川を訪ねる旅
■ 6. 熊川宿 ■
鯖街道の中間点・福井県と滋賀県の県境近くにあって栄えた熊川宿は、国道303号の少し南側にある旧道沿いに古い町並みをひっそり残している。
熊川宿 中ノ町 橋は河内川に架かる橋 |
伝統的建造物保存地区に指定された熊川宿を特徴付ける風景は、家々の前を流れる水量豊かな水路である。
前川 中ノ町 |
前川とも熊川用水とも呼ばれるその水路は熊川宿東半(上ノ町)では北川から、西半(中ノ町・下ノ町)では河内川から引いた水をそれぞれ流す。
水路には各家が洗い場を持ち、くらしと密着したものであることをうかがわせる。
熊川宿は河内川によって東西に分けられる。 東半を流れる用水は北川から取られ河内川に落ちる。西半を流れる用水はこの河内川の上手から水を引く。
この谷の上流には河内温泉がある。鄙びた趣深いものだが、残念なことにダム計画が持ち上がっている。近頃はどこへ行ってもこんな話ばかりだ。
ダムについては新規計画を凍結とか言っているが、既に計画されたものが全国各地に山ほどある。
そっちのほうを見直さないと節約にも自然保護にもなりはしない。
中ノ町へ入ってくる熊川用水 | 左の用水に水を供給する河内川 |
今回、そこに以前は無かった芋洗水車が架けられ、ことこと回っていた。観光用の演出ででもあるのだろうか、芋は入っていなかった。
朝のうちに釣ってきたのだろう、プラスチックのアユの引き舟を浮かべている家や、麦茶のケトルを浸している家もあった。羨ましいばかりの光景である。
熊川宿の中ほどにある「宿場館」。
鯖街道の歴史を詳しく資料と共に見せてくれる。
建物は昭和初期の旧村役場を利用したもの。
熊川宿の東のはずれに最近作られた「道の駅 熊川宿」。
これのおかげで駐車の心配は無くなった。
この道の駅の裏手を前川が流れている。
熊川宿の東のはずれ。
ここからの鯖街道はいよいよ山越えとなる。
撮影地 福井県遠敷郡上中町熊川
撮影日 2001.8.14
1.小浜へ 2.小浜・魚と名水 3.北川と南川 4.鵜の瀬 5.瓜割ノ滝 6.熊川宿 7.鯖街道・帰路