1991テレビ朝日/東映
キャスト
矢坂平四郎(殿様)/高橋英樹
久慈慎之介(千石)/役所広司
燕陣内(たこ)/春風亭小朝
お蝶/長山洋子
第1話 姫君の御毒見役、三匹参上! 1991.4.11
藤堂藩の姫君の御輿入れ先で起こる大騒動、出生の秘密を知り荒れる藩主、忠義の家老と野心満々の悪党との丁々発止、三匹とお蝶はそれぞれに関わり大暴れを繰り広げる。
ロケ地
・藤堂藩の姫君の行列がゆく関屋藩近くの街道、下鴨神社参道。これを襲う刺客のシーンは糺の森(駕籠の中の姫は陣内)。
・ヤクザの出入りで寝ていた千石が起こされ暴れる森、鳥居本八幡宮広場。
・妙姫の本陣、大覚寺明智門。
・千石と陣内が辻斬りと会う城下の夜道、勝持寺参道、石段、東門前。藩主の乳母(実は生みの母)のいる宝光寺は勝持寺東門で、お堂は阿弥陀堂(本堂)。
・三匹とお蝶が去る雪景色の城下、小椋神社。
*明るく道場破りの殿様や姫君に化けた陣内の女装などコミカルな場面が散りばめられるが、それにしても千石の野糞は汚い。拭いた拭かないの会話の「間」が汚さを強調。あと、いつものように血刀を袴で拭こうとした千石が殿様の懐紙散らしを真似るが、広がらず塊のままばさっと落ちるくだり、目線が傑作。
第2話 男売ります、悲しき提灯奉行 1991.4.18
徳山藩の城代は親子してトンデモ。親の城代は、自分の妾を下僚に押し付けておきながら再びこれに手をつけに来るという助平爺。息子の若様は乱行の果て、他藩領で女の子を襲い咎め立てした番士を斬るという不始末をやらかす。
徳山藩の提灯奉行は田口という冴えない、陣屋に灯りをともして回るという益体も無い役目を日々忠実にこなし続ける、カゲロウの一生をポエム風に語るナイーブな男。この田口の妻が城代の元妾、しかも田口自身は若様の罪を着て岩国藩に赴くよう因果を含められる。
それぞれに事に関わり、怒りがマックスの三匹、大暴れの末ワル皆殺し。
ロケ地
・田口邸、妙心寺衡梅院(門、前庭)。町奉行がゴリ押しで田口を連行しに来る道には玉鳳院前路地と放生池が映る。
・岩国藩領で鳥追い女を襲い番士を斬る城代の若様たち、酵素のふたもとの木前、有栖川。
・城代が来て家にいられない田口父子がとぼとぼ歩く、大沢池堤。ここは後段殿様に身の上を語る田口の妻のくだりでも使用。
・千石が若様たちを誘い出し鳥追い女に首実検させる神社、走田神社本殿前(灯籠群の間)。
・ラスト、旅立つ三匹を見送る田口一家、嵐山自転車道(川側からの撮り)。
第3話 出雲路は騙し騙され白兎 1991.5.2
殿様を騙して着物と刀盗った娘・白兎のお蘭は、十年も両親の仇を探し旅をしていた。やっと探し当てた憎むべき女蕩しの公家侍は、松江城下で施療院を開き人徳者と崇められる隠岐の入道になり了せているが、裏では現城代と組み先の城代を毒殺するは、若い娘を変態行為の餌食にして何人も嬲り殺すはの大悪党。仇を討つどころか毒牙にかかりかけるお蘭のピンチに、三匹の怒りの刃が振り下ろされる。
千石は腹減ってヘタってるのを拾われ隠岐の入道のもとに転がり込み、陣内は怪しげな講を開いていて入道に殺された娘の保険金のことで殿様に怒られる。
ロケ地
・出雲大社の映像につなげて神護寺山門裏手〜和気公廟所の朱玉垣。
・隠岐入道の施療院、相国寺大光明寺(門)。
・お蘭が殿様から盗った着物と刀を隠していた祠、大覚寺五社明神本殿。
・松江藩城代家老・中山弾正邸、相国寺林光院。
・お蝶が千石に隠岐入道の背の入墨を確認してくれと頼む、大覚寺護摩堂裏。
第4話 山陰路、女いのちの賞金稼ぎ 1991.5.9
各地で大騙りを働き人の生き血を啜る詐欺師・月形刑部を追う賞金稼ぎの女・お紋。月形のせいで父母を失い、仇をとるため稼業に足を踏み入れた経緯を持つ。
月形は、鄙びた小月宿の湯屋で世継から外され無聊をかこつ鳥越藩の若君・犬千代を殺害し世子のお墨付きを奪う。そして役者くずれのチンピラを若君に、浪人を集め家来に仕立てて大層な行列を組み犬千代一行として鳥越藩に乗り込む。若君変死は知れていて偽者丸判りなのだが、お墨付きをもってお上に訴えられると改易の危機という弱味持つ藩を脅し大金をせしめるという大博打に打って出る月形。お紋の身の上に同情する殿様、役者くずれに財布を盗られた陣内、犬千代と関わり仇と狙う千石、三匹それぞれの事情で怒り爆発、大暴れのすえワル一党は撫で斬りにされてしまうのだった。
ロケ地
・一人野をゆく殿様、酵素河川敷。雨宿りは大覚寺五社明神舞殿。尾けてきたお紋が仇と斬りかかる、大沢池堤。
・自刃しようとする犬千代を止める千石、放せと突き飛ばされ崖からずりずり、保津峡落合落下岩。
・鳥越城、彦根城(天守遠望)。
・浪人を集め犬千代一行を仕立てる月形、松尾大社本殿脇の祠群。
・殿様がお紋に身の上を聞く、上賀茂神社ならの小川(殿様が顔を洗う水場、お紋は神事橋上)。
・犬千代さまご一行に泊られる庄屋屋敷、不明。
・ラスト、ついてゆくというお紋から逃げ回る殿様、木島神社(本殿、舞殿、参道)。
第5話 悪の華、散らせて見せます美保の関 1991.5.16
疱瘡の流行る黒瀬藩、加えてお家乗っ取りの陰謀が進行中。牛痘の苗を植えた息子を連れ帰国を急ぐ奥医師が襲われ、美保関から帰城しようとした姫も襲われる。姫を息子に娶わせ次期藩主にと企み、姫が事情知ったと見るや亡き者にし書類上養子にして殿を疱瘡に罹患させ殺そうとするなど、一貫して非道の大ワルは家老。医師や姫にそれぞれ関わる三匹とお蝶、とっ捕まって牢に放り込まれたりするが最後は大暴れのすえ家老一派皆殺し。
ロケ地
・彩姫が出立の黒瀬藩美保関別邸、中山邸通用門。
・お城へ向かう彩姫の駕籠が襲撃される、沢ノ池東岸汀。ここへ騎馬で駆けつける千石と姫の恋人・上野多聞のゆく山道は池畔のダート。
・黒瀬城、彦根城(天守遠望)。
・矢部宿はずれ、医師・高木清庵が弟子に裏切られ斬られる、谷山林道。駆けつけてその息子を救出した殿様が追い詰められ、意を決して身を躍らせる谷、保津峡落合付近。
・姫を見つけたと千石が多聞らに知らせに来る堂、鳥居本八幡宮(舞殿、広場)。
・姫が匿われている軽業の一座が小屋を掛ける広場、酵素河川敷(降り口に鳥居などあしらい・小屋は家老の手先が放った火矢で炎上)。
・清庵の息子を連れ城下へ急ぐ殿様、清滝川河畔。
・ガス欠千石が食い物で釣られ捕われる堂、大覚寺護摩堂。
・姫が監禁される黒瀬藩家老・大窪高範別邸、中山邸正門。
・旅立つ三匹とお蝶、谷山林道。
第6話 伝説の不老長寿の尼が行く 1991.5.23
ところは若狭・小浜藩、若さと美貌を保ちたい厚化粧の女・琴姫が巻き起こす珍騒動。
知り合った丁稚の仇と凶盗を追う殿様、回春薬を売り損なった陣内、人魚探索方などという阿呆な役目を仰せつかった小浜藩士の件で姫君にムカつく千石、話は凶盗が狙う琴姫御殿に収斂してゆく。
盗賊は、引き込みに八百比丘尼に仕立てた百姓女を使い、琴姫御殿に入り込む。しかし事のからくりを看破した三匹が押し込んだ先に待っていて、大立ち回りのすえ皆殺しとなる。
ロケ地
・海辺をゆく殿様、琵琶湖西岸松原。
・琴姫御殿、随心院薬井門。
・盗賊のアジトの山寺、西明寺(山門、鐘楼)。
第7話 妖怪見たか?丑の刻参りの女 1991.5.30
初手から怪談仕立て、肝の据わってる殿様も、顔無し地蔵の首がごっとんと落ちるのにはビビって逃げる。池田藩家老の妻女・狭霧の危難を救った縁で家老邸に招かれる殿様、邸では厨房でポルターガイストが起こり、火の玉は飛び石灯籠は燃え怪しの女の影も出る。家老本人は伏せっており、妻女と家老の弟・播磨がなにやらぷんぷんと匂いまくり。
そのうち、妖怪サイドから殿様にコンタクトあり、旅の一座が仕組んだことと知れる。彼らは、家老に見染められ側に上がり世継を産んだ一座の娘が、狭霧と組んだ播磨に惨殺された仇をとりに来ていた。遂に家老が始末され、潜入した腰元も捕われるにおよび三匹の怒り炸裂、血の雨が降る。
ロケ地
・狭霧の駕籠を襲う若侍たちの前に立ちはだかる殿様、二尊院紅葉の馬場。
・千石がお菊の丑の刻参り目撃する、鳥居本八幡宮(鳥居下)。
・夜叉ケ池、不明。
・常念寺、龍潭寺。
*青山播磨にお菊、うぷぷと思って見ていると、お菊をハメる言いがかりは家宝の皿を運ばせ割ったと騒ぐという皿屋敷のパロディ仕立て。
第8話 寅の刻、お相手申す秘伝胡蝶流 1991.6.13
幼君を頂く大沢藩では、重役が藩政を壟断し腐敗の極み。下級役人の窮状に付け込み、御家人株を買い叩き、富商の子息に高値で売りつける商人など横行。
改革派は雌伏し機会を狙うが、リーダーが悪どい仕掛けで詰腹を切らされ万事休す。残った篤実な藩士たちが訴え出た幕府からの国目付も罠、皆殺しとなる。彼らと友誼を結んでいた三匹の怒りが炸裂、我が世の春を謳歌するワルどもを一刀両断。散った若侍・結城新左衛門(都知事の息子)を悼む三匹の心は重く沈むのであった。
ロケ地
・殿様が御家人株買った俄か侍たちに突っかかられる神社、上御霊神社境内(舞殿前など)。
・大沢藩の城、姫路城天守。
・登城の書物方(改革派のリーダー)と話す殿様、南禅寺僧堂坂(坂上から見下ろし)。
・改革派の藩士たちが偽物の国目付一行に駕籠訴し惨殺される街道筋、沢ノ池ダート。
*今回も時刻方、陣貝太鼓役など面白い「お役目」の侍たちがぞろぞろ。タイトルの胡蝶流は、書物方の披露する古書のほこりのはたき方。背持ってひらひらぱたぱた、殿様がこれを洒落て二刀流でワルを斬るシーンもある。
第9話 湯煙り血煙り咲いた女の三度笠 1991.6.20
ところは加賀・山中温泉、老舗の湯元の権利をめぐり生臭い陰謀あり、もちろん力で制圧の三匹だが、ここに生き別れの姉弟の哀話が絡む。
ヤクザの出入りで用心棒の殿様と千石は談合のすえ金持ってトンズラ、女渡世人・くれないお京に軽蔑のまなざしで見られたりする。代官を成敗する際の殿様「貴様のような奴を斬るために素浪人でいるんだ」は意味深。
ロケ地
・お蝶の絵草紙のくだりの海浜およびお京と行き合わせる浜、琵琶湖西岸。
・九頭竜一家と弁天一家の大出入り、安曇川河口。
・山中宿の代官所出張詰所、中山邸門。
・守袋を川に放るお京、日吉大社走井橋。
*弟の危難に大活躍のくれないお京、名乗らず去る粋で悲しい女っぷりを八代亜紀が好演。また、九頭竜一家の手下に福ちゃん、台詞も多し。
第10話 摩訶不思議、恋の行方と肉付面 1991.7.11
恋仲の富山の薬売りに会いたくて城を出る金崎藩の若様(藩主に予定)、不在を取り繕う近習たち、藩主の座を狙う叔父、ここへ三匹が噛み大騒動。
タイトルの「肉付面」は陣内を若様の影武者に仕立てるため被せたもので、城下の寺に伝わる、不信心者がつけると外れないという伝説を持つ面。近習が考え出した苦しい言い訳。
ロケ地
・禁制の鯉を盗ったと責められる幼児を助ける若侍「榊小太郎」、ダムっぽい堰堤が見えている池、菖蒲谷池か。
・横笛を吹き薬売りのおふうを待つ小太郎、広沢池西岸汀。
・金崎城大手、園部城址(園部高校門前の坂)。
・小太郎を若様と見破る殿様、愛宕念仏寺の羅漢群前。
・若様の回想、落馬し水に落ちおふうに助けられた川、安曇川河口付近。
・若様に影武者がタイヘン(陣内がヘマをやり叔父に露見)と告げに走る近習が斬られる、粟生光明寺石段。これを受け走り出すおふう、紅葉道。拉致される、勅使門前。
・おふうが監禁され若様が呼び出される小屋、酵素にセット(炎上)。
・江戸へ出立の若様を見送る街道筋、山室堤道。
第11話 名物は、女体の浮いた露天風呂 1991.7.18
神君に永代安堵のお墨付きを貰った越中・月ノ庄村、これを私せんと狙うヤクザ・河豚虎が無法を働きまくる。ここに駐在する郡奉行下役の大熊半兵衛は自他共に認める昼行灯で、ヤクザ好き放題。しまいに巡検使を抱き込み、村の総代を襲い月の庄譲り渡しの証文をでっち上げる河豚虎。二人まで殺されたところで、昼行灯が一念発起し踏み込むが、妻を楯に取られ万事休す。これを見過ごすわけもない三匹の天誅が下り、ケーシー高峰は河豚虎を縛し大手柄。
ロケ地
・河豚虎に簀巻きにされた陣内が川から這い上がったところを、通りかかった巡検使が嘲り笑う村はずれの河原、不明。
・河豚虎が巡検使をもてなす城下の料亭、中山邸通用門。
・絶望した大熊が佇む川べり、下鴨神社泉川。
・村人を裏切ったと思い詰めた大熊が首吊りのところを殿様に阻まれる神社、天王神社内陣。
・旅立つ三匹、自転車道上。
第12話 幻の狐の嫁入り見て死んだ 1991.7.25
大岩の銀山奉行の奥方は、横流しした銀を隠匿するは、人殺しに快楽を覚えるはのトンデモ毒婦。もちろん夫のことなど屁とも思っておらず、銀山の調査に来た目付と組んで罪を着せる心算、気弱いけどイイ人っぽい奉行の横死を見た三匹、成敗の嵐が吹く。
「狐の嫁入り」は土地の伝説を利用して、奥方が隠し銀を運ぶ偽装行列。見た者は死ぬとの噂は、目撃者の抹殺。
ロケ地
・殿様が休む大岩へ八里手前の街道筋の茶店、沢ノ池(池尻付近にセット)。
・陣内とお蝶が狐の嫁入りを見た後逃げ込むお稲荷さん、鳥居本八幡宮(鳥居、石段)。
・目付たちが宿をとる宿場はずれの法徳寺、常寂光寺(楼門、石段)。
・ラスト、祠から稲荷寿司を失敬した千石に天罰覿面・野壺ハマリは広沢池西岸湿地。
第13話 鬼っ子が母と慕うはいかさま女 1991.8.8
盗っ人の権八が息子・勘太郎に託した隠し金千両をめぐって大騒動。この金は飯沼藩郡奉行邸から盗まれたもので、公金横領のブツだったりして、奉行や、これと気脈を通じる代貸も探索の手をのばす。子は追われるうち、すれっからしの女道中師と心を通わせるようになり、女の気持ちも解けてゆく。
ロケ地
・役人に踏み込まれる権八のアジト、神光院中興堂(きゅうり塚付近からのアングル)。
・十番富を引き当てる殿様、摩気神社本殿。せっかくゲットの二両を騙りの道中師に巻き上げられる橋(身投げを繕う)、摩気橋。
・人助けでいい気分の殿様が、駆けて来た千石たちにあれは騙りと聞かされる、大覚寺放生池堤。
・飯沼藩出張陣屋、萱葺きのでかい民家、走田神社社務所。殿様に助けてくれと縋る勘太郎、摩気神社社務所裏手。街道筋で道中師の女に飯を貰う勘太郎、摩気の民家バックの園部川堤。ついてゆく野道、民家北の畦道。
・勘太郎のことを陣内に告げ探索を依頼する殿様、茶店を大覚寺放生池堤にセット。
・遊ぶ幼児たちに勘太郎のことを手荒に聞き泣かせる千石、鳥居本八幡宮鳥居下。
・陣内が勘太郎入りと信じ浮浪児を連れて歩く道、五本線の塀と足元に堤っぽい石垣、不明。
・三匹から逃げた勘太郎が女道中師と会う宮、走田神社本殿前。二人してゆく菜の花咲く野道、園部川堤。
・奉行らが掘る勘太郎から聞き出した隠し場所・引舟村鎮守の大ケヤキの根方、下鴨神社糺の森池跡。
・お上に名乗って出るという女道中師と別れる三匹、嵐山自転車道(川側・公園側、二方のアングル)。
第14話 戸隠は、女郎の恨みか鬼女の花 1991.8.22
松代藩民話改方・鈴木官兵衛は、民思いの謹厳実直な侍。しかしその息子は幼時の苦労からヒネて、日影代官となった今、阿漕な真似をして民衆から金をしぼる酷吏と成り果てていた。
これと結託する女郎屋の主は、舌先三寸で娘を騙し女郎に仕立てた挙句更にしぼりあげるという悪党。この地獄から抜け出したい女郎たちの中から「鬼女」が出るという、哀しい不思議話。
今回、千石は受けた情けを返そうとけなげに動くのだが、事態を悉く悪い方向に転がす羽目になる。助けた女郎が力尽き果てるのを見た彼は血涙を絞り、女郎屋の主を酷いやり方で刺し殺すのだった。
ロケ地
・鬼女の出る池、広沢池?
・戸隠の山道、谷山林道。
第15話 お立会い!煮ても焼いても食えぬ奴 1991.8.29
並河藩主・播磨守の寵愛篤いお鶴の方が思い続けていた昔の男は、けちな詐欺師に成り果てていたが、正念場で女への愛を貫いて死ぬ。お城へ乗り込んだ三匹は、裏でお鶴の方追い落としを謀った正室と、グルの悪徳医師(正体は凶賊)を断罪する…ついでにお鶴の方の子といって長屋で生まれたばかりの赤子を藩主に押し付けてゆく。いいのかなー。
ロケ地
・北国街道海野宿はずれの茶店で陣内から盗った巾着を開ける文吉、上賀茂神社ならの小川神事橋たもと。
・並河藩城下、お鶴の方の宿下がりの駕籠がゆく、妙心寺涅槃堂前路地。
・並河城大手、彦根城天秤櫓(見上げと橋上)。
・宿下がりの雲竜院、西明寺山門。
・「長次」の幽霊出るという蛞蝓長屋近くの宮の椎の木、上賀茂神社渉渓園のスダジイ。
第16話 偽三匹、どんでん返しの離れ業 1991.9.5
三匹の名を騙る浪人たちが番場宿の飯屋に立てこもり、代官の娘を人質にとる。ターゲットは代官自身で、絹織物を独占し夕月村の民を苦しめる悪代官を義憤に駆られて斬るとブチあげる偽三匹。しかしこれはとんだ大騙りで、代官実はイイ奴、裏には代官を陥れて操る大ワルの山中藩目付と絹問屋。からくりを知った三匹、立てこもり現場へ乱入し、代官父子のケアもちゃんとやってからワル集う絹問屋へ乗り込み、大暴れの皆殺し。
ロケ地
・殿様が代官所手代に斬られる男を看取る街道筋、谷山林道切り通し。
・千石がチンピラに絡まれ空きっ腹で立ち回り・大和屋に声をかけられる神社、上御霊神社舞殿前参道。
・夕月村への道を辿る殿様がお蝶とばったりの街道筋、嵐山自転車道。ラスト旅立ちも同所。
・代官がハメられる鷹狩の野、嵐山東公園と思われるが確証なし。
*偽三匹のビジュアルが傑作。殿様は目つき悪い・陣内は太め・千石は本物より清潔っぽい。*陣内先生のおハコ「こうやってああなったからそうなった」攻撃の必殺多段仕込み大根落としは必見。
第17話 首十両、日本一の韋駄天男! 1991.9.12
軽輩ながら「遠足」(エンソクに非ずトオアシ・長距離走)の際の、我が身の能力発揚をひそやかな楽しみにしていた俊足自慢の男、これを無惨に不正で踏み躙る家老の馬鹿息子。いきさつ有ってこれを斬り出奔し侍を捨てた新八を他藩領まで追ってくる家老一派、三匹の怒りの鉄槌が下される。
これに、俊足男の見せ場として誘き寄せの手段ではあるが遠足レースが開催され、捕われの恩人を救うべく韋駄天男はコースを走りきるのであった。
ロケ地
・落合村のお堂に泊った殿様が起き出しランニングの新八を見る、鳥居本八幡宮(舞殿に扉セット)。
・新八が身を寄せる安中藩領の念流・笹倉道場、土塀と長屋門(二個所をミックス使用。cf.)。
・新八が笹倉道場へ金持って走る道、大覚寺大沢池畔〜護摩堂〜天神島橋。
・千石と陣内が行き合わせる。上意討ちの追っ手迫るを知り、殿様が新八に事情を聞く川辺、摩気橋下園部川左岸汀。
・新八の回想の、安中藩での遠足レースのゴール、神護寺五大堂前。
・安中藩国家老の鏑木軍太夫が神林領に着き密偵の報告受ける、大覚寺五社明神舞殿にお座り。
・神林藩主催の遠足レースのスタートとなる大乗寺、摩気神社。受付は境内に。
・遠足レースのコース、山室堤道〜谷山林道〜摩気橋(橋脚は木)。各所で新八に妨害入るが千石と陣内が撃退。
・ラスト、見送られ発つ三匹とお蝶、嵐山自転車道。
第18話 妖刀乱魔!女の園で見た悪夢 1991.9.19
秋月藩に仇なすとされた妖刀・一文字龍拓、先代の龍拓は己の刀がなした業に耐えられず自刃。しかしこの裏には陰謀が。
なんと女の四代目は、父の汚名を晴らすべく渾身の名刀を打ち上げるが、これもまた妖刀にされ藩主を害する寸でのところで三匹の粛清が入る。
男として育てられた四代目龍拓と藩主のラブロマンスのエピソードが絡み、妖刀で藩主暗殺犯にされかかるのは暗示かけられた千石だったり。
ロケ地
・藩主が運命の恋人・小春(龍拓)と会う神社、魔気神社(楼門、本殿、本殿裏手に抜穴の井戸セット)。
・秋月城、彦根城(天守、太鼓櫓)。
・茶店で休む殿様と龍拓にお蝶が千石がタイヘンと告げに来る、広沢池東岸汀に船着きと茶店セット。
第19話 さすらいの姫君悲し鬼街道 1991.9.26
改易になった藩の姫が、放浪の果て悪辣な甲府勤番支配に利用され悪事の片棒を担がされ、結婚を餌に騙され村の運上金を奪われた善良(ど助平だけど)な名主を死に至らしめるに及び、激怒の三匹が追いかけて江戸へ戻る途次のワルを成敗。
ロケ地
・信濃路をゆく殿様が落魄の喜久姫一行を見る、清滝川汀。
・甲府勤番支配の宝田玄蕃が宴を張る料亭・大喜利、中山邸門。
・甲府城、彦根城天守。
・名主の縊死を嘆く姫を見て走り出す中間の小平次、嵐山自転車道。
・ラスト、姫たちと別れゆく三匹、桂川右岸汀(バックに富士山合成)。
*小平次に山田隆夫、印象はほぼ仕事人前期の半ちゃん。おふくちゃんでも姫様でも、女に対する態度はおんなじ。*甲府勤番支配の大ワルに田口計、三匹だけに悪いのは悪いがカルいあたりを好演。
第20話 献上の茶壺に幽霊現れた! 1991.10.17
お茶壺道中ものは三匹の定番。今回は茶をすりかえて大儲け企む宰領頭と甲州・大月の代官のお話。ここに篤実な岡っ引と、渡世人になりたい若者の話が絡む。
企みを聞いてしまい追われた挙句惨殺される親分と、その殺しの罪を着せられ処刑されかかる渡世人志望の若者、各人別々に事に関わった三匹の怒りが炸裂し、ワル皆殺し。
すりかえる安物の茶を高級品に仕立てる陣ちゃんの怪しい工作も傑作。
ロケ地
・大名行列の前に立ちはだかり金をとるお茶壺一行、谷山林道。
・十手を拝領した「大前田忠治」に意見する殿様、大覚寺天神島。のちにくさくさと池に石を投げる忠治に話を聞く殿様のシーンは放生池と護摩堂。
・忠治が勘助親分を探しに亡父の炭焼小屋へ赴く山道、酵素ダート。小屋は河川敷にセット。
第21話 さらば三匹!今宵お命頂戴す!! 1991.10.24
「また又」最後のお話は、将軍家お世継を巡る大騒動。殿様が将軍・家斉の御落胤?話が持ち上がり、千石と陣内が人から頼まれて真実を探る。
陣ちゃんが書いたでたらめの報告書を利用して将軍の次男坊を装いお城に入った殿様たち、大掃除の粛清の嵐が吹きまくる。
ロケ地
・雨の中身分ありげな頭巾侍に呼び出され殿様の素性調査を依頼される千石、二尊院紅葉の馬場。
・水野老中の密偵が石翁の手下に襲われる、谷山林道。
・江戸城イメージ、姫路城天守。
・お美代の方が参詣する石翁との密会の寺、仁和寺参道。
・江戸・感応寺で水野の密偵に調査報告の陣内、神護寺鐘楼下石段。
・小吉の駕籠が襲われる、大覚寺大沢池木戸前〜観月台下〜五社明神。
・石翁を討ち果たす殿様、石段下の石橋、永観堂放生池石橋。
・家斉と会見の殿様、中山邸無畏庵前苔庭。
・水野老中に小吉を託し出立の三匹、姫路城三の丸芝地から天守遠望。
*殿様の正体については明かされることなく終わる。千石に神仏の顕現と言わせてある。*石翁の部下・権藤に福本先生、水野の密偵襲撃シーンでは台詞いっぱい・強面の剣客ふう。
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