将軍家光忍び旅

1990-1991 テレビ朝日/東映 (第10話はスペシャル)

キャスト
徳川家光(徳山竹之進)/三田村邦彦 新吉(影武者)/コロッケ お蔦(女掏摸)/萬田久子 大久保彦左衛門/神山繁 一心太助/三波豊和 影丸(庭番)/小林達也 早苗(庭番)/上田一乃 門脇兵馬(側用人)/大木晤郎 亀助(中間)/白井晃 綾(腰元)/田中綾子 楓(腰元)/高島礼子 春日局/三ツ矢歌子 柳生十兵衛/勝野洋 松平伊豆守信綱(老中)/田村亮 都築安房守兼次(将軍異母兄)/中条きよし


第1話「ふたり将軍京を目指す」 1990

 先の二回で窮屈な旅に懲りた家光は、今回の上洛に条件を提示。一介の浪人として通すというプランを呑んだ伊豆守と彦左が仕立てるは影武者、危なっかしい企ては将軍が身を挺して自分を救ってくれたと大感激の新吉で固まってゆく。

ロケ地
・野に出て家来と乱取り上様、天神川河床(伊豆守が馬を飛ばして呼びに来る)
・江戸城イメージ、姫路城天守。家光の出した条件について話しながら城を下がってくる伊豆守と彦左、はの門下坂
・影武者に選ばれた新吉が連れてこられる松平伊豆守邸、不明(門越しに破風)
・浪人として行くほうの同行者に引き合わされる家光、姫路城西の丸
・影武者のほうの美々しい行列が出る城門、姫路城菱の門
・将軍家品川本陣、随心院薬医門
・拉致された影武者が連れ込まれる山寺・常念寺、常寂光寺仁王門(陰謀の主・都築安房守が山岡頭巾被って入ってゆく。今回の計画が頓挫したあと呪詛を吐きながら下りてくるのは参道石段)
・品川本陣を発った一行がゆく街道、木津堤
*海ロケは不明、遠州かはたまた日本海か。*都築が使嗾する風魔陣十郎は田口計。コロッケの鼻歌は「伊勢崎町ブルース」(冒頭のスキャット)。


第2話「父ちゃんの海を返せ!」 1990

 本隊は程ヶ谷宿から戸塚宿、海辺をゆく竹之進は中浜で悪党に泣かされる民を見る。干鰯狙いの奸商とつるみ禁漁を強いる代官は処断され、家光は父を捕われ嘆く庄吉坊との約束を果たす。

ロケ地
・相州中浜の海、不明(ちょっとした砂丘、防砂林?がみっしり)
・中浜のはずれの辻堂(母子を送ってゆく竹之進のくだりとツナギと二回出る。堂はあしらいモノ、設置場所は林でちらっと低い塀・五社明神裏手か河合社裏か)
・戸塚本陣、建仁寺久昌院
・彦左と早苗が怪しげな浪人者が屯するのを見る街道、谷山林道か。
・中浜代官所、随心院長屋門。早苗が潜入した影丸とアイコンタクトをとる塀は本堂裏の土塀、内部から見た早苗が頭を覗かせる塀は撮影所セット。
・漁師たちを連行してくる代官の前に立ちはだかる家光、走田神社(参道〜本殿脇。立ち回りは本殿前で。漁具と潮騒の音あしらい)
*悪徳商人は小沢象でお供に西田良、手先のゴロツキは岩尾正隆で雇われ浪人は福ちゃんと壬生新太郎/浪人(一)と(二)、代官は遠藤征慈(手向いするも自刃)、庄吉坊の母は三浦真弓。コロッケの鼻歌は「ギンギラギンにさりげなく」。


第3話「日蔭に咲くか夫婦武士道」 1990

 相模入りの一行、藤沢宿で人足たちの抗争を見た家光は激怒し、治安回復に乗り出す。人足頭と博労の親方は、女郎屋や賭場を作る土地を狙い悪事を重ねるが、ところの御支配はもっと腹黒。テーマは狙われた土地にある寺子屋の先生夫婦の生き様、三河以来の家柄を汚したと怒る彦左に対し、惚れた女に賭けるのも武士道と上様は笑う。

ロケ地
・相模入りの「将軍」の行列、木津堤(藤沢宿手前・泊りは平塚宿)
・藤沢宿へ向う竹之進ら、北嵯峨農地畦道(広沢池西岸)
・子らに植物の講義をする寺子屋の先生・羽生田新兵衛、広沢池北西岸(竹之進が微笑ましく見ていると人足たちの小競り合いがなだれ込み)
・藤沢宿村名主・幸右衛門邸、走田神社社務所(韮山代官に無法を訴えに行こうと旅支度で出た名主が塀際で刺殺される)。事件を聞き出役の韮山代官所藤沢出張陣屋、民家長屋門
・彦左の罵りを受ける夫・新兵衛を見て首を吊りかける妻女、広沢池畔か。それを止めた竹之進が新兵衛に経緯を話す水辺、広沢池西岸・養魚場流れ込み畔。
・人足対博労の大出入りが繰り広げられる馬入河原、木津川下流部
・相模を発つ「将軍」の行列、当地を発つ竹之進一行、ともに流れ橋
*羽生田新兵衛は丹波義隆、足軽の娘を選び旗本の家を捨てた男で彦左とは親戚付き合い。彼に好意的な村名主は玉生司朗。人足頭は田中浩(竹之進が入り込み)、博労の親方は曽根晴美、漁夫の利を得ようとする陣屋支配は小笠原宏。*コロッケの「芸」、駕籠が窮屈とボヤくくだりで裸の大将と美川憲一の物真似。このほか春日局コスプレも。


第4話「暗雲たなびく女狐の湯」 1990

 箱根山中で十兵衛とはぐれた竹之進は、鄙びた湯宿に辿り着く。そこに湯治に来ていた爺さまは夏の陣の生き残りで彦左のお友達、彼の記憶が非常にマズい老中たちは都築の手下と結び、爺さまたちのみならず「上様」ごと消そうと企み成敗の憂き目を見る。悪党どもが父を求めるお蔦を利用する一幕も。

ロケ地
・「将軍」の行列がゆく平塚宿を過ぎたあたりの道、随心院参道(東望)
・竹之進と十兵衛が忍者に襲われる箱根山中、谷山林道か。
・十兵衛とはぐれ道に迷った竹之進が魚を獲る少女と出会う滝、琴滝
・少女の家の塔の沢の湯宿、酵素河川敷に小屋あしらい。
・箱根元湯、不明(石垣のアプローチを持つ萱葺長屋門)
・老中の側室が渓流沿いで野点をするところへ異臭煙攻めで嫌がらせの爺さまたち、清滝川畔か(ニンニクとかニラとか燃やし)
・唐木の爺さまの回想、大坂夏の陣の掃討戦で目撃した、現老中主従が軍用金を掠めて口封じに味方を殺した生駒山中、酵素ダート北崖
・爺さまたちが囲まれてピンチの大平台、不明(植生や足もとの砂地からすると河川敷か)
*唐木甚五衛門は品川隆二、湯宿の主人は牧冬吉。悪辣な過去を持つ老中主従は川辺久造と大木正司、都築の手下は出水憲。


第5話「箱根に散った花一輪」 1990

 お忍びで箱根へ来ていた伊達政宗を利用し、ニセモノ将軍を暴いて紛争を起こそうとはかる都築安房守。間の悪いことに、本物のほうは十兵衛をまいて太閤と独眼竜ゆかりの底倉を訪ねようとして迷っているのだった。もちろん十兵衛が危惧したとおりそこは風魔の巣で、竹之進を狙う者どもが湧いて出るが、良心を捨てきれぬ娘の献身で切り抜ける。

ロケ地
・十兵衛をまいて走ってくる竹之進と太助、保津峡落合河口。底倉への道がわからず誰かに聞こうと歩き出すのは保津峡左岸巌上。
・子供をさらう忍者を阻む竹之進たち、清滝河原(銃で援護した桔梗と出会う)
・将軍の行列がゆく道、随心院参道(バンク映像)、箱根駒本陣は妙心寺大庫裏門
・政宗のふっかけた難題に江戸の伊豆守へ早馬が走る街道、木津堤
・桔梗とその兄が百姓衆のために掘る温泉、清滝か。
・竹之進を襲う風魔、酵素か(十兵衛が駆けつけ難を逃れる)
・都築と結んだ風魔の和尚が巣食う山寺、西明寺(山門、石段、境内)
・風魔にさらわれた子らを救出したあと本陣へ急ぐ竹之進、お蔦が馬を持ってくるのは谷山林道分岐道と本道。なお襲う風魔、和尚と桔梗がやり合うのは切り通し。事後一同が参る桔梗の塚も切り通し。
*伊達政宗は近藤洋介。


第6話「偽将軍と踊り子の恋」 1990

 沼津代官の悪事を暴き、虐げられていた民を掬い上げる成敗ばなし。新吉の岡惚れが空回りするちょっと気の毒な結末だが、彼以外メデタシな大団円。

ロケ地
・将軍一行がゆく街道、木津堤(バンク映像)、沿道に平伏する民の中に小菊太夫を見つける新吉のくだりは不明(一座の泊りは沼津と新吉が推測)
・小菊太夫一座がならず者に襲われるところへ竹之進が介入する脇街道、不明(酵素ダートや大原野神社−勝持寺間の林間に似る)
・沼津本陣、妙心寺塔頭か。
・沼津代官所、民家長屋門。門前払いを食った村名主の息子たちを見る十兵衛の、門から見返りのシーンは広沢池西岸。代官所に侵入する庭番のくだりで出る裏塀は民家西塀
・代官所に囚われた村名主を奪還した息子たち、隠れる宿場はずれの来迎寺は勝持寺本堂、はじめに出る情景は夜の闇に浮かぶ花頭窓、将軍一行が発ったあと襲撃をかます代官一派のくだりは昼間で、本堂階と周辺を使い大立ち回り、横笛を吹いて現れる「真打」は鐘楼から。
・沼津を発つ竹之進、海辺で「上様」に餞の舞を捧げる一座は琵琶湖西岸松原。
*小菊太夫は西崎みどり、一座の先乗りで村名主の倅の「新吉の恋敵」は篠崎勝で父の名主は溝田繁。沼津代官は浜田晃、百姓町衆が積み立てた狩野川築堤費用を着服するほか、旅の一座の先乗りが持ってた金も取り上げるトンデモ悪辣代官という設定。*コロッケの歌は小菊太夫ラブを「側近」に聞かせる馬鹿話のくだりで出る「喝采」。


第7話「襲撃!女だけの村」 1990

 「将軍」の間近に迫る忍びの者、竹之進が本物と知れ襲撃を受ける。気味の悪い秘術で他人になりすまし人を苦しめる風魔に、若き将軍の怒り炸裂。

ロケ地
・江戸城イメージ、姫路城天守(伊豆守に白々しく接触する都築のくだり)
・吉原宿手前の街道をゆく将軍の行列、木津堤(バンク映像)、刺客が駕籠を窺う道は北嵯峨農地・竹林際。
・竹之進らがゆく千本松原、琵琶湖西岸松原に漁具あしらい。
・吉原本陣、摩気民家(お供が摩気橋上にずらりと控える/刺客の気配など無いと呟く竹之進と十兵衛は橋たもとの灯籠の陰に)
・新吉を襲い失敗した女忍者が這って戻り仲間に影武者だったと伝えこときれる神社、鳥居本八幡宮石段。古賀村の女たちに助けを求められ同道する竹之進、忍びに襲われる夜道は鳥居本八幡宮広場
・古賀村へ向う竹之進たち、谷山林道
・古賀村、竹之進が野良を手伝っていると忍びが襲い村娘が巻き込まれる田んぼ、摩気
・寿々の回想、山津波で亡くなった者たちの慰霊碑が建つ「現場」、砕石場か(土むきだしの山地/領主・薬師寺の殿様が寿々を慰め励ますシーン)。遠乗りデートの寿々と殿様、田畔は不明、駒を繋ぎお昼をつかう野辺は丹波国分寺礎石
・ツナギをとる竹之進たち、摩気神社裏手(塀越し)
・薬師寺邸、大覚寺大門(竹之進らは御殿川に潜み様子を窺う/酔ったお蔦が来て門番と揉め、隙を見て一同は中へ→式台玄関前へ出てセットにスイッチ)
・村人が集められる鎮守、摩気神社(ニセ領主がやって来て竹之進を出せと迫る)。皆殺しとか喚いているところへ笛吹いて現れる「将軍」は楼門、拝殿前等を派手に使って大立ち回り。
・当地を発つ竹之進たち、琵琶湖西岸松原
*寿々は吉川十和子、殿様は南条弘二。*今回の風魔のヘッドは「おばあちゃんて感じ」の紫染め/都築の吉原で小判撒いてガハハがたいへんお下品。*寿々が襲われ芝居で竹之進をひっかけるくだり、映画村オープンセットの山から何か出てくるアレの前、盛大に水を流す。


第8話「母恋い街道小さな目撃者」 1990

 吉原宿で丁稚奉公をしている乙松少年と道連れになる竹之進、旅芸人の母に会える村へ急ぐ乙松だが、領内は何やらキナ臭く凶事に巻き込まれかける。後段は乙松の危機を救ってくれた正義の士の話、悪家老糾弾を志した一派が腐敗し強盗団に成り下がっていたり、将軍に駕籠訴した青年が無礼討ちになったりの大騒動。どっちもワルい二派は竹之進がさっくり成敗。

ロケ地
・蒲原城、彦根城。本陣に打ち込まれた火矢の件について家老の報告を受ける殿様は天守下、部下と犯人について忖度する家老は天秤櫓下石垣際。
・蒲原へ向う竹之進と乙松たち、琵琶湖西岸(乙松が魚とり)
・吉原を発ち蒲原へ向う将軍の行列、水辺不明、林の際は北嵯峨か。
・竹之進たちが昼飯を食いに入る鰻屋、桂川羽束師堤(将軍来るのお達しで営業自粛中)
・竹之進が鰻飯を作る間遊んでいた乙松が強盗殺人を目撃する土手、大覚寺大沢池畔大沢池堤を組み合わせ。追われた乙松が逃げる堀は有栖川河床
・塩の代金が強盗に盗まれたと報告を受ける家老、彦根城観月台への橋
・人殺しを見たと竹之進に駆け寄る乙松、不明(山中のダート)
・領内へ入ろうとすると封鎖されていて乙松を泣かす関所、大覚寺大沢池堤
・乙松の母がいる旅の一座が村人に迎えられる鎮守、鳥居本八幡宮小柴垣〜鳥居下。
・蒲原藩の内情について報告する十兵衛、不明(松の根方、琵琶湖畔か)
・強盗の現場を見た乙松が始末されかかる田畔、不明。
・乙松を助けてくれた青年・川辺に託された訴状を携え城に乗り込む竹之進、彦根城天秤櫓
・蒲原を発ち旅を続ける将軍の行列が渡る橋、流れ橋。母に会えた乙松が竹之進と別れ奉公先へ帰る海辺、琵琶湖西岸
*特産の塩で私腹を肥やす悪家老は近藤宏、これを糺そうとして下野するも志腐り果て強盗も働く始末の元次席家老は山本清、殿様は大竹修造。乙松の母のいる一座の座長は福ちゃん、息子が来るまで待ってと縋る母を容赦なくビシバシ打擲。手踊りの際太鼓叩いてる姿もなんとなくコワいがお客には愛想よし。


第9話「心優しい暗殺者」 1990

 浪人の悲哀を描く話。たださえ苦しい暮らしのなか助け合う彼らを、使い捨ての道具にして猟官運動資金を作る悪代官。あろうことか竹之進を隠し目付と誤認し、浪人を刺客に使い始末しようとして墓穴を掘る。

ロケ地
・藤巻浪人の娘の目を治すため分のいい仕事を求めに行った仲間の松枝が、悪党の企みを立ち聞きし斬られる坂、不明(脇は石垣、登りきったところにお堂)
・松枝の墓、二尊院墓地(代官の情婦が竹之進こそ松枝殺しの犯人と吹き込み)
・竹之進に追いついてくる藤巻、北嵯峨農地竹林際。安倍川餅を食う茶店、広沢池東岸にあしらい・竹之進の背に殺気を込める渡し場もしつらえてある。
・娘を人質に取られた藤巻が竹之進を斬ろうとする海岸、琵琶湖西岸松原。
・興津を発った竹之進に追いついてくるお蔦、広沢池東岸(対岸に富士山合成)
*藤巻浪人は沢竜二、興津代官は遠藤太津朗。代官の手下の一人に福ちゃん、身延参りの法華信徒の扮装。*藤巻に浪人救済政策を乞われた家光の件には、微妙なナレーションが入っていて笑える。


第10話「陰謀渦巻く駿府城 家光を狙う死の釣天井」 1990

 世に不仲を喧伝される弟・駿河大納言と対面しようとする家光、しかし駿府へ入るや風魔の襲撃は苛烈を極めてゆく。家光を憎悪する忠長、遠因は幼時のトラウマだったが、将軍となった兄に害意を抱くに至っては、裏で糸を引く者がいた。そして風魔を操る真の黒幕も姿を現す。

ロケ地
・駿府入り前に家光を殺せと風魔忍びに指示が出される野原、酵素河川敷
・駿府城を見やる暗峠、谷山林道切り通し(風魔の襲撃は両側切り通し)
・竹之進の前で忠長の悪口を言ったお蔦をよそへ引っ張ってゆく太助、神護寺五大堂裏手(六部姿の風魔衆がわらわらと湧き、二人は林間へ転げ落ちる)
・本陣、嵐亭門(葵紋の幔幕あしらい)
・駿府入りした結城主従が仰ぎ見る駿府城、書割か。
・忠長が将軍立ち寄りと報告を受ける馬場、嵐山東公園か。
・将軍来訪で急遽作った駿府城内の持仏堂(神君の分骨を祀る)大覚寺心経宝塔(ここに釣天井仕込み/内部はセット撮り)。階を降りてきた忠長に父の仇と向かってゆく結城姉弟は護摩堂裏から、失敗し逃走。
・忠長の回想、15年前「家光が家来を斬った」江戸城内、大覚寺宸殿白州
・都築が風魔と密談する屋形船、広沢池東岸
・結城千鶴が話す母の死の経緯、帰らぬ母を案じ父と忠長の別邸へ急ぐ道、大覚寺大沢池(堤下の杭上を走る)
・町に人相書を張りだされてしまった千鶴たちが身を寄せる猟師・冬吉の小屋、酵素ダート待避所に設営か。
・蕎麦を食っていると襲われたうえ店を爆破される竹之進、木津河原か。
・船で逃れる一行、桂川か(岸辺に傷つき逃げてきたお蔦、千鶴たちの急を知らせる)
・駿府藩家老・森山弾正邸、妙心寺大通院門。
・蹴鞠のトレーニングに音を上げる新吉、嵐亭延命閣。竹之進が伊豆に千鶴たちを預けに来る段では門内側と延命閣庭入口が映る。
・冬吉の試し撃ち、酵素河川敷
・竹之進を狙撃する冬吉、木津河原
・家光は必ず忠長に会いに来ると話す都築と森山、大覚寺天神島と朱橋。
・城門に出て家光を待つ忠長、大阪城青屋門。単身橋を渡ってくる家光は極楽橋(天守は映さず)
・閉門になった都築安房守邸、妙心寺隣華院門。
・駿府を出立する将軍の行列、随心院参道木津堤(バンク映像)。これを見る竹之進のくだりは南禅寺へスイッチ、僧堂坂・南門前を行き過ぎる行列を見るのは参道との間の林間、千鶴たちが挨拶に出て、お忍びの忠長が遠くから竹之進に目礼。参道をゆく竹之進たちを見て呪詛の言葉を吐く都築は僧堂坂、三門越しに経蔵のほうから来る竹之進を映して幕。
*忠長は金田賢一、家老の森山は江見俊太郎。結城千鶴は渡辺梓、父は長谷川明男で弟は青井敏之、若党は芝本正。風魔鉄石は原口剛、冬吉は藤岡重慶。大御所は丹哲。*ひたすら爽やか設定で愛憎ドロドロはスルー気味の三田村家光、今回の駿河大納言とのトラブルも明朗に切り抜けるし、春日局は容喙するどころか新吉を構っている始末。一応ナレーションでその後の史実を匂わせてはある。*駿府城を見やる峠は「くらがり峠」と風魔鉄石の発言、暗峠の字を宛てたがふつうこの表記では阪奈境のR308。


第11話「峠に吹いた地獄風」 1991

 駿河を発った一行は鞠子から岡部へ、一帯を支配する手越代官はかつて竹千代ぎみに漢詩を手ほどきした男で、懐かしんで会いに行った竹之進は彼に違和感を感じ訝しむのだった。

ロケ地
・宇津ノ谷峠をゆく手越代官・河合四郎兵衛、湖南アルプス。角造を呼ばわるのは若布谷流れ込みの天神川河床、馬で渡渉。兄の亡骸を谷底に投げ捨て、代官の衣装をまとった角造が剣を振り上げるのはアルプス山頂部のガレ場。ここから周囲の山なみにパンする映像があり、大戸川谷口や瀬田流域が遠望される。
・駿河府中を発った将軍の行列がゆく街道、北嵯峨農地竹林際。竹之進が十兵衛に会いたい人がいると話す街道も北嵯峨か(田畔の水路際、遠景に愛宕と思しき山なみ)
・手越代官に疑問を抱いた竹之進が代官の叔父の宿役人に会いに行くくだり、農婦に所在を尋ねるのは北嵯峨の田か。釣りをしていて襲われ殺される宿役人は広沢池北西岸にセットの桟橋、ここへの道を辿る竹之進は西岸湿地。
・鞠子宿へ向う将軍の行列、随心院参道木津堤木津河原(水辺は安倍川設定か)
・父代官に持病の薬を届けに行く娘・伊乃と「お供」の恋人・中原が襲われる宇津ノ谷峠、湖南アルプス
・将軍の行列がゆく宇津ノ谷峠下り道、不明(山中の小道で駕籠がぐらぐら)
・代官の娘が襲われたと竹之進に報告する早苗、鳥居本八幡宮祠脇。
・代官の身辺を洗えと影丸に指示する竹之進、北嵯峨農地陵付近(庭石が積まれた道端)
・鞠子宿の茶店に負傷した中原を置き、一人で岡部に向う伊乃がゆく宇津ノ谷峠、湖南アルプス・若布谷
・伊乃が襲われるところへ駆けつけ賊を撃退する竹之進、鳥居本八幡宮小柴垣〜広場。
・秘仏を奪った賊が将軍のなりをした亀助(新吉の危機を察知し自ら身代りに)を吊るす岡部宿はずれの竹林、鳥居本八幡宮広場。
・岡部宿を発った将軍の行列が渡る橋、流れ橋。父代官の墓に額づく伊乃と中原、湖南アルプス。藤枝へ向う竹之進一行が乗る渡船、広沢池(これに先立って「北岸」を西から東にパン、飛び立つコサギの群れが映り込む/設定は一旦鞠子へ戻って駿河湾か)
*手越代官と双子の弟の角造(凶賊の首領)は葉山良二の二役、手下に森章二や井上茂、宇津ノ谷峠で伊乃を襲う手下の一人に福ちゃん。*角造の狙いは黄金仏、将軍の上覧に入れるため出されてくる秘仏で寺は「そうあんじ」と劇中称されているが、具体的設定場所は不詳。


第12話「大井川、決死の関所破り!」 1991

 島田宿、晴れても続く川止めには裏。江戸家老の悪行を国表に知らせる使命を帯びた若衆姿の美姫を助けたり、ピンハネ役人に逆らって失職した川越人足と共に戦ったり、竹之進はまたひとつ世間を見て成長する。

ロケ地
・「大井川」の濁流は東映作品でしょっちゅう出てくるバンクフィルム。島田側の大井川土手は木津堤。流れ橋上手右岸堤下の「民家」も映り込む。
・若衆姿の「姫」一行を襲う家老方の剣客は広沢池か大沢池堤か。
・川会所役人に逆らった気骨の川越人足・半七の塒、酵素河川敷に小屋あしらい。
・半七らを襲う役人と斬り結ぶ十兵衛、大覚寺天神島(剣客との対決も)
*大井川渡しで「川」が出てこない珍しい例。ラストで輦台に乗ったお蔦が出るが、これも堤法面のみ。当たり前だが流れ橋も一切映らない。*姫は松本友里、中間に身をやつしたお供の柿右衛門は中井啓輔。家老方の剣客は久富惟晴、半七は伊吹剛。


第13話「決闘!子の刻参上」 1991

 居直り用心棒に苦しむ村、たまたま里に迷い込んだ竹之進はもちろん悪党退治に乗り出す。しかし思い余って将軍に直訴しに行った娘が彦左を連れてきて、悪党とつるんでいる郡奉行の人質にされてしまうのだった。誤解が解けて村人が団結するのもお決まり。

ロケ地
・お蔦が十兵衛をたばかり竹之進を誘い込む秋葉街道、不明(茶畑?)
・遠州森村およびみほの豊岡村、宇治田原の茶畑か。直訴に行った弥市がゴロツキに消される森村手前の林は酵素か。
・村人の回想、強盗が出て殺された庄屋一家、屋敷は民家門
・彦左とみほを人質にして竹之進を呼び出す天宮神社、鳥居本八幡宮(鳥居前に篝火焚き、彦左らは広場で木に括られ、竹之進登場は舞殿前から)
*居直り用心棒は和崎俊哉と堀田真三、つるむ郡奉行は伊吹聰太朗で配下に福ちゃんや小船秋夫。旅籠の主は村田正雄、直訴に行き殺される弥市は峰蘭太郎。


第14話「浜松、女郎の仇討ち」 1991

 父の仇を討つ旅で母を亡くし、薬代のため苦界に身を沈めた女は、家に出入りしていた十兵衛を少女の頃から慕っていた娘。宿場女郎に身を落とした女を掬い上げ叱咤する十兵衛の話がメイン、今回竹之進は脇役に回る。

ロケ地
・浜松へ向う竹之進たちがゆく街道、大堰川堤。打擲されていた男を助けてみると十兵衛旧知の家の中間で、手当てしながら事情を聞く河原は大堰川汀
・伊豆が横須賀藩家老を伴い彦左を呼び出す城下、大覚寺五社明神(藩境に出没する野盗が浜松領に逃げ込む件について協議)
・お昼を使っていたお蔦が腹を減らした幼女と出会うお堂、大覚寺護摩堂(縁先に腰掛け)
・お小夜の母の墓、北嵯峨か(小丘と田んぼ)
・仇と目される男の手下が野盗と会っていた情報で出向く竹之進、山賊みたいな男たちが村娘を連れ込む小屋は酵素河川敷にあしらい。
・伊豆が十兵衛にお小夜を許婚者にしてはと提案する城下、大覚寺五社明神
・浜松城イメージ、郡上八幡城天守。
・仇討ちの広場、下鴨神社馬場に幔幕張り。家老が人数を繰り出しラス立ちになだれ込み。
・落飾したお小夜が十兵衛と別れる野原、北嵯峨か。
・竹之進とお蔦がゆく海浜、琵琶湖西岸
*お小夜は速川明子、仇の武芸者は大場順、こやつとつるみ野盗のアガリを掠める家老は石橋雅史。武芸者の道場に通う藩士の一人に福ちゃん、豪華衣装を着てお供連れで道場を出てくる。


第15話「旅人泣かせの船宿退治」 1991

 舞阪・新居間の渡船を使って私腹を肥やす悪党ども、難儀の民を見た竹之進は怒り心頭、寄り集まって世の中金じゃと笑う外道のもとに乗り込み大立ち回り。本陣で悪党の密談を立ち聞きした新吉が「本物さま」の一大事と注進に及ぶ一幕も。

ロケ地
・舞阪に差し掛かる竹之進たち、琵琶湖西岸汀〜松原(詮議のきつい新居関を避け本坂越えをして墜死した旅人を見る)
・舞阪の渡し場、広沢池東岸(うちの船は関所に顔が利くと勧める巴屋を振り切り、閑古鳥が鳴く「定額」の網定をチョイス)。網定の渡船に乗り着く新居の浜は琵琶湖にスイッチ。新居関所は琵琶湖西岸松原と映画村オープンセットの屋敷町を組み合わせて表現。
・巴屋の乗客でなかったため新居の関所を通れず戻った舞阪、網定の若旦那を慕う漁師の娘の家は琵琶湖西岸松原林間に小屋をあしらい、夜間撮影もあり。
・新居を発つ将軍の行列がゆく街道、木津堤(ブツブツ彦左を新吉がからかい)。竹之進たちは琵琶湖汀をゆく。
*彦左に精勤を誉められる槍一筋の家柄の道中奉行兼大目付・南条河内守は亀石征一郎、新居関所奉行は原田清人、巴屋は長谷川弘で手下に北村晃一や江幡高志。網定の若旦那は佐久田修、彼を慕う娘は西尾知香。*巴屋の料金は一人一両、定額の49文と比べ80倍。


第16話「くの一が惚れた男」 1991

 都築安房守再びの巻、性懲りもなく風魔とともに家光を狙う。竹之進には捨て身の芝居でくの一が近付き、春日局には怪しの祈祷師が大がかりな芝居を打って近付くが、竹之進にほだされたくの一は仲間を裏切り身を捨てて難を救う。

ロケ地
・間道をやって来る竹之進たち、谷山林道分岐道。黒覆面の男たちに斬られた娘を助け保護。
・豊橋本陣、大覚寺大門
・豊橋城、郡上八幡城(林越し遠景)
・祈祷師・三枝梅雪が住まう光明寺、勝持寺東門
・竹之進が夏生を落とす渡し場、罧原堤下河原(夏生は次手あるを思い出し船を返させる)
・光明寺に忍び二の矢の企みを立ち聞きした夏生が露見し追われる坂、勝持寺南門下参道(毒矢を射掛けられるが煙玉で逃げ、竹之進の旅籠に辿りつく)
・十兵衛の警告により彦左が止めるが聞かず寺へ行ってしまった春日局を救出にやって来る新吉、梯子を掛けるのは勝持寺南門続きの塀
・豊橋を発つ竹之進たちがゆく街道、嵐山自転車道
*夏生は藤奈津子、梅雪は御木本伸介、夢幻は有川正治。*都築は事破れると知るや素早く逃走、お貰いさんに化け竹之進を見て「今に見ておれ」。


第17話「とんだ埋蔵金騒動」 1991

 藤川宿では太閤の埋蔵金をめぐり血腥い動き、その金を求める黒幕はたいそうな野心家で配下を「有能な悪党」で固めていた。

ロケ地
・藤川への街道をゆく竹之進たち、桂川松尾橋上手右岸河川敷。簀巻きにされた庄屋が流れてくるのは中州南側の派流(藤川宿なので川は山綱川と思われる。乙川支流・矢作川水系)
・竹之進に先に行かれてしまい愚痴りながら道をゆくお蔦たちが通りかかる神社、仰木の小椋神社(参道橋や蔵など映り、埋蔵金の地図を売る男は舞殿)
・庄屋の妾と娘が暮らす家、広沢池北西岸の田畔に小屋あしらい。
・藤川本陣、相国寺林光院
・設楽一万石・堂上長門守別邸、相国寺大光明寺門。
・庄屋の妾宅に現れた怪しい浪人をつける早苗、相国寺宗旦稲荷〜路地(鐘楼脇から十兵衛が見ている)大光明寺南通用門(ここから長門守別邸に入る/扉に井筒の紋あしらい。後段、早苗潜入の際は南塀を飛び越えて中へ)
・庄屋の残した書付を見て堀田神社へ行くも拉致されるお静、日吉大社白山宮石段。
・お静を拉致した赤星一味を見る太助たち、小椋神社境内。設定は小豆坂の古い神社。お静を奪還に来た竹之進が赤星一味とチャンバラは摂社の新宮神社前等で。
・金の在り処に気付いた長門守が配下を引き連れやって来る堀田神社、日吉大社白山宮(竹之進が本殿縁先に笛を吹いて現れ、立ち回りは舞殿や祠前も使って派手に展開、宇佐宮からの水落ちも映り込む)
・事後、竹之進に金を託すお静たち、北嵯峨農地農道(野菜を積んだ大八を牽く)
・当地を去る竹之進たちがゆく街道、小椋神社稲荷社脇参道。
*お静は本阿彌周子、庄屋・土田庄左衛門は川浪公次郎。長門守は北町嘉朗、赤星の首領は出水憲、したり顔でお静を騙しに来る浪人は石山律雄。福ちゃん二態、埋蔵金の地図を求める里人と、赤星の手下の強面(ラス立ち)。


第18話「茶碗一つで天領を狙う悪商人!」 1991

 世間知らずの名陶工を抱きこみ、お局さまに誼を通じ将軍に茶碗を献上して天領下賜を目論む商人あり。かたや代官とつるみ同じく天領を狙う顔役、いずれも竹之進の知るところとなり濡れ手で泡はパァ。成果は頑固親父の改心で、娘の恋が実ってメデタシ。

ロケ地
・長久手古戦場を竹之進に見せる彦左、谷山林道分岐道上部。下を茶碗献上の一行が通り、浪人の群れが襲う。
・鳴海宿で昼をつかう将軍一行、相国寺大光明寺(門前に駕籠が着く情景を門内から)
・献上茶碗の作者・清右衛門に破門された弟子・伊之助の窯場、酵素河川敷
・代官に始末されかかったお蔦の場面/庭番に代官の悪行を聞く竹之進の場面の切り替えに挿まれる鐘撞きのシーン、西明寺鐘楼。
・清右衛門らと別れ当地を発つ竹之進、北嵯峨農地畦道。街道をゆく竹之進一行、大覚寺大沢池堤
*頑固な名人に山田吾一、彦左との口喧嘩が笑える。彼を利用する悪徳商人は花上晃で、つるむお局さまは佐野アツ子。悪代官は立川三貴、グルの顔役は早川研吉、用心棒は工藤堅太郎で手下の雇われ浪人に福ちゃんや小峰さんなどお馴染みの面々多数。福ちゃんは顔役の賭場で壺振りもしている。


第19話「家光が用心棒?桑名の宿の仇討ち!」 1991

 口入屋が派遣した用心棒と誤認された竹之進は、差し迫った困りごとを抱える娘に関わってゆく。果たして娘の言い分通りの悪党が主家を乗っ取ろうとしており、根は桑名藩の中枢にも蔓延っているのだった。

ロケ地
・宮宿から桑名へ向う陸路の脇街道をゆく将軍の行列、琵琶湖流入河川河原か。
・海路をとった竹之進たちが着く桑名の港、琵琶湖岸(石積護岸、岩もある浜からは竹生島が望まれ、松原が控える)
・佐野屋の娘・おふさの回想、帰宅の遅い父を案じ探しに出でて父の亡骸の傍にいる友吉を見た葦原、広沢池東岸(水無)
・桑名本陣、大覚寺大門
・佐野屋殺しとして手配された友吉が隠れる漁師小屋、広沢池東岸にあしらい。
・本陣を出立する将軍の駕籠、大覚寺式台玄関
・桑名を発つ竹之進たちがゆく浜辺、琵琶湖岸(この前に出る鳥居は不明)
*おふさは渡辺ちあき、友吉は加藤純平。佐野屋乗っ取りを目論む番頭は伊庭剛、糸を引く悪徳商人は福山升三、黒幕の桑名藩城代家老は佐原健二で手先の藩士は五十嵐義弘、その下っ端に福ちゃん(ラス立ちにも登場するが、斬られて海老反るところ背中を押されて前のめりという珍しいパターン)。


第20話「鈴鹿、なみだの夫婦唄」 1991

 熱々ぶりを見たお蔦が羨んだ新婚ホヤホヤの夫婦に悲劇、しかし隠密だった亭主は目付にとって面白くない報告を上げたため殺され、女房も後を追う。父子二代片田舎に身を潜め役目を果たした御小人目付の死を目の当たりにし、家光は粛然と襟を正す。

ロケ地
・将軍の行列が関宿へ向う街道、木津堤。本陣は映画村オープンセット。
・犬を拾っていて置いてきぼりを食うお蔦、谷山林道切り通し。以降、街道風景や坂下の茶店に各所が使われている。
・目付に報告書を上げた帰り、目付の手下に襲われる小四郎、斬られて落ちる谷は谷山林道から切り替えて保津峡
・茶屋に殺到した人数を引きつけて逃げるお蔦、摩気神社裏手谷地田の田畔(物置小屋脇)。追いつかれ囲まれ危機一髪は本殿裏手。
・小四郎とお市の塚、不明(竹林の崖際、遠景に石塔群。墓地か)
・竹之進を見つけられずにいる十兵衛と太助の前に負傷した影丸が転び出る「山門」、西明寺山門前。
*小四郎は大橋吾郎、お市は舟倉由佑子。行列奉行を務める目付は中田浩二、彼とつるみ後継レースに勝とうとする亀山藩家老は五味龍太郎。目付配下の悪党陣は曽根晴美に中嶋俊一、谷口孝史。坂下の茶屋にやって来る青物売りのおばさんに武田てい子。*もうすぐ役目が終るのでブルー入る新吉、帰りも頼むと言われ「回復」。*目潰しに遭い竹之進がヤバくなるほか、影丸も刃を浴び危地に陥るなどの演出入り。


第21話「瞼の父、お蔦、涙の再会」 1991

 お蔦の素性が知れるお話。お蔦そっくりのお姫様が容態を案じる父の殿様には毒殺の陰謀が進行中、そもお蔦の不幸も悪党が23年前に仕組んだことで、かろうじて赤子のお蔦を見逃してくれた恩人の忠臣は悪謀を察知したことで危地に陥っていた。

ロケ地
・将軍の行列がゆく近江の街道、琵琶湖流入河川の河原か。父の無実を直訴におよぶ前髪の少年・数馬が出るのは酵素ダート。水口藩城代家老の手下が出て数馬を追い回すのは酵素河川敷(竹之進が出て介入、背後の木が派手に折れている)
・姫様が自分とそっくりと聞いたお蔦が城に忍び込むくだり、彦根城堀端(佐和口多聞櫓前〜彦根城博物館を望む堀端)。ちょうど入ってゆく荷駄に従いて入る橋は表門橋
・城内へ入り込んだお蔦が雪姫を見るくだりは彦根城玄宮園。お蔦が潜むのは飛簗渓の橋、父の容態を案じる雪姫が佇むのは魚躍沼(臨池閣越しに天守を望む図、雪景)。姫に秘事を告げようとしたりつを制しに城代父子が出てくる。
・23年前、城代に命じられ羽衣山山中で赤子の「蔦姫」を乳母ごと斬ろうとしてできず見逃した御側御用取次の工藤三郎(回想シーン)、白水峡か(がびがびの山容)
・工藤のもとへ持ち込まれ「罪状」となった鷹の雛の件を調べる竹之進のくだり、鷹匠の権三をシメる山小屋は白水峡にセットか。
・茶会に招かれた京の茶人を装い城に入る竹之進、彦根城天秤櫓
・水口を発つ竹之進に追いついてくるお蔦、白水峡か。将軍の行列は木津堤
*雪姫は萬田久子の二役、殿様は西沢利明。工藤三郎は島田順司で妻女のりつは工藤明子。城代は勝部演之で腹心は林彰太郎、悪徳商人は高城淳一、鷹匠は玉生司朗。


第22話「京は目前、風魔最後の挑戦!」 1991

 山道でいきなり十兵衛が撃たれるが、涼しげな猟師の若者が出て誤射を詫び里に保護。しかしそこは豊臣残党の里、若者は処刑されたはずの秀頼の忘れ形見。事を聞きつけた都築が現れて竹之進の素性をバラし、絶体絶命の危機が出来するが、ごくまともな育ち方をした若様は騒乱を嫌い事態は収束。お蔦は竹之進を「将軍さま」と呼び、出会いの言葉通り財布を掏って姿を消す。

ロケ地
・間もなく大津と言いながら里をゆく竹之進たち、摩気民家裏手〜摩気橋(雪景)
・山道で子が川にと助けを求められるが風魔の罠、の谷川は清滝水系か(杉林沿い)
・大津本陣、相国寺大光明寺(導入は方丈南西角塀際)
・お蔦らとはぐれたあと十兵衛が撃たれる山道、谷山林道
・都築が風魔に指示を出す山寺、西明寺山門をイメージに。
・豊臣残党の里、鎮守は鳥居本八幡宮。鳥居下、広場、舞殿など各所が出てくる。太助たちがトラバサミにかかる崖地や、武器庫の小屋(爆破あり)等は不明。
・お蔦が竹之進に別れを告げる本陣近くの町角、相国寺鐘楼脇。太助に別れを言う場面は不明(回廊?と水場)
・将軍として駕籠に乗り京を見やる竹之進、谷山林道頂上付近(新吉は草履とり)
・京イメージ、東寺五重塔
*豊臣残党の「若様」は高川裕也、彼を慕う里の娘は加藤由美、都築の甘言に乗る里長は睦五朗。*都築とサシで勝負の竹之進だが「斬れぬ」と躊躇、自刃した都築の本心が奈辺にあったかは不明だが、憎悪むきだしの表情からうるうる顔に。*京入り目前の峠でおしまい、京イメージの東寺をぱぱっと映して終る。


→将軍家光忍び旅 II

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