川を訪ねる旅
− 南へ −
雲ケ畑川 持越橋から |
左京区雲ケ畑出谷町・岩屋橋バス停の少し南で岩屋川と祖父谷川は合流し、府道61号京都京北線沿いに南下してゆく。合流ののちは雲ケ畑川と俗に称される。また、祖父谷川ともいう。例えば、上写真を撮った持越橋のたもとには「祖父谷川」と書かれている。
谷は深く刻まれ、木々が川面に覆い被さるように繁っている。谷筋にはちらほら民家も見え出す。
この、持越橋を渡って西へゆくと桂川支流・清滝川の上流域である真弓・杉坂・中川の里へ繋がる持越峠となる。峠は桂と賀茂の水を分ける分水嶺である。
雲ケ畑川 出合橋付近から上流方向 | 賀茂川 出合橋から下流方向 |
雲ケ畑の中心集落の南はずれで雲ケ畑川は左岸に芹生峠や魚谷峠からの水を集める中津川を入れる。この合流から下を俗に賀茂川と称する。一級河川・鴨川の法的な起点もここである。上写真は同じ場所から上と下を見たものであるが、画を見て判るように、ここから賀茂は流れを太くしてゆく。水は、夏に来て飛び込んで遊びたくなるようなきれいなもので、存外戸数の多い雲ケ畑の集落からの目立った汚れは認められない。
雲ケ畑の集落には立派な造り家作が多く、由緒ありげな寺社も目に付く。谷筋に建てられたちんまりと可愛いグラウンドを持つ小学校もある。
賀茂川 洛北発電所横 | 洛北発電所 |
鞍馬川河口 | 発電所の放水 |
雲ケ畑を過ぎた賀茂川は道沿いに深い谷を刻んで蛇行しながら尚も南下してゆく。山道もそろそろ終わりかけ、鞍馬川を左岸に迎える地点に洛北発電所がある。明治・大正期に作られた古い施設で、収益性は低い。水は支流・中津川から取られている。
ここでは鞍馬川が入るとはいうものの、河口寸前にある大きな砂防堰堤からはほとんど水が出ていなかった。かわりに発電所からタービンを回したあとの水が放たれ、賀茂は一気に水量を増す。
賀茂川 洛北発電所下 | 賀茂川 柊野堰堤 |
このあと、京産大グラウンドを過ぎるあたりから賀茂川は蛇行をやめ、出町柳の剣先へ向かって南東にまっすぐ流れてゆく。柊野堰堤を過ぎたあたりからは勾配も緩くなり、等間隔に堰堤を設けたお馴染みの鴨の流れとなる。
洛北発電所下と柊野堰堤はどちらも夏になると川ガキの出る水遊びスポットである。