時代劇拝見日記 2005年12月

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2005/12/31

■ 大奥 華の乱 スペシャル「悲恋の果てに」2005.12.30CX

 出家後の安子が柳沢吉保の最期を看取る場で音羽によって語られる秘話、お話の軸は綱吉の館林時代。兄弟のように睦まじかった主従に入る亀裂、吉保の女と知らずに里久を所望してしまう綱吉。それでも必死に運命を受け入れようとした恋人たちに迷信深い桂昌院の放った刃が突き刺さり、涙は凝って憎悪に変じる。
 ロケ地、安子の尼寺、クレジットにある亀岡養源寺か。神田橋柳沢邸、大覚寺大門。江戸城イメージ、姫路城天守。館林藩邸、西本願寺大玄関(お伝が迎えられる式台玄関は聖護院書院玄関)。館林藩主時代の綱吉と柳沢が過ごす日常、遠乗りの浜は琵琶湖西岸松原、釣りの情景は岩浜か水制か。里久とデートの柳沢、真如堂三重塔前〜八幡掘堀端明治橋(お参りの宮?等不明。出勤の柳沢にお弁当を渡す里久は真如堂境内、門を入ってすぐの塔頭前)。お伝のもとへ綱吉を誘う役目を里久に依頼する柳沢、西の湖中島の葦原(このあと綱吉の意を受けるよう告げるシーンや、蜂須賀家から失踪した里久が自刃しようとするシーンもここ、駆けつける吉保が太鼓橋を渡る場面も。綱吉の示唆で蜂須賀家に向かう吉保のシーンでは新町浜も)。五代将軍として江戸城入りの綱吉ファミリーがくぐる門、姫路城菱の門。里久の死後、憎悪を滾らせた柳沢が綱吉を手に掛ける夢、姫路城西の丸。柳沢を看取って帰途に着く安子と音羽がゆく石段、粟生光明寺参道石段。
*里久は「安子」内山理奈の二役、「似ている」ことが柳沢にも綱吉にも衝撃を与えたという設定、綱吉が里久のことを吉保の前で語らぬようにしたことが誤解を呼び憎悪が増幅されてしまったという謎解きがなされる。このほか、本編で出てこない信子とお伝の「感情」の成立過程も描かれる。*蜂須賀家へ里久を迎えに行った吉保に失踪を告げる家士に福ちゃん。*美味でごじゃりますトリオは今回も登場、館林藩邸のお端下。
2005/12/30

■ 江戸を斬る VIII 第11話「命を賭けた御用旅」1994.4.11CAL

 両替商に押し入り大名の借用証をタテに逃げおおせようとする賊、お鈴親分がこやつらの人質になってしまい甲州街道を連れられてゆく。第七シリーズ「お京誘拐御用旅」とほぼ同じ筋立て、隠し金のある地の代官と目明しがグルなのも同じ。
 ロケ地、足を負傷した結城同心が駕籠で先発した片桐らを追う道、北嵯峨農地か。追いつく道の茶店、不明(道の向こうに甍)。いま一歩のところで逃げられてしまう渡し場、広沢池東岸。あとを追った結城らがお鈴の落としていった数珠玉を頼りに探し当てるももぬけのからのお堂、大覚寺五社明神本殿。金を馬に積み逃げる寸前の賊とやり合う小仏峠、酵素ダートと崖。
*賊・風魔の滝蔵に浜田晃、駒木野の目明しに江幡高志。福ちゃん二態、渡し場で帰せ戻せと騒ぐ地元民と、ラス立ちでの賊一味(お白州は後列)。*旅先までは来ないみたいで紫頭巾は無し、危機を救うのはお蘭。

■ 銭形平次 第74話「夜の口紅」1967.9.27フジ/東映

 毒矢で狙われたのは三島同心、警戒にもかかわらず殺られてしまう。死後明らかとなる彼の悪行、思い切り怪しい女の死で謎は深まってゆく。
 ロケ地、笹野さまの「お叱り」を受けて平次・万七・三島が連れ立って帰るさ、矢を射た者を追って出る夜道、広沢池岸か(道端に葦原)。三島が射殺されたあと曲者を追い夜釣りの紅屋らと出会う水辺、広沢池観音島(橋は木橋、山田五十鈴の映画で見た記憶あり)。土左ヱ門で見つかる芸者・お袖、広沢池岸か。三島の役宅を出たあと平次とお由が短筒で襲われる街角、相国寺湯屋前。偽の脅迫状を書いて紅屋らを呼び出す妙蓮寺釣鐘堂、相国寺鐘楼(虚無僧姿の親分が待っている)。多賀屋の死体はと虚無僧平次が指すやしろ、弁天社
*弓術を能くする芸者、矢羽についていた口紅の跡など、艶っぽい手がかりが前半を引っ張り面白い。三島の情婦・お由は波野久里子。ぼろんじに化ける親分、天蓋の中はちゃんと切り下げ髪。
2005/12/29

■ 銭形平次 第73話「首なし佛」1967.9.20フジ/東映

 江戸へ呼び戻されたお店者が忽然と消え、首無し死体が見つかる不気味な展開。仏はもう一体出て謎は深まるが、三好屋の後継を狙っての暗い企みがあらわとなる。
 ロケ地、幸吉が消える北品川の街道、北嵯峨農地。傍に蔵のある茶店は不明。首無し死体の出る玉垣下、不明(例の半ば傾いだ玉垣)。「幸吉」の葬儀が行われる宗念寺、不明(門を出た左手に鳥居)。もう一体の首無し死体が出る双葉神社、不明(遠景に大きな破風)。浪人たちが幸吉をダシに金をとろうとする寺、智積院密厳堂、幸吉を殺そうとする留吉、大師堂
*欲をかいて馬鹿を見る浪人二人も傑作、友人のほうに千葉敏郎。食い詰め浪人が持ち運ぶ首があっちへ行ったりこっちへ来たりのギャーな展開だが親分は平然、推理する顔がなんだか楽しそうにも見え、ラストは恋女房に種を取って貰った西瓜食べて熱々。

■ 江戸を斬る VIII 第10話「仇討志願の若旦那」1994.4.4CAL

 お柳が大恩ある高津屋から預かった勘当息子、クサりながらも棒手振りをはじめ更正しかけた矢先、父がライバルに暗殺されてしまう。無礼討ちを繕って高津屋を斬った大身旗本の冷や飯食いに、お柳も一緒になって白装束でかかってゆく仇討ちは芝居みたいな口上つき。
 ロケ地、どら息子を預かって気鬱のお柳がお参りの宮、上御霊神社本殿。ゴロツキ旗本が町娘に悪さをするところに介入の金さん、本殿脇・合祀摂社前。
*高津屋に佐竹明夫、ごろつき旗本に佐藤仁哉。
2005/12/28

■ 江戸を斬る VIII 第9話「桜吹雪の大芝居」1994.3.28CAL

 殿様をジャンキーに仕立て腰元を異国に売り飛ばす側用人、町方は手を出せぬ大名家への仕掛けは鶴亀先生が寛永寺の使僧に化けて乗り込み。佞臣が大目付名代の遠山奉行に屈したあと、つけたりっぽく悪徳商人を裁くお白州もあり。
 ロケ地、松平出雲守邸を脱け出した腰元が土左ヱ門で上がる水辺、罧原堤下河原。好色と噂の出雲守に望まれてお屋敷へ上がる娘が両親と無事を祈願してお参りの宮、梅宮大社(本殿、神苑門)
*側用人に和崎俊哉、配下に曽根晴美。藩士に福ちゃん・裃姿。*紫頭巾は金さんに先行して現れ、忠義の士である家老の娘を助ける。「会話」は「今夜はお転婆に借りを作ったようだな」。*色川と鳥居出ず、彼らのコントが無いとちょっと寂しい。

■ 銭形平次 第72話「五十両うら表」1967.9.13フジ/東映

 仏と言われた商家の主殺し、状況から容疑濃く追われる青年。しかし親分は現場で得た証拠を基に真実に迫ってゆく。関係者を集め謎解きの趣向、グルの面々を指弾の弁舌が爽やか。
 ロケ地、下総の権八の実家、不明(萱葺民家)。権八を追って下総へ向かう万七らがゆく街道、不明(北嵯峨か)。夜道で平次を待ち伏せて襲う浪人たち、下鴨神社河合社裏手。
*権八に峰蘭太郎、真面目なお店者とグレていた前身の二態を演じる。*八、お静の手作り饅頭をぱくばくやる食べっぷりが見事…コマ送りになっててぱぱぱっと大振りのお饅頭が消えてくんだけど、最終的に敷き紙もなくなってるんだよね…アレも食べたの?八っぁん。
2005/12/27

■ 江戸を斬る VIII 第8話「悪たれ婆さんの涙」1994.3.21CAL

 お奉行の母上様大活躍の一話、お話は昔泣く泣く乳飲み子を手放した母の哀話で、今は札付きの泣きバイに成り果てているおくま婆さんを主体に進む。淡島千景、「ビンちゃん」楠トシエのベテランが繰り広げる泣き笑い人情劇。
 ロケ地、息子の結婚を期してお参りの大奥様、今宮神社本殿。おくま婆さんの泣きバイは東門外。泣きバイをする理由を聞き出そうとする茶店、境内(背景に本殿、姿を見かけて寄ってくるお柳は東門内石橋たもと)。佐原屋殺しの下手人の腕にあった入墨のことを仲間の大工に聞くおくま、稲荷社前。その藤八のことを楢屋の材木置場で探っていて怪しまれ逃げ出す丁助、罧原堤下汀(待機の船頭はおゆき)。楢屋へ乗り込むと息巻くおくまを止める大奥様、今宮神社東門。一件落着後涙の母子再会、今宮神社東門内植え込み(泣きバイをやめて絵本売りの店を広げている)
*おくま婆さんが目撃した殺し、談合を拒否して消された被害者は息子を育ててくれた大恩ある佐原屋。息子の久太郎はひかる一平。ラス立ち福ちゃん入り、用心棒のセンセイ。*立ち回り中の紫頭巾と金さんの会話は「お転婆!」「お説教はあとで」。

■ 銭形平次 第71話「稲妻組御用」1967.9.6フジ/東映

 半月で五千両を盗り11人も殺した凶賊を召し捕る大捕物。親分は当りをつけて捕えた一人から巧みに情報を引き出し事に当るが、張り込みの八や万七たちは妙ちきりんな行動をとりワルにとっ捕まってしまうのだった。
 ロケ地、夜釣り船を出させて船頭をしていた一味の仙三を捕える平次、広沢池か。賊に捕まった八たちのくだり(「回想」シーンも同所で笑える)、後ろに見えている塀は「闇夜の目」などで出たところか。
*八と万七の手柄話が傑作、一目置かれている強面のお兄哥さんだったり、女たちにモテモテの大親分だったりと好き放題に為吉に大法螺を吹きまくり平次を助けてやったとぶつのだが、言ってるだけじゃなく「再現ドラマ」つき。二人が語るところの、なっさけない駆け出しで膝なんかガクブルの弱虫を大真面目に演じる橋蔵が抱腹もの。賊の首領・勘次に山本麒一、再現映像のならず者はこの勘次。彼によって実際のところが語られる仕掛けだが、こいつも自分の段ではちょこっと嘘をついてたり。

■ 河井継之助 〜駆け抜けた蒼龍〜 2005.12.27NTV

 幕末、時のうねりに翻弄される越後の小藩にあって舵取りを委ねられた風雲児は、不戦の意思をもって中立を保とうとするが果たせず、領地は焦土と化し民を泣かせる仕儀となり、自身は身に銃弾を受け志半ばにして散る。
 ロケ地、維新後の継サの墓、摩気神社境内。江戸遊学、師事する古賀塾・久敬舎、金戒光明寺永雲院。江戸・長岡藩邸、随心院薬医門。長岡を望む峠、谷山林道。長岡城下の河井邸、真如堂塔頭・覚円院(去来の寺)。長岡城廊下、亀山本徳寺か。友と論議のあと川で凍鶴のポーズをとる継サ、流れ橋下木津川。若殿の進講を断った息子に怒り意見する継サの父、河井邸座敷は建仁寺久昌院か。再びの江戸遊学に向かう継サが渡る雪の橋、流れ橋。山田方谷を訪ねるため街道をゆく継サ、琵琶湖岸。松代藩士・稲葉隼人と出会う雨宿りの門、摩気神社楼門。備中松山藩領(岡山県高梁市)・山田方谷開墾屋敷を訪ねる継サ、隼人が出迎える農地は山室堤下。夜、鍋を囲む方谷邸前、摩気民家裏手。長岡、郡奉行となった継サの初仕事となる松蔵の「処刑」、毘沙門堂薬医門下。藩政改革に乗り出す継サ、信濃川舟運における課税を撤廃し布告する浜、八幡掘新町浜。慶応三年、大政奉還前後のイメージの「二条城」、本物の東大手門内外と唐門。慶喜が京を退去して入る大坂城、本物の天守。鳥羽伏見の戦いに幕軍敗るを聞いた継サが駆け入る大坂城、姫路城はの門下坂。江戸へ引き上げる長岡藩兵、琵琶湖岸。江戸藩邸を清算し引き上げの際に届いたガトリング砲受け取りの庭、不明(門の内側)。長岡城下、夜道で刺客に遭う継サ、随心院土塀際。長岡城下、焼け出された小林虎三郎の寓居(原作では妻の実家)酵素民家セット。官軍の奥羽征伐はじまるなか進軍の会津藩兵、流れ橋。長岡藩境・雪峠で衝突する官軍と会津藩、不明。その戦いに参加すべく進発する長岡藩辺境軍を止めに来る継サ、酵素ダート。小千谷・西軍本営の慈眼寺、金戒光明寺三門。官軍への嘆願が不調に終わったあと上田藩陣屋に掛け合う継サ、随心院長屋門。事畢るを知り藩兵に号令する継サ、毘沙門堂薬医門下石段。榎峠の戦闘、井尻か。長岡城下へ砲撃を加える官軍が砲台を据える河原、不明。長岡城の攻防、彦根城天秤櫓・大手橋・観音台への橋等各所。傷を負い戸板に乗せられ八十里峠を越える継サ、谷山林道。会津藩領塩沢村、継サ終焉の地となる宿所、不明。
*圧倒的に足らぬ尺のなか詰め込んだ要素がいっぱいでめまぐるしい展開。継サの行動の要諦である陽明学に関する部分をばっさり切って捨てたのは賢明なのかも知れないが、なんとも惜しいというかハナっから無理だったか。病床の継サを訪ねてくる「医者」を松本良順でなく良運さんにして「おまえはよくやったよ」というエールを入れてあるのは○かも。良運さんちがサロンみたいに扱われてて、二人の会話が乏しいのはちょっと寂しい…それにしても火野正平はここんとこ坊主キャラばっかり。
2005/12/26

■ 江戸を斬る VIII 第7話「火炎地獄は悪の罠」1994.3.14CAL

 病を癒し当て物はピタリの世直し様が大評判、しかし裏の顔は賊の一味。江戸を売る際の陽動に、我が身を火に投じての荒行というおきまりのパターン。美女の世直し様は蜷川有紀、実は賊の首領の隠居に川合伸旺。
 オールセット、ロケ無し。
*大昔から使われてきたお話、第七シリーズでもやっていて世直し様が同じ蜷川有紀なのもご愛嬌。汚い老爺に化けて蔦屋にタレコミに来る川合氏も見もの。もちろん春川ますみは世直し様を盲信する。*紫頭巾と立ち回り中の会話は「フン余計なことを」「お叱言はあとでゆっくり」。鈴が超遠投っぽいのは気にしない。*占い師の爺さんに変装のお奉行、一瞬老公を見る思いがする。

■ 銭形平次 第70話「女の城」1967.8.30フジ/東映

 小料理屋の女中殺しは一筋縄でゆかぬ謎めいた展開、親分は散りばめられた証拠の裏を鋭く推理、真相に迫る。タイトルは女将が築き上げた店、身持ちのわるい亭主を庇う女心が泣かせる。その女将に亡き恋人を重ね合わせひそかに慕う浪人に小林勝彦、書を能くする剣の達人で静謐な役柄。
 オールセット、ロケ無し。
2005/12/25

■ 松平右近事件帳 第8話「夫婦のきずな」1982-1983日テレ/東映

 作事奉行と組んだ材木商が勝手なギルドを作り、良心的な老舗を締め出しにかかる。窮した夫のために女房は好色な奉行の申し出を受けるが、女はそれ以上生きていられなかった。
 ロケ地、武蔵屋の作った神田川の橋が何者かによって落とされた事故現場、広沢池東岸に折れた橋の端っこをあしらい。武蔵屋の女房に事情を聞こうとする右近ら、神光院本堂前。圧力に屈しギルドに入った武蔵屋が料亭から出てくるところを呼び止める右近、広沢池東岸に竹垣をあしらい料亭の入口に。放火による武蔵屋の火事の被災者が収容される寺、神光院中興堂前。作事奉行の意を受けたのち武蔵屋の女房が放心して佇む水辺、大覚寺有栖川(木戸付近、溢水口を前景に)
*武蔵屋に和田浩治、作事奉行に川辺久造、悪徳商人・上州屋に遠藤太津朗。

■ 遠山の金さん 第2話「迷路に追い込め!!」1975.10.9NET/東映

 仕官のため暗殺稼業に手を染める浪人、夫の所業に気付いた妻女は自ら殺しの現場に現れ身代りになろうとする。
 ロケ地、殺し屋・影法師追捕の失敗をお奉行に報告する堺同心、不明(向拝のおりた階、お堂)。苛めガキを散らす金さん、不明(短い石段)。ガキ大将に抜け道のことを尋ねる金さん、粟生光明寺石段か。秋月藩留守居役と会い次の仕事を指示される山名浪人、大覚寺観月台。一葉斎が流れてくる傘を見つける橋、中ノ島橋。秋月藩邸、不明(門、短いステップつき)。藩邸に忍んで聞いた情報を釣り中の金さんに報告のお竜、中ノ島橋下・水路の背割上。影法師は山名としたためた投げ文を縁台で昼寝中の金さんに持ってくる堺同心、真如堂茶所か。
*身を捨てて夫を庇う貞女に草笛光子、夫の行状に苦悩するさまや大立ち回りが見事。浪人は久富惟晴、留守居役と組む悪徳商人は神田隆。冒頭花川戸の新八とともに現れる捕り方に福ちゃん、ラス立ちの藩士にもいる。

・河井継之助をやるというのでわくわく待ちで「峠」と東洋文庫の「塵壺」を読み直し中。小山良運に正ちゃんと聞くが激しくイメージと違う…がしかし、締めくくりの言葉は彼によって語られるかもしれないのでやっぱり期待。どんなふうに「継サ」って呼ぶんだろうね。
2005/12/24

■ 橋蔵のやくざ判官 1962東映

 大川橋蔵の「遠山の金さん」、普段は町人・赤とんぼの文吉として深川の長屋に暮らし、美人芸者に惚れられたりしている。そこで起こる殺人事件、やってきた岡っ引をからかいつつきっちり調べ上げていたお奉行は、お白州で長屋衆一同に身分を明かし明快な推理を開陳してゆく。全般にコミカル要素のつよいお話で、橋蔵のかんかんのう踊りや軽口ポンポンの名口調が拝めたり。また、大勢の捕り方を相手に大路小路での立ち回り、お奉行に斬りかかった真犯人の与力を取り押えたりの見せ場もたっぷり。
羽織芸者に丘さとみ、強つくばりの家主に多々良純、酒肆のオヤジに進藤英太郎など。長屋衆には汐路章や和歌林三津江なども。監督はマキノ雅弘。撮影はオールセットでロケ無し。
2005/12/23

■ 江戸を斬る VIII 第6話「義賊を騙る悪い奴」1994.3.7CAL

 五年前に出た義賊の名での凶行は首領の隠し金を狙っての誘き出し、真相を察知した金四郎は江戸へ出てきた「義賊」と人質の妻子を保護、騙りのほうに全部の罪を着せて一件落着、親子を対面させて江戸払いの温情裁きを見せる。
 ロケ地、野ざらしの清五郎の子が父無し子と苛められている薬研堀不動、梅宮大社楼門(境内映り込み)。丁助の船の上で清五郎の妻子のことを話す金四郎ら、罧原堤下桂川(夕照はエフェクトか)。ラスト釣りのシーンも同所。
*かしらの名を騙る守宮の丹兵衛に苅谷俊介。ラス立ち紫頭巾登場、立ち回り中に「お転婆も程々にしろぃ」「ハイ」と会話。金四郎の釣り船に船頭として乗り込み鈴をチリーンなんていうシーンもありお柳一人やきもき。

■ 銭形平次 第69話「多喜之助は何処に」1967.8.23フジ/東映

 女掏摸と関わってお武家の騒動に首を突っ込む羽目になる親分、探りを入れるのに侍のなりをしてお屋敷に入ったり。騒ぎのもとは、その旗本が将軍家大事の際にと託された五万両だった。
 ロケ地、平次夫婦がお参りの宮、御香宮本殿。北村英三の易者が店を出しているのは本殿東側。子らに財布を持たせて建部の手下を誘い出す林、下鴨神社糺の森。女掏摸が建部の小者に財布を返すのは河合社裏手。易者が一味の浪人を尾行して凄まれる鐘楼、不明。建部邸と周辺の路地、不明(塔頭ふうの門、五本線入りの塀など)。建部の若様・多喜之助が監禁されている蔵、不明。五万両が埋めてある黒谷の池、大覚寺石仏(掘るのはここ、池に逃れる多喜之助や護摩堂をバックに立ち回りの親分など。北側に塀をセットか)。事後平次と多喜之助がやってくるほんとうの埋蔵場所、御香宮参道(埋めたままにしておこうと話す灯篭は摂社前、皆してご飯食べにと歩く道は参道を南向きに)
*建部家の後妻の弟・多喜之助の叔父に江見俊太郎。
2005/12/22

■ 江戸を斬る VIII 第5話「意外な目撃者」1994.2.28CAL

 殺しを目撃してしまう辻占売りの幼女、実は昼は蜆売り・夜は女装してバイトの孝行息子。しかも犯人はかつて彼の父をも殺めた男だった。
 ロケ地、材木商の元締・山城屋が殺される采女橋、中ノ島橋(河内屋に不利な書付入った財布は川ボチャ。翌朝蜆とりの一太が財布を見つけるのは橋下手の川中、金さんが橋上から声を掛ける)。財布の中をあらためる一太、今宮神社高倉前・灯籠脇。財布を隠すのは稲荷社(設定は初音稲荷、ラス立ちもここで)
*紫頭巾初登場回。衣装は丁助が用意。もちろん後でお奉行の雷が落ちるが、恐れ入ってるのはお柳だけ。蔦屋は紫頭巾が悪党をやっつけて遠山様に突き出したと瓦版に書いて煽りたてたり。紫ちゃんの立ち回りはごく短くあっさり、しかし太腿もあらわに走ってくるのはお約束。

■ 銭形平次 第68話「夫婦燈籠」1967.8.16フジ/東映

 若狭屋に出る幽霊。怪異を全く信じない親分は、長屋のおばさんたちの申し立てにきっちり不審を抱きからくりを解き明かす。
 ロケ地、両国の化物屋敷(お光がもと娘手踊りをしていた一座が商売替)豊国廟・太閤坦に小屋をセット(鳥居、神門、鐘楼が映り込む)。精霊流しの大川、セットかロケか不明。
*若狭屋親子に手ひどい仕打ちを受けた女を庇う長屋衆に小屋主が泣かせる一話。嘘ばっかりつくおばさんたちの申し状を考察するシーンの黒バックが笑える。立ち回りも捕物もない話で、そのことを八がぶちぶち言うのもおかしい。お静姐さんの「新仏を送らずに済んでよかった」発言がなかなかブラックで、もっとおかしい。

■ 大奥 華の乱 第10話「乱心」2005.12.22CX

 愛しい女を犠牲にしてまで得た野望は、思い詰めた女と自棄ぎみの男により間抜けなタイミングで潰え去る。ひとつの時代の区切りにそれぞれの秘めた思いが噴出、我が身を害し世を去る者、諍いの果て平安を見る者と運命は別れてゆく。
 ロケ地、江戸城イメージ、姫路城天守閣。染子の葬儀が行われる一橋の寺、右衛門佐が隆光に皮肉を言うお堂は大覚寺霊明殿。徳松の墓前で安子と話すお伝、二尊院墓地。安子が綱吉に柳沢の罷免を求める廊下、相国寺方丈か。綱吉の快癒を祝う宴が催される吹上の庭、姫路城西の丸。綱吉が安子を誘う茶室、彦根城玄宮園鳳翔台。落飾した安子が尼寺へ向かう野道、不明(盤嶽OPで出た道に似る…井尻?)
*孤閨を深く恨んでいた御台、終わり方凄すぎの火だるま→毒殺心中未遂。悪法発布は厭世観からだったトンデモ将軍、来世は誰にも迷惑にならぬお花に発言は意味深かも。間違って刺しちゃった展開は第一章の笛吹きみたい。
2005/12/21

■ 銭形平次 第67話「捕縄の誓い」1967.8.9フジ/東映

 執念の老目明し、凶賊を追って17年。しかし追捕の対象は娘の男、老人の手助けをする親分だが、後味は複雑なのであった。
 ロケ地、博打帰りの権兵衛に捕り縄をかける多吉、大沢池堤か(首に縄かかった権兵衛の背後は嵐山遠景か)。権兵衛の死体が見つかる汐留河岸、不明(高いめの堤と葦原)。多吉が隠れている船小屋、不明。二つの川辺は罧原堤付近と思われるが決め手なし。
*妻を亡くしたあと足を洗っていた元盗賊に牧冬吉。

■ 江戸を斬る VIII 第4話「恋人を殺された女」1994.2.21CAL

 大店の馬鹿息子が仕出かす殺し、親は幕閣を動かすほかヤクザを雇って揉み消しにかかる。恋人を亡くした娘と、現場を見たものの訳ありで名乗って出られぬ御新造と、哀しい女たちの心情を汲んだお奉行の名裁きが下る。
 オールセットでロケ無し。
*片桐同心熱血ばなし。お奉行の人情裁きは、夜鷹と知られたくない御新造のため、証人に重傷のチンピラを布団に乗せて持ってきたり。
2005/12/20

■ 銭形平次 第66話「闇に笑う男」1967.8.2フジ/東映

 平次に捕えられた賊の復讐譚、名声を地に墜とした上で捕縛された当の店を狙う執拗さ。親分への深い恨みを抱いて雌伏する男、彼が巻き込んでゆく人の運命を織り交ぜて進む話、最後は再会を果たせた恋人たちの笑顔で締める。
 ロケ地、元盗賊の闇の伊蔵が暮らす川端の乞食小屋、宇治川派流(導入は大倉記念館付近から)。明神さまでお百度を踏むお静、不明(上御霊か)。伊蔵の根岸寮への路地、不明(建仁寺か)。絶望して渦巻く川を見つめるお久美、不明(余水吐のような流れ)。蘭方医・北村洪庵邸、不明(塔頭の門か)
*伊蔵に見明凡太郎。

■ 江戸を斬る VIII 第3話「悪が群がる地獄島」1994.2.14CAL

 埋立地無法街もの。住民も顔を知らぬ元締、別天地を夢見て船を待つ男女と、おきまりのパターン。先走って潜入する町方がバレて簀巻き、金さんは刺青を見せてナカマ扱いなどのエピソードを入れてシリーズにうまく組み込んである。スラム描写はほぼセットとスタジオ、橋はあんまり強調されてない。住民にはお馴染の面々が怖い顔を作って多数登場。
 ロケ地、伊豆屋殺害犯を追うが橋下の船で逃げられてしまう、中ノ島橋。このあと対岸の弁天河岸の灯を見るシーンはスタジオ。河岸へ赴く鶴亀の船に潜り込んでいるおゆき、広沢池(船上、東岸寄り)
*赤不動の富造に織本順吉、ふだんの顔は小間物売りの老爺。手下に黒部進や小船秋夫など強面がいっぱい、福ちゃんもいて鋭く針を投げたり(役名は「越中」)。*おゆき、船頭のカッコして出てくる…魚屋でなくても太腿丸出しはお約束か。
2005/12/19

■ 銭形平次 第65話「秩父の姉妹」1967.7.26フジ/東映

 金貸し殺しは若旦那に取り入った矢場女の仕業で、勘当で目論みがフイになるのが動機とされ女も自白するが、親分が回り灯籠に擬えた如く見えぬ部分に真実は隠れていた。身の証が立ち晴れて帰宅するも女の命数は尽きていたという、親分も袖を絞る哀話。
 ロケ地、若旦那が万七にお房の犯行が信じられないと掻きくどく奉行所前、大覚寺明智門。大旦那の離れを辞したお房が番頭に呼び止められる川端、不明(水量の多い瀞)
*胸を病みつつ働き、命を賭して若旦那を庇おうとする健気なお房に松山容子。*対抗意識むき出しの三輪に勝負を挑まれ珍しく引き下がらないと言う親分、真犯人取り押さえてフフンとばかりコミカルに得意ぶってみせたりする。でも将棋はお民にも負けてたり。

■ 水戸黄門35 第11話「刀の鍔で結ばれた愛」2005.12.19TBS/東映

 舞台は肥後、殿様の若君の祝い鍔献上に横槍を入れる悪徳商人と欲深家老。もともと献上することに決まっていた名人が襲われ利き腕を負傷、息子に重責がかかるが彼は恋愛問題に悩んでいた。
 ロケ地、檜屋火宝の妻女を助ける街道筋、不明。火宝邸、民家長屋門(一部内部も)。火宝の息子が惚れ込んでいる娘の家(私設孤児院)民家傍に小屋セット(小川や農地も)。山吹屋の庭、不明。火宝が帰宅途中襲われる林、鳥居本八幡宮広場(夜)熊本城、本物。出立風景、アキと鬼若がいる水辺、大覚寺放生池源頭付近。
*火宝に中山仁、悪家老に小沢象。献上品選定の席上、呪いを込めたとの証言に怒って偽証者に駆け寄る尚之助を止める藩士に福ちゃん、もちろんラス立ちも。

■ 江戸を斬る VIII 第2話「遠山桜が悪を斬る」1994.2.7CAL

 御落胤は妹のほうと知れ、対面の席で悪企みが暴かれる運び。疑義ありとして対面を暫時とどめからくりを解いてゆく金四郎、老中もいるし将軍が次の間に控えているのに、証拠を出せと開き直るワルに「そうかいそうかい仕方ねぇ」と桜吹雪を開陳しちゃうから凄いというかトンデモというか。ワルのほうも、将軍に銃を向け道連れ本望とかブチ上げる菅貫など過激で傑作。そして肝心の御落胤・雪姫は市井に暮らすことを望み、お柳の娘という位置におさまるのだった。
 ロケ地、由比へ赴き姉妹の家の焼け跡で里人に経緯を聞く北町同心たち、酵素河川敷。詳細を知る老人のもとへ馬を走らせるシーンは酵素ダートを見上げて。老人が漁をしているところをつかまえる水辺、保津峡落合河口部。老人の回想、放火殺人を目撃し追われ落ちた崖、落下岩。水戸家を脱け出したゆきが千石屋の用心棒に襲われる路地、建仁寺久昌院前、両足院(塔頭から法華に扮した船宿衆が出てきて金さんに援護射撃)。江戸城は書割っぽい。
*1、2話ゲスト、「姉」の茜姫に芦川よしみ、後見役の由井典膳に亀石征一郎、実は海賊の千石屋に菅貫太郎、配下に宮口二郎。
2005/12/18

■ 松平右近事件帳 第7話「危うし!弥生局」1982-1983日テレ/東映

 宿下がり中の大奥女中殺し、秘密を知られたと思い込んだ中年寄と大目付狙いの情夫の仕業。お女中たちが弥生局の部屋子だったことから、右近が母と慕うお局さまにも魔手が伸びる。
 ロケ地、縁日で清太郎に手相を見て貰っているところを吹き矢で狙われるおその、神光院中興堂(吹き矢の主は宝筐印塔裏)。おそのの同僚の娘が土左ヱ門で上がる鎌倉河岸、大覚寺大沢池畔。梅吉がおそのを送ってゆく道、天神島朱橋(六部に襲撃されるのは天神島祠前)。弥生局を呼び出して部屋子の娘たちの件を告げる右近、枳殻邸遣水のほとり(笹舟を流し局に習った歌を口ずさむ)。身辺警護役としておさよと会わせるのは傍花閣脇。もう一人の部屋子が殺されて見つかる、大覚寺五社明神裏手。弥生局が代参の寺、駕籠が控えるのは仁和寺観音堂(背景に塔)。局の身を案じて駆けつけた右近が清太郎に局とおさよの拉致を告げられる、大覚寺参道石橋。中年寄・浦尾の愛人・鵜殿上総介が配下の秋山と密談の屋形船(梅吉の船宿で船を手配しバレバレ)広沢池東岸
*鵜殿に外山高士、登用を条件に彼に協力する忍者集団のヘッド・秋山に福ちゃん(基本スタイルは総髪の浪人ふう、六部や虚無僧にも化けて吹き矢も操る)。*酒肆みちくさの新企画・ボトルキープ、しかし右近のも清太郎のも梅吉に呑まれて目減り。右近のだけアクセサリ付きだったり。

■ 遠山の金さん 第1話「燃えろ桜吹雪」1975.10.2NET/東映

 放火して火事騒ぎの隙に盗みを働く般若党、裏には火盗改。死罪のところを火盗役人に救われ密偵をつとめる男は仕方なく偽証するが、金さんの言葉に改悛する。
 ロケ地、身辺に調査及ぶを勘付いた火盗改の中沢が賊と手切れを決心して出る屋敷、上賀茂・社家町
*密偵の弥太に寺田農、女房に岡田可愛。火盗改の中沢に川辺久造、実は賊の肥前屋に見明凡太郎、手下に志賀勝。
2005/12/17

■ 岡っ引どぶ 「京洛殺人事件」

 連続する公卿殺し、殿様に命じられ京行きのどぶ。そののちも起こる凄惨な事件、闇の勢力の狙いは殺生関白の隠し金だった。どぶと美姫との美味しい出会いもある。
 ロケ地、街道をゆくどぶ、谷山林道切り通し(両側が崖の部分)大覚寺大沢池北岸。京入りを示すシンボルに東寺(境内、講堂前付近で遠景に塔)。綾小路三位邸、不明(萱葺きの山門(?)、両翼は竹垣)。烏丸少将が死体で見つかる化野、化野念仏寺石仏群のなか・灯明あしらい。一条卿が白昼殺される縁日の宮さん、北野天満宮本殿裏手。五条継光邸、相国寺大光明寺(門、中仕切、石庭、方丈)。ポン引き少年に美姫・空蝉は五条卿の室・桜子と同一人物か聞くどぶ、大覚寺放生池堤。友禅の染師が殺されて見つかる河原、中ノ島橋と橋下の河川敷。染師が打掛を奉納する慣わしの瑞泉寺、神護寺(山門内側〜石段)。六道珍皇寺、門に古知谷阿弥陀寺山門。隠し金の井戸がある境内は酵素河川敷。江戸へ帰るどぶが休む茶店、谷山林道頂上付近
2005/12/16

■ 江戸を斬る VIII 第1話 1994.1.31CAL

 駿府からやって来た大御所の御落胤、しかし後見役からして思い切り怪しく、姫そのものもなんだかヘン。金四郎は水夫殺しの一件から関わってゆくが、烈公と公方さまからもダイレクトに調査依頼が来る。姉と一味の悪企みを聞いてしまった妹姫を保護した段で中ほど。
 ロケ地、茜姫が入る品川・東海寺、随心院薬医門。後見役の典膳を訪ねてきた千次がボコられ叩き出される、庫裏前〜長屋門。水戸屋敷へ妹姫・ゆきを預けて出てきた金さんが稲妻を見る塀際、建仁寺久昌院前路地。
*キャストはVIIから一部残しほぼ一新、引き継いで出ていても役は変更されていてそのままはお奉行のみ。登場人物の構成は第二シリーズ以降の諸作からつまんできた感じ。*船宿へ烈公を訪ねてやって来る将軍・家慶、お忍びとか言って豪華衣装着てる…山口崇の金キラ吉宗よりはマシだけど。*典膳の手下に福ちゃん、二宮さよ子の石つぶて食らって振り向いたアップがラブリー。

■ 銭形平次 第64話「花婿の死」1967.7.19フジ/東映

 富商の婿がね殺し、彼が通っていた水茶屋の女も死体で見つかる。それぞれの事件で怪しい奴には完璧なアリバイという難事件、しかし謎を見抜いた親分が打った芝居にワルはまんまと乗せられてしまう。
 ロケ地、縁日に店を出す易者に縁談を占ってもらう越後屋の娘、不明(今宮かごこんさんか)。三輪が捕縛した男の話をしながら検分に向かう平次と八、大覚寺大沢池堤。殺された婿がねを検めるのは池端。生臭坊主が住持する武州押上村の荒れ寺・善福寺、不明。寺から出てきた遊び人の伍市が消される林、下鴨神社河合社裏手。
*トリックは交換殺人、お話の半ばで謎はほぼ明確になる作りで、ウラをとってゆく経緯が丁寧に描かれる。*易者・竹林斉に北村英二。*押入れで死体見つけてそのまま気絶している為吉、ボロ乞食に化けて番頭誘き出しに一役買うお民、夫婦でコミカルに話の要所に噛んでくるのも面白い。
2005/12/15

■ 江戸を斬る VII 第30話「天下を救う名裁き」1987.8.17CAL

 金四郎の落ちた堀に血がどばー、の場面から再開。五分ほど周囲をやきもきさせた後、弥平次の報せであっさりと無事確認。このあとは、ヒヒ爺の水野から秀麗救出・烈公が御浜御殿で水野をやりこめ・トンズラ寸前の錣の利兵衛をとっちめてラス立ちという運び。
 ロケ地、千石屋の寮・松風庵、中山邸通用門。千石屋の荷を誰何する秋月、中ノ島橋。御浜御殿イメージの池の釣殿、不明(浜離宮恩賜公園にはこういうの無かった…修学院離宮クラスの庭か)
*ラスト二話のゲスト、水野越前守に岡田英次、千石屋と錣の利兵衛は小林昭二の二役(というか変装している同一人物、お白州でマスクべりべり剥がし)、大目付は外山高士、用心棒のリーダーに山本昌平。清国娘の秀麗はお竹の辻沢杏子が二役。*堀で血ゴボは腹を撃たれた傷らしいが、立ち回り等に気配ないのが笑える。*烈公、簡単なセンテンスだけど中国語をお喋りで教養を見せるが甘いもの隠匿の悪癖は治ってナイ。羊羹を鋭く嗅ぎ当てる用人役の中村錦司氏がけっこうスキ。

■ 銭形平次 第63話「化粧する女」1967.7.12フジ/東映

 阿片の出所は薬草園、そこでは主亡き後残された娘をめぐって門下生の鞘当て、遂に片方が落命する惨劇が出来する。器用に立ち回る口のうまい男に菅貫、馬鹿殿も好きだけどこの手の悪党をやらせたら最高。タイトルは薬草園の娘の化粧、愛しい男の枕辺で果てるための死化粧という哀れな挿話。女性心理についてお静にレクチャーを受ける親分が可愛い。
 ロケ地、千手百草園、民家長屋門(平次の動きを見つめる男が身を潜めている民家?は現在見当たらない)。薬草の畑、不明。二人の弟子と平次がやり取りの神社?不明(今宮か御香さんか)
*およう/長谷川季子、打越/菅貫太郎、おしま/松村康世

■ 大奥 華の乱 第9話「遺言」2005.12.15CX

 疑惑の衝撃に倒れた桂昌院は回復することなく逝去、黒い影を内包したまま過ぎる日々。愛情と悪意と悔恨とが錯綜し、外の風も入らぬ閉じた空間は腐ってゆく。
 ロケ地、江戸城に姫路城天守、西の丸。御台と大典侍が嫌味の応酬の廊下、不明。
*瀕死の年寄りの枕頭でイケズをかます御台「おーたーまー」は怖し。奈辺に感情があるのか判らない柳沢の染子殺しも鬼気迫る…後から泣くなら刺すなよの鬼畜ぶりが似合いまくる北村一輝はやっぱり巧い。末期の虚空に春日局見て会話してる桂昌院もコワい。
2005/12/14

■ 銭形平次 第62話「七夕の唄」1967.7.5フジ/東映

 回船問屋の娘の誘拐は、権高で憎さげな富商への復讐劇。真実を知った親分の怒りは激しい。立ち回りは富商に雇われたセンセイがたと、二丁十手が炸裂。
 ロケ地、脅迫状の指定場所・犬神の祠に張り込む三輪、大覚寺護摩堂。金を取りにやって来るチンピラの背後には石仏(囲い無し)。その場を逃げる怪しい願人坊主を追う平次たち、天神島への橋(色・形等確認できず)。坊主を見失った平次が物売り船の船頭・鶴松に話を聞く川端、心持ち傾いだ玉垣(何度も出たアレ)、不明(川端に枝垂れ柳を確認)。出島屋を追い返された平次が帰り道、鶴松が襲われている場に出くわす神社、不明(川端の傾いだ玉垣の「神社」と同じと思われる)。品川で殺された水主頭の墓を訪ねる平次、金戒光明寺本堂裏手(和尚に許可を得るシーン、蟇股から判断)と墓地。鶴松が三吉に七夕イベントを約束の河原、桂川か(粗い礫の河原、重機で均したような高水敷、堤に疎らな木)。鶴松の回想、始末される甚兵衛のイメージ、北嵯峨・陵前付近か。
*鶴松に里見浩太郎(郎の表記はママ)、チンピラ直次に宮土尚治(現・桜木健一)。

■ 江戸を斬る VII 第29話「血染めの遠山桜」1987.8.10CAL

 江戸入りの清国使節、見え隠れする黒い影。烈公の示唆で出張った金四郎(着流しの浪人)は、成り行きで仇討ち娘を保護することになる。使節団が八ッ山まで来た段、悪の首魁のもとへ乗り込んだ金四郎が狙撃され堀に落ちたところで中程。
 ロケ地、保土ヶ谷手前の街道をゆく使節団、酵素か北嵯峨か。砂金を持ち逃げした男が大山参りに偽装した一団に殺される野原、酵素河川敷降り口。船頭ふうの土左ヱ門を検分する北町同心ら、嵐山公園中州舳先付近。鈴ヶ森手前の街道筋、茶店で休む金四郎たち、酵素ダート広場(使節団が通りかかり、保護した若衆姿の娘が大目付を父の仇と斬りかかり→集団チャンバラ)。使節団が入る八ッ山・東海寺、妙顕寺(山門、境内)。千石屋のもとへ乗り込んだ金四郎が狙撃され落ちる堀、嵐山公園掘割(堀端に壁をセットしたか合成かは不明)
2005/12/13

■ 江戸を斬る VII 第28話「過去を秘めた女」1987.8.3CAL

 知られたくない過去をネタに恐喝、聞かねば殺すという悪辣な口入屋、裏には役人がいて犯科帳からネタを供給。加代を町で助けてくれた雨森の亡妻に似た女も、彼らに脅され続けていた。
 ロケ地、百本杭に上がった油問屋の内儀の検死、広沢池(西岸か)。付近で遺留品探しのお鈴らに声をかけるお京ら、渡月小橋(お京は橋上、お鈴は右岸河川敷)。内儀が脅迫者に金を渡していた深川の出合茶屋・伊勢花、望雲亭(後段、ワルの宴に乗り込むおとせのくだりの伊勢花はスタジオセット)。越後へ帰るおとせを見送る金さん、広沢池東岸に渡し場セット。
*口入屋に深江章喜、グルの同心に亀石征一郎、おとせ・しのぶ(雨森の亡妻)二役は佳那晃子。ラス立ちとお白州(後列)に福ちゃん(チンピラ)。

■ 銭形平次 第61話「岡っ引き殺し」1967.6.28フジ/東映

 仏と言われた目明しの殺害、三輪まで義憤にかられ奔走するなか平次が探り当てた真犯人は、いけしゃあしゃあと通夜に泣き葬儀に奔走していた善人面。ぱきっと怒った親分の凄絶な立ち回りが見もの。
 ロケ地、江戸川に上がる強請り屋の死体、桂川か(河原は礫、平次の背後に高い堤と並木が見える。松尾橋下手と思われるが見える部分少なすぎ)。強請り屋が仲間の浪人とツナギをとるつもりだった花園神社の杜、下鴨神社糺の森池跡(平次がやって来るシーンにはぼんぼりをあしらい)。町名主・藤造の江戸川べりの寮、中山邸(平次は塀にロープかけて侵入、捕り方は参道を北から殺到)
*ラス立ち、小柄を腕に受け投げ銭も失い額を裂かれ大苦戦の親分、危機に捕り方が駆けつけるが、逃げようとした首領格の浪人には十手をガツンとお見舞い。*町名主で浅吉親分の幼馴染の藤造に織本順吉。

*大河「元禄繚乱/華燭の典」に姫路城好古園発見。
2005/12/12

■ 江戸を斬る VII 第27話「復讐!姉弟蛇皮線」1987.7.27CAL

 阿片がらみの事件からずるずる出てくる悪事は、元長崎奉行と悪徳商人の仕業。彼らに罪を着せられた、阿片中毒になり妻を斬り殺して死んだ長崎奉行与力の遺児が登場、姉弟は琉球舞踊の芸人に化け仇を求める。
 ロケ地、阿片決めてるところを金さんに誰何された男が始末される大川端、広沢池東岸。元長崎奉行・田宮図書頭邸、大覚寺境内を塀越しに見るショット。阿蘭陀屋の人夫として潜入した金さんが聞く三線、屋形船で営業の姉弟は大沢池(龍頭の船)
*田宮図書に御木本伸介、手裏剣の使い手だったりドラゴンの刺青をしていたりするが、大ワルの割にはすぐ観念して白イカに乗り込まれた時点で陰腹。姉弟は蜷川有紀と四方堂亘。阿蘭陀屋の用心棒に福ちゃん、けっこう出番多し。「イカ」でもすぐに判別できる姿勢の良さが光る。

■ 銭形平次 第60話「帰って来た男」1967.6.21フジ/東映

 両替商に阿漕な取立てを食い傷害事件を起こした男、遠島になり赦免され帰るが、当の商人が殺され渦中に。わざとらしい証拠が島帰りの男に真っ黒けのなか、親分は関係者の人物をちゃんと見ているのだった。
 ロケ地、三宅島イメージの波濤、御赦免船の着く浜、不明。ほかはセットの模様。
*用心棒の浪人とやり合う親分、刃を避けてトンボ切る場面も。

■ 水戸黄門35 第10話「格さん切ない柳川慕情」2005.12.12TBS/東映

 夜は芸者・昼間は魚屋の染太郎に魂を奪われる格さんのお話、イカレ具合は筆洗っちゃった真っ黒のお茶を啜ってニタリと笑うほど。筋立ては虐げられた民を掬い上げる通常パターンだが、ゲンかつぎのひどい悪徳商人をからかったりしてコミカル要素強し。染太郎にも弟にも慕われる格さん、しかし彼は老公の傍を離れる考えは持っておらず、娘を傷つけない別れの言葉を探していたりするのだった。
 ロケ地、柳川手前の街道筋でお昼を使う一行、大覚寺放生池堤石橋たもと。「格」と名付けた犬を構う染太郎の弟と出会うアキら、放生池畔。染太郎の恩人・野島屋(ワルにハメられ欠所になった商人の一人)が余生を送る長命寺、西寿寺(山門)。染太郎と話す老公、大覚寺大沢池畔。柳川を発つ一行、格さんを待つ茶店は大沢池北辺水路際にあしらい。
*験かつぎの黒木屋が崇めている黄いろい大猫像が妙にポップ調で笑える。*福ちゃん二態、魚屋の染太郎にからむならず者と、ラス立ちの家士。

■ 世直し順庵!人情剣 第9話 2005.12.12テレ朝/東映

 順庵の患者もさらってゆく評判の女医、しかし彼女が処方する妙薬は麻薬で抜け荷の品。女を操るワルは今度も手の出ない相手で闇裁きとなる。女の父である医師は聖人だったが、それゆえに妻子を泣かせたという因果がドラマの要諦。
 ロケ地、長谷部さまが順庵に悪徳商人と組んだ役人の悪行を告げるお宮さん、上御霊神社高倉
*女医の妙薬はマンドラゴラという、トンデモ設定。ワルの手下に「田中さま」山内としおがいて仕置されるのも一興。ED部分に吉松親分の検分シーンがあり、何か気付いたっぽい含みを持たせてある。*サブタイトル、テレ朝サイト「医者に背を向けた女」/東映サイト「順庵最後の大仕事 奉行と悪徳商人の陰謀を暴け!」
2005/12/11

■ 松平右近事件帳 第6話「お店者無情」1982-1983日テレ/東映

 ほとんど社畜の両替商の番頭、主の悪事を知りつつ勤めてきたが、恋人の家がターゲットとなってしまう悲劇が出来、彼も知り過ぎたことで消されかかる←右近のお説教と介入で裏にいた普請奉行ともども一巻の終わり。
 ロケ地、釣りの右近らが土左ヱ門のお民の兄を発見する大川、広沢池東岸。事後、兄の墓前で和解するお民と幸吉(番頭)二尊院墓地(声を掛けず踵を返す右近らは三帝陵前を通る)
*両替商に浜田寅彦、番頭に河原崎健三、普請奉行に北原義郎、その手下に中田博久。ラス立ち福ちゃん入り(斬り込み隊長で一番乗り、羽織を変えたりして再登場)。
2005/12/10

■ 近江聖人 中江藤樹 2005 制作/滋賀県高島市

 日本における陽明学の祖・中江藤樹の生涯を、時系列に沿ってドラマ化。祖父の養子となり伊予大洲で加藤家に仕え、小川村に帰還し「知良致」の教えを広める過程を丁寧に描く。キャストも豪華で時代劇お馴染の面々が多数登場、主人公の藤樹先生に「助さん」原田龍二が配され、彼に師事する大洲藩士に「格さん」合田雅吏がいてちょっと水戸黄門テイスト。
 ロケ地、伊予大洲城、このほど復元された天守。城門からの眺めや石垣下に篝火を焚いての夜間撮影をはじめ肱川から見たアングルなど多用される。肱川の河原には茶店などあしらわれ、与右衛門が大洲を去る際の芋煮会などもある。城下の中江邸には、本物の藤樹邸跡の至徳堂の門が使われている。与右衛門が一時故郷に帰るくだり、高所から見た琵琶湖が映し出され、安曇川扇状地の畦道(脇のクリークがよい眺め)が回想シーンに、大洲へ帰る船が琵琶湖上にしつらえられる。家族への災いを避けるため一時京に身を置くくだり、京都イメージに東寺南塀を濠越しに。近江・小川村の風景はほぼ現地ロケ、仕入れにゆく酒屋は新旭町の酒屋(店名失念)、屋敷に藤樹神社藤樹書院、架橋のシーンは安曇川の谷口から少し下手の河原が使われた。大塩平八郎が墓所を訪ねるシーンは玉林寺の奥津城。
*大洲の殿様に伊吹吾郎、家老に長門裕之、偉いさんにはほかに大出俊も。脱藩した与右衛門に放たれる討手に野村将希。良佐に中野英雄、母に樫山文枝、小川村の名主に小倉一郎、弟子入りの熊沢蕃山に加藤大治郎。従者・七郎に福本清三、後段・小川村での登場が無いのが惜しい。
2005/12/9

■ 江戸を斬る VII 第26話「同心長屋に隠し妻」1987.7.20CAL

 怪しい深川の岡場所、両親の死後店を乗っ取られ苦界に落とされた姉妹。お話は、足抜きに失敗し大川に浮いていた姉を北町の若手同心が助けたことから始まる。その娘を秋月の組屋敷に匿ったことでドタバタあり、欲をかいた色川のダンナが赤っ恥というおきまりのパターンも。
 ロケ地、大川で船釣りの秋月と速水が葦原に浮いていたお柳を助ける、広沢池東岸。相模屋の駕籠を襲う太吉、梅宮大社神苑汀。用心棒らを撃退したあと金さんが太吉に話を聞くのは境内
*岡場所の女将や相模屋とつるむ地回り・神隠しの用心棒に福ちゃん、役名は「用心棒」とクレジット。金さんを誰何して捻り上げられたり、女郎を移動する差配もして、ラス立ちも大活躍。金さんが引っ込んで捕り方の段でも抵抗して雨森に締め上げられる。

■ 銭形平次 第59話「王手飛車角」1967.6.14フジ/東映

 何人もの娘がさらわれ、唯一の目撃者も子を人質にとられ口を噤むなか、犯人の行動に僅かな揺らぎを見て取る親分。タイトルは悪者の首魁とやり取りする台詞、ラストに八と将棋を指す段でも使われる。
 ロケ地、安蔵親子が下水口からの女の悲鳴を聞く掘割、不明(石垣の堀、土手上に神社の外囲いみたいな透垣)。丁子屋の娘が姿を消した四谷稲荷、吉田神社竹中稲荷(茶店の婆さんに話を聞くのは本殿前、舞殿脇に店をあしらい。境内風景に参道の重ね鳥居も。自分のせいで容疑者を取り逃がしたと落ち込む為吉がお祈りは本殿、背後に三叉の石畳が見える)
2005/12/8

■ 江戸を斬る VII 第25話「願い叶えた千両富」1987.7.13CAL

 生き別れの兄妹が巡りあうきっかけは富籤、掏摸の一味になっていた妹が当り籤入りの兄の財布を掏るという次第。妹を藤吉久美子、兄を桜木健一が演じ、掏摸集団の元締が小松方正で、手下に江幡高志や伊吹聡太朗と妙に豪華。伊吹聡太朗の黒イカがお奉行の白イカと対決するシーンもある。
 ロケ地、富突の行われる谷中・天王寺、仁和寺観音堂(詰め掛ける民衆の背後に御室桜林、参道や水場付近も使用)。ラスト、更正した女掏摸の「妹」を見届けた金さんとお京がゆく道、五重塔前路地
*富突きの当り番号読み上げに峰蘭太郎、賭場の中盆に小峰さん。

■ 銭形平次 第58話「あじさいの花」1967.6.7フジ/東映

 大筋は父が奪われた軸を取り戻そうとする姉妹の話、これに自分試しで市井に暮らす旗本の若様がからみ、結局は離れゆく男女の機微を描く。悪党は、近江八景コレクションを力ずくで蒐集し幕閣に献じて甘い汁を吸おうとするステレオタイプで、ならず者やセンセイ方をいっぱい飼っており立ち回りも派手なものに。
 ロケ地、奉行所から出てくる平次を迎えに出る八、大覚寺明智門。姉妹の妹がならず者に拉致されてゆく清洲の森、鳥居本八幡宮(立ち回りは広場、平次たちが来かかるシーンに鳥居下、夜間撮影)
*そろそろ出てくる三輪のギャグ、直次郎の新内を都々逸と言ってみたり、ラス立ちでは清吉と八に十手ではたかれ目を回し、最後はワルに取り付いた二人の上にどっかと跨りゆらゆら揺れてみせる。*タイトルの紫陽花は雨に濡れる花を縁側から見る平次夫婦の述懐、色変わりを人生に譬えてしみじみ。

■ 大奥 華の乱 第8話「お犬様」2005.12.8CX

 綱吉はなんとか回復、吉里ぎみが御子として迎えられ時が過ぎるが、めでたい宴の席で隠しようもない血の証が発覚する。タイトルにしては生犬不足の画面だが、老公ギフトの犬皮で早とちり女たちのうろたえギャグが炸裂。
 ロケ地、江戸城イメージに姫路城天守。染子と吉里ぎみの入城、二条城本丸櫓門。老公を訪ねる右衛門佐、水戸藩邸に随心院薬医門。お伝と大典侍が角突き合わす御廊下、清涼寺本堂裏の回廊(竹丸さがしで大騒ぎの段では大典侍が回廊の下で蜘蛛の巣引っ掛けシーンも)。右衛門佐が吉里の出生について忖度していることを柳沢に密告する御台、不明(池泉に張り出した釣台、向かいに丸窓開いた亭)。隠居した牧野成貞と擦れ違う「側用人筆頭」になり了せた柳沢、東福寺通天橋。将軍一家を招く柳沢邸、大覚寺大門
*お伝が脇息にかかっていた犬皮をわきわき触る手つきが絶妙。大典侍のは皮を犬の形にびろーんと広げてみせるのがたまらない。トリオが皮見て「竹丸?」も大笑い。諫言の犬の皮をこんなふうに扱った例は見たことないぞ。*「左利き」に気付く桂昌院のくだり、波紋が広がるように次々認識してゆく女たち、オマエらはニュータイプか。
2005/12/7

■ 江戸を斬る VII 第24話「倅は天下の町奉行」1987.7.6CAL

 第三シリーズで出てきたおばば様に似た老女が登場、息子の早世後ボケてしまい「遠山左衛尉景元の御母堂」と称し金を使いまくり。気の毒なのは若い嫁、払いのため仕方なくいかがわしい店の酌婦に。そしてきっちりヤクザがらみの馬鹿な事件に巻き込まれてしまうのだった。
 ロケ地、おばば様がヤクザに乗せられ派手に船遊び、大覚寺大沢池に屋形船。そのさまを見せ付けられる嫁、船着(小)。高額の請求書を突きつけられるのは聖天堂前。
*ヤクザは井上昭文、ヘタレの弟と組んで商家の主を殺害、嫁を陥れる。殺されたおっさんは金をタテに嫁に迫ったので同情の余地なかったりして。おばば様は養生所へとお奉行が手配するが、落ち着いただけで治ってない模様。嫁は大場久美子、おばば様は風見章子。

■ 銭形平次 第57話「盗賊の娘」1967.5.31フジ/東映

 大泥棒・ましらの島次の娘は、足を洗った仲間の弥市爺さんに育てられ娘となり祝言間近。しかし島次が弥市に託した嫁入り資金が仇となり、駿河屋を襲った賊は弥市とされてしまう。しかし親分は僅かな手掛かりを見逃さず、捜査の眼目は外れていなかった。
 ロケ地、駿河屋の裏口を調べる平次、木戸を開けて出た水辺は大覚寺大沢池(裏塀をあしらい)。駿河屋の番頭が怪しい六部とツナギをとるお宮さん、御香宮本殿裏手。古い調書を調べて奉行所を出てくる平次、大覚寺明智門。八がやってきて落ち合うのは参道石橋上。捕り方も出張るラス立ちはセットかロケか不明。
*嫁入り間近の娘に土田早苗、同年の「風」のかがりとは全く違う、か弱い町娘。島次は徳大寺伸、抜け荷の悪徳商人・駿河屋は市川男女之助。
2005/12/6

■ 江戸を斬る VII 第23話「鬼が狙った唐人形」1987.6.29CAL

 抜け荷で大儲けの回船問屋、幕閣への接待に阿片漬けの女を使い用済みになると異国へ売り飛ばし。その大川端の寮に女子供捕まりまくりのところへ白イカ出て成敗、桜は見せずお白州では証人は白頭巾の俺。
 ロケ地、加代が漁師の子と干潟へ取り残されてしまう大川端、広沢池東岸。阿片中毒の芸者が死体で見つかる汐留は同じく広沢池だがちょっとアングルを変えて。勘定奉行邸イメージ?に興正寺の甍(大屋根の連なり、使い回しか)。寮付近の湿地はスタジオセットで隠亡堀みたいな感じ。
*お竹とお京はモデル要員に回されるが、お鈴親分はガキと一緒に牢に転がされているのが笑える。

■ 暴れん坊将軍 V 第44話「春を呼んだ喧嘩そば!」1993-1994テレ朝/東映

 勘定所の役人と町娘の恋、しかし青年は汚職を暴く使命の危険さゆえに娘を遠ざける。娘がさらわれ証拠の印籠が要求されるが、このとき青年の心底を見た娘の父は単身ワルの待つ館へ乗り込んでゆく。このオヤジが品川隆二だから、べったべたの情話がしゃきんと収まる。痛風持ちの仕草なんかサイコー。
 ロケ地、おひさと父・市助が参る母の墓、亀岡の墓地か。帰り道に招じ入れられる浄円院の清涼庵、法然院山門。城内の庭のシーンは姫路城好古園・築山池泉の庭をいろんなアングルで。おひさに別れを切り出す佐々岡、梅宮大社神苑。人の恋路に介入の新さんがおひさと話すのは境内。老中に船手奉行の悪行を報告した佐々岡が帰途襲われるのは神苑・咲耶池の北。

■ 銭形平次 第56話「母娘流し」1967.5.24フジ/東映

 越後の杜氏たちが初夏になっても帰らず、案じた妻子が江戸へ出て八五郎に保護される。根強い捜査に加え、きまって現場に影のある不審な同心を親分は見逃さなかった。
 ロケ地、蔵前の造り酒屋を訪ねるも門前払いされた母子がとぼとぼゆく道、松本酒造前東高瀬川堤。ここは後段も何度も使われ、旧高瀬川側の堤法面も効果的に使われチャンバラも行われる。旧高瀬川には板は渡されていない。杜氏の一人が縊死体(偽装)で見つかる湯島天神裏、上賀茂神社渉渓園(背景に北神饌所の屋根)。杜氏と同じ様態で見つかる飾り職人の死体、「身投げ」の蔵前の川っぷちは渡月橋下か。堀田同心を決定的に怪しんだ平次が尾行する堀端、宇治川派流沿い・大倉記念館付近。贋金つくりのアジトの空き屋敷、不明(塀越しに方形のお堂、寺か)
*堀田同心に川合伸旺、全然スリムで激しい立ち回りもある。よりによってお町のダンナがやらかす悪事に親分の怒り炸裂、額に銭を受けてたらーり流血。*蕎麦代を払いあぐねている母子を助ける八が泣かせる。
2005/12/5

■ 江戸を斬る VII 第22話「襲われた御用金」1987.6.22CAL

 御用金強奪事件、女と病の母をネタに一味に引き入れられていたのは秋月の親友。金さんたちの活躍でワルは正体を現すものの、哀しい男女は騒ぎの中で命を落とす。
 ロケ地、天守は書割か。日光へ向けて御用金の行列がゆく街道(杉戸手前)桂川松尾橋下手右岸堤。幸手宿から取って返す秋月ら、嵐山公園堀端(見上げ)。杉戸宿はずれの川端に乗り捨てられている大八も堀端、賊は船で堀を上手へ去る。新川筋を調べる鶴吉が船を誰何、嵐峡船着。死んだと思った親友を見かける秋月、中ノ島橋(上下を使用)。千代と吉之助の墓、不明。墓参帰りの金さん、二尊院紅葉の馬場
*勘定奉行所筆頭与力に睦五朗、悪徳商人に戸浦六宏。情けない感じの勘定奉行に波田久夫(悪者に非ず)。

■ 暴れん坊将軍 V 第43話「天下を正した切腹訴状」1993-1994テレ朝/東映

 真っ正直な役人が汚職塗れの役人に追い詰められ、目安箱の前でハラキリ。国元から娘が父の仇を討ちにやって来て、女を武器にワルの暗殺を目論むが道半ばに斃れる。娘を看取り恨みの籠った簪を託された上様は、ワル一堂に会す座敷にそれを投げ込み成敗の嵐。
 ロケ地、高木武兵衛が切腹する評定所門前、大覚寺大門。江戸へやって来たお栄がならず者にからまれるのを助ける新さん、大沢池畔。お城の庭で報告を受けるシーンは嵐亭延命閣。お栄らの墓、黒谷か。
*お栄の請け人になったおさいは投獄されるが、辰五郎の差し入れで牢内でどんちゃん騒ぎ。牢名主になったりして、料亭の女将を酔わせ証言聞き出しなどもやる。*ラス立ち福ちゃん入り(家士)、才三にも斬られる。

■ 銭形平次 第55話「鬼女の琴」1967.5.17フジ/東映

 町人大名と称される分限者・島之内家で起きる騒動、もちろん財産がらみ。行く先を悲観した病弱な当主の失踪からはじまり謎めいた展開となるが、親分の目は怪しい奴を見抜いていた。
 ロケ地、当主の足取りを寺の住職に聞く平次、上賀茂神社北神饌所校倉越しに。一族集まって今後を協議の席から帰る「叔父」が文を渡される、勅使殿(平次が浪人に斬りかかられるのも同所)。叔父が呼び出され殺される別邸、不明(竹垣の料亭ふう門)。当主の死体が見つかる潮見橋たもと、上賀茂神社ならの小川(橋は簡素な木橋)。平次を襲う黒頭巾以下の浪人たち、糺の森か。
*珍しくワル一堂に会し上得意の座敷に乱入という図のラス立ち、親分は当主の能衣装で現れ、戦う得物は撞木を持ったまま十手と合わせ二丁で。*お静発言、平次は用向きの事は家で話さない…ホントっすか姐さん、ナンかべらべらほとんど全部喋ってるように見えるんだけど…。

■ 世直し順庵!人情剣 第8話 2005.12.5テレ朝/東映

 北町同心・榊原一馬の悲しい恋、ふと心通わせた女は人の囲い者。しかも「旦那」はどす黒い野望を隠しもせぬ男、いくたりもの人を泣かせたその悪鬼が女を手にかけしかも開き直るに及び、仕置の針がじゃきーん。
 ロケ地、おとせに「昔の女」である姉の話を聞く順庵、桂川罧原堰堤下手河原に茶店あしらい(投網の漁師も演出)。火盗改役宅、大覚寺明智門。仙吉の獄死後、みんな黒田が裏でと叫ぶおとせ、上賀茂神社ならの小川(背景に巫女が神事橋を渡る姿を演出)。仙吉とおよしの墓、不明。長谷部に犯行を指摘されるも開き直り却って脅しにかかる黒田、妙心寺法堂・方丈間回廊下。仕置される黒田と手下、随心院土塀際。おとせの墓、鳥居本八幡宮舞殿裏手(小柴垣をあしらい)
*火盗与力・黒田以蔵の手下に福ちゃん、共に押し込みもやる。*サブタイトル/テレ朝サイト「囲われた女」、東映サイト「悪党に囲われた女の涙…火盗改めの罠と陰謀を暴け」

■ 水戸黄門35 第9話「老公狙った百年の恨み」2005.12.5TBS/東映

 布袋との確執に決着がつく一話。船を襲った葵紋の謎解き、遂に野望を剥き出しにする飛竜などの要素を散りばめ、異人さんも出てくる派手な展開のすえ、恩讐の果て布袋の自爆。
 ロケ地、長崎の浜辺と街道、海津大崎付近か。異人の雲水を助けるアキら、およびお娟と対峙の桔梗、萬福寺境内の竜宮門や回廊。
*通常バージョンとは違う印籠出しは二度、河合甚兵衛の手下だった老爺にこそっと、あとは長崎奉行が出役し「怪しい奴」と決め付けるのにさっと出して身分証明。福ちゃん、この奉行についてくる役人。*それにしても?なのは飛竜の年齢、桔梗の父親を殺ったときアンタいくつよ。
2005/12/4

■ 松平右近事件帳 第5話「大当たり千両くじ」1982-1983日テレ/東映

 富籤に不正をはたらき貯めた財を謀反に使う怪僧と浪人たち、しかし大半の者は騙されていてトップの何人かは金を持っての高飛びを企んでいた。騙され浪人のなかに右近の長崎時代の友人がおり、志成らず果てる磊落な男を近藤洋介が演じる。見た目から怖い怪僧は南原宏治。
 ロケ地、怪僧・鉄山が住持し用心棒を多数飼う本覚寺、本法寺(仁王門、境内)。寺で富箱を見てカマをかけた帰りに襲われる右近、二尊院墓地の坂道。謀反を起こすという広瀬を諭す右近、紅葉の馬場。事後、指物師の父の墓に参る娘と右近ファミリー、大覚寺聖天堂前に卒塔婆あしらい。湯島天神へ富札を買いにと賑やかにゆく道は放生池堤
*福ちゃん浪人で登場、しかし焔硝蔵前で捕り方に制圧される側と、高飛び側の両方にいて笑える。浪人仲間には小峰さんや峰蘭太郎の姿も見える。

■ 花隠密  1983.4.22フジ/映像京都

 大御所・家斉の晩年、女漁りにもようやく飽いた暗君は花に凝り、諸家は競って名花を献上。中でも肥後の細川家と伊予の伊達家の菖蒲は優れており、二家のいずれが勝つか衆目を集めるが、この「花合戦」は大御所の伊達家への遺恨から、妙な方向へ曲がってゆく。
命を賭けた花を辱められた老人は腹を切り、その息子は父の汚名を雪ぐべく肥後へ。物語の過半は熊本で推移し、二人の女との奇縁が描かれる。「花隠密」は名花を入手し肥後を去るが、そのとき当初の目的は失われていた。
 ロケ地、献上花を確かめに広尾へ隠居した田吹弥兵衛のもとへ馬を駆る伊達の殿様、大内辻堂亀岡道(坂を走り降り辻堂前を南へ)。弥兵衛の白菖蒲を見る殿様、広沢池西岸(湿地に鉢植えを並べて)。江戸城イメージ、姫路城天守。女を多数侍らせ鯉に餌をやる大御所、二条城清流園。肥後菖蒲を絶賛し伊達の白菖蒲を嘲笑する大御所(観覧の席)相国寺方丈廊下。伊達藩上屋敷、相国寺林光院。屋敷を下がる田吹矢十郎に声を掛ける川原又兵衛(妹の婚約者)金戒光明寺長安院下坂。弥兵衛の葬儀の寺、粟生光明寺の堂。見知らぬ弔問客(武家女)を追い名を問う矢十郎、石段。熊本イメージ、阿蘇山熊本城。猛暑の候、熊本入りの矢十郎、本梅川若森廃橋を渡る。関所は酵素か。城下へ入る矢十郎、金戒光明寺長安院下坂・鐘楼石垣脇。熊本藩士・安藤の口利きで矢十郎が寄宿する法念寺、西明寺(本堂、境内、門)。黒髪村、村方横目付・永井邸、不明(雪景色)。天保12年春の江戸イメージ、桜満開の大覚寺大沢池堤。献上の肥後菖蒲の行列が発つ、摩気橋。矢十郎と草摘みの千代が通りかかる「妹」を見て怒気を発する川原、本梅川若森廃橋下河原。黒髪村の無縁墓地、不明(山の上、眼下に細長い盆地)。忍者姿で永井邸へ走る矢十郎、広沢池東岸。熊本城下へ入る虚無僧姿の伊達家から放たれた刺客、金戒光明寺永雲院下坂。矢十郎と対決の「虚無僧」たち、桂川(亀岡盆地)河原。白菖蒲を抱き肥後を去る矢十郎に「花盗っ人」と斬りかかる安藤、谷山林道か大内か。勝負あって当地を去る矢十郎がゆく街道筋、大内八木道
2005/12/3

■ 隠し剣 鬼の爪 山田洋次監督作品 2004.10.30松竹

 前後を柔らかで優しい恋物語で締めた、山田節海坂藩もの。迫り来る時の波を織り交ぜ、やがて過去のものとなりゆく士道を己の生きざまで体現する侍が、透き通った山河のなかで描かれる。後段を剣劇に使い、師匠から伝授された二通りの術が鮮やかに使われるさまが見もの。秘剣「鬼の爪」は腹黒さを恬として恥じぬ家老に使われ、殺られるのがかつて梅安を演じた緒形拳なのも楽しい。
 ロケ地、山形ロケがダイナミック。渡し場の轟と流れる大河に最上川赤川が使われ、芽吹きのヤナギが美しい。百姓を人質に立て籠もった弥市郎を討ちに赴く山道に羽黒山、ところの民家なども散見される。海坂藩城には姫路城彦根城を併せて使ってある。姫路城は各所が使われるが、行進の調練が行われる腹切丸脇の路地や、家老がふぅふぅ言いながら登る菱の門から内部にかけての登り道が印象的。彦根城は、さまになってきた歩兵隊のくだりで天秤櫓下を橋脚のみ映し込むシーンがよい風景。野に下った師匠・戸田寛斎の寓居は、丹波国分寺前に西岡善信氏の手になる凝ったセットを組んで撮られた。家は屋根が先っちょ映るくらいのアングルで、農道側に垣根を仕立てて撮ってあり、国分寺の鐘楼や大木がうまく背景として映り込んでいる。このセットはほんのちょっとの期間しか無かったが、残しておいて欲しかった気もするよい出来で、現場には西岡氏のスケッチも置いてあった。宗蔵がきえの実家にプロポーズしにやって来るくだりは摩気の里。妹夫婦が出立する片桐を見送るシーンに摩気橋(橋脚は映さず)、きえの実家は摩気橋たもとの民家を北から、園部川堤を田畔に見立てて求婚の場面に。
2005/12/2

■ 暴れん坊将軍 V 第42話「木枯しも泣く迷子石」1993-1994テレ朝/東映

 親身になって迷子を世話する職人、自身も捨て子という身の上で棄てられた因である高利貸しを憎むこと甚だしく、心理に付け込んだワルに操られ悪事の片棒を担いでしまうのだった。
 ロケ地、迷子石、仁和寺参道傍らにセット(向かいに重ね鳥居などあしらい、金堂や中門、塔が映り込む)。逃げ出した栄太が新さんにぶつかりコケる、九所明神。寺社奉行大検使と悪徳両替商が密談の門跡・青松院、常寂光寺仁王門。乱暴な借金取立てをしたヤクザが火盗改の北岡にツナギをとる茶店、仁和寺茶店。火盗の用をつとめる仙太郎を諌める新さん、上賀茂神社神事橋たもと。盗賊一味が約束の金をとる石灯籠、仁和寺九所明神の織部灯篭火袋。北岡が手先の岡っ引を始末する川端、中ノ島橋下に船を係留(斬られてドボン)
*大検使に江見俊太郎、カーン/断罪のあと「上様が代われば世も変わる」が笑わせる。福ちゃんいっぱい、口入屋のチンピラ、高利貸しの用心棒、ラス立ち侍と多彩で茜にも斬られてうわぉ。

■ 銭形平次 第54話「おんな牢」1967.5.10フジ/東映

 恩ある養父の冤罪を雪ごうとする娘に合力の親分、処分済みの事件で再吟味が難しいなか、たった一つの手掛かりをもとに真実を解いてゆく。娘をハメた悪党の中に生き別れの姉という図にも情を寄せる平次、でもやってることは三輪の尻拭いだったり。
 ロケ地、獄死したおみねの養父の墓、くろ谷か。実は姉だった悪党一味のお蓮の遠島をおみねに見送らせる浜辺、木津川下流部(堤の高さと流水・植生から判断。)
*お蓮のワル仲間の浪人に北原義郎、立ち回りの切っ先が鋭い。同じくグルのチンピラには江幡高志、小ずるい態度が満点。

■ 江戸を斬る VII 第21話「殺しの陰で嗤う奴」1987.6.15CAL

 とんでもないワルの阿漕な金貸し座頭を懲らしめる話、実は目明きで目を見開くとすげぇ怖い松の市に菅貫でほぼ独演会なのに、グルの悪役陣にお馴染の怖い顔がずらりでお腹一杯。
 ロケ地、浜町の叔父さんを見舞った帰り、お京が政吉と歩く夜道、嵐山公園中州料亭・錦前。身投げ大工を止めるのは中ノ島橋。町方に目をつけられたことで消された松の市の手下・権蔵の死体が見つかる河原、嵐山公園中州下手河原。借金のカタに内藤新宿の女郎屋に売り飛ばされた女を確保にゆく道で、馬で急ぐ松の市の用心棒に追い越される秋月同心、大覚寺大沢池堤。内情を探るため通り道で待ち構え松の市に借金を頼むお京、五社明神
*メインの菅貫のほか、凄腕の用心棒に山本昌平、つるむヤクザに藤岡重慶、賄賂をつかまされる寺社方に小沢象(今回はお色気接待を受けやに下がる場面のみで後段はナシ)。これだけ豪華な脇だけど、菅貫の憎さげな悪党ぶりに霞んでしまう。
2005/12/1

■ 暴れん坊将軍 V 第41話「対決!みちのく恋風剣法」1993-1994テレ朝/東映

 参勤交代の途中で旅費が尽きたりする金欠大名、しかし財政再建に邁進する勘定方をハメにかかる江戸家老がいた。上様、今回は商人・徳田屋に化けて千手宿に足止めを食っている弘前藩一行を救いに出張る。牢に入れられて「目から光線」でならず者をビビらせたり悪ノリまくり、田之倉のじいまで番頭・孫兵衛などと称して出てきたり。
 ロケ地、津軽土佐守の大名行列がゆく山道、谷山林道(国元から金を届けに来た使者が襲われる場面等にも使用)。弘前藩の行列が千手に足止めとの報告を聞く上様、姫路城好古園御屋敷の庭(背景に滝組)。道中奉行・望月主馬の回想、婚約者の千加にワルの一味と言われ拒否される弘前城下の街角、好古園茶の庭前路地(クレーンショット、遠景に姫路城)。千手宿はずれ、同士に紹介される千加、下鴨神社河合社(このあと主馬に詰め寄られ当身を食らうのは鳥居下、見張りの才三は向かいの三井社にいる)。事後、連れ立って国へ帰る主馬と千加、罧原堤下河原(茶店と馬あしらい)。二人が無事発ったと報告を受ける上様、姫路城好古園流れの平庭(曲水の橋上)
*狙われる勘定方に西沢利明、道中奉行に大橋吾郎、ワルの江戸家老と結託する幕閣に深江章喜。

■ 江戸を斬る VII 第20話「悲願叶えた遠山桜」1987.6.8CAL

 駆け付け御用を仰せつかり喜ぶ駒床だが、初のお勤めの際公用箱を奪われてしまう。その箱には、五年前の抜け荷事件の調書が入っていた。無実の罪で獄死した備前屋の名誉は名奉行によって回復される。
 ロケ地、オールセットで無し。
*備前屋を陥れた一味の元吟味与力の浪人に宮口二朗、駒床に浜田光夫、元備前屋番頭で遺児と共に仇討ちを画す老爺に垂水悟郎。ワルの首魁・志摩屋が集めるセンセイ方の一人に福ちゃん、でも立ち回りはなくて宮口二朗の背後でぼやけて映ってるだけ。*レギュラー陣では、北町奉行は切腹と悪態をつく色川が十手失くしかけたり、速水のダンナがひさごでお豆剥かされてたりのギャグあり。

■ 銭形平次 第53話「盗まれた爆薬」1967.5.3フジ/東映

 御先手組から奪った爆薬での土蔵破りが続くが、一味の真の狙いはもっと大きく、佐渡金山の水替え人足の恨みという要素まで加わっていた。
 ロケ地、佐渡から御用金を運ぶ一行が通る甲州街道(代田付近)湖南アルプス(詳細な特定はできず)。橋の爆破なんかもあり、狭い山道で大立ち回り。
*キャスト変更で三輪の親分は「遠藤辰雄」に。「判った!犯人は…」がさっそく出るが、まだ的外れのアレにはなっていない。

■ 大奥 華の乱 第7話「真の敵」2005.12.1CX

 度重なる不幸に萎え腐ってゆく「王」の心身、ありもせぬ霊験を求められた売僧の苦し紛れの思いつきは、希代の悪法となって発布される。懊悩の果て病を得る綱吉、王殺しの策謀がひそやかに「奥」で、汚い簒奪の企みが「表」で進んでゆく。
 ロケ地、江戸城イメージ、姫路城天守。話しながら殿中をゆく柳沢と隆光を見る安子、東福寺方丈廊下(柳沢らは通天橋)。釣りの綱吉が竹丸様(ダミアン犬)と出会う池端、大覚寺放生池堤(鴨はヒドリガモのエクリプス)。水戸の老公を訪ねる右衛門佐、随心院薬医門
*次期将軍を協議する席、柳沢の横に福ちゃん。後姿の首筋でもう判る。峰蘭太郎氏は成貞の隣。
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