時代劇の風景 ロケ地探訪
− 堂宇 −
庫裏 | 小町歌碑 |
通用門をくぐり、拝観には庫裏から入る。
庫裏前には小町の「花の色は…」を彫った歌碑があり、十二単姿の絵も添えられている。
本堂外観 |
本堂は慶長年間に作られた桃山建築で、寝殿造り。瓦葺で、向拝が深くおりている。
前庭にはふかふかの苔がみっしりと生えていて、緑が目に鮮やか。
本堂の南には池泉があり、滝組から水が涼しげに落ちており、下には色とりどりの鯉が泳いでいる。
表書院南廊から本堂を見る | 本堂前廊 |
本堂南廊から池泉を見る | 本堂から表書院南廊を見る |
本堂は、吉宗評判記 暴れん坊将軍「柳生一族を斬る女」で使われた。この回は美空ひばりがゲスト出演しており、正義感のつよい紀州屋のお奈津は、謀殺された剣の師匠の仇を討ちに単身柳生屋敷へ斬り込むというストーリィ。死を覚悟しての一挙を前に、お奈津が佇む父母の菩提寺として使われた。美空ひばりが端座するのは本堂前廊。
薬医門を田沼上屋敷として設定してある剣客商売(藤田版)では、大治郎と三冬に新キャストを迎えてのシリーズの最終話「待ち伏せ」で使われている。ラスト、三冬懐妊を報告に田沼屋敷へ駆けつける大治郎は、薬医門前で履物が脱げてしまう慌てぶり。庭先で荒い息をついていると、田沼さまと生島用人が表書院南廊をどたどたと走ってくる。大治郎が出産予定日を把握していないことに苛立った田沼さまは、手すりの擬宝珠のとんがりをぶっ叩いてしまうのだった。アングルは、ふつうに拝観したのでは見られない、池側からのもの。上写真でご婦人が座っている縁先の角が使われていて、池の向うからカメラが来ている。
大玄関 | 大玄関前庭 |
大玄関式台 | 式台から薬医門を見る |
薬医門を入ると、大玄関となり、表書院へ続く。大玄関も薬医門も書院も、寛永年間のもの。
大玄関は、薬医門とセットの使用が多い。
風「刀の中の顔」では幼君のもと家政を壟断する用人のいる旗本屋敷として使われ、門と玄関が映っている。その他、剣客商売では、田沼屋敷として頻繁に使用される。前庭を使って、剣術の試合などもあり、式台が効果的に使われる。