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必殺仕事人・特別編
恐怖の大仕事 水戸・尾張・紀伊 1981.1.2
大坂の米商人の依頼で、米相場を守るため御三家の家老を暗殺するという命がけの大仕事が入り、主水は拉致されるは、秀はビビって逃げ腰になるは、左門はとっ捕まってワヤになるはの大騒ぎが冒頭から始まる。依頼者の使いの手代には、のちに仕事人・勇次となる中条きよし、大坂の仕事人に消される際「吊るされる」のが笑える。娘手踊り一座を率いる、仕舞人・板東京山が出てくるのも一興。
ロケ地
・堂島の米蔵イメージ、松本酒造酒蔵。
・主水が拉致される沖の小島、西の湖園地か。
・チームが御三家の家老の顔を確認にゆく江戸城、姫路城。天守のほか、登城風景に菱の門や堀端、西の丸などが派手に使われている。
・紀州へ連行される左門を救出する遠江・天竜川、西の湖園地←左門は行き合わせた京山一行に拾われる。
・大坂の室田屋利兵衛屋敷、中山邸通用門。ここへ案内される途中の道に朝鮮石人像。
・大坂で門付けをしていた幻の仕事人・矢島仙十郎に仕事を依頼する主水、下鴨神社糺の森池跡。
・尾張(?)の家老の駕籠が出てくる大坂屋敷、大覚寺大門。
・紀州の水辺、琵琶湖西岸・流入河川河口州。関所近くで怪しまれ囲まれるチーム、左門が助けに駆けつけ板東京山と引き合わされる野原、酵素河川敷。
・紀州の桃井兵庫邸、芦浦観音寺門(内側も映る)。仕掛けを協議する主水たち、谷山林道か。秀の出陣、大覚寺有栖川河床〜大沢池溢水口。
・京山との別れ、流れ橋下。
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10周年記念スペシャル
仕事人大集合 1982.10.1
仕事人打ち揃っての舞台挨拶仕立てで始まる、遊びの要素たっぷりのスペシャル。チームのメンバーは主水・秀・勇次・加代・おりくを軸に鹿蔵、虎、知らぬ顔の半兵衛、仕掛けの天平、棺桶の錠など懐かしい顔に加え、ゲストも渋い。異人の渡世人ふう殺し屋と対峙、江戸から大坂、長崎と転戦、派手な展開を繰り広げる。相手はカピタンの裏で悪事を働くセクンデと角屋、死闘の末犠牲を出しながら仕事人は勝利する。
ロケ地
- 武器密売を取り締まろうとした船手同心が殺される夜の浜、不明(琵琶湖畔か、砂浜と水制が見える)。
- 鹿蔵元締が役人を騙して入り込むオランダの宿館、一様院山門。半旗あしらい。
- 大川から引き上げられた鹿蔵元締の死体検分、妙顕寺参道石畳。
- オランダの一行がゆく街道、北嵯峨農地・農道。
- 蒲原宿、与市が大道で荒療治、大覚寺五社明神。
- 蒲原宿、乞食加代が主水から小銭を貰う塀際、民家南塀。
- 蒲原を発った主水についてくる加代、平の沢池・中池と下池の境の堤。その後三人のゆく海辺の道は琵琶湖か(疎らに松並木、往還両方で登場)。
- 舞阪、異人の殺し屋が失踪したマリアを探すくだり、乞食加代が筵をまくられる夜の神社、今宮神社高倉下。ここに秀出現、半兵衛と組んで仕置は稲荷社前。
- 仕事から戻った秀、マリアが転がり込んでいるのを見る小屋は酵素か。
- 長崎へ行きたいと秀につきまとうマリア、山道は大内か(切り通し)。
- 大坂、セットの町並みに大阪城天守を合成。寅拾番会が開かれる住吉の寺、妙顕寺三菩薩堂。会には内部も使用、開けた戸から外が覗くシーンも。
- せんとりつを船で長崎へ送り出す主水、航海イメージは琵琶湖か。
- 仕事人たちがゆく海の見える街道、不明(丘)。
- 長崎イメージの蛇踊り、諏訪神社か。
- 出島攻略作戦を話し合う主水と秀、中ノ島橋下背割。橋たもとに塀と門をあしらい、出島入口に仕立ててある。夜を待って接岸する出島裏手は中州掘割護岸→突入。
- 事後、主水が出頭する長崎奉行所、大覚寺参道〜大門。
- マリアはバタビアへと告げ秀をからかう加代、不明(磯)。
- バタビアへ行くとおりくたちに告げる錠、妙成寺仁王門。門越しに塔下部映り込み。
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主水の子孫が京都に現れた 仕事人VS暴走族 1982.12.31 |
仕事人の子孫が四人、現代の京都でたまたまカラオケ仲間になっていて「晴らせぬ恨み」を引き受ける御伽噺。はじめの仕事はノリで突入してたまたま成功、懲りているところへ「主水」の表稼業がらみで時代劇ばりの悲劇が出来する。
ロケ地
・下鴨大津線で起きた悪徳医師転落事故について刑事たちが協議をする警察署の前で待つ主水たち、北野天満宮大鳥居前。パトのサイレンに一瞬ビビるが子供の自転車のアクセサリ、は参道石畳。何事もなく洗車を続ける警察官たちは西陣署。
・「悪徳医師」事件の回想、溜まり場のカラオケ店で医師ととりまきにからまれボコられた主水たちが傷の手当てをするのは鴨河原、ここで互いの先祖が仕事人と確認。とりまきのヤクザに仕掛ける勇次、先斗町か(提灯落としただけで失敗)。出陣の秀が走る川は白川、仕掛けるお宮さんは辰巳大明神(舞妓はんが出て簪を売れと詰め寄られ失敗)。
・主水の住む団地、洛西ニュータウン。営業の主水が主婦に逃げられるのは嵐電の駅。ジュースを買い求めた食料品店で営業をかける主水(ここが「仕事」の発生する仙田家)、斉宮神社付近の店舗(向いに木材店、遠景に嵐山の山なみ)。
・仙田の妻子が族に「殺された」あと、主水の要請で仙田を見張る「仲間」のくだり、教習所でバイクの講習を受けたあと仙田が女物の服を求める商店街は新京極(加代のタクシーで「嵐山」に帰る←族と遭遇)。勇次に見張りをスイッチ、シャリィを乗り回す仙田が投げ縄の練習をする河原は罧原堤下河原(ピアノ調律の仕事をしながら窓外に見る勇次/ここでも族出現、堤上を走る族は桂川松尾橋下手右岸並木を疾走)。見張り秀にスイッチ、錦商店街〜錦天満宮前(近くの店で刃物購入)、あとは阪急沿線のコンビニへ(族、店内に乱入)。
・女装してバイクに乗り、妻子が殺されたルートで族を待つ仙田、上野橋か西大橋付近かそんな感じの夜道。投げ縄を族に仕掛けるも失敗、無惨に殺された仙田の死体が見つかる「桂川」は罧原堤下汀(メンバーの乗った加代のタクシーが乗り入れ、警察に経緯を話すという主水を加代が止める)。
・「仕事」にゴーサインが出されたあと、バイクの速度を測る勇次、洛西ニュータウン歩道橋。
・「出陣」の勇次、錦天満宮前。秀、南座前。
・勇次が族を「吊る」道、東山ドライブウェイか(吊り現場は立体交差のカルバート)。
・主水が誘導して自爆させる「山道」、不明(造成地か)。
*仙田は芦屋小雁。仕事人は「新仕事」メンバーで、せんりつに加え田中さまも出る。*族、カタナ乗ってたりオフ乗ってたりでなんだかアレ、造成地でやられて反撃に出るシーンでオフが要ったのかも。*マンションとか細かいとこは言及できないので省きました。この作品のロケ地は「ロケ地一覧」には記述していません。
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年忘れスペシャル
仕事人アヘン戦争へ行く「翔べ!熱気球よ香港へ」1983.12.30
アヘン戦争直後の清国、阿片絡みで両親を殺され盲となった少女が江戸に辿りつき仕事人に助けを求める。おりくの子飼いの元締が関わっていることもあり、仕事人たちは長崎を経て遂に広州へ。移動手段が平賀源内の作った熱気球だったりして、長崎での英人・清人たちとの死闘を経て香港へ赴くという荒唐無稽なお話が展開される。
ロケ地
・長崎の元締・お北が孟春襲撃に失敗した配下を始末する、大沢池船着。これを見ているおりくと勇次、五社明神。
・孟春を連れて逃げる加代が「遠山の金さん」に助けられる、広沢池東岸。
・孟春の回想、長崎で清国人たちに追われるシーンの一部に南禅寺渡廊。
・主水らの乗った気球が落ちる長崎の崖、保津峡落合(河口、崖上)←ナポレオンなんか出てきたりするのよね、ここで…。
・「仕事」のシーンは香港撮り、香港でも「映っちゃいけないとこ」の無いロケーションがあるのに妙に感心。
・事後、帰りついた熱気球がせんりつお百度参り中の神社に降りてしまう、今宮神社境内。あと江戸の浜と長崎の浜に琵琶湖西岸。
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必殺仕事人意外伝
主水、第七騎兵隊と闘う 大利根ウエスタン月夜 1985.1.4
ヤクザの跋扈に泣く下総の民の願いを聞いた仕事人たち、利根川を下る船に怪現象が起きモンタナの砂漠に出てしまう。そこでは、カスター将軍率いる第七騎兵隊が先住民族を殲滅すべく闘争を繰り広げていた。
ロケ地
・天保14年暮れの下総清郷、笹川と飯岡がいがみあう縁日、北野天満宮本殿裏手(屋台や賭場あしらい)。抗争の野原は北嵯峨農地。お松の家に乱入し老母が斬られてしまうのは民家前庭(この直前、瞽女のおりくが門付けしてお鹿に餅を貰っている/セット撮り併用)。次郎右衛門の家を訪ねるおりく、周囲の薄原は西の湖。
・お松が「仕事人頼みたし」の看板を掲げて田中さまに誰何される日本橋、太秦映画村。
・晴着魔をやらかした仁助を田中さまから隠してやる主水、中ノ島橋下の背割上(ここへ竜が田中さまを制し逃がしてやったお松が走りこみ夫婦の再会)。
・検問所が設けられる中川の渡し、琵琶湖か。
・主水と竜・政が角突き合わせている間に次郎右衛門の船で「逃げる」お松一家、西の湖園地水路と湖面。
・お松一家に仕事人を頼むより田畑を買えと勧める次郎右衛門、流れ橋下(再出発を決意し宴を張っているところへヤクザが殺到、お鹿を乗せた船は炎上しお松以下三人は捕えられてしまう)。殺された三人の死体を運ぶ大八を人魂演出で止める加代、流れ橋上(ここで「仕事」発生、竜・政にも金が渡される。おりくのみ橋下に)。
・主水が天保水滸伝を唸る、仕事人たちを乗せて利根川をゆく船、西の湖。タイムスリップのトンネル、第二疏水出口。出たモンタナ州は木津河原、モニュメントバレーを合成。
・大西部のくだり、スウ族の村は木津河原やどこかの丘や林に砂丘を組み合わせて。お鹿の息子のレッドサンダーが撃ち合いに敗れる町は鬼怒川ウエスタン村。主水たちがカスター将軍以下を仕置するリトルビッグホーンは白水峡みたいな感じの荒地。
・西部から戻る仕事人たちの船、西の湖。
・八州を含む悪党たちを仕置に出陣の主水、流れ橋上。
・ジェロニモと仕事人たちのトーテムポール、不明。
*必殺仕事人Vの直前に放送された作品で、竜と政は初登場。子供を輪禍から救う政、お松を田中さまから逃がす竜、という挿話で二人の技を見せる。おりくは利根へ先行していて船に乗っておらず、西部での登場はナシ。順ちゃんは西部パートにも参加。
6 新装(秘)必殺現代版 東京六本木・京都円山公園・大阪梅田・3元仕事人ナマ中継 1985.10.
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7 当たるトラ年!今年も躍進・必殺&タイガース 1986. 1. 3
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新春仕事人スペシャル
必殺忠臣蔵 1987.1.2
冒頭主水の挨拶があり、刃傷・切腹・開城とあっさり進行、江戸に潜伏する浪士らが描かれる。ここに吉良家の千坂兵部が助っ人に仕事人の元締・牧野春斎を手配、次々と陥穽に落ち脱落する同志たち。千坂らには主水チームが罠にはまって死んだ橋本の恨みを晴らすべく仕掛けるが春斎は斬られても妙な液体を滲出し蘇生、このあとも吉良の用心棒として立ち回りしまいに主水は吉良方に引き込まれる。そして討ち入り、浪士たちは首尾よく吉良の首級上げ各家へお預けとなるが、討った筈の吉良は生き延びていることが順之助から明らかになる。
切腹間近い大石に吉良生存を告げにゆく主水と順之助、大石は脇差を差し出し「依頼」。
一月二日、吉良邸。春斎が短筒構えるのを順之助がバズーカで追い回し仕留める…斬られても死なないけどバズーカなら死ぬわけ?死ぬか普通。おれんの方は銀平が折鶴刺し。吉良は湯殿にいるところを主水が床下から刺し貫く。湯桶に開いた穴から迸り落ちる湯、途中から真っ赤。このあと義士の切腹が描かれ幕。
ロケ地
・冒頭の主水の挨拶は赤穂大石神社。
・神崎与五郎(本田博太郎)東下りに谷山林道。
・高岡軍兵衛が仕官を餌に籠絡される、琵琶湖畔。
・南町奉行所、大覚寺明智門。
・千坂兵部邸、相国寺大光明寺南東角外観。
・橋本平左衛門が女郎と逃避行も春斎一派に斬られる、大覚寺護摩堂〜石仏〜五社明神。銀平が二人の遺体を流すのは大沢池。
・円山会議の床下に潜む主水と田中さま、仕掛けられた爆薬を始末の主水、罧原堤川岸。
・春斎が爆破実行犯を始末、下鴨神社糺の森。
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必殺仕事人ワイド
大老殺し 下田港の殺し技珍プレー好プレー 1987.10.2
幕末の開国騒ぎの折の唐人お吉の悲話と、桜田門外の変秘史を必殺テイストで描く。
「絵日傘の加代」率いる仕事人たちが米総領事・ハリスを狙うが、そこにやって来た野球でハリスの無聊を慰めるという慰問団、監督は主水。加代らは野球チームに潜入し試合の中で事故に見せかけハリスを狙うが、情勢の変化に頼み人(大老と御用両替商)が翻心、地獄組が差し向けられ大混乱。事態収拾のさなか、お吉の依頼を受けてきた別口の仕事人まで現れる。
死闘の末主水と地獄組首領・鉄眼のみ生き残り、二年後の江戸。主水は落ちぶれ果てたお吉を見る。今の世情の混乱と、お吉を不幸に落としたのは大老と示唆する勝麟太郎の言を受け主水らが雪の降りしきる桃の節句の朝、大老を狙う。
ロケ地
・ハリスを狙う加代らの一団が誰何され戦う伊豆下田米総領事館が置かれた玉泉寺、粟生光明寺石段〜下鴨神社糺の森馬場・河合社前。
・南町奉行所、大覚寺明智門。
・開国直後の通商条約を語るナレーションに被る下田御用所、随心院長屋門。
・ベースボール選手詮議場、下鴨神社馬場。
・野球チームが下田へ向け出発の道中、嵐山自転車道。
・下田で練習を積むチーム、大覚寺心経宝塔前広場(護摩堂の裏なども映る)。練習後汗を流す、有栖川(河床)。
・大黒屋らが着く下田の浜、舞子浜(二本十手の久蔵と主水が話すのも同所)。
・主水がお吉に話を聞き明烏を所望する下田の浜、罧原堤下河原。
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必殺ワイド・新春
「久しぶり!主水、夢の初仕事」悪人チェック!! 1988.1.8
「必殺」撮影中の藤田まことが屋根から落ちるアクシデントが発生、目覚めるまでの邯鄲の夢はタイムスリップもの。戸惑い、誤魔化しつつ日々を送るうち懇ろになった女のため中村主水として仕置を実行し田中さまに捕まりかかるところで夢オチとなる。チームに加代と政、助っ人にアニマル…悪役に南原宏治・今井健二・戸浦六宏という豪華(?)メンバー、監督に沖田役者というお遊びたっぷりの一作。
ロケ地
・南町奉行所に大覚寺明智門。
・弥之吉殺害現場に大沢池畔。加代に弥之吉の身元聞く「藤田」、天神島(橋〜祠)。
・海老屋の手先に襲撃される「藤田」、梅宮大社神苑汀。
・加代に腹野らの企みを聞く「主水」、北野天満宮拝殿裏。お静の危機に駆け出す「主水」、三光門をくぐる。
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おまたせ必殺ワイド
仕事人VS秘拳三日殺し軍団「主水競馬で大穴を狙う!」1988.9.30
賭場で死一倍の証文を書かせ荒稼ぎの滝夜叉のお兼、裏には護国院の僧正。次に仕掛けるは尾張と紀州の馬競べ、怪しの拳法を使う僧の集団が暗躍。試合に出る両藩の馬術方はそれぞれ身に拳を受け混乱、しかも事後不名誉な死を強いられることに。
紀州の馬術方の家から出奔した蝶々の朝吉と、馬術方双方と親しかった政と、死一倍の証文書かされ父を殺されたうえハメられた若旦那に依頼を受けた加代と、ノミ行為を行いからっけつになった主水と、チームが動き出す。
ロケ地
・近江屋が三日殺しの拳受ける、中ノ島橋。
・大吉の御神籤を引く主水、大覚寺五社明神。
・紀州と尾張が張り合い競べ馬の話出る江戸城、姫路城。
・競べ馬の練習場と本番、下鴨神社馬場。護国院、相国寺(庫裏、方丈)。
・紀州馬術方の平尾が拳受ける道、嵐山自転車道。
・政が尾張馬術方と平尾の娘を取り持つ、木津川流れ橋。
・主水がノミ行為の後勘定する、大覚寺護摩堂。
・両馬術方が殺される、妙心寺大庫裏西塀。
・朝吉が政に迫る、大覚寺天神島。
*黒幕の僧正を綿引勝彦が怪演、主水のノミ行為に乗る「五時から侍」の長谷川平蔵なんかも出てくる。怪しの拳法は三日殺しのほか四半刻殺しや部分痛めつけなど多彩。
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必殺スペシャル・新春
決定版!大奥、春日野局の秘密 主水、露天風呂で初仕事 1989.1.3
大御所・家慶の艶福が災いし後継争いが激化、次期将軍家定の乳母・春日野局が襲撃される事件が勃発。これに巻き込まれる主水、使い捨てにされ殺された甲賀衆の遺族が依頼人となり、また仕事人をも道具に使う黒幕との最後の対決は南紀・勝浦の洞窟で繰り広げられる。
SPらしくゲストも豪華に揃え遠方ロケも入る。
ロケ地
・春日野局が代参の増上寺、粟生光明寺(石段・参道・本堂)。
・甲賀衆・望月の妻と妹が組屋敷から逃げる、大覚寺参道。妻が落ちる堀、御殿川。
・根来衆の鍛錬を視察の春日野局、姫路城西の丸。
・根来衆・関口佐太郎を仇と斬りかかる望月りえ、大覚寺放生池堤。
・政にマフラーを渡すりえ、木津川流れ橋。
・江戸城西の丸田安門に二条城大手門、ほか姫路城・彦根城各所。紅葉山東照宮に日吉東照宮。政が逃げる江戸城下水に大覚寺有栖川河床。
・南紀勝浦のシーンにらくだ岩、忘帰楼(ホテル浦島の露天風呂)、那智滝、紀宝町井田舞子浜。
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必殺スペシャル春一番
仕事人、京都へ行く 闇打人の謎の首領! 1989.3.30
主水は出張で、政は偶然関わった同心殺しの故に、加代は仕事の匂いを嗅ぎつけて、それぞれ京都へ向かう。主水は公家の手伝いに、政と加代は京都の仕事人の元締・五兵衛のもとへ。
御所の改築工事を巡ってキナ臭い動きがあり、入札に加わった播磨屋がまず消され、江戸で同心を殺った気砲を使う仕事人も消される。この際の手口から小太刀の道場が浮かび、政たちは脅迫状を送りつけ呼び出し黒幕を吐かせようとするが、秘密が漏れる寸前に駆けつけた五兵衛の娘・ろくろのお竜が喉を切り裂き、黒幕の正体は不明に終わる。
このことに不審を抱いた政はお竜のかつての仲間・新吉を問いただすが、意外なつながりが隠されていた。お竜を始末に行った新吉は返り討ちに遭い、今わの際に政に始末の完遂を託して死亡。また、主水も刺客に襲われていて、遂に闇討人の正体を知る。
ロケ地
・冒頭「最後の仕事」に集い散る京の仕事人たち、南禅寺三門。
・解散後、天神さんの縁日へゆく新吉とお竜、北野天満宮(三光門、境内)。
・江戸へ帰った片山同心が京都所司代の不正を訴える前に襲撃され落ちる橋、中ノ島橋。
・政がゆく東海道、嵐山自転車道(バックに富士山合成)、加代が追いつく浜の茶屋、琵琶湖西岸松原。
・京都所司代、大覚寺明智門(明智陣屋も映る)。
・姉小路邸へ出向の主水を裏口に呼び出す加代、大覚寺東塀通用口(バックに大沢池)。姉小路が出てくる階、五大堂。
・気砲の説明を政たちにするお竜、広沢池観音島。説明に引くかわらけ投げの愛宕、本物。
・政がお竜の生い立ちを聞く河原、罧原堤下河原。
・気砲の使い手・弥平次が住む糺の森を探りにゆく政たち、本物。
・京八流に探りを入れた加代が新吉に助けられ一息つく、今宮神社高倉下。
・仁和寺へ京八流を呼び出す新吉、本物(新吉が扉を使い糸で仕掛けるのは中門、他に仁王門がシルエットで)。
・八坂神社へお参りの新吉を政が問いただす、本物(本殿、西の楼門)。
・元締殺害を聞き新吉が駆ける三条大橋、渡月橋か(擬宝珠ついてる)。
・死体上がる河原、桂と思われるが確信無し。
・このほか、役者の出ないイメージ映像やEDに清水寺、金閣に御所など。ED塔は東寺か。
*お竜に惚れる政、おじゃる宅の下女の死に許さなねぇと呟く主水、細やかな感情の襞も丁寧に描かれる。外道に堕ちた女・お竜と、クールに見えて熱い元結の新吉がたっぷりと尺をとって描かれているのもイイ。関西弁の近藤正臣がなんか新鮮。
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必殺スペシャル・秋!
仕事人VS仕事人 徳川内閣大ゆれ!主水にマドンナ 1989.10.6
次期大老職を巡り争う脇坂常陸守と石倉甲斐守、清廉な脇坂に対し石倉は実弾攻撃で大老を射止めようとする。主水らは脇坂の身辺警護を依頼され、石倉の用人が差し向けた別の仕事人たちと内裏戦争を繰り広げる。
しかし或る日、脇坂の馬鹿息子が女を乗せて騎馬で町人を引っ掛けるという不祥事を起こし、身柄は石倉に確保されてしまう。馬鹿息子が可愛い脇坂は石倉に手打ちを申し出、その途端脇坂は忠義の臣を始末する挙に出る。そして双方に雇われていた仕事人たちもまとめて始末されかかる。辛くも生き延びた主水に、敵方だった仕事人の長・蛇の目の佐太郎は復讐を依頼して果てる。そしてこのとき、主水の逃亡を手助けに来た女は、始末された脇坂の忠臣の母にして「松風の佐和」と異名をとる仕事人、主水の佐渡時代の「マドンナ」であった。
ロケ地
・江戸城外観に姫路城(天守、西の丸)。
・脇坂常陸守邸、大覚寺大門。襲撃シーンには参道の石橋も使われる。
・加代と元締のツナギ、今宮神社高倉下(斜めの坂バック)。
・隣家の漁師が投網を打つのに話しかける政、中ノ島橋(橋上、橋下右岸汀)。
・石倉甲斐守邸、随心院薬井門。
・金座、大覚寺明智門。金座から出た荷が埋立地へ運ばれる途次に渡る橋、木津川流れ橋(荷車が渡るのは橋上、夜間撮影で橋脚が印象的に浮かび上がる。札差の乾屋が金座の役人を始末させるのは橋下、橋脚傍に船を寄せて)。のちに民衆によりこぼれた金が掘り出される埋立地シーンには琵琶湖西岸を使用(小屋のセット仕立て、対岸に三上山)。
・「奥ゆかしい庭」で佐和と話す主水、枳殻邸(印月池畔・漱枕居バック、侵雪橋上)。
・佐和の息子で脇坂の臣下の菊馬の帰宅の路地、随心院参道(近習頭に抜擢で喜び帰宅するシーン/暗殺されるシーン)。
・二組の仕事人がボウガンで襲われる野面、下鴨神社糺の森池跡。
・主水の逃走を助けに船で来る佐和、広沢池東岸。
*主水のマドンナ・佐和に池内淳子、渋い。石倉甲斐守には菅貫太郎、ワルはワルなんだけど、正義面した大ワルの脇坂との対比にはもってこいのステレオタイプを演じきる。主水に後事を託す石倉方に雇われた仕事人に大出俊、「やいとや」の記憶が甦り感慨深し。
15
必殺スペシャル・新春
大暴れ仕事人!横浜異人屋敷の決闘 1990.1.3
時は幕末、天誅の嵐吹く世相。策謀家の風雲児・清河八郎と、横浜の商人と組んで米人と通じる幕閣との対立の構図に、様々な愛憎が絡みドラマが進行する。
蝶々の朝吉は横浜商人・白銀屋の女将の元情人であることに加え、清河八郎の旧友。政は白銀屋に頼まれ作った「部品」が大筒に組み立てられ、多くの人の命を無惨に奪うという事実に耐え切れず、モリソン館に乗り込む。そして主水は、上から命ぜられ清河の浪士隊に潜入するスパイとなる。
「仕事人」としてのフレームには、謀殺された浪士隊の一人から加代が頼み料を受け取るという展開が用意され、浪士隊の人集めに乗じてピンハネし大儲けの主水が散財しまくるが、最後は不動産屋に騙されていて全部パァといういつものオチをつけてある。
ロケ地
・京都三条大橋の天誅イメージ、渡月橋か(橋脚映らず・ひょっとすると三条大橋そのものかも)。
・南町奉行所、大覚寺明智門。
・横浜異人屋敷・モリソン館、龍谷大学大宮キャンパス本館。
・政が部品作りを依頼される白銀屋の庭、梅宮大社神苑咲也池。
・清河八郎の人物を語るナレーションに被るイメージの江戸の橋、渡月橋(シルエット、橋上)。
・松平主税介邸、相国寺大光明寺(門、縁先、中仕切)。
・清河と女郎屋で呑んだあと主水が降りてくる石段、粟生光明寺石段下部。
・白銀屋の女将を襲う浪士の一団を政が防ぐ、大覚寺五社明神。
・清河がモリソン館から書類を盗み出させたことを田中さまにツナぐ主水、大覚寺大沢池畔。
・浪士隊が清河の変節を聞かされる壬生新徳寺、粟生光明寺石段上部(本堂大屋根映りこみ・本堂内陣も使用か)。
・清河に浪士たちの横暴を話す主水、広沢池(船上)。
・江戸城、姫路城天守。
・モリソン館襲撃後、赤羽橋で清河を斬る主水、中ノ島橋。
*OPナレーションに暗闇仕留人のものを少し変えて使用してあるのが面白い。また、劇中ナレーションに上岡龍太郎を起用、時々ドラマをぶつ切りにする形で本人が映る。*中尾彬との政争に敗れ同志を全て失った清河は、なんと復讐のため仕事人として参加するという荒っぽい展開。モリソン館での死闘に豪快な剣をふるう。
16
必殺スペシャル・春
勢ぞろい仕事人!春雨じゃ悪人退治 1990.4.6 V
米相場が乱高下するなか、天気予報を操作して濡れ手に粟を目論む伊勢屋、これに加担する国学者・室田静軒。嵌められ捕縛された挙句牢で密殺される天文方、これに絡む人脈に天文方の弟の仕事人と室田を恋する天文方の娘、友人の千葉周作、天文方に贈られた荷に伊能忠敬の地図があり追放となるシーボルト、おまけに十手盗られる主水。はぐれ仕事人のスケボーチームまで登場し賑やかな仕置となる。*関西人以外に判るのか、のお天気福井先生がナレーションを担当もみどころ。
ロケ地
・千葉道場、随心院長屋門。
・静軒塾、中山邸門。
・スケボーチームに追われ同業であることを告げる加代、大覚寺有栖川河床。
・長崎、シーボルトを襲う仕事人を防いでしまう鶴、黄檗山萬福寺天王殿。
・天文方・高橋景保が捕縛され連行される、木津川堤(夕景)。
・評定所、大覚寺明智門。
・市兵衛の出陣、妙心寺玉鳳院前放生池北岸。加代の出陣、大覚寺大沢池木戸南有栖川畔。
17
必殺スペシャル・秋!
仕事人VSオール江戸警察 1990.10.5 V
水野老中の意を受けてぴしぴしと取締りの南町奉行・鳥居甲斐守、様々な禁令が出される中に、闇の稼業禁止の一条。そして加代が引き受けた仕事は、鳥居が仕掛けた罠だった。
剃刀の辰、芸者に三味線屋(勇次に非ず)、平手造酒など多彩な仕事人が登場。
ロケ地
・闇の会への依頼者の女(実は鳥居の密偵)が解放される、大覚寺放生池堤。
・南町奉行所、大覚寺明智門。
・御庭番・黒川伝九郎邸、相国寺大光明寺(門、南塀、庭、通用門等)。
・鳥居の駕籠に津軽三味線聞かせ仕掛ける新之助、大覚寺参道石橋。
・駒吉の引き回し、下鴨神社馬場。待ち構える平田、瀬見の小川橋たもと。主水が三味線屋に暴発を諌める、河合社塀際。平田が三味線屋を助けて大立ち回り、池跡。
・闇の会の元締が主水に鳥居暗殺を依頼、粟生光明寺山門。
・散ってゆく仕事人たち、三味線屋がゆく川辺、清滝川河口。加代がおにぎりを頬張る川辺、桂川松尾橋上手右岸汀。平田が佇む夕方の街道筋、木津堤か。
*妖怪・鳥居耀三を演ずるは米倉斉加年。昼行灯の主水が大物仕事人と目をつけねちねちとコンタクトのくだりは見もの。剃刀の辰に本田博太郎、独特の獣臭い仕草がマル、でもすぐに死んじゃう。
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必殺スペシャル・春
世にも不思議な大仕事 主水と秀香港マカオで大あばれ 1991.4.5 V
長崎で、混血の前マカオ総督令嬢から仕事を依頼される主水と秀、しかし依頼主は拉致され追いかけた二人は船から落ちて…ここから現代とのパラレルワールドへ展開。マカオの丘の上の教会で磔刑のセシリアの画を見た添乗員の「中村誠」とツアー客「田村秀夫」は、幻影に言われるまま開けた扉にホワイトアウト、仕事人となって江戸末期のマカオで前総督殺しの現総督・ディアロと闘うこととなる。ディアロに加担する呂宋佐久衛門や、日本人村の利兵衛、主水のロマンス相手となる元海賊のお仙など、漂流組がいっぱい。
ロケ地
・香港マカオロケのお土産映像が溢れるが、海辺の情景には南紀が多数用いられてるっぽい。マングローブ林は太地町にあったような。
・マカオ総督府、龍谷大学大宮キャンパス。
・秀が総督府の庭で闘技士と解放を賭けてやりあうのは黄檗山萬福寺開山堂(卍崩しの匂欄にセシリアが括られていたりする)。
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必殺スペシャル・新春
せん・りつ誘拐される 主水どうする
〜江戸政界の黒幕と対決!純金のカラクリ座敷 1992.1.2
事件の発端はせんりつの誘拐、しかしこのあと主水の出番は少なく、主題は丹哲演じる「過去の仕事人」と、若手仕事人の「娘」がからむ切ないお話。
前将軍を殺ったとされる幻の朝太郎は仕事人狩りで死んだと思われていたが、フィクサー・石和岳翁の子飼いとなり、次期老中首座をめぐり暗躍していた。互いに覇権を狙う二人の老中、そのどちらにも朝太郎の手がのびるが、これは岳翁の息子が漁夫の利を得んがための陰謀だった。
ロケ地
・せんりつが誘拐される初詣の神社、北野天満宮(お参りは地主稲荷、本殿裏手に縁日セット)。
・老中・綾部越中守の駕籠を襲うおちかのチーム、下鴨神社河合社脇。
・江戸城イメージ、姫路城天守。
・おちかに依頼者のことを聞く丑寅の辰、広沢池東岸池底(紅葉、水無)。
・岳翁邸、中山邸門。
・野分の鶴吉と朝太郎が同時に越中守に仕掛ける、中ノ島橋(戦闘は橋上、川に落とされる家来、案じて来たおちかは堰堤下汀)。
・朝太郎が隠れ住む寺、真如堂(塔下、墓地裏路地)。
・せんりつを奪還後、捕まったおちかを助けるため撃たれた朝太郎を船に乗せる辰、大覚寺放生池堤石橋際。
・封鎖中の岳翁邸への道を突破する山田朝右衛門、中ノ島橋上。
・事後、おちかを連れて京へ帰る辰、嵐山自転車道。
*一番の見ものは若手仕事人の元締・おちかを演じる美保純。「仕事」を仕損じて死んだ母の技を継ぎ仕込み傘を操る。仲間を全て無くし「父」も亡くしたあと、岳翁への仕掛けの依頼人となるほか、自らも討ち入る。殺し技は?な部分もあるがキレイだからイイ。
必殺仕事人2007
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