81〜100話
第81話「鬼の目に涙」1985.12.24
町で無体を働く旗本の子弟三人組、一人は南町同心矢沢鉄五郎の息子、矢沢は鬼鉄の異名をとる腕利き。馬鹿息子たちは評判の悪い御家人・原田市蔵の使嗾で大奥御用の呉服屋・京屋の荷を損じるという暴挙をしでかす。結果、納期に間に合わないことで京屋は首を吊り、係りの役人も自害するなど大事に。これには御広敷用人とライバル業者が背後にいた。
苦悩する鬼鉄に助言し危機には駆けつける長さん、大奥絡みでは手が出せぬと嘆く彼に代わって双剣がワルを一掃。事後長さんの正体に気付く鬼鉄、で幕。
ロケ地
・直参の馬鹿息子たちが屋台をひっくり返す縁日、今宮神社境内。鬼鉄が馬鹿息子を追い回すくだりに今宮神社合祀摂社付近。たむろする馬鹿息子たちが茜に声をかけられこそこそと逃げ出す、高倉下。
・京屋の荷駄に因縁をつけ荷をぶちまける馬鹿息子たち、大覚寺放生池堤〜護摩堂。
・京屋の一件に息子が関わっていることを知った鬼鉄が町を探し回るくだり、夜鷹の苫小屋のシーンは広沢池東岸。
・おおごとに進展したことを六と話す長さん、今宮神社楼門前。
・御広敷用人・溝口が京屋のライバル・大和屋と密談の屋形船、広沢池。船着、東岸。
・馬鹿息子たちが原田に始末されかかる弁天島、大覚寺天神島。
*鬼鉄に織本順吉、御広敷用人に川合伸旺、意を受けて動く御家人に遠藤征慈、商売敵に早川雄三、腹切りの御用達に中村錦司。縁日で屋台をひっくり返される八百屋に福ちゃん、殴られて野菜かごの上にぶっ飛ばされ。*馬鹿息子たちが茜にぺこぺこ、因縁をつけ捻られた過去あり。
第82話「初姿 春駒おどり」1986.1.7
江戸の正月、五郎太の故郷の大庄屋の娘・おいとが訪ねてくる。領主の若様の十五歳を祝う奉納舞のためで、若様は原因不明の病に苦しんでいる。これは自分の孫の姫を駒原藩の後継にして牛耳ろうという高家・富樫の企みで、呪法が施されているものだった。
見破った長さんが調伏の形代を取り除かせ若様の容態は好転するが、富樫についている修験者・鉄海は酉年の生娘を贄にと言い出し、おいとが拉致されてしまう。おいとは実は若様の乳母・藤尾の局の娘で幼い頃庄屋の養女とされたもの。しかし藤尾は実の娘より若様大事と主張、不義のかどで処罰されるところを救ってくれた亡き側室に多大な恩を感じてのことだった。しかし結局娘の危機を見捨てておけず呪法の現場に踏み込み庇う藤尾、二人して殺されかかるところへ長七郎ぎみの登場でメデタシ。
ロケ地
・古い密教の寺・羅恩寺へ呪法のことを尋ねにゆく長さん、大覚寺明智陣屋前。
*藤尾局に水野久美、富樫に江見俊太郎、鉄海に田中浩。*「カッペ」のために皆してやってるお芝居をワヤにするのはきっちり辰。悪童そのものの目つきが可愛いのなんの。*長さん、ラス立ちに入る前「年の初めに気は進まぬが」なんてひとこと断りを入れてから大立ち回り。
第83話「当世母親気質」1986.1.14
娘を大奥の行儀見習いにと狂奔する商家の母親たち。これに付け込んで大金を毟り取る元大奥中揩ィ栄の方と兄、背後に老中狙いの猟官運動に金が欲しい若年寄、欠員を作るため宿下がりのお女中を襲って密殺するというとんでもない悪行を重ねている。
おれんの幼馴染で三河屋の後妻に入ったお絹は、生さぬ仲の娘を大奥に上げようと奔走しお栄の方に振り回されるが、長さんのお説教により思いなおした矢先にお栄の方の密談を聞いてしまい刺客に狙われる。これを救った長さんはワルの巣窟に乗り込み断罪。
ロケ地
・江戸城イメージ、姫路城。
・おれんと長さんがお絹の娘に真意を聞く、仁和寺観音堂脇。あとで母親に大奥行きを拒否するお豊のシーンも同じ。
・お絹にお説教の長さん、広沢池東岸。
・荒れ寺の井戸に宿下がりの帰途殺された娘達の亡骸を発見したことを長さんに報告の六、仁和寺九所明神前の灯籠脇。
・密談を聞いてしまったお絹が刺客に襲われる、仁和寺九所明神〜経蔵。
*お栄の方に三島ゆり子、長七郎ぎみに自分は巻き込まれただけと訴えるが味方に斬られる。ラス立ち福ちゃん入り、若年寄の家来。
第84話「父ちゃんが帰った日」1986.1.21
三年ぶりに帰って来た佐吉たち兄妹の父・文蔵、しかし家へは戻らず。腕のいい錠前作りだった文蔵は娘の病を治す金を得るため、大目付がライバルを蹴落とすための盗みに手を染めたのだった。二回目の盗み(大目付の政敵宅から拝領刀持ち出す)が終わったあと証拠隠滅に消されかかる文蔵、辛くも逃れるが深手。しかも娘のおちかが人質に取られてしまい、赴いた先では親子三人まとめて殺されかかるところに長さん、しかし深手を負っていた文蔵はそこで事切れてしまう。ライバルの切腹が延期となったことを訝る大目付、誰が天授院さまにの呟きにそれは私だと出てくる長七郎ぎみ、六さんが盗み返した天授院の懐剣を突きつけ迫る。
ロケ地
・佐吉(うっかり八兵衛)が帰って来た父と話す、大覚寺天神島。
・六さんに文蔵のことを話し山城丹波守邸探索を依頼する長さん、不明(鐘楼、後段にも出る)。
・佐吉の回想、三年前父と別れた大川端の漁師小屋、広沢池東岸(行ってみると負傷した父が隠れている)。
・文蔵の名を騙り呼び出され拉致されるおちか、大沢池北西畔祠脇。
・人質交換場所、木津川流れ橋下。橋脚を効果的に使ってある。
*佐吉に高橋元太郎、文蔵は内田稔。
第85話「標的になった男」1986.1.28
鍛冶職の巳之吉が若年寄・土井遠江守から修理を依頼された連発銃が盗まれ、押し込みに使用されてしまう。また、とても印刷が間に合わない早さで朝文堂のよみうりが発行され噂となり窮地に立たされる遠江守、江戸家老は責を負い自刃。しかしこれは政敵・勘定奉行の北泉頼母が仕組んだ追い落とし工作。家老の自刃に心痛めた職人は自らの体に銃弾を受け残弾を使い果たさせる。
ロケ地
・短筒の発射実験ののち巳之吉が修理を依頼される、大覚寺天神島。喜んで帰る巳之吉が走る、放生池堤。
・若年寄・土井遠江守邸、大覚寺大門。
・六さんに土居家家老切腹の報告を受ける長さん、心経宝塔前広場に茶店セット。
・茜に土井の政敵について聞く長さん、天神島朱橋上。
*巳之吉に小倉一郎、家老に内田稔、政敵に北原義郎、勘定奉行の使嗾を受ける盗賊団の浪人に小峰さん、福ちゃんもちらり。*今回辰が朝文堂の朝吉に籠絡され夢楽堂を辞めて行ってしまうが、事後あたかも柴又帝釈天の団子屋の前を行ったり来たりするテキ屋の如く夢楽堂前をウロウロする辰が大笑い。
第86話「はばたけ父子鷹」1986.2.4
改易になった安房館山藩の蔵奉行父子が江戸に。お家再興を願い出るつもりが、脇から出て来た悪者に掻き回される。一味の狙いは父子の持つ館山藩で採れた砂金の隠し場所描いた絵図面、どころかそもそも改易も砂金目当てに仕組まれたもの。人を惑わせた絵図面は、当事者の手で焼き捨てられる。
ロケ地
・目付衆に伴われ行く元蔵奉行、六部が現れ目付衆を斬る道は黒谷墓地脇路地。
・屋形船で闇の文蔵と勘定奉行が悪企みの密談、大沢池か。
・目付衆が斬られた事件を書いたよみうりを売った帰り目付衆に尾行される五郎太、金戒光明寺本堂脇路地(東西)〜永運院下坂(六部が出て目付衆を斬ったもんだから五郎太が仲間と疑われ連行される)。
・大吾の回想、父と江戸へ向かう街道(江戸での訪ね先を呟くシーン)、不明(山中か)。
*元蔵奉行の川辺左内に中野誠也、金のほか大目付の後釜も狙う勘定奉行に江見俊太郎。なんかするとすぐ六部に斬られちゃう目付衆、弱すぎ。大目付は館山藩浪士の叛乱を警戒しているだけ、長七郎ぎみにもきっぱりした態度をとる能吏。
第87話「夫婦せんべい」1986.2.11
凶状持ちを密かに江戸から落とす闇の逃がし屋が暗躍、しかしその実態は依頼者をぶっ殺して依頼料と所持の金品を奪うという悪辣なもの。大ネタとばかりに張り切る夢楽堂の面々、逃がし屋を釣るのに奉行所まで騙して六さんを強盗殺人のお尋ね者に仕立てるは、ゴロツキから逃れるため逃がし屋を頼んで長さんに止められた煎餅屋(長さんの好物)の若夫婦の代わりにおれんと辰が乗り込むはの大騒動。アジト突き止めて長さんに乗り込んで貰う目論みは連係うまくゆかず危地に陥るおれんと辰、しかし危機にはやっぱり駆けつけてくれる長さん。救出ののち組織の背後にいた元船手頭を断罪。
ロケ地
・釣りの辰と長さんが盗賊・木枯しの軍次が殺されるのに行き合わせ「闇の逃がし屋」と呟き絶息するのを見る川端、罧原堤下河原。
・六さんが逃がし屋に潜入するも正体暴くのに失敗、これを長さんに報告は神護寺和気公御廟所、「強盗」の六さんに「殺され大川に流され行方不明」の五郎太が御廟に潜んでいる。
・逃がし屋差し回しの駕籠で連れられてゆくおれんと辰三郎、大覚寺有栖川畔。連れ込まれる先は映画村のセット、すぐに船でよそへやられるがこのシーンは広沢池東岸に板塀をしつらえ撮ってある。
・逃がし屋のアジト・東風庵から連れ出され始末されかかるおれんと辰の危機に駆けつける長さん、大覚寺大沢池堤〜天神島。
*元船手頭に川辺久造、グルの船宿主に井上昭文、手下に宮口二郎や小峰隆司、小船秋夫に福ちゃんと賑やか。煎餅屋の親爺は奥村公延。*辰、長さんを釣りに誘うも坊主で文句言われ「今日お魚寄り合い」や、東風庵でおれんに手を出そうとするとこなど大笑い、月代剃ってるのがまた可愛い。事後伸びかけになってるのがまた細かい。
第88話「宅兵衛に娘がいた」1986.2.18
宅兵衛の子と称する娘が突然現れる。かつての恋人が子を産んでいたことを旧知に確認の宅さん、暫く睦まじく暮らすがどこか挙動不審な娘・お町。これが大騙りの偽者で、盗賊の一味なうえ長さんを父の仇と狙う侍の仕込みであった。事実を知りつつ長さんに告げず死地に赴く宅兵衛、お町をお説教のすえ説き伏せた長さんは宅兵衛の窮地に乗り込む。
ロケ地
・かつての恋人の死を思い川辺に佇む宅さん、桂川松尾橋付近河原(左岸)。
・お町に盗っ人の一味なのかと問い詰める宅兵衛、神護寺石段。
・足利へ赴きお町の調査をしてきた六さんが長さんに報告、神護寺毘沙門堂、五大堂。
第89話「母と子の子守唄」1986.2.25
獄死した亭主の身の証を立てようとして冤罪に落ちる女、足を洗おうとして始末された情夫の仇を討とうとする辰巳芸者、裏には抜け荷買いで私腹を肥やすワルがいた。一年前、夫の無実を訴える女に応えてやれなかった夢楽堂メンバーは、彼女の無実を明かそうと奔走する。
ロケ地
・芸者・お菊が吟味与力とツナギ、大覚寺護摩堂前。
・解き放ちとなったおせいが潜む大川端の漁師小屋、広沢池東岸にセット。
*お清に本阿弥周子、辰巳芸者に三浦リカ。
第90話「あで姿回り舞台」1986.3.4
江戸中の女の人気を集める女形・中村藤十郎、招ばれた座敷で必殺ばりに三味の糸や簪で殺しを働く。その正体は三年前役者を志し勘当となった材木問屋・木曽屋次男坊の藤吉。殺った相手は材木問屋頭取だった木曽屋をハメて欠所に追い込み、家人を悉く死罪に陥れた一味の手下。残る仇を狙う太夫を思い止まらせようとする長さん、しかし事に気付いた黒幕の若年寄は太夫を座敷に招き密殺。その後飛んで火に入る、と高笑いのワルの座敷に藤十郎の羽織まとった長七郎ぎみ、太夫に代わって仇を討つ。
ロケ地
・屋形船は大沢池か。
・太夫が参る木曽屋の墓、金戒光明寺墓地(バックに文殊塔)。
*藤十郎に中村浩太郎、悪役陣は和崎俊哉に黒部進。
第91話「別れ道」1986.3.11
江戸城改修普請を巡る思惑が、御用大工の巴家に影を落とす。まず頭領が騙りで呼び出された現場で重傷を負い亡くなり、跡目が一人娘といい仲の二番弟子に譲られる。一番弟子にはその心情に付け込む魔手が伸び、一旦取り込まれかけるが長さんのお説教で思い止まる。もちろんこれでは済まず、彼は裏切りの代価を払わされる。
ロケ地
・一番弟子・定八が頭領の娘に守袋を貰う富岡八幡宮(回想シーン)、北野天満宮本殿裏手。
・巴家の頭領を謀殺した実行犯の土左ヱ門が上がる千本杭、桂川松尾橋上手右岸中州下流れ込み汀。
・定八が入札のあと裏切者として殺される、広沢池東岸汀(水無)。
*定八に岸辺一徳、福ちゃん前半目立つがすぐ土左ヱ門(役名クレジット「勘太」)。
第92話「望郷子守唄」1986.3.18
鎖国令発令のどさくさでカンボジア残留孤児となった娘が、波濤を越え母に会いに江戸へやって来る。既に別の家庭を築いていた母は夫や子に累が及ぶのを恐れ娘を認めようとせず、しかし抜け荷に利用しようとしていた悪党に襲われ重傷を負った娘をかき抱き、島原の子守唄を歌うのだった。
ロケ地
・芝浜で島原の子守唄を歌う里沙、琵琶湖東岸(画面右手陸続きに八幡山、山は冠雪)。
・里沙の墓、嵐山公園南岸(対岸に中州、岸から北望)。
・悲惨な結末に心痛め歩む長さん、大沢池堤。
*平戸屋に内田勝正、大隅藩勘定頭に田中浩と濃い悪役陣であっさり娘を殺したりするが、里沙を求める目的は漠然とした情報収集。
第93話「居残り宅兵衛」1986.3.25
関東郡代・門田監物は、蕨宿に宿泊する大名を禁制品の銃所持で嵌め、猟官運動に使うための金を強請り取るワル・しかも常習犯。これにやられるが袖の下を蹴り自刃・改易となった秋葉美濃守の家臣が町人に身をやつし宿に潜伏、復讐の機会を狙う。彼らの仲間が斬られた現場に行き合わせた長さんは宅兵衛を蕨に派遣、自身も乗り込み仇討ちの美濃守の遺臣たちに助力、仇を討たせてやる。
ロケ地
・長さんが美濃守の遺臣の一人・林が斬られる現場に行き合わせ最期を看取る、大覚寺護摩堂裏手。翌日の検分、林の遺体に手を合わせる秋葉屋を呼び止める長さん、天神島への橋上。
・蕨宿へと中山道をゆく宅兵衛および後発の長さんたちが通る街道筋に北嵯峨農地・竹林際。
・秋葉家累代の墓、不明(丘の上か山上か、巨大五輪塔が見える)。
・蕨宿の旅籠に潜伏している朝吉がツナギをとるため「お参り」のお堂、大覚寺大日堂(ついてきた宿の娘を残し仲間と会うのは五社明神)。
・蕨宿へ赴き朝吉とツナギをとる秋葉屋、大覚寺天神島(刺客が出てチャンバラ)。
・「天狗」が門田を成敗の雪のラス立ちは仁和寺観音堂(雪は本物、降ってる最中のシーンも)。
*ラス立ちの際長さんは真っ赤っかの天狗のなりをして現れ、衣装を脱ぎ捨て大立ち回り。*タイトルの「居残り」は身元不明の客は泊められないと言われた宅兵衛が財布を盗られたことにして宿に居続けの策、居残りと聞いて夢楽堂で馬鹿な妄想を抱く辰・のちに悪夢にて結実。*元秋葉藩側用人の「朝吉」に新田純一、門田監物に藤岡重慶。
スペシャル6「風雲!旗本奴と町奴」1986.4.1NTV
物騒な喧嘩沙汰を繰り広げる旗本・水野十郎左衛門率いる白束組と侠客・幡随院長兵衛一派、それを影で操っていたのは同一人物で「妖怪」と称される不気味な老爺、元老中・柳沢伯翁。騒動を煽ったのは疑獄隠しのため。伯翁は更に保身のため将軍の血筋の姫で昔死を賜った伊勢領主日向土佐守の遺児・雪姫を娶ろうと画策し大騒動に。長さんもこれに関わってゆく。紆余曲折を経て互いが同じ人物の意向で踊らされていたことに気付いた水野は長兵衛を殺し自刃。その死を見届けた長七郎ぎみは単身伯翁邸に乗り込み大立ち回りの末妖怪を斬って捨てる。
ロケ地
・六さんが長七郎に雪姫のことを報告、金戒光明寺石段上部。
・改築工事中の上野寛永寺、金戒光明寺本堂前、ビケと莚で大層なセットアップ。
・柳生忍の左平次が長さんに戦いを挑む、黒谷塔頭道〜庫裏前ほか境内。
・長さんの世話になるのが心苦しく逃げ出した雪姫たちが長兵衛一家に襲われる、大覚寺五社明神〜天神島〜大沢池堤。
第94話「古傷」1986.4.8
釣りに行ってお女中の死体を発見したことから阿波・鳴戸藩に関わる長さん。内紛の匂いを嗅ぎいつもの如く六さんに調査を依頼するが、藍玉御殿と称される隠居の住むその下屋敷には、公儀隠密であった頃の六さんの「古傷」である側室・お雪の方がいた。
ロケ地
・大川端で女の死体を発見する釣りの長さん、広沢池東岸。それを見ていた不審な侍を追って行くとそいつが始末される道、黒谷墓地脇の路地。
・大川端から持ち去られたお女中の死体と、下屋敷に掛け合いに行って捕まった許婚者の馬廻役の若者が心中死体に擬装され見つかる川端、嵐山公園・桂川右岸法面(見物衆は中ノ島橋の上)。
・鳴戸藩上屋敷、大覚寺大門。
・殺された若者たちが葬られた無縁墓地に参る長さん、黒谷墓地か。
・六さんの屋台で鳴戸藩について調査を依頼する長さんにクナイが打ち込まれる(忍者は経蔵裏手)、金戒光明寺放生池たもと。曲者を追う六さん、永運院下坂〜長安院下坂。阿波の忍び頭・孫八と戦うのは仁和寺九所明神付近林間にスイッチ。
・茜が長さんに六さんの古傷について告げる、大沢池北岸汀、夜泊石の前・池には水なし。
・お雪の回想、六さんに捨てられ入水し阿波屋に助けられた吉野川、広沢池東岸(セピア)。
・事後、六の屋台で軽口を叩く辰と五郎太、今宮神社東門内側石橋たもと。これを笑いながら見ている長さん、東門外→東参道を去る。
*隠居に若い側室をあてがい操る用人に菅貫、隠居と側室が死ぬやさっさと逐電しようとするしたたかなワルを好演。お雪の方に島村佳江、孫八に浜田晃、阿波屋は頭師孝雄。草であった時の女房・お雪を失い、いつもはクールな六さんが慟哭するシーンもみどころ。
第95話「鶴の恩返し」1986.4.15
長さんと辰の馴染みの酒肆の看板娘・お鶴は同心の亀田といい仲。この亀田がある日囚人の護送中襲われ、凶賊・むささびの才蔵を取り逃がしてしまう。逃げた賊は凶行を繰り返し、しかも亀田は一味の仲間とされ牢に放り込まれる事態に。
亀田の潔白を証そうと立ち回るお鶴とその父、彼らはかつてむささびの一味だったが亀田の温情で自訴し罪を償い今に至るという経緯があった。彼らに手を貸す長さんと六に茜たち、裏で糸を引いていた与力と、奉行を失脚させ後釜に座ろうとしていた大身旗本を成敗。
ロケ地
・与力と旗本がツナギの屋形船、広沢池東岸に舟着セット。
・元仲間のむささび一味に接触し斬られるお鶴の父、今宮神社稲荷社脇。
・浅草聖天桟橋でむささび一味を始末しようとする与力、広沢池東岸にけっこう立派な鳥居と祠をセット、夜。
*お鶴に高樹沙耶、亀田に星正人、旗本に勝部演之、与力に島田順司、お鶴の父に内田稔、賊に山本昌平。
第96話「十手かたぎ」1986.4.22
極楽講なる生命保険が大はやり、これを利用し公金横領の穴埋めを図る小普請奉行。自分の子を宿した芸者を道具に使い保険金詐欺を働くが、熱血鬼同心と長さんに阻まれる。
ロケ地
・お里が雨に遭い渡る橋、中ノ島橋(橋たもとに雨宿りする鍼医・玄庵宅をセット)。
・五郎太が殺された玄庵について聞き込みの農家、北嵯峨か。
・再調査のため玄庵宅へ赴く長さん、大覚寺放生池堤。
・講の金・千両を受取り舟に乗る柳橋芸者のこま吉、嵐峡舟着。
・こま吉の死体検分の川端、罧原堤下か。
・長野修理の駕籠を止めお里に首実検させる南の鬼同心、二尊院紅葉の馬場(無礼討ちに遭いお里を逃がし斬り死に)。
・佐野同心の墓、不明(長さんの戻り道背後に屋形)。
*実は優しい南の鬼同心・佐野紋十郎に綿引勝彦、生硬な小役人を好演。長さんに会いに夢楽堂へ来た際、「松…いや速水さんいねぇかい」が大笑い。遊び人に化け鍼医を殺した小普請奉行に亀石征一郎。
第97話「恋に落ちて」1986.4.29
不作でもないのに味噌・醤油が高騰、大手の問屋・越前屋が値を吊り上げ、他の問屋も巻き込み闇カルテル工作に動く。仕入先を開拓しこの動きに抗う佐貫屋は殺し屋に襲われるが、行き合わせた長さんが阻む。仕損じた越前屋は廓に通い詰める佐貫屋の若旦那・市太郎に目をつけ敵方の花魁を金で抱き込み、店の譲り渡し証文を取ろうとするが寸前で花魁が暴露、彼女は斬られてしまう。市太郎の慟哭を見た長さんは、越前屋と裏にいた勘定組頭のもとに乗り込み双剣をふるい引導を渡す。
ロケ地
・房州からの帰途佐貫屋が殺し屋に襲われる江戸はずれの街道筋、大沢池堤(ネタとりに出ていた長さんが介入)。
・市太郎が勘当され浦里身請けのため働く護岸工事現場、桂川畔(左岸/流れ早い)。
・瀕死の花魁が回想する故郷・信州のイメージ、萱葺き集落あり(バルク映像)。
*市太郎に渋谷哲平、浦里に岡本舞。*堅物の若旦那が花魁に入れあげるきっかけを作ったのは辰、またおまえか。
第98話「辰三郎、女難で候」1986.5.6
無類の女好きの船手奉行、手ひどくフラれた芸者を裏から手回し入手しようと利権目当ての回船問屋を使嗾。借金をカタに追い詰められた芸者・染香だが幼馴染で許婚者の利助が金を用意、しかし嗅ぎつけた回船問屋の手先に斬殺されてしまう。そのうえ絶望した染香が身投げしようとするところを拉致、船手奉行の座敷へ連行。ここに長さん登場、ワルを撫で斬り。
ロケ地
・六さんに染香の話をする長さん、屋台が大覚寺放生池源頭の汀にセット、背景に心経宝塔。
・「お見立て」の墓地、亀岡か。
・お参りの染香に侍が嫌いな訳を聞く長さん、今宮神社合祀摂社(このあと話を聞く茶店は稲荷社裏手にセット)。
・拉致された染香が運ばれる駕籠を追う辰、大沢池堤。駕籠が入る船手奉行・桑原邸、大覚寺大門。
・出家した染香が尼姿で門前を掃く鎌倉・万福寺、常寂光寺仁王門。
*染香に東啓子、船手奉行に高城淳一、山形屋に長谷川弘。*タイトルの「女難」はいつもの如く岡惚れの辰が染香につきまといフラれるパターン。絡まれてるのを助けに入って顔面パンダ、遠ざけようとした幇間に死んだと偽られ墓に参る「お見立て」、心中に誘われ一人だけ川ぼちゃ、挙句染香は出家してしまうという散々なもの。
第99話「娘仇討ち 敵は長さん!」1986.5.20
特産の紙を隠匿し流通を滞らせ一儲け企む上川藩の江戸家老、国元から密かに運ばせた荷の人足を始末しようとして長さんに阻まれる。抜き合わせるところに町方、長さんは一旦拘留されるが南町に身分知る者ありすぐに釈放される。藩士の一人が手傷負ったことを言い立て釈放に疑義申し立てる江戸家老だが長さんの身分を耳打ちされ引き下がるものの、長七郎ぎみに悪企みを嗅ぎつけられては不都合と一計を案じ、手傷負った藩士を密殺・手傷のせいで破傷風を発症し死んだと偽り、遺族に仇を取らせる形で長さんを始末にかかる。長さんは企みを知った上で仇を取らねば立たぬ武士道を思いやり、敵討ちの場に出ることを決め、仇討ちに引っ張り出された妹を密かに訓練なんかしたりもする。そして敵討ちの場で兄が負った傷の分だけ己の腕を斬らせ、仇討ちはここまでと宣し家老の企みを暴露。
ロケ地
・八幡様で鬼の面被って密かにゆきに稽古をつける長さん、鳥居本八幡宮。
・上川藩から紙を運ぶ人数に潜入したおれんと辰が密殺されかかる松川町五社明神、大覚寺五社明神。
・仇討ちの場、仁和寺塀際疎林(背景に九所明神)。
・事後、談笑するゆきと父を見遣る長さん、今宮神社参道に茶店セット〜高倉脇祠の石段。
*矢内ゆきにMIE、兄・源太郎に荒木茂。
第100話「牛さんの縁談」1986.5.27
牛吉に持ち込まれた見合いの相手は、まだまだ若い独身の美女。周囲にからかわれつつ本気になる牛さん、しかし相手のおきよは勤務先の旦那の子を孕むも引き離された悲しい過去を持つ女で、息子を庇って落命することとなる。
ロケ地
・牛さんの見合い話で不機嫌な宅兵衛を釣りに連れ出す長さん、大沢池堤下汀。
・見合いの料亭、中山邸通用門。辰が来て次の間で騒いだので逃げ出した牛さんとおきよ(見合い相手)がゆく道、放生池堤。
・近江屋の大番頭が二番番頭の悪企みを指弾して絞め殺される、五社明神内陣。
・六さんの屋台におきよを連れて来る牛さん、心経宝塔前広場。そこへ通りかかる二番番頭に連れられた近江屋の若旦那(おきよの子)、放生池堤〜天神島朱橋。これを窺う、近江屋の身上を狙い養子に入ろうとしている旗本の三男坊と取り巻き、護摩堂前。若旦那を庇っておきよが斬られてしまうのは天神島(置いてある石仏はあしらいの作り物)。
*今回の成敗相手は、生さぬ仲の若旦那に対する女将の心情に付け込み近江屋乗っ取りを企んだ大身旗本、ラス立ち福ちゃん入り。*おきよに上村香子、近江屋女将に三田登喜子、見合い話を持ってくる大家は木田三千雄(見合いの座敷を覗く際、襖の間から見える目つきが傑作)、旗本は深江章喜、二番番頭は森章二。
→第一シリーズ表紙 →第二シリーズ →第三シリーズ
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