金子文紀監督作品 2010.10.1松竹
キャスト
水野祐之進/二宮和也 徳川吉宗/柴咲コウ お信/掘北真希 鶴岡/大倉忠義 垣添/中村蒼 松島/玉木宏 水野頼宣(水野の母)/倍賞美津子 水野の父/竹脇無我 加納久通/和久井映見 杉下/阿部サダヲ 藤波/佐々木蔵之介
∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴
コミック原作の、設定がSF仕立ての変り種大奥。
謎の奇病により男性が極端に減った世界でのできごとを描くが、確かに男女は逆転しているものの人のすることは変わらず、泣いたり笑ったり憤ったりの情話が展開され、きちんと「大奥」の系譜に連なっている。
お話は、吉宗が将軍位に就く少し前から始まり、「掟」から密かに救われた「進吉」が市井に帰る段で締められる。
ロケ地
- 江戸城外観、二条城を細工(東南隅櫓をナメて北西方向望、俯瞰。本丸御殿などがなくて、奥に天守を合成。天守アップは凸版印刷の作品に酷似)。
- 祐之進が幼馴染の娘・お信が持ってきたおむすびを食う道場近くのやしろ、油日神社。
- 子種を与えた貧しい女との後朝、祐之進が家へ帰る朝靄の道、妙心寺東海庵脇路地〜大通院裏路地。水野家は雑華院(母が端座して待つ玄関も雑華院か)。
- 祐之進がお信を誘って出かける神社(祭礼の準備中)、油日神社。参道〜楼門、舞殿に腰掛けて話す。
- 祐之進の大奥入りを知ったお信が走る道、オープンセットから三井寺唐院前にスイッチ。石橋を南に渡ったあたりで転び泣いていると、祐之進が来ておぶってゆく坂は二尊院紅葉の馬場(見上げ)、このあと油日神社舞殿におろす次第。お信を置いて去る祐之進、二尊院黒門前塀際〜紅葉の馬場(見下ろし、遠景に天守合成)。
- 大奥へ上がる祐之進、お城イメージ外観は各種建物等を合成、濠と橋が前景に来る。中臈・松島と対面する座敷、不明(堂宇の甍から座敷へズームイン)。その後松島が大奥の構成について説明しながら案内する長廊下は西本願寺(非公開部分、公式サイト情報)、お端下たちがきびきびと掃除する回廊は仁和寺御殿回廊。
- 大量の膳部が整えられる台所、鴻池新田会所跡本屋台所。「松島へ届ける膳」を渡される水野のくだり(新入りイジメの段)。
- 鶴岡と立ち会って勝ったあと、水野に取り巻きが現れるくだり、城内イメージに大覚寺華道専門学校の大屋根頂部(二棟の間)。
- 七代将軍・家継逝去後、藤波と松島が吉宗について密談のあと出る、馬を駆る吉宗のくだり、不明(土手は木津堤の如く高い。白馬を駆る高原は阿蘇か)。
- 吉宗入城の春、二条城桃山門や隅櫓、二の丸御殿書院等と「天守」を組み合わせ構成、桜たっぷり。後段では夜景も出る。
- 三郎左一人をお供に市中を忍び歩く吉宗、赤面疱瘡で瀕死の男たちが隔離されている小屋、中ノ島橋下手右岸河川敷に設営。橋越しロングの絵では、叡山方面に天守と富士山が合成されている。
- 新しく中臈となった水野が藤波により披露される席、青蓮院華頂殿座敷から池泉を見る図。聞香が行われる部屋も同所、庭から見た絵もあり。
- 新将軍初めてのお成りを前に、慌しく支度がなされる大奥の情景、掃き清められる廊下は仁和寺御殿。庭の松に手入れのシーンは大覚寺宸殿(東から側面を見る図、宸殿廊下には慌しく行き交う御端下たちを配してある)。このあと水野は、垣添が丹精して仕上げた流水紋の裃をつけ総触れに臨む。
- ご内証の方は斬罪と言い渡されたあと、水野が物思う夜の庭は大仙公園池泉、橋は印月橋(南側から見た図、画面左方に天守シルエット合成)。
- 水野の斬罪が執行される城内の一角、伏見城天守裏手(西側)連郭際。
- 水野家の墓に詣で涙するお信、三井寺観音堂裏手・御幸山中腹に墓地しつらえ。大津市街や湖はもちろん消してあり、江戸城と町なみが合成されていて、前景に来る観音堂大屋根を残してある。
- 水野の始末のあと、庭で物思う吉宗、大仙公園池泉。印月橋と映波橋を使い、背景に築山の廬山など映り込む。このシークエンスは昼間の映像。
- 選りすぐりの者50人が解雇を言い渡される庭、聖護院宸殿前白州。
→大奥〜誕生[有功・家光篇] (2012年TBS)
→大奥〜永遠〜[右衛門佐・綱吉篇] (2012年松竹映画)
|