徳川の女たち 第三部 哀惜 母ひとり 1980フジ/東映 キャスト 第1話 十一代家斉の世、「子福」の将軍の大奥は死ぬの生まれるの騒がしく、あまたいる側室たちの数だけトラブルも。ここで幅を利かす大奥総取締・滝川は、権高なうえ怪しの謀議に一枚噛んでいるのだった。 ロケ地、江戸城イメージ、姫路城天守。 第2話 世継をめぐる陰謀に加担する滝川は将軍の子を暗殺しはじめる。大奥留守居役の木村伊織と元大奥女中の妻女は、奥床しく将軍の寵深い左京の方の身をを案じる。 第3話 左京の方にかけられた疑いは侍女の命を懸けた訴えで沙汰やみとなるが、滝川により虎ノ門の養生所行きを命じられてしまう。左京の方は残してゆく若君のためぎりぎりの行動を起こす。 ロケ地、御代を探し嘆願する左京の方、枳殻邸侵雪橋。大奥を出た左京の方の駕籠がゆく道、二尊院墓地路地。駕籠を止めせめて楓の墓にと願う左京の方、臨光寺山門、不明。墓地は二尊院墓地。 第4話 左京の方の必死の願いを一旦断ったゆきえだが、思い直し夫と離別し子を連れて大奥へ。さっそく嫌味を言いにくる滝川に、世継の君の乳母「松島」は昂然と対決姿勢を示す。 ロケ地、ゆきえに大奥入りを願う左京の方(楓の墓・臨光院)、二尊院墓地。 第5話 若君殺害犯が残した片袖の秘密は、呉服部屋のお針子の働きで知れる。出てきたのはかもじ部屋に巣食う怪しの老婆、正体は安永4年に死んだとされていたお中揩セった。 ロケ地、お針子のまつが片袖の持ち主を呉服屋に聞いた帰り、浪路に刺される墓地、二尊院墓地。 第6話 松島に全てを聞いた梢の奔走で片袖についた伽羅の件が解明され、木村伊織と弟は滝川が老中と結ぶことを知る。 ロケ地、江戸城イメージ、姫路城天守。梢が友に木村への文を託す庭、枳殻邸印月池畔。他出した滝川を尾行する木村兄弟、駕籠が入ってゆくのは大覚寺大沢池木戸(門に見立て)。屋形船から上がってくる老中、大沢池船着(小)。 第7話 梢の発案で亡き家千代ぎみの生母に協力を求めるも、滝川に感知されており失敗。事情を知る侍女は牢内で始末されてしまう。 ロケ地、池で魚獲りをして遊ぶ福松ぎみと小太郎、枳殻邸印月池(松島を母と呼び小太郎が叱られる)。 第8話 お役目を張り切る浪路の妹を操る滝川、松島らは怪しみつつも彼女を毒見役にする。企みは実行されるが、良心の呵責に苦しんだ妹は寸前で膳を退け、その妹を刺した浪路は自らもその刃で果てる。 ロケ地、出世するにはと考え込む浪路の妹・町子、枳殻邸印月池畔。笹舟を流し競わせて遊ぶ福松ぎみと小太郎は遣水の中、二人を見守る松島が「共に健やかに」と呟くのを町子が聞く(これをヒントに町子が若君の健康チェックを思いつく)。江戸城イメージに姫路城天守。 第9話 松島から届けられた「毒の鯉」を調べた伊織は、大目付にはかり大事出来と将軍に目通りにゆくが、放埓な悪党は城内で彼を始末という挙に出る。 第10話 伊織の死を受け、謎の中揩フ調査を急ぐ松島と梢。遂にかもじ部屋を突き止めるが、奇怪な老婆はいち早く気付き反撃に出る。この後、松島は部屋を出て茶室に立て籠もる。 ロケ地、福松ぎみに大岩が落とされる吹上の庭、不明。酒井老中に会いにゆく滝川、大覚寺大沢池木戸を駕籠がくぐる。 第11話 あと一歩と高笑いの滝川と若狭守、立野の兵糧攻めを実行に移す。買い物もままならぬ松島は、自分に協力したため落命したお針子の供養をありあわせで整える。 ロケ地、茶室の庭で遊ぶ福松ぎみと小太郎、枳殻邸か。 第12話 遂に廊下の通行も差し止められ、窮地に陥る松島。智照尼は伊織の弟・左近にはかり、事は大目付の耳にも入る。しかし頼りの御台のもとにも、既に滝川の圧力が来ているのだった。 ロケ地、智照尼の臨光寺イメージ、大覚寺明智陣屋。尼に松島の窮状を聞き帰る左近、脇の石垣は大覚寺心経宝塔基壇か。代理留守居役の宮内が弓の稽古をする庭、枳殻邸芝地(結婚予定の大奥女中を垣間見で上の空、左近が来て松島を助ける件を相談)。御台誕生祝いの茶会が催される御浜御殿、枳殻邸印月池畔(大目付が御台の母に協力を要請)。 第13話 御台の母・基子は若狭守の求めに応じ、近衛家の権威をもって松島の窮状を救う。してやられた滝川に、「姉」が策を授ける。 ロケ地、基子が届けた品物の中にあった凧を揚げて遊ぶ福松ぎみ、枳殻邸芝地か。 第14話 立野の「智恵」は基子を京に帰す手立て。主上の意思を伝える左大臣の文は贋物と見破られ一旦は引き下がる滝川だが、若狭守にはかり本物の命令を出させるに至る。 ロケ地、主上に江戸の状況が奏上されるくだり、京都御所建礼門がイメージに挿まれる。基子のもとに届けられる文の早馬、木津堤か。 第15話 基子は涙ながらに京へ帰るが、その哀れが人の心を打つ。揺れていたお針子たちは、願いが叶わなかったことで胸を突いた梢を見て心を決める。 第16話 松島の頼みは、衣替えの際「片袖の無い掻取」を探すこと。検査役が融通の利かぬ堅物と聞き、滝川は右往左往。そして進退極まったかもじ部屋から火の手が上がる。 第17話 かもじ部屋から松明を持って走り出た立野は茶室に放火、火事の責めも全て松島側に着せる滝川たち。立野は中揩ノ戻り、滝川と酒井老中は憚ることなく我が世目前と高笑い。 第18話 永の暇となったお針子は、城を下がる折松島の文を携えていて見つかり滝川に折檻されるが、天然御台がその場に現れたことで事態は動く。 ロケ地、智照尼の臨光寺、イメージに大覚寺明智陣屋。左近が尼に秘策を授ける墓地、二尊院墓地。左京の方に会うべく寺を出る尼、二尊院湛空上人御廟石段。 第19話 お針子たちの働きでかもじ部屋の焼け跡から掻取の燃えかすを採取、繋ぎ合わせ復元。ようやくできあがったその時、廊下に立野が現れ刃をかざし梢に斬りかかってくる。 第20話 梢を亡くし米塩も尽き窮する松島、しかし悪党側も寛永寺僧から将軍にもたらされた忠言により苦しい立場に追い込まれていた。若君の前に毒饅頭を積み上げ勧める滝川だが、小太郎の健気な行動により企みは潰える。 ロケ地、泥鰌を捕っている御台のもとへ来て若君のもとへ見舞いに行こうと誘う滝川、枳殻邸印月池。小太郎の遺骸を抱き城を下がる松島、姫路城はの門下坂。 |