ここまでロケ地資料にも転記済み


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60〜79話
散るは望郷はぐれ花!/雪姫けんか珍道中/ご用心!新さんに愛人疑惑!?/孫兵ヱは浪花のお大尽さま!?/まさか!辰五郎が不倫!?/【カ】の女の目安箱/浮世哀しやあだ花の女!/め組の結婚騒動!/大暴れ!但馬のやっさ神輿/おんなとおとこの夢芝居/青き勾玉の秘密/お葉せんせいの恋治療!/痛快!天下を正す目安箱/さらば!愛しき人よ/おんな盗賊、狙われた名奉行/危うし!妖刀に正義ありや/命を賭けた女子駅伝/おしゃれ殿様/八百八町を狙う公家剣法/帰って来た炎の男


第60話「散るは望郷はぐれ花!

 女だてらに任侠を貫く島帰りのおぶん、亡くした妹に酷似した親分の娘を庇うも、それは毒婦だった。その父・丁字屋徳兵衛は尾張の江戸家老と組んで吉宗失脚を目論む悪党、深川界隈を荒らしまわり人心騒擾を演出、吉宗の失脚を狙う。
 ロケ地、丁字屋寮、中山邸参道〜通用門。留守居役や公用方を招いての宴の庭は嵐亭延命閣。おぶんを襲う丁字屋差し回しのチンピラ、大覚寺五社明神(背景にライトアップした心経宝塔)。丁字屋の娘・お染が元おぶんの舎弟・魚屋の直八と会う、大沢池畔。おぶんの妹と馴染の酒肆の親爺(巻き込まれ死亡)の墓、亀岡の墓地か。ラスト、船をやる上様が故郷へ帰るおぶん姉妹の幻影(振り返ると孤舟)を見る、嵐峡
*立ち回りも美しいおぶん姐さんに蜷川有紀。桜をたっぷり演出。*悪役陣が豪華、尾張の江戸家老に中田博久、丁字屋に名和宏、香具師の元締に曽根晴美、配下のチンピラは小峰隆司・小船秋夫・阿波地大輔で揃って襲ってくる形相も凄まじい。冒頭おぶんを尾行するくだりには福ちゃんも。


第61話「雪姫けんか珍道中

 小大名の悲哀を描く一作。大目付に姫を側女にと言われた挙句、ねちねちと苛められる大和三日月藩の採った策は古墳盗掘。しかしこれも大目付の仕込み、江戸入りを前に大目付に詰め寄られ、改易か姫かと迫られ窮地に陥るところへ上様の介入、事無きを得る。
 ロケ地、大和へ馬を飛ばす上様、谷山林道。三日月藩領の古墳、大覚寺天神島(池水を映さず大木を強調、祠と鳥居を古墳に見立てる)。三日月藩参勤交代の行列が差し掛かる伊賀・大和国境、谷山林道(ここで華美な部分切捨て・国へ帰す)。節約のため本陣を避け寺に泊る三日月藩一行、寺の門は大覚寺大門。宿舎のほうは民家門を使い幔幕を張って演出。大目付・桜井玄蕃邸、大覚寺明智門。大目付一行が三日月藩の行列を待ち構えて臨検の川崎宿手前街道筋、酵素ダート。
*我儘放題の三日月藩の姫にムカっときて我儘・じゃじゃ馬・馬鹿姫と言い放つ新さん、叱られた姫はメロメロ、しかし発端の姫の裸を湯殿で見た一件は事後田之倉に「目瞑ってた」と上様…。*憎さげな大目付に菅貫、悪あがきの台詞も傑作。三日月藩の殿様は初代め組小頭・園田裕久、トホホで気のいいビンボくさい藩主がいい味。殿様をサポートの忠実な家老には南利明。


第62話「ご用心!新さんに愛人疑惑!?

 老中の信頼を受ける普請奉行は諸工事の拝命を避けたい大名から賄賂を受け便宜を図るという男、その次男の部屋住みは女たらしの悪党。市中を「徘徊」していてその次男の仕出かした殺しの罪を着せられかけ関わる新さん、養女の死に心を痛める母を見て仇討ちに手を貸す。
 ロケ地、大川・月見橋たもとで川に突き落とされるおみつ、中ノ島橋。新さんが右京の落とした印籠を拾う、嵐山公園内の料亭・錦前。右京の兄が落馬して死ぬ明神下、不明(その前に右京が公家と名乗りお葉ちゃんをナンパ、石鳥居の前、ここも不明)。普請奉行父子の企みを上様に報告の庭番、枳殻邸縮遠亭池畔。右京が羽織を借りた六之進におみつを殺した現場へ一緒に行って供養してくれと頼む、渡月橋下中州岸。辰五郎らに何を言われているかも知らず弓のお稽古上様、枳殻邸印月池畔。
*新さんの紋所を聞かれ「アオ」と言いかけ辰五郎、ラストには娘の仇をとって貰ったおもんに「お城に足向けて寝られねぇぞ」。将軍様?と疑問を持つおもんに、おさいの「大食らいの居候」発言。*ラス立ちにはきれいにくるくる回ってエビ反りの福本先生。


第63話「孫兵ヱは浪花のお大尽さま!?

 料亭政治ばなし。起こりは田之倉のじいが、切腹して果てた息子同然の若侍の潔白を晴らそうと動くことから。変装し幕閣の密談の舞台となる料亭へ大坂商人との触れ込みで潜入するじいだが、料亭で暗躍する芸者は実は若侍の許婚者で、幕閣の尻尾を掴もうとしていたり。最後は大同団結しやがるワルどもをまとめて成敗。
 ロケ地、庭番がじいのお芝居を報告する、西明寺山門下石段。梅香が並木の墓に詣でる、西明寺山門〜境内。墓地は不明。
*並木と同じ手口でハメられかかる小役人に山内としお、しなだれかかる梅香姐さんを避けるしぐさがちょっと田中サマ。梅香は一色彩子。*昌平黌工事計画書に判をつく上様、「吉宗」の篆刻が可愛い。ラス立ちには上様ルックで現れたかと思ったら、久々の「俺の命は天下の命、三つ葉葵の風が」をやる。


第64話「まさか!辰五郎が不倫!?

 武家地の火事の際、面目を失った定火消役・小出図書之助が遺恨を抱き、辰五郎を陥れようとする。やりくちは瓦版に辰五郎の不倫を書きたて立場を悪くしようというもので、め組の持ち場で続く不審火は小出が材木商とつるみ材の高騰と意趣返しの一石二鳥。新さんは放火を防いだその足で、ワル打ち揃い哄笑の座敷へ乗り込んでゆく。
 ロケ地、思い詰めて小出邸へやってくる、不倫相手にされた南町同心の後家、相国寺林光院。やって来た新さんに事情を話す、方丈前回廊。悪企みに木曽屋の寮へ集まるワルども、大覚寺望雲亭


第65話「【カ】の女の目安箱」 *【カ】は○の中にカタカナで「カ」の表記

 魚の値が高騰、目安箱にも苦情殺到。魚問屋組合行司の佃屋は賄方の買上げが過当と申し立て、賄方支配の若年寄は問屋が横流しと言上。ここへ品を隠す魚屋摘発に燃える賄方買役の女役人・お組が絡み、魚隠しをびしばし摘発、片端から徴発の大騒動。彼女は身投げとされた父の跡を継いだが、自殺ではなく魚問屋に殺されたと信じ込み、魚問屋を仇と憎み摘発に精を出す。しかし裏には賄方の魚を横流しする組織があった。
 ロケ地、納魚を揃えられず落ち込んだお組が佇む水辺、広沢池東岸。浜を探索のお組と半次郎たち、広沢池各所(船上、東岸など。灯台を仕立てて遠眼鏡もあり、水は部分的に少なし)。霊岸島で見張り、遂に沖合いでの荷の積み替えを発見するお組、広沢池観音島。庭番や忠相の報告を受ける上様、枳殻邸印月池(ラストには緋毛氈敷いて外でお食事、じいに食べかけの鯛をとられる)。若年寄・酒井若狭守邸、相国寺林光院門。
*マルカは御買役の符牒、1987、1988年と大ヒットした映画「マルサの女」のパロディ、国税局査察部査察官・板倉亮子の摘発風景とそっくり。お組は吉川十和子。


第66話「浮世哀しやあだ花の女!

 目安箱に名指しで訴えられた勘定奉行はトンデモ男、仲間の川船役人が分け前増量を言い出した途端バッサリなど乱暴そのもの。現場を見たと、出入りの貸本屋も消す・その刺客も消すと悪行を重ねるが、やり過ぎて妾に手を噛まれることとなる。
 ロケ地、貸本屋の父子が弁当をつかう、仁和寺九所明神前。父が刺客に襲われ斬られる、仁和寺観音堂前。その刺客の死体が見つかる十間堀、嵐山公園中州傍河原。このことで川波屋にカマかけに行った庭番が襲われる、九所明神付近疎林。新さんが妾を説得のお堂、不明(堂には蔀戸あり仁和寺金堂ふう、塀囲い)。妾が川波屋に弥蔵殺しのことを迫る屋形船、大沢池(斬られて船からドボン)
*勘定奉行に井上昭文、川船役人の変死について忠相に聞かれると「わしは夜な夜な辻斬りを働くのが趣味」などと嘯いて煙に巻く。ラス立ち前の憎たらしさも絶品。でもあんまり重職らしくないんだよね。


第67話「め組の結婚騒動!

 下総の譜代大名・水野家の当主は病篤く、後嗣に幼い姫と末弟しかおらず持ち上がる、国家老と江戸家老二派に別れての御家騒動。政争を嫌って逃げ出した末弟・勝四郎は、追っ手から匿ってくれた辰五郎の姪・千代とひととき新婚紛いにままごとのような暮らしを送るが、新さんに諭され恋を捨て藩主となる決心を固め、結城紬を横流しし私腹を肥やす江戸家老を成敗する。
 ロケ地、め組のおちよとおはるが団子を食っていて、追われる若侍を匿う茶店、今宮神社境内。おさいの世話で芝口の長屋に落ち着いた若侍「四郎」が子らと遊ぶ、大覚寺大沢池畔。デートの「四郎」とおちよがお御籤をひく神社、上御霊神社本殿。お御籤を木に結んでいると左右から追っ手と刺客、本殿裏手。新さんの介入でからくも逃れた二人が一息つく水際、大覚寺放生池畔。「四郎」に結城藩主である兄の死を告げる新さん、大沢池畔。事後、おちよに別れを告げる「四郎」、上御霊神社本殿裏手(クレーンショットの見下ろしあり)。彼らを遠目に見守る辰五郎と新さん、大覚寺五社明神(上御霊さんにいる二人の背中からスイッチ、背景に心経宝塔)
*はじめ四郎を追ってくる鬼のような形相でワルにしか見えない権九郎(黒部進)、途中から徐々にいい人ぽくなってゆき、最後のほうでは新さんに家督を継ぐよう説得されている四郎の脇でにっこり微笑む。


第68話「大暴れ!但馬のヤッサ神輿

 旅もの。舞台は但馬・和田山。なんで上様がこんなとこに、という言い訳に紀州へ墓参に来ている設定。きっかけは田之倉のじいの初恋の相手からの、窮状を訴える文→次の場面で但馬さしてぱかぱか馬を駆けさせている上様…。
話は和田山代官のとんでもない運上金賦課に抵抗する農民たち、この背後にいる京都所司代。つのる代官の横暴、庄屋を処刑する段に至り新さんとめ組が当地の神輿で乱入、そのまま大ワル成敗に移行して山城の石垣を舞台に大暴れ。
 ロケ地、竹田城、本物。和歌山城、本物(遠景)。法要を終えた上様と田之倉のじいが和田山から来たお花の孫娘と会う庭、嵐亭延命閣。訴状を持った民が殺される高田一本橋、円山川か。め組が投宿の京イメージに東寺五重塔と祇園・白川巽橋。お花の嫁ぎ先の隠居所、宿南邸(萱葺民家、クレジットあり)。和田倉代官所、大覚寺明智門。庄屋の処刑場がしつらえられる粟鹿神社、本物。


第69話「おんなとおとこの夢芝居

 諸役を逃れたい大名から賄賂をとり私腹を肥やす奥祐筆の汚職を縦糸に、呑み屋の女と情を交わす下役人の暮らしを横糸にお話が進行。
奥祐筆差配に抜擢された小山田は上司から嫁を世話されるが、これが上司の情婦で、自分のものにしたまま格好をつけるための形式的な結婚。三年も誼を通じた女と別れた挙句の仕儀に加え、上司の無体で腹を切った米沢の江戸家老を見た小山田は、ぷちんとキレて抜き身持って殴りこみ。
 ロケ地、奥祐筆・奥田勘解由邸、相国寺大光明寺(門〜中仕切門〜石庭)。妻と上司の痴態を目撃し喚いて去る小山田、抜刀し狂ったように振り回し坂を転げ落ちするうち米沢藩士に拉致される、相国寺法堂前疎林(盛り土をうまく坂のように使ってある)。冒頭の事件(浪人がいきなり酒肆に乱入し祐筆を斬って自刃)について報告する才三のくだりの茶亭と芝地、不明(後段、祐筆組頭の悪事と小山田拉致報告の際は内部を使用)
*小山田といい仲の酌婦に東啓子、暴将お馴染の天然系名女優。押忍の姿勢で泣く姿はいつもどおり、今回のキャラクターは哀れ系に傾いており、あの愛くるしい足りない系はあまり見られず。


第70話「青き勾玉の秘密

 姫川で採れる翡翠を巡り繰り広げられる愛憎劇。新婚間もなく亭主を殺された女は糸魚川藩郡奉行を仇と目し、江戸で証拠を握ろうとする。
 ロケ地、目安箱に窮状を訴えた小滝村のおとくが殺害される、上賀茂神社ならの小川畔。金杉橋上で渡り中間の久造に絡まれ突き落としてしまうおくみ、中ノ島橋(橋下に屋台の蕎麦屋がいて目撃、久造は堰堤から落ちて流されてゆく)。久造の死体が上がる、中州下手河原。藩主が病をおして様子を見に来る糸魚川藩上屋敷、大覚寺大門。おくみに事情聞く新さん、大覚寺放生池堤。弓のお稽古上様に翡翠の根付を見せるじい、宸殿前白州。おくみの叔母に話を聞く新さん、梅宮大社境内。糸魚川藩上屋敷へ忍び込みおくみを助け出したあと再び事情を聞く新さん、神苑(菖蒲開花)


第71話「お葉せんせいの恋治療!

 養生所の若く聡明な医師・弥一郎と恋に落ちるお葉、将来を誓い合うも彼は矢之倉藩五万石のご落胤だった。折りしも藩主が狙撃され明日をも知れぬ重態で、世継は早世。改易の危機に乗じ城代家老と藩主の舎弟が後を襲おうと暗躍、心ある藩士たちから妾腹ながら直系の弥一郎に期待がかかるが本人は拒否、しかし身を捨てて刺客から自分を庇った若侍の姿に打たれ藩主となる決意を固める弥一郎、待っていたのはお葉との別れ。
 ロケ地、遠乗りの矢之倉藩主・上田備中守が狙撃される林、下鴨神社馬場(スナイパーは河合社脇)。城代に私心ありと憤慨して屋敷を出てくる若侍たち、妙心寺東海庵東門と路地。弥一郎がお葉に将来の夢を語りついて来てくれとプロポーズの水辺、広沢池東岸(灯台と桟橋あしらい、後段の別れの場も同じ)。下野・矢之倉から調査終え帰参の才三が走る、妙心寺玉鳳院前路地。弥一郎に上田家の話をする新さん、大覚寺放生池堤護摩堂。療養所から駕籠で藩邸へ向かう弥一郎を襲う刺客、妙心寺黄鐘調鐘楼(法堂、回廊なども使用)。世継として伺候する弥一郎に侍の道を説く上様、坂口庭。


第72話「痛快!天下を正す目安箱

 相次ぐ抜け荷の摘発、しかし全て北町の係りという奇ッ怪、果たして長崎奉行を狙う北町奉行は悪徳商人と組んで幕閣に働きかけ、巧妙な手口で私財を蓄えていた。
 ロケ地、北町奉行邸、大覚寺大門。庭番とツナギの新さん、今宮神社合祀摂社前。北町奉行が長崎奉行に推挙される動きを不審と語り合う上様と田之倉のじい、枳殻邸印月池畔。口封じに殺されかかり深手を負った幸助のもとへ義母と弟の許婚者を伴い駆けつける新さん、広沢池(船上)。ラスト、爽やかに笑いながら馬をやる上様、下鴨神社馬場嵐山自転車道〜不明な水路脇の道(西高瀬川?)
*北町奉行に伊吹聡太郎(素っ頓狂な丸眼鏡着用)、グルの口入屋に江見俊太郎。これだけでもコテコテなのに、引きずり込まれる幕閣の数がハンパでない。老中筆頭をはじめ寺社奉行に勘定奉行、ヒラ老中が三人。キャストがまた、遠藤太津朗を皮切りに伝法三千雄、遠山金次郎、丘路千、蓑和田良太、畑中怜とこの上なくコテコテ。弾劾されると「親戚が」「妻が」「用人が」と見苦しく言い訳というオマケつき、一同切腹の裁断を下す上様…爽やかに馬を駆けさせている場合じゃないだろ。*ラス立ち福ちゃん入り。


第73話「さらば!愛しき人よ

 およそ侍らしくない旗本の次男坊、武士を捨て好きな画で身を立てる決心をし、町場の恋人と将来を誓い合うも兄が急死、急遽家督を継ぐ展開となるが、家に入り込んだ渡り用人の陰謀で命を落とす。青年の夢の形見の血染めの画帳を手にした新さんの怒り爆発、繰り出す手下を全員叩きのめされた用人が自刃しようとするのには「切腹ならん!成敗!」の声。
 ロケ地、船宿の前で恋人をモデルに絵筆を走らせる藤枝徳之助、広沢池東岸(後段でも頻出)。お城の庭で紀州を継いだ当時の我が身を述懐の上様、枳殻邸印月池畔。報告の忠相が渡る、侵雪橋。報告、傍花閣前。徳之助の姉が乗り込んできた新さんを見て思い出す城での野点、印月池畔の芝地
*大ワルの渡り用人に小野進也、ひねくれ加減が迫力。


第74話「おんな盗賊、狙われた名奉行

 三人組の義賊が出没、ばら撒く金に庶民の人気が集り評判をとる。市民は捜査に非協力的、幕閣からは早々に逮捕せよとの催促で窮地に立つ忠相、賊の狙いはその失脚だった。
実行犯は忠相が山田奉行当時獄死した百姓の関係者、その裏にはお縄になって島抜けしてきた凶盗・閻魔の藤兵衛と、忠相の進言により勘定奉行への出世をフイにした大身旗本。「義賊」たちは藤兵衛の根性に疑問を抱き逃げようとするが、ワルは彼らを消しにかかる。拉致された娘を正面きって貰い受けに旗本屋敷へ乗り込む忠相、続いて新さんも乱入し成敗の雨嵐。
 ロケ地、町方に追われる義賊の十三、庭番が立ちはだかり賊は橋から身を躍らせ逃走、中ノ島橋。お菊と屑拾いの老人(正体は閻魔の藤兵衛)が話す/新さんがお菊に義賊の一味と断ずる、上御霊神社楼門本殿裏手。新さんに指摘されたことで利平とツナギををとるお菊、吉田神社竹中稲荷参道重ね鳥居下。江戸から逃げようと話す菊と十三が「ご隠居」藤兵衛の手先に襲われる、大覚寺五社明神裏手(その前に映る塀とくぐり戸は?不明)。旗本・奥平内膳正邸、相国寺大光明寺(門から入り、式台玄関で忠相と奥平の問答→立ち回り、このあと藤兵衛が逃げやがるのは石庭〜南通用門〜法堂前林間)
*女お庭番、疾風(菅野玲子)から梢(高島礼子)にチェンジ。前回も今回も特に交代劇などは演出されていなくて「黙って交代」。*義賊の一人に中田浩二、終始人のよさそうな易者の「タダ呑み利平」、こういうのもとてもよく似合うからすごい。


第75話「危うし!妖刀に正義ありや

 剣の達人の目付役・中根右衛門が刺客に襲われるが、刀が刃引きしてあり反撃できず。通りかかった山田朝右衛門が割って入るが中根は死。刀の出所を探るうち野鍛冶の光蔵として生きるかつての名工・石堂是光が浮上するが、彼は娘の薬代のため筆頭目付・伊丹に依頼された奉納の飾り刀を作ったつもりで、たばかられていたのだった。伊丹は長崎奉行のポストを狙っており、中根が邪魔でややこしい手順を踏み密殺を図ったのだが、刀身をすり替えるなどという迂遠な手段を取るわりに、ラス立ちでは短筒を持ち出すなど荒っぽい手口を見せる。もちろんワルは上様の断罪を受け、中根の息子は刃引きの刀を用いて見事真っ向に斬り下げ、父の仇を討ち果たす。
 ロケ地、中野が刺客に殺られる柳原土手、大覚寺放生池堤。上様が藁苞斬りのお城の庭、大覚寺宸殿前白州。中根邸、相国寺林光院(後段、娘が呼びに来る際は式台玄関も使用)。激情のまま下目黒に住む光蔵を斬りに行こうと走る中根の息子・主馬の前に立ちはだかる山田朝右衛門、大覚寺観月台下〜五社明神(朝右衛門は刃引きの刀で灯籠を両断して見せ諭す)。ラス立ちの中根の墓地、坂本の慈眼堂(廟所に門、石塔群と大笠灯篭などフルに活用)
*名工・是光が刀を打つのをやめるに至った事件、留守宅に盗賊入りたまたま神棚に上げてあった自作の刀が土蔵の扉を貫き妻の胸を刺し貫いた一件の盗賊(役名もこのまま)に福本先生、頬っかむりに口髭・毛皮のベストを着用。


第76話「命を賭けた女子駅伝

 飲んだくれの父を持つお波とコブ付きの回船問屋手代・源太が結ばれる話に町火消し対抗女子駅伝と大名家のお家騒動が絡む、なんだか騒がしい一作。駅伝の勝敗を巡ってめ組とは組の対立はあるわ、娘を嫁にやる父は荒れるわ、若様暗殺の密談を聞いてしまったお波の父と間違われた源太の子がさらわれるわ、詰め込みすぎ。そのうえお波の父が聞いた松山藩は伊予でなく出羽なんて、これだけで一作いけるエピソードも挿入される。
 ロケ地、結婚の話をするお波と源太、中ノ島橋北詰。源太の子の三吉は橋下で遊んでいる。松山藩の若様暗殺の密談を聞いてしまうお波の父・熊五郎、大覚寺天神島。追われ逃げる、五社明神有栖川(ここで熊五郎と源太とぶつかり追っ手が誤認)。熊五郎がひと儲けを企み訪ねる伊予松山藩江戸屋敷、大覚寺大門。才三が探りを入れる備中松山藩江戸屋敷、相国寺林光院。熊五郎と源太が松山藩家老に斬られかかる、下鴨神社河合社前。霊岸島の監禁場所から解放された三吉がお波の応援に駆けつける際走る水辺、下鴨神社泉川畔。谷中の菩提寺へ参詣の出羽松山藩の若様、仁和寺塔東疎林。新さんが走る、塀際。松山藩江戸家老が頭巾被って潜む、九所明神。刺客がわらわら出て来る、五重塔前。ラス立ちでは若様の千代丸ぎみが新さんの正体に気付いて例のカーンと鳴っての脳裏に上様画像回路。
駅伝の第一中継地・赤坂山王神社、下鴨神社馬場。第二中継地・飯田橋、大沢池堤。第三中継地・上野不忍池、大覚寺護摩堂放生池堤。第四中継地・浅草寺、仁和寺手水場観音堂脇。第五中継地・蔵前、嵐山自転車道(両側からの撮り)。ゴール近い水天宮、下鴨神社馬場


第77話「おしゃれ殿様

 新さんが知り合った大和別所藩の隠居は洒脱な遊び人で侠気もつよいナイス老人。しかし抱える内情は重く、実の娘は不行跡のすえ出家、跡目を譲った分家の殿様は病弱で死にかけ、家老は出家した姫を使って還俗させ実権を我が手にと目論む。藩主の死後も娘の還俗を許さぬ隠居に刺客が放たれ、斬られ危篤の父が託した真情溢れる文を見て娘は改心、見届けた新さんは獅子身中の虫を断罪。
 ロケ地、別所藩の隠居・織田丹後守助虎を襲うくの一、鳥居本八幡宮広場、のちに別所藩家老・伊賀山がくの一とツナギは拝殿の中。。別所藩の内情を新さんに報告の庭番、大覚寺放生池堤、バックに心経宝塔。助虎の隠居所・松風庵、大覚寺望雲亭、付近の描写に有栖川畔や五社明神放生池堤が使われる。心月院の尼寺、常寂光寺山門・境内各所。助虎の回想の国表で幼い娘と遊ぶ野、嵐山自転車道。ラス立ちは二尊院紅葉の馬場。江戸城庭を逍遥の上様の各シーンは枳殻邸印月池・侵雪橋・傍花閣。


第78話「八百八町を狙う公家剣法

 幕府御用達の商家が次々爆破テロに遭う、背後には尾張と通じた公家。これに退職間際のベテラン同心が最後の御奉公と食いつき、最後は上様のおじゃる断罪で幕。
 ロケ地、七条公保が吉宗と会談のお浜御殿、途次に大沢池南堤、入る門に大覚寺勅使門。会談の庭は彦根城玄宮園鳳翔台。爆破事件と七条に関わり?と話す上様トリオ、魚躍沼竜臥橋上。北町奉行所、大覚寺明智門。尾張御用の両替商・美濃屋の寮、大覚寺望雲亭
*思い切り憎さげな「おじゃる」のビジュアル、鉄漿もキモチワルイこれが「京流」とかいう怪しい剣で上様に斬りかかるが、庭園ではトランポリンジャンプを決めるもラス立ちでは室内戦闘なので天井に刀とられ失敗という阿呆な仕儀に。


第79話「帰って来た炎の男

 芝新網町の長屋を取り壊し貸茶屋を作ろうとして横車を押す口入屋・黒川屋、これと結託し私腹肥やす小普請奉行。これらに虚言を吹き込まれ辰五郎を襲う若頭の佐平次、しかし彼は辰五郎は火事から幼い自分を救ってくれた恩人で人格者なことを知る。そのうえ女房が奉行の横恋慕の末斬られ死亡、渡世人姿に身を包んだ佐平次はワルの座敷に乗り込む(いつも上様の声にかかってるエコーが佐平次の声にかかる)。窮地には、上様の正義の扇が飛んできて最後には奉行を討ち果たすのだった。
 ロケ地、黒川屋が佐平次の女房をハメる墓地、二尊院境内(トイレ脇の石仏群)。新網町イメージに間人?の海。お城の上様に枳殻邸(芝地、印月池畔)。女房の遺骨を抱きあてどない旅に出る佐平次、木津川堤流れ橋(右岸側コンクリート橋脚が大写しも違和感無し/水嵩多し)
*ラス立ちに福本先生、才三に斬られのわぁと回転して倒れる。佐平次は山本譲二。


スペシャル 「危うし将軍の座!吉宗試練の目安箱」  →暴れん坊将軍 III スペシャル


→暴れん坊将軍 III 表紙

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