− 望雲亭ほか −
望雲亭 木戸 | 望雲亭 |
望雲亭の庭から大沢池 | 対岸から望雲亭外観 |
望雲亭は、大沢池南西畔にある、風情たっぷりの接客施設。庭からは、大沢池越しに天神島が望まれる絶景。 他の施設ほど頻繁には使われないが、ここも撮影スポットのひとつ。 たとえば風「今千姫」では、白木マリ演ずる不思議な「今千姫」が男たちを連れ込む粋な屋敷に使われた。必殺必中仕事屋稼業「負けて勝負」では、西洋博打で金持ちをハメる大和屋の女将が密会場所に使う出合茶屋。新必殺仕置人「逆怨無用」では、阿片漬けになり寅の会を裏切った闇の俳諧師の女がツナギに入る料亭。長七郎天下ご免!初回「日本晴れ大江戸囃子」では公共工事の一手引き受けを狙う材木商の深川別業。吉宗評判記 暴れん坊将軍「江戸煩いを叩き出せ!」では、典医の地位に連綿とする法印の屋敷。暴れん坊将軍第三シリーズでは「おしゃれ殿様」の粋なご隠居、大和別所藩前藩主の隠居所。同シリーズ「春遠き お捨屋敷の女」では、殿の寵愛を失ってわび住まいの梅乃の方が暮らす下屋敷。第三シリーズ最終話では、上様を毒殺しようと企む元毒見役の寓居。鬼平犯科帳「女賊」では毒婦にひっかかり道を踏み外しかける男が呼び出される上野池之端の出合茶屋。同「網虫のお吉」も毒婦がらみの話で、密会場所の不忍池畔の出合茶屋。八丁堀捕物ばなし2「二つの絆」でも、いわくありげな商家の女将が出入りする出合茶屋である。怪談百物語では、吉備津の釜をドラマ化した「雨月物語」中で妾宅に、藤沢周平の「遠ざかる声」をドラマ化した「ゴースト」では、待合の叶屋に使われた。 だいたいにおいて、使われるのは外観と木戸が主だが、たまに内部まで使う例もある。設定は、上に挙げたとおり、出合茶屋や別宅などがほとんどである。 |
金堂跡竹林 | 金堂跡から梅林への小柴垣の道 |
心経宝塔裏手には竹林があり、金堂跡と伝わる。よく手入れされた竹林は林床も明るく美しい。 梅林へ続く小道には小柴垣が設けられ、時代劇に使えそうな雰囲気ぷんぷんだが、まだ使用例に当たったことは無い。 また、使われていたとしてもなかなか判りにくい。この手の小柴垣は嵯峨野にいっぱいあって特定が困難なのである。 |
大日堂 | 閼伽井 |
聖天堂の西にちんまりとある大日堂。閼伽井は心経宝塔前の広場にある。 閼伽井は、護摩堂裏や心経宝塔前を使った場面で映りこむことがある。御家人斬九郎「迷惑な忠義者」では、五社明神で襲撃を受けたあとの斬九郎の前に何食わぬ顔で偶然を装って現れる小松新十郎(火野正平)の姿が、閼伽井を背にしている。 |
梅林と心経宝塔 | 大沢池東堤から北嵯峨の農地 |
心経宝塔裏に広がる梅林。花期にはさぞきれいだろうと推測される。新三匹が斬る!「首一つ、賭けてみちのく影武者哀歌」では、跡継ぎ問題で揺れる奥州・小萩城下にやってきた腹減り千石が、緋毛氈に広げられていた野駆弁当にむしゃぶりつくシーンで使用された。箸も使わず、飯からおかずから手でやるという下品なもの。飯泥棒は咎められなかったものの、久慈慎之介は一飯の恩義で乱暴者の味方をするハメになる。 大沢池と広沢池の間には建物も無く、農地が広がる。田はゆるい棚田になっている。農地の北、山の端には天皇陵があり、ここから広沢池へ抜ける農道はロケ地であったが現在は僅かに面影を残すのみ、圃場も整備され水路はコンクリートと化した。必殺シリーズで時おり目にする小川で、ここいらへんと思われるものが幾つかあるが、もはや確認できない。 |
観月会用の龍頭船 |
秋の観月会の折には大活躍の龍頭船。ふだんは龍の装飾物は取り外され、船だけが天神島付近に係留されている。 大沢池では船を出してのシーンがよくあるが、さすがにこの派手な船は使われない。 |
■ 大覚寺 表紙 |
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