暴れん坊将軍 III  →暴れん坊将軍 III 表紙

40〜59話
娘十七はぐれ唄/お庭番を愛した女/悲願成就、半次郎のいのち/母の情けの舞扇/吉宗無情、寒菊は語らず!/おイモを生んだ目安箱/激震!なまず武士の怒り/恋も思案のおてんば剣法/おいらの父は日本一!/庶民の夢を食った奴!/め組に届けられた赤ん坊/あぶな絵の皿を追え/名奉行、なさけの仇討ち/菊乱れる 非情の剣/草笛に秘めた過去/左源太 愛に死す/白狐が泣いた夫婦唄!/母恋いなみだ舟/淡雪に怒りの恋奉公!/恋の目安箱


第40話「娘十七はぐれ唄」  1988  (本放送時は41話) 11

 吉宗将軍就任にあたって尾張に加担、減封された美濃篠山藩の若殿が恭順の意を呈すため先代配下の忍群を召し放ち。解雇された忍者たちは江戸に潜み御家再加増のための資金調達に強盗など働くが、その上がりは江戸家老と忍の頭領の懐に入っていた。用済みとばかりに次々始末される忍びたち、最後に残った妻子を捨ててまで尽くした組頭は、復讐に燃え江戸家老の屋敷に乗り込む。

ロケ地

  • め組と地回りが喧嘩の栄泉寺、上御霊神社舞殿前。巾着切りの娘・おちかが新さんに見露される、本殿裏手
  • 盗賊の疑いある忍びを追う左源太、大覚寺大沢池木戸護摩堂石仏群
  • 配下の忍びを殺したあと倉田屋が船を出す、広沢池東岸
  • 忠相とツナギの上様、天神島祠前に茶店セット。
  • 倉田屋を強請りに行くおちか、手下の若者二人についてくるなと止める、下鴨神社泉川畔。
  • おちかの要求に金を持ってきた倉田屋が登る石段、神護寺金堂前。おちかを害そうとするのを新さんに阻まれ逃げる、金堂階
  • 様子を窺っていた忍びの小頭でおちかの父の小宮宗平を新さんが諭す、神護寺毘沙門堂前。
  • ラスト、じいとお庭逍遥の上様、彦根城玄宮園竜臥橋

*倉田屋に藤岡重慶、珍しい殺陣はシャープで迫力。組頭は睦五朗。
*事後、じいに若い頃に戻って暴れたい発言の上様、まだ暴れ足りないのかと怒られ。


第41話「お庭番を愛した女」  1988  (本放送時は42話)

 尾張公がまたまた悪企み、配下の忍びを使い甲府勤番となった旗本の不平不満を煽りクーデタを起させようとするが未遂に終わる。吉宗配下の元庭番と、尾張忍の夫を持ったことを知らずにいた寡婦の愛が織り込まれる。

ロケ地

  • 尾張藩上屋敷の門、大覚寺大門
  • 尾張大納言宗春が吉宗への呪詛のこもった富士山の絵を描いている庭、中山邸庭園の苔庭。
  • 十国峠で襲われるオランダ銃を運ぶ荷駄の列、谷山林道
  • 娘が義父に取り上げられそうなことを元庭番・野尻庄八に相談する船宿の女将・お時、大覚寺五社明神(舞殿と本殿の間)
  • 甲府へ向かう錦屋と甲府勤番の小野田が殺されラス立ちに突入の野、酵素入口ダート〜河川敷。小川の中でもばしゃばしゃ大乱闘。

*甲府勤番の小野田、尾張忍の頭目・錦屋にクーデタを吹き込まれるが意外や、尾張がそんなことまでと激怒、ワシはあくまで旗本と言い張り消される…なんだホントはいいトコもあるじゃん設定。錦屋の内田稔も、孫娘を手にかけようとする尾張の手下を見て狼狽するあたり、人間味を見せる。かたや宗春、屋敷に乗り込んできた上様の前で配下を刺すという猿芝居をやって思いっきり上様の不興を買う…中尾彬がコワいとこもセコいとこも巧い。


第42話「悲願成就、半次郎のいのち」  1988  (本放送時は43話)

 将軍に献上の新米が盗まれたり谷に落とされたりして、米問屋・越後屋と護衛のめ組が窮地に。裏には越後屋の後釜を狙う米問屋と、グルの蔵奉行。今回この解決に、半次郎が昔助けた娘で今は辰巳芸者のお雪が捨て身の大活躍、解決後鼻の下を伸ばし待っている半次郎に会いに来るお雪の傍らには婚約者が、というオチ。蔵奉行屋敷に乗り込む上様は初めから上様ルック。ラス立ちには蔵奉行配下の家士で福本先生の姿あり、エビ反りを披露。邪鬼の如く上様に踏まれる姿も。

ロケ地

  • 鯉に餌をやる上様のところへ罷り出る蔵奉行、枳殻邸院月池畔。
  • 献上米の難儀についてじいと話す上様、大覚寺宸殿前白州・勅使門付近。
  • め組を陥れるべく動くい組のかしらが瓦版屋とツナギをとる茶店、大覚寺心経宝塔前広場にあしらい。
  • 情勢について報告の左源太、大覚寺五社明神本殿内陣。忠相や疾風が報告の茶店、大沢池畔にあしらい。
  • 半次郎たちが越後屋の荷を護衛に行き襲われる中山道、保津峡落合崖道や酵素ダートを複合、荷車が谷に落とされるのは落下岩書物岩
  • ラスト、お庭でお食事上様トリオ、枳殻邸院月池畔芝地(おかずはサンマで、目黒に限るのギャグあり)

第43話「母の情けの舞扇」  1988  (本放送時は44話)

 抜け荷の品と引き替えに若い女を異人に売り飛ばす回船問屋・大島屋に手を貸す船手頭。このため娘の拐かしが頻発、折りしも若い踊り手を募り訓練中の手踊り一座が狙われる。これにさらわれた娘たちの中に、座長が昔産み捨てた実の娘も混じっているという悲惨。踊り手の選抜に関わり娘たちの親から責められる新さん、船手頭たちの前に現れ成敗。

ロケ地

  • 永代橋で誘拐される玉木屋の娘、中ノ島橋(橋上、岸、下手河原)
  • さらわれた踊り手の中に実の娘がいることを知り絶望して入水しようとする師匠の花廼屋美鈴、広沢池東岸(水中の上様はシルエット、スタントか)
  • 娘たちが船に乗せられ売り飛ばされようとする船手組桟橋、広沢池東岸(柵と桟橋セット)
  • さらわれた際娘たちの一人が思い余って身投げ、嵐山公園中州湛水域(冒頭め組の探索シーンも同所)
  • お城の庭、枳殻邸印月池畔〜縮遠亭下〜傍花閣前遣水汀。

第44話「吉宗無情、寒菊は語らず!」  1988  (本放送時は45話)

 野駆けの折り吉宗が知り合った、自適の暮らしを送る老夫婦が悲劇に巻き込まれる。老人は秋吉藩江戸家老で、放蕩やまぬ藩主に苦言を呈し遠ざけられていたが、藩主が吉原で頓死するという事態を受けお家存続に奔走し、心ならずも汚い仕事に手を染めてゆく。身近な者や藩士を苦しめた挙句、跡目相続の運動に際し老中に無理難題をふっかけられ窮し、乗り込んできた上様に慈悲を願い自刃。

ロケ地

  • 秋吉藩江戸家老・横倉勘左衛門の向島隠居所の門に中山邸門。
  • 大名の吉原遊びについて話すじい、枳殻邸印月池畔。
  • 秋吉藩上屋敷、大覚寺大門
  • 老中・曲淵駿河守邸、随心院薬井門
  • 横倉隠宅の侍女・お直が恋人の船頭・与市と将来の話をする、嵐山公園中州北岸・堰堤前
  • 秋吉藩主内藤丹後守頓死の席に居合わせた幇間が殺され浮かぶ水辺、嵐山公園・中ノ島橋下手の川中。死んだ藩主を運んだ船頭・与市を始末するのに動く秋吉藩士、中州湛水域に船着きの階段をセット。これを見る疾風、中ノ島橋上。
  • 与市が斬られる船、罧原堤下桂川(船上)。瀕死の与市が這い上がる岸辺、広沢池東岸
  • 左源太が秋吉藩邸に出る忍びを尾け戦う、大覚寺有栖川御殿川の河床(夜)
  • 横倉の隠宅から逃げた老中の忍びを追う新さん、大覚寺五社明神裏手。
  • 事実上のお家乗っ取りに怒った若侍たちが暴発し、下城の老中の駕籠を襲う、鳥居本八幡宮竹林と広場。
  • 弓の上様に月番の挨拶に出る曲淵、枳殻邸印月池畔。

*苦渋の選択を強いられる横倉に金田龍之介。非情な指令も出すが、基本的にイイ人設定。押し出しの強さはさすがの迫力。*ラス立ちには福本先生入り、複数回斬られ。


第45話「おイモを生んだ目安箱」  1988  (本放送時は46話)

 青木昆陽の意見を容れて救荒作物として甘藷栽培を進める上様。しかし飢饉での儲け目減りを案じた米問屋が、若年寄を抱きこんで妨害にかかる。

ロケ地

  • 騙されて遊里に売られかかり逃げた娘を川から引き上げる新さんと半次郎、罧原堤下汀(水面にくっきり嵐山東公園の並木)
  • 昆陽が薬同心取立てを老母のことで断ったと報告する忠相、枳殻邸印月池畔。
  • 最後に残った種芋を持ってくるよう指定の鉄砲州波除稲荷、吉田神社竹中稲荷(参道重ね鳥居、本殿前)
  • 無事栽培が軌道に乗ったお芋を隠れてつまみ食いのじい、枳殻邸池畔の植え込み。上様も懐から出してパクリ、は遣水脇。

*昆陽に益岡徹、濃い顔で律義者の孝行息子を好演。若年寄には田口計、座敷で撫でている白犬がミソで、のちに種芋運びに使われる。左源太が忍術でばうばう吠えるのを鎮めるのも笑える。


第46話「激震!なまず武士の怒り」  1989  (本放送時は47話)

 美濃高富藩の江戸家老が御用商人と結託し美濃紙を買い叩き領民が困窮、若き藩主が密かに放ってあった密偵の働きでワルを成敗する。この老密偵が「なまず武士」で美濃を襲った地震のあと鯰を事のほか大事にしている長門勇。息子の恋人が殺されたことに怒り、立場を踏み越えてワルにかかってゆく。

ロケ地

  • なまず先生・藤木玄馬が出る縁日、今宮神社境内にあしらい。
  • 藤木が青空寺子屋を開く芝の寺、仁和寺九所明神茶店御室桜林
  • 高富藩上屋敷、大覚寺大門
  • 若侍たちが稽古の高富藩下屋敷の庭、相国寺大光明寺石庭(後段、江戸家老が手下と密談のくだりでは西端を使用)
  • 釣りの藤木に声をかける新さん、大覚寺大沢池堤下汀。その後若侍たちが家老に斬りかかるのは大沢池堤
  • 家老の手先・川井が千世の家から逃げる際、藤木の息子と行き会う、仁和寺観音堂前。これを斬って捨てる藤木、御室桜林と西塀の間(御殿のくぐり戸も映り込む)

第47話「恋も思案のおてんば剣法」  1989  (本放送時は48話)

 長屋の住民を無茶な取立てから竹刀を振り回し守る威勢の良い娘・おさとは、父の困窮を見かねて自ら屋敷奉公にあがるという優しい面も見せる。奉公先の北町奉行の毒牙が娘に迫らんとしたときに新さんが現れ断罪、成敗。

ロケ地

  • おさとが恐喝を働いた旗本に突っかかる、大覚寺有栖川(河床から見上げ)、捻られているのを新さんが助けるのは五社明神前。
  • 北町奉行が、じいと行き会う際「虻が」とじいを打擲、枳殻邸侵雪橋
  • 道場でさんざん新さんにのされたおさとが歩む水辺、大覚寺大沢池畔。
  • 奉行が毒牙にかけた娘の死体が上がる(狆の毛まみれ・これで坂部とバレる)アサリ河岸、嵐山公園中州下河原。奉行のもとへ奉公にあがると決めたおさとが橋から水面を覗き込み、心中新さんへの別れを呟く、橋は映画村の日本橋で、水面は嵐山公園中州の湛水域
  • 北町奉行・坂部主膳別邸、大覚寺大門(平戸屋がおさとを連れて入る際には式台玄関も使用)
  • ラスト、弓の上様、枳殻邸印月池畔。

*奉行に遠藤太津朗、トンデモ変態のヒヒ爺、お面つけて襲うシーンもあるが、面とれたほうが怖い凄さ。*奉行の配下の一人に福本先生、恐喝を働いたり奉行の命でお面つけて若い娘をさらったりする。最後はラス立ちで上様にばっさり。役名あり、木田伝八郎。


第48話「おいらの父は日本一!」  1989  (本放送時は49話)

 町のチンピラが船奉行の絡んだ抜け荷の阿片を盗み出し一儲けを企むが、幼い娘がさらわれてしまい窮地に陥る。さらわれた妹を案じたこれもまだ幼い兄の行動が周囲の涙を誘い、新さんが出張る。

ロケ地

  • 船奉行を召し出す上様、庭イメージは不明。
  • 兄妹の父・仙吉を探すめ組と庭番、新さんにツナギの茶店は大覚寺天神島
  • 仙吉がねぐらにしている屋形船がもやる岸、広沢池東岸(情婦のおせんが駆けて来る堤道には鳥居がセットされている)
  • 仙吉が息子の佐吉と連絡を取る、仁和寺九所明神(新さんのバックに参道と鳥居)
  • 佐吉が妹の無事を祈願する御堂、仁和寺金堂。新さんの説得で佐吉が父に預かった鍵を渡す、仁和寺手水場
  • 仙吉が阿片を返す決心をして水口屋と奉行を誘う隠し場所の浄源寺の賽銭箱、仁和寺金堂。ラス立ち、金堂前〜中門
  • ラスト、野点の庭、阪口か。

スペシャル 「初富士の花嫁、吉宗の禁じられた恋!」  →暴れん坊将軍 III スペシャル


第49話「庶民の夢を食った奴!」  1989  (本放送時は51話)

 勧進の富籤を利用し、私腹を肥やす寺社奉行とその一味。売り上げを懐に入れるほか、一番富を当てた者を密殺し当選金をも狙う。隣の夫婦をこれで失った魚屋の佐助は、これまでの富籤狂いをきっぱりと断つも、無理矢理買わされた一枚が一番富となり殺されかかる。

ロケ地

  • 富籤興行の麻布東福寺、不明。同じく興行の行徳寺、不明(古びた楼門)
  • 隣人の横死を見た佐助が、富籤を呪い目安箱への投書を思い立つ、大覚寺大沢池畔。
  • 隣人夫婦の墓に参り、富籤と縁を断つと誓う佐助、墓地不明。
  • 宝山寺で行われる富籤興行、上御霊神社(南門、舞殿)
  • 寺社方が関わっていると左源太の報告を受ける新さん、大覚寺護摩堂
  • 息子を誘拐し佐助に当りくじを持ってこさせる稲荷神社、上御霊神社本殿裏手。
  • 黒幕は寺社奉行と報告の左源太、枳殻邸印月池畔。ラスト、トリオが逍遥の庭も同所。

*佐助に森川正太、魚屋お似合い。


第50話「め組に届けられた赤ん坊」  1989  (本放送時は52話)

 佐渡奉行と組んだ金座役人と札差、旅芸人一座は金の延べ棒を密かに運んで大儲け、これに絡み金座の若い役人が斬られてしまう。その若侍は、め組に赤ん坊を託そうとしたお里の恋人だった。

ロケ地

  • 佐渡奉行の手腕について話す上様トリオ、枳殻邸印月池畔。
  • 忠相が話す奉行配下同心の横死、川に落ちた一件は保津峡落合河口付近汀。
  • 立花屋仙十郎一座が小屋を掛ける、上御霊神社舞殿脇(金塊の受け渡しは本殿裏手)
  • 金座の役人・青木との思い出の寺に来るお里、神護寺金堂。襲われるくだりは石段〜石段下
  • 事後、上様が田之倉にお世継はと迫られ馬を遣る馬場、下鴨神社馬場

*ワルの金座役人に宮口二郎、ふわっとしたくせっ毛のもみ上げが凶悪さをいや増す。


第51話「あぶな絵の皿を追え」  1989  (本放送時は53話)

 春画を描いた皿を異国に輸出して儲ける鬼塚藩の江戸家老と回船問屋、ここに五年前同藩のお家騒動を探っていて復命しなかったお庭番が絡んでくる人情話。

ロケ地

  • 上様に元お庭番・弥助を見たと報告の左源太、神護寺石段下・五大堂前。
  • 上州鬼塚藩に潜入し撤収の途中隠密頭の黒木刑部に追われ負傷する隠密・加納又七郎(弥助)、左源太を逃がす、酵素ダート保津峡落合河口付近。
  • 新さんが弥助と名を変えている又七郎が手元に置いている娘・おいねに事情聞く、大覚寺護摩堂前。
  • 鬼塚藩領の百足山で猟師の祖父とおいねが暮らしていた小屋、酵素河川敷竹林脇にセット。
  • 鬼塚藩江戸家老も出向き抜け荷を運び出す汀、広沢池東岸に船着きセット。ここでラス立ち移行、場面は鳥居本八幡宮にスイッチ、鳥居下、石段、広場を使用。
  • 一件の処置について報告の忠相、上様トリオの〆は枳殻邸侵雪橋上。

第52話「名奉行、なさけの仇討ち」  1989  (本放送時は54話)

 渡り中間が働く悪事の裏には無役の大身旗本がいて、これが忠相の剣友。め組が保護した主従が父の仇として追う吾助はその旗本の屋敷に逃げ込み手を出せず。忠相の手配でこれを誘い出し裁きにかけ、江戸払いにして仇を討たせてやる。そのとき加勢に来た旗本小普請の侍を捕え悪事の証拠に上様の断罪が下る。

ロケ地

  • 旗本・天野勘解由邸、妙心寺隣華院門。
  • 仇討ちの街道筋の松原、舞子浜
  • 弓の上様と野点の上様の茶亭と庭、阪口青龍苑

*忠相の友の小普請組旗本に小沢象、最後は上様に礼をとり自刃。


第53話「菊乱れる 非情の剣」  1989  (本放送時は55話)

 上様のお声掛かりで介錯人となった山田朝右衛門は家庭不和に悩む。父に反抗する娘の放埓なふるまい、後継にと思った愛弟子の横死に「首斬り朝」は介錯人を辞し、和解した娘と旅立つ。

ロケ地

  • 朝右衛門と会った話をする上様、阪口青龍苑(茶亭前の芝地)
  • 行商人から青物を買う菊に声をかける音次郎、妙心寺黄鐘調鐘楼脇路地。音次郎は法堂と仏殿の間に消える。
  • 父と口論し飛び出した菊に声をかける新さん、妙心寺雑華院前路地〜玉鳳院南西角。
  • 三州屋に押し込む手筈の霞の十兵衛一味が集まるお堂、大覚寺聖天堂
  • 旅立つ首斬り朝父子、嵐山自転車道

*山田朝右衛門はもちろん第一シリーズから引き続きの栗塚旭。彼がお試し御用のあと決まって立ち寄る酒肆「二合半」の親爺に北村英三、死神などと毒づく癖に、旅立つ朝右衛門を見送りに出たりしている。凶盗のアジトへ出役の南町メンバーの一人に福ちゃん、襷掛けに鉢巻。


第54話「草笛に秘めた過去」  1989  (本放送時は56話)

 凄腕の忍・加東次を使い、各藩を脅しまいないを要求する大目付・五味豊後守。今回狙われたのは秋田藩で、城改築の図面を加東次に盗まれ勝手普請と決め付けられ危機に陥る。しかし加東次がかつて秋田で仕事の際使い捨てた妻子が秋田藩家老に救われ江戸に暮らしていて事に巻き込まれ、実の娘がさらわれ脅しの材料に使われた挙句始末されようとする時、加東次は忍の仮面を脱ぎ父として娘を守り凶刃に斃れるのだった。

ロケ地

  • 五味邸、相国寺林光院(門、式台玄関)
  • 加東次と秋田藩が雇い入れた忍群との対決、大覚寺五社明神舞殿で立ち回り。
  • 大目付邸に潜入し図面を奪い返した加東次の妻・お浜が加東次に見つかり、連れ出される邸外、高山寺石水院脇路地。お浜が新さんに事情を打ち明けるのは林間の大灯籠。
  • 図面を入手するも露見し追われるお浜を騎馬で助け上げる新さん、相国寺大光明寺南路地。下馬するのは相国寺法堂前疎林、秋田藩家老が駆け寄る。
  • さらわれたお浜の娘・お糸が監禁された蔵から加東次を見かけての回想、父におんぶして貰いゆくお祭りの日、大覚寺放生池堤
  • 図面とお糸の交換の場・月光院、神護寺。お浜と新さんが出て来る、和気公廟所脇〜金堂前石段。ラス立ち、五大堂裏手疎林。

*加東次に長谷川明男、寡黙な忍びがお似合い。五味は亀石征一郎で凶悪。人情家の秋田藩江戸家老は滝田裕介でいい味。


第55話「左源太 愛に死す」  1989  (本放送時は57話)

 奥州の飢饉を救うため、御救米が幕府および親藩から供出されることに。しかし紀州藩勘定奉行は江戸家老不在をよいことに、この米を屑米とすり替え巨利を貪ろうとはかる。これに加担する下僚・吟味役の篠田小十郎は妻を亡き者にし勘定奉行の縁につながろうとするが、その妻女はかつて左源太の恋人であった。庭番としての使命と恋人への愛の狭間で揺れる左源太は、凶弾に斃れる。

ロケ地

  • 篠田の妻・綾が左源太を訪ねる道で御家人に絡まれているのを助ける新さん、妙心寺涅槃堂(紀州藩邸付近)。桜田門付近の街路に玉鳳院前路地。
  • その頃木更津への道を馬でひた走る左源太、嵐山自転車道(西望)。木更津からの帰り、汀を歩きながら紀州時代を述懐の左源太、琵琶湖西岸(松原と桟橋)。回想の紀州も同所。
  • 捕われた綾を救出するも囲まれる林、下鴨神社糺の森池跡
  • 飼っていた小鳥を放し旅立つ綾、嵐山自転車道(東望)

*左源太、「太陽にほえろ」ばりの「殉職」、弾着をスローで流し白煙も棚引く演出で派手に散る。*篠田小十郎に立川三貴、菅貫ふう悪役ぶりがマル。怒って家を出る際、刀架蹴飛ばして行くのも細かい。*怒りと嘆きの上様、二人の急に駆けつけた際は「下郎ども!」と抜くやばったばったと撫で斬りのマジ斬り。ワルの巣に乗り込んでのラス立ちでは、小十郎にのみ峰を返しマジ斬り、つごう三回丁寧にバッサリ。
*藩邸の蔵に監禁された綾と疾風を救出する左源太、見張りをばっさり斬り捨てるが一人は福ちゃん。しかしラス立ちにもしっかり現れて上様にぶっ叩かれのけぞる。


第56話「白狐が泣いた夫婦唄!」  1989  (本放送時は58話)

 西国代官が任地で樟脳作りをして大儲け、その陰に楠(船材)を伐る権利を奪われた挙句始末された舟大工。両親の仇を討つべく江戸で代官と悪徳商人を狙う娘夫婦、白狐の面をかぶり稗搗節をBGMに暴れまわる。

ロケ地

  • 庭番らがトレーニングの庭、枳殻邸芝地。上様トリオが白狐事件を話すのは侵雪橋
  • 西国代官・大滝豊後守が西国屋と屋形船で密談、大沢池
  • 釣りの政五郎が知り合いの船頭に西国屋の客は代官と聞く、広沢池東岸
  • 才蔵が日向富高村へ潜入、関所は谷山林道切り通し、見張りをかわし伝う間道は保津峡落合
  • 富高村をゆく才蔵、民家塀際。西国代官富高出張陣屋、民家長屋門。樟脳小屋は酵素河川敷にセット。代官の手下が馬で逃げる、酵素ダート(とっ捕まえて江戸へ)
  • 江戸、西国屋の駕籠を襲い撃たれる白狐(政五郎)鳥居本八幡宮広場。
  • おけいの回想、父が斬られた富高稲荷、広沢池北岸汀に祠セット。母が囚われた富高の出張陣屋の外で稗搗節を聞くおけい、民家塀際(雪を演出)。母の歌声が途絶え、門を叩くおけい、民家長屋門

*前回ちょっと出た才蔵が新お庭番として初手柄。


スペシャル 「みちのく血判状!魔性の谷の決戦!!」  →暴れん坊将軍 III スペシャル


第57話「母恋いなみだ舟」  1989  (本放送時は60話)

 逃がし屋が横行、正体は中川御番の旗本と岡っ引、逃がした犯罪者から金を巻き上げ大儲け。これに騙され手先に使われている船宿の女将は、新さんが拾った木更津から母を探し一人旅の少女の母だった。

ロケ地

  • おみつが渡し舟で江戸入りの川、桂川嵐山東公園下河原(船着きと茶店セット)。おみつが歩き出す街道、嵐山自転車道。ベソをかいていて新さんに拾われる雨の祠、大覚寺五社明神
  • おあきが娘を思って数え歌を歌う船宿の傍の水辺、大覚寺大沢池畔。
  • おあきが藤八の命令で鬼伏の長兵衛の隠し金を取りに行く神社、今宮神社高倉脇摂社
  • おあきと鬼伏の長兵衛が「父危篤に駆けつける兄妹」設定で通る中川船番所、大覚寺大沢池畔。
  • おあきが始末されかかる小名木川、広沢池東岸か(暗すぎ)
  • 新さんとおみつが母を待つ橋、木津川流れ橋下。
  • 木更津へ帰る母子を見送る新さん、冒頭と同じ桂川

*岡っ引に藤岡重慶、旗本に外山高士、その手下に真田健一郎、鬼伏の長兵衛は大木正司と悪役陣豪華にコテコテ。


第58話「淡雪に祈りの恋奉公!」  1989  (本放送時は61話)

 罷免され無聊をかこつ大身旗本、その息子がキレたトンデモ。父を巻き込んで将軍取っ替えを目論むが、結局身の破滅を招く。トンデモ息子に神君が関ヶ原で使った旗指物を奪われた小役人とその息子のお話がメイン。

ロケ地

  • 鎧武者(中の人はトンデモ息子)が日光東照宮の御用金を強奪の街道、酵素(ダート〜河川敷)
  • 善明寺の防火用溜池を見にゆく新さん、平助宅の下女・お糸に案内される池、大覚寺大沢池(放生池堤石橋〜護摩堂前)
  • 木島宅を訪れこそこそと身を隠す田之倉、大覚寺五社明神祠
  • 稲葉大和守邸、大覚寺大門(弓のお稽古大和守は宸殿前白州)
  • 船頭に重い荷を運んでいた侍たちのことを聞きこむ庭番、広沢池東岸
  • 松戸宿で飯泥棒を働くお糸、雇主に追いかけられる、日吉大社東本宮参道。これに関わっている隙に斬られ神君の旗を奪われる平助の父、走井橋たもとの大杉の根方。

*旗を奪われた松戸宿へ赴く田之倉のじいと平助、宿が襲撃され目潰しで平助重傷。これが重く、下女と薬師堂へお参りにゆく…ここで仏様の白毫が特効薬の真珠、思わず触る下女、その途端ごごーっと床が開き地下室には御用金という運び…目潰しはこれの導入なのかよ。
*防火用溜池を見に行く新さん、「大きな溜池だなー」に思わず笑い。大沢池のことをふだん海とか言ってるから持ってきた台詞?
*元作事奉行に遠藤太津朗、次第に過激息子にシンクロしてゆくのが傑作。これを傍から唆す家来に内田勝正が来て凶悪。平助の父には中村錦司、じいの碁敵の好々爺がとってもいい味。


第59話「恋の目安箱」  1989  (本放送時は62話)

 祐筆の水野武兵衛の娘に岡惚れの質屋の次男坊、曲折を経て水野家の婿として迎えられるが、勘定奉行・黒原が企んだ張紙相場を利用した公金横領に絡んだ件で罪を着せられた武兵衛はこれを恥として自刃してしまう。
見どころは徳兵衛を演じる森川正太、頑固者の舅に辟易のくだりや、お城へ見習いに上がるくだりなどコミカルで楽しい。市価を知る徳三郎が、張紙相場のピンハネに気付き騒ぐという構図。

ロケ地

  • 刀を売った帰りの水野武兵衛が襲撃される市中、仁和寺参道金堂前。
  • 勘定奉行を探れと庭番に下命の新さん、仁和寺九所明神
  • 徳三郎に放たれる刺客、仁和寺水場下付近。
  • ラスト、町人と武家の婚儀にぶつくさ文句のじい、阪口青龍苑(茶亭)

→暴れん坊将軍 III 表紙


・日記目次 ・ロケ地探訪 ・ロケ地探訪テキスト版目次 ・ロケ地一覧
・時代劇の風景トップ  ・サイトトップ