時代劇の風景  ロケ地探訪

南禅寺

− 渡廊 −

 法堂の東、山手に建つ清涼殿とをつなぐ通路は立派な屋根を持つ渡り廊下になっている。段をのぼりきったあと鉤の字に曲折している。
柱の裾に塗られた黒と漆喰の白が美しいコントラストを醸し出している。
スケールがわかりにくい写真だが、かなり背の高いもの。
南へ行けば水路閣、北へ行けば東山高校のほうへ抜けている。
 長七郎江戸日記「くの一化粧」では長七郎ぎみと根来衆のラス立ちがこの廊下で繰り広げられた。
長さんにくっついている柳生忍のくの一・茜の悲恋が描かれる哀話である。設定は江戸城近く。法堂の基壇も使い、ダイナミックな殺陣となっていた。
 必殺仕事人・激突!「夢次、女盗賊に惚れる」では元大盗賊の一味の娘に惚れてのぼせあがっている夢次のことが他の仕事人たちによって話し合われるシーンに使われた。秀は橋の基壇に腰掛け、お歌や主水は地面に立っているという構図で、基壇に開いた通路を通して向こうに通行人などを配してあった。アングルも上から下から、構造物の特性をよく活かして撮ってある。
南禅寺表紙

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