時代劇の風景  ロケ地探訪

− 伽藍 −

参道 参道は南総門からまっすぐ北に伸び、方丈へ続いている。
その道の西側には山門、仏殿、法堂が連続して建つ。
いずれも圧倒的な量感を持つ壮麗な建物で、ここは七堂伽藍の寺として知られる。

 法堂の天井には12mの大きさの丸い龍が描かれており、狩野探幽の筆になる。

 参道の脇には松の大木が並ぶ。

山門 仏殿 法堂
大方丈入口 唐門 黄鐘調鐘
 妙心寺の伽藍は巨大なので、テレビ画面に全部映すには相当引かないと入らない。したがって殺陣などに使われる際は基壇部分しか映らないことが多い。仏殿や法堂まわりで立ち回りが行われている背後に小さく唐門や鐘楼が映りこんでいることがよくある。
 使われるのは大人数を繰り出してのラス立ちがお決まりとなる、暴れん坊将軍タイプの作品が多い傾向にある。
仏殿と法堂をつなぐ回廊 法堂と方丈をつなぐ回廊
大庫裏への門 大庫裏西側通用門
 仏殿と法堂、法堂と方丈の間には屋根つきの回廊がある。方丈へのそれは基壇つきの凝った作りとなっている。
ここもよく使われるスポットで、法堂付近で行われていた殺陣が移動してくることもある。方丈へのそれは、下をくぐったり上から飛び降りたりと変化のある殺陣に使われ、効果をあげている。
 大庫裏へ通じる門は武家屋敷などに使われる。緩いスロープがついているのが特徴。門の内に庫裏が見えることもある。
西側の簡素な通用門も使われる。鬼平犯科帳「山吹屋お勝」では、茶屋女にのぼせあがって手のつけようのない従弟・仙右衛門に閉口して逃げ出した平蔵が出てくる火盗改役宅の通用門として使われていた。また、剣客商売「赤い糸」ではこの付近で秋山小兵衛が京枡屋のお崎に強烈な憎まれ口をたたいている。

妙心寺 表紙


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