳生武芸帳 1990.4.2日テレ/東映
将軍位に就いて間もない家光に届いた挑戦状は、世を震撼せしむる巻物の存在を示唆。それは、神君に仕えた隠密たちの運命を決定付けた、憎悪の要。白日のもとに曝してはならぬ機密を守るため、奔る柳生。将軍位に野望を抱く重鎮と通じ、己が怨念を散じようとはかる浮月斉。死闘ののち、三巻揃った巻物は検証の俎上に乗せられるが、但馬守と春日局は解明を阻み、隠し通す道を選ぶのだった。
ロケ地
- 江戸城イメージ、姫路城天守。
- 京イメージ、清水寺全景。浮舟の巻が蔵されている五条中納言邸、仁和寺本坊・南庭入口の平唐門(浮月斉の手下が商人を装って入り込むシーン、大玄関は映さず)。中納言を害し、浮舟の巻を奪った甚内が浮月斉の潜む「門」に入るくだり、金戒光明寺三門(三門正面が映ったあと、門の扉を開けて中に入るシーンが)。
- 大久保彦左衛門邸、大覚寺大門。十兵衛を伴って彦左が帰宅すると、元女掏摸のおれんがクダを巻いている運び。
- 虚無僧のなりをして木曽街道をゆく五条中納言の遺児・清姫、谷山林道か。浮月斉の手下から逃げる清姫は、植林杉の下に茂る熊笹の中をゆく。追い詰められ崖から落ちる清姫、保津峡落合落下岩。姫が投げ捨てた「浮舟の巻」入りの尺八を拾う千四郎、保津峡落合河口汀。このあと姫を助け一味とやりあう際には、「桟道」の巌も。
- 浮月斉の手下に礼をもって招かれ、アジトへ赴く千四郎、アジト門不明。
- 千四郎から奪った「浮舟の巻」を十兵衛に取られた浮月斉とその手下が江戸へ向かって馬を走らせる街道、下鴨神社馬場か。
- 春日局の要請を受け、「水月の巻」を届けに上がる途上を襲われる又十郎たち、下鴨神社河合社脇。このあとの立ち回りは、糺の森と池跡で。
- 柳生邸の庭に佇み物思う清姫、枳殻邸印月池畔。十兵衛の妹・於季が来て、捨て子で養女なことを告白するシーンは築山か。
- 一味の居所をおれんに聞かされ赴く十兵衛、兄をつけてゆく於季、町中のシーンは大覚寺大沢池木戸。一味が潜む本郷・湧泉寺の門をくぐる十兵衛、西明寺山門。中はセット撮りで、出てきた十兵衛をからかう於季は山門前の樹上に。
- 浮月斉が十兵衛と対峙する左京ヶ森閻魔堂、鳥居本八幡宮広場。二人の背後に舞殿が映り込み、その傍から千四郎が戦いを見ている。
- 奪った巻物を酒井雅楽頭に渡す浮月斉、不明(雑木混じる竹林)←千四郎にかっさらわれる運び。
- 尾張藩江戸屋敷、随心院薬医門。雅楽頭が失敗を報告し叱責されるくだり。
- 大奥へ忍び、春日局に三巻目の巻物の所在を問う十兵衛、夜に走る石垣際、不明。浮月斉と死闘の大屋根等はセット。
- 「三巻」が秘蔵される東照宮、イメージに本物。
- 再び旅に出る十兵衛がお城を振り返るシーン、姫路城天守を望む広場。
2010/5/22
■ 赤穂浪士 第22話「内蔵助江戸へ」1979/4-12テレビ朝日/東映
吉良は屋敷替えで本所松坂町へ、江戸在府の浪士たちは仇を目前に見て歯噛みする。一方京の小山田は、大石の韜晦の意味を身をもって知ることに。その陰で、密偵たちの心も揺れていた。
ロケ地
- 京・鞍馬口あたりをゆく小野寺十内、待っていた小山田と合流するのは仁和寺金堂南東の坂。林間から、隼人しお仙が見ている。
- 浅野家の京での祈願所・瑞光院へ赴く小野寺と小山田、一様院。まず拝む亡君の墓標は本堂前に「設置」、宝筐印塔映り込み。
- 伏見奉行所へ赴く大石の駕籠をつけるお仙、北嵯峨竹林。
- 隼人に連れ込まれた島原の楼を早朝に出てきた小山田が渡る橋、白川巽橋。戻る旅籠・千鳥屋、白川畔料亭・白梅。部屋には小野寺が待っていて、隼人たちの正体を知らされる(旅籠内部はセット撮り)。
- 大石の後を追って江戸へ向かう小山田、北嵯峨農地小丘。
*大石に江戸行きを届けられて戸惑う、伏見奉行所役人は穂高稔。陣十郎に頼まれて稔侍と勝正をハメる「下寺町の女」は白木万理。
2010/5/21
■ 編笠十兵衛 第15話「疑惑」1975.1.16
吉良邸間取り図の入手をまって、浅野大学への処分が下ることに。急ぐ十兵衛は千弥を送り込むが、そこには敵とも味方ともつかぬ怪しい女が陣取っているのだった。
ロケ地
- 赤穂浪士を襲った付人たちが帰還、金を貰う吉良邸裏門は相国寺光源院。どっと遊里へ繰り出すところ、十兵衛の怒りの刃を受ける夜道は付近か。光源院はこのあと何度も同じ設定で登場する。
- 柳沢の魔手迫る状況を憂えつつ、中根邸への道をゆく十兵衛、大覚寺大沢池畔。
- 吉良の領地へ向かう一学が乗った渡し舟、大覚寺大沢池。船着き場は広沢池西岸葦原、茶店にお俊が待っていて合流。設定は三河湾か。
- 家を移り、倅が医者を開業している奥田宅を訪ねた帰り、自然と足が吉良邸へ向いてしまう十兵衛、相国寺天界橋。このとき、薬売りに化けて見張り中の達之助が井田に見つかり斬られるのは鐘楼脇、通りかかった十兵衛の前にまろび出てくるのは参道植え込み際。達之助を見失った井田は仏殿跡の林間を探し回り。
- 吉良邸を出てくる美苗を尾行する達之助(侍姿)、駕籠抜けを知る路傍の茶店は大覚寺大沢池堤。嘲った駕籠舁きは、凄まれて逃げ出し。
- 柳沢の用人と怪しの浪人が中根襲撃計画について話すのを聞く十兵衛、現場の柳沢邸門前は京都御所管理事務所東門。門の真ん前で、こういうアブナイことを喋らせる設定にびっくり。
- 襲われる中根邸、相国寺大光明寺。立ち回りは、セット撮りの室内から玄関前庭、門前、方丈塀際などへ展開。
*蕎麦屋の常連で、いつも浅野の悪口を言って親爺と喧嘩になる隠居は日高久、今回クレジットあり。
2010/5/20
■ 編笠十兵衛 第14話「潜入」1975.1.9
無いと思った絵図面の存在を知った十兵衛は、焦る浪士たちのために、大胆にも吉良邸へ潜入。しかし成果は得られず、却って吉良方の報復を招いてしまう。
ロケ地
- 中根邸へ赴く十兵衛に尾行者、相国寺天界橋(西側から側面、行き会う通行人あり)〜法堂前参道(ここで対峙し峰打ち、追い散らす)。中根邸は大光明寺、方丈塀際に祠をあしらい、その陰からお俊が屋敷を窺っているという仕掛け。
- 柳沢を調べに行く十兵衛、屋敷を出てきた用人をつかまえ嫌味をかます門前は、京都御所管理事務所東門。
- 吉良邸裏門、相国寺光源院。新しく迎えた妾が入ったり、千弥が舟津に会いに来たり、いろんな場面で登場する。
- 吉良邸へ絵図面を盗りに入って失敗した磯貝らを逃がす十兵衛、船を出す川端は大覚寺大沢池畔。
- 大石抜きの討ち入りが画策されている、安兵衛が来ている京イメージ、清水寺全景。
- 十兵衛が船をやるラストシーン、大覚寺大沢池。中段にも同じ池が使われていて、空間の広がりやコントラストが見事。水生浮葉植物もいい感じ。
*吉良の新しい妾・美苗は浜木綿子。柳沢の用人は中村錦司。
*十兵衛の発言によると、尾行者は両国橋あたりからつけてきたとあるが、放生池の石橋な天界橋ではスケールが小さすぎるかも。
2010/5/19
■ 編笠十兵衛 第13話「黒幕」1974.12.26
町方をけしかけた、吉良のうしろにいる筋から、中根の御前にも圧力。そして十兵衛は、吉良邸改築の詳細をつかむため、己が手で我が家を焼き払う。
ロケ地
- 船宿で奥田と会い、大石抜きでもやると息巻くのを聞いたあと十兵衛が物思いつつ歩む町角、今宮神社石橋。
- 焼け跡を前に、妻女と従僕を里へ送り出す十兵衛、酵素河川敷。
- 蕎麦屋で山吉に吉良邸改築を請け負った大工への紹介をとりつけたあと、忸怩たる思いを抱きつつ十兵衛がゆく道、今宮神社境内石畳。
- なだめ役の吉田忠左ヱ門がゆく街道、北嵯峨か。
- 十兵衛宅の普請場、酵素河川敷。
- 吉良家用人をつける十兵衛、京都御所管理事務所北門前(開口部映さず、塀際)。多仲が入ってゆく柳沢邸は事務所東門(十兵衛の編笠越しに見る演出)。
- 謹慎中の中根の御前を息抜きに誘う十兵衛、屋形船は罧原堤下桂川に。宴果てて一人帰る中根を襲う刺客たち、大覚寺大沢池堤。
- 安兵衛入洛の京イメージ、南大門越し東寺塔。
- ラストシーン、十兵衛がゆく町角、京都御所宗像神社脇。
*中根の御前に謹慎を申し渡す若年寄・本多紀伊守は、永田光男。大工・伊兵ヱは村田正雄。
*十兵衛宅の設定、火事があったのは小梅村と語られる。原作設定の中ノ郷とは隣村。
2010/5/18
■ 編笠十兵衛 第12話「弾圧」1974.12.19
吉良方の運動で町方が動き、赤穂浪士たちに危機が迫る。裏工作も間に合わず、捕方が江戸在府浪士の要たる奥田宅を包囲したそのとき、中根の御前は禁じ手を使うのだった。
ロケ地
- 中根邸イメージ、相国寺大光明寺門。中根の御前と十兵衛の「ツナギ」のくだり。御大の素振りが見られる。
- おたまが入水の川、広沢池東岸。船着場の小屋あしらい。十兵衛がじゃぶじゃぶ水に入って「救出」。カメラ池の中から。
- おたまの様子を見に行って難に遭った磯貝を自邸に連れ帰る十兵衛、屋敷イメージに走田神社社務所。
- おたまを連れ出し磯貝の心底を告げる十兵衛、広沢池東岸。汀に二人が腰掛ける船と漁具、カメラ東側高所から。
- 捕方を従え出陣する北町奉行、大覚寺大門。
- 奥田宅へ向かった町方を阻止するため、深川へ馬を駆る中根の御前、北嵯峨農地竹林〜大覚寺大沢池畔。
- 町ゆく十兵衛のラストシーン、相国寺大光明寺南路地塀際〜庫裏前(回廊の柱越し、カメラのある南へ歩む)。
*北町奉行は外山高士。父や夫とともに自刃しようとする奥田の娘は小野恵子。
*米沢から新しい付人たちが吉良邸に配備される←山吉新八登場。
2010/5/17
■ 編笠十兵衛 第11話「脱落」1974.12.12
吉良の隠居が認められたことで、焦る遺臣たち。その動きに危機感を募らせた小林は、浪士を個々に切り崩す策に打って出る。
ロケ地
- 奥田宅を探ってきたお俊が、小林とツナギをとる神社、石座神社。
- 中根邸出入りの際に、達之助と情勢を話し合う十兵衛、相国寺大光明寺。門、式台玄関前庭、塀際など。
- 高田郡兵ヱが元用人・奥村と行き会ってしまう町角、相国寺庫裏前。彼らが乗り込む屋形船は嵐峡か。奥村が小林と会う屋形船も同所か。
- 達之助が郡兵ヱ脱落の報を持って駆け入る十兵衛宅、走田神社社叢脇、社務所。
- たばかられて脱落の憂き目を見た郡兵ヱが悄然と歩く町角、相国寺鐘楼脇。腹を切ろうとするところ、十兵衛に止められるのは宗丹稲荷。
- 内匠頭一周忌に際し墓に詣でる江戸在住の浪士一同、永観堂墓地。
- 多仲の手配で、浪士らに手配かかる北町奉行所、大覚寺大門。
- 吉良方でない刺客が十兵衛を襲う船着き、広沢池東岸。
*高田郡兵ヱは中野誠也、彼をハメる奥村は海老江寛。郡兵ヱを養子に望む叔父は稲葉義男。
■ 水戸黄門41 第6話「若殿守った鰻屋小町!」2010.5.17TBS
お国入りの旅の途で家来に命を狙われた殿様は、町人に化けて宿場に潜伏。そこにはお節介な年寄りが来合わせていて、殿様を害そうとした悪党ばかりか、そやつに手を貸した当地の悪家老ももろともに懲らしめられる。
ロケ地
- 一行が参勤交代の大名行列に会う街道、大堰川堤。
- 一行が泊まった旅籠の主が、鰻の仕掛けを上げにゆく馬込川、大堰川河川敷。ここで、川から上がってきて倒れ込む「殿様」を拾う運び。この時点で町人に身をやつし。
- 殿様を助けて負傷した側用人を、弥七が保護している寺、不明(花頭窓のある方形のお堂、山際に立地)。
- 新吉と茂吉(殿様の変名)が母を捜しにゆく舘山寺、千手寺(独鈷抛山千手寺/参道石段と門、境内。銀杏の巨木も映り込む。※下段に写真)。ここへ行く道・戻る道は大堰川堤と堤下。
- 国へ帰る殿様との別れに際しお説教をぶつ老公、大堰川河川敷。これに先立って新居関所がイメージに挿入される。
↑千手寺山門 ↓千手寺境内堂宇
*殿様は宮下裕治、宿の父子は木村元と吉田久美。殿様を狙う家老は磯辺勉、これとつるむ浜松藩次席家老は原口剛。浜松の新家老について愚痴をたれる酒肆女将は湖条千秋。
2010/5/16
■ 松本清張の異変街道 1993.10.13フジ/京都映画
死んだと思った友、その生存を知らせた男が消され、疑惑は決定的に。係りの岡っ引とも気脈を通じた旗本は、江戸の見張りを彼に託して甲府行。そこでは、金山をめぐる闇の戦いが進行していた。
ロケ地
- 殺された水茶屋親爺・花屋利助の葬儀を覗いていた侍のことを常吉親分に報告する下っ引、広沢池か(夜鷹等行き交う土手下?)。その後、親爺殺しの犯人を乗せた船頭を尋問する渡船場(?)は嵐峡か(水辺、船が係留されている)。
- 鈴木栄吾の墓を撫でるお蔦に声をかける三浦銀之助、二尊院墓地。利助が栄吾に会った話をしていたと聞く茶店は二尊院門内の茶店、紅葉の馬場ロングからパンしてきて、門もちらりと映り込む。
- 利助殺害犯の死体が上がる大川、流れ橋下河原。橋桁が落ちている。小梅から放り込むと流れ着くのはここと「聞き込み」。
- 小梅の里、イメージに来る溜池越しの竹林は北嵯峨か。常吉が下っ引を待っている土手は有栖川、河床から見上げで堰堤映り込み。甲府勤番支配・山根伯耆守邸、中山邸(参道や通用門も映し、開いてるのでこっそり入るのは門、庭も使用)。
- 小梅の里の青日明神、不明(山中のやしろ、石段上に舞殿、古怪な祠)。
- 山根邸をちらりと見て立ち去る三浦、このあと青日明神の番人・利助を訪ねるシーンは造園業の敷地内か。
- 常吉と呑み、甲府行きを告げ後事を託す三浦、船は嵐峡に。
- 三浦が甲府へ向かう道、不明(両脇がススキ原の野道や山道)。病を発した平作の娘に薬を与える小仏峠は谷山林道か。
- 甲府宿、みろくの里。建物の並んだ「大路」や、坂道の家も出る。
- 雲助にからまれるお蔦、不明(山道)。祠から出て雲助を追い払う利助、不明(山中のやしろ)。
- 西山の湯治場、みろくの里か。平作の娘を見かけ追ってゆくと出る里、不明(崖に松)。宿を出た三浦がゆく夜の谷川、清滝か。このあと崖道や山中の林、祭りが執り行われている神社は鳥居本八幡宮。導入は本殿裏手の高みから見下ろした図、青日明神設定。立ち回りには広場も使われる。
- 武田の裔が棲む台里の里、イメージに保津峡、隠居の屋敷はみろくの里セット。
- 引っ越した山根の屋敷、大覚寺大門。
- 利助を見張っていた常吉たちが危機に陥るところを助けた三浦、二人の衣に砂金が付着しているのを見つける祠は大覚寺天神島(ライトアップ)。
- 甲府へ戻る三浦、イメージに身延山山頂から見た富士山と富士川峡谷のパノラマ。河村に話を持ちかける西山の宿はみろくの里。
- 河村が三浦を坑道へ案内するルート、清滝河原〜保津峡落合崖から落下岩と崖道。平作が吊るされているのを見る野原は酵素河川敷。このあとは荒れ気味の植林杉の林、坑道入口は大きな巌の下。
- 河村の計略で山根たちを引っ張り出す河原、湖南アルプス。河原は砂河原で表流水はちょろちょろ、片方の山肌はガレて幼松が植えだされている。また、山裾には蛇籠状の「養生」がなされている。水食を受けたと思しき巌もちらほら、岩山上に立つ栄吾たちの絵もある。
- 三浦の文を見て江戸からはるばるやって来た常吉、二人して山なみを見て述懐のシーンは身延山現地撮りか。
2010/5/15
■ 赤穂浪士 第21話「追憶の秋」1979/4-12テレビ朝日/東映
焦れる江戸組の代表として小山田が京へやって来るが、大石の体たらくに、焦りは怒りに変じる。そして江戸では、消えた小山田を慕う娘が、辛い目を見てなお恋する男を待つ決心をするのだった。
ロケ地
- 大石が遊ぶ京・嵐山、導入イメージに渡月橋(北詰から上流望)。女たちと遊ぶ屋形船は嵐峡に、左岸汀に小船をつけ網を繕う漁師に化けて陣十郎が見ていて、柳沢差し回しの隠密二人は岸から見ている。
- 京・山科へやって来る小山田、北嵯峨竹林。
- 怒って小野寺宅を辞した小山田がゆく京の町角、仁和寺九所明神拝殿脇〜白川巽橋〜桂川・罧原堰堤下河川敷(ここでお仙に声をかけられ)。
- お仙が小山田を伴って帰ってくる旅籠・千鳥屋、白川畔料亭・白梅。お仙たちを二階から見る隼人たちのシーンはセット撮り。
- 江戸・護持院、金戒光明寺。参詣して帰る桂昌院を見送る柳沢は三門下石段前、隆光との会談を追えて出てくる柳沢は本堂前石段を下りてくる。
- 仕立物を届けて帰りの幸が物憂げに渡る橋、中ノ島橋。
*間違いで警動に引っ掛かってしまった幸を見逃してくれる同心は内田稔。
2010/5/14
■ 編笠十兵衛 第10話「慕情」1974.12.5
京へ戻った大石を、吉良邸から抜け出した豺狼が狙う。大石を守りに駆けつけた十兵衛は、王城の地に先駆けて散る義士を見る。
ロケ地
- 大石が京へ戻る道、不明(山道、地道)。舟津がゆく道、不明(ススキ原)。十兵衛が京へ向かう道、不明(林道)。
- 奥田から託されていた文を萱野三平に渡す十兵衛、仁和寺金堂前。京の近況を話しつつ二人が歩いてくるのは参道。
- 大石が祇園から山科へ戻る道、北嵯峨竹林か。つけてくる舟津の前に十兵衛が出て、斬らせんと言い捨てる。
- 萱野の父が身請けに来てくれたと三平に告白するおかる、神泉苑法成橋上(夜)。
- 父の勧める仕官と一挙の間で板挟みなことを、十兵衛に相談する三平、仁和寺茶店。十兵衛のアドバイスを噛みしめながら歩く三平、塔前石畳。
- 人数を用意して大石を待ち伏せる舟津、北嵯峨竹林か。
- 十兵衛と達之助が江戸へ戻る道、谷山林道か(両側切り通し)。
*萱野三平は林与一、父は加藤嘉、芸者のおかるは野川由美子。
2010/5/13
■ 編笠十兵衛 第9話「炎上」1974.11.28
江戸での大石は、御家再興のため奔走するほか、中根に会いもする。用事の間を縫って女に会ったりもするが、運命を見定めた男の楽しみと、十兵衛は見る。
ロケ地
- 大石を斬りに行こうとした舟津らを阻む小林だが、多仲が出てきて殿の命だと叱られる裏門と続きの塀際、相国寺光源院(舟津らは門を出て北に向かって歩きはじめる)。
- お俊を通して小林から知らせを受けた十兵衛が、舟津らの前に出て牽制する町角、相国寺宗丹稲荷前。
- 船宿・熊野屋へ上がった大石を襲う舟津ら、それを防いだ十兵衛が外に走り出て立ち回りの川端、広沢池東岸。「熊野や」の設定は浅草・諏訪町の大川端。
- 奥田を伴い中根宅へやって来る大石、相国寺大光明寺。屋敷へ入ってくる二人は門内側、屋敷を辞する段では式台玄関が使われる。内部はセット撮り。
- 大石が同志と会合を持つとの情報を、井田へ知らせに走る奴、相国寺湯屋角を西から来て東へ走り抜ける。
- 大石が同志と会うため赴く目黒行人坂下瑞光院、赤山禅院。奥田らがやって来る道は参道、現れた人数と大立ち回りを演じる林は境内西端の池畔林間。大石が入る離れのお堂と周辺はここのものか不明(雲母不動堂と思われるが、暗くて判別困難)。
2010/5/12
■ 編笠十兵衛 第8話「出府」1974.11.21
遂に大石が出府、しかし逸る同志とは碌に会おうともしない。十兵衛は大石の心理を読むが、小林もまた意義を解し、却って激発を招くと暗殺の動きを止めるのだった。
ロケ地
- 大石のもとへ同志の文を届ける飛脚が走る街道、不明(川堤、相当に高い)。届け先の大石寓居、民家門と前畑(大石は畑にいるところを飛脚に「主に届けて」と渡される。この家を、吉良方の隠密が見張っている)。文を読んだ直後、撞木町へ向かう大石、北嵯峨農地竹林際(深草大亀谷と書かれた道標あしらい)。
- 小林がお俊を呼び出す神社、石座神社。小林は石段を登ってゆき、本殿に額づくお俊に声をかける。
- 釣りの安兵衛にボヤく磯貝(日野伝店員に変装中)、大覚寺大沢池堤汀。堤には茶店があしらわれ、「十さん」を捜しにやって来たおたまに言い寄られる一幕あり、木の陰から日野伝のオヤジがやきもきしながら覗いている。どたばたのあと大沢池上に浮かぶ「沖の船」にズーム、中では小林とお俊がツナギをとっている、という趣向。
2010/5/11
■ 編笠十兵衛 第7話「刺客」1974.11.14
吉良邸裏門前に店を出した前原伊助は、十兵衛の仕込みで吉良の家来に取り入る。しかし、小林はじめ吉良方の猛者は、「編笠」の影を感じていた。
ロケ地
- 吉良邸裏門、相国寺光源院。前原の米屋はセットだが、光源院門前の道に米櫃や笊など置いて品物越しに門を撮り、「向かいの店」を演出。
- 吉良家家臣・笠原長右ヱ門と十兵衛・前原(米屋五兵衛に変装中)がすれ違う町角、今宮神社東参道。笠原が浪人たちに喧嘩を吹っかけられボコられるのは東門から石橋、境内(露店あしらい)。十兵衛に助けられ、その場を走り去った笠原が床机に倒れ込む茶店は門前茶屋・一和。原作には、神田旅籠町の実家に帰った笠原が通りかかる帰り道、筋違御門を抜け連雀町から鍛冶町あたりへかかったところ、と記されている。ドラマと些か情景が異なるが、連れ込まれボコられるのは白壁町の空地とある。
- 十兵衛宅を襲う、井田の使嗾になる刺客たちのくだり、走田神社。いつものように社叢脇の道と社務所が使われ、刺客は塀を乗り越えたり。道には地蔵と石灯篭があしらわれていて、田地の「はさ木」も映り込む。
- 達之助に昨夜の襲撃の件を話す十兵衛、船着きは広沢池東岸。このあと十兵衛が入ってゆく中根屋敷は相国寺大光明寺。
- 吉良邸に捕らわれた前原を救った千弥のことを話す奥田と十兵衛、広沢池(船上)。あとで、汀に立ち尽くす十兵衛のシーンも出る。
- 山科の大石寓居イメージ、民家門。縁側で菊の鉢をいじる大石はセット撮り。
*何の疑いも持たず恩を受けたことを感謝する笠原青年に、忸怩たる思いを抱く前原。同様の心情は、奥田→一学でも描かれていて、浪士たちは情に惑うが、十兵衛は「小の虫」などと断じ、任務に専心。千弥の投入も躊躇わず、登場人物の誰よりも冷徹で怖い横顔が垣間見える。
2010/5/10
■ 編笠十兵衛 第6話「追憶」1974.11.7
吉良邸は、屋敷替えで本所松坂町へ移転。赤穂浪士たちのコントロールに腐心する十兵衛のもとに、縁薄かった母の訃報が届く。
ロケ地
- 引越し支度の吉良邸近くを通りかかる十兵衛、相国寺方丈南西角付近塀際。このあと奥田を見かけ、共に蕎麦屋へ。
- 吉良が乗った駕籠が引っ越し先へ向かう道、相国寺方丈西塀際(北望)。駕籠を凝視し今にも斬りかからんとする前原と磯貝を止める十兵衛のシーンは、セットにスイッチ。
- 奥田と船宿を出てきた十兵衛、二人歩く道は今宮神社石橋。堀内道場の門弟たちにからまれる一学を奥田が助けるのは同社稲荷社前。そのあと、十兵衛に一学が不憫だと話すのは上賀茂神社ならの小川畔。
- 奥田の発言を真に受けた一学が、それを嬉々として小林に告げる吉良邸の庭、不明(荒れ気味の庭は池泉、建物も古びた感じ)。萩と尾花がよい風情。
- 母の死に目に会えなかった十兵衛と話す万屋、今宮神社高倉下に茶店セット。
- 十兵衛宅に届けられる母の遺品、走田神社社務所。
- 千弥の報告を聞く屋形船、罧原堤下の桂川か。
- 吉良邸裏門に店を出し見張る前原、材木が慌しく運び込まれる吉良邸は相国寺光源院、「米屋」はセットで画面切り替えて使ってある。
- 山科の大石寓居イメージ、広沢池北東岸の萱葺。
- 命日には江戸市民の参詣が引きも切らぬ泉岳寺墓地、永観堂墓地。
*母の危篤を知らせてくれる叔父(母の弟)・万屋は美川陽一郎、前原伊助の出店も斡旋してくれる。
■ 水戸黄門41 第5話「情けを知った刺客の女」2010.5.10TBS
東海道・府中宿に跋扈する賊、その裏にはという仕掛けにアブナい妖術使いが容喙、老公を殺める道具に使おうとする。配下のくの一は格さんを幻惑して老公を狙わせるが、彼の顔は亡くした兄に生き写しなのだった。
ロケ地
- 駿府城イメージ、本物。オープニングにもいろんな個所が。
- 格さんが一服盛られる茶店、駿河湾と大堰川堤を組み合わせて。
- 駿府奉行所の門、駿府城城門(イメージ)。
- 湊屋が奉行に始末される城下、不明(覆屋が被されたやしろ、亀岡か)。
- 助格が調べにやって来ると、無幻斎一味の行者が出てチャンバラの神輿蔵、木島神社祭具庫。チェスト侍のヘルプ入り。
- 賊・鬼面党一味の浪人が船をつけるところを目撃する助格、大堰川河川敷(汀)。このあと老公もまじえて見張りのため潜んでいるところを焼き打ちに遭う小屋も同所。
- 出家した茜に別れを告げる格さん、祇王寺山門。格さんを待つ一行、大堰川堤。
*亡兄にそっくりな格さんを手にかけられぬ、無幻斎配下のくの一・茜は雛形あきこ。奉行は丹波義隆、彼に消されかかる悪徳商人・湊屋は樋浦勉。
★虫コナーズCMに栗塚旭出てて、家中大爆笑。去年出てたオバ二人組に匹敵するキワモノ。
2010/5/9
■ 鞍馬天狗 黄金地獄 伊藤大輔監督作品 1942.10.29大映
明治四年の横浜が舞台の活劇。怪しの異人が、ご一新後でまだよちよち歩きの日本から黄金を毟ろうとしていた。悪の組織とわかっていながら手を出せぬ歯がゆさ、秘密を知った技師を殺しておきながら罪をヒーローになすりつける阿漕さ、潜入していた鞍馬天狗も捕われの身となり、希望の船が爆破されんとしたそのとき、我が身を捨てて惨事を止める女神が顕現する。
ロケ地
- 横浜港、琵琶湖か(乗船場の向うに広い水面)。
- ヤコブ商会に「鞍馬天狗横浜に来る」との一報を伝える馬車が走る松原、琵琶湖西岸松原。
- ヤコブ商会の中から見えるドック、セットかロケか不明。後段では、盤木も見える。劇中はドックと呼ばれ、看板にはヤコブ船渠と書かれている。
- サーカスに客をとられた杉作たちがとぼとぼ渡る橋、不明(相当量ある流れは瀞、疏水に似る)。その後倉田典膳と出会う浜、不明(煉瓦造りの建物や漁具が見える)。
- 三浦青年をニセ鞍馬天狗が暗殺しかける一本松弁天、唐崎神社。湖畔の燈籠、唐崎の松や透垣が映り込むほか、石垣下も逃走の際使われる。
- 横浜と東京を行き来する馬車のくだり、トンネルや崖地、湖面を望む高台など。
- お力の遺骨を抱いた杉作が、沖をゆく「救われた船」に呼ばわる海辺、琵琶湖岸か。
2010/5/8
■ 月から来た男 佐伯幸三監督作品 1951.11.29大映(大映・新歌舞伎座提携作品)
つらい運命に縫いとめられた矢場女が満月の夜に会った侍は、やはり別世界の人。彼女を責め苦から解放して去ったと見えた男が帰ってきた夜には、出会いの日と同じきれいな月が出ていた。
長屋のみんなが頼る「先生」は御大身の若様、弟に家督を譲るべく家をおん出ての長屋暮らしで、いちおう傘張りなんかもしていて、友人にも居場所告げてなかったり。しかしお清の身請け金を借りたため発覚、一旦は連れ戻される羽目に。
矢場の裏が墓地で、寺の築地塀が崩れて向うが覗くところが小十郎の長屋の裏、という趣向。矢場の物干しから墓地を見たり、矢場二階の監禁部屋へ長屋から呼びかけたりとか、なかなか見せる作りのセット。
ロケ地
- みかじめ料が徴収される、聖天一家のシマのお酉さま、不明(神楽を舞う巫女は舞殿、奥に本殿?が見えている)。
- 滝蔵が金を払わぬ男をシメる「境内」、今宮神社か(暴行を加えるシーンには「溝」らしきものと五本線入りの塀、検分シーンではその塀と路地)。
- 浅草寺、清凉寺山門、本堂前。門では大提灯越しにお堂を見せる演出。矢場の設定が奥山、場面は矢場を逃げだしたお清がやって来た朋輩を呼び止めるくだり。
2010/5/7
■ 編笠十兵衛 第5話「斬殺」1974.10.31
深く鋭い小林の見識は、十兵衛と中根が危機感を抱くほど。しかし吉良の嫌われぶりは予想外にひどく、小役人の買収も儘ならず。今回は、十兵衛と小林が名乗りあい互いを認め合う、爽やかにしてほろ苦い場面が見られる。
ロケ地
- 無事明け渡される赤穂城、書割か。赤穂開城を吉良邸へ知らせる早馬が駆ける道、北嵯峨農地竹林際。
- 十兵衛宅、走田神社社務所(今回はイメージのみ)。
- 山口浪人が舟津に斬られる吉良邸門前、相国寺方丈塀際。駆けつけた十兵衛と目線を交わす小林は門前に出ていて、映画村セット。二つをうまく切り替えて使ってある。
- 柳沢へ屋敷替えの件を嘆願に行って、叩き出される一学を目撃する十兵衛、京都御所管理事務所長屋門前。一学がつまみ出される門は同所の東門で、切り替えて使う。長屋門は東寄りの塀際を使い、門は映さず。
- 小林が空屋敷奉行に工作を持ちかける屋形船、不明(俯瞰、水面のみ。降りるシーンはセット)。
*舟津に斬られる山口浪人は高原駿雄、刀代をせびられる叔父は嵯峨善兵。山口暗殺に居合わせ目撃証言する町人は峰蘭さん。空屋敷奉行は北村英三。
2010/5/6
■ 編笠十兵衛 第4話「襲撃」1974.10.24
十兵衛らの策が功を奏し、吉良は御役御免になり、情勢は変わり始める。「吉良方」では動きの中心に十兵衛がいることを察し、刺客が放たれる。
ロケ地
- 赤穂城、書割か(夜景の一件は思い切り「絵」っぽい)。
- 赤穂へ赴く前に堀内に挨拶しに行く奥田孫太夫のくだり、往路は大覚寺大沢池畔(覚勝院のものと思われる方形のお堂が背後に・現存せず)。堀内に仇討ちの意思を明確に伝える道場の廊下は大覚寺回廊。
- 呉服橋吉良邸の庭に佇み物思う小林に声を掛ける一学、阪口青龍苑。小林は切石橋にいて、これを見下ろす俯瞰のアングル。昔の建物も映り込んでいる。
- 蕎麦屋でタダ食いの浪人を咎めた十兵衛、彼らが戻る長尾道場を窺う門は大覚寺明智門、御殿川河床から見上げのアングルも。見張っていると、井田に連れられて十兵衛旧知の剣客・永井が出てくる運び。
- 夜更けて十兵衛宅を襲う一味、走田神社。井田の使嗾で加わった永井がやって来るのは社叢脇の道、門は社務所で、この前で大立ち回り。室内はセット撮り。
- 十兵衛を襲わされたことに気付いた永井が井田を問い詰める道、大覚寺大沢池畔(茶店仕立て)。
- 十兵衛を訪ねようとして消される永井、走田神社社叢脇の道。地蔵と燈籠あしらい。
- 柳原土手で十兵衛を待ち伏せ斬りかかる舟津、大覚寺放生池堤。
- 赤穂城を囲む軍勢、二条城本丸西虎口付近(バンクフィルムか)。
- 大石の働きで無事開城の赤穂、それを語るナレーションに被る、船で堀をゆく十兵衛は渡月小橋下手湛水域。
*梶川邸から保護されたお冴は、自ら志願して密偵に。化けるのは芸者で、源氏名は千弥(クレジットもこれ)。仕官を餌に十兵衛襲撃に加わらされた剣客・永井は黒部進、大坂の道場で恩を受けたという設定。
2010/5/5
■ 編笠十兵衛 第3話「決断」1974.10.17
関係者の聞き取りから、十兵衛はこたびの失態は将軍自身の瑕疵と判断。苦肉の策として、赤穂の遺臣による仇討ちが、中根との協議により「採用」される運び。その頃赤穂では、意見を二転三転させていた大石が、開城の決断を下していた。
ロケ地
- 赤穂城イメージ、不明(櫓?)。
- 亡君の墓に額づき嗚咽を漏らす奥田孫太夫、香華を手向けにやって来た十兵衛に末期の対面の件で礼を述べて家に誘う墓地、永観堂墓地。
- 奥田の倅(養子)・貞右ヱ門が同志と語らって梶川を討とうとするくだり、密談の船宿(柳橋)を窺う十兵衛(船着き周辺の水辺)、広沢池東岸か。貞右ヱ門が梶川邸へ向かう夜道、不明。貞右ヱ門の出鼻を挫くかたちで梶川宅から「女」をさらってきた十兵衛が入る中根家の門、相国寺大光明寺門(この時点で貞右ヱ門を伴っていて、梶川加増がポシャったことを告げて暴発を断念させる)。
- 中根の御前の伝言を十兵衛宅へ伝えに走る達之助、走田神社。社叢脇の道(田畔に地蔵あしらい、南望)から社務所前へ走りこみ。
- 収城使の役目をはねつけた御小姓組・日下部三十郎宅へ赴く十兵衛、不明(日下部が木刀を振るう庭、植藤か←軒瓦を出した萱葺き)。
- 中根に苦衷の策を進言したあと、十兵衛がゆく野道、不明(川堤か、夕景)。
2010/5/4
■ 編笠十兵衛 第1話「刃傷」1974.10.3
「犬斬り」をはたらく若者を助けた十兵衛は、帯びた使命ゆえ悪法の大元を弾劾する動きに加わってゆく。その中で宿敵と遭遇し、「事の発端」に際会する。
ロケ地
- お犬様の駕籠を襲った若者たちに関わったあと、同じ若者が囲まれているのを見て再び手出しする十兵衛、下鴨神社糺の森。
- 町方が尾行してくるのを後目に中根邸へ入る十兵衛、相国寺大光明寺南路地〜門。
- 小太郎を諌めて帰りの十兵衛が、凄腕の刺客に遭う夜道、下鴨神社河合社脇。
- 堀内道場へやって来た「夕べの刺客」を尾行する十兵衛、彼らが入ってゆく中條流長尾道場は大覚寺明智門。
*小太郎は小林芳宏、許婚者の多重は服部妙子。小太郎を治療し、弟子として受け入れる医師は岩田直二。
■ 編笠十兵衛 第2話「切腹」1974.10.10
あまりにも早く下った裁可に疑義を抱く十兵衛は、中根に御意簡牘(ぎょいかんとく)を示し将軍との対面を求めるも、闇は深く解決は容易でない。そして主君の孝心を無にできぬ家臣は、一人の若者に犠牲を求めるのだった。
ロケ地
- 達之助から浅野刃傷を聞きすぐ出てくる十兵衛、歩きながら次第を聞く道は相国寺大光明寺南路地・塀際。
- 赤穂へ走る第一便の早駕籠、不明(川堤か、法面はコンクリート)。
- 芝愛宕下・田村右京太夫邸、大覚寺大門(衛士と篝火あしらい)。
- 上杉邸、相国寺林光院。
*蕎麦屋で刃傷について否定的な見解を開陳する町人は川谷拓三。田村右京太夫は北原義郎。
2010/5/3
■ 水戸黄門41 第4話「湯の里守れ!美人女将」2010.5.3TBS65
献上湯を狙って汚いはかりごとが巡らされるが、災難は心ならずも隔てられていた男女を再び結びつける。小物くさい悪党はさくっと断罪され、無幻斎を斬りに出てきて結果ヘルプのチェスト男は、微かに馴れを見せたり。
ロケ地
- 箱根八里をゆく一行、不明(林道、坂)。
- 献上湯の担ぎ手だった辰次の父が不始末を仕出かしてしまった街道、不明(山道、回想シーンで二度出る)。
- 小田原城イメージに本物の天守。
- 担ぎ手の健康診断で流行病とされた「仕込み」の熊五郎が拉致される帰り道、広隆寺裏塀際(映画村村内、お化け屋敷裏手)。
- 当地を発つ一行、不明(林道か、頂上付近)。
*御汲湯宿の若女将は大杉彩子、兄弟同然に育った辰次は高橋光臣。献上湯の権利を狙うライバルは伊藤高、つるむ次席家老は春日純一。御湯樽奉行は真実一路(非悪人)。熊五郎を流行病と診断する医師は田口計だが、悪いのかどうか判断つかず。ラス立ち福ちゃんに峰蘭さん入り。
*チェストは女将が怒鳴り込んできた際に風呂入ってたり、弥七に礼言われて苦笑いしたり。
2010/5/2
■ 若さま侍捕物帖 魔の死美人屋敷 深田金之助監督作品 1957.4.2東映
大奥奉公をしていた大店の娘の変死事件に乗り出す若さま、権威を振りかざす者どもに痛烈な啖呵を切る。一味の手先をつとめる伝法な女の心も蕩かし、彼女を強請っていた小悪党も心酔させ、怪しの屋敷に乗り込んで大立ち回り。最後は、身籠った御側室を亡き者にせんと殺到する悪党どもを痛快に平らげ、将軍の心持ちを案ずる余裕を見せる。
ロケ地
- 娘が変死していた山城屋の蔵を外から検証する若さま、宇治川派流沿い酒蔵。
- 大奥女中のおみよが連れ込まれる阿部伊豫守下屋敷、妙心寺蟠桃院。脇の通用門も使われる。
- 芝居でおみよを連れ出すお小姓のくだり、二人が去ったあと起き上がる侍をやり込める若さま、妙心寺大雄院北の生垣際。
- 喜仙へやって来て雇い主の和尚の秘密を若さまに告げるお蝶、宇治川派流堀端(下り船あしらい、喜仙近くの舟着き設定)。
- お小姓がおみよを連れ込んでいる家、セットか。
- 喜仙へやって来る和尚の手先の侍たち、一部伏見市街を利用か。また、斬りこんできた彼らを物干し台から川に叩き込むシーンは派流か(流水が確認できる)。
- 喜仙が見張られていることを皆に告げる若さま、二階から望む、見張りのいる橋は派流の橋か。
- 御側室が参詣の護国寺、清凉寺。山門を入り本堂前に至ると、わらわらと刺客が湧いて出る。立ち回りの際は塔をはじめ境内各所が映り込む。
2010/5/1
■ 赤穂浪士 第20話「蛍火」1979/4-12テレビ朝日/東映
同志や主税にも理解しきれぬ、大石の心底を見透かす隼人。その彼に魅かれゆく心を止められぬお仙。韜晦か本性か定かでないまま続く大石の遊蕩、そして江戸では、小山田が一挙を危うくしかねない暴発を仕出かしていた。
ロケ地
- 陣十郎に大石を刺客から護った件を話す隼人、広沢池東岸。お仙は船にいて手足を水に浸ける。
- 父の遊蕩にキレた主税が激情を迸らせる林、不明(竹林)。
- 前原と小山田が吉良屋敷移りについて話す神社、吉田神社竹中稲荷重ね鳥居下〜舞殿前。
- 伝吉(小山田偽名)に託されて届け物をした前原が、幸に伝吉の近況を聞かれる神社、不明。その場を去った幸が佇む、蛍飛ぶ水辺は下鴨神社紅葉橋たもと(別撮りか、水面を演出)。
- 吉良が滞在する上杉家下屋敷に潜入するも露見、逃げた小山田が追っ手と斬り結ぶ夜の林は糺の森か。
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