長七郎江戸日記
  21〜40話


第21話「母恋草」1984.3.13

 奸臣の使嗾に乗りご乱行の殿様、町家の女房を強奪。母を奪われたため侍を憎む子を見てトラウマ刺激されまくりの長さんの介入で、悪は一掃される。

ロケ地
・釣りの長さんが一平少年に泥棒呼ばわりされる川端、大覚寺大沢池堤水門脇。水門に薦巻き、堤に祠あしらい。
・一平の父が膳所藩のお部屋さま(強奪された女房)に駆け寄り無礼討ちされかかる深川・顕覚寺、金戒光明寺三門、石段(辰が家来を攪乱し連れて逃げる)
*佞臣は江戸家老と配下、藤岡重慶と福ちゃん。ラス立ちで長七郎ぎみに名指しされててちゃんと役名(上島丹波)もある福ちゃん、幾つもの悪事をはたらき大活躍。亭主をハメるため植木屋の親方を殺すくだりで共犯の中間に小船秋夫、あとで口封じも福ちゃん。*改易は避けたい長さん、向かってくる馬鹿殿は髷切りで済まし国替・減封。宅兵衛さん不在、湯治設定。
設定エピソード
・六さんに調査依頼の際、一平少年と自分は同じと言う長さん「父を死なせ母を自害に追いやった」発言。お母上って死んでたっけ?スペシャル編では出てたけどまあいいか。
・一平父捕縛の件を掛け合いに行った長さんの顔を見た吟味与力「どこかで見た…お奉行の部屋?」。


第22話「狙われた姫君」1984.3.20

 藩政を壟断する悪家老が姫様を亡き者にと狙うお家騒動。出奔した姫を長さんが拾う、お決まりのパターン。

ロケ地
・雨宿りの姫と辰、大覚寺五社明神舞殿。刺客が出て逃げる二人、放生池堤護摩堂(中から雨宿りしていた長さんが出てチャンバラ)
・姫を浅草の縁日に連れ出す長さん、大覚寺大沢池(心経宝塔映り込み)。身分を指摘し帰るよう諭す長さん、天神島(刺客出て軽くチャンバラ)
・藩邸から出た急使を落馬させ密書を奪う六さん、下鴨神社馬場
・迎えが来て屋敷に戻る姫の駕籠が襲われる道、広沢池東岸。チャンバラは西岸へスイッチ、六さんが船を用意して待っている川端、罧原堤下汀(狙撃され姫と六さんドボン)
*姫は藤吉久美子、改革派の若侍に伊吹剛。お姫様世間知らずネタもあり、七輪にかけてと言われた鍋の中身をぶっかけ灰神楽などやらかす。*長さん早くも六さんこき使い「ちょっと黒羽藩探ってきて」。*宅兵衛さん不在、塔ノ沢から文が届く。


スペシャル1「海を渡る五十万両」1984.4.3

 雷鳴轟く夜、怪しの猿面つけた賊に襲われる旅装の男女を助ける長さん、男は明の鄭成功。父が日本のどこかに隠した軍用金五十万両を探しに来たという。長さんたちは思い切り関わりまくり尾張公の邸に秘密を解く燈籠を見に乗り込んだりする。
 金の隠し場所が肥前松浦と知れ江戸を発つ一行がゆく東海道、谷山林道。名古屋城下の茶店、下鴨神社鳥居前。ここで辰三郎が女に引っ掛かり金の秘密べらべら喋り、挙句の果て猿面の手先に隠し場所の絵図面渡そうとする。夜の神社(今宮神社?)で大騒動、鄭成功が殺されてしまうがこれは影武者であった。残された影武者の妹・愛蘭とともに唐津を目指す一行は大阪から船に乗るが途中猿面の親玉・清の王泰順とつるんだ海賊・海坊主に襲われる。これを立ち回りの末懐柔し供に加える長さん、日本昔話の如し。
 唐津に着き早速黄金探しの一行、砂岩がちの変な谷、天神川。目印の羅漢を辿り遂に金を見つけた途端お約束の襲撃、おれんと愛蘭がさらわれてしまう。二人の危機一髪に「着替えて」現れる長さん、今日のお召は青に白。右平次が名乗りを上げて異人相手でもいつものパターン。ラス立ち始まり、長さんの派手な横っ飛びなど見せたあと王泰順との一騎打ち、鞭を斬られた泰順は遂に青龍刀を抜いてかかってくる。
事後、愛蘭と別れの海浜、琵琶湖東岸


第23話「夜明けのうた」1984.4.24

 日の目を見ぬ道場主が企てる御用金強奪、巻き込まれる腕利きの浪人は盲目の子を抱えていた。子の治療費をよみうりで公募というおれんのプランが出てくる。

ロケ地
・甲州からの御用金強奪現場の甲州街道駒木野(小仏峠の一個手前)下鴨神社糺の森にスモーク焚いて馬場、林間、池跡などをクレーン撮りなども入れて派手に使う。
*浪人に長谷川明男、道場主に戸浦六宏。宅兵衛不在。


第24話「活鯛献上始末記」1984.5.1

 竹千代ぎみの元服祝に鯛を献上という風潮を作り上げ大儲けを企む一味、安値で卸そうとした問屋に手ひどい妨害をはたらく。最初の事件から関わっていた長さん、駿河へ手を回し鯛を確保してやるなど立ち働くが、しつこく繰り出される悪謀に煮詰まりワル一堂に会す座敷に乗り込んでゆく。

ロケ地
・鯛を輸送中の西屋一党が襲われ殺される浜、琵琶湖東岸(右手に八幡山の裾、対岸に沖ノ島や雪嶺、浜の背後に松原で浜は砂地)
・網元に掛け合うも不調で落ち込む西屋の手代と話す長さん、下鴨神社河合社前。
・欲をかいた辰が鯛を釣りに行く晴海の浜、琵琶湖東岸(釣り糸を垂らすのは水制)
・事後、町を逍遥する長さん、下鴨神社二の鳥居
*陰謀の大元の老中に菅貫、高値を吹っかけられ慌てる小藩の用人に中村錦司。*鯛が五百両と聞き、辰はしゃぎまくり。波止なんかで狙う割に逸物の鯛竿もどきが笑える。あと腹巻に隠した鯛が尾っぽ振るのもなかなか、そのあとすぐに別のとこへ盗みに行くのにでっかい魚籠被ってたり。*宅兵衛さんまだ不在。
設定エピソード
・辰にワル情報まとめてべらべら「耳打ち」の六さん、思いきりわざとらしくて笑える。
・「駿河の知り合い」に手を回し鯛お取り寄せの長さん、微妙に出てくる昔のつながり。


第25話「独りぼっちの草笛」1984.5.8

 普請組吟味役の暗殺は汚職普請奉行の仕業、こやつは以前にも不正を告発しようとした長兄を勘当に追い込んでいた。長さんに若様が託され、孤児グループに預けるエピソードも。

ロケ地
・若様を預ける孤児グループが住む新堀河岸の水車小屋、広沢池西岸湿地の養魚場傍に小屋あしらい。小屋が襲撃されるくだりでは葦原も使われる。
・伊丹家の腰元が勘当中の当主の兄に会いに行く道、大覚寺心経宝塔前。会う水辺は大沢池北岸・庭湖石前(水少なし・蓮はいっぱい)
*孤児たちに預けるプランは牛さんから。普段から時々面倒見ていた設定。*ラス立ち福ちゃん入り、普請奉行邸の賭場で中盆もあり。*宅兵衛不在。


第26話「右平次が打首になる日」1984.5.29

 父の無念を晴らそうとする剣友・数馬を庇い入牢する右平次、処刑の刻限迫るなか長さんは弱気を見せる数馬を手荒く叱咤し、秘密を知る者の念書を取り付ける。

ロケ地
・元戸畑藩奥女中が土左ヱ門で上がる川端、広沢池西岸(ここで右平次が数馬と再会)
・再会を喜ぶ二人が襲撃される林、下鴨神社糺の森河合社裏手(紫陽花あしらい)
・家老の悪事を知る元側用人の駕籠に迫るが斬られる数馬、下鴨神社馬場
・刑場、下鴨神社馬場に幔幕と竹垣あしらい。刑場へ傷ついた体を運ぶ数馬、泉川畔。
*悪家老は遠藤太津朗、娘を側室にして孫を世継にと企む。


第27話「仇花・風に舞う」1984.6.5

 御用達商人を襲う凶賊・蝙蝠党は忠直卿の遺臣たち、大老屋敷爆破に使う火薬を贖う資金を貯めていた。企みを知った長さんは復讐の空しさを解くが、欲深い幕閣の手回しで一党はハメられてしまう。

ロケ地
・おりくが愛人の阿部豊後守に次の押し込みを指示される神社、車折神社参道。
・おりくと隼人の墓、二尊院墓地
*おりくは新藤恵美、忠直卿の家老の娘で表の顔は船宿の女将。*賊との接点は牛さんの姪が押し込まれた商家に勤めており、一味の青年が彼女を助けてくれたことから。青年が賊であることは知らされないが勘付き墓前で涙ぐむ娘、このしんみりシーンを辰がアホギャグで笑いに。*蝙蝠は忠直卿家老の今村掃門の紋どころで、陰飛蝙蝠。


第28話「月夜の闇退治」1984.6.19

 闇の差配なる外道が跋扈、役人とつるみ悪事を闇に葬る。彼らを密かに追っていた朝文堂のネタ取りが密殺され、娘が父に代わってと志すのに辰が引き込まれる。

ロケ地
・正体不明の分限者・関屋藤兵衛の向島の屋敷、中山邸通用門
・殺された朝文堂のネタ取り・伊助の墓に参る娘のお光と行き会う辰、金戒光明寺墓地石段(文殊塔が背景)。父の墓に額づくお光を襲う一味、金戒光明寺本堂裏手墓地(辰が人殺しと騒ぎ事なきを得る)
・六さんに闇の差配の事を尋ねる長さん、屋台は下鴨神社河合社前に出ている。
・喜兵衛(元紙問屋・三河屋)の身投げ騒ぎ、広沢池東岸
・お光に仇討ちの話を聞かされ協力を頼まれてしまう辰、広沢池観音島
・長さんの勘定奉行に対する疑念を立ち聞きした辰がその黒木を尾行して危機一髪、下鴨神社糺の森
・水辺に立ち尽くす喜兵衛に声をかける長さん、中ノ島橋(長さんは橋上、喜兵衛は橋上手中州岸辺・堰堤脇)
*盗賊崩れの闇の差配に早川雄三、勘定奉行は亀石征一郎、関屋の意を受け出頭した喜兵衛を責め殺す奉行所役人に中田博久。闇の手下には小峰さん、ラス立ち福ちゃん入り浪人姿。*お光のために奔走し危ない目にも遭うが、彼女につらっと他の男と祝言と挨拶に来られ↓↓辰、自棄酒を呷り管巻いて歌うのは「憧れのハワイ航路」に「美しい十代」、とんでもない調子っぱずれ。


第29話「黄色いカラス」1984.6.26

 池辺で画を描く少年・大二郎と知り合う長さん、カラスを黄色く塗るのを「黒いカラスを黄色く描いたりするのは心が曲がっている証拠だ」と言う。後段の展開に必要な台詞なんだろうけど、なんだか微妙にブラック。先の火野正平のギャグ「白けりゃ白鷺赤けりゃ赤鷺ちょっと貸しては寸借サギ一緒になろうが結婚サギ」が霞む。
殿様に殉死したと聞かされていた父が、十日前に凶盗・鬼面党のなりで家に来たのを大二郎が見てから、黄色ははじまった。

ロケ地
・大二郎が絵を描く水辺、広沢池東岸(大きな漁師小屋、船着きあしらい)
・大二郎の長屋を見張っていた六さんに話を聞く長さん、大覚寺放生池畔。
・大二郎の父母に藩再興は偽りと告げる長さん、蓮華寺五智如来像の間。
*改易になった藩の再興資金調達と遺臣たちを騙し盗みを働かせていた江戸家老に睦五郎、家老とグルの鬼面党首魁に内田勝正。ラス立ち前に金箱の中身を暴くので、逆らうのはこの二人のみ・立ち回りは短い。

第30話「剣客有情」1984.7.3

 師匠に邪剣と破門された剣士は賞金稼ぎと成り果て、久しぶりに帰った江戸で奸臣の手先をつとめる友にたばかられるが、土壇場で真の悪に気付く。

ロケ地
・隼人を見張っていた右平次が長さんに報告の橋、中ノ島橋
・六さんに暗殺された商人たちのことを聞く長さん、今宮神社東門前。
・目付役を襲う暗殺集団・闇の手、下鴨神社馬場
・訪ねてきた隼人と話し諭す長さん、今宮神社合祀摂社
・隼人を葬った帰り長さんが降りてくる寺の石段、金戒光明寺石段
*霞流逆手斬りをつかう凄腕の剣士・牧村隼人に綿引勝彦。彼と微妙な二人の女(旗本の妻女と酒肆の女将)は島村佳江の二役。隼人を騙し手先に使う道場主に和崎俊哉。隼人を破門した先代は中村錦司。冒頭、内藤新宿で賞金首にかかってゆき返り討ちに遭う浪人に福ちゃん。

第31話「日陰に咲く花」1984.7.24

 冤罪に落ちかかる大工、殺しの現場を見た女は証言を拒む。彼女は身元がバレれば連れ戻されかねない足抜き女郎なのだった。

ロケ地
・黙したままのおぬいを送ってゆく長さん、いろは歌を引いてのお説教は大覚寺放生池堤。女を狙うスナイパーは護摩堂脇から発砲。
・曲折を経て長さんに真実を話し身の上を告白するおぬい、桂川罧原堰堤下手右岸汀
・奉行所を出てきたおぬいと歩く長さん、大覚寺大沢池(船着付近)
*捕まった大工の妻子を構う辰の描写に尺を割く。年の離れた弟を赤子のうちに亡くした極貧生活の述懐が入り、辰のキャラクターに肉をつける。ワルは大身旗本、知行地で抜け荷買いをしており、目撃し強請った男を殺したのが事件の起こり。おぬいは風祭ゆき。ラス立ち福ちゃん入り、庭に積み上げた抜け荷の箱に仰向けに倒れかかって果てる。

第32話「とらわれた長七郎」1984.8.21

 立て籠もりモノ、舞台は品川宿の酒肆で、お祭りに来ていた長さんが巻き込まれる。乱入した薩摩浪人たちの狙いは幕府への献上金二万両、行列が来るまでの間に、監禁された者たちの人情劇が繰り広げられる。

ロケ地
・品川宿の祭り、太鼓を叩き喝采を浴びる長さんは鳥居本八幡宮舞殿前。幟や屋台を賑々しく配置。
・献上金一行の前に走り出て身分を明かし行列を止める六さん、広沢池東岸
*立て籠もり浪人の首領は遠藤太津朗、配下に小峰さん。はじめ強がるも醜態を晒すヤクザの親分に森章二、手下に小船秋夫。土壇場で蛮勇を奮う酒肆の主はうえだ峻で父子情愛話に仕立て。浪人たちを操っていた真の悪に五味龍太郎、大立ち回りのすえ大わらわとなり始末されるエンタツのあと着替えてきた長さんが出てラス立ち移行。
設定エピソード
・長さんの作ったダルマを見ておれんの台詞「長さんはね、お大名の位も棒に振ってひたすら隠忍自重してんだよ」としみじみ。


第33話「影討ち」1984.9.4

 棚倉藩の殿様は悪家老と側室の使嗾により疑心暗鬼に陥り、重職や弟ぎみの暗殺を企む。お話は藩主に暗殺を命じられる「影」にスポットを当て、職務遂行の懊悩と果ての悲劇を描く。

ロケ地
・棚倉藩江戸屋敷、大覚寺明智門
・目撃した鬼面の暗殺者について六さんに話し探索を依頼する長さん、大覚寺大沢池船着(大)
・道場帰りの新太郎に妹とデートかと声をかける親友の高垣、大覚寺護摩堂裏手。新太郎と信乃がゆく道、放生池堤。信乃に自分のことは忘れてくれと切り出す新太郎、天神島大木の根方(彼らを見やる長さんは船着きや五社明神の前から)
・馬をやる棚倉藩主の弟ぎみの前に出る長さん、大沢池堤(顔を見てすぐ誰か気付く)。このままでは藩は改易と話すのは心経宝塔前。
・妻の墓に参る「影」浅尾に斬りかかる新たに任命された「影」高垣、二尊院墓地
・家老と側室が密会する下谷順徳寺、門は村で建物の破風は五大堂
・国詰めとなり信乃を伴って発つ新太郎を見送る高垣、天神島朱橋。三人を遠くから見やり弟ぎみから処置を聞く長さん、大沢池堤(カメラ橋からズームアウト、堤に)
*「影」浅尾清之助は島田順司、悩める武士をやらせたらやはり絶品。「影討ち」は古習で、表沙汰にできぬ上意討ちのこと。浅尾家は代々これを拝命、長子にのみ役目が伝えられる。拝命の「儀式」が凝っていて、茶室のにじり口が開き三方にのった鬼面が出され、面をとると下に「討××」と書いた紙が現れる次第。BGMは黒塚で不気味さを盛りたてる。*この回右平次不在、宅兵衛さんは22話から不在のまま。


第34話「佐渡に輝く星一つ」1984.9.18

 佐渡へ行った役人から長さんにSOS、外道の奉行は隠し金山で私腹を肥やし領民を苦役に駆り出し苦しめていた。右平次は佐渡の民を思う伊丹に私淑しており、彼に代わってここに骨を埋めると決意するが乱戦に空しく散る。

ロケ地
・佐渡現地ロケ、島影のほか大野亀二ツ亀(繋留島)賽の河原(伊丹監禁の洞窟付近や右平次の墓)など。
*佐渡奉行は江見俊太郎、手下の「雲水」に福ちゃんで右平次撃ち殺したり。


スペシャル 「長七郎立つ!江戸城の対決」1984.10.2

 将軍家の御落胤騒動、バックに由比正雪がいるという派手な設定。二重三重に話を作りホントっぽくプロデュースする正雪だが、子の身案じた長さんの動きに阻まれる。いつもどおり柳生は竹千代ぎみ以外の勢力を削ごうと動くが、長七郎の勝ちに終わる。

ロケ地
・御落胤・弁之助が滞在する松月院、西明寺。山門回りの乱闘のほか境内や山門下付近の清滝川も使われる。
・弁之助が村の子供に殴られるのは大沢池堤
・塀を乗り越えてくる弁之助を助ける長さん、山科随心院築地塀
・弁之助の姉・千草に事情聞く水辺、桂川松尾橋上手の桂川左岸(現在と川相異なる)
*夢楽堂に新顔の柿森五郎太、無礼討ちにされた母の仇を討つため侍の格好をしている青年。はじめ長さんに突っかかってゆくがしまいに心酔→弟子にして下さい。*家光に高橋幸治、由比正雪に中尾彬、悪企みの滝沢民部に菅貫、京極忠継に浜畑賢吉。


第35話「さむらい瓦版」1984.10.16

 お札の売り上げを掠める寺社奉行、企みに巻き込まれ殺された父の仇を報じるため、息子の浪人が思いついたのは告発の瓦版を出すことだった。

ロケ地
・瓦版作りの侍の一人・高井が殺されて見つかる蔵、神光院蔵脇。
・鳴海半兵衛に仇討ちの事情を聞く長さん、柊野堰堤落差工上の巌上。
・半兵衛の父・多門が殺され「土左ヱ門」で見つかる水辺、広沢池東岸
・寺社奉行の申し出に応じずのちに「縊死」した住職は他殺と寺男に聞き込む宅兵衛、神光院本堂脇。
・寺社奉行配下の野々宮を尾行するもまかれる六さん、屋形船が出てゆくのは広沢池東岸
・髪結いの茜が上司にツナギをとるお堂、大覚寺護摩堂
*寺社奉行に名和宏、配下に内田勝正。仇討ちの告発を志す浪人・鳴海は柴田p彦。*長さん見張り役として柳生忍の茜が登場、表の顔は髪結い。ツナギをとる上司は西沢利明。


第36話「べに椿異聞」1984.10.23

 川に紅椿を流す娘に目を留める長さん、思い詰めた表情の奥には激しい憎悪が隠されていた。娘と夢楽堂の関わりは美人画のネタ、娘はこれを仇の誘き出しに使う。

ロケ地
・長さんが椿を流すお登勢を見る橋、中ノ島橋(お登勢は中州の汀)
・「ちょっと京へ行ってきて」と頼まれた六さんが鬼みたいに走る街道、酵素ダート
・お登勢の父の弟子・仙渓が仇討ちを願い出て門前払いされる京都所司代、大覚寺大門
*仇の一人は道場主、「水切りの秘太刀」なる邪剣を使う。


第37話「いたずら小鳥」1984.10.30

 殺人を目撃した幼女が殺し屋に付け狙われる。その女児は親も手を焼く性悪の大嘘つき、誰も取り合わない子供の言い分を優しく聞いてやる長さん、そのうえ家庭を顧みぬ山師の父親を大喝しお説教を呉れるのであった。

ロケ地
・巴屋が古着配りのボランティアをする寺、今宮神社東門内側(長さんのいる茶店は石橋たもとにセット)
・小判が池に沈んでいるネタでおちよに騙され池に落ちる辰、広沢池観音島
・父と遊ぶよその子を凝視するおちよ、それを物陰から見ているおちよの父に声を掛け軽くお説教の長さん、今宮神社東門の内外。
・夢楽堂を出て遊んでいたおちよが殺されかかる寺(?)今宮神社稲荷社
・茜が上司に報告のお堂、大覚寺護摩堂
・殺し屋の黒幕を誘き寄せ成敗の大川端、広沢池東岸(夜)
*黒幕の四ッ谷の御前(闇の御前)に和崎俊哉、手下の殺し屋で普段はボランティアの巴屋に織本順吉、今回のライバル殺し依頼者に江見俊太郎。*茜があからさまに関わってくる→殺された材木商の情報をべらべら不自然に喋る。*ワル誘き寄せの手口は目撃者のおちよを船に乗せ舞わせ見せ付け囮に。このとき長さんは既に成敗衣装を着込んでいるのが面白い。*ラス立ち福ちゃん入り、広沢池の汀で斬られて倒れ、ぐるぐる高速回転でフェードアウト。


第38話「風魔一族の陰謀」1984.11.6

 竹千代ぎみと伏見宮の姫のお見合いに乗じて風魔の陰謀が炸裂、里子に出されていた姫の双子の妹を幼時から育てて暗殺に使おうという遠大な計画だったが、すりかわった姫は天樹院さまに鋭く見抜かれてしまう。

ロケ地
・江戸へ下向する伏見宮の姫一行がゆく丹沢山中、谷山林道。偽者の急使にたばかられ連れ込まれる足柄越の間道、不明(両側にがびがびの岩壁の狭い道)
・竹橋御殿、仁和寺勅使門。叔母の天樹院に会った帰りの長さんがゆく廊下は宸殿前廊下。このほか後段では、偽者を連れ込む中将の段で白書院や、偽姫の八ツ手が庭に下りる際に宸殿階、お見合いシーンに宸殿前の池泉が使われる。
・顕子姫をさらったと脅迫状が来て天樹院の侍女が赴く小石川春日明神、大覚寺天神島祠。このあと本郷だ千駄木だと行く先を変更され、尾行側も右往左往のくだりは大沢池北辺並木や堤、有栖川畔や護摩堂などを使い、めまぐるしく切り替わる。金をとって逃げる一味は広沢池東岸(二人組の一人は福ちゃん)
・姫が閉じ込められる寺、西明寺。山門のほか双子が建物の内外で見つめあうシーンに境内。
・寺を出た顕子姫が風魔に襲われ崖落ち、保津峡落合落下岩。
・事後、顕子姫と竹千代ぎみのその後を語るナレーションに被る長さんは仁和寺中門
*その正体は風魔という深草中将に原田大二郎、お決まりのおじゃる剣法も出てくる。


第39話「旗本愚連隊」1984/11/13

 才あるも次男坊で一生日の目を見ぬ旗本の若様は鬱屈、そこを付け込まれ父の失脚を招いてしまう。長さんは父の小普請支配頭と旧知、若様に嬲り殺される親子は牛さんの友という関わりでドラマが進行する。

ロケ地
・小普請支配頭・榊与衛門邸、相国寺大光明寺(門、前庭)。周辺設定で南路地も使われる。
・六さんが榊の若様犯人説を流した者を報告する道、南禅寺僧堂坂・三門脇石垣傍。
・伊助とおきぬの墓に参る牛さん、大覚寺天神島か。
・榊の若様が腹を切るところを長さんに止められる墓地、不明(丘の上、巨大五輪塔林立)
・ラスト、長さんがゆく市中、南禅寺三門越し参道、僧堂坂。
*若様に伊吹剛、小普請支配の地位を狙う旗本に田中浩、牛さんの友の幇間に北見唯一。*タイトルの愚連隊は旗本の冷や飯食い三人衆、馬を駆り投げ縄で町人を縊り殺す性悪ども。ひょっとこのお面を被って現れる。


第40話「望郷」1984.11.20

 鎖国により異国へ取り残された者の望郷の念を利用し私腹を肥やす長崎奉行、悪行に怒った老武士が江戸へ訴えにやってくるが、これが駿河大納言の側役だった長さんの「じい」。思いを汲んだ長さんは、彼のために奔走する。

ロケ地
・山へ粘土を取りに来て襲われている老爺に壺を託される辰、谷山林道
・駿河大納言の死後明へ向かったじい・渡辺幸庵を見送る幼い長七郎ぎみ、下鴨神社馬場(ラスト見送りも同所)
・長さんの回想、じいと隠れんぼした思い出の林、下鴨神社糺の森
*幸庵に小沢栄太郎、銀髪の総髪。明へは亡き主君の霊を慰めるためと説明。駿河大納言切腹の回想シーン、幸庵に追い腹ならんと諌める大納言の声は里見浩太朗。*ラス立ち、金満奉行のもとに乗り込んで大暴れは派手なクロス光を背負って派手。*辰、預かった壺が値打ちものと聞き有頂天、坂道を駆けてゆく姿がたちまち豆粒に見える速さでダッシュ。このほか近所の猫に酒飲ませてたり、壺を懐から出し「これが目に入らぬか」とギャグ連発。


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