2005年5月

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2005/5/31

■ 雪姫隠密道中記 第17話「命を賭けた韋駄天走り」1980/4-9毎日放送/東映

 舞台は赤阪宿、飛脚屋を潰して後釜に座ろうとする駕籠舁きの元締、代官と組んで悪企み。荒くれを使って仕事を妨害した挙句、認可返上を迫り「レース」で決着というよくある運びに。飛脚に勝つために、街道で健脚を見せた六を引っ張り込んでの陰謀は雪姫チームに阻まれる。
 ロケ地、赤阪宿へ向かう姫、谷山林道切り通し。六と駕籠舁きたちのトレーニング、罧原堤下河原。認可を賭けたレース・豊川稲荷奉納試合のコース、谷山林道本梅川若森廃橋大内辻堂(茶店セット)〜お札を貰う中間点の妙厳寺(不明、楼門と石段)谷山林道
*駕籠舁きたちに取り込まれる六、お千と喧嘩して意地を張る。レース中妨害工作の岩落としが六の足を傷つけてしまうハプニング→飛脚の森次晃嗣が走り屋同士の友情を示し肩組んで同時ゴールインで爽やかな青春ドラマになって笑える。*代官は江見俊太郎、按摩に化けた佐平次に顎はずされてあうあう状態。ギャグタッチの江見さんは珍しいかも。*荒くれ駕籠舁きの一人に小船秋夫、下品な赤褌がこれほど似合う人もいないと思う…いい体してるもんね。

■ 名奉行 遠山の金さん5 第4話「無実の罪に泣く女」1993/3-12テレ朝/東映

 金貸し殺しの濡れ衣で死罪確定の浪人、赤猫によるお解き放ちの間に真犯人を探る。彼をハメた旗本の若様ととりまきが仕掛けてくる妨害と、迫る出頭期限がドラマを作る。陰謀は、名家へ養子の口がかかった若様が借金をチャラにしようとする企み。
 ロケ地、八幡さまにお参りの金さんとお紺、上御霊神社(導入に楼門、金さんが鈴を揺らしているのは本殿、若様のとりまき連が茶屋女のお雪に無体し舞殿脇、お雪が牢役人に袖の下を渡すのは塀際)。金さんに島田浪人の無実を訴えるお雪、梅宮大社神苑汀。手傷を負った島田が船で辿りつく汀、不明。捕り方から身を隠す二人、中ノ島橋下中州岸。回向院へ出頭の島田、宝塔寺参道石段と楼門(夕景)
*島田浪人の恋人・お雪に杉田かおる。

■ 斬り抜ける 第6話「女が道を変えるとき」1974-1975朝日放送/松竹

 伝八郎に責められ口にしてしまった一言に加え様々な刺激、惑う菊の心。もう俊平と旅はできないと太一郎を連れて逃げ出す道で、菊は同じ思いを持つ女と出会う。
 ロケ地、若君派の泉藩士たちが待ち伏せに遭う山道、谷山林道切り通し。鋭三郎がテストを受ける泉藩徴士所、下鴨神社糺の森。俊平の留守に宿を出てしまう菊、両に並木の道は松尾橋下手堤か。歩けないとへたりこむ太一郎、大覚寺放生池堤。休むお堂、護摩堂(若君付きの女武道が太一郎をさらう)。弥吉がおしんにコナをかけて断られる道、北嵯峨農地陵前か。用心棒の仕事を終え再び三人となり歩む河原、桂川松尾橋上手・中州下合流点(右岸河原)
*女武道に弓恵子。

■ 暴れん坊将軍9 第35話「大岡越前失脚!?誘拐された恋女房」1998-1999ANB/東映

 忠相を失脚させ自分が南町奉行にと狙う悪党は作事奉行、実弟の材木商や縁戚の下僚と組んで鬼面の賊を演出・実行。仲間の捕縛で秘密が漏れるのを恐れた一味は、忠相の情を衝こうとしておぶんを誘拐する。
 ロケ地、忠相に辞任はダメと釘を刺す上様、二条城内濠端。芳しくない隼人の報告を受ける庭、清流園
*伏線もちゃんと引いてあるけど、おぶんが居所を知らせるため監禁場所から花火を打ち上げるというのは…無理ありすぎ。夜叉面の仲間のフリして囚人を逃がす上様、そのかっこのまま立ち回り、でも途中で通常スタイルにお色直し。
2005/5/30

■ 名奉行 大岡越前 第7話 2005.5.30テレ朝/東映

 荒れすさんでいた若い頃の越前を浮上させた女の一言、礼のしるしの大岡裁きは閻魔像に罪を着せて決着。息子を庇う母、馴染みの女将の難渋を見かねてぞろぞろと自首して出る常連のおっさんたち、講談というより落とし咄じみた展開をしっとりと描く。
 ロケ地、女将が入牢と知った酒肆の常連客たちが自訴を決める鎮守、鳥居本八幡宮
*常連の中に丹古母鬼馬二に西田良、悪役でないのは珍しい。同心の立川三貴も悪いことしないし。*酒肆・おかめの女将は池上季実子、若作りの場面もキレイ。

■ 水戸黄門34 第19話「浪花女は銭の神様」2005.5.30TBS/東映

 亭主に捨てられ歯を食いしばって生きてきた女、亭主を恨みつつそれでも彼が野垂れ死んだ三春で暮らす。よすがの地が藩重職と悪徳商人に蹂躙されるのに立ち上がる女に、老公の手が差し伸べられる。
 ロケ地、荷物背負っておしかのお供の老公、沢ノ池(導入は池尻から南望のショット、二人がゆく道は東岸のダート、近道は池尻付近の崖、藩侯の側室が野点は池堤の広場、汀も使われる)。おしかの亭主を弔った和尚の寺、西寿寺山門。
*おしかの亭主に面差し似ることからいけずをされる老公、薪割り姿に怒った千太は「このお方をどなたと」を最後までやってしまうが笑い飛ばされ。おしかは中村玉緒。*ラス立ち「ほんのちらっと」福ちゃん入り、格さんに張り倒され。

■ 雪姫隠密道中記 第16話「もっこ担いで悪退治」1980/4-9毎日放送/東映

 名古屋は佐屋代官領、用水工事に精を出す篤農家の代官が退けられワルが跋扈し民を泣かすのに介入の雪姫、危機にはちゃんと新之介が城代を連れてやってくる。
 ロケ地、木曽川を渡り佐屋街道をゆく雪姫たち、流れ橋(橋脚コンクリ部分、下に流れあり)。宮田用水普請場、不明。名古屋城天守、本物。城代に掛け合ったあと普請場へ馬を飛ばす新之介、木津堤
*賭場でカモられるお千たちに当りの目を教授の老婆、佐平次が化け。ぼこぼこのとんでもメイク。*福ちゃん二態、お千を剥きにかかるヤクザと、お城乗り込み・罷り通る新之介を制止する家士(裃)。

■ 暴れん坊将軍9 第34話「女お庭番の涙 怪盗夜がらすの正体は?」1998-1999ANB/東映

 世を騒がす賊の一味に元紀州家お庭番、彼らと親しかった皐月と隼人の苦悩が描かれる。賊と成り果てた理由が身内の横車と知った上様が差し伸べた手は、今一歩で届かず悲劇となる。
 ロケ地、掏摸を締め上げた隼人、被害者が旧知の紀州家お庭番仲間のおゆうと知る、仁和寺観音堂脇。おゆうの夫で同じく紀州家お庭番だった才蔵と歩き話の皐月、今宮神社東門〜境内。吉宗の後を継いだ紀州候に言い寄られ逃げるおゆうと才蔵、保津峡落合河口(渡渉)御室八十八ヶ所御堂(おゆう流産)酵素河川敷(おゆうの治療費のため普請場で働く才蔵)。上様が夜鴉の仁兵衛の手配書を見て才蔵の働く淀屋と確認、二条城清流園。隼人と皐月が才蔵を説得の宮、今宮神社合祀摂社前。才蔵の墓、沢ノ池東岸汀。
*元お庭番が恩人と仰ぐ盗賊は北町奉行に上がりを掠められている設定、掟を守る筋目正しい賊で逃亡のおり同心を殺めたことで嫌気がさす運び。*冒頭、夜鴉一味の庭番に殺される同心付きの岡っ引・佃の喜八に福ちゃん、呼子吹いて可愛い。

■ 名奉行 遠山の金さん5 第3話「狙われた女盗賊」1993/3-12テレ朝/東映

 本格のお盗めの盗賊が、畜生働きの賊に魅入られる話。娘をタテにとられ協力するも、凶行を阻もうとして斃れた老盗を悼むお奉行は、お白州で娘に遺骨を渡してやり温情判決。
 ロケ地、凶賊にハメられ網に絡めとられる老盗の娘、大覚寺天神島(凶賊アジト近く、設定は御朱引きの外)
*霧の由兵衛が賊となったきっかけの事件、由兵衛の女房に迫り揉み合いのすえ包丁でぐっさりの地役人に福ちゃん、台詞は「よいではないか生娘でもあるまいに」…。
2005/5/29

■ 新必殺仕事人 第43話「主水表の仕事に熱中する」1982.4.2ABC/松竹

 妾を幾人も抱える越後屋、病の女房も承知のはずのその妾が二人まで殺される。本妻の箱枕から凶器が出て捕縛に至るが、殺しの真犯人は主でも女房でもなく乗っ取りの陰謀だった。依頼は出されないが、入牢後すぐ獄死した本妻から主水が預かった櫛が仕事料となる。
 ロケ地、妾二人と本妻の死を受けて贖罪の旅に出る越後屋が密殺される街道、桂川松尾橋下手右岸堤
2005/5/28

■ 長七郎江戸日記3 第16話「雪女は恋に死ぬ」1991.2.12NTV/東映

 弓を射掛けられ負傷した長さんを助けた、自分を雪女という謎めいた女には哀しい身の上があった。彼女は捕えられた父のため暗殺を繰り返しており長さんを射たのは誤認、しかし始末すべき対象の長さんに恋してしまい手に掛けられず、これが命とりとなる。
 ロケ地、霊媒師姿のお雪が里人に行き会う道、大覚寺大沢池堤(天神島の北)。父に言い渡された恋は御法度の言葉を胸に根岸の小屋へ帰るお雪、放生池堤(夕景)。お雪が長さんを呼び出す本所駒留橋近くの堂、大日堂。長さんに会えず四件目の暗殺にかかるお雪、ターゲットが出てくるのは有栖川畔・五社明神裏手。このあと父との戦闘も同所。駆けつける長さんは大沢池北西畔。
2005/5/27

■ 名奉行 遠山の金さん5 第2話「お婆ちゃんは見た」1993/3-12テレ朝/東映

 息子の死後ちょっとボケ入った金貸しの婆さんが賊の下っ端をわが子と誤認、ここから巻き起こる泣き笑い人情劇。賊の首領は和崎俊哉で、「ご政道が悪い」理論を以前処刑された兄から継ぐ。引き回しの際政道批判をがなりたてたその兄は宮口二郎で凶悪。
 ロケ地、お参りの葉隠同心がお杉婆さんに返却を迫られる、上御霊神社本殿。追っかけて転んだのを介抱してやる金さん、参道。賊のアジトであると同時に婆さんの金の隠し場所の破れ寺・下谷瑞巌寺、不明。婆さんのおかげで助かったと調子をこく「とびっちょの銀次」、上賀茂神社ならの小川神事橋

■ 徳川武芸帳 柳生三代の剣  1993.1.2TX/松竹
  第一部 天下分け目の関ヶ原 その一

 又右衛門が本能寺ノ変で伊賀越えの家康を助け印籠を貰い、青年となった宗矩が関ヶ原前夜に参陣するまで。幼い又右衛門はナイーブなヒューマニスト、父・石州斎は剣客として不適切な性格として厳しく接するという設定。どうもこの、宗矩という人物に関しては隆慶一郎の影響か極悪な印象があるので、「人を殺したくないんです」などの台詞にココロの中でくすくす笑いながらの視聴。
 ロケ地、柳生の里説明のくだりはみんな本物、菩提寺や家老屋敷など見どころはだいたいカバーしてあり観光ガイドふう。柳生屋形、酵素河川敷に門をセット、小川を効果的に映す(後段ナイトシーンもあり)。女たちが洗濯の川、天神川(若布谷流れ込み下)。忍びの子らと魚を獲る又右衛門、清滝か。石州斎が又右衛門に稽古をつける河原、保津峡落合河口汀。山崎合戦に参戦する前夜、又右衛門を呼びに来る母、高山寺参道(導入は水路から、樹木越しに参道の石畳が映る)。柳生の里を出て出陣の峠、谷山林道両側切り通しの山道(落武者となって帰還のシーンも同所、現国道369号)。山崎合戦、筒井順慶に従い明智方に投ずるも孤立してしまう柳生一行、流れ橋下河原。関ヶ原合戦前夜、島左近に従い柳生へ来た風魔のお藤が宗矩をからかう坂、高山寺参道。宗矩が柘植の木猿とともに赴く家康の本陣、粟生光明寺山門。家康を襲った風魔衆を討ち果たしたあと、秀忠軍の偵察を命じられ信州さして東山道をゆく宗矩と木猿、馬を飛ばす道は山室堤道(堤外地から)木津堤(馬を捨てる)山室堤道(堤内地から)

■ 雪姫隠密道中記 第15話「焼蛤剣法の助太刀」1980/4-9毎日放送/東映

 舞台は桑名、名物の焼蛤屋の若旦那が下手の横好きで剣術狂い、食い扶持目当ての取り巻きがおだて上げて勘違いの舞い上がり。二親の嘆きを見た雪姫は、更正させようと長逗留を決め込むのだった。若旦那は拾った仇持ち娘に岡惚れ、でも当の仇は彼の師匠の下で師範代をしていたり。スラップスティックな展開を、若旦那を演じる松山英太郎が落語ノリでぐいぐいと引っ張る。
 ロケ地、「道場破り」に来た新之介と話す姫、古びた神社、大内神社(巨杉も映る)。桑名を発つお千らがゆく道、大内辻堂周辺。
*仇の浪人は亀石征一郎。*若旦那の道場にたむろする浪人が酒肆でタダ呑みしようとしてお千に財布を掏られるくだり、客に福ちゃん。焼蛤が来たのににっこり、六が大騒ぎするさまを見てきょろきょろ首を振るなどなかなか目立っている。*中村敦夫不在回。

■ 暴れん坊将軍9 第33話「辻斬り必殺剣の秘密!?幻の御前試合」1998-1999ANB/東映

 四年前の御前試合の決勝で負けた男、運命は坂を転げ落ち浪々の果て辻斬りに成り果てるも夢見た再びの栄光は、奸計に絡めとられ儚く散る。藩を退転するに至った上意討ちそのものが江戸家老のどら息子の穴埋めで、以降その手助けをしているに過ぎないのであった。上様が剣士を憐れみ死の際に掛けた言葉は、彼に幻の御前試合を見せてやることになる。
 ロケ地、因業金貸しを「天誅」の現場に居合わせた忠相が柳瀬と刃を交える、随心院土塀。四年前の御前試合の回想、二条城二の丸広場。柳瀬が「公金使い込み」の同僚を討つ、妙心寺涅槃堂前路地。柳瀬が御前試合で負けた大石の屋敷、衡梅院門。大石の妻女が柳瀬に負けてくれるよう頼み込む、仁和寺九所明神。御前試合の場で大石の妻子がフラッシュバックし隙を見せてしまう柳瀬、妻子のゆく小径は仁和寺金堂を背景の坂。事後、庭を逍遥の上様トリオ、二条城清流園
*今回の「カーン」は変則、江戸家老親子にたばかられ膾となって倒れている柳瀬を抱き起こして「余の顔見忘れたか」。柳瀬の脳内で「カーン」が鳴って、死の際にある彼は御前試合の勝者が与えられる、上様との立会いを幻視して眠りにつくという趣向。*柳瀬浪人をしゃぶり尽くす家老の馬鹿息子に草川祐馬、恰幅の良さが凶悪なお坊ちゃまにぴったりの得難い素材と見受ける。

■ 雲霧DVDボックス来着 トールサイズなのは嫌だねぇ…冊子も入ってないしアレだけど、とりあえずキレイな映像が見られて○。三万以下ならほぼ絶対「買い」だよと思うけど、しかし買うとなかなか見ないのは何の法則なのかしら。因みに、個々の背表紙は全部おかしらだった…ってまだ開けもせず眺めてるだけ。
2005/5/26

■ 名奉行 遠山の金さん5 第1話「桜吹雪が泣いた!」1993/3-12テレ朝/東映

 新シリーズ、お紺復活で桜湯新装開店、覗きは葉隠と二八がつとめる。楠同心は見習いから定回りに。
 老中と組んだ悪徳商人が問屋組合を廃し儲けを一手にとはかり、邪魔な勘定奉行を芝居小屋で焼き殺すという荒技に。夜間興行を認めたことで遠山奉行は謹慎、市中で探索の金さんにも魔手が伸びるが、刺客はお奉行のかつての親友で金四郎を恨んでいた。
 ロケ地、江戸城イメージに姫路城天守。謹慎を食らったお奉行が堀田摂津守と下城の坂、知恩院黒門道。笹木辰之進が回船問屋衆や南町筆頭与力たちと密談の屋形船、嵐山公園中州岸に係留。南町奉行所、大覚寺明智門。綾乃を賭けて辰之進と金四郎が決闘の野原、不明。綾乃が養生所を抜け出してお百度の宮、月読神社本殿。お奉行を密殺するよう命じられる辰之進、中山邸通用門(いずこかの寮設定か)。辰之進が金四郎の身代りでゆく谷中月心寺、不明(湾曲した渡廊あり)
*辰之進に裁きを下す段、綾乃も呼んであるのに友は蔭腹、混乱したお奉行が綾乃に吐く迷台詞「そなたの目を治そうとして慣れぬ火薬で爆発事故に」…。*筆頭与力に内田勝正、勘定奉行焼き殺しの渡り中間に江幡高志、親友は布施明。ラス立ちとお白州に福ちゃん。

■ 雪姫隠密道中記 第14話「父恋し母子唄」1980/4-9毎日放送/東映

 伊勢入りの一行、門前町で冥加金を搾り取る一味をシメ上げる。山田奉行配下の神領地支配元締と地回りに雇われた凄腕の用心棒が、消息の知れぬ父を求めて旅してきた母子の求める当の相手で、涙の再会ばなしもあり。
 ロケ地、盲いた女が弾き語りをする宮川の石橋、日吉大社大宮橋(ラス立ちの呼び出し場所もここ)。再会を果たした親子らに見送られ伊勢を発つ一行、走井橋。新之介にぷんぷんの源八郎が姫を引っ張ってゆく、西本宮参道
*仕官の夢破れ地回りの用心棒に成り果てている父に藤巻潤、妻に新藤恵美。ラス立ち福ちゃん入り(ヤクザ)。

■ 必殺剣劇人 第3話「むふふ、バカめ!」1987.8.21ABC/松竹

 お七の身の軽さを見込んで誘ったチンピラは、ど素人の癖に金座へ侵入、そこで青年は職人から、不正を訴える訴状と証拠の水増し小判を託されてしまう。お七に諭され小判を「返し」に行った青年が殺され、お歌が職人から受けた願いも揃い、正義の味方は発動する。
 ロケ地、金座役人に顔を見られ、手配書の回った仙太郎を助けた松坊主が衣を干す海浜、琵琶湖西岸松原
*お七の性教育に悩んだり、隠し金が見つかりそうになったり、どたばたルーティンも楽し。ラス立ちでは梯子・大八・投網と、捕り方の繰り出す手を掻いくぐり見得を切るのが泣かせる。

■ 暴れん坊将軍9 第32話「母なればこそ 椿の花は知っていた」1998-1999ANB/東映

 寺社奉行大検使と凶賊が組んでの悪事、押し込み先の絵図面目当てで一味に引き込まれた大工の青年の悲劇を描く。
 ロケ地、大検使にナシを通したあと賊のアジトに踏み込むももぬけの殻、大覚寺聖天堂(外観のみ、すぐセットにスイッチ)。大工の清次が恋人の芸者に別れを切り出される、梅宮大社神苑(後段、清次の母が「椿」を切っているのも同所の中島)。清次の母・お浜が息子の不在を繕うためお凛をたばかる二本松の絵馬堂、大覚寺五社明神舞殿(扉と壁をデコレーション)。15年前大川で溺れたお浜を助けた凶賊・おぼろの藤兵衛、大沢池か。事後、出家したお浜と話す新さん、二尊院紅葉の馬場。清次の墓、二尊院墓地
*グレた息子を手にかける悲劇の母に松原智恵子。*福ちゃん二態、藤兵衛一味の賊と、ラス立ちの家士。
2005/5/25

■ 雪姫隠密道中記 第13話「忍びの里の復讐鬼」1980/4-9毎日放送/東映

 伊賀越えルートをとる雪姫、檜垣鉄心が忍者たちを騙して姫を捕え大騒動。佐平次のことは公儀隠密とつるみ忍びの技を盗みに使う裏切者と吹き込む…ってこれホントじゃん。
 ロケ地、奈良街道をゆく姫が渡る橋、流れ橋(伊賀へ八里と道標あしらい、木津町あたりか)。伊賀イメージに美山民家群上野城天守。島ヶ原のおかしら・香月甚太夫邸、不明(萱葺の大きな門とスロープ)。佐平次の薬草仕入れ先である弥惣次宅、民家門。一連の伊賀の里のシーン、谷山林道鳥居本八幡宮清滝川などを使用。雨宿りの姫がさらわれる神社、不明。姫の声色でたばかられる源八郎のくだり、保津峡落合トンネルと落下岩(トラップで落とされ崖の木に引っかかり)

■ 名奉行 遠山の金さん4 第26話「ニセ鼠小僧が覗いた完全犯罪」1991-1992テレ朝/東映

 講談で鼠小僧の話を聞いた若者は義賊に憧れ、とりあえず金持ちの家に入ってみると殺人を目撃。公共工事に関するキナくさい動きに関わってゆくことになる。
 ロケ地、材木商・木曽屋の深川寮、中山邸(通用門、参道、門)。寮で殺された男が土左ヱ門で上がる大川、広沢池東岸。死体を見てビビった青年が相談に駆けつける、恋人の勤める茶店、松尾大社楼門前。江戸城イメージ、姫路城天守。堀田摂津守にツナギをとる金さん、下鴨神社参道石橋に腰掛け。その後堀田に放たれる刺客、河合社(葉隠同心たちが参道からチャンバラを目撃し呼子を吹く)
*金さん乗り込みはくるみ投げでなく、隠した小判を振り撒いて天井から。普請奉行、お白州でグルの商人を指して極刑にと席を立ちかけ「こらぁ待ちな」で桜吹雪、誰も「金さん」を請求していない珍しい展開。

■ 暴れん坊将軍9 第31話「頑固爺いが一目惚れ!襲われた蛇の目傘の女」1998-1999ANB/東映

 幕閣が八人も暗殺される事態、じいも襲われる。空いたポストを売る、若年寄・目付・奥祐筆がタッグを組んでの悪企み、道具に使われた無役の若い旗本たちは結局消されるという悲劇。その一人は、じいの老いらくの恋の相手の弟だった。
 ロケ地、雨宿りのじいがお吟の鼻緒をすげてやる門、不明。お散歩のじいとお吟が次のデートの約束をする、上賀茂神社神事橋とたもと。辻斬りについて報告する隼人、大覚寺聖天堂。お吟に弟の辻斬りを指摘する新さん、二尊院紅葉の馬場。父母の墓の前で弟を糾すお吟、二尊院墓地
*じいのお相手に小川知子、ワルの首魁に元お庭番・宮内洋。*恋破れたじいを慰労する席で、辰五郎とどっちが先に後添えをという話が出る。…おさい亡くなってる設定だったのね。
2005/5/24

■ 名奉行 遠山の金さん4 第25話「裏切りの矢!八丈島から来た女」1991-1992テレ朝/東映

 冤罪で遠流となった軽業師の女が帰還、彼女を罪に落とした一味は、今度は仲間に引き入れようとする。軽業師のファンで、遠島になるのを助けられなかった瓢兵衛さんが人情たっぷりに絡んでくる。
 ロケ地、御赦免船の着く浜、琵琶湖西岸松原。お島の帰還を見ていた虚無僧を尾行する沢庵、大覚寺有栖川畔〜五社明神裏手(仲間出てチャンバラ)。元北町与力・杉原武太夫邸、中山邸通用門。里子に出された娘を遠目に見るお島、広沢池西岸農地(花畑で養母と花摘み)。軽業師を盗賊に斡旋する男のことを金さんに報告する沢庵、上御霊神社参道に茶店セット。娘をさらってお島を谷中明神に呼び出す一味、不明。
*賊のあがりを掠める元与力に中田浩二、軽業師斡旋の「おでんや」に大木正司、賊一味に福ちゃん(役名・虎吉)、女の子に刃突きつけたり女の人を押さえつけたり。

■ 雪姫隠密道中記 第12話「恐怖 怨みの死紋」1980/4-9毎日放送/東映

 抜け荷の濡れ衣で獄死・欠所となった商家の遺児が、13年の雌伏を経て復讐をはじめる。遺児は番頭らと娘手妻一座に身をやつし、両替五人衆を一人ずつ抹殺にかかる。投げ刃の的の娘が負傷したことから、雪姫は代役を申し出て関わってゆく。
 ロケ地、太夫が参る浜野屋の墓、亀岡の墓地か。佐平次が大坂を発つ道、酵素河川敷。姫らがゆく街道、大内辻堂付近・亀岡道。
*投げ刃の太夫に鮎川いずみ。

■ 斬り抜ける 第5話「女が命を燃やすとき」1974-1975朝日放送/松竹

 盗っ人の地下蔵に落ちてしまう俊平、その間上では伝八郎が菊をいたぶり拉致。蔵にやってきた大盗一味を倒し虎口を脱するも、追っ手との死闘が待っていた。
 ロケ地、冒頭俊平らがゆく道、松尾橋下手堤か。嘉平が訪ねる弟子・田中勘三の長屋、橋蔵版荒木又右衛門の郡山のお長屋と同所、不明。嘉平が女囚を斬る刑場、罧原堤下河原。百舌小屋のある山中の野、酵素河川敷。嘉平たちが疾駆する街道、北嵯峨農地・陵前付近。
*変態伝八郎の執拗ないたぶりに菊が漏らす「俊平さんが好き」、地下で聞く俊平の表情が凄い。*弥吉とおしんが狙った贅六は大盗・からくり細兵衛というアチャーな展開、でっぷり貫禄の金田龍之介が怖い。俊平に絞められて白目むいてるのはもっと怖い。小屋の番人に江幡高志、情婦に三島ゆり子と豪華。

■ 暴れん坊将軍9 第30話「旗本屋敷の秘密!罠に落ちた子連れ医者」1998-1999ANB/東映

 お凛が昔憎からず思っていた医師志望の男は、未だに雀医者。博打のカタに引き受けた仕事は、旗本屋敷の賭場で痛めつけられた富商の倅を延命させるやばいヤマ、しかし新さんの助けで窮地を脱した男は、持ち前の本草の知識で難しいケースの妊婦を救い、やっと道が開けることになる。
 ロケ地、蔵で賭場を開帳する旗本寄合席・大野邸、相国寺林光院。ヤクザにボコられた若旦那たちを治療していた医師が辞めたいと申し出た直後暗殺される辻、相国寺湯屋前。お凛に団子を奢る新さん、茶店は大覚寺大沢池船着(大)に手すりやベンチに日傘をセット。ここから五社明神にお参りの雀医者・与一呂を見かける趣向。医師として雇われた与一呂が入ってゆく大野邸裏口、随心院土塀。ボコった挙句死に至らしめた富商の息子を検分するグルの南町同心、大覚寺放生池堤石橋たもと。与一呂の娘と話すお凛、吉田神社竹中稲荷本殿。逃げようとした与一呂がヤクザに囲まれるのは舞殿脇。これを見ため組の衆が新さんに注進に及ぶ石段、不明(両脇に刈り込み、上がったところに石鳥居で先には舞殿)。妊婦の解熱薬を求めて今戸の農家へ走る与一呂、罧原堤下河原
*与一呂に蛭子能収、頼りないダメ男を好演、薬を求めて必死で走る姿はよい画。*賭場を仕切るヤクザの手下に福ちゃん。
2005/5/23

■ 雪姫隠密道中記 第11話「御用金を狙った男」1980/4-9毎日放送/東映

 雪姫はつけたりの、中村敦夫二役で大活躍の一話。佐平次の忍者仲間で足を洗って姫路城下で孫娘と暮らす男に、押し込みを手伝えと強要するワルが現れる。この一味に檜垣鉄心まで乗って、盗みが済んだら姫の始末も一緒にやろうと妙に仲良くておかしい。佐平次は「伊賀の右平次」喜兵衛の危難を救うため、蔵破りの現場へ入れ替わって潜入、例のマスクべりべり剥がしも披露。これに関しては、お千が喜兵衛を佐平次の化けた姿と決め付け剥がそうとする馬鹿な一幕もある。
 ロケ地、揖保川渡し、広沢池畔。鉄心が新之介を襲うのは北岸。喜兵衛が呼び出される八幡は水辺に太めの鳥居あしらい、不明。街道筋も不明。
*薬屋・佐平次の前歴、伊賀者で師は服部のおかしらという設定が出てくる。*ワルはライバル蹴落としを目論む嵯峨善兵、力技で助ける今井健二、これに内田勝正も出てきて暑苦しいくらい。手下には井上昭文もいて、金箱持って逃げようとしてドジを踏み仕掛けの槍付き戸落ちてきて一巻の終わり。

■ 名奉行 遠山の金さん4 第24話「百両の夢!殺しの美人くらべ」1991-1992テレ朝/東映

 大江戸美人くらべ開催、賞金目当てのごろつき青年は彼を慕う蜆売りの娘を磨き上げて一儲けを企むが、主催の富商は元凶賊で娘は彼らに両親を惨殺されていた。元火盗改同心の老武士が退職後も賊を追い続けていたエピソードも挿まれ、「うすら小悪党」の青年が改心して堅気になると誓う人情ばなし仕立て。
 ロケ地、ミスコンの瓦版を眺めていた老武士が暗殺される深川万年橋、中ノ島橋(刺されてドボン)。死体が引き上げられるのは橋下手・栗石敷きの右岸河川敷。ミスコン会場の富岡八幡宮、松尾大社(美女たちが並ぶのは舞殿、ほかに楼門と翼の塀際、祠など)。お美代に過去を聞く金さん、今宮神社稲荷社前。尾張屋飛鳥山寮、中山邸門。

■ 名奉行 大岡越前 第6話 2005.5.23テレ朝/東映

 心ならずも捨てた実の娘と、生さぬ仲なれど立派な後継ぎにと願う息子と、ともに気遣う母ごころを汲み上げるお奉行。いつもの通りお白州でやり込め真実を暴いてゆく形をとるが、今回はワルを屈服させるのではなく、か弱き者を救済する結果となる。
事件は女房も売っ払うちんぴら亭主の殺害、横から恐喝の岡っ引などもいる。
 ロケ地、伊三郎が殺された大川端、広沢池か(葦原)。岡っ引に脅され金を渡す料亭の女将、吉田神社竹中稲荷奥の摂社。岡っ引の口車に乗せられ店の印を持ってゆく道楽息子、毘沙門堂弁天社。大岡が現れ印を返させる、薬医門(大助と岡っ引揉み合い石段落ち、痛)。江戸払いとなった女将と「娘」おせいが発つ道、どら息子が「おっかさん」と呼びかけ詫びる、妙心寺大庫裏脇クランク

■ 水戸黄門34 第18話「剣友の濡れ衣を晴らせ」2005.5.23TBS/東映

 舞台は会津、助さんが心服する剣の使い手は、汚職の証拠をつかんだことからワルに密殺されようとしていた。
 ロケ地、鶴ヶ城、本物。助さんの「剣友」飯田の組屋敷、大覚寺大沢池木戸にデコレーション施し。飯田宅を襲った刺客と立ち回りは五社明神、木戸との間に移動壁置いて演出。次席家老邸、明智門。悪徳商人に恩売り芝居で入り込んだ「浪人」助さんが守らされる蔵、明智門入ったところの。飯田を城へ運び入れる道、参道石橋心経宝塔基壇石垣(お城の不浄門設定)
*悪役陣てんこ盛り、家老に西沢利明、普請奉行に伊吹剛、材木商に和崎俊哉、ラス立ちにほんのちらっと福ちゃんの姿も(裃着けた家士)。*タイトルの剣友は?どっちかというと未熟な助さんを導いたお師匠さんでは。

■ 暴れん坊将軍9 第29話「消えた密書!くの一が愛した男」1998-1999ANB/東映

 揺れる岩槻藩、藩主と甥が諍いとされるが、実のところは藩政を壟断し民の生き血を吸う悪家老の所業で、放埓と聞こえた甥は殖産に明るい有能な青年。しかし彼は政策を悉く家老に阻まれ、世捨て人のように過ごしていた。タイトル通り、甥の屋敷に女中として入り込んだお庭番・皐月が立場を半ば逸脱し励ますお話がある。
 ロケ地、暗殺された侍の遺品を届けに岩槻へ向かうめ組の衆、山室堤道(堤降り口中ほどに茶店あしらい、このほか河畔林切れ目部分や堤内地の道なども他の場面で使われる)。岩槻城下、宿を窺う侍にカマをかけてやりあう新さん、嵐山公園中州河川敷(取り戻した書付を川に流してしまう)。心中の母子を止める、中ノ島橋。岩槻城へ入る「不妊治療」お凛の駕籠、知恩院黒門道。流れ着いた文を拾う漁師、罧原堤下汀。百姓たちに藩主の甥・嘉信の評判を聞きこむ皐月、民家門前。藩札交換に関して騒いだ民が磔にされる刑場、酵素河川敷(公儀諸国見回役・徳田新之助とか吹いて処刑に待ったをかける)。期待する百姓や励ます梢から逃げて釣りの嘉信、大覚寺放生池堤(皐月と新さんは護摩堂前から様子を窺う)。嘉信邸襲撃の藩士と斬り結ぶ隼人、望雲亭脇・有栖川畔の小径
*藩主の甥に大橋吾郎、ナイーブなインテリ青年がお似合い。悪家老は南原宏治、グルの大目付は曽根晴美。*嘉信に思い切り肩入れの皐月、庇って矢を受けラス立ちは腕吊って戦う。*刑場の役人に小峰さんと福ちゃん、福ちゃんはラス立ちにもいる。ラス立ちでは目付方として入ってきているので、上様は裃姿。肩衣を一個ずつ抜きつつ立ち回り。
2005/5/22

■ 刺客街道 1982.5.28CX/映像京都

 若君に毒を盛り側室の子を立てようとはかる家老たち、病篤い国元の殿様は侍医に事態の把握を密かに命じる。江戸表に赴く役を振られたのは侍医の息子の加藤剛、途中目的を同じくする娘を拾い、襲い来る刺客を薙ぎ倒し江戸へ向かう。彼らには道中師の植木等や片桐夕子がからんできて同行し、土壇場では雇われ刺客の浪人も寝返って協力してくれたり。優秀な蘭方医であると同時に鬼のように強い門前東馬だが、馬鹿正直で脳天気の天然系、呆れた道中師が金を返してくれたりもする。そして拾った妙な娘は果たして弟を案じる姫様だった。
 ロケ地、高根城、彦根城天守。侍医・門前邸、民家長屋門。早発ちの東馬がゆく道、中ノ島橋罧原堤下河原松尾橋下手桂川右岸堤(城下を発つ情景にOP被る)。裏街道をゆくという詐病の娘と別れる橋、不明(本梅川の一件に似るも特定できず)。街道で待ち伏せていた高根藩の追っ手に「娘」のことを聞かれチャンバラの野道、「おねむの祠」のある道、不明。娘・喜久が鎌七に拾われる裏街道、不明。喜久が鶴之介ぎみの「侍女」と東馬に打ち明ける山道、谷山林道か。二人の前に立ちはだかる雇われ刺客・佐久間(妙な理屈をこねて刀を納めて去る)保津峡落合崖道。腹が減って神社でヘタっている二人に博打を勧める道中師・お新、不明(新からくり人の三島明神と同じ)。すっからかんになって衣も刀もとられくぐる早朝の寺の門、普済寺山門。仕方なくバイトする農家、萱葺屋根と洗い場、不明。雲水姿の刺客団に襲われる山小屋、不明。追われ船で逃げる激流、保津峡。水をかぶって熱を出した喜久を保護してくれる豪農の家、萱葺民家(襲撃を受け馬で逃げるシーンで映る)。高根藩江戸上屋敷、相国寺大光明寺、林光院。
2005/5/21

■ 月影兵庫あばれ旅2 第12話「京の都の鬼を斬れ!」1990.10-12TX/松竹

 ようやくゴールの京都、桔梗はお見合いに臨み兵庫はトラブルに巻き込まれ。途中で松平伊豆がやってきて、京行きを勧めた真意を明かす。
 ロケ地、京都イメージに東寺五重塔〜紅殻塀前をゆく白川女〜渡月橋(雲水あしらい)建仁寺に呼び出される兵庫、本物(呼び出した職人は弓で射殺され兵庫犯人扱い)。半弓の出処を調べにゆく安が舞妓を見てデレデレ、白川(吉井勇歌碑前)。桔梗が所司代与力・吉村と見合いの野点の席、芝地に茶亭、不明。弓の持ち主・五条吉麿邸、中山邸(門、参道)。兵庫と安が待ち合わせの小橋上のうどん屋台、祇園・白川。二人が襲撃される、真如堂塔前。吉村が兵庫に捕り方を差し向ける、化野念仏寺。桔梗とデートの吉村、お茶は三面大黒天。桔梗に吉村の悪口を吹き込んだ芸者の件を言い訳する吉村、上賀茂神社ならの小川畔。松平伊豆守がやってきて入る馴染みの宿、嵐山公園・錦。安が潜入して地下の偽金工房を見つける、中山邸庭。吉村に始末された芸者が縊死に見せかけ吊るされる、上賀茂神社渉渓園。芸者の死の顛末を言い繕う吉村、桂川松尾橋上手川中と右岸河原(友禅流しを演出)。吉村と一騎打ちの兵庫、下鴨神社池跡。再び旅に出る兵庫を追っかける桔梗、嵐山公園・中ノ島橋下手北岸並木沿い〜嵐山自転車道
*公家とつるみ偽金で私腹を肥やし、女癖も悪そうなワル与力に志垣太郎。おじゃるは尾藤イサオ。偏屈のうどん屋に「磯貝さん」石倉三郎。*知恵伊豆の意図、兵庫の京行きははじめから偽小判の探索・解決のため。どころか桔梗のお見合いすら所司代を探るため…オニはこのおっさんのほうじゃないの。

■ 長七郎江戸日記3 第15話「辰が惚れた女」1991.2.5NTV/東映

 北町同心が殺され、容疑者と目された同僚は自害。しかし裏には彼らの上司、そして更に船手頭と抜荷商人が背後にいた。お話は殺された同心の年若い息子の弔い合戦、後家さんに岡惚れした辰がサポートにつく段取り。もちろん長さんのバックアップあり。
 ロケ地、雇い人を頼みにきた御新造に岡惚れした辰が長さんに悶々を吐き出す、大覚寺五社明神(辰、舞殿に寝っころがりクネクネ)。北町同心・南田の死体が上がる汀、嵐峡。南田の身辺を調べてきた宅兵衛さんが報告、大覚寺聖天堂前。南田の息子が襲撃され怯懦の態を晒す、天神島(朱橋を渡って石碑の前でチャンバラ)
*「惚れた」と言い条、熱狂はなくマドンナ状態でいっときは息子を見捨てたりする辰。十手持ってるのを見て、自作の紙の十手で真似事をしていた「若い頃」の作品を思い出した。*ラス立ち福ちゃん(浪人)と峰蘭太郎(家士)入り。
2005/5/20

■ 名奉行 遠山の金さん4 第23話「恐怖の稲妻!消えた殺人者」1991-1992テレ朝/東映

 仏を装う回船問屋、阿片を得るための名宝を阿漕な手段で毟り取る。この道具立てに、若年寄の堀田さまと経緯のあった名人の茶釜が使われる。タイトルは茶釜を強奪したチンピラと揉み合い、殺したと思い込んだ娘のエピソード。雷が落ちてワケわかんなくなった設定。
 ロケ地、お光が勤める回向院の燕茶屋、真如堂茶所。お光と聖天一家の経緯を話す吉川と金さん、大覚寺大沢池南西畔小船着前。お城イメージ、姫路城天守。大出俊に店を乗っ取られた男が土左ヱ門で上がる大川、大覚寺有栖川(川中へ人が入って引き上げという態で、カメラは右岸側から)。長崎屋根岸寮、中山邸通用門
*大ワルの回船問屋に大出俊、名人の頑固母に清川虹子。*長崎屋潜入の沢庵が、女の子にあげるのに一個ガメてくる陶器製のオランダ人形「リリー姫」から阿片が出るのも大笑い。

■ 暴れん坊将軍9 第28話「江戸城大揺れ!!吉宗ついに結婚か…」1998-1999ANB/東映

 初期シリーズでもやった「竹姫」ばなし、あの頃は女ごころをイマイチ解さぬ朴念仁だった上様も、今回は熱く燃え上がる。珍しく天英院なんかも出てきて、相も変わらず不行跡の元幕閣が悪さを仕掛けてくる。
 ロケ地、冒頭め組とお参りのほか、竹姫とデートの浅草寺、嵯峨清涼寺(本堂と境内を使用、本物の浅草寺の山門と塔の上部をイメージに持ってきてある)。竹姫の住む西の丸御殿、姫路城西の丸二条城二の丸御殿(イメージカット)。市中へ出てきた竹姫を出迎える新さん、梅宮大社神苑。天英院に竹姫との間柄が大叔母として真っ向から反対され苦悩に立ち尽くす上様、二条城清流園。偽手紙で呼び出された竹姫が拉致される外桜田地蔵堂、大覚寺天神島朱橋護摩堂

■ 雪姫隠密道中記 第10話「身代り花嫁危機一髪!!」1980/4-9毎日放送/東映

 備前焼の忌部村、代官の非道に泣く民を見捨てておけぬ雪姫、新之介にも背中を押されて介入してゆく。代官の後添えにされかかる娘の代わりに花嫁衣裳を着た姫、立ち回りできずもたもた、しかし衣装にご満悦。
 ロケ地、冒頭村人を無礼討ちした代官が駆け去る野道、大内辻堂八木道。山道・堤道不明個所あり。窯元の娘と直訴青年が待ち合わせの山門、神護寺山門
*ラス立ち、村の青年をタテにとられて一時窮地に。しかし中の人は佐平次でマスクべりべり。矢が飛んでくるが平気で胸に受け、中から板を出してきたり。この間紋次郎ふうの無表情なのが傑作。*好色で乱暴な代官に南原宏治、グルの悪徳商人に北村英三。
2005/5/19

■ 必殺剣劇人 第2話「おととい来やがれ!」1987.8.14ABC/松竹

 回米の偽装で米価を吊り上げる悪徳商人と船手役人、命を賭して告発しようとした男と、協力しようとした女が、無惨に殺されるのを見てしまうお七。晴らせぬ恨みを男に託され、自分がやるしかないと櫓をやる彼女の前に、「夢」が展開する。
 ロケ地、人質をとって逃げた吉松を捜す宝屋の手下、中ノ島橋上。吉松がお里と潜むのは堰下・右岸側。お七が吉松を匿う船、広沢池東岸・葦原の汀。評定所へ近付く吉松とお七、大覚寺御殿川、評定所は明智門。吉松とお里が斬られる、参道。お七は参道石橋からそれを覗き見る。出陣の「父」三人、嵐山自転車道。川開きの夜、屋形船を仕立てて儲けた金を前にウハウハのワルども、広沢池。立ち回りはその東岸中ノ島橋
*三人がそれぞれ別に八百善に導かれる展開や、ラス立ちの八艘飛びなど、「時代劇」自体を遊んだ趣向がたまらない。

■ 暴れん坊将軍9 第27話「宿命の絆 わが子に一目逢いたい!」1998-1999ANB/東映

 妙なほど子供に親切な蕎麦屋の親爺、神隠しに遭った息子を探して旅の果て江戸へ流れ着いていた。その子が今回の紛争の当事者というご都合主義的展開なるも、蕎麦屋夫婦に山本学と赤座美代子を配してあって充分に感動的。ワルの作事奉行が河合伸旺なのもよい記号。
 ロケ地、目安箱に訴状を入れようとして阻まれ斬られる作事奉行配下の侍、広沢池東岸(水無)。その息子・右近がやっきになって犯人捜しをしていると話す新さんと忠相、茶店は大覚寺心経宝塔前にセット。蕎麦屋夫婦が息子を求めて旅ゆく道、大沢池堤(紅葉)広沢池東岸(干上がった池底を干潟に見立てて、富士山を合成)。作事奉行に賄賂を渡す木曽屋、夜の大沢池に屋形船。グルの目付が長次郎に迫られて船で逃げる、罧原堤下桂川(船のうしろに竹筒、隼人が潜水して尾行という設定、潜りシーンはプール)。右近の婚約者をさらう芝居に乗せられるお凛、上御霊神社本殿、境内。騙して呼び出しの要町の絵馬堂、高倉。さらうのは本殿裏手。新さんが蕎麦屋に右近が息子であると話す、罧原堤下河原。ラスト、顛末を語る上様トリオが逍遥の庭、二条城内濠端。

■ 雪姫隠密道中記 第9話「妹想いのドジな奴」1980/4-9毎日放送/東映

 博打狂いで勘当中の馬鹿息子、作った借金は家族が補填していたことを知り改心するお話。このなっさけない息子と気の毒な家族に、メンバー総がかりで関わってゆく。
 ロケ地、賭場で勝ち逃げの佐平次を襲うヤクザ、民家塀際?不明。立ち回りの河原は亀岡盆地の桂川か。代官に迫られている年季奉公の娘(馬鹿息子の妹で借金のカタにとられている)が逃げ出して駆け入る荒れ寺、丹波国分寺。娘を探していた姫が新之介たちと合流の神社、不明。
*今回の佐平次は紋次郎ルックの渡世人姿でキメて渋いが、ラストは盗っ人装束でお千らも追い使い施し金を撒いて歩く。代官は河合伸旺で、にたにた笑いながら娘を手籠めにしようとする。ヤクザの親分は汐路章。

■ 金さん4「蒸発した六人の娘」ロスト

*臨時オフで嵯峨をぶらぶら、大沢池でトンデモを目撃。
本物はラスカルのように愛くるしくはなく、ふてぶてしい。「ぼのぼの」のアライグマくんはよく描けていると納得。
大沢池には、あんまり似合わない獣に思える。
有栖川から上がってきて、望雲亭に入ったあと大沢池木戸を悠然とくぐって、下写真のように塀をのぼり、境内に消えていった。よく肥えた個体で、建物に爪をかけていやがるのが気になる。
2005/5/18

■ 名奉行 遠山の金さん4 第21話「地獄から帰ってきた女」1991-1992テレ朝/東映

 江戸に舞い戻った凶賊、一味に潜入の沢庵には、今は賊の首領の情婦と成り果てている昔の恋人を救いたい、個人的理由があった。運命に翻弄される薄幸の美女を、芦川よしみが演じる。
 ロケ地、お竜の回想、お時とデートの沢庵、わら天神参道(背景に六勝大神)。宿替えした一味の跡を辿る金さん(沢庵が残した色砂)大覚寺大沢池畔からアジトを見る。アジトの駒込黒門町の寮は中山邸通用門
*沢庵潜入のため吉川さまがボコってさらった錠前師を預けられた楠見習い、きっちり逃げられてハラキリ騒ぎ。

■ 暴れん坊将軍9 第26話「消えた香炉 正直三姉弟の災難」1998-1999ANB/東映

 紀州藩乗っ取りの陰謀、勅使接待で披露しなきゃならない香炉を掠め取り、婿の留守居役を重職にとはかる豪商が黒幕。企みの最中に香炉は下屋敷近くの百姓娘の手に渡り、この娘がひと儲けを企むもんだから、すったもんだの大騒動に。
 ロケ地、紀州家下屋敷から香炉を運び出す行列を襲う浪士らが駆け渡る橋、保津小橋。藩士らとチャンバラの河原は桂川(保津小橋付近ではなくもう少し上手の竹の河畔林がある礫の多い河原、川中も使用。詳細特定には至らず)。新さんに香炉を売りつけようと絵を見せるお杏、上御霊神社本殿裏手。中渋谷村のお杏の家、萱葺民家。香炉のことで川浚えなどと騒ぐ紀州家上屋敷の庭、不明(上様がやってきて茶室に招かれる。芝地に亭がある)。大坂屋寮、民家長屋門。弟を賭場から連れ帰るお杏が通る塀際、民家塀。ラスト逍遥の庭、坂口か。
*新さんと再度会い香炉を売る約束のお杏を襲う浪人の一人に福ちゃん、皐月にカラーボール投げられて着物黄色の粉まみれ。*家老の外山高士、珍しくワルでなくハメられる側。紀州藩主は伊庭剛。

■ 雪姫隠密道中記 第8話「怨霊が住む城」1980/4-9毎日放送/東映

 広島城では、藩主の病をこの地の旧主・福島正則の怨霊と言い立て怪しの修験者を呼び込み、傀儡政権を立てようと陰謀が進行中。邪魔な姫をめくらましで操るワル、姫の侍女の訴えを聞いた雪姫さまが動き出す。
 ロケ地、広島入りの姫がゆく海辺、琵琶湖西岸(漁具あしらい)。浜から仰ぎ見る広島城、本物。妙姫が父藩主の平癒祈願にゆく国泰寺、不明(脇にスリット入った竜宮門、龍潭寺山門に似た門)。三次へ向かうワルの密使の馬に幅寄せして落馬させ入れ替わる新之介、不明(谷地田か川堤か)。広島を発つ姫がゆく海辺、琵琶湖西岸松原。
*ワルに豪華な面々、修験者は菅貫でお局さまは白木万理、次席家老は外山高士。*今回森マリアと小松政夫は出ず。中村敦夫が旧知で根来忍者あがり設定の菅貫とやりあう。
2005/5/17

■ 名奉行 遠山の金さん4 第20話「妻を売った武士」1991-1992テレ朝/東映

 仕官を餌に刺客をつとめる浪人、しまいに口入屋の娘に見込まれ妻を始末するよう迫られるが、妻の懐妊を知り改心。それまで悪事に加担していた癖に、貰った金を馬鹿正直に返しに行って落命する、この侍を沖田浩之が渋く演じる。ワルは手抜き工事で儲ける口入屋と作事奉行、遠藤太津朗に和崎俊哉と脂っこい。
 ロケ地、殺されかける桐生浪人の妻を助ける金さん、中ノ島橋〜橋下手の河川敷と川中。桐生が働く江戸屋の普請場、広沢池東岸。騙されて呼び出され殺されかかる桐生の妻、大覚寺護摩堂。江戸屋の娘につきあわされ明神さまにお参りの桐生、わら天神本殿。
*北町見習い同心の楠くん、「こうなったら引っ張って石を抱かせて」がけっこうお得意…実は凶悪な童顔か。

■ 暴れん坊将軍9 第25話「牢獄炎上!暗闇に咲く地獄花」1998-1999ANB/東映

 阿片の探索のためワルの根城に潜入という無茶をやる上様、全然中毒者に見えなくて正体バレバレ、監禁されてしまう。また、旧友がヤバい橋を渡っていることを案じ嗅ぎ回った長次郎も同じく罠にはまり、二人は同じ牢の秘密部屋で焼き殺されかかるが、元町火消しの「男の友情」が危難を救う。
 ロケ地、重阿弥に伝馬町牢屋敷の地下にあるアジトへ連れ込まれる新さん、船でゆく掘割は嵐山公園中州湛水域(セットにつなげて、堀の石垣のひとつが秘密の入口という趣向、設定は小伝馬町牢屋敷そばの神田堀か)。アジトから阿片を運び出した船が町方に囲まれる、渡月小橋(橋は桁の下部がちらっと映り、橋南詰めの降り口と右岸河川敷を効果的に用いる)。ラスト逍遥の庭、二条城清流園
*大ワルは、黒幕のはずの老中もビビる、怪しの衣装をまとった正体不明の男・重阿弥。阿片密売で得た金を大名貸しに使い、暴利を貪るだけでなく鉱山開発権まで毟り取る悪辣さ。乱暴でねちっこいこのワルを演じるは立川三貴、狂気を孕んだ丸い目を剥いて熱演。手下の牢名主は山本昌平で、これもかなりコワい。*娘を阿片で廃人にされ、怒りに燃えて探索に励む南町同心に峰蘭太郎、被害者ぶりもなかなか…でも17話でも南町同心やって殺されてたのに。

■ 斬り抜ける 第4話「女が峠を越えるとき」1974-1975朝日放送/松竹

 行く手全て松平領、端っこを突っ切って宮津を目指し山道をゆく俊平。廃村で住み替えの山越え女郎たちと出会い、行を共にすることに。襲い来る山賊と戦う俊平たち、女たちと菊の交流も見どころ。関所で待ち構える嘉平もやり過ごし、軛から解放された女郎たちと別れ再びの旅がはじまる。
 ロケ地、ほぼ山道と野、谷山林道や酵素ダートと思われる個所はいっぱい出てくるが確定要素は自然物ゆえ少なく、特定は難しい。ラスト、別れゆく野道は北嵯峨農地か。

■ 雪姫隠密道中記 第7話「悪代官は瓜ふたつ」1980/4-9毎日放送/東映

 追っ手を避け柳井へ向かう姫、宿で旅籠同士の争いに首を突っ込むことに。先に柳井入りしていた新之介が義侠心を発揮し、ところのワルをとっちめ健気な娘をヘルプにかかっているところへ、姫が関わってゆくかたち。いつもの如く余計なことと怒る源八郎だが、彼もか弱き者たちを見捨てては置けないのだった。
代官にそっくりなのは六助で、お千ともども誤認によりエラい目に遭いずっと牢内に。
 ロケ地、お千が六助を待って苛々の二本松の茶店、大内辻堂。ラスト、旅立ちの道も辻堂周辺。
*中村敦夫不在。
2005/5/16

■ 名奉行 遠山の金さん4 第19話「穴蔵の謎 炎に消えた千両箱」1991-1992テレ朝/東映

 富商の火事、かねて用意の穴蔵に金と品物を落としこんで安心と思いきや、後で見ると中はカラ。穴蔵に密かに横穴を掘っての賊の仕業、蔵を細工するよう強要された穴蔵師の家族の悲喜劇を描く。賊のヘッドは菅貫。
 ロケ地、穴蔵師の親子と話す金さん、車折神社境内(彼らの家の近く設定、穴蔵師は多く霊岸島に住むとお竜が報告している)。顔を焼かれた穴蔵師の死体が見つかる大川、検分は中ノ島橋(欄干見越しに堰堤の落水)
*菅貫が息子をタテにとって宮内洋を脅すくだり、上方言葉が混じるのは設定から自然だが、なんだか一部土佐弁も聞こえた気がする。

■ 水戸黄門34 第17話「人間将棋に待ったなし」2005.5.16TBS/東映

 天童では将棋好きの藩主に影響され賭け将棋が大はやり、治安は乱れ田畑も荒廃するありさま。ここに、父藩主を諌めようとするご落胤の娘がやってくる。
 ロケ地、天童入りの殿様の行列がゆく道、神護寺参道南側の脇道。側用人たちの悪企みを聞くアキら、毘沙門堂。勝ち抜き将棋の勝者が殿様と対局する人間将棋、石段下に展開。対局の場はそれを見下ろす石段上にセッティング。ラス立ちは金堂前から石段を用いて。天童を発つ一行、嵐山東公園か。
*ご落胤の姫様で将棋の名人に天童よしみ。

■ 名奉行 大岡越前 第5話 2005.5.16テレ朝/東映

 岡場所の女郎が客に斬りつける事件、未遂に終わり無理矢理の相対死と処理されかかるが、奉行の粘り勝ちで真相は明らかとなる。強請りの果ての殺人には、悲しい忠臣蔵秘史が隠されていた。
 ロケ地、医師殺害で手配の「直助」の死体が見つかった大川河口、罧原堤下か。直助の顔を見知っているという医師の娘・おゆきに、権兵ヱの面通しさせたあと話を聞く奉行、吉田神社竹中稲荷本殿前。おゆきがお照の仇討ちの決意を聞いた法要の寺、回廊は清涼寺本堂裏手回廊。事後、婚約者や叔父夫婦と楽しげにゆくおゆき、松尾大社舞殿〜桂川用水の橋。見ていた奉行が大助や香織とくぐる門、楼門(ED)
*小山田庄左衛門である医師を殺す直助、自死を偽装したあとの名は権兵ヱ、四谷怪談の直助権兵衛を連想させ、裁きの下った「直助」の前には小山田と下僕の幻影が出たり。

■ 暴れん坊将軍9 第17話「乙女の叫び 私の命をさしあげます!」1998-1999ANB/東映

 手下の犯した非道を恥じ、足を洗って遺児の娘を守り育ててきた盗賊の首領は、生きていたその兄が仕出かした殺しに際会し、彼の罪をもかぶろうとする。しかし思いは空しく、盗っ人の一味になっていた「兄」は、賊と結託していた寺社奉行の手にかかってしまい、妹とまみゆることなく散るのだった。
 ロケ地、賊を追う捕り方、決まって足取りが消える雑司ヶ谷の寺社地、金戒光明寺石段〜永雲院下坂〜永雲院。賊を匿う瑞雲院(和尚は小峰さん)青蓮院長屋門(大楠越し)
*前非を悔い「捕えられた」兄・庄三は寺社方に引き渡された段で密殺されるというひっでぇ展開、庄三はどちらにせよ罪に服さねばならないので、こういうケースでは「死」が用意されていることもよくあるが、付き添いの南町同心はカワイソ過ぎ、峰蘭太郎演じるこれをぶっすり殺るのは寺社奉行の家来の福ちゃん。

■ 雪姫隠密道中記 第6話「法師が招く船幽霊」1980/4-9毎日放送/東映

 防府入り、雨宿りした破れ寺には怪しの琵琶法師がいて平家の怨霊がと脅しにかかる。しかし亡霊なんてハナっから信じてない元気でアカるい主従は、幽霊を仕立てて抜け荷をはたらく一味を焙りだす。
 ロケ地、三田尻へ向かう姫、佐波川渡しで亡霊話を聞く、琵琶湖西岸。平家の怨霊話で誰も近寄らない地蔵鼻の岬、北湖の岩浜か。
*今回は新之介出ず、「権威」は雪姫が知り合いの家老を呼んでくる。ラス立ちは中村敦夫が出張り組み立て手槍で立ち回り。
2005/5/15

■ 月影兵庫あばれ旅2 第11話「殺しの千里眼!」1990.10-12TX/松竹

 伊勢・亀山城下、民からなけなしの金を搾り取る騙りの生臭坊主を退治する兵庫。桔梗に風邪を移された安の代わりに、桜木健一の岡っ引が行動をともにする。
 ロケ地、地蔵和讃を唱えつつゆく巡礼、八幡掘明治橋〜堀端の。山伏のなりで千里眼のご託宣を叫ぶ秋水、愛宕参道鳥居。ご託宣に従い鈴鹿峠へ行ってみる兵庫、保津峡落合崖道。赤子が泣いているのは落下岩。その赤子の父が斬殺されて見つかる八幡、日牟礼八幡宮か。容疑者扱いの兵庫を尾行する岡っ引、八幡掘明治橋堀端(兵庫が橋脚の陰で待ち構え)。関へ向かう兵庫が渡る欄干のない低い橋(下は湿地帯)、不明。秋水の福蔵院、勝持寺参道石段南門(中揩フ駕籠がやってくる)。亀山城下の夜、鈴鹿川の面影橋と指定して身投げ女を助けよと秋水の託宣、中ノ島橋。手がかりの女が殺されたあと福蔵院へ赴く兵庫と岡っ引、勝持寺参道石段(御開帳の日設定なので石段には多数の人数が行き来)。お札を売る男に秋水と面会させろと申し出る兵庫、粟生光明寺本堂前。秋水と用心棒らが兵庫を胡散臭そうに見遣るのは本堂廊下、回廊。兵庫が「秋水の回答」を待つ欅の森、下鴨神社池跡。吹き矢の男を捕まえる、河合社脇。役人は兵庫を公儀隠密と思っていて腰が引けているのだと告げる岡っ引、八幡掘堀端の道

■ 日蓮 1979.3.10中村登監督作品
 関東撮りの宗教モノなれどヨロキンなので視聴。叡山を降り京・奈良を遊学のくだりに東福寺発見。多宝塔とか、森の中の巨大石仏とか、三重塔(斑鳩か)、全然判らねー。清水寺の舞台も映ってたけど画だけ。
2005/5/14

■ 京都マル秘仕事人 2 2002.11.16ABC/松竹
   五億円古美術からくり殺人 必殺!三味線屋勇二VS闇の魔宮

 「勇次」はラストに至って幻想の形をとり顕現、劇中ずっと必殺ミュージックが鳴り続けるというサービス精神に溢れた一作。飛猿や磯貝同心が出ているのも楽しい。「元締」は庵主で、勇次に吊るされる闇のフィクサーは花紀京だったり。お話自体は仲間が次々消されるハードなもので、お堂燃やしなんかもある。そして京を離れる庵主を送ってゆく京都駅では、「旅愁」が重なってエンド。
 ロケ地はもちろんいっぱい、琵琶湖ロケもある。虚心庵はちょっとわからないが、ふだん走っている本願寺前の堀川通や罧原堤の29号なんかも出て面白すぎ。仕事人の説明シーンには夜の中ノ島橋が出て、欄干に吊るされたワルがじたばたしているのは抱腹もの。花紀京の料亭「京亭」は嵐亭で、延命閣で野点しながらの悪企みをビデオに撮るのに、ワゴンの屋根に乗ってるのが興味深い。ちょうど植込みのところに頭一個出る感じ。…いっぺんやってみたいが警察呼ばれても嫌だしねぇ。最後は白川巽橋を着流しの中条きよし。
*タイトルの「勇二」はママ
2005/5/13

■ 雪姫隠密道中記 第5話「地獄で聞いた鈴音」1980/4-9毎日放送/東映

 舞台は馬関、悪代官とつるみ民を食い物にする二足の草鞋を引っ掻き回す姫たち。佐平次大活躍、娘を売りに来た老爺に化け、賭場で大勝ち・地下室の娘らを逃がす手配・金蔵すっからかんでワルはさんざん。姫と源八郎がノリノリで博打に興じる場面もある。
 ロケ地、娘を売った金を抱いて帰る老爺を襲う口入屋の衆、野道不明。姫らに迫るワルが家老に叱責される神社、不明。ラストの山陽道、不明。
*賭場の中盆に福ちゃん、姫に「半ってナニ」「じゃあ丁って?」とやられ苦りきって解説。一人勝ちの中村敦夫の老爺にぴしぴし肩叩かれたりもする。役名なしでクレジットあり。

■ 名奉行 遠山の金さん4 第18話「奉行暗殺!長崎の女」1991-1992テレ朝/東映

 鳥居に責め殺された蘭学者の娘が復讐を企図、しかしワルにつけこまれ爆弾騒ぎに発展してしまう。蘭学者が抜け荷で入手した心臓の特効薬が、爆弾製造に流用されてしまう設定。
 ロケ地、発作を起こした老人にニトロを投与し救う娘・梢、上御霊神社(楼門、境内)。江戸城、姫路城天守。南町奉行所、大覚寺明智門。鳥居耀蔵邸、相国寺大光明寺前庭、南通用門。梢を襲う鳥居の私兵、神護寺金堂前、石段。事情を聞く金さん、毘沙門堂前。

■ 長七郎江戸日記3 第14話「雪に舞うわらべ唄」1991.1.29NTV/東映

 強請りをして孤児を養う鳥追い女の哀話。死病に罹り子らを里子に出すと決めるが、餞別のため最後に強請った旗本に刺客を差し向けられてしまう。彼女の今はの際に子らが駆けつけ「母」と呼ぶなどしんみりしたお話、よくできた静謐な作り。
 ロケ地、辰が強請られた件でおもんを訪ねる長さん、孤児を養っていると聞く、大覚寺大沢池南西畔。奥平を強請るおもん、有栖川を挟んで相手と対峙(御殿川合流点)。ダシに呼び出された青目同心たちがやってくるのは勅使門橋から。
*おもんに土田早苗。ラス立ち福ちゃん入り。*お決まりだから仕方ないけど、こういう静かなお話にラス立ち要らないかも。

■ 暴れん坊将軍9 第24話「涙の上州路 誉れの仇討ち」1998-1999ANB/東映

 女衒から娘らを救ったことから、新さんは飢饉続きで難渋というその故郷・倉賀野へ。道中知り合った旅の一座の太夫もそこの出で、名主の父を郡代ぐるみの謀略により亡くしていた。
 ロケ地、上州さして中山道をゆく新さん、山室堤道(スタックした旅の一座の荷車を助ける)。岩鼻代官所、民家長屋門。女衒から助けた娘らの村を見にゆくくだりのイメージ、美山町民家群(空撮)。娘らが野良に出る畑地、不明。
*一座との関わりで新さんおちゃらけシーン多数、騙されて女風呂に入ったり、芝居の助っ人で大狒々の着ぐるみかぶったりで庭番も呆れかえり。*福ちゃん代官所の役人。
2005/5/12

■ 名奉行 遠山の金さん4 第17話「大金を猫ばばした母と娘」1991-1992テレ朝/東映

 凶賊の金を手にしてしまった母娘が追われる話、父のことで気持ちが行き違っていた二人の心がほぐされるプロセスともなる。
 ロケ地、俳諧師に弟子入り志願の瓢兵衛さん、訪ねる浜町河岸の松風庵は大覚寺望雲亭。天神さまの境内で盗っ人が化けた大工から金を強奪する無法者・櫓下の権八、五社明神。金の情報を得た際の回想シーン、地回りに追われ逃げる掘割、有栖川河床→五社明神で大工が金をぶちまけたのを目撃。お夏が権八の奪った金を隠す八幡さまの境内、放生池堤。瓢兵衛さんが俳句を捻っていて俳諧師らが船でゆくのを見る、大沢池畔。
*娘といがみ合うダルそうな女将に朝丘雪路。娘の情夫・権八に遠藤憲一、間抜けなチンピラだが、金を奪る際には大きな石で頭をゴンゴンやって凶暴。

■ 暴れん坊将軍9 第23話「山茶花の誓い 再会した兄は別人!?」1998-1999ANB/東映

 女たちが夢中になる聖天上人は大騙りの偽物、寺社奉行と組んだ破戒僧が、貧から抜け出したい青年僧を利用し追い使っていた。悪企みは、故郷に残した妹の出現と上様の慈悲によって青年僧が脱落し潰える。
 ロケ地、寄進を断りに行った大黒屋が土左ヱ門で上がる大川、嵐峡船着。兄を探しに来たと話すおたみ、南禅寺三門。聖天上人のいる関東十八檀林・浄光院、鹿王院(中門、庫裏、式台玄関、客殿廊下)。おたみが泊まったお堂、大覚寺護摩堂(話しながら歩くくだりで大沢池池底をゆくシーンがある。もちろん水は無し)。おたみの回想、村の子に苛められる妹を庇う兄、摩気橋たもと、河原。出家し妹と別れ旅立つ兄、摩気神社本殿。兄に追いすがる幼いおたみ、本殿裏手谷地田脇地道(誓いの山茶花が生えている)。隼人に羽黒山調査を命じる新さん、大覚寺天神島。羽黒山を山伏姿で走る隼人、琴滝。聖天上人を訪ね兄かと問うた帰り、おたみを襲う山伏たち、大覚寺五社明神。寺社奉行・神谷土佐守邸、大門。聖天上人を召し、吹上庭で話す上様、二条城清流園(山茶花の陰におたみを連れて来ている)。破戒僧・運慶の回想、本物の聖天上人を突き落とした崖、保津峡落合落下岩。大黒屋の死体を捨てた橋、中ノ島橋。おたみをさらう山伏、大覚寺五社明神。神谷邸乗り込み後のラス立ち、セットから大門へスイッチ、参道石橋も使う。ラスト庭で物思う上様、二条城清流園(南望のショット)

■ 必殺剣劇人 第1話「寄らば斬るぞ!」1987.8.7ABC/松竹

 御金蔵破りの金を施したものの何も変わらなかった世相にアンニュイな日々を送る元義賊三人組、彼らのもとにかつての仲間・お百の産んだ娘がやってくる。無鉄砲娘が許せないと激する「友の死」に、おじさんたちは元の稼業に立ち帰り悪を討つのだった。
 ロケ地、御金蔵破り、姫路城。お七を岡場所から助け出し船でゆく綾太郎、広沢池かセットか不明。

■ 暴れん坊将軍 III 第89話「悪霊の城の花嫁」1988-1990テレ朝/東映

 暴将では何回かに一回はくるオカルト話、本作はとりわけ毛色の変わった悪霊譚。
綱吉に滅ぼされた大名の子孫が上様を怨敵と狙うのだが、一味は復讐したいのか成り上がりたいのかよくわからない動きをとり、結局上様は佐久間一族の根城である信州まで誘き出されることとなる。
 ロケ地、上様籠絡に失敗し呪詛が発覚した中掾E浜路が、責めた老女を斬った挙句惑乱して走る城内、姫路城いの門内側〜二の丸(身投げの井戸はここ、作り物を置いてある)。浜路の養父・相良大炊頭邸、金戒光明寺永雲院。浜路の妹・お甲に呼び出される新さん、北野天満宮(地主神社、本殿裏手)。信濃へ向けて馬をやる新さん、谷山林道切り通し(長沼城への道を農夫に尋ねるのは分岐道、事後山なみを眺めやるのは分岐道崖上から)
*浜路のくだりでは憑かれたかの如く徘徊しポーっとなっちゃう上様、浜路身投げの際は絶叫の果てもうちょっとで後を追いそうになったり。しかし上様の惑いはここで終わり。長沼城の怪異の一夜が明けて、高島礼子の庭番まで慄いているにも関わらず、爽やかな顔でにこにこ笑っている上様…ぜったい酸素の吸い過ぎ。

■ 雪姫隠密道中記 第4話「女の意地の博多織」1980/4-9毎日放送/東映

 福岡城下入りの雪姫、関わるのは献上織の仕上げを妨害される商家。亡夫の意志を継いで頑張る後家に降りかかる災難を腕と金でサポートした雪姫に、佐平次がお金を補給したりする。
 ロケ地、福岡へ一里の道でお昼をつかうお千ら、御室八十八ヶ所お堂前。新之介にお握りとられて怒った六が掏摸に行って返り討ちに遭う野原は不明。佐平次の依頼で志摩屋の財布を掏ったお千らが金勘定をするお堂、大覚寺護摩堂。ラストの街道筋、不明。
2005/5/11

■ 名奉行 遠山の金さん4 第16話「天誅暗殺団を狙う美人芸者」1991-1992テレ朝/東映

 邪魔者を「闇の仕置人」に消させる札差、悪辣な所行は金さんによって阻止されるが、裏には彼らを使嗾する巨悪がいた。暗殺手段がふるっていて、若者に破心草(ハシッシュ)を投与して鉄砲玉とし、遂行後自死を遂げさせる。この麻薬は飲むとたちどころに効くという、例の「時代劇の毒」と同様の怪しさ。
 ロケ地、お城、姫路城天守。破心草が栽培されている綾瀬薬草園、中山邸庭・無畏庵前。
*札差に河合伸旺、破心草を使う蘭学者に立川三貴、手下には宮口二郎とコテコテ悪役陣に加え、妖怪・鳥居は中条きよし。

■ 暴れん坊将軍9 第22話「壮絶!三河士魂 養父の仇を討つ吉宗」1998-1999ANB/東映

 お凛のお節介で養子の口を紹介されてしまう新さん、連れて行かれた旗本の家にキナ臭い匂いを嗅ぎ入り込むことに。公金横領で切腹したというその家の長子は果たして冤罪のうえ密殺されており、恋人だった女郎は命を賭して無実の証拠をつかみ、死の際に嫁と認められ涙のうちに逝く。新さんは頑固親父とひととき家族として過ごし、実父とは持てなかった時間を楽しむが、親父が息子の無念を晴らしに勘定奉行邸に乗り込み壮絶に散ったのを見て、「父の仇」と峰を返しワルを斬って捨てるのだった。
 ロケ地、養子先の河野家を訪ねてきた花魁を追いかけて事情を聞く新さん、妙心寺玉鳳院前路地。調子よく入り込んだ「養子」のことを愚痴りながら同僚と出勤する河野十内、金戒光明寺永雲院下坂。頑固親父と和気藹々の新さん、金戒光明寺石段三門、釣りは渡月橋下手中州岸(この間碧巌録の唱和がBGMに)。河野家で拭き掃除中の新さんを見て怒髪天のじいを連れ出し話す、妙心寺大庫裏脇路地。勘定奉行の密談を立ち聞きし、息子は潔白だったと知り息をつく十内、金戒光明寺善教院脇坂。花魁・朝顔が宴席で得た勘定奉行の二重帳簿を弟に託す、山室堤道。事後、じいと河野家のその後を話す上様、二条城内濠端。
*頑固親父に神山繁、碧巌録で意気投合がおかしい。*ラス立ち福ちゃん入り。

■ 雪姫隠密道中記 第3話「狸の又平 槍の仇討」1980/4-9毎日放送/東映

 肥前唐津入りの雪姫、訳ありげな主従に関わりしばし逗留。彼らは仇持ちで、目指す相手の家老の甥は屋敷に匿われていた。これを利用して土井大炊頭の手先・鉄心が仇討ちの場で姫を害そうとはかるが、葵新之介が藩主を伴って現れワル一巻の終わり。
 ロケ地、唐津入りの姫がゆく浜、琵琶湖西岸松原(ラスト仇討ちの場も同所)唐津城、本物(テトラ越し遠望)。又平が侍にボコられているのに介入の姫、金戒光明寺永雲院下坂。鉄心が馬で駆け入る城門、大坂城大手門
*主人の仇を討つ奥方に付き従う忠僕に坂上二郎、彼らが路銀を使い果たし厄介になる旅籠の夫婦に夢路いとしと正司歌江。ラス立ち福ちゃん入り。
2005/5/10

■ 雪姫隠密道中記 第2話「妖怪!!鬼面の女」1980/4-9毎日放送/東映

 肥前鍋島入りの雪姫は、切腹した筆頭家老の無実を晴らしたいという女の事情を立ち聞きし、身につまされて関わってゆく。「鬼面」はその女が着けて夜な夜な出没、藩士の髷を切って回り、事を殿の耳に入れようとする計画。
 ロケ地、鬼面の妖怪が出て警戒中の藩士の髷を切る橋、中ノ島橋。矢を射掛けられて傷つき逃げる道、大覚寺有栖川畔。茶店で妖怪の噂を聞く新之介、広沢池西岸。軽口を藩士に聞きとがめられチャンバラは湿地、左平次にもう姫が事件に関わっていると聞く、観音島。筆頭家老の家司が暗殺された場所で、犯人が鬼面誘き出しにも使う城山八幡、鳥居本八幡宮。姫らが発つ道、不明。新之介が渡る橋、流れ橋

■ 名奉行 遠山の金さん4 第15話「覗かれた砂絵の女」1991-1992テレ朝/東映

 継母に売り飛ばされかけた幼い弟を逃がしてやった姉、年を経て巡りあった彼は凶賊の一味となっていて、悲しい別れが待っていた。この姉がチンピラにからまれているのを助けた沢庵が惚れられてしまい、亡くした恋人とそっくりという話が挿まれ、兄妹の過去がちらり。
「砂絵の女」は艶絵を大道で描いてみせるもの、加賀まり子が演じる。
 ロケ地、富津から届いた凶賊出現の報をもってお奉行を捜す吉川、金さんと沢庵が釣りは大覚寺放生池堤。賊について話す、護摩堂縁先。賊が水野安房守御用の船で着く行徳の渡し場、罧原堤下汀(茶店を演出、沢庵が店を出して見張り)

■ 盤嶽の一生 第10話「二人ばんがく」 CX/松竹 時専chにて初放映

 道場を放逐された恨みで娘に悪さの剣客を盤嶽が退治、礼を述べに来た弟子たちがたまたま居合わせた腹ぺこ浪人を誤認してもてなす。以後いい気になって盤嶽を演じ続ける浪人だが、その「ばんがく」を仇と狙う兄妹が現れ、しかも仇討ちが見てみたい姫様まで出て大騒動に。
 ロケ地、渋柿を売りつけられる野道、不明。にせ盤嶽が招じ入れられる浮田道場、民家長屋門。烏山城天守、福知山城。城内縁先、不明。にせ盤嶽が道場破りで金をせしめる高杉道場、神護寺書院門。にせ盤嶽のお供をしていた盤嶽が金を取るのはマズいと食い下がる道、神護寺山門下石段大覚寺五社明神。仇討ちの場、神護寺和気公廟所前に幔幕張り巡らせてセッティング。にせ盤嶽に姫から貰った金を渡してやる盤嶽、普済寺鐘楼門下。
*役所広司のドラマになんで出てこないかと放映時疑問だった雷おこしは、最終回に用意されていた。もう巧いのひとこと、盤嶽との掛け合いは息もぴったり。

■ 斬り抜ける 第3話「お札くずれ」1974-1975朝日放送/松竹

 傷を負った菊のため温泉宿に滞在、嘉平とはニアミス、伝八郎はいよいよ本性をむき出しに。
弥吉がとってきた仕事はお札くずれのならず者退治、二人斬ると刀がダメという理屈を映像化したシーンで竹槍刺し食らうのは阿藤海。
 ロケ地、俊平の腕を雇い主たちに見せるお堂、丹波国分寺本堂。俊平が背にして立つ山門からは、はさ木が見えている。伝八郎が門を出てくる俊平を窺うのは今は無い礎石側の塀。伝八郎に刀で釣られた鋭三郎が嘉平を無駄に歩かせる山道、保津峡落合崖道〜落下岩(嘉平崖落ち)。菊が嘉平を保護し手当てする小屋、清滝川金鈴渓。菊を探し回る俊平、途方にくれるお堂は鳥居本八幡宮(本殿前にいるのを下から舞殿越しに見上げ)。伝八郎が菊を連れ込む神輿小屋、鳥居本八幡宮舞殿に扉セット。当地を発つ俊平たちを対岸から見やる嘉平、保津峡落合書物岩。俊平たちがゆく道は落下岩〜日吉美山線(地道か)

■ 暴れん坊将軍9 第21話「仮面の男 父上に会わせて!少女の悲痛な訴え」1998-1999ANB/東映

 水口藩家老が両替商と組んで偽金つくり、藩主は監禁され偽者を据えてあるというトンデモで、忠義づらをして偽金の被害者として届け出たりする周到さ。しかし、偽者役に半年も拘束されている浪人の妻子が街頭に出て必死に行方を捜す姿が新さんの目にとまり、悪企みはバレてしまう。
 ロケ地、夫の似顔を見せて消息を求める中井浪人の妻子、仁和寺手水場(周囲に屋台などあしらい)。中井の居場所を知っていると言う浪人に拉致されかかる妻子、九所明神。浪人たちを追い使う侍を尾行する庭番、大覚寺大沢池木戸大門(水口藩上屋敷)。偽金工房を逃げ出したかざり職人が走る掘割、有栖川河床。彼の死体が発見される川辺、中ノ島橋下手河原(女房が駆けつけるのは橋上)。偽金工房のある辰巳屋向島寮、中山邸通用門。中井一家を見送る新さん、嵐山東公園並木。
*タイトルの「仮面」は監禁中の藩主につけられているもので、つくりはジェイソンというかオペラ座の怪人というか、およそ江戸時代らしからぬ珍妙なもの。*福ちゃん二態、藩士と用心棒の浪人。あまり間を置かず出てくるのがおかしい。
2005/5/9

■ 名奉行 遠山の金さん4 第14話「お目付け桜に惚れたひと」1991-1992テレ朝/東映

 金さんに惚れた矢場女は捨て子で、実は札差の女将の双子の妹だった。その店ではワルの策謀が進行中、旗本や骨董商とつるんだ入り婿が阿漕な金貸しで人を泣かせるのを知った家つき娘の女将は、離縁を申し出て殺されてしまう。
 ロケ地、札差・大城屋の女将が死体で見つかる林、仁和寺九所明神(検分の背景に瓦練り込み塀)。女将を矢場女と思い込んだお竜が邪慳にしたと悔やむ、参道石畳。双子を取り上げた産婆が密殺される、大覚寺護摩堂(石仏も映る)。連れ立って釣りにゆく金さんと瓢兵衛が楠同心の見立てを話す、仁和寺御室桜林(桜葉が紅葉)。矢場のお加代が拉致されかかる縁日の神社、車折神社参道、境内。金さんにツナギをとる沢庵とお竜、仁和寺手水場下に茶店をセット。大城屋の墓、不明(高台)。大城屋寮、中山邸通用門
*今回唐突に南町の若手が楠くんに変更、葉隠同心が「久しぶり」とやるシーンあり。ワルの入り婿は伊庭剛、つるむ骨董商は小島三児で、荒事を仕出かす手下の浪人は五味龍太郎。ラス立ちは福ちゃん入り。主役の双子は二役。

■ 水戸黄門34 第16話「お転婆ふたり恋の港町」2005.5.9TBS/東映

 舞台は酒田、港湾改修に際し歓楽街建設地のため十文字屋を狙うワル、しかしその店には老公が投宿しているのだった。お話は十文字屋の跡取り娘と、先代に拾われた元武士の番頭のラブストーリー、番頭の妹が婿取り嫌さに兄を探して旅してくるエピソードも挿まれるが、こっちは馬鹿な誤解がもとのドタバタ。
 ロケ地、山賊の出る山道や各街道筋、不明。役人が来て逃げ出した茜(番頭・清七の妹)が一息つく水辺は広沢池北岸と思われるが、確信に至らず・水戸黄門てばほんっとに他の作品と違ってロケ地判りにくい。
*茜を襲う山賊の一人に福ちゃん、毛皮着用。茜のムチャ刀振り回しにどっひゃーと派手にコケている。ラス立ちにも登場し、老公にボコられたあと格さんと刀を合わせる。こっちは浪人の先生方。

■ 名奉行 大岡越前 第4話 2005.5.9テレ朝/東映

 手下も顔を知らぬ大盗・雲霧仁左衛門を追い詰める話。越前が伊勢山田奉行当時に捕えた雲霧の女は面通しにシラを切り続けるが、雲霧はお白州で自らボロを出し越前に敗北する。
 ロケ地、元雲霧の情婦・おりんを訪ねる大岡、桂川松尾橋下手右岸水制上に立ちおりんの乗った船を見る。駿府で捕まった「雲霧」が江戸へ護送される道、嵐山自転車道
*雲霧を強請る元手下の定吉に遠藤憲一、いい味出てるなと思っているとすぐに消されちゃって残念。

■ 暴れん坊将軍9 第12話「吉宗危機一髪!美しき婚約者の献身」1998-1999ANB/東映

 タイトルに危機一髪とかあっても、たいていは大したことナイのがほとんどだが、これはマジで上様がかなりヤバい目に遭うお話。相手は亀石征一郎で凶悪そのもの、徳田新之助が将軍と知ってもお構いなしで大騒動が起きるぞなんて言ってハイな状態。手下には福本先生なんかもいて、矢を射掛けられるわ銃隊は出てくるわ、挙句の果て忍者まで出て新さんを追い詰める。でも正義の鷹・雷鳴号が飛んできて助けてくれちゃったり。
 舞台は八王子、狩りに出た上様は、処刑されたという散田村庄屋の息子が呆けてしまっているさまに異変の匂いを嗅ぐ。綱紀粛正と言い立て民を厳しく統制する代官は、秘密裡に隠し金山を掘っていた。
 ロケ地、八王子散田村の公儀御鷹狩場、瑞穂の造成地。散田村庄屋屋敷、民家長屋門(前景に農具小屋セット)。庄屋の倅・安兵衛の許婚者・多江を問い詰める新さん、走田神社本殿前。代官を付け狙う村の若者の回想、代官を襲うも失敗の門前、民家門前。杭を打ち測量の真似事をする安兵衛、鷹狩場に使われた野と同所、ガレ場の水脈跡なども使用。新さんが砂金を発見する川、天神川。見張りの立つ山、湖南アルプス。隠し金山の坑口、若布谷(柵セット)。金山に近づいて見つかり追っ手をかけられる新さん、追い詰められ崖落ちは保津峡落合落下岩(途中の岩につかまって中ぶらり、鷹が見つけて飛んでくる)。安兵衛と多江が磔にされる野、酵素河川敷。事後、帰途につく上様一行、渡し場と川、桂川宇津根付近か。
*ロケの豪華なこと、暴将中でも出色の派手さ、丹波高原から近江の山奥へとめまぐるしい。

■ 盤嶽の一生 第9話「げんこつ親分」 CX/松竹 時専chにて初放映

 騙され続けていると、盤嶽も引越しのサカイのおっちゃんにたばかられたくらいでは爆発しない。しかし今回は、身に障害を負って泣く泣く婚約者と別れる女と、黙って耐えるその「父」と、女をハンディごと背負うと縋ってみせる婚約者と、全てに騙されてもう拗ねるしかない盤嶽。当分人の顔を見たくないと、ずんずん街道をゆく姿で幕。
 ロケ地、足を痛めたという男の荷車を引いて宮田宿まで行く盤嶽、萱葺民家の里、美山か。権太に殴りこみをかける「げんこつ親分」伊佐三、賭場から移動する立ち回りは鳥居本八幡宮。伊佐三につきまとわれて街道をゆく盤嶽、急の病で路銀も底をついてと騙しにかかる女をよく見ると、寝たきりだったおさわ、木津川流れ橋たもと(このあと橋上を追っかけ、橋下で「父」と一緒に開き直られ)

■ 雪姫隠密道中記 第1話 1980/4-9毎日放送/東映

 肥後の加藤家に降ってわいた災難、豊臣恩顧の大名潰し。雪姫は恭順の意を示し激する家臣を抑えるが、父の汚名を晴らすべく江戸へ向けての旅を決意する。
今回は姫の助け手となるメンバーが綺羅星のごとく登場し、役どころを定めてゆく。
 ロケ地、熊本城、本物。品川入りしていた加藤忠弘に御府内立ち入りを禁じ池上本門寺入りを命じる使者の早馬が走る、大覚寺参道。収城使の列がゆく街道、谷山林道か。熊本城へ急を告げる早が駆け入る城門、不明。小鈴の佐平次やおさらばお千らが肥後入りの街道、大内辻堂と周辺。収城使の侍大将に追われる姫を匿う葵新之介、中ノ島橋。家老のアドバイスで本妙寺へ赴く姫、神護寺山門〜毘沙門堂前。姫が一夜を明かすお堂、不明(三匹が斬るで何度か出たお堂、壁に菱形に抜いた小窓)
2005/5/8

■ かあちゃん 1987.7.9テレ朝/東映

 「かあちゃん」お勝は市原悦子、筋立てはほぼ原作通り。市原悦子だからさぞやウェットかと思いきやさにあらず、「盗っ人」勇吉への説得などは淡々と進行…喋り方が時に「うらごろし」の「おばさん」ぽいが、突然匕首で刺されそうな感じはもちろんナシ。この作、微細なエピソードや泣きの入る部分は少なめ、照明はテカりぎみではじめNHK作品かと思った。ともあれ、勇吉がお勝を「かあちゃん」と呼ぶラストシーンはやはり感動もの。
 ロケ地、ゴロツキの兄貴分におさんを連れてくるよう強要される三ッ目橋、流れ橋
☆二日続いて雨が降ったので、これはイケるかもと思いつき琴滝へ。往路渡る淀川には流木なんか浮いていて上流ではだいぶ降った気配、国ざかいの渓流もいつもより増水していてシメシメいけるぞ状態で現地に向かう。しかし車を停めて滝に向かう道では、落差のけっこう大きい滝なのに「音」が聞こえてこない。どんな滝でも、というか堰堤だって、近寄れば激つ瀬の音が聞こえないなんてことはない。そばに住んでいればうるさいだろうな、という感じは御室の鳴滝なんかだってする。なのにその音が全く聞こえないのだ。滝に着く。…なんだコレは。申し訳程度にちょろんと岩肌を伝う水、これでは滝跡ではないか。最初から上を堰き止められている滝と知っていたし、「その時」のみ滝となるとは聞いていたが、ここまでとは。念のため滝上の溜池を見にゆくと、バサーの先客。池尻と滝はほぼ直結しているが、オーバーフローがここ最近流れた気配は全く見られない。だいいちバサーがいるってことは、動いてない溜池だって証拠かも。撮影の際には人為的に水を流していることがこれで明白。しかし乱暴な開発をしたもんだ、いまならここまでの無茶はできないだろう。ドラマという虚構の裏にはこういう類のものがいっぱいあり、環境がどうのという話とは別次元なのであって、できあがった映像には見た者がその「環境」を慈しみ保全しようと思い立つ希求を生む力もあったりするから面白いんだよね、というのが今日の感懐でした。
2005/5/7

■ 長七郎江戸日記3 第13話「兄妹芝居涙の花道」1991.1.22NTV/東映

 十年前堺の商人を殺し財を奪った奉行と番頭は、江戸でフィクサーと富商に納まっており、更なる悪事を画策していた。筋立ては、彼らに両親を殺され散り散りに育った兄と妹が再会する話、ワルが目をつけた商家は妹の養家という因縁がついてくる。
 ロケ地、堺の丸屋夫婦が密殺される鈴鹿峠近くの山道、谷山林道。元堺奉行の隠居・三田村伯道の柳原にある隠居所・雅月庵、中山邸通用門。一味が使う殺し屋・雀落としの七蔵が吹き矢でメジロを落とす、大覚寺五社明神裏手。小三郎の養親・京弥太夫の回想、流されてきた小三郎を救いあげた川、保津峡落合河口。旅ゆく一座、大覚寺放生池堤。事後、旅立つ花本一座を見送る道、五社明神付近境内
*青目同心、十年前の堺の事件を調べてくる・小三郎の出自を洗ってくるなどして、ほぼパシリ状態。*辰、珍しく見張りを倒すなど荒事をしてのけるが、その木槌はどこに持っていたんだ。みんなが兄妹競演の晴れ舞台に袖をしぼっている時に一人飲み食いしてるし。*ラス立ち、福ちゃんのほか峰蘭太郎に小船秋夫入り。

■ 月影兵庫あばれ旅2 第10話「女講釈師 見てきたような大捕物」1990.10-12TX/松竹

 偽藩札を作り私腹を肥やす勘定奉行、偽造の工房に放り込まれた恋人を案じる女講釈師の頼みで関わってゆく兵庫。もちろんいつもの通り力押しで解決するのだが、小島三児演じる奉行の配下が悩んだすえ決然と悪に対抗するエピソードが挿まれ、味のある仕上がり。
 ロケ地、女講釈師に幼馴染の話を聞く兵庫、大覚寺護摩堂(後段、講釈師が騙されて拉致される際には「神社裏」の設定)。工房を逃げ出して殺された職人の土左ヱ門が上がる川、不明(例の朽ちかけた木橋と中くらいの規模の川、七谷川か)。このあと死体の身元について講釈師と話す兵庫、丹波国分寺境内〜山門。ここは探索方手代・大塚典膳の愚痴を聞く際にも乳銀杏の木が使われる。
*番組中、藩名は出ず。藩札を凝視してみたがダメ。桑名、石薬師と来ているから亀山あたりと思われるが、想像の域を出ず。*講釈師は桔梗の二役、斬られて怪我をした太夫の代役を桔梗がつとめるくだりがある。*奉行に黒部進、悪徳商人に江見俊太郎。
2005/5/6

■ 大奥 第51話「華麗なる落日」1983-1984関テレ/東映

 総取締・滝山は着々と幕引きを進めるほか、「表」にも容喙して女たちを守ろうとする。天璋院も去り、静まりかえる大奥を見回った滝山さまは中村半次郎に見送られ去ってゆく。
 ロケ地、桐野利秋率いる討征軍が駿府城を見やる峠、谷山林道頂上作業場、お城は彦根城(遠望)。お女中たちが大挙して城を出る、二条城本丸西虎口。城を出て寛永寺に謹慎の慶喜、相国寺(法堂、方丈、方丈北廊下)。町場の女に身をやつして城を出る滝山、二条城本丸櫓門(天璋院退去も同所)。品川へ向かう街道筋、嵐山自転車道(大八を引いて逃げ出す民衆を演出)。桐野利秋に洋式儀礼で送られる滝山、二条城桃山門(赤絨毯の上をゆく)

■ 名奉行 遠山の金さん4 第13話「貞女が毒婦になるとき」1991-1992テレ朝/東映

 抜け荷の探索中殺された北の隠密回り、その恋女房はじきに元の酌婦に戻り、結婚自体も奉行所の内情を探るための偽装かと疑われだす。しかし女は夫の仇討ちを胸に秘めた、あっぱれ貞女なのであった。二宮さよ子が演じる。
 ロケ地、夫の墓に仇討ちの遺志を告げるお藤、不明(高台)

■ 暴れん坊将軍9 第20話「燃え上る恋の炎(ほむら)!出世を捨てた若大名」1998-1999ANB/東映

 新見藩主・関但馬守は殖産に力を入れ産業を興す有能な若者、上様も特に目をかけ外様から譜代へと格上げをはかるほど。この件で移封話が出て、産品の鉄で銃を密造していた江戸家老は藩主を密殺し国替えを潰そうと暗躍。しかし当の藩主はというと有能さもどこへやら、恋に目がくらみ、姿を消した腰元を追って逐電する始末。上様は悪者を成敗してやるほか、腰元をお姫様に仕立てて結婚を世話するという大甘ぶりを見せる。
 ロケ地、但馬守が藩領視察のイメージ、谷山林道分岐道崖上。腰元の長屋を訪ね口説こうとする但馬守、ここは危ないと腰元が連れてゆく神社、大原野神社参道際の蔵と祠群。刺客たちが入る備中屋の寮、不明(民家か)。ラスト、庭を散策の上様トリオ、二条城二の丸御殿に姫路城天守を合成。
*福ちゃん、江戸家老の手下の新見藩士。藩主をつけ狙う刺客で劇中呼称は猿渡、クレジットはあるものの役名記述なし。
2005/5/5

■ 暴れん坊将軍9 第19話「江戸壊滅の危機!すい星激突の恐怖」1998-1999ANB/東映

 ときどき魂の抜けるようなトンデモをカマしてくれて好き者にはたまらない暴将、わけても必見の怪作がコレ。お話自体は定番の尾張の陰謀で、江戸の町を混乱に陥れ吉宗失脚をはかるネタなのだが、「混乱」のもとの彗星の描きかたがトンデモ。箒星ネタは初期シリーズでもやっていて、思い切りちゃちい書割で大いに笑わせてくれたものだが、本作はCGを駆使したリアル系で青い地球も映し出される。何度も挿まれる燃ゆる箒星は怪しの尾を曳き、遂に日野在にどどーんと落ちるが、もうスケールがヘンで抱腹もの…あれじゃセカンドインパクト起きて世界中ヤバい。落ちる野が一瞬映し出されるが、これがアリゾナの荒野みたいで見る者を混乱させる。また上がる炎がガソリンまるだしで、このへんのスケールのいい加減さもすごい。…けして馬鹿にしているのではなく、機会あらば是非見るべしと言いたいのである。
 ロケ地、将軍のお召しで長崎から出てくる市井の天文学者・西川如見一行がゆく汀、琵琶湖西岸(待っていた新さんは松原に茶店仕立て)。如見のプレゼンつきで行う世直し天狗党のアジテーション、仁和寺金堂前。娘をタテに脅される如見、経蔵。日野宿はずれ・大和田村から人々を避難させ、橋上から彗星落下を見るめ組の衆、流れ橋(彗星は城陽市方向に落下、もちろん画面は合成)
*ラス立ち開始後真っ先に斬りかかってくる手下に福ちゃん。

■ 大奥 第50話「動乱に挑む女」1983-1984関テレ/東映

 風雲急を告げるなか天璋院の推挙で総取締となった滝山は、幕政の終焉を予感し大奥に有終の美を飾るべく立ち回る。終わりを悲しんだ者は自ら命を絶ち、存続をとあがく向きは陰謀をめぐらす。時局は大政奉還から鳥羽伏見の敗戦へまっしぐら、まだ決定打を知らぬ大奥では正月行事に興じるシーンで幕。
 ロケ地、大政奉還を打ち出す慶喜、現場の二条城に本物(本丸櫓門、二の丸)。二の丸炎上を薩長の陰謀として策をめぐらす老女たち、枳殻邸侵雪橋たもと。天璋院の願いで自死したお針子の墓参に横浜へ赴く総取締・滝山、木津堤流れ橋(橋下の河原で天誅騒ぎ)。お針子の墓、不明(神護寺の文覚上人廟くらいの高台)
*流れ橋下での天誅騒ぎ、中村半次郎にかかってゆく別手組の一人に福ちゃん、松方弘樹とチャンバラ。

■ 名奉行 遠山の金さん4 第12話「仕組まれた逆玉の輿」1991-1992テレ朝/東映

 阿片の抜け荷をはたらく商人と、悪事の片棒を担ぐ船手頭。手下の浪人に畜生ばたらきもさせているが、その一人がジャンキーで、町なかで暴れてお縄に。これを密かに始末しないとヤバいので、大番屋の警備状況を知ることのためだけに、葉隠同心に偽りの「大身旗本の婿養子」話が降ってくる。
 ロケ地、阿片窟もある船手頭・鈴木主膳別邸、中山邸通用門。お竜・沢庵とツナギの金さん、大覚寺心経宝塔前に茶店セット。大川・永代橋筋を聞き込みの沢庵、大沢池船着(大)両側に屋形船。ジャンキー浪人が斬り合いをしていたという土手、大沢池畔。お参りの葉隠と船手頭の養女・お菊、粟生光明寺本堂〜石段上部。お菊がわざと葉隠に嫌われる芝居をするデート場所、大覚寺護摩堂脇に茶店セット。金さんがお菊に逆玉の輿ばなしのからくりを指摘、天神島

■ 必殺まっしぐら! 第12話「相手は江戸の大魔王」1986.10.31ABC/松竹

 今まで毎回秀を襲っていた刺客の正体が明らかになる。そして指定されたターゲットは向島の元締、困難な仕事を一人で遂行しようとする秀だが、最後の闘いの場には已むにやまれず馳せ参じてくれる仲間がいた。
 ロケ地、鉄砲洲西の入江に拘禁されたさぶを助けにゆく秀、水中戦闘のすえ上陸は広沢池東岸
*珍妙と呼び声高いラスボスは、実写版ハンマーブロス。麻呂もお銀も東吉も、ハンマーに当って損傷を受ける運び。秀はダッシュジャンプで敵の上を飛び越して後ろから回り込みクリア。*ラストは吉原乱入で若紫と手に手を取っての道行き、必殺おきまりのメンバーがそれぞれに散りゆくシーンとかはナシでそのまま終わる。
2005/5/4

■ 大奥 第49話「江戸城のおさな妻」1983-1984関テレ/東映

 御所ふうを通す和宮まわりと、あくまで「徳川の嫁」とする天璋院はバチバチ火花を散らす。また、降嫁に際しての約定が何一つ履行されないことから、朝廷は家茂に釈明のための上洛を命じる運びに。死を覚悟し上洛を決意した家茂に、和宮は初めて心を開くのだった。
 ロケ地、和宮付きの侍女・庭田が京へ使いに立つ道中、幕閣の差し向けた刺客が出る橋、流れ橋(家茂手配の隠密が阻止)。京イメージに清水寺全景。上洛のため城を出る家茂、二条城本丸西虎口(雪景)北大手門

■ 暴れん坊将軍9 第18話「哀切愁々 母子合わせ鏡」1998-1999ANB/東映

 榛名藩のお家騒動、藩主の信頼厚い御舎弟は公金横領の城代を糾そうと動くがしてやられ、謀反人にされてしまう。もちろん新さんは正義の味方なので窮地に陥った御舎弟を助けて動くが、彼の身の上は卑母と引き離されて育ったという誰かと同じもので、お由利の方も出てしんみり情話が展開される。
 ロケ地、め組の衆とハイキングの新さん、斬りあいを見る水辺、沢ノ池東岸。怪我人を運び込む現場近くの小梅清涼庵、中山邸(門、参道)。この襲撃犯を追った隼人が潜む橋、大覚寺勅使門橋下。彼らが入る榛名藩上屋敷、大門。清涼庵の近くに住む「御舎弟」の生母宅、民家門越しに母屋。兄藩主の駕籠に訴えてでる御舎弟、随心院裏土塀。
*ラス立ち福ちゃん/峰蘭太郎入り。

■ 名奉行 遠山の金さん4 第11話「殺人者は振り袖の美女」1991-1992テレ朝/東映

 ブレイク中の若女形がいる中村座が、キナ臭い騒動の渦中に。両替商を刺殺した「女」は人気の女形と噂されるなか、当の本人は奈落で縊死を遂げる。この裏には、座の主が賊の一味だったという十年前の事件がからんでいた。
 ロケ地、探索の成果を金さんにツナぐ沢庵とお竜、大覚寺放生池堤に茶店セット。
*人気の女形を妬みワルに手を貸す兄弟子に荒木しげる、男のなりはカッコいいのに女形化粧が非常にキモチ悪く仕上がっていて笑える…男前すぎるとこうなるのか。*大坂町奉行所から出張の同心に西川きよし、ギョロ目をむいてみせる役まわり。病でゲホゲホの座の主に山内としお、彼がいちばんオカマっぽく見えるのは僻目か。*ラス立ち福ちゃん入り、お白州にも登場。
2005/5/3

■ 大奥 第48話「悲恋の皇女 和宮」1983-1984関テレ/東映

 反幕の気風つのり、危機を感じた井伊大老は公武合体策を推進する。今回は和宮降嫁に至る経緯を描き、大奥入りで中ほど。家茂サイドの悲話も挿まれる。
 ロケ地、和宮の住まう御殿、仁和寺勅使門(設定は今出川御門内・桂宮邸か)。有栖川宮と会うのは上賀茂神社ならの小川(右岸水場の傍らに塀をセットし演出)。大老の死を知らせに和宮のもとへ馬を駆けさせる有栖川宮、仁和寺参道。父帝の墓参もままならぬ仕儀に怒った和宮が物思う廊下、宸殿縁先。和宮降嫁の列がゆく街道筋、琵琶湖西岸松原。和宮を迎える大奥の玄関、大覚寺式台玄関(輿の担ぎ手で早や火花散る)

■ 斬り抜ける 第2話「松平はずし」1974-1975朝日放送/松竹

 松平廻状に気付く俊平、旅籠も抜け出し一気に緊張感が漲る。播州松平領を抜けるには「目こぼし駕籠」の女元締が助力し、俊平らは遂に他人を巻き込んでしまうことになる。
 ロケ地、嘉平が浪人剣客を斬る野、不明。このほか街道筋や関所まわりも不明。おたみを犠牲にして通った関所を越えてなおゆく駕籠、下鴨神社泉川畔。
*正ちゃん全開、儀十の空馬をまんまと奪取のくだりは笑える…それにしても鞍もない馬にひょいっと飛び乗るとは恐れ入る。太一郎とのからみも見もの。

■ 名奉行 遠山の金さん4 第10話「美しい女医と記憶喪失の男」1991-1992テレ朝/東映

 高名な画家の贋作を高値で売りつける一味、描かされていた絵師志望の青年が逃げ出して消されかかったことで事件は明るみに。斬られた彼は美人女医のもとに担ぎこまれ一命をとりとめるも恐怖ゆえ記憶を喪失、以降女医とちょっと妙な交流が生まれる。
 ロケ地、女医を手伝いに入っていたお竜が殺されかけた青年の記憶喪失について沢庵にツナギ、善峯寺山門。沢庵の機転で流した噂に引っかかってくる一味の女、尾行した沢庵が襲われるのは広沢池東岸(女は船で逃亡)。贋作をつかまされ縊死した伊勢屋の検分、大覚寺天神島(後段、大楠に吊られ殺される回想場面あり)。伊勢屋の絵を贋作と鑑定した奥絵師が銃殺される、妙心寺涅槃堂前路地。青年の記憶を取り戻させるべく金さんが壺を振ってみせる、善峯寺多宝塔基壇。お竜に連れられやってきた「正吉」がくぐるのは遊龍松。心配して駆けつけた女医に「この人たちが僕を苛める」と駆け寄る正吉、観音堂参道石段
*ラス立ち福ちゃん入り、一味の浪人。
2005/5/2

■ 名奉行 遠山の金さん4 第9話「悪事を働く形見の十手」1991-1992テレ朝/東映

 御用改めと称し十手をかざして押し入る凶盗、その十手の入手経路には冷酷非常な経緯があった。「情夫」である賊・木枯らしの権三にDVまで働かれる岡っ引の娘・お冬に東啓子、金さんは周囲の声を容れず彼女の人となりを信じ続ける。
 ロケ地、お冬の父の岡っ引が土左ヱ門で見つかる、嵐山公園中州下河川敷。権三らから逃げた金さんとお冬が入る船小屋、広沢池東岸(夜)
*権三らに知恵をつける元浦賀奉行に河合伸旺、裁可が下ったのち斬りかかってくる。これはここんとこ三連続。*権三の手下で、瓢箪に金さんを暗殺に来る男は福ちゃん、「目」のどアップあり。失敗して戸をばりーんと破って逃げたので、罪状は殺人未遂のほか無銭飲食に器物損壊も。

■ 水戸黄門34 第15話「姑から逃げた嫁の秘密」2005.5.2TBS/東映

 舞台は出羽・新庄、神君より拝領の茶碗を盗み首席家老を追い落とす、次席家老の陰謀が進行中。これにからんで殺された御納戸役の妻女は、夫の死に不審を抱き仇討ちを志す。婚家に累が及ばぬようはからい、真意を知らぬ姑の非難を浴びても毅然としたその健気さが、老公を動かす。
 ロケ地、殺された御納戸役・石戸の寡婦・紀伊が頼ってゆく乳母の家、不明(萱葺屋根が三つ)。紀伊が夫の同役を呼び出す、大覚寺五社明神。姑に連れて行かれる夫の墓、不明。石戸家、妙心寺衡梅院門。老公に義弟には好きな娘がいると話す道、大庫裏脇クランク。縁談の持ち上がった義弟を説得する紀伊、善峯寺経堂(えま堂)脇。事後、姑が紀伊に今後の身の振り方を問うのは堂脇にある桂昌院お手植えの枝垂れ桜下。茶店で名物のくじら餅を食すアキ、谷山林道か。酒田をさして旅ゆく老公一行、嵐山自転車道
*ラス立ち福ちゃん入り、裃つけて助さんにぶっ叩かれてのけぞり。

■ 名奉行 大岡越前 第3話 2005.5.2テレ朝/東映

 冤罪で父を亡くした子は、恨みのこもった目つきで証言者の医師を狙う。世の中全てを敵視する彼を放っておけず、お奉行は過去の記録を洗い出し不審を焙りだしてゆく。
 ロケ地、天神さまにお参りのお奉行親子、上御霊神社本殿。その縁日で医師・村井長庵を凝視する石戸浪人の遺児・道之助、本殿裏手。長庵をつけてゆき握り鋏で襲う道之助、大覚寺有栖川畔。道之助に団子をすすめ、母を悲しませるなと諭すお奉行、放生池堤
*再吟味のため石戸の妻に訴状を出させるお奉行、直訴させると罪になるので、与平のとっつぁんが日本橋の上で「拾う」。このほか、長庵が隠している盗んだ金を掘らせるのに赤猫まで演出と、ちょっとあざといけれど着々と名奉行する越前守、で今回も部下のミスについて「謝る」。世を拗ねていた道之助が、ぱっと明るい子供らしい表情となるくだりは子役が巧い。

■ 大奥 第47話「年上の佳人」1983-1984関テレ/東映

 煮詰まる情勢を、一人の中揩狂言回しに描く。衣装が高騰し困り果てた大奥では、信頼できる者を選び市場調査に向かわせる。中掾E幾乃は、市中で長州藩士・高杉晋作と知り合い、彼の勧めで横浜まで出向き異人と会い、大奥には晋作の分析を開陳。そして後日、吉田松陰の助命を依頼されることとなる。この間、大奥が一丸となって松陰のために動くという妙なエピソードが展開する。
 ロケ地、市場動向を聞きに行った先で、呉服屋の娘に誘われた幾乃が内緒でゆく水天宮、今宮神社(かざりや、東門、石橋、境内)。安政の大獄に際し、江戸へ回送される吉田松陰、広沢池東岸(水無)。晋作の愛人である芸者の小三姐さんが江戸を出る渡し場、罧原堤下河原。松陰が斬罪となる刑場、不明。
*吉田松陰に福ちゃん、白髪まじりの風貌。台詞はナシ。

■ 暴れん坊将軍9 第16話「大奥の改革 上様、お恨みいたします!」1998-1999ANB/東映

 大奥大改革を打ち出す上様、甘い汁を吸っていた向きは猛然と反発し、様々な策謀を仕掛けてくる。お話は、改革に際し大奥を出された女たちの一人・志乃を中心に進む。
 ロケ地、大奥総取締・浦瀬が御広敷役人の弟と巻き返しについて話す庭、不明(滝組の上に四阿)。城を下がる志乃を呼び止め迫る浦瀬の弟・源之丞、二条城本丸西虎口。志乃の実家・野坂家、妙心寺衡梅院門。め組で会った新さんと、将軍を思い出しながらゆく志乃、罧原堤下河原。釣りの新さんに大奥を出された女たちのスキャンダルを書き立てる瓦版屋について報告する隼人、梅宮大社神苑(志乃の父・野坂が同じく釣りにやってくる)。志乃が源之丞に拉致される植込みの路地、不明。大奥を出されたため「縊死した」女・琴路殺害の実態・回想シーン、大覚寺五社明神裏手(首にロープを掛ける一人は内陣から乗り出し)。さらわれた志乃と丹波屋殺しの証拠品の印籠交換場所の鮫洲原、琵琶湖西岸の湖成三角州。事後、日本一の殿方に恋をして幸せだったと新さんに語る志乃、二尊院紅葉の馬場
*お暇を出される場面で昏倒の志乃、上様は彼女を抱きかかえて部屋に連れてゆくが、これで志乃は将軍に惚れてしまう。これはイイんだけど、ラスト、思い出にするからぎゅっと抱きしめてと言われた新さん、志乃の肩を鷲掴み…相撲とってるんじゃないんだから。*ラス立ち福ちゃん入り。峰蘭太郎もいるが、直前に大岡さまの配下で出ていて笑える。*この回で「じい」が名古屋章にスイッチ。
2005/5/1

■ アギ 鬼神の怒り 早川光監督作品 1984.12.4ホッチポッチプランニング

 今昔物語「安義橋の鬼」を基にした作品、近江の里に現れる鬼を描く。予定されていたという鬼退治部分が見られないのは何とも惜しい。
 同僚との与太話から、肝試しよろしく安義橋に出るという鬼を見に行かされてしまう侍。橋の上には被衣の女がいてきっちり鬼に変じ、パニくった男はからがら逃げ帰るが、その夜母が亡くなったと訪れた弟は鬼の化けた姿で、とり殺されてしまう。これを受けて近江守の命で討伐隊が出されるが、牙にかけられ憑依され、遂に被害は里にも及ぶ。シメは、太郎の妻を羨み憎んでいた侍女が口にする「鬼とは何か判った」の言葉。
 ロケ地、屋形イメージに宇治上神社本殿(近江守の館か太郎宅か、今ひとつはっきりせず)。安義橋には流れ橋、河原も使われる。橋は上も下も目一杯利用され、スタジオ撮影でもじゃんじゃん焚かれているスモークは野外ロケでもたっぷり。太郎が鬼を見て馬で逃げ帰るシーンは、真っ暗ななか下から照らされ浮かび上がる橋桁が非常に印象深い仕上がり。それにしてもここまで夜も昼も長時間流れ橋を使った例はさすがに珍しく、撮影の苦労が偲ばれる。橋から逃げ帰った太郎がへたり込む家の門、新薬師寺山門。妻が水を汲みに行く河原、および太郎の首を埋めに行く河原、石礫からは木津と思われず、不明。討伐隊がゆく河原は木津
*鬼の美術は変形が主で濡れ濡れと気味悪く、ごぶごぶびちゃぴちゃと生理的に気色悪い音が入り効果満点。大体において怖いというより触るの汚いよ系。…口から出ている突起物は、人噛むのに邪魔じゃないのかな。*算を乱して逃げまどう討伐隊のシーン、ガンガン鳴るはワルキューレの騎行。
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