長七郎江戸日記 第二シリーズ 1988-1989NTV/東映

21〜40話

→第一シリーズ →第三シリーズ

二尊院紅葉の馬場キャスト
松平長七郎/里見浩太朗 三宅宅兵衛/下川辰平
おれん/野川由美子 牛吉/高品格 辰三郎/火野正平
おみつ/速川明子 友吉/宮川一朗太 利助/新田純一
沢木兵庫(六)/三田明 お銀/高木美保

→長七郎江戸日記2 表紙


第21話「友情の命燃やして」1988.8.2

 友吉くん大ピンチの巻。幼馴染の吉太郎が作る「正義のため不正を糾弾」する瓦版に感動した彼は、身代わりに殺しの罪を着て牢で待つが、いつまで経っても自首してこないどころかグルの与力に手ひどく責められ、遂に斬罪を言い渡されてしまう。夢楽堂チームの奔走の結果、吉太郎の悪事の証拠あがり土壇場で執行は中止、逃げをうつ吉太郎と与力の前には長七郎ぎみが現れる。

ロケ地
・吉太郎と昔話をする友吉、大覚寺護摩堂。襲ってきた刺客から逃れ潜む二人、有栖川河床(刺客は川岸)
・吉太郎の子を身籠った女が突き落とされた石段、神護寺石段
・瓦版を使った吉太郎の強請り行為について話す長さんと宅兵衛さん、大覚寺五社明神舞殿。
*吉太郎は原康義、与力は内田勝正、友吉が殺したことにされてしまう明石屋は北見唯一で、お白州のシーンのみ登場の奉行に内田稔はちょっと贅沢。


第22話「捨て身の説得」1988.8.23

 おれんが殺人犯として捕われ大ピンチ、証言者の憎さげな女を説得にかかる長さん。強弁にはワケあり、阿片がらみの悪事が隠されていた。タイトルは、証言者の女の前で手をついて翻心を懇願する長さん。

ロケ地
・おれん捕縛を釣りの長さんに注進の辰、大覚寺天神島放生池堤(カメラ切り替えなしで姿追う。マジで脚早い正ちゃん)
・阿片盗難の責を負い自刃した小石川薬園の小役人の墓、二尊院墓地(笠の大きな塔が数基、帰り道は坂道の合祀墳基脇)
・薬問屋を聞き込み中の六さんが刺客に遭う小柴垣の道、不明(竹林)
・おくらの養い子たちと遊んでやる長さん、上御霊神社本殿裏手。
・事後、釈放されたおれんに土下座して謝罪するおくら、大覚寺五社明神鳥居脇。江戸払いで旅立つおくらたちがゆく道、放生池堤
*酒肆で働き拾い子を育てている「金ずく」と評判の蓮っ葉な女・おくらに左時枝、憎態→健気に変化の好演。阿片で一儲けを企む無役の旗本に五味龍太郎、凄腕の手下に宮口二郎でグルの町方に石山律雄。


第23話「苦死を落とした女」1988.9.6

 家を欠所にされ父母を失い自身は苦界に落とされた女は、復讐の爪を研いで生きてきた。私欲のために人を追い込んだ若年寄一味は、闇から伸びる手によって一人ずつ消されてゆく。復讐劇の途中、事情を知った長さんはこれ以上手を汚させるに忍びず介入。

ロケ地
・庭で弓を引く若年寄・谷田部兵部、相国寺大光明寺石庭(門は映画村)
・静香が参る父母の墓、不明(丘の上)。その無縁塚のある寺院(大黒寺、無縁墓の主・駿河屋の事情を長さんが和尚に聞く)、不明
・元使用人・久造が車坂の陣八に仕掛けて返り討ちに遭う道、金戒光明寺墓地脇路地〜本堂脇〜永運院下坂。
*静香は藤吉久美子、谷田部は名和宏、土佐屋は国一太郎で陣八は大木正司。和尚に伴勇太郎。*静香らの策謀により消される与力と回船問屋、与力は蔵の中に括られ開けたら首が切れるようにセット、回船問屋は若年寄屋敷の庭で矢の的の裏に括られ弓が刺さっちゃう仕掛け、恨みが深いゆえすげー残酷で猟奇っぽい殺し方。*タイトルは最初の殺しの晩、静香が落として行った櫛を長さんが拾うことから。櫛を拾うなんてフキツと宅兵衛さんが口喧しくまくしたてるのが傑作(櫛→苦+死の語呂で迷信かつぎ)。


第24話「父子草、浮世の浪」1988.9.13

 牛さんに隠し子発覚の巻。息子はなさぬ仲の養父に疎んじられグレており、これに付け込んだワルが彼に養父殺しの罪を着せる。いつもはのそのそ牛さんも今回は厳父の顔を見せ、息子の危難に立ちあがる。夢楽堂チームの気遣いも泣かせる一話、息子をハメた南町与力とその一味は「已むを得ん」成敗、長七郎の名を聞いて一人罪を逃れようとする毒婦は内ゲバで落命。

ロケ地、下総へ旅立つ直吉を見送る牛さんと長さん、大覚寺大沢池堤護摩堂前。
*直吉は塩屋俊、与力は出水憲司。


第25話「咲くか、赦免花」1988.9.20

 錠前破りの亀吉を正道に戻そうと奔走する長さん、その手法が一旦島送りというハードなものなので亀吉の女房には恨まれ、悪罵を浴びたりもする。しかし錠前破りの腕で子供の危難を救わせた「逮捕の理由」は、死罪から救う手立てだったと知れる。最後は、亀吉の就職を妨害し女房に言い寄る悪どい岡っ引と、これとつるむ盗っ人の頭、および裏で糸を操っていた小普請奉行らを成敗。

ロケ地
・亀吉が御赦免船で帰還の船番所、広沢池東岸に柵あしらい。
・元の盗っ人仲間に復帰を迫られる亀吉、大覚寺護摩堂
*亀吉は五代高之、お静は山本みどり。ゲジゲジの岡っ引は伊藤高、札差の借金チャラを目論んだ小普請奉行に石橋雅史、表の顔は米問屋の盗っ人は小沢象。


スペシャル「一心太助と御落胤、男一匹ここにあり」1988.9.27

 17年前大久保彦左衛門から一心太助に預けられた千太は将軍家光の御落胤だった。これを利用して返り咲きを図る元若年寄・尾花は証拠の懐剣を盗み出したうえ千太を拉致、将軍との会見をセットするが当の千太は弟である家綱を説得し市井に戻る。ここから長さんのトリプル殺陣、今回のお召はシルバーに薄墨。まず尾花邸に乗り込み成敗、その後現れた公家の用心棒・一条高麻呂の両刃剣法と対決(これが石橋蓮司、鉄漿まで施す凝りよう。両方に刃ついたヘンな刀をブーメラン投げして長さんに迫るが双剣のエックス防御に阻まれる)、尾花邸を出ると柳生宗冬が待ち構えていてやっぱおまえ危険人物じゃん攻撃、抜きつれるが上意の使者が騎馬で駆けつけ水入り。

ロケ地
・尾花邸に一当たりの長さん、帰途一条に斬りかかられる、神護寺石段
・江戸城、姫路城
・尾花邸を抜けだして来た千太と太助を引き合わせる長さん、大覚寺天神島
・宗冬と対峙する長さん、仁和寺金堂前〜参道。上意の使者がくぐる門、仁和寺中門


第26話「蛍火」1988.10.11

 夜釣りの長さんが襲撃されるのを助けた画家志望の侍、彼は藩の江戸留守居役が贋作販売で大儲けするのに利用されていた。また婚約者を横取りされたうえ不義者として追われる身で、夢楽堂メンバーの助力にも関わらず恋人たちは悲しい最期を遂げる。若侍に惚れてしまったおみっちゃんが良かれと思い動いた結果が悲劇となる、カワイソーな経緯が挿まれる(女のほうに目をつけていた辰は、最初こそ庇って殴られたりしているが、男の存在を知ったあとフェイドアウトして笑える)

ロケ地
・夜釣りの長さんが白井宗之助を助ける二の橋、中ノ島橋(橋上、橋下汀)
・白井の恋人・菊枝が勤める大鳥神社そばの茶店、仁和寺中門内の茶店に床机等セット(周囲の情景に塔や中門も使われる)
・スケッチの白井の傍で女郎花を摘むおみつ、広沢池(北岸か、このあと刺客が出る)
・菊枝が連れ込まれる留守居役・多田源内の寮、大覚寺望雲亭木戸。
・おみつが二人を会わせてやるよう手配の鐘ヶ淵、広沢池東岸に桟橋セット(きれいなブルーに照らされた水面に大きな波紋を演出、池端に二人の惨殺死体)
・二人の墓、亀岡か。
*宗之助に辰巳琢郎、菊枝は三浦リカ、多田源内は清水章吾。


第27話「千切れ雲、縁の旅」1988.10.18

 不行跡で罷免された元勘定奉行、その後も乱行やまず金を借りまくり・しかし返さず金貸しを殺すという悪辣ぶり。そのうえ奉行就任時には公金を私し大穴を開けており、これを探る目付まで消そうと図る。暗殺は彼に拾われ恩を感じる暗い顔をした浪人がつとめるが、大金を借りたあと始末せよと命じられた女金貸しは、20年前生き別れた彼の母だった。

ロケ地
・おしまが孤児たちを慰問する寺、不明(門前に戒檀石、禅寺か)。子らと魚を獲る小川、大覚寺放生池源頭部。子と生き別れた事情を話すおしま、大覚寺護摩堂縁先〜大沢池畔。
・岡場所の女を見舞い金を楼主に渡して去る弥市を呼び止める長さん、放生池堤(草深い)
・加倉井の悪事を長さんに報告する六さんと宅兵衛さん、大覚寺勅使門橋
*園佳也子演じる金貸し・おしまと、弥市浪人の馴染みの妓の導入に辰の借金ばなしが使われる。おしまに追っかけられる辰、駕籠かぶって隠れそのまま中腰でとことこ歩いてみせる。たしかアフリカのほうにこんな鳥いたよ。*ワルの強欲旗本に川合伸旺、追い詰められて長さんに花瓶から菊の束とって投げつけ、花越しに真っ向割りに斬られるという派手な演出。散った白菊の上で血刀を振るシーンもあり。ラス立ち福ちゃん入り。宅兵衛さんに斬られて、長さんにも斬られてうおおー、バネが戻るみたいにもっぺん回るので薄暗くてもセンセイと知れる。


第28話「ゆき暮れて母悲し」1988.10.25

 常々江戸家老の不正を糺すと口にしていた夫が斬られ、妻は真実を探るべく奔走。裏で糸を引くのはやはり家老、しかし手を下した犯人は師と仰ぐ婦人の息子、人妻となった彼女への恋慕の情から仕出かしたものだった。

ロケ地
・夫の死因を探るせつが師と仰ぐ小西さとが暮らす棚倉藩の御長屋、金戒光明寺瑞泉院
・甲田清一郎の墓、くろ谷墓地
・さとが長さんに真実を告白するやしろ、大覚寺天神島
・せつをたばかり家老邸へ連れてゆくさとの息子・弥市、金戒光明寺永運院下坂。
*せつの危機に駆けつける長さん、土蔵の壁を爆破して登場。家老監視を頼まれた辰は按摩のカッコで登場。*さとに岩崎加根子、家老は西山辰夫で手下は原口剛、つるむ悪徳商人に有川正治。


第29話「辰の赤ん坊」1988.11.1

 父が謀反の罪に問われ一族全てなくした八つの少女は、自身も追われる身を下男に救われ江戸へ逃れ以来15年を共にするが、父を讒訴したのは下男で正体は凶盗・夜烏。父の政敵と結託し主家を裏切った卑劣漢だった。
勘付いて尾けた凶行の夜、おことは凄惨な犯行現場から赤ん坊を見つけ救い出すが、処置に困り思い出したのはかつて三日間だけ「夫婦」した辰三郎、寝てる辰のそばに赤子を置いてくるのが今回の騒ぎの端緒。

ロケ地
・辰とおことが「夫婦」する船宿、錦水亭
・おことを問い詰める長さんと辰、大覚寺五社明神(バックに心経宝塔)
・高山藩江戸屋敷、大門(伊勢屋を尾行してきた六さんは御殿川河床)
・長さんに迫られ、伊勢屋を夜烏と認めるおこと、大沢池北西畔
・下男の安吉が幼いおことを連れて江戸へ逃げる道、広沢池北岸か。
・おことの墓、亀岡か。
*火野正平の「泣き」が見どころ。会えて嬉しかったと微笑み事切れたおことの亡骸をゆさぶりわぁわぁ泣く辰、もう全開「一緒になろ、ホントの夫婦に」「死んじゃダメだって!」「頼むよー」と「夢想無用」状態。おことは神保美喜、ワルは大竹修造に高野真二、ラス立ち福ちゃん入り。


第30話「待ちわびて千鳥橋」1988.11.8

 毎月七日、暮六つに千鳥橋に現れる娘。雨の日も風の日も一年以上そうしている彼女は、長崎から帰らぬ男を待っていた。男は当地で抜け荷の咎で捕まり、店は身代限りとなり贖罪は済んだ筈なのに帰らない。この裏には、男を陥れ高麗人参を一手に商い大儲けを企んだライバル店がおり、長崎奉行所支配組頭から異例の出世を遂げた勘定吟味役が後ろ盾についていた。
事件を洗い直し、男を生き証人として江戸に伴った徒歩目付は消され、男の行方を追う手下は病篤い母親を責めて死に至らしめる。この悲劇に、長七郎ぎみの双剣が悪をぶった斬る。

ロケ地
・徒歩目付が品川宿で失跡と報告の六さん、大覚寺大沢池畔に茶店セット。お使いのおぶんが通る茶店前の道、放生池堤。岡っ引に囲まれ清七の居所を迫られるおぶん、五社明神裏手。
・勘定吟味役について報告の六さん、大沢池船着き(大)
*ハメられた山形屋の若旦那に丹波義隆、おぶんに日下由美。勘定吟味役は江見俊太郎、手下に福ちゃん、ラス立ちでは派手に海老反り。


第31話「同心物語 父ありき」1988.11.15

 玉川上水改修をめぐるキナ臭い動き、これで娘婿を失った老同心は病を押して探索し、普請奉行らを突き止めるが返り討ちに。死にゆく男から事を託された長さんは、ワル揃って高笑いの座敷に乗り込み破邪の双剣を振り下ろす。

ロケ地
・無理矢理酒を飲まされ崖から落とされる土木石組請負・太田屋のシーン、西明寺参道を効果的に使用。現場を見に来た長さんが同心殺しを見るくだりでは山門石段も映る。
・遺留品の持ち主・巴屋の人足頭が普請方の三木に呼び出され斬られる龍泉寺裏手、金戒光明寺鐘楼裏手の坂〜本堂脇。
・主人の墓に参る同心の妻女、黒谷墓地。帰り道、同心の妻と話す同じく墓参に来た長さん、放生池極楽橋上。
・息子の墓に参り具合を悪くした老同心を介抱する長さん、阿弥陀堂階〜鎧掛けの松前。
*老同心に佐野浅夫、はじめに長さんの大般若を見て正体に気付いてた設定を微妙に演じる。普請奉行は北原義郎、手下に成瀬正孝。


第32話「おれんの逆襲」1988.11.22

 縁日で唐突に子供を預けられてしまうおれん、抜け荷騒ぎに巻き込まれる。ドラマは、おれんと少年が機微を通わせるに至るプロセスを描く。父の遺訓を守り誰も信じようとしない男児は、捨て身のおれんに次第にほだされてゆく。最後まで男児が着ている、ぶかぶかの父の法被が泣かせる。

ロケ地
・おれんが春吉を託される縁日、今宮神社参道にセット。子を奪いに来る侍たち、合祀摂社前。
・同じ日に死んだ人の墓へ春吉を連れてゆくおれん、神護寺墓地か(丘の上/入口の門は冠木門で塀は濃い鼠色に五本線・門前に短いステップ)
・抜け荷取引の浜、広沢池東岸
*抜け荷の黒幕で次期勘定奉行を狙っている旗本の用人に福ちゃん、けっこう台詞もあるし劇中「ゴウダ」とか呼ばれているがクレジットに役名なし。一味の南町与力には立川三貴、ぎょろっと目をむいてなかなかワルい。悪徳商人は高桐真で黒幕の旗本は田中浩。


第33話「長い銀の箸」1988.11.29

 誠実謹厳な若年寄、煙たがる政敵から暗殺の魔手が伸びる。狙われたのはお毒見役、病身の娘の薬代がかさみ抜け荷回船問屋に因果を含められる。事は、彼の懐を狙った女掏摸が長さんに捻り上げられたことから発覚する。以降、若年寄に面会して事を告げたり、病気の娘を看たりとマメに動く長さん、毒見役は罪を問われず娘を療養させるべく旅立つのだった。

ロケ地
・神社にお参り長さん、今宮神社楼門本殿。このあと露店をひやかしていて女掏摸に財布をやられる、参道。脅しつけてはずした肩を入れてやるとついてくる掏摸、稲荷社前。性懲りもなく掏摸を働くお銀、石橋上で「毒見役」の財布を掏る。財布の中の包みを毒と確認した長さんがお銀とともに毒見役が来るのを待つ茶店、一和
・若年寄・土屋但馬守邸、西本願寺大玄関門
・毒見役にツナギが来る林、広沢池東岸堤道
・娘と上総へ発つ毒見役を見送る夢楽堂の面々とお銀、広沢池東岸汀
*タイトルは毒見役が使う毒発見用の箸。毒見役父子は辻萬長と高橋かおり、女掏摸は小野さやかで、若年寄の御木本伸介は清廉な官僚、悪役陣は波田久夫に森章二。


第34話「一の糸」1988.12.6

 良縁を取った恋人に裏切られ苦界に身を沈めた女、世を騒がす賊と成り果てたいま企てる復讐。されたのと同じ手口で男をハメた女の口に、酒は苦かった。

ロケ地
・お浪をハメた男とグルの同心が出る北町奉行所、大覚寺明智門。お浪の元恋人・彦次郎が同心に土下座し借金を懇願するのは参道石橋
*今回もおれんさん活躍のお話、根っからの悪人でないと見て救済を試みる。


第35話「牛吉の純情」1988.12.13

 商家に一味の男女を縁付かせ身代乗っ取りを企む凶盗、後ろには火盗改がいるという構図。一味が仕掛け中の一件に牛さんの幼馴染がおり、幾度も命を狙われる危機を経て熟年カップルができあがり、夢楽堂メンバーは一人減ることになる。

ロケ地
・凶盗に入られた店の生き残り女中が土左ヱ門で見つかる、広沢池東岸
・長さんに刺客が差し向けられる林、下鴨神社糺の森
・幼馴染の再婚相手の正体を知った牛さんが、丁字屋へ駆けつける途中襲われるのは下鴨神社河合社脇。駆けつけた長さんが追うと火盗改がいて口封じ、池跡
・丁字屋夫婦が湯治に向かう道(巳之介発言からは日光街道か)、女房を消しにかかる崖は保津峡落合落下岩。道は一部酵素か。
*巳之介は平泉成、火盗改長官は片岡五郎、ワルは出水憲司に岩尾正隆ときて下っ端に福ちゃん(冒頭で押し込み、ラス立ちも)。


第36話「友吉、愛に死す」1988.12.20

 おみつと友吉がもうじき祝言という日、友吉の故郷から恋人を追ってやってきたちょっと毒入り娘はとてつもない不幸を齎す。恩師の娘だからと言い訳もせず立ち回る友吉を振り回す娘は恋に盲目、そして約束したという男は人さらい集団の一味だった。拐かし一味の「客」である色魔の殿様がおみつを連れ去ろうとするのに抵抗した友吉が落命、おみつは棺の中の友吉と祝言を上げるという悲劇が描かれて幕。

ロケ地
・誘拐団が女と待ち合わせに使う大鳥神社の茶店、大覚寺五社明神裏手にセット、放生池汀も使われる(友吉の最期も同所)
・一味が女を運ぶ駕籠を尾けた友吉が襲撃に遭う林、下鴨神社糺の森。長さんが来て立ち回りは馬場
・色魔の殿様のもとに送り込まれ自害した娘の死体が上がる徳利河岸、広沢池東岸
*友吉の最期はたっぷり尺をとって描かれる。辰の嘆きの表現は例の火野節「長さん友死んでないよね/早くあったかいとこに連れて帰ろ」。*岡場所元締に小田部通麿。


スペシャル「ふたり長七郎 京の舞」1988.12.27

 京を震撼させる御用盗、一味にはライトサーベル振り回す長七郎にそっくりの男。あまつさえ「松平長七郎参上」なんて紙を現場に残してゆく。同じ頃、江戸の長七郎に東福門院の病篤しの文、上洛の途につく長七郎、宅兵衛とゆく東海道、谷山林道。道中、琉球拳法使いの男女に父の仇なんて襲われる一幕も。京に着いてみると東福門院の病気は嘘で、見合いさせられる長七郎。
長七郎の依頼で、刈女の父の琉球からの一行が殺害された件を調査のおれんと辰、聞き込みする茶店、大覚寺天神島〜大沢池船着。辰、情報持ち京へ。
続発する御用盗、昨夜の押込みの話する柳生の忍たち、愛宕念仏寺。東海道をひた走る辰のロボット走り、谷山林道
御用盗はクーデタ計画の一味の仕業、黒幕には京都所司代の八坂刑部、琉球の使い殺ったのもこいつ。騙され八坂の別宅・東山の不老庵に連れ込まれる刈女たち、旧中山邸。これを長七郎に知らせる途中の六、柳生宗冬に斬られる、仁和寺九所明神。深傷の体引きずり長七郎のもとへ辿りつき息絶える六。亡骸を辰に託し不老庵に向かう長七郎、今日のお召は白に薄蒼。鉄砲と弓は貰った火薬でぼーん、SPだけに派手な殺陣。辰も刈女救出に薪ざっぽで助勢。
琉球へ帰る刈女たちとの別れの船着場、広沢池


第37話「泣くな!妹よ」1989.1.10

 年貢が払えず売られた妹をもつ瓦版屋は、女はみんな妹として哀れな境遇の女たちを過剰なまでに保護するが、与える金のため強請った回船問屋一味に消されてしまう。夢楽堂チームは人身売買を働いていた一味を調べ上げ、裏にいた大身旗本は長七郎ぎみに乗り込まれて一巻の終わり。

ロケ地
・殺された瓦版屋・佐八について話す長さん、金戒光明寺鐘楼に茶店をあしらい(長さんの床机は基壇下、宅兵衛さんと利助がいる床机と店は屋形の下)
・お秋が参る佐八の墓、黒谷墓地墓地(文殊塔下)
・負傷した一味の浪人が消されて見つかる溝、金戒光明寺参道脇の溝。これを見たあと事件について話す長さんたちは本堂(庫裏の煙とり等も映り込む)
・旗本寄合席の後藤を尾行する辰、相国寺仏殿跡周辺路地。
*今回は新メンバーがレギュラー入り、夢楽堂の下働き青年、六さんの後釜のくノ一、蘭方医の鉄舟。EDの歌も変更、映像はそのまま。*お秋は川島美津子、佐八は河原さぶ、悪徳商人は田口計でグルの旗本は上野山功一。*辰のお化け屋敷パニックが騒がしくも面白い。井戸から女にきゃー、手首にわー、ろくろっ首触ってあ゛ー。


第38話「天女が舞った夜」1989.1.17

 阿片騒動に新入りの利助が巻き込まれるお話。はじめ夢楽堂のみんなを信じない彼だが、身を捨てて庇ってくれたおれんに感激「一生勤めます」。
利助は前に勤めた絵草紙屋がらみで殺人者に誤認され追われる身となるが、利助を居辛くさせた嫌味な男が顧客を阿片漬けにしていた件がチームの奔走で明らかとなり、黒幕の船手頭ともども長七郎ぎみの双剣の露と消える。

ロケ地
・北町奉行所、大覚寺明智門。宅兵衛さんが一味とグルの同心に突っかかり抜き合わせる、参道石橋
・同心が落としていった薬包が阿片と確認の茶店、五社明神にセット(背後に心経宝塔)
・証拠を握る女に入墨が無かったことを話す利助と鉄舟、放生池堤
*タイトルの天女は利助が好きな絵柄、この入墨をした女で足を止めさせその隙に座敷で殺しという段取り。辰から利助の居所を聞き出しチクるお銀、長七郎の仲間を消す算段。*利助をハメた男は冨家規政、北町同心は山本昌平で船手頭は内田勝正、悪徳商人は福山升三。


第39話「怠なれど愚ならず」1989.1.24

 産婆さんを送ったり、迷子の世話をしていて「職務怠慢」こいてしまう善人の南町同心・横井東馬、上役に名をもじって頓馬と怒鳴られる日々。しかし優しい言葉をかけて励ましてくれる与力あり、期待に応えようと東馬は折りしも発生した御用金消失事件に張り切るが、なぜか与力にしか告げていない捜査協力者の長さんたちが襲撃されてしまうのだった。

ロケ地
・夢楽堂へ事情聴取に行く途中迷子を押し付けられる東馬、大覚寺大沢池堤
・公儀から唐津藩への貸付金三万両を積んだ西海屋の船が「難破」した翌朝、一人海から上がってくる船長、広沢池東岸汀。早駕籠を走らせる街道、西岸側の道
・東馬が西海屋の蔵から「盗ってきた」御用金の小判について悪党どもが協議する側用人・牧野大和守邸、相国寺大光明寺
・偽手紙で「一ッ木明神・大沢池」に呼び出される長さんに鉄舟と辰、大覚寺五社明神大沢池(五社明神本殿内陣に銃隊潜み)
・三人が襲われたことについて考え込む東馬、広沢池(桟橋〜船上〜東岸)
・事後、釣りの長さんのところへ来ていて上司に連れ戻される東馬、大覚寺放生池堤
*東馬は桜木健一、与力は長谷川哲夫でガミガミ同心は藤岡重慶(善人)。側用人は五味龍太郎、腹切りの唐津のご家老は中村錦司。


第40話「不幸を呼ぶ女」1989.1.31

 不幸な身の上を語り鉄舟の同情をひく女、過去の話は本当だったが、今は人を食っても己の利を掴もうとする貪欲な人間に成り果てていた。今回捕縛されるは水落ちはあるは、最後は貧乏人に押しかけられカワイソーな鉄舟先生、裏ではこれを長七郎ぎみ抹殺に利用しようとする柳生の陰謀が渦巻いていたりするが不発。

ロケ地
・主人の病状を鉄舟に聞きどうか薬を処方してくれと懇願するおつた、神泉苑(法成橋、池畔、境内)
・備前屋の変死後、おつたに事情を聞く長さんとおれん、金戒光明寺石段〜長安院下坂。
・正田藩江戸家老と奥医師が「仲間」の備前屋の弟を毒殺する屋形船、嵐峡(船着と船上、罪を着せられかかった鉄舟が水に飛び込んで逃れる)
*備前屋に薬包を探しに忍び込む辰、散々探した挙句床の間の壺から見つけるが、跨いで気配に気付く…尻にセンサーでもあるのか。*お銀の上司のけったいなギミックも見もの。*おつたは甲斐智枝美、備前屋の弟に佐藤仁哉、家老は永井秀明。


→長七郎江戸日記2 表紙


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