第二シリーズ 2005年テレビ朝日/東映 全九話
キャスト
平次/村上弘明 お静/東ちずる 八五郎/石井正則 三輪の万七/渡辺哲 清吉/石塚義之 吉岡庄平/緒形幹太 笹野新三郎/西岡徳馬
第1話 「裁けぬ悪行!平次が仕掛けた罠」 2005.7.4
村上平次第二弾、レギュラー変更なし。
平次が世話になった三味線堀の長五郎の娘が江戸へ帰還、彼女の亭主は父の仇を探していた。その仇は薮枯らしと異名をとる悪党、付け込まれた大店の女将はお静の茶店勤め時代の友達、脅迫に屈しかけた主が平次に告白するきっかけは長五郎の昔話という入れ子構造。その大店に傷をつけぬため、平次と笹野さまは裁き無しで一味を獄門台に送るべく策を用いる。
ロケ地
- 長五郎の墓参りに出かける平次夫婦、通り抜ける神田明神は長岡天満宮本殿前(縁日を演出)。途中笹野さまたちとばったり、大覚寺大沢池木戸。墓地、広沢池か(背景に池と石垣)。
- 笹野さまと薮枯らしの話をする平次、長岡天満宮・八条池水上橋の四阿。
- 長五郎の娘・お吉と昔話をする平次、大覚寺天神島汀。
- 薮枯らしに誘われた巴屋が押し込められる屋形船、大沢池船着(小)に係留。
- お吉の亭主・新助を囮に誘き出しの芝居を打つ神社、不明(石垣上に建物、玉垣が目立つ。腰上げて伸びしてるポーズの吽形狛犬も)。
ゲスト
お吉/前田愛 新助/黒田勇樹 おせい/辻沢杏子 市兵衛/中丸新将 七蔵/木村栄 佐久間/福本清三 藪枯らしの甚蔵/原田大二郎
第2話 「孤独な少女!偽りの父に潜む謎」 2005.7.11
当てもない日々を暮らす仇持ちの侍と、矢場の女将にこき使われる薄幸の少女の出会い。その幼女に関わったことで、侍はそれと知らず仇を斬り永久に存念を果たせぬ仕儀となるが、屈託ない少女の笑顔に全ての憑き物は落ちてゆく。
ロケ地
- 辻占売りのゆきを苛める悪ガキを叱るお静、長岡天神境内。
- 釣りの正田浪人、桂川松尾橋下手河川敷水制(仇を斬ってドボンもここ)。
- 賊が荷駄を襲い失敗する海岸、日本海と思われるマジ海。砂浜を望む松林の丘。
ゲスト
正田太一郎/永島敏行 ゆき/美山加恋 岩村勘兵衛/永澤俊矢 小春/村井美樹 おらく/江口ナオ 惣十/谷口高史
第3話 「殺人目撃!記憶を失くしたお静」 2005.7.25
平次たちの追う阿片密売人が口封じに消される、その現場を見てしまうお静。逃げる途中大八にぶつかり頭を強打し記憶喪失という筋立て、密売組織とグルの侍はお町のダンナ。お静の記憶の糸を手繰るかたちでドラマが進行、北町同心とやりあう平次の姿に「女房になる決心」をした事件の記憶を幻視するお静のシーンがなかなか。
ロケ地
- 神田明神境内、今宮神社境内(石橋や祠、楼門翼など。冒頭イメージのほか悪同心とラス立ちも同所、川開きの花火を合成し演出)。
- 売人を斬り捨てる北町同心・草薙、八幡掘舟橋付近堀端。対岸で見たお静が逃げて駆け入るのはかわらミュージアムへの階。
- 売人の死体が上がる川、罧原堰堤下河原。
- 平次が語る過去の回想、釣りデートは大覚寺放生池堤。プロポーズの船着きは八幡掘・新町浜。
- 笹野さまがお静に平次の昔話をする堀端、八幡掘・明治橋上手堀端。
キャスト
草薙玄九郎/遠藤憲一 お蔦/園英子
※大ワル同心の遠藤憲一、ぬめっと赤い唇が印象的。
※夫婦の絆を再認識というテーマに沿って、はじめお静がプロポーズを渋った経緯なども出てくる。
第4話 「涙の絆!罠に堕ちた万七一家!!」 2005.8.8
カッコつけの大盗の二代目が馬鹿を仕出かし捕縛、父の隠居は三千両を投げ出し子分に奪還を依頼。彼らの荒っぽい手口に万七が巻き込まれるが、平次は万七の漏らした合図を聞き逃さなかった。
ロケ地
- 万七を説得できずに帰る平次夫婦を見ている不知火一味、八幡掘堀端。明治橋や新町浜映り込み。ラストの夫婦コントも同所。
キャスト
お照/山口香緒里 不知火権八/結城市朗 釣鐘銀蔵/須藤雅宏
※不知火一味が攪乱に雇った、二代目権八の唐丸を奪還しにくる浪人に福ちゃん。平次に叩きのめされおわ、おわぁとのけぞり。
第5話 「狙われた娘の絆!涙の投げ銭」 2005.8.15
借金のカタに娘の身売りを迫られた父は賊に加担、いつも足取りの消える盗っ人を告発したのは、平次夫婦に字を習っていた健気な娘がたどたどしい字でしたためた投げ文だった。
ロケ地
- 神田明神、長岡天満宮本殿と周辺。冒頭とラストのほか、中ほどでも登場。
- 賊を乗せた船を操る父を見てしまうおはな、大覚寺大沢池〜セット船着。おはなは護摩堂の方から出てくる。夜間撮影。
- 久助・おはな親子が暮らす漁村、琵琶湖・舞子浜の松原。漁具等あしらい。
- 遠島になる久助を見送る船番所、大覚寺大沢池畔にセット。船着(小)を用いる。
キャスト
久助/田山涼成 おはな/蓮沼茜 鬼薊の重吉/石倉英彦
※賊に入られた商家から出てくる万七が遅れて来た平次に嫌味のシーン、前を通るお店者に福ちゃんチラリ・荷を担ぎ。
第6話 「欲望の支配者!平次、怒りの激闘」 2005.8.22
公儀普請にからむ、生臭い殺人事件。解明の過程に、八五郎を亡き息子の代わりに構う女髪結いの情話がからんでくる。
ロケ地
- 材木商・甲州屋が「縊死体」で見つかる橋、中ノ島橋(検分のため橋下手の州に下ろされている。後段、悪人が真相を暴露のくだりでは、人形を欄干にぶら下げて殺人現場回想シーンも)。
- 平次にまとわりつき、八五郎の事でやいのやいのと絡むお藤、八幡掘堀端。
- 笹野さまと平次が普請のあとを任された三河屋について話す町角、大覚寺勅使門橋(御殿川水面から橋へズーム)。
- 普請奉行・堀田邸、明智門。
- 堀田の用人が甲州屋の番頭から安普請の証拠書類を受け取る葦原、西の湖太鼓橋たもと汀(お藤に押し出された八五郎が橋上に出てしまい露見、番頭は口封じに消される)。
- このときの船を探しに出て見つけるお藤、八幡掘堀端(左岸側の家の草戸も使用)。
キャスト
お藤/沢田雅美 堀田頼母/中田浩二 三河屋/石山輝夫
※普請奉行の中田浩二、平次を下郎、笹野さまを不浄役人呼ばわりが憎々しくて最高。ラス立ち福ちゃんや峰蘭太郎入り、中田浩二の家来。
第7話 「追いつめられた平次 温情の十手」 2005.8.29
労咳の女房を助けたい一心で盗みをはたらいた男、その哀れさに平次は被害者の但馬屋に頼み込み穏便に済ませてやる。しかし一年前のこの件が仇となり、男は但馬屋に入って大金を盗んだ犯人にされ、平次は謹慎処分に。笹野さまや但馬屋の旦那が工作、危機一髪のところで平次の手に十手が戻される。
ロケ地
- 一年前、但馬屋から十両を盗んだ件で左官の栄吉に事情を聞く平次、長岡天神境内(神田明神)。
- 賊は栄吉と証言した但馬屋の番頭が殺されて見つかる弁天島、広沢池観音島(石段部分に倒れている)。
- 平次の挑発で「仲間」と協議の岡っ引が入る根岸の大宮神社、わら天神(参道、境内、本殿裏手)。
- 笹野さまから託された十手を持って親分のもとへ急行する八、飴売りに行く先を聞くのは大覚寺五社明神。
キャスト
栄吉/中野英雄 お夕/遊井亮子 佃の仙造/鈴木ヒロミツ 但馬屋利兵衛/鶴田忍 喜助/井上高志
※仙造は、計画的に栄吉をハメた、賊とつるむワル目明し。但馬屋は人情家、その手代に川鶴晃裕、朝日新聞のラテ欄に名前出てたのに素早く殺されてしまう。賊の一人の矢神浪人に峰蘭太郎、ぼさぼさの総髪を後ろで結わいたスタイルは珍しいかも。親分に一刀を浴びせるも神輿に刀とられてポッキリ。十手届けに走る八に、平次の行く先を根岸と教える町人に福ちゃん、道端で土になんか書いて人と話してた。
第8話 「涙の祝言!殺人者になった花嫁の父!!」 2005.9.5
変わり者の指物師・多助は孕んだ娘のことで近江屋に談判、晴れて祝言の運びとなるがそのあとがいけない。貯め込んだ金を持って花嫁衣裳を求めに行ったはいいが、少しお値段は張りますがと見せられた白無垢を予算オーバーなのに注文、調達のため賭場荒らしの仲間に入ってしまう。はずみで人を刺し立てこもりまでする多助、このあと妙な泣き笑い人情劇となる。
ロケ地
- 近江屋の若旦那に別れ話を切り出すおさよ、八幡掘堀端(導入は水売りの通る明治橋上から見下ろしの絵)。
- 賭場荒らしの件で笹野さまの回想、骰子を握って大川端に上がった死体、西の湖園地畔。
- 多助の回想、おさよの母にプロポーズの橋、大覚寺天神島朱橋。病みついた女房が花嫁御寮を見て白無垢をきれいと漏らす橋、八幡掘明治橋。
- 賭場荒らしの主犯の浪人が房州へ高飛びのため用意した船頭のところへやってくる船着き、大覚寺大沢池木戸〜船着(小)。
- 流人船の多助に婚礼衣装を見せに来る花嫁花婿、西の湖太鼓橋。
キャスト
多助/不破万作 おさよ/宮本真希 近江屋仁兵衛/大出俊 榊京之介/片桐竜二
※近江屋の旦那、立てこもりの多助に祝言を約束→人質解放後すぐ豹変→平次や長屋の衆にホレホレと詰め寄られ仕方なく承知という流れの、表情の変化が傑作。特に平次親分が赤子を無理に抱かせてもうじきこんな子が授かると口説く際「赤子は苦手」と嫌がる困りよう、大出俊ならではで妙に可愛い。親分のクドさもなかなか。
第9話 「最期の激闘!絶体絶命、下手人は笹野!!」 2005.9.12
笹野さま婦女暴行の濡れ衣で危機一髪・死罪一歩手前の大騒ぎ、ハメた相手は抜け荷で調査中の回船問屋だった。偽証の娘には不幸な過去、ワル一味は与力同心岡っ引の揃いぶみ、平次は情に訴え娘を説得するほか、物的証拠も揃えワルをお縄に。
ロケ地
- 笹野さまを陥れた娘・おぶんの故郷・佃島へ聞き込みにゆく平次、広沢池東岸(渡し場、船着あしらい)。
- 笹野さまが証言者の大工に呼び出され行ってみると本人の死体がある越前掘の明神さま、大覚寺五社明神(石鳥居と舞殿の間に朱の鳥居やぼんぼりをあしらい、実は軽業師の「大工」が頭カチ割られて死んでるのは本殿前)。
- 平次が検死役に「大工」の検分について聞く町角、大覚寺参道石橋上(南町近く設定)。
- 平次に真実を聞かされたおぶんが乗り込む西海屋の寮、大覚寺望雲亭。
- 平次が西海屋と同心を追いつめる、大覚寺大沢池北西畔の切り株付近(夜間撮影、水面映らず)。
- 無罪放免となり叔父と佃島に帰るおぶんを見送る平次夫婦、大覚寺大沢池北西畔(佃の渡し設定、屋形あしらい)。
- その後ハチのてーへんだで急行し強盗と立ち回りのラストシーン、大覚寺大沢池北東岸汀(聞き取った限りでは真土堤、隅田河畔か)。
キャスト
おぶん/浜丘麻矢 堀場彦四郎/池田政典 熊谷以蔵/四方堂亘 薬研堀の六兵衛/草薙良一 西海屋長右衛門/大場順 五平/横山あきお
※笹野さまを責める群衆の中に峰蘭太郎、二階から落ちたおぶんを診にやってくる医者に小峰さん(ラブリー)。
→ 銭形平次 第一シリーズ(2004年)
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