徳川の女たち 第一部 華麗 春日局  1980フジ/東映

枳殻邸侵雪橋キャスト/スタッフ
春日局/松尾嘉代 お江の方/久保菜穂子 徳川家光/荒木しげる 徳川忠長/永井秀和 りん/清嶋智子 九重/松村康世 ゆき/志乃原良子 八橋/原あけみ 東堂/武田てい子 近藤数之進/五十嵐義弘 権太/福本清三 松平伊豆守/御木本伸介 徳川秀忠/仲谷昇 築山殿/木暮実千代 隆光/西田健 稲葉常正/神田橋満 百合/徳永真由美 鳥井作之助/大月正太郎 仙吉/高木吉治 稲葉正成/藤巻潤
原案脚本/西沢裕子 音楽/渡辺岳夫


第1話

 大御所の遺志が反故にされ家光の三代就任がいよいよ怪しくなり、窮した春日局に頼られた知恵伊豆が示したのは驚きの過去の人。
藁をもつかむ覚悟で志摩へ出向く春日、動きに気付いたお江の方は行方を捜させる。

ロケ地

  • 江戸城イメージ、姫路城天守
  • 志摩の海岸、間人海岸
  • お城の馬場で刀をパイロンにして馬でスラロームの忠長、下鴨神社馬場・河合社脇。

第2話

 築山殿の信長に対する憎悪を利用し動かそうとする春日、しかし覚悟の程を問われ試されることに。死も厭わぬ心底を見た築山殿は春日に秘策を与え、舞台は江戸に戻る。

ロケ地

  • 春日が飛ぶ断崖、間人か(崖は柱状節理)。お江の方の示唆で春日の行方を追う忍者・権太が走る日光街道、広沢池北西岸
  • 供の待つ海岸へ戻る春日、間人海岸
  • 船に乗り志摩を発つ春日、琵琶湖西岸
  • 行き先を西に変更した権太が走る汀、琵琶湖岸
  • 海中で春日の懐をさぐった女が瀕死の状態で上がる海辺、琵琶湖西岸
  • イライラお江の方に春日帰城の知らせが来る庭、枳殻邸侵雪橋たもと。

第3話

 いよいよ流鏑馬での次期将軍選びが避け得ぬ情勢、懸念の雨も上がり開催の直前、久能山で起こった一大事が知らされる。これこそ築山殿が春日に与えた秘策であった。

ロケ地

  • 海に落ちた春日の懐中物を盗った山家の百姓娘が保護される寺、神護寺本坊(権太が中を窺う。娘の脈をとるのは隆光、天下人になる貴人を生む相があると予言)
  • 春日の息子・稲葉常正が父の反対を押し切り駿府へ馬を走らせる道、北嵯峨農地
  • 常正が忍び込む久能山東照宮、本物の唐門をイメージに。

第4話

 神君の遺骨奪還の指揮を家光にとらせる春日。まんまと流鏑馬はパス・お手柄で将軍の覚えめでたく、後継の役目である祭祀を司る段取りもつき春日は高笑い、しかしお江の方には何やら秘事が耳打ちされていた。

ロケ地

  • お江の方が将軍に遺骨盗難の件で挨拶したあと流鏑馬開催の可否を問う庭、枳殻邸侵雪橋
  • 春日の示唆で遺骨奪還のため駿府へ馬をやる家光、琵琶湖西岸松原(馬を止めた家光がお供に急がなくていいとダダをこねる)
  • 忠長が遅れをとったことで憤懣やるかたないお江の方が馬に乗り、紅葉山参詣の春日たちを打ち据える庭、下鴨神社河合社脇。

*家光を嫌い忠長を偏愛するお江の方の「理由」が示される→夢の実現成らず非業に死んだ叔父・信長に忠長が生き写し←信長に似た忠長に天下を。


第5話

 神君の遺骨を納める儀式の席上、春日の企みを暴くお江の方。遺骨を盗んだ春日の息子が引き据えられるが、元夫の正成まで現れそれは倅でないと証言するのだった。

ロケ地

  • 懐剣を掘り出したおりんに接触し、島でのことについて証言を求める権太、琵琶湖西岸松原。
  • 納骨の儀が執り行われる御廟、神護寺金堂
  • 江戸へやって来たおりんが隆光の言葉を噛みしめつつ見上げるお城、姫路城天守

*母上と叫ぶ息子を無礼者と打ち据える母、倅を斬り捨てる蔭腹を切ってきた父、春日夫婦怖すぎ。


第6話

 秀忠俄かの発病で重態、臨終に際し世継について筆をとる将軍の床の前で、春日は「三代の儀は家光さま」と暗示を与えるかのように唱える。めでたく家光が三代将軍となったあと、春日は家光の子を生む女について動き始める。

ロケ地

  • 家光の回想、弟と遊んだ幼い日、母に罵られ次期将軍にはさせぬと言われた庭、枳殻邸か。

*家光の後室について条件は丈夫な子を生むことが専一と春日、また女が政治に容喙することを避けるためと大奥創設を打ち出す。


第7話

 春日は大奥のシステム作りに勤しみ御台所選びにも着手するが、お江の方は家光に縋る。そして城の外では、お払い箱になった忍びがおりんに接触していた。

ロケ地

  • お江の方が家光に将軍権限で特権をくれと縋る庭、枳殻邸侵雪橋〜池畔。
  • 京の東福門院への密使が走る野道、不明。
  • 権太がおりんの懐剣を見る林、下鴨神社河合社裏手。
  • 御台選びのため大名の令嬢を集めて御浜御殿で催される重陽の茶会、枳殻邸傍花閣前芝地(島津公と伊達公が気のもめることと談笑)

*「権太」福ちゃん再登場、お局さまのお仕置で顔に傷貰ってる設定。


第8話

 御台選びはお江の方にしてやられ、京の鷹司家から姫が来る。家光との仲はよくすぐ懐妊の運びとなるが、医師の診立てを聞いた春日は、手の者を孝子に差し向ける。

ロケ地

  • 遠乗りに出ようとしていた忠長がお江の不興を買い駿府行きを命じられてしまう庭、下鴨神社河合社脇塀際。
  • 江戸城イメージ、姫路城天守(孝子婚姻の儀のテロップ)
  • 吹上の庭で孝子と蹴鞠の家光、枳殻邸芝地。

第9話

 御台は流産し二度と孕めぬ身に。しかし側室は持たぬと言い張る家光に困り果てた春日は、再び「志摩」に智恵を求める。闇には権太が蠢き、おりんはお末として入り込んでいる。

ロケ地

  • 側室を勧めて家光を怒らせる春日、枳殻邸印月池畔(家光の背後に傍花閣)
  • お江の方に祖母・築山殿の暗殺を命じられた忠長が慨嘆する林、下鴨神社河合社(木に駒をつなぎ、出で立ちは旅装)
  • 「春日」の駕籠がゆく街道、不明(山道?)。忠長と伴が馬をやる街道、下鴨神社馬場

*権太はまずお江の方に接触、ツナギの合図は天井から下がる蜘蛛。このほかおりんを呼び出すのに鳥の声色も。


第10話

 忠長はためらいつつも築山殿を斬るが、共に殺すはずの春日がいないうえ顔を見た侍女を取り逃がす。権太の要求は容れられ、おりんはお江の方の部屋子に。

ロケ地

  • 粗朶木拾いに出た築山殿が春日の駕籠の乗った船を見る海辺の山腹、広沢池北岸か。

第11話

 忠長の顔を見た侍女が帰還、お江の方は知らぬ存ぜぬで通せと駿府の忠長に文を書くがこれも春日の手に入り、家光は苦渋の決断を迫られる。

ロケ地

  • ざわつくお江の方周辺を同僚と池端で忖度するおりん、枳殻邸池畔・回棹楼そば。
  • 春日が家光を呼び出し築山殿殺害について筋目を正すよう迫る池畔、枳殻邸印月池畔・背景に侵雪橋。

*お江の方、権太を警戒するのはいいが目つきキライとか言ってるのは笑える。


第12話

 忠長は高崎に配流、傷心の家光とお江を慰めようとした御台は千羽鶴を届けるが、春日の尻尾をつかもうと躍起になっている最中のお江に手ひどく罵られ深く傷つく。おりんを責めて権太を呼び寄せようとするお江の方だが、春日は総取締権限で身柄を持ってゆく。

ロケ地

  • 忠長配流のテロップのお城イメージ、姫路城はの門下坂から天守。
  • 戒められた駕籠で城を出る忠長が、城を見上げ兄に別れを告げる石垣端、姫路城内か。
  • 御台が家光に千羽鶴を渡す橋、枳殻邸侵雪橋上。

*権太、おりん救出に春日を動かし「天下人を生む相」の話も告げる。


第13話

 御台は自ら身を引くが、家光は春日に怒り学問所引き篭もり。伊豆は娘を呼ぶよう勧めるが、私心は捨てたと頑なな春日を、周囲の女たちは気遣う。お江の方はまたぞろ京から公家の姫を呼び、春日は町場に丈夫な娘を求める。

ロケ地

  • 自分は間違っているか家光に問う春日、枳殻邸印月池畔。後段、物思う春日を東堂が呼びに来る段では背景に傍花閣

第14話

 良き娘を求め町歩きの春日は、遂に一人の娘に目をつける。美濃からやって来た我が子にも会わず心を鬼にして追い返し、計画は着々と進む。

ロケ地

  • 町で弟を連れお参りのお楽を見そめる春日、上御霊神社境内、本殿(浅草観音とは語られていない)
  • おりんにせがまれ隆光に観相の真偽を正しにゆく権太、金戒光明寺三門
  • 正月のお城イメージ、姫路城天守

第15話

 忠長に母のことを詫びに行った春日の娘・百合は、春日の名を聞いて惑乱した忠長に斬られてしまう。これをもって忠長切腹、次いで御台の凶報がもたらされ、傷心の家光は雪の庭で泣いていたお楽にシンパシーを抱き声をかける。

ロケ地

  • 茶席から家光にお楽を見せるくだり、お楽の歩く庭は枳殻邸遣水
  • 高崎から凶事を知らせる早馬が走る道、不明(石垣際)
  • おりんに無体をはたらかれ泣いて逃げたお楽が突っ伏す雪の庭、枳殻邸芝地

第16話

 お楽に先を越され憤懣やるかたないおりんは予言した隆光に捻じ込み、水の観は湯殿だとして権太は工作をはじめる。一方着々と中揩ノなる仕度を整えるお楽だが、お江の方の手がのびてくる。

ロケ地

  • 家光にお楽の件で礼を述べる春日、釘を刺す家光、話す庭は枳殻邸池畔〜侵雪橋。
  • おりんと権太が訪ねてゆく隆光の寺、不明。

第17話

 お楽を襲った忍者は手ずからぐっさりの春日、その足で中の丸へ届けに行き皮肉もかましてくる。お楽は上様お手つきとなり、春日ますます優勢。一方、おりんはちゃっかりとお湯殿へ潜り込んでいる。

ロケ地

  • 隆光とおりんが話す寺、西壽寺か(石段、鐘楼等)
  • 弓のお稽古上様、枳殻邸芝地か。上様に忠長・孝子の百箇日法要の話をする春日、枳殻邸園林堂か。
  • 権太とツナギをとりお江の方に会いたいと言い出すおりん、枳殻邸臨池亭池畔。

第18話

 春日の一人勝ちに歯噛みするお江の方に、情勢のバランスをとるかのごとくおりんが企みを持って接触してくる。お楽の方より先に上様の子をと企むおりんは、権太を使い大博打に打って出る。

ロケ地

  • お楽の方と一夜を共にした上様に具合を聞きに来る春日、枳殻邸回棹楼(設定は吹上の庭)

第19話

 上様自身も不審を抱くおりんとの一夜、その既成事実を現実のものにするため、お楽は義十を志摩から呼んでいた。しかしそれは隆光の予言に含まれていた禁忌に触れるものであった。

ロケ地

  • 隆光に会いにゆく伊豆、寺イメージに大覚寺明智陣屋

第20話

 義十の死体入りの長持は春日に見咎められ、おりんはお江の方のもとへ連行される。春日に指弾されたお江の方は、おりんを刺し自刃して果てる。家光は処置に苦悩するが、はじめから覚悟を決めていた春日はきっぱりと処断を求める。

ロケ地

  • 母の自刃に衝撃を受けた家光が父と祖父に詫び額づく廟所、金戒光明寺三門(参道石段から見上げ)
  • 伊豆が家光に春日の覚悟を告げる池辺、枳殻邸印月池畔。
  • 自決の場に臨む春日、その頃庭で苦悩の家光は枳殻邸池畔、侵雪橋をナメて。

→徳川の女たち 第二部
→徳川の女たち 第三部


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