時代劇の風景  ロケ地探訪

粟生光明寺

− 紅葉道 −

薬医門(内側から)
 粟生光明寺には石段を登ってゆく参道の南に緩やかな坂道の参道がある。道は山門をくぐってすぐに二手に分かれている。この坂は一般に「紅葉道」と称され、名の通り両脇には楓が密生している。坂の中ほどには小体な作りの薬医門がある。紅葉道の南には西山短大がある。
薬医門 薬医門(内側)
 薬医門を正面と裏から見てみる。浅学にして「薬井門造」の詳細は知らないが、医者の玄関などによく用いたことからの名称であるらしい。
紅葉道の薬医門は坂の中ほどにある。
 女形気三郎「さても女の一大事」では舞台となる寺の門前茶屋が仕立てられているのが薬医門付近である。鬼龍院同心と気三郎が語らうシーンである。
怪談百物語「耳なし芳一」では亡霊除けのお経を書いて貰う寺の門として使われた。
薬医門上の紅葉道 庫裏下の道
薬医門下の紅葉道 紅葉道北の崖と林
 紅葉道は鬼平犯科帳「瓶割小僧」で幼少時のシチュエーションを再現されへたりこんで恐れ入る「瓶割小僧」音松のなれの果て・石川五兵衛のシーンで使われている。また、京極夏彦「怪」の「隠神たぬき」では阿波の宿屋主人・芝右衛門の孫が辻斬りに惨殺される現場となった。百介と乾同心が木々の間から痛ましそうに見ている場面もある。
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