時代劇の風景 ロケ地探訪
− 金戒光明寺 三門 −
三門を見上げる | 本堂前から見下ろす |
丘の上に建つ寺ゆえ、三門は坂の中ほどにある。万延元年(1860)に完成した門には後小松天皇の勅額が掲げられている。 南禅寺の三門とよく似ているが、規模はこちらのほうがやや小ぶりである。石段を登って門に着くと、その先にも石段が望まれるという作りで、ダイナミックな画が撮れる。 |
三門 外から | 三門 内から |
上の二葉と同アングルで用いられた例が江戸中町奉行所「おかめの涙」および「死を招く愛の地獄」で、框に腰掛けところてんを買って食う「我楽多」トリオやツナギをとる場面などに使われた。同じような同心たちのモブシーンがあるのが八丁堀捕物ばなし「誘拐」で、人質交換のツナギに品川だ目黒だ本郷だと振り回され、結局走り回らされただけと知った北町同心と岡っ引たちは、光明寺の三門にへたり込んで荒い息をつくのであった。 必殺商売人「暴走を操る悪の大暴走」では主水を恋人の仇と誤解した娘が突きかかってくるのがこの門である。 御家人斬九郎「捨値五両」では、新年の支度のため麻佐女さまの鼓を質に入れてしまい特大級の雷を落とされた斬九郎が、自棄になって自分に「五両」の値札をつけ「えぇ、お侍の御用はございませんかぁ」と呼ばわるのが三門の下である。前後に縁日の屋台がセットされ、暮れの深川界隈の賑わいの情景が描かれる。 |
後小松帝宸額 | 三門 東側面 |
日テレの年末時代劇・白虎隊では、会津の本陣設定で三門が大写しになり、行列のモブシーンが撮られている。史実通りの現物を使える、なかなか贅沢なロケである。 門まわりをたっぷりと使った例には必殺仕掛人「掟を破った仕掛人」がある。ターゲットを先に殺されたり、依頼者を消されたりして悪評たち窮地に陥る仕掛チームの話で、遂には元締の女房がさらわれてしまうのだが、死を覚悟してこれを受け取りに赴く音羽屋半右衛門と黒幕の旗本の緊張の一幕は三門まわりで繰り広げられる。 必殺商売人の最終回「毒牙に噛まれた商売人」では、おせいが幕閣要人暗殺犯に仕立てられてしまう危機が描かれるが、おせいの千社札が貼り出されるのはこの三門である。 |
三門全景 |
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・黒谷 表紙 |
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