大和川源流  都祁高原

分水界付近マップ

 大和川と淀川の分水界は、都祁村南西部・藺生(いう)地区にある。
一帯は緩やかな起伏が連続する高原で、現在は左地図の赤い点線で囲った部分が水分れとなり、一方は布目川となって北上し木津川に注ぎ、一方は初瀬の谷を下り大和川となる。。
桜井都祁線と、福住と吐山を結ぶ道路が交差する、地図では「飲食店」の信号の少し東、この地点の小丘と緩い坂道が水を分けている。
現在は、と書いたのはこの分水界にはかつて溜池があり、これもまた埋められて田地となっており、原初の姿はなかなかつかみにくいからである。
小丘の南から流下する小溝は今たしかに大和川源流を成しているが、道隈には回所があり人工の匂いがする。北の、休耕田脇を南下する小溝は小規模ながらはっきりと谷地形を示すので、ここは安定して南流するものと思われる。この小溝は、道をくぐって桜井市へ向かう。
もうひとつ、工場の脇を一旦北流して道に当たって西に転じ流れ込む溝も見られる。これはごくごく小さなもので、ふだんあまり水はなく河床を湿す程度。
*地図上、赤い実線が大和川水系。黄色の矢印は流れの方向を指す。

吐山へ通じる道 道から北望

 藺生の、38号桜井都祁線と、福住から吐山へ通じる道の交差点から少し東、道が緩やかなピークとなっていて、その先には布目川水系の小川(参照→葛神社の前を過ぎて北流し並松池に入る水系)が北流している。道がピークに差し掛かる手前の道脇にある用水路、これが西を向いて流れている(上写真左・矢印部分には回所)。そのすぐ西には宅地のある小丘の際を小溝(上写真右・矢印部分)が走り、これは南流している。二つの流れは合わさり、南を指して道をくぐる。
したがって上写真左の矢印部分が分水界ということになる。上写真右の小溝の向こうも、同様に分水界となる。
この地点の北にはかつて曽我尾池があり、今は溜池を埋めて田地となっている。ここには田の区画に沿って縦横に水路が走るが、これは並松池に集められ淀川水系となる。
溜池が築造された時点で既に人の手が入っているので、原初この丘陵のいずこが真の分水界であったは判別し難い。
なんにせよ、現在の流路から見た厳密な水分れはここと言える。
平行分水界は自然・人工双方の要因によって時につれ変化するものであるが、今は藺生のこの付近一帯を分水界としてもよいだろう。

飲食店脇の溝 宅地下、暗渠出口

 道をくぐった流れは、交差点の南東にある飲食店の裏に現れる。
このあと再び暗渠となり、宅地の中に開渠となって見えるときにはもうはっきり桜井市のほうへ向かい、幅も少し広がっていっぱしの谷を刻みはじめる。

飲食店脇交差点 左・下手から見上げ、右・交差点から見下ろし

 上写真は「交差点」を見たもの。
大和川源流を成す小川は、このピークを流下して桜井市へ向かう。

都祁村藺生 38号沿いの水路

 小溝は時に道をくぐり、道の左右を行ったり来たりする。藺生地区ではまださほどの傾斜は無い。
河床は三面張り、見た目はほぼ道路脇の側溝。流量は少なく、河床に草が生い茂る。
*上写真左の矢印は細い支谷

桜井市へ向かう道脇の小溝

 上写真のすぐ南で、川は山峡に入ってゆく。植林杉の多い林間を抜けると桜井市。

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