打滝川

淀川3次支流 ・流入先 〜白砂川木津川淀川 ☆淀川水系一級河川 訓:うちたきがわ ★別称・今川

 奈良県奈良市東部の山あいを流れ、京都府相楽郡笠置町で白砂川に注ぐ川。
奈良市別所町南部の山中に発し北流、国道369号沿いに高原地帯を流れ、笠置町笠置の市街地南方・笠置山(288m)の西方で、木津川に流入する直前の白砂川右岸に注ぐ。
一級河川の起点は奈良市別所町。

■ 上流 別所の里

奈良市別所町

 流れはじめの川は、谷地田の端を流下する。
川相は用水路状、処々に簡単な堰が設けられる。
流量はけっこうあり、堰上には砂を溜めている。

■ 中流 水間の里

奈良市水間町 水間橋から
左上流(南)、右下流(北)望

 水間(みま)の里は小盆地を成す。川は田の間を里川として流れてゆく。
この里は西へ行けば奈良、東へ行けば伊賀、南へ行けば都祁の高原、北へ行けば笠置という要衝にある。
奈良交通のバスはここが終点となり、バス溜まりがある。
川は北流し、ここから先柳生の里までは国道369号沿いに山中を流れる。

■ 中流の峡谷 大保

奈良市大保 国道369号沿いの渓流

 水間から大保(おおぼ)にかけては、道と谷しかない山あいとなる。
川はときに荒瀬となり、岩を噛む渓流も見られる。
道は三桁国道ならではの狭さで、大型車とは離合困難なところもある。

■ 中流 大保下尾羽

奈良市大保町下尾羽 欅橋から

 山間部を抜け、柳生の里へ入る手前では谷は明るく開け、川幅も広がる。
河床には大岩はなくなり、ゴロ石が散乱する程度となる。
水田のほか、茶畑も見られる。

■ 中流 柳生の里

柳生町・芳徳禅寺下
左上/正木道場下の坂から見下ろした里と川 橋はR369
右と左下/芳徳禅寺の山裾をめぐる川

柳生橋のレリーフ 時代劇ではお馴染みの柳生一族、その故郷が奈良の山奥の鄙びた里にある。
柳生の里は大河ドラマ「春の坂道」で一躍ブームを呼び、観光客で溢れかえったこともある。
柳生新陰流の創始者・柳生石宗斎や剣客・柳生十兵衛ゆかりの史跡が残され、橋には柳生家の家紋「二階笠」があしらわれている。
ドラマに因んだ銘酒を販ぐ店が今川畔にあり、店先では仕込み水をいただける。

家老屋敷 錦生醸造 酒造りの水

 柳生の里は小盆地となっていて、川はその中を蛇行する。
ここでは「今川」の称があるが、たいていの橋標には打滝川の名が書かれている。今川は奈良での称と思われる。
ここでものどかな里川ふうの川相で、処々に堰が設けられ田畑に配水されてゆく。
アマゴなどの渓流魚の放流も行われている。

柳生下町・錦生醸造前 左写真の川面
柳生江下町・柳生橋から下流望 草深い堤

■ 下流の峡谷  笠置山

笠置山添線 柳生の里を出た川は笠置へ向かう。柳生は高地にあり、道と川は笠置目指して下ってゆく。
左岸には笠置山(288m)が聳える。
九十九折れの山道に沿う川は峡谷を成し、大滝も懸かる荒瀬が続く。
河床には巨岩が転がり、水面は深く緑に覆われる。

笠置町笠置地区南部  4号笠置山添線沿いの渓流

大砂防 ようやく峡谷も終わるあたりには大きな砂防ダムが連続してある。
深い谷で、道からは水がなかなか拝めない。

■ 下流・河口  笠置の里

笠置町笠置  笠置寺下付近

河口 笠置山の西あたりが谷口となる。
川沿いには宅地も見え出し、川相は三面張りとなるが未だ急傾斜で、落差工が細かく設けられている。
このままの川相のまま、笠置の市街地の北で白砂川最下流部右岸に注いでゆく。
*左写真は河口部。左が打滝川、右が白砂川。

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