火曜時代劇、映像京都/CX
蘆屋道三/竹中直人 小夜(道三の娘)/大村彩子 お吉(長屋衆)/鷲尾真知子 甚太(長屋衆)/緋田康人 幸兵衛(家主)/芝本正
第1話 「四谷怪談」 2002.8.13
舅の仇を討つと妻に誓う伊右衛門だが、そのために金が要ると言い出し、岩を奉公に出す。それは岩を追い出すための口実、事実を知って泣くものの岩は夫と離れられない。しかし、外道どもが次にとった策は酷く、殺された岩は怨霊に変じてしまう。
*ロケなしセット撮り、戸板返しや蛇山庵室はなく、上司の家来に追い詰められ自刃する水辺が隠亡堀か。
ゲスト
田宮岩/菅野美穂 田宮伊右衛門/原田龍二 宅悦/火野正平 伊藤喜兵衛(組内与力)/田山涼成 おこと(伊藤妾)/川村亜紀
第2話 「雪女」 2002.8.20
真夏に凍死体が見つかる怪は、市井に潜む雪女が追跡者に反撃という図。越後の妖かしは、助けてくれた男の妻になり幸せに暮らしていたが、お決まりの別れがやって来る。しかし、あまりに亭主を愛してしまっていた雪女は、掟通りに命を奪ることができず、泣きながら去ってゆくのだった。
ロケ地
- 仕事帰りの道三父子が風鈴を買っていると、死人が出たと長屋衆が走ってくる橋、中ノ島橋。真夏にもかかわらず蓑を着込み芯まで凍って死んでいる男が見つかるのは大覚寺天神島大木の根方。
- 師匠の墓に参る巳之吉夫婦のくだり、下鴨神社。墓は池跡に墓石あしらい。帰り道に渡る橋は紅葉橋(河床から見上げ)。ざわめく木々を見て立ち止まり物思うお雪、長じた巳之吉に助けられた越後の森の回想シーンは瀬見の小川(河床を逃げてくる)、糺の森倒木脇(追っ手から隠れているところへ巳之吉が現れ、倒れたお雪を保護)。突っ立っているお雪に摘んできた桔梗を渡す巳之吉、河合社脇。
ゲスト
お雪/松雪泰子 巳之吉/萩原聖人 弥助/甲本雅裕 勘太/金子貴敏
第3話 「うば捨て山」 2002.9.3
領主が出した棄老令に悩む気弱な男は、たまたま出会った道三に知恵を求め、言われるまま老母を床下に隠すが、死の谷から連れ帰った母は既にこの世の人に非ず。倅を害する者どもに向ける、母の赤い瞳は不思議を生じ、陰陽師は女の業に身震いする。
ロケ地
- 梟首台の前で悩む太吉に声をかける道三たち、木津堤法面坂道。日照りのなか歩く三人は木津河原、その後河川敷のアップダウンを利用した図も。
- 道三に知恵を求め、お札を貰う太吉、鳥居本八幡宮舞殿上。後段、代官が無理難題を持ち込むのも同所。
- 早暁、自ら支度し急かす母をおぶって渡る橋、流れ橋(下から見上げ、遠景)。
- 地獄谷へ向かう道、保津峡落合崖道〜蜆の殻を落としつつおぶわれて行く母、山中の林〜保津峡落合落下岩〜かずら橋(下の川は合成か/後段、強欲女房が墜死する際は河原が映る)〜石仏群のある山道(谷山林道愛宕分岐付近に似る)〜谷川沿い〜白水峡(むくろ累々)。死体に脅え滑落する太吉、落下点は鳥居本八幡宮広場。
ゲスト
太吉/ユースケ・サンタマリア りん/秋山菜津子 柏木一蔵/石橋蓮司 ふみ/浅香光代
協力:西祖谷山村
第4話 「番町皿屋敷」 2002.9.17
身分違いの恋、愛しい主を思うあまり命がけで身を退く娘だが、愛する者を失った男は荒み、家運も傾く。そんな男を救いたくて、亡霊となった娘は道三の前に現れ、経緯を告白し懇願するのだった。
ロケ地
- 縁日に店を出すものの暇な道三、屋台が立ち並ぶのは大覚寺放生池畔。最近巷で乱行が評判の旗本・青山播磨がヤクザと事を構えるのは五社明神。
- 用人に呼ばれ青山家へお祓いに行った道三が、播磨に叩き出され怒って帰る道、妙心寺路地(北総門から南へ行ったあたり、両側に植え込み)。
- 青山家の中間を害したヤクザを斬りにゆき、お菊の幻影を見て剣を放し自ら刃を受ける播磨、下鴨神社池跡(場所は「鈴ヶ谷」と中間が発言)。
ゲスト
お菊/木村佳乃 青山播磨/吹越満 柴田十太夫/金田明夫 真弓/加賀まり子
第5話 「耳なし芳一」 2002.10.22
よく知られた説話に、祟られるに充分な設定を付け加え、江戸の世にも生きている、不死となった琵琶法師を出してくる趣向。
ロケ地
- いんちき祈祷をして叩き出された帰り道、雨に降られた道三父子が入るお堂、大覚寺護摩堂。そこにいた先客の老爺が、陰陽師に怖い話を乞われ昔話を語る。
- 平家滅亡の数年後、とある村にやって来る芳一のくだり、上賀茂神社。村人が物珍しそうに見る川べりはならの小川畔。芳一の語りに聞き入る民衆、北神饌所裏手(渉渓園側に塀あしらい)。評判を聞いた領主が芳一を召しだして鑑賞するのは土舎。
- 村娘のかるに過去を告白する芳一、教経の命でかや姫を連れて逃げるも襲われる谷川、保津峡落合河口汀。その後姫の手を引いて逃げ回るシーンは崖道や落下岩前。疲れて座り込むのは落合巌脇。源氏の将に「密告」するも背信を嫌われ目を斬られる林、不明(雑木林?に幔幕張り)。
- 取り殺されると諦めきっている芳一を連れて行く寺、イメージに粟生光明寺薬医門。
- 江戸時代に戻り、話し終えて去ってゆく老爺の耳を見て怖じる道三、大覚寺護摩堂。「芳一」は天神島の方へ歩み去る。
ゲスト
芳一/岸谷五朗 かる/星野真理 芳一(老人)/織本順吉 武者/宇梶剛士 かや姫/椎名英姫 平教経/西守正樹 源氏の武将/本田博太郎
第6話 「狼男」 2002.10.29
恋人を悲しませぬため、力を得ることを願った青年に齎されたのは、呪いに近い変化。しかも、獣の牙で懲らしめた賊は、彼を可愛がってくれた恩人の「手下」。結局誰も救えず何もかも失い、獣の属性を内包したままの青年は闇へと消えてゆく。
ロケ地
- 正吉がならず者にからまれる橋、石清水八幡宮安居橋。橋たもとの蔵と、男山の緑が背景に来る。
- 道三の強引な勧誘を受け、説教代を払わされる正吉、道三がゴザを広げているのは仁和寺観音堂前。塔や御室桜林も映り込む。
- 正吉の前に蛇の腕釧が「降臨」するやしろ、鳥居本八幡宮。後段、それを打ち砕くのも、再びの力を願うのも同所、石段と鳥居付近で。
- 初めて「獣」の力を使い人を殺した翌朝、草むらで目覚める正吉、不明(林)。
- 釣りをしている伊勢屋に、身に起こっている怪異について相談する正吉、大覚寺放生池堤。伊勢屋から、夕べ出た「獣」の話を聞かされる。
- 親方とお袖の塚に参ったあと、闇に消える正吉、鳥居本八幡宮広場〜竹林。樹冠に乗るシーンはCGか。
ゲスト
正吉/窪塚洋介 お袖/水川あさみ 善吉/平田満 伊勢屋喜左衛門/奥田瑛二
第7話 「かぐや姫」 2002.11.5
竹取の翁が連れ帰った美しい娘には、求婚者がひきもきらず。「物語」どおり、公達たちは無理難題を押し付けられさんざんな目に遭い、その後帝が求愛、しかし「姫」の目的は一族を滅ぼした者どもへの復讐だった。
ロケ地
- 結婚式帰りの道三たちが「姫」に会い、昔語りを聞く神社、鳥居本八幡宮。道三たちは鳥居をくぐり石段をのぼる。石段脇に「塚」をあしらい、姫は父母の墓と言う。
- 竹取の翁の家、酵素民家セット(座敷から竹林を望む図も)。公達が家を垣間見するシーンは竹林の中から。
- 車持の皇子が翁に与えた新しい屋敷、安楽寺山門(イメージのみ)。
- 大伴の大納言が、五色の珠を探すため船出すると騒ぐ屋敷の階、仁和寺宸殿縁先(裏手、南面)。
- 狩りに出た帝が姫を見る林、酵素か。
- 求めに応じないことを咎めるなら殺せと言った姫の返事を聞き、牛車の用意を命じる帝、仁和寺宸殿縁先(正面、導入は池越し)。
- 翁の屋敷へ出向き、姫を外へ連れ出し求婚する帝、大覚寺遣水跡か。
- 翁が老妻の亡骸を見つける林、酵素の木。
- 姫の回想、桐影たちに助け出されるも、炎上する土蜘蛛の屋形に戻ろうとする姫、酵素河川敷草原。追っ手に斬られるのは降り口付近。
ゲスト
かぐや姫/りょう 帝/谷原章介 車持の皇子/木下ほうか 大伴の大納言/皆川猿時 阿部の右大臣/石井康太 桐影/伊藤明賢 嫗/田根楽子 翁/谷啓
第8話 「雨月物語」 2002.11.12
貞淑な妻は、夫の手ひどい裏切りにより怨霊と化す。諸編の中から吉備津の釜を取り上げ、舞台を江戸に移して映像化。一旦男を救おうとする陰陽師だが、オニと変じた女の力すさまじく、テレポートされた釜は不気味にぐつぐつと湯を煮えたぎらせる。
ロケ地
- 正太郎がお春を囲う別宅、大覚寺望雲亭。座敷や門のほか、前庭や有栖川畔の路地なども使われる。池越しに心経宝塔が見える図も。
- 磯良に因果を含められ姿を消したお春と、夜歩きに出た正太郎が再会する川べり、上賀茂神社ならの小川畔。お春は夜鷹に身を落としており、祠脇に出ている。
- 磯良を騙し出奔した正太郎、お春が具合を悪くして休む街道筋の茶店は酵素ダートにあしらい。お春が引き込まれる川は清滝か。
- お春の塚、酵素河川敷木の傍ら。ここで会った墓参りの下女に連れられ訪ねる、夫を亡くし嘆きのうちにある女主の屋敷、法然院か。
- 放浪の果て帰り着いた江戸で、行き会った行者に憑かれていると指摘され、言われるまま籠るお堂、鳥居本八幡宮舞殿に扉あしらい。
ゲスト
叶屋正太郎/椎名桔平 香央磯良/富田靖子 お春/佐藤江梨子 叶屋庄太夫/山田明郷 茶店親爺/奥村公延 老師/山本學
第9話 「ゴースト」 2002.11.19
あっけらかんと「出る」女房の幽霊は、亭主の女関係にやきもちを焼くほか災いから守ってくれたりもする。そのうち文句のつけにくい娘が現れてしまい、それでも妬心やみがたく新床に化けて出てしまうが、亭主の言葉は彼女を昇天に導く。
ロケ地
- 喜左衛門がおもんと見合いをする待合、梅宮大社参集殿(池越しにバルコニーを。内部はセット撮りのイメージカット)。浮かれスキップしての帰り道、鼻緒を切るのは大覚寺五社明神。
- 店を訪ねて来たおもんと歩く道、大覚寺放生池堤。密会の男女が出てくる待合茶屋・叶屋、大覚寺望雲亭(出てくる二人をヤクザが見ているのは生垣際)。
- 女中・おまさの回想、喜左衛門とおはつがよく通っていた曹渓寺の茶店、神光院蓮月庵を茶店に仕立て。仲良さげな二人を羨ましく見る幼時のおまさは本堂前の池の橋上に立つ。
- おまさに求婚したあと二人で歩く水辺、罧原堤下汀か(金色の漣)。
ゲスト
喜左衛門/仲村トオル おまさ/池脇千鶴 忠吉/渡辺哲 おもん/三浦理恵子 おゆら/ふせえり おはつ/松下由樹
第10話 「怪談源氏物語」 2002.11.26
能「葵上」を見ていた道三がタイムスリップ、そこは娘の持っていた絵草紙で見た、源氏物語の世界。光源氏の子を身籠った正妻の寝所に、夜な夜な怪異が出現していた。道三は調伏に狩り出され、生霊の主の苦悩を知るが、おぞましい所業は理性で抑えられない。オニの手にかかる母を救いに、光る君の「子」はまばゆい光芒とともに顕現、御息所の心を溶かす。
ロケ地
- 能が催される神社、出雲大神宮。露店も出て賑わう導入は鳥居前、能舞台は舞殿。
- 観能中に気を失う道三、気がつくと京の都な、公達の立つ橋は流れ橋。下に「妖気」の靄を演出。設定は一条戻橋。
- 左大臣邸、仁和寺勅使門。
- 六条御息所邸、大覚寺勅使門。
- 都大路を彷徨い、六条御息所の輿にぶち当たる道三、東寺境内・事務所東塀際。
- 歌会に出席する六条御息所、大覚寺。会は観月台で、大沢池に竜頭の船が出ていて、北嵯峨農地方向に塔を合成(東寺五重塔)。
ゲスト
六条御息所/片平なぎさ 光源氏/保坂尚輝 葵上/野波麻帆 貞友/山崎銀之丞 惟光/住田隆 夕霧(声)/宮村優子 茜/波乃久里子
第11話 「牡丹灯籠」 2002.12.3
新解釈の「お露新三郎」、運命のカップルは過去から未来へと縁をつなぎ、時空を飛び越えて再びまみえる。知らずに恋しい男を死なすところだった亡霊の、自ら消えてゆくいじらしさが胸を打つ。
ロケ地
- 冒頭、カランコロンの石畳、妙心寺境内石畳。
- 戦国期、戦に行く恋人の武将を見送る娘、牡丹を切る畑は北嵯峨農地、大覚寺際。
- 250年後の江戸、医師の志丈が新三郎を連れ込む患者宅、安楽寺山門(呉服屋別邸、お露が療養中)。門と石段が使われる。
- 自作の菓子を持ってお露のところへ急ぐ新三郎、上賀茂神社ならの小川畔。後段でも行き帰りの道で登場。
- お露を縁日に連れ出す新三郎、今宮神社舞殿脇に床机しつらえ。本殿前に露店。
- お露の死を信じない新三郎を墓に連れてゆく志丈、二尊院墓地。
- 2003年春、病院の庭での二人の邂逅、公園か。
ゲスト
お露/瀬戸朝香 新三郎/北村一輝 お米/木村多江 平左衛門/中丸新将 志丈/佐野史郎
*協力/由志園、俵屋吉富
→ 怪談スペシャル
2005年に放送されたスペシャル版
|