石川

大和川1次支流 ・流入先 〜大和川 ☆大和川水系一級河川 訓:いしかわ

石川支流  流入順
天見川 (←流谷川岩瀬川加賀田川 (←唐久谷川小井関川)、石見川) ・佐備川 (←宇奈田川) ・千早川 (←黒栂谷川足谷川 水越川) ・梅川 (←平石川馬谷川天満川太井川) ・大乗川 ・飛鳥川 (←唐川山ン谷川)


 大阪府南河内地方を流れる、大和川の支流。
一級河川の起点は河内長野市滝畑。全長29km、流域面積223平方km。
大阪府内で大和川に注ぐ川の中では、最もきれいな川。

■ 上流

 大阪府河内長野市南部の滝畑地区南端・和歌山県伊都郡かつらぎ町との境の蔵王峠に発し61号堺かつらぎ線沿いに北流、滝畑地区の山地からの諸流を集め深い谷を刻みつつ滝畑地区北部で滝畑ダムに水を湛える。源流部には光滝はじめたくさんの滝が懸かり、名勝となっている。

光滝
光滝下手、左岸に入る小滝
光滝下手の石川本流 キャンプ場近くの堰堤
光滝キャンプ場付近 滝畑ダム湖
滝畑第一隧道の南から見たダム堤体

■ 中流

石川 宮山橋から ダムを出た後は、府道216号河内長野かつらぎ線沿いに向きをやや北東に変え河内長野市日野地区を貫流、丘陵地にある新興住宅地に挟まれた形で平地に出てゆく。
左写真は河内長野市高向、宮山橋から上流を見たもの。この橋の両岸に「奥河内くろまろの郷」がある(植物園、産直などを含む複合施設)

国道310号諸越橋から 左は上流、右は下流望
南海高野線河内長野駅の東方

甌穴 天見川を受けるあたりから川は山間を出てゆく。
谷は深く、岸には岩盤が露出している個所も見られる。
このすぐ西には河内長野市街地が広がる。

 平地に出てからは徐々に流れを太くし、国道170号東高野街道と近鉄長野線沿いに北東流し、富田林市を貫流する。
中流以降には、川を幅いっぱいに堰き止める井堰が多数設けられるようになる。
石川の特徴のひとつ・広い高水敷も広がり出す。

富田林市横山 千代田橋から下流望
近鉄長野線汐ノ宮駅の東方
富田林市彼方−錦織東間・高橋から
近鉄長野線滝谷不動駅東方
千代田橋下の川面 高水敷に設けられた用水路

■ 下流

 富田林市を過ぎ羽曳野市にさしかかるあたりで石川は向きを北にとり、いよいよ流れを太くしてゆき、羽曳野市東部を貫流し藤井寺市と柏原市の境を北流する。この間にもいくつもの井堰が設けられている。
富田林あたりまでは、往時には舟運もあったと伝わる。

富田林市若松町東−河南町間堰堤 若松町堰堤脇の魚道
若松町堰堤脇から下流望 河南町一須賀の河川公園
羽曳野市大黒・大黒橋から上流望
橋は南阪奈道路
大黒(おぐろ)橋から下流望
先にある井堰のため水を湛える
玉手橋から下流望 玉手橋

■ 河口

 南河内地区東部を北上してきた石川は、柏原市石川町と藤井寺市船橋町の境で大和川左岸に流れ込んで流程を終える。
流れ込み先の大和川の右岸には築留堤防がそびえている。
江戸初期に大和川が付け替えられた時に築かれたもので、それ以前には石川を合わせた大和川は北に向かい中河内の野を乱流していた。

藤井寺市船橋町 左岸堤から  左上流、右下流望
左岸堤から東望 左岸堤 見上げ
河口 奥は大和川
左岸汀から
河口 手前は大和川
柏原市役所前の築留堤防から

瀬 河口近くの石川は、ふだんはごく浅い瀬を見せる。
左岸側には河川敷運動公園があり、右岸側にもグラウンドがある。
野球やサッカー以外にも、さまざまな目的でたくさんの人が河原に集まってくる。

 上写真は、2013年9月に来襲した台風18号により増水した石川最下流部。
右岸のグラウンド、左岸の遊歩道も水没しており、堤法面すれすれに水が来ている。
撮影は、ある程度水が引いた9月16日。

 上写真は、柏原市太平寺の山から石川河口を遠望したもの(南望)
奥から手前に流れてくるのが石川。


大黒橋■ 片足羽川

 片足羽川(かたしはがわ)は万葉の歌枕で、石川のこととも、石川が注ぐあたりの大和川のこととも言われる。
これに架かる「河内の大橋」をゆく若い娘の姿が情感たっぷりに詠まれた一首が残されている。
*写真の橋は大黒橋歩道橋

   河内の大橋を独り去く娘子を見る歌
 級照る 片足羽川のさ丹塗りの大橋の上ゆ
紅の赤裳裾引き 山藍もち 擂れる衣着てただ独り
い渡らす児は若草の夫かあるらむ 橿の実の独りか寝らむ
問はまくの欲しき我妹が 家の知らなく

    反歌
 大橋の頭に家あらば うらがなしく 独り行く児に宿貸さましを

     高橋虫麻呂歌集(万葉集巻9-1742-1743)

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