時代劇拝見日記 2005年7月

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2005/7/31

■ 剣客商売 「父と子と」

 田沼意次邸の剣術試合で七人抜きをしてのけた大治郎に、奇妙な依頼がくる。腕を叩き折って欲しい相手は他ならぬ田沼の娘、彼女が大身旗本の息子を婿とするにあたって付けた条件「自分より強い人でなくてはイヤ」が起こりだった。倅・大治郎から話を聞いた秋山小兵衛は、田沼の妾腹のお転婆娘・三冬を尾行し、彼女の危機を救う。そして三冬が旗本の若様を散々に打ち据えた試合を見分した帰り道、秋山父子は旗本に雇われていた用心棒に立ちはだかられ、果し合いを受けるのだった。

ロケ地
・大治郎が七人抜きの試合会場・加賀町の田沼中屋敷、大覚寺大門宸殿前白州
・おはるに櫓を使わせ大川を渡る小兵衛、西の湖(狭い葦原の間、太鼓橋)橘寺前の畑と水面を合成した画。このあと出てくる大川の情景も同所。
・大治郎におはるとの関係を告白した小兵衛がおはるといちゃつく堀端、八幡堀
・鐘ヶ淵を望む寺島村の小兵衛隠宅、酵素民家セットと周辺。
・浅草元鳥越の旗本・永井和泉守邸、大覚寺大門(夜景、田沼邸とはアングルを変えてある)
・永井邸の賭場で探りを入れていた弥七を襲う用心棒、随心院土塀
・三冬の身の上を小兵衛に告げるおもと、大覚寺大沢池北西畔に茶店セット(背景に心経宝塔が大きく映る)
・和泉屋を出たあと上野山下で浪人たちに襲われる三冬、大覚寺護摩堂脇〜五社明神
・根岸の和泉屋寮へ足を引きずって辿りつく三冬、中山邸門。
・真崎稲荷の道場へ小兵衛を訪ねて来た三冬を父の隠宅へ伴う大治郎、船を下りたあとゆく川端は広沢池東岸(池水は半ば抜かれた状態、三冬を送り届けたあと刺客とやりあうのは北岸、遠景に団体所有の民家を映し込む)
・三冬が永井の若様を打ち据えたのを見届けた秋山父子に立ちはだかる永井の用心棒・浅田虎次郎、随心院土塀。場所を移しての果し合いの草原、琵琶湖畔の湖成三角州の葦原か。

■ 剣名客商売 「井関道場四天王」

 三冬の通う道場で持ち上がる後継者を巡る騒動、酒癖こそ悪いが腕も立ち磊落な剣客が密殺される。小兵衛は田沼の意を受けて三冬と芝居を演じろくでなしが後釜に座るのを阻止、大治郎は友となった剣客の仇を「剣術の神様」の代わりに討ち果たす。

ロケ地
・浅草寺界隈へ出かける大治郎、喧騒の屋台は今宮神社石橋付近にあしらい、背後に楼門。このあと渋谷寅三郎と知り合うきっかけの暴れ馬騒動はセットへスイッチ。茶店で酒を酌み交わす大治郎と渋谷、真如堂茶所
・里帰りするおはるを見送る小兵衛、西の湖(点景にユリカモメ、鳥の声は行々子)
・隠宅前に出した縁台で寝ている小兵衛の顔を眺める三冬、酵素民家セット前。
・田沼と後継問題について打ち合わせに不二楼へ赴く小兵衛、八幡掘(船上)
・渋谷が暗殺された市ヶ谷の道場西側のくらやみ坂、金戒光明寺長安院下坂
・打ち合わせのため和泉屋寮に三冬を訪ねる小兵衛、中山邸門、庭。
・弥七が後継候補の一人・小沢が手下と渋谷殺害について話すのを聞く市ヶ谷八幡宮境内の料理茶屋・万屋、中山邸通用門(暖簾あしらい)
・後継問題に決着がついたあと、小沢と手下を誅する大治郎、北野天満宮参道
2005/7/30

■ さらば鬼平犯科帳スペシャル 「最終回」

 鬼平事故死を聞き好機と江戸へやってくる白子屋菊右衛門、しかし平蔵の死はお芝居で白子屋を誘き出す算段というのがフレーム、過半を密偵たちの追憶に費やし懐かしいエピソードの抄録が次々と映し出される。白子屋は金田龍之介。

「フレーム」の白子屋胎動〜一件落着部分のロケ地
 ・忠吾をお供に京へ向かう平蔵、谷山林道頂上付近、両側切り通し。
 ・大坂イメージ、セット町なみの遠景に大坂城天守…書割の可能性あり。
 ・東海道をゆく白子屋、谷山林道(箱根山中)〜嵐山自転車道。
 ・品川宿はずれの盗っ人宿へ入る白子屋、萱葺民家不明(美山か)。
 ・姿を現し出役の鬼平、火盗改の人数が走る夜道、松本酒造前東高瀬川堤。
 ・老中・松平定信邸へ挨拶に罷り出る平蔵、随心院薬医門。

抄録に採用されたエピソード
各密偵の「鬼平」との出会い
・粂八/血頭の丹兵衛 ・彦十/本所桜屋敷 ・おまさ/血闘 ・五郎蔵/敵
*伊佐次はこの時点でいないので無し、ラストには五月闇と猫じゃらしをちゃんと入れてある
平蔵関係者に関するエピソード
・久栄/むかしの男 ・井関録之助/托鉢無宿、本門寺慕雪 ・お熊/笹やのお熊
平蔵の人となりに関するエピソード
むかしの女/兇賊/泥鰌の和助始末/熱海みやげの宝物/盗法秘伝/一本眉/蛇の眼
↑この間に「迷路」や「炎の色」等での出役シーン特集が挿まれる
フルバージョンのインスピレイションに乗せて名場面集
炎の色/猫じゃらしの女/五月闇/うんぷてんぷ/はさみ撃ち/あきれた奴/雨乞い庄右衛門/女掏摸お富/暗剣白梅香/麻布ねずみ坂/谷中いろは茶屋/老盗の夢
2005/7/29

■ 徳川武芸帳 柳生三代の剣  1993.1.2TX/松竹
  第五部 「伊達、薩摩の陰謀?島原の乱!」 その二

 天草・島原一帯に敷かれる苛政、追い詰められた民の先頭に立つ「予言の神童」四郎時貞。主の名のもと奇蹟を信じるキリシタンたちに乗じ再びの大乱を期する関ヶ原の敗者たち、十兵衛は暗躍する者どもと戦うが、原城に籠った信者たちへの攻撃は回避できない。それは江戸の父・宗矩も同じで、将軍を猛きもののふにとはかる春日局や幕閣の思惑を止められないのだった。
 ロケ地、海辺でマリア像にオラショを捧げる四郎と信徒たち、不明(岩浜)。江戸城、姫路城天守。家光と友矩が辻斬りに出たところを懲らしめ諌める宗矩、相国寺大光明寺南路地(家光らが潜むのは湯屋角)。キリシタンらが原城へ籠る動きを危ぶみ、長崎へ赴き父へ連絡をとろうと街道をゆく十兵衛が怪しの一団を見る、山室堤道。続々と原城へ入る信徒たち、彦根城観音台への橋(空濠なので水面は合成)。信徒たちに正しい世にと説く四郎、彦根城三重櫓(背後に琵琶湖の水面、多景島が映り込む)。小西の残党らの動きを探っていた十兵衛が忍びを追い走る、彦根城博物館前石垣上。それが木猿と知り父や上使へ伝言を依頼する掘割、大覚寺有栖川河床(溢水口際)。乱を望む牢人らの背後に島津と察した十兵衛が薩摩へ走る海岸、間人海岸
*家光に神君の三池典太を与え強い武者にと示唆の春日局、結果家光の辻斬り騒ぎが持ち上がる。島原の一揆に際して局や知恵伊豆は主戦派、宗矩は民の声を聞くよう進言。*十兵衛とお春は互いの気持ちを確かめ合うも宗教においてすれ違う。*寺田農のイルマンは長崎入り早々キリシタン狩りを見て飛び出しお縄。小西家牢人・森宗意に西田健、姑息にはかりごとを巡らす。

■ 鬼平犯科帳 「はさみ撃ち」

 西国筋で鳴らした大盗・猿皮の小兵衛は、薬種問屋の隠居におさまり江戸で余生を過ごす。ここへ今働きの盗っ人が目をつけ小兵衛の若い女房を蕩して入り込むが、「ぼけた老いぼれ」は眼光鋭く挙動を観察しているのだった。
 ロケ地、番頭の弥治郎に間男は盗っ人と話す小兵衛、釣り船は大覚寺大沢池(北岸に屋台あしらい)。役宅で事情聴取のあと店へ帰る小兵衛たち、大覚寺大沢池北西畔・閼伽井屋形裏手。
*小兵衛に中村嘉葎雄、鬼平に子供にかえった仏さまと言わしめる飄々とした老人を演じるが巧者としか言いようがない。怪鳥のような高笑い、足取りなどが目を惹く。元盗っ人宿主宰の老番頭を演じる垂水悟郎がまたいい味、予想される押し込みの凶行に死もまた良しと語り合う二人の会話がたまらなく渋い。
2005/7/28

■ 丹下左膳 百万両の壺 津田豊滋監督作品 2004.7.17EDEN

 山中貞雄「丹下左膳餘話 百萬兩の壺」のリメイクを謳う一本、従って左膳は底の抜けたお人よしの人情家。あまり時代劇ではお見かけしないメインのお二人だが、情話としても時代劇としてもなかなかに見せる、余韻もたっぷりとられまとまりのよい作品。ストーリーはほぼ「餘話」を踏襲、古き良き時代のどたばたコメディの香りを漂わせる作りとなっている。
 ロケ地、柳生城外観、和歌山城岡口門越しに天守。兄・対馬守がくれた壺の悪口を言っているところへやってくる回収業者、妙心寺大庫裏北西角路地(このあと壺を探しに出る源三郎が下男と別れる際には、大通院から出てくるカットもある)。金魚補充に釣堀へゆく左膳たち、八幡堀白雲橋堀端。壺が見つかるようにと祈願の萩乃、上御霊神社本殿(金魚屋が本殿脇にしつらえられている)。壺の行方を突きとめ上機嫌で御帰宅の源三郎、金戒光明寺本堂前。矢場通いがバレて禁足を食らった源三郎が外出願いを却下される司馬道場の庭、洛翠荘・画仙堂前の池。上州屋に迫られた六十両返済で大ゲンカの左膳とお藤、「けんかしないで」と置手紙残し家出の安坊がべそかいて歩く、金戒光明寺鐘楼脇石段鐘楼本堂前石段(安を捜す左膳が三門背負って石段を駆け上がってくるシーンも)。ようやく探し当て「怒ってないよ」は八幡掘白雲橋上。金を作りに賭場へ行きすっての帰り旗本の襲撃を受ける左膳、嵯峨・野々宮町あたりの小柴垣道か。少しでも足しにと壺を売りにゆく安、高大之進の「審査」が行われ市民が列をなす会場、二尊院参道、境内、紅葉の馬場、黒門。対馬守の御落胤と判明し迎えの駕籠に乗ってゆく安坊、下鴨神社河合社前〜馬場。
*左膳、立ち居振る舞いも殺陣も衣装も好感が持てるが、駄々っ子のような「いやだい!」が傑作。対するお藤、つっけんどんな物言いがやってることと対照的で妙味。こちらの衣装がまた渋い。*クレジットにお名前が見えぬものの、福ちゃん旗本の馬鹿息子に雇われた用心棒で登場。本命の強い用心棒と左膳がやりあうところへ介入し、味方にぐっさり刺されて頓死、三人が近接してからむ殺陣は見もの。
2005/7/27

■ 必殺仕事人V旋風編 第1話「主水エスカルゴを食べる」1986.11.7ABC/松竹

 主水は埋立地の石川島百軒長屋番所へ左遷、規約違反のリサイクル屋をたしなめに行くと裏稼業をブチまけると逆に脅される。女は虎の娘と名乗った。
 ロケ地、左遷を言い渡されクサる主水が奇妙な殺しを見る橋、中ノ島橋(殺られた男と鶴が堰堤上の湛水域を流れてゆく。主水は背割に降りている)。その男の兄弟が銀平にお礼参りの浜辺、琵琶湖東岸(お玉が虎の娘と名乗るのも同所葦原)。上総屋の非道を奉行所に訴え出て叩き出された大工がクサって石を投げる、大覚寺放生池堤。上総屋の用心棒に斬られるのは五社明神
*主水「復帰」はツナギの場にぬぅっと入り小判を掴む。順ちゃん連れ。普請方組頭(中田浩二)を斬ったあと用心棒に追われた主水が仕事場に闖入、のかたちで政登場。

■ 長七郎江戸日記3 第25話「ふたりの女」1991.5.21NTV/東映

 辻斬り強盗と見えた事件が焙りだす、小料理屋の女将と祝言間近の板前の過去。行き倒れを喜久蔵に助けられた男は記憶をなくしたまま現在に至るが、実は侍で上司の不正を訴えに出る旅で暗殺されかかった経緯があった。
 ロケ地、二年前竜吉が代官の手先に襲われた街道筋、広沢池東岸(ほぼ草むらと林のみ)。落ちた谷底は保津峡落合(ここから大川に流れ着いたのだろうとワルが話しているが、ちょっと無理っぽい)。「竜吉」の許婚者の武家娘と話す長さん、上御霊神社高倉(背景に藤棚と福寿稲荷)。お参りの女将に声をかける長さん、上御霊神社本殿(導入のショットは楼門越しに本殿を望む)。竜吉の過去について話す、本殿裏手。武士に戻った「竜吉」と早苗を見送る女将、広沢池東岸(渡し場、堤に茶店あしらい)
*竜吉に生きていられては困る代官、女将をさらい居場所を迫るが「死んでも言わない」。これに感激の許婚者の娘(代官の姪)は女将を逃がそうとするが、見つかってしまい二人とも殺されかかる…姪でもお構いなしの冷血代官は江見俊太郎。
2005/7/26

■ 斬り抜ける 第14話「愛と死と…」1974-1975朝日放送/松竹

 母であることを捨て俊平と二人生きる決心をする菊、しかし運命はそれを許さず一人の修羅が誕生する。
 ロケ地、小川の川面に母の面影を見る太一郎を殺そうと近付く伝八郎、酵素河川敷。松平藩江戸家老が嘉兵衛に俊平ら生存を伝える、大覚寺天神島。「仕事」の間菊を預ける庄屋屋敷、走田神社社務所。俊平の帰りを待てずに太一郎を捜しに出た菊がゆく道、北嵯峨農地。嘉兵衛が馬子に太一郎を奪われてしまう落石の崖道、落合か。伝八郎と組んだチンピラのアジトの小屋、酵素林際(セットと併用)。村の入会地も酵素

■ 鬼平犯科帳「のっそり医者」

 三十年前の刃傷沙汰が分けた人の運命の機微を描く。若気の至りの殺人を悔い、ところの人々に無くてはならぬ徳高い医師となった男を宍戸錠が、仇討ちの意思破れ賊の仲間となり人殺しに快を求めるまでに堕ちた男を遠藤憲一が、それぞれに好演。盗賊改と医師を結びつける役回りを、「盗賊人相書」事件の健気な下女・およしがつとめ、彼女の身の上を案じる「火盗の人々」が情話を展開。
 ロケ地、荻原宗順とすれ違い土田伊平を斬った早川と見てつけてゆく本多家家中の今井宗兵衛、金戒光明寺石段〜永雲院下坂。小網町の宗順宅近くの稲荷堀端で「辻斬り強盗」に遭い頓死の勤番侍、随心院土塀。下総古河五万石・本多家中屋敷、大覚寺大門。土田万蔵に襲われる診察帰りの宗順、大覚寺有栖川(河床から見上げ)中ノ島橋(欄干に足をかけ川に身を躍らせて逃れる。設定、仙台堀沿いの道〜上ノ橋)
*およしを震えあがらせ平蔵に訴えて出るまでさせる、怖さ十分のエンケン。原作設定の四十がらみにはちょっと若いけど。*宗順が医術を学んだ地として出てくる大和の芝村、池波作品では剣客商売で嶋岡礼蔵の故郷だし、この付近は鬼平「凶剣」で柳本も出てくる。ゆかりか思い入れでもあったのだろうか。
2005/7/25

■ 銭形平次2 第3話「殺人目撃!記憶を失くしたお静」2005.7.25テレ朝/東映

 平次たちの追う阿片密売人が口封じに消される、その現場を見てしまうお静。逃げる途中大八にぶつかり頭を強打し記憶喪失という筋立て、密売組織とグルの侍はお町のダンナ。お静の記憶の糸を手繰るかたちでドラマが進行、北町同心とやりあう平次の姿に「女房になる決心」をした事件の記憶を幻視するお静のシーンがなかなか。
 ロケ地、神田明神境内、今宮神社境内(石橋や祠、楼門翼など。冒頭イメージのほか同心と対決も同所、川開きの花火を合成し演出)。売人を斬り捨てる北町同心・草薙、八幡掘舟橋付近堀端。対岸で見たお静が逃げて駆け入るのはかわらミュージアムの階。売人の死体が上がる川、嵐山公園桂川中州下手堰堤下。平次が語る過去の回想、釣りデートは大覚寺放生池堤。プロポーズの船着きは八幡掘・新町浜。笹野さまがお静に平次の昔話をする堀端、八幡掘・明治橋上手堀端
*大ワル同心に遠藤憲一、ぬめっと赤い唇が印象的。*夫婦の絆を再認識というテーマに沿って、はじめお静がプロポーズを渋った経緯なども出てくる。
2005/7/24

■ 必殺からくり人 富嶽百景殺し旅 「尾州不二見原」

 江戸で十年苦界に身を沈めた女が帰りついた故郷、しかし村はきれいさっぱりなくなっており母も許婚者も死んだと聞かされた女は虚脱に陥る。一座の奔走で許婚者は見つかるが、男はヤバい橋を渡る金の亡者と成り果てていた。
 ロケ地、鈴平らが役人に追われ斬られる男を見る街道、不明(奥に溜池のある谷地田)。おりんの村があった野原(大樽を作る老職人があしらわれている)、不明(高台)。絶望したおりんが入水未遂(唐十郎が止める)罧原堤下桂川。尾張屋へ人参を運んできた男たちを尾行する鈴平、保津峡落合河口〜崖道(落下岩のまだ上へ縄梯子で登る)。人参小屋のある野、不明。
*大胆な構図の「桶屋の富士」をホントに持ってきたプランにびっくり。桶からのぞく富士のスケールがおかしいけど気にしない。*おりんが清吉に刺され金を奪われる「川」、セットに水を流して撮ったものと思われるが、三面張り河床ともとれる部分と、きれいに出た河床波が引っ掛かる。

■ 必殺からくり人 富嶽百景殺し旅 「凱風快晴」

 締めくくりの一話は北斎がらみ。一座に課せられた「仕事」は北斎殺し、但し義理も借金もチャラにしたい北斎が仕組んだお芝居。これを支援する版元の梅屋は、北斎死亡→持ち絵の高騰を期してのプランが「人物画に目覚めちゃってユリイカ状態」の北斎によりおじゃんになるのを防ぐため暗殺をはかる。
 ロケ地、江戸へ帰りたいとベソをかくうさぎに声をかける唐十郎、金戒光明寺三門(ここで既に浪人・赤星の影)。江戸でもしつこく唐十郎をつける赤星とやりあう、極楽橋墓地。北斎の絵のセリが行われる屋敷(借りた会場か守山藩邸か不明)大覚寺大門
*老いて尚盛ん、飽くなき探究心の塊である鬼才・北斎を前に山田五十鈴すら霞む。人物画に目覚めるきっかけの女形に西田良を持ってくるのも凄い(絵はおなよかおしづか重の井か)。暗殺されかかったのに赤星浪人のスケッチとってたりするのもアレだけど、天然系の北斎先生はラストをアカるい冥界通信でシメてくれる。輪を掛けて天然の娘・おえいを演じる吉田日出子がまたいい味。北斎の人物画は「写楽」の名で梅屋が刷りだすというお遊びも唸らせる。*北斎を斬ろうとして果たせず、守山藩士らに膾にされる赤星浪人の立ち回りも特筆もの。これを走り書きする北斎の絵との連動がよい画。
2005/7/23

■ 必殺からくり人 富嶽百景殺し旅 「東海道金谷」

 金谷宿で横行する道中奉行と川庄屋に脇本陣が組んでの悪事、川止めを自在に操り高値をとっての闇渡し。これにより永遠に娘と引き裂かれてしまった女の悲哀を主軸に描く。
 ロケ地、大井川金谷の渡し、罧原堤下河原。おふじの娘の墓、金戒光明寺本堂裏手墓地。本陣の下男に事情を聞きながら歩く唐十郎、長安院下坂。闇渡しの船着き、広沢池東岸
*絵の赤は本陣陣旗、脇本陣に狙われているというマーク。
2005/7/22

■ 徳川武芸帳 柳生三代の剣  1993.1.2TX/松竹
  第五部 「伊達、薩摩の陰謀?島原の乱!」 その一

 仙台入りの十兵衛、先回りされており捕まるところを助けたのはキリシタンの娘。彼女はいきなり仙台で始まった弾圧を不審に思い神父と来ていたもので、共に謎に迫ることとなる。老いた伊達政宗は、「馬上少年過ぐ」一生の怨嗟をぶちまけ死んでゆく。
 ロケ地、支倉の領地へ向かう十兵衛とキリシタン神父たち、罧原堤下桂川右岸河川敷。支倉屋形、民家西側(夜間、コノハズクの鳴き声入り)。弾圧から逃れ仙台へ向かうキリシタンたち、桂川か安曇川か。仙台で急に始まった弾圧、捕り方が出て信徒らを捕縛する鎮守、鳥居本八幡宮舞殿。木猿が十兵衛を呼び止める石巻港、罧原堤下河原。神父とお春を隠してある漁師小屋、間人海岸。深更、石垣を伝い青葉城巽櫓下に忍び込むお春、彦根城佐和口多聞櫓。木猿に薩摩へゆくと告げる十兵衛、嵐山公園中州上流端。柳生上屋敷、京都御所管理事務所北門。屋敷の庭、手裏剣でお藤をからかう木猿、梅宮大社神苑
*政宗の陰謀はイスパニアとの密約、武器供与を受け己が国主となりキリシタン国教化を約束。しかし幕府による切支丹禁令で企みは破れ、密使だった支倉常長を毒殺し一族も誅滅、キリスト教も弾圧する運びとなる。仙台米で江戸の市場を牛耳り、生命線を握ろうとする陰謀なんかもやっている。*総目付となり万石取りになった宗矩、お屋敷も随心院から御所に変更、庭なんか梅宮の神苑という豪華さ。
2005/7/21

■ 岡っ引どぶ6 「折鶴殺人事件」1983.12.29CX

 虚無僧と行商人の殺し合いという奇怪な事件は、もっと怪しい埋蔵金ばなしへ。勝頼の裔という謎の美姫が出てきたり、甲府勤番支配は絵に描いたように強欲。悲劇のあと、託されていた金の始末を「夢物語」にしてどぶは甲府を去る。
 ロケ地、殺しのあった思案橋で白い折鶴を持った女と出会うどぶ、中ノ島橋(たもとには虚無僧を殺った以蔵が屋台を出している。花火と驟雨を演出)。三社祭の日、神田明神をあとにした浪人が虚無僧に斬られる、下鴨神社河合社脇。浪人の持っていた古小判を見て貰いに金座へ赴くどぶ、大覚寺明智門。浪人の遺児がさらわれどぶが呼び出される小名木川畔、広沢池東岸(夜鷹の苫船あしらい)。お葉さまの使いが来てどぶを駕籠で招じ入れる山城屋根岸寮、中山邸門。嘉助と甲府へ向かうどぶ、嵐山自転車道谷山林道。引きずり込まれる旅籠、愛宕参道・平野屋(鳥居下からのショット)。宿を探っていた虚無僧一味が逃げ込むお堂、大覚寺護摩堂。甲府イメージ、谷山林道から山なみ遠望。甲府勤番支配邸、大覚寺大門(後段、どぶの見張りには前の御殿川河床も)。お葉のいる松風庵へ赴くどぶ、高山寺参道〜石水院。姫を騙していた山城屋を殺る以蔵、茶園前。埋蔵金のある鶴塚へ向かうどぶとお葉、高山寺参道、菩提滝など。鶴塚とラス立ちは清滝河原
*御家人斬九郎「白魚の吉次」に、浪人の娘の名や鶴塚などのタームが一致。だいたい吉次が田中邦衛だし。金の有無や意味合いなどは異なる。

■ 必殺からくり人 富嶽百景殺し旅 「甲州三坂の水面」

 湖面に映る富士ヶ嶺が赤変という謎からはじまる話、出てくるのは村人の悲惨な暮らし。口べらしの棄老が年貢横流しのためと知ったからくり人たちは、怒りもあらわに仕置に向かう。
 ロケ地、富士を映す河口湖、広沢池(汀には東岸のほか観音島が使われ、遠景には西望のアングルが用いられ富士を合成。逆さ富士が映る場面では書割の鋭角な山頂をゆらゆら揺らして重ねる)。野良の風景や、うなだれて畦道をゆく村人のくだりには北嵯峨農地、これにも大胆な図柄の富士合成がある。庄屋屋敷、民家門と青田越しに甍を望む画。
*棄老を庄屋に迫られた家族の苦悩がたっぷりと描かれ、老婆を「富士へ登らせる」くだりは哀切極まりない。しきたりそのものも庄屋のでっちあげと知った山田五十鈴の「殺してやる」が迫力、ずかずかと闇取引の現場に踏み込み荒っぽく仕置、庄屋のみ湖上で始末し「お山に登らせる」。
2005/7/20

■ 長七郎江戸日記3 第24話「夢の通い路」1991.5.7NTV/東映

 琉球から姉の仇を求めてやってきた美姫、長さんは彼女を助けて動き悪をいぶり出す。その過程で娘は長さんに思いを寄せるに至るが、成敗の段で身分を知り悲恋に終わる。
 ロケ地、二年前の琉球、浜で去る男に追い縋る加奈の姉、間人海岸。屋形船を仕立てて島田典馬を誘き寄せる、広沢池東岸
*加奈の姉を騙し渡嘉敷家の財宝を騙し取った男は江戸へ出て黒鍬者組頭になりおおせていた。騙りに手を貸した妹のほうなんか、大奥へ入り込みお手つき寸前というトンデモ。裏にいたのは薩摩藩江戸家老だったりする。*里見浩太朗の日舞ふう琉球踊りなんかも見られる…練習段階では女舞に見えて、すわ女装かと。

■ 必殺からくり人 富嶽百景殺し旅 「隅田川関屋の里」

 一座が見かけた不審な侍たちが捜すのは馬、これがただのお馬さんではなく将軍家の愛馬で、探るうち幕閣がらみの陰謀が浮き彫りになる。
 ロケ地、関屋村の街道をゆく一座を追い越してゆく早馬三騎と中間、大内辻堂亀岡道(北望のアングルで、登り道にかかるあたりでぶった切って富士山を合成)。侍たちが駒をとめて浪人と渡世人のなりに着替えるやしろ、鳥居本八幡宮(鳥居、石段、本殿。お艶らが来かかり風体を変えたのを見咎めるのは小柴垣道、唐十郎がやって来るのは本殿東側の側道)。流山代官所、大覚寺明智門(後段には内部も使用)。お艶が興行を願い出る代官所の玄関、相国寺方丈前廊下(お艶が控えるのは勅使門から続く石畳。後段、変装した御召馬預の役人たちが詮議されるのも同所)。中間の新助がゆく道、大覚寺有栖川(河床から見上げ)放生池堤(姪と行き合わせ、兄の遺書を見る)。変装した御召馬預かりの役人らが二手に別れて探索に散る道隈、大内辻堂の祠を南から見て前後を分岐に見立てる。渡世人に扮した役人が聞き込みの農家、萱葺民家(川堤脇に水車あしらい)。勘定奉行の鬼丸が大目付に「秋月さま」の話を持ちかけてほくそ笑む江戸城内の広間、相国寺方丈(座敷からのアングル、背景に塀越しの法堂大屋根)。勘定奉行邸、大覚寺大門(御殿川から見上げ、手すりに駒つなぎ)。御召馬預役所で組頭が鬼丸の企みと憤激するのを聞いた唐十郎が渡る橋、中ノ島橋(後段、お艶に江戸の仕事を任された唐十郎は「渡り返す」)。代官所に忍び込み鳴き真似で「秋月さま」を確認した鈴平が走る掘割、大覚寺有栖川河床(大沢池木戸の下)。流山を発つ一座、大内辻堂亀岡道(北望、登り道切り通しのガレも見えている。祠は映さない。道傍らには唐十郎が待っていてお艶に成果をアイコンタクト)
*町外れのお宮さんで着替える、思いきり怪しいお侍が実は上様の愛馬を必死で捜す忠義の士というのが、見る者の思惑をうまくはずしドラマによいリズムを与えるが、その一人が五味龍太郎だから効果利きすぎ…代官に謀殺される直前まで「悪人」に見えてしまうんだよね。だから「秋月さま」を刃から庇うかたちで斬られるシーンは、とても哀切。*関屋の里から流山への距離感がちょっと疑問…松戸のまだ先だからずいぶん遠いように思うんだけど…ま、いっか。
2005/7/19

■ 斬り抜ける 第13話「あなたが欲しい」1974-1975朝日放送/松竹

 ようやくの江戸入り、菊の叔父の目付屋敷に駆け込むも「不義者」の一件は上つ方の政争の道具と成り果て、太一郎は奪われてしまう。取り戻しに藩邸へ押し入った俊平は、乱闘の興奮さめやらぬ返り血を浴びた姿で、死装束の菊に叫ぶ「あんたが欲しい」。
 ロケ地、叔父の家に向かって走る菊と太一郎に伝八郎が立ちはだかる池之端、大覚寺大沢池堤。目付・勝邸へ駆け込む俊平たち、相国寺大光明寺南路地。作州松平江戸屋敷、大覚寺大門。回想、松平丹波守へ輿入れの幸姫の行列、相国寺方丈外塀角。夜、水野老中を西の丸下の屋敷に訪ねる勝、入る裏門は相国寺大光明寺通用門。城から出る大奥年寄・姉小路の駕籠、彦根城佐和口多聞櫓。墓参の下谷長福寺、相国寺墓地(松平江戸家老と密談)。登城した水野老中がゆく御廊下、相国寺方丈前廊下(座敷から)。松平の江戸家老と姉小路が駕籠に乗ったまま密談、大覚寺大沢池堤。嘉兵衛らが太一郎を伴いゆく東海道、桂川松尾橋下手右岸堤と汀(俊平と菊が追う)
*金づるを失った弥吉、かかった仕事の口は「不義者節」を広める流し。正ちゃんのガナるそれは河内音頭みたい。
2005/7/18

■ キル・ビル vol.1

 深作監督への献辞にはじまり梶芽衣子の怨み節でシメる、お遊びいっぱいのタランティーノ製「タテ」アクション。そうか、時代劇と特撮と香港映画をアメリカ人の頭の中でシャッフルするとこうなるのか…。サニー千葉の服部半蔵がいちばんコケるけど。
元ネタを知らない世代はどういうふうに見るのか興味アリ…っていうか自分も全部は判らない。
2005/7/17

■ へそ曲がり新左 1987.5.14テレビ朝日/東映

 主人公の老骨の武士を菅原文太が演じた、藤沢周平原作作品。
尺が45分と短いので端折り気味であるが、テンポは一徹侍によく適い小気味良い直截さを醸し出す。新左老人に「成敗」されちゃう側用人なんか、行いは語られるものの見せ場がいきなりばっさり抜き打ちの逆手斬り…でも西田健のにしゃらっと笑う横顔は利いている。臍曲がりの家系を継ぐ「婿」平四郎も、短いながら顔の演技で三浦浩一が好演。原作では亡くなっている妻も登場、二宮さよ子。
 ロケ地、登城風景、彦根城天秤櫓。篠井一派の砂金採り、清滝か。14年前の回想、戦場で助けた娘を加藤に持っていかれ殿様に献上されてしまったと知った新左が怒って乗り込む宿舎、永観堂・放生池の橋と阿弥陀堂(原作は文禄慶長の役だがここでは関ヶ原か大坂の陣か)
*篠井一派の侍に福ちゃん、平四郎の妹を城中から連れ出す新左を誰何し取り囲むものの、大喝されビビって逃げ出す。新左が篠井を斬り捨てる座にもいる。
2005/7/16

■ 必殺からくり人 富嶽百景殺し旅 「深川万年橋下」

 息子の不当な死に怒る母、事情を追求する強い意志はワルの崩壊を呼び、捻れた暮らしも正道に立ち返る。
改易となった小藩の武士たちが営む、「人質賄い」なる奇妙な生業。その過程でおたきの息子はならず者の抗争に巻き込まれ死亡、ワルは子を斬った旗本くずれと見えて生業そのものという組み立てだが、乱暴旗本も抗争相手の口入屋も仕置対象。
 ロケ地、神社で睨みあう雷党と辰巳一家、今宮神社(雷党登場は楼門翼を背負って石畳をゆく図、舞殿を挟んで睨みあい、喧嘩は石橋・二本とも使う)。一座が興行を打つ市川の寺、西寿寺(石段から本堂見上げ・十三重石塔が見えている)。深川へ船を出す唐十郎と鈴平、嵐山公園中州舳先。おたきの頼みで船をつける深川万年橋の橋脚、渡月橋橋脚(トラス構造の木橋に見せる装飾部)。人質の役をつとめに出たおたきを追いかけ、「家老」を問い詰めて斬られる水嶋浪人、大覚寺五社明神
*桂川に漕ぎ出した船の行く手に、深川万年橋下の浮世絵が合成されなかなかの迫力。*始末する人数が多いので唐十郎はまた大立ち回り。お艶の殺陣も小道具も目一杯使い派手。
2005/7/15

■ 徳川武芸帳 柳生三代の剣  1993.1.2TX/松竹
  第四部 「血闘!伊賀上野の仇討」 その二

 大御所没後、忠長は詰腹、池田侯は暗殺の運び。こうした情勢のもと「鍵屋の辻」の仇討ちに関わった十兵衛は、世間の裏側も垣間見ることに。父から聞いた伊達の陰謀の真相を確かめるべく仙台へ向かう段で次回。
 ロケ地、江戸城イメージ、姫路城天守。傀儡師や聖の「友人」に又五郎探索を指示する十兵衛、大覚寺五社明神。又五郎一行が奈良行きの街道、山室堤道。柳生の里から奈良へ向かう小笛、山道は酵素ダート。忍者の襲撃を受ける市街は大覚寺五社明神、駆けつけた十兵衛が忍者と戦うのは有栖川河床。奈良に宿をとった又五郎一行を確かめたあと忍者に襲われる十兵衛、護摩堂前。鍵屋の辻へ近付く又五郎一行、山室堤道。鍵屋の辻付近は松竹オープンセットで撮り、数馬が又五郎を討ち果たすどたばたの死闘は山室(つかみ合って堤を転げ落ち、決着は田んぼの中)。小笛を殺した忍者を放ったのは伊達と聞き仙台へ向かう十兵衛、罧原堤下河原
2005/7/14

■ 必殺からくり人 富嶽百景殺し旅 「駿州江尻」

 大風を見事に表現した北斎の版画、その中の懐紙を散らしてしまう女を話に登場させる。散らしたのは船の設計図、当地では献上船をめぐって薄汚い陰謀が進行中だった。
 ロケ地、江尻へ向かう一座、北嵯峨の畦道(ここが図面を散らした焼津−江尻間の一本道)。男に詰め寄られるお京を助ける唐十郎、大覚寺有栖川畔〜五社明神。唐十郎が待つと連絡した小屋(爆破される)、不明。このことを地回りに報告のお京、神社不明(石段脇に蕨手の石灯籠)。図面を拾った子供がそれを隠したという寺へやって来るお京、西寿寺石段(上から唐十郎現れ)。監禁されている妹と恋人を図面と交換する唐沢の池、大覚寺天神島。お京の墓に詣でて江尻を発つ唐十郎、西寿寺・墓地側の崖にある龕の前に卒塔婆。何度も出てくる海、不明。
*妹を不具にしたと負い目を持つお京、凶刃に倒れ恋人を譲って事切れる哀れさ、駆けつけるも間に合わなかった唐十郎は怒りに顔色を変え大立ち回り。でも得物はいつもの。

■ 必殺からくり人 富嶽百景殺し旅 「甲州犬目峠」

 温泉探しをしていた男が鉱脈を見つけて起こる事件、情報を得た地金屋が痘瘡を患った大店の主を装い、山の湯治場を買い取るというたいそうな芝居を打ち、役人とグルになって掘りにかかる。お艶らも痘瘡患者に化けてうまうまと湯治場に入り込むが、この間にも新たな犠牲者が増えてしまうのだった。
 ロケ地、犬目峠近くの天狗山の湯治場から逃げてくる湯治客たち、北嵯峨農地山際の畦道。湯治場へ向かう山道、不明。甲府金山奉行所、大覚寺明智門。役人らに仕掛ける宇蔵と唐十郎、下鴨神社池跡
*痘瘡を装う地金屋に江幡高志、お艶と宇蔵も同じくメーキャップして湯治場に。
2005/7/13

■ 長七郎江戸日記3 第23話「霊験あらたか!」1991.4.30NTV/東映

 カタい長七郎シリーズには珍しい、トンデモ要素入りのお話。霊感少年が登場、これが本物。なにしろ少年が長さんの手に触れただけで閃光がきらめき、成敗真っ最中の長七郎ぎみと葵の御紋がばばーんと幻視されちゃうんだから凄い。筋立てのほうはマトモで、少年の能力を悪事に使うワルが出てきて欲をかき、長さんの知るところとなり成敗される。トンデモ要素の超能力も長さんのお説教で締められ、基調ははずさない。
 ロケ地、霊感少年の「生神さま」松吉少年に話を聞く長さん、梅宮大社(はじめ楼門越しに中を見るアングルで、舞殿の階に座る二人にスイッチ)。このあと生神さまが嫌になった松吉が能力の放棄を祈りに来るのも同所で、こちらは本殿。もう力を使わなくていいと慰める長さんは神苑汀、茶店の床机をセット。松吉が託宣した次期若年寄の駕籠を襲撃する勘定奉行、大覚寺大沢池堤
*おはるちゃんの髪型、辰に似てきてるっぽい。その辰、悪徳商人を見張るくだり、お子たちと一緒に団子屋の前で指咥えてて最初気付かなかった…あまりにも自然で。

■ 必殺からくり人 富嶽百景殺し旅 「下目黒」

 お鷹さまネタ、偉いさんは登場せず鷹匠たちが横暴の限りを尽くす話。お宮さんの葺き替えに必要な萱が御狩場の真ん中にあり、鷹匠たちは言を左右に刈らせない。調べを進めるからくり人たちの目の前で、悪事は更に積み上げられてゆく。
 ロケ地、うさぎが水浴びをしていて庄屋の娘と小作人の友吉のデートを見かける目黒川、桂川宇津根付近か。庄屋屋敷、民家門。村の鎮守、鳥居本八幡宮(鳥居越しに本殿を見るアングルから入り本殿前へ)。村へ逃げ帰ってきた足抜け女郎が鳥見役に捕まる、川堤か。野原の鳥見小屋および鷹を馴致する野原、不明。騙されて女郎にされていた妹の亡骸を墓に埋める友吉、下鴨神社糺の森池跡(仕置シーンにも使用)。鷹匠に斬りかかり失敗した友吉を捜索の野、酵素河川敷。山に逃げ入るも恋人をタテに脅され斬られてしまう友吉、谷山林道か。
*凶悪な鷹匠のリーダー格、亀石征一郎。
2005/7/12

■ 斬り抜ける 第12話「男は賭けた」1974-1975朝日放送/松竹

 信州高島藩の隠し銀山に入り込み、囚われてしまう菊と太一郎。奪還のため、俊平は捨て身の賭けに出る。俊平・弥吉・鋭三郎それぞれに役割を果たすドラマは見せ場多し。
 ロケ地、銀山、どこかの砕石場か。狼煙を上げる弥吉、一部谷山林道。人質交換の野原、湖南アルプスか。菊と太一郎を奪い返した俊平と鋭三郎の馬が甲州指して駆ける野、木津河原(遠景に流れ橋、橋桁なく河原に散乱)
*風呂の見える部屋をとり泊り客から金とってハダカ見せる弥吉、湯船に男との苦情で見てみると岸田森の入浴シーン…。俊平の手紙を売りつける段ではちょびっとしかくれない伝八郎に「ケチー」ついでに供侍に「ケチのともだちー」…あんな瞬間湯沸かし器(死語かも)に軽口叩くのは弥吉だけ。高島藩士の馬から鞍盗むのも傑作。…しかし狼煙あげようとして捕まりかけたときのごまかし方が最も火野正平らしいかも。

■ 暴れん坊将軍10 第25話「狙われた琉球!美しき姫の舞に隠された涙」2000/3-9テレ朝/東映

 シリーズ掉尾は暴将お得意の琉球もの、今回は琉球への圧政に関して上様から藩主に宛てた親書をごまかすため、豪族の娘をニセ王女に仕立てて謁見させる運び。ニセ王女の兄に妹を託された新さんは、薩摩だろうとお構いなしに藩邸にずかずか「余の顔見忘れたか」。
冒頭からおぶんの出産エピソードが織り込まれ、めでたく跡取り誕生で締めくくる。
 ロケ地、じいを薩摩藩邸へやったと忠相に話す上様、二条城清流園。薩摩藩上屋敷、大覚寺大門。藩邸を抜け出したニセ王女・麻耶が聞得大君に祈る祠、五社明神本殿(追っ手は辰五郎と新さんが撃退)。麻耶がニセ王女に仕立てられた経緯を報告の庭番、二条城内濠端。麻耶の回想、兄と空手のトレーニングの庭(慶良間一族の館)萬福寺開山堂前庭。渡海屋から麻耶の兄・鉄心を連れ出し新さんに引き合わせる渚、上賀茂神社渉渓園。琉球に目が届かなかったと述懐の上様、茶亭は大覚寺望雲亭か。夜、め組を抜け出して祠に祈る麻耶が拉致される、天神島の祠。麻耶を取り戻しに走る鉄心、天神島朱橋随心院土塀(空手で奮戦するも撃たれる)
*ラス立ち福ちゃん入り、一番乗り。麻耶を押さえつけてる藩士は峰蘭太郎。
2005/7/11

■ 暴れん坊将軍10 第24話「計られた上意討ち!若侍に惚れた年上の女」2000/3-9テレ朝/東映

 藩金使いこみを勘定組頭に嗅ぎつけられた江戸家老は、昔のどうでもよい事件を蒸し返し組頭を討手に選ぶ。上意討ちの相手は組頭の師匠で敵うはずもなく、完全な陰謀。この侍たちの悲喜こもごもに、お凛が絡んでゆく。タイトルにある恋物語はお凛の一人相撲で、ちょっとカワイソ。
 ロケ地、上意討ちを差し向けられる後藤勘兵衛が寺子屋を営む照安寺、神光院(本堂、中興堂、蓬月庵前)。お凛と話す新さん、上賀茂神社ならの小川(川中に子らをあしらい)。討手の紋四郎の回想、藩を出奔する後藤のくだり、酵素ダートと降り口、河川敷。江戸城イメージに二条城本丸櫓門内濠。榛名藩主と話す庭は清流園
*ワルい江戸家老は睦五朗、紋四郎と勘兵衛の始末はもちろんのこと、上意討ちの場で若い藩主も殺そうとはかる外道。ラス立ちでは、心ある者はとの上様の言葉に反応して半分の藩士は殿を守るべく去るが、福ちゃんは残って上様に刃向かうほう。なりは裃つけた藩士で、下っ端ではないみたい。

■ 銭形平次2 第2話「孤独な少女!偽りの父に潜む謎」2005.7.11テレ朝/東映

 当てもない日々を暮らす仇持ちの侍と、矢場の女将にこき使われる薄幸の少女の出会い。その幼女に関わったことで、侍はそれと知らず仇を斬り永久に存念を果たせぬ仕儀となるが、屈託ない少女の笑顔に全ての憑き物は落ちてゆく。
 ロケ地、辻占売りのゆきを苛める悪ガキを叱るお静、長岡天神境内。釣りの正田浪人、桂川松尾橋下手河川敷水制(仇を斬ってドボンもここ)。賊が荷駄を襲い失敗する海岸、日本海と思われるマジ海。
*正田浪人に永島敏行、渋い。
2005/7/10

■ 必殺からくり人 富嶽百景殺し旅 「本所立川」

 おいてけ掘の河童騒ぎは、老盗賊と孤児たちの夢を実現する手立て。しかし屋敷を貸した殿様が三百両の分け前で引き下がる筈もなかった。
 ロケ地、河童の噂を聞く水辺の茶店、罧原堤下河原(茶店の中からという仕立てで暖簾越しにちらちら対岸の堤が見える)。釣りの帰りの夕暮れ、宇蔵と鈴平が「おいてけー」の声を聞く水辺、大覚寺大沢池北西畔。河童一味の幼女を捕まえる堀、有栖川河床。幼女を取り返しに来た「河童」らが消える堀端、有栖川畔(この先に盗っ人宿の旗本屋敷、設定は本所四ッ目堀)。田舎に家と畑を買ってみんなで暮らす「夢」の風景、萱葺民家と畑、不明。事後、盗んだ金では夢は買えないと子らを説得する唐十郎、有栖川に架かる小橋。道中をゆく唐十郎、罧原堤下汀。お艶らが船でゆくのはその前の川。子らがお艶の船を見送り「おいてけー」と呼ばわる、桂川松尾橋下手右岸堤
*子らが扮する河童を、場面ごとに巧みに使った演出が上々。ことに、仕掛けの場で旗本たちをおどかすのにぬっと現れての「おいてけー」を山田五十鈴の「さぁ置いてけ、その薄汚い命を」につなげるあたり、台詞まで絵画的。この構造ゆえ、月代剃ったはずの唐十郎のアタマがあっさり「戻っている」など細かいところに破綻の目立つ筋立ても気にならない。*老盗賊は花沢徳衛。
2005/7/9

■ 必殺からくり人 富嶽百景殺し旅 「神奈川裏沖浪裏」

 唐十郎の過去が覗く話。「仕事」は相模から江戸へ初鰹を運ぶ男たちが殺された件と関わっており、黒幕のいる江戸が主舞台となる。その黒幕と、それに使われる殺し屋が唐十郎の「因縁」で、島流しになった過去と消えた恋が露わになる。
 ロケ地、泊まったお堂で夜殺し屋を見るお艶、下鴨神社糺の森。事件の黒幕の調査に江戸へ向かう唐十郎、糺の森池跡(アップダウンを巧みに利用)。駕籠舁きに化けて江戸へ向かう宇蔵と銀平、北嵯峨農地・陵前の道。
*嫌な予感がするとお艶に告げる唐十郎の背景が北斎の浮世絵に変じるシーン、ほんの一瞬なのに妙に凝っている吉原、上総屋に仕掛けるくだりの蚊帳、映像がこの上なく美しい。また、上総屋に仕掛ける唐十郎のくだりから鳴り出す「夢ン中」がスムーズにEDにつなげられるのも絶妙。
2005/7/8

■ 徳川武芸帳 柳生三代の剣  1993.1.2TX/松竹
  第四部 「血闘!伊賀上野の仇討」 その一

 駿河大納言の高崎預けと、「鍵屋の辻」に至る事件の勃発を描く。
「大きく」なって現れた柳生十兵衛は、忠長卿の側室を暗殺した娘を拾う。十兵衛つながりで荒木又右衛門が登場したところで次回。
 ロケ地、駿府城、彦根城佐和口多聞櫓。駿河藩江戸家老邸、相国寺大光明寺門。駿府を探っていた木猿が江戸へ戻る箱根山中の道、谷山林道両側切り通し・遠景に富士山を合成。十兵衛が滝を見て心眼の修行をする不動の滝、琴滝(十兵衛は滝壺汀、観察する木猿は滝中ほど)。柳生江戸屋敷、随心院長屋門。駿府城下、久能山参詣の途中筒見ヶ丘で野遊びの忠長卿側室、上賀茂神社ならの小川畔。半弓で御側室を暗殺した小笛(忠長卿の忠臣の妹)が討たれかけるのを助ける十兵衛、下鴨神社泉川畔。備前岡山藩城下、河合又五郎の盗みを注進しにゆく夜道で斬られる池田源太夫、大覚寺大沢池北西畔(世継誕生を祝う盆踊りが背景)。又五郎が出奔の山道、谷山林道。熱の下がった小笛を乗せて船をやる十兵衛、罧原堤下桂川。小笛を祖母に預ける、酵素河川敷にセットの柳生屋形。江戸、池田家上屋敷、随心院薬医門(かなり上方からのショット)。旗本・安藤四郎衛門邸、相国寺林光院(門の内外、式台玄関。慌しく侍が出入りするシーンには大光明寺南東角や林間も)。安藤に又五郎を渡して貰えず先君の墓前で自刃する池田家の侍、不明。江戸城、姫路城天守。忠長卿配流の駕籠がゆく道、不明(林道)。大和郡山城下を眼下に望む十兵衛、谷山林道頂上付近から町なみ遠望。下城の荒木又右衛門を襲う刺客、仁和寺西塀(内側)際〜観音堂脇。又右衛門に声を掛け二人ゆく十兵衛、前の石畳。

■ 暴れん坊将軍10 第23話「吉宗を愛したお庭番!断崖に消えた恋」2000/3-9テレ朝/東映

 悪辣な韮山代官、上様が命じた水路工事の最中に金鉱を掘り当て、以降水路なんて放っぽりだし村の男たちをこき使い鉱石掘り。また秘密が漏れるのを恐れ村人が外へ出るのを禁じる掟など出し、潜入した隠密も容赦なく消す。韮山入りした渚は、目安箱への訴状を持った庄屋の孫娘が追われるのに介入するが、鉄砲に追われ崖から落ち記憶を失ってしまう。
 ロケ地、韮山入りの渚がゆく街道、不明(後段、上様が休む茶店も同所)。役人に追われ崖から落ちる渚、保津峡落合落下岩。韮山新田村、美山町萱葺民家群(イメージのみ)。「水路工事」の普請場、切り立った崖の前に荒地の例の不明なとこ。村の女を役人から助けた新さんが裏手から導かれる村、摩気神社裏手民家(新さんの帰りを待つ渚のシーンもあり、夕景も)と脇の川堤〜摩気民家(北側と畑地、これが庄屋屋敷設定。村の少女が渚を役人から隠す際には園部川堤の木なども)。韮山代官所、民家長屋門。村を出た渚と新さん、役人から逃げて休む小屋、酵素河川敷(渚が囮になって役人をひきつけるくだりで入口のダートも)。また同じところから落ちた渚、とどめを刺そうと殺到する役人は落合河口汀。記憶の戻った渚が隼人に悲しい夢を見たと述懐、「徳田さま」に貰った櫛を川に流す、酵素河川敷(夜)
*言うまでもなく女お庭番・渚主役のお話。記憶を失っている間、妙に親切な侍・徳田新之助にほのかな思いを抱いてしまうプロセスが描かれる。二人で蛍を眺めたりメロウな情景もあるが、「触れ合い」が足を痛めた渚をおんぶだから、やっぱり上様は色気と無縁。渚の思いを知って苦しむ上様、というのもあるが察したのではなく物陰から「聞いてた」し。二回目の崖落ちの際はちょっと笑える「特撮」あり。*渚を助けてくれた庄屋に大木正司、よそ者に冷たい一面もあるがただ難儀を恐れてのことで、村人思いの善人…大木氏の善人って初めて見たかな。悪代官は山本昌平でこちらはいつも通り凶悪。ラス立ち福ちゃん入り、下っ端役人で襷がけ短袴。

■ 探偵!ナイトスクープ アカデミー大賞 2005.7.8ABC

 福本清三氏が助演賞のプレゼンターとして出演。「浪人」姿で赤絨毯を踏んで登場、居合抜きも披露(センセイの刀にライト当り閃光がきらめく)。センセイの紹介にラスサムから登場場面を抜粋、ナイトスクープで1992年に放送された「謎の斬られ役」の抄録を映したあと、センセイがステージに登場。番組で取り上げられてから注目されるようになったと丁寧に礼を述べる福ちゃん、アガっているのか「ハワイ」とか言い間違う。プレゼンターとしてのお役目は、助演賞の発表と賞状授与。賞をとったのが神戸製鋼のラグビー兄ちゃんで、己の肛門を見るの見ないのという馬鹿な企画。賞状の「男なら誰しも一度は夢見た、自分のケツの穴を見たいという憧れをあなたは遂に成し遂げました」という文言を、いつもの口調で滔々と読み上げる。この間、センセイのうしろに控えたバニーちゃんまで大爆笑。抜き出してみると四分に満たぬ登場時間だったが、眼福。
2005/7/7

■ 名奉行 遠山の金さん5 第31話「帰ってきた暴れん坊」1993/3-12テレ朝/東映

 手のつけられぬ乱暴者が見込まれ、冤罪に落とされかかる話。悪事は堀田さまの領地で起こる佐野紬の横流し、勘定奉行の西田健が姑息なワルを好演、暴れ者のごんたくれは清水健太郎で似合いすぎ。
 金さんに佐野の事件を打ち明け調査を依頼する堀田さま(釣り)広沢池東岸に桟橋セット。源太の妹がお参り、梅宮大社本殿。金さんが話を聞く茶店は神苑入口前にセットしてあり、門越しに神苑を散策する市民を覗かせる。佐野へ向かう瓢兵衛さん、駕籠が走る道は広沢池西岸の道・農地からの撮り。佐野城、丸岡城天守。妹をさらって源太を呼び出す「西の寺」、中はセットの荒れ寺だが門はロケか(真っ暗で不明)
*源太を縊死に見せかけ密殺しようとする浪人たちの一人に福ちゃん、お白州にもいる。

■ 暴れん坊将軍10 第22話「運命のいたずら!父の仇に恋した女」2000/3-9テレ朝/東映

 下総関宿藩のお家騒動、兄を幽閉し藩主の座を得た弟は邪魔な筆頭家老を自ら斬り捨てるが、この際自分の用人をつとめる若者に因果を含め罪を着せる。そして二年後、その若者と家老の娘は江戸で互いの素性を知らぬまま出会ってしまうのだった。
 ロケ地、矢島浪人とおひろがお参りの神社、梅宮大社本殿。矢島はおひろの仇と報告の茜、仁和寺手水場脇石段。おひろに仇をとらせると連れ出す現筆頭家老、観音堂前。慕う矢島が仇と知り場を駆け去ったおひろが佇む水辺、大覚寺大沢池北岸汀。仇を求める旅の回想、剣の素振りをするおひろ、五社明神裏手。事後、二人で故郷へ向かうおひろと矢島、不明。
*弟ぎみは篠塚勝、懐かしい長七郎江戸日記の「カッペ」。*福ちゃん関宿藩士、縛った矢島を観音堂から連れて出てくる。もちろんラス立ちにも登場。*お凛のお節介で普請場でバイトする羽目になる新さん、行った先は関宿藩邸で床下に潜み頬っかむりで密談を聞くという珍しい場面がある。
2005/7/6

■ 名奉行 遠山の金さん5 第30話「恐怖!地震があばいた悪の顔」1993/3-12テレ朝/東映

 地震で新築の養生所が倒壊、多数の死者を出すが原因は手抜き工事。つるんで私腹を肥やしていた作事方組頭と材木商は、お奉行の投げた餌に引っかかり馬脚を現す運び。上役の作事奉行はワルじゃなくて犠牲者の一人がかつて愛した芸者というエピソード入り、娘と涙の再会となる。
 ロケ地、江戸城イメージに姫路城天守。母の墓に参る娘義太夫の綾之丞、二尊院(紅葉の馬場ほか境内各所)

■ 暴れん坊将軍10 第21話「井戸に出た女幽霊!縁切り寺の黒い罠」2000/3-9テレ朝/東映

 千奈津大ブレイク回、お見合い相手放ったらかして新さん尾行・捜査に首突っ込み同心振り回し・新さん関連の妄想全開と、あの丸まっちいなりで暴れまわる。ストーリーがこれまた魂抜ける系のトンデモで、盗賊の隠し金を私する寺社奉行のお話なんだけど、隠し坑には毒ガスが充満していて女ならその中でも保つからという理由で、縁切り寺へゆくはずの女たちをそこへやる…坑の水溜りに大量のドライアイス仕込んで煙がもうもう…ここに通じている井戸から逃げようとした女たちがタイトルの「幽霊」、血だらけの手で井戸のへりをつかんで上がってきた可哀そうな女を皆してお化けと誤認。
 ロケ地、寺宿から女たちが明日満徳寺へ向かうと報告の隼人、大覚寺大沢池畔に茶店セット(千奈津に「命令」された秋月同心が木の陰で張り込み)。歩き出した新さんを尾行する秋月、五社明神裏手。千奈津が入った古井戸のことを協議する上様トリオ、二条城清流園。千住宿で上州行きの一行から二人の女が船で戻される、大覚寺大沢池(堤上で尾行の隼人は浪人者に斬りかかられ見失う)。上州・満徳寺、常寂光寺(仁王門、鐘楼)。古井戸と坑道でつながっている琴引滝、琴滝(女たちが運んできた金塊をここで洗う・ラス立ちもここ)。悪事になんか加担してないよねと寺宿の女将を問い詰める千奈津、石清水八幡宮本殿裏手・閉鎖されている朱の門前。坑道のことや満徳寺の庵主のことについて報告を受ける新さん、大覚寺大沢池船着(大)に茶店セット。
*寺宿の女将、千奈津を可愛がるのは亡くした娘に似ていたから・お引き合わせと話す、「初めて出会ったとき」の感激、でも回想の千奈津は町でちんぴらをシメている…立ち居振る舞いも似てと「しんみり」語る女将が追い討ちをかける。*千奈津の新さん妄想は映像化もあり爆笑もの。トンデモ女たらしの段ではなぜか踊りのお師匠さんでカマっぽい新さんが町人髷着流しでなよなよ。坑道では徳田殿はこの奥に棲みつく妖怪ではと妄想、お面はずしてニタっと笑う新さんのところで自ら「止めておこう」。そして叔父上に追及しまくり、実は上様と打ち明けられるが、頭から信じず怒りだすという展開に。

■ 長七郎江戸日記3 第22話「野菊と芋侍」1991.4.23NTV/東映

 基本は長屋の人情話、お家改易で浪人後妻子にも去られたダメ男は、自分を慕い世話を焼いてくれた隣家の娘が身売りしたのを救おうと金策に走り、ワルの尻拭い役を買って出て入牢するが、たばかられていた事を知り暴発、押し掛けた屋敷で密殺されてしまう→看取った長さん乗り込み成敗→浪花屋に金借りて遺志を果たす。
 ロケ地、死に際に盗っ人が告げた場所から出てきた金箱になぜ砂がと推理の長さん、大覚寺護摩堂裏に茶店セット(背景に心経宝塔)。久留米藩上屋敷、相国寺林光院門。相棒を殺した盗っ人の片割れが米問屋に金をせびる、大覚寺大沢池上に屋形船。この後船着(小、望雲邸脇)に上がったところを久留米藩士に斬られる。長さんに伊織のいる牢はあちらと示す青目同心、相国寺承天閣美術館通路。久留米藩邸に駆け込み美濃屋に約束が違うと迫る伊織、林光院式台玄関。射られよろばい出た伊織が、通りかかった長さんに看取られおかよの事を託し逝く、庫裏前。
*正体バレ以降の青目くん、長さんの求めに応じ牢の鍵を開けたままもOKなんていう職務規定違反も平気でやる。*このところおとなしめだった辰、賭場で裸に剥かれ叩き出されて「一昨日ていつ来たらええねん」の関西弁も飛び出し、欲をかいて金箱掘り出しなんかもやる(中は砂だし皆に見つかるし)。前髪はますますカッパ状態。
2005/7/5

■ 名奉行 遠山の金さん5 第29話「満月の夜に人妻が襲われる」1993/3-12テレ朝/東映

 神君が愛でた観月の名所で起こった辻強盗、転倒し頭を打った商家の女将はそのまま昏々と眠り続ける。その後亭主が仕向けたこととして入牢となるが、裏にはとんだ騙り一味がいた。
 ロケ地、月の岬、善峯寺(辻強盗の出る坂は観音堂脇、多宝塔など映り込む。真っ赤っかの三重塔はどこだか不明)。牢の主人を案じる室町屋の下女、梅宮大社神苑汀。
*海に影を落とす満月の画がロケ風景に挿まれる。月、ちょっとぎんぎらだけどキレイ。

■ 斬り抜ける 第11話「女が闘うとき」1974-1975朝日放送/松竹

 天領の村で穏やかな時を過ごす二人、名主の勧めるまま一冬居着く心づもりも修羅の定めが無惨に吹き消してゆく。
 ロケ地、松平はずしの追っ手と戦う野原、河原か。名主の息子を助ける街道、不明(谷地田)。うわなり討ちの相談をぶっている女たちに声をかける弥吉、丹波国分寺(門前から塀外を歩く弥吉、女たちが車座は跡地の礎石)。代官所手代が検地の畦道、国分寺近くの畦道・背景に七谷川河畔林(畦道にはさ木)。名主宅へうわなり討ちの決闘状を持ってくる女たち、民家南塀(村の道)民家長屋門(名主邸の門)。俊平に定住を勧める名主、国分寺前の畦道。村を後に街道をゆく俊平たち、七谷川の天井川堤が尽きてからの橋が架かる道と思われるが、圃場整理のためもはや確認不能。
*うわなり討ちに参加してはしゃぐ菊さん、敵方の大将の襷を鮮やかに捕ってみせたり。名主の後妻を狙う助平役人は俊平に斬られるが、ここで斬奸状が登場「不義者俊平悪を斬る」。構っていた下女が伝八郎に殺されても今回はぐずぐず泣かない正ちゃん、でもお金の話を「それ弱い」とすぐに引っ込めるあたりが妙味。
2005/7/4

■ 名奉行 遠山の金さん5 第28話「過去を背負った二人の女」1993/3-12テレ朝/東映

 苦界から這い上がった女二人に降りかかる災難、油問屋総元締を狙う悪徳商人がぐいぐいと迫る。大ワルの相模屋に和崎俊哉、グルのチンピラで片方の女の亭主に遠藤憲一。
 ロケ地、殺された上総屋の墓、不明(デカい五輪塔が林立)。その帰りばったり出会う女二人、大覚寺護摩堂(お紺雨宿り中)

■ 暴れん坊将軍10 第20話「火事で消えた三千両!め組の夫婦に流産の危機!!」2000/3-9テレ朝/東映

 完全な言いがかりで藩金を盗った犯人にされ危機一髪の長次郎、亭主のため身重の体で走り回ったおぶんは倒れこちらも危機一髪という、どたばた騒がしいご夫婦とんだ災難話。濡れ衣の一件は江戸家老と幕府大目付が組んで行うもので、神田川護岸工事費用の藩金を隠匿した挙句、詫びに国元から出てくる藩主を密殺→家老が後釜に座る・長次郎の不始末で大岡失脚→大目付が出世というプラン。思い切り楽しそうに悪事の成功を目論んでキャハキャハ笑う悪役陣も、立川三貴や中田博久とコッテコテ。
 ロケ地、上越藩に連行された長次郎のことで庭番の報告を受ける上様、二条城清流園。上越藩上屋敷、大覚寺大門(見張っていた隼人が御殿川を走って上様に報告/指笛で監禁中の長次郎と「会話」するおぶんのシーンは参道石橋)。長次郎が危ないと話していてお百度中のおぶんに聞かれてしまう新さんと忠相、石清水八幡宮楼門〜本殿裏手(お百度は水若社)
*福ちゃん上越藩士、長次郎を抑えつけて連行したり、蔵の中でボコったりする。ラス立ちにはちらりと登場。*夫婦が「連絡」に使う指笛は、腹の中の赤ん坊に呼びかけていたもので「斬って候」の流れる泣きの入るシーン、しかしあんまり長いことやっているのでぼーっと見ているうちにジャングルの吼え猿の声に聞こえてきてしまった…ほーっほーっとか大音声で鳴いてうるさいんだよねアレ。

■ 銭形平次2 第1話「裁けぬ悪行!平次が仕掛けた罠」2005.7.4テレ朝/東映

 村上平次第二弾、レギュラー変更なし。
平次が世話になった三味線堀の長五郎の娘が江戸へ帰還、彼女の亭主は父の仇を探していた。その仇は薮枯らしと異名をとる悪党、付け込まれた大店の女将はお静の茶店勤め時代の友達、脅迫に屈しかけた主が平次に告白するきっかけは長五郎の昔話という入れ子構造。その大店に傷をつけぬため、平次と笹野さまは裁き無しで一味を獄門台に送るべく策を用いる。
 ロケ地、長五郎の墓参りに出かける平次夫婦、通り抜ける神田明神は長岡天満宮本殿前。途中笹野さまとばったり、大覚寺大沢池木戸。墓地、不明(背景に池汀と石垣)。笹野さまと薮枯らしの話をする平次、長岡天満宮・八条池水上橋の四阿。長五郎の娘・お吉と昔話をする平次、大覚寺天神島汀。薮枯らしに誘われた巴屋が押し込められる屋形船、大沢池船着(小)に係留。お吉の亭主・新助を囮に誘き出しの芝居を打つ神社、不明(石段上に祠か蔵か不明な建物)
*薮枯らしの用心棒「佐久間」に福ちゃん、典型的「センセイ」。台詞もけっこうアリ。
2005/7/3

■ 新必殺仕事人 第45話「主水火の用心する」1982.4.23ABC/松竹

 父母を亡くし二人きりの姉妹、妹の目を治そうと江戸へ稼ぎに出た姉は金を得るため掏摸となり、これがためワルに脅され火付けを強要されていた。消息の知れぬ姉を探す妹もまたワルの網に引っかかり悲劇的結末となる。依頼は、妹のほうを親身に構っていた加代が虫の息の少女から受け取る。
 ロケ地、江戸へ発つ姉を見送るおしん、不明(畦道、亀岡か北嵯峨か)
*火盗改・材木商・目明しが組んでの悪事、岡っ引に八名信夫。

■ 新必殺仕事人 第46話「主水かくし芸する」1982.4.30ABC/松竹

 堤防工事におけるピンハネ、町方への鼻薬は高級料亭での接待。田中さまの横槍で参加できなかった主水は腹いせに汚職を追及、結果普請方の小役人が詰腹を切らされ大ワルはのうのうと生き残る。直接の依頼はないが、打ち捨てられた小役人の娘の亡骸が握りしめていた銭を、おりくが「受け取る」。
 ロケ地、堤防工事の普請場、大覚寺大沢池堤。作事奉行邸、相国寺大光明寺(南塀、門)
*主水が悪いと激怒する勇次と秀、当初主水は仕事からはずされるが、強い用心棒に手こずる勇次を助けるかたちで参加。その前に主水に刺客が向けられた際には勇次がヘルプ(但し強烈な嫌味つき)。

■ 鬼平犯科帳7 「麻布ねずみ坂」

 「埋蔵金千両」で土蜘蛛の万五郎の治療をした名指圧師・中村宗仙の話。貯めこんでいると噂だが質素な暮らし向きの彼には、大金を要する理由があった。
 ロケ地、立派な駕籠で送られてくる宗仙を見かけるおまさと彦十、三井寺唐門前。宗仙の住まいは塔頭のひとつ。宗仙宅から出てきた浪人・石島を尾行する沢田同心、中ノ島橋黒谷・真如堂墓地裏の路地(あとで彦十が張り込むのはここの石橋)。大坂へ向かわず中山道をゆく石島、流れ橋。高崎城下、自身の道場へ向かう石島、民家塀際民家長屋門。宗仙の回想、白子の菊右衛門の妾・お八重と出会った東寺、本物の境内。お八重の墓参りにやって来る宗仙を見かけるおまさと彦十、金戒光明寺茶所(宗仙は石段を登ってきて本堂のほうへ去る。設定は麻布の光照寺)
*宗仙は「埋蔵金」の大前均ではなく芦屋雁之助をキャスティング。原作とは違い、石島浪人をハメて誘き寄せ平蔵が斬り捨てる運びになっている。おかしらの抜き胴がみごと。
★先方からすぐに返事あり解決。ちゃんとした企業で助かり。ステップの軽さは見習わねば。
2005/7/2

■ 上意討ち 美女が惚れた腰抜侍 1987.7.2テレ朝/東映

 誰もが腰抜けと呼び侮る侍、その評判のせいで婚期を逸しかけている妹の涙ながらの訴えに彼が思いつくのは、藩主の勘気に触れた武芸者の討伐を買って出ること。もちろん直接当たっては返り討ち必至、ふとしたきっかけで同道するようになった娘の鋭い人間観察がヒントとなり、双子六兵衛は臆病者のままで剣客を追い詰めてゆく。
 ロケ地、仁藤昂軒が小姓と争い斬ってしまう狩場、下鴨神社糺の森と馬場。討手を願い出た双子六兵衛がゆく北国街道、谷山林道切り通し(以降、いろんな場所が使われる)。首吊りに失敗した六兵衛がおように身の上を告白する水辺、広沢池東岸。「覚悟!上意!」と挑んでゆき返り討ちに遭いかけた六兵衛を、昂軒はお尋ね者の殺人者と里人に大声で知らせて救うおよう、はさ木が見えるゆえ亀岡あたりの谷地田と思われるが不明。茶店で休む昂軒にそいつは人殺しと喚く六兵衛、大覚寺天神島。里人とともに雨宿りする昂軒に「人殺し!」、護摩堂。早発ちした昂軒を追って精魂尽き果てた彼を仕留めようとする六兵衛、木津河原。元結を切られた昂軒と六兵衛たちが別れる橋、流れ橋
*六兵衛の奇策に日に日に弱ってゆく昂軒が傑作。端正な顔がやつれ乱れてへたへたに弱らされてゆくさまが似合いまくる若林豪、コミカルにして哀感漂いマル。腰抜けさんは渡瀬恒彦、ついこのあいだ河童の刺青背負った敏腕同心を見ているのであれれ何だコレはと違和感を覚えるが、ちゃんと見ると気弱く笑う表情など秀逸。45分というシリーズものと同じ尺の小品だが見どころがぎゅっと凝縮されていて良し。添えタイトルにもう少し工夫してやってよねテレ朝。
2005/7/1

■ 名奉行 遠山の金さん5 第27話「富くじ千両大からくり」1993/3-12テレ朝/東映

 贅六と組んだ寺社奉行が、湯島天神の千両富にからくりを仕込んで一番富ナイナイを画策。富箱のからくり細工製作を迫られた指物師の一人は拒否して消され、次に見込まれた職人は女と博打でハメられたうえ、女房の忘れ形見の赤子と今の恋人をタテにとられてしまう。
 ロケ地、赤子を抱いて賭場にいたからくり師の宇之吉を屋台に誘う金さん、中ノ島橋たもとにセット(このあと金さんに赤子を託して宇之吉は欄干を乗り越えドボン)。翌朝、宇之吉の姿を求め河原を歩くおみつ、橋上〜中州下手の汀(増水して濁流)。赤子をあやすおみつと話す金さん、大覚寺天神島朱橋(沢庵が金さんを手招くのは護摩堂から)。千両富勧進元について報告する沢庵、松尾大社境内。宇之吉の無事を祈るおみつに声をかける一味の女、松尾本殿脇の祠。
*寺社奉行に菅貫。

■ 徳川武芸帳 柳生三代の剣  1993.1.2TX/松竹
  第三部 「宇都宮釣天井の陰謀」 その二

 深まる本多の陰謀、宇都宮城のお成御殿の工事は着々と進む。完成後消された恋人の仇を討ちに行った、お藤を姉と慕う娘の死が企みを暴くきっかけとなる。
 ロケ地、大工を集め訓辞の宇都宮城、彦根城博物館。御所、本物の建礼門。大納言沢之井と中納言風小路が徳川の姫の輿入れ延期策について話す、妙心寺玉鳳院前路地。中納言に企みを吐けと迫る木猿、鳥居本八幡宮の奥か(竹林と巨岩)。柳生上屋敷、随心院長屋門。辻斬りの噂立つなか、小姓を連れて夜中に城を出る家光、彦根城天秤櫓。家光以下に稽古をつけたあと十兵衛に家光の夜歩きについて糺す宗矩、相国寺大光明寺方丈前石庭。実はお堂で僧に母の快癒を祈祷させていた家光、大覚寺聖天堂(これでお江の方と和解、辻斬りの正体は御子神)。お江の方が駿府へ去る駕籠、彦根城太鼓門櫓下坂。情勢について談合の本多と御子神、屋形船を広沢池に浮かべて。お成御殿完成後消される大工たち、彦根城佐和口多聞櫓裏手。御子神が帝の女房を暗殺に入る屋敷、中山邸通用門(二階笠の印籠を置いてゆくが木猿が持ち去り)。中山道馬籠宿付近、御子神を尾行する宗矩と木猿、谷山林道切り通し。消された大工の仇を討つと庄屋(草加、一時お藤が住んでいた家)の娘・お早の文を見たお藤が馬を飛ばす街道、山室堤道。秀忠と家光の日光参詣の行列がゆく街道、谷山林道切り通し。宇都宮城下、本多の手の者に捕まるお早、大覚寺五社明神。城下で道を聞くお藤、妙心寺福寿院道。本多家作事奉行邸から走り出て斬られるお早、大雄院前。宇都宮付近に差し掛かる将軍の行列(中は宗矩と十兵衛)谷山林道分岐道。その頃小山付近をゆく秀忠と家光、酵素河川敷。
*釣天井は、野望潰えた本多が紐を引き自らの上に落下させる。見た感じ、この前やってた水戸黄門のそれよりは説得力あり。天井の一部がきれいに真下にどすんと落ちるのは、なんかのゲームみたいではあるが。本多はこの前に御子神に斬られていたりする…最後まで狂犬で終わる西岡徳馬。

■ 暴れん坊将軍10 第19話「ケガで十両、死んで百両!?息子に捧げる母の命」2000/3-9テレ朝/東映

 寺社奉行推薦の浄明寺の菩薩講、巧みなサクラに乗せられ民衆が押しかけるが果たして詐欺。サクラをつとめる青年は元かざり職人、名人だった父と比べられ反発して出奔中。彼の才を認めなかった母は反省、息子ががんじがらめになっている借金を菩薩講で済してやろうと自死を思いつく。
 ロケ地、人の波で溢れかえる浄明寺、神光院山門〜中興堂。講のシステムについて怪しいと話す上様トリオ、二条城清流園。おぶんにお葉の倅(サクラ)の名を聞く新さん、仁和寺鐘楼前に茶店あしらい・桜散り初め。お参りの千奈津が母を亡くして泣く船宿の若旦那の話を聞き貰い泣き、上御霊神社本殿。遺書を残し家を出たお葉が川のほうへ行ったと報告の渚、亀山公園・嵐峡側入口の石段。川べりを走るお葉、嵐峡左岸側の道(川から見上げ、このあと汀へ降りてゆき水に入ったところを新さんに止められる)。お葉にひとしきりお説教を垂れたあと倅を探しにゆく新さん、大覚寺放生池堤大沢池船着(小)に係留の小船で寝ている巳之吉を船舷蹴っ飛ばして起こす。母の遺書を示しお説教は天神島。説得に感服するもこのままでは駄目と奉行所さして走り出す巳之吉、朱橋上。
*サクラ芝居で大八を暴走させる人夫の一人に福ちゃん。ラス立ちでは寺社奉行の家来で、先頭切ってかかってくる斬り込み隊長。*更正した巳之吉がやっとの思いで打ち上げる簪、感謝のしるしと新さんに。しかしコレを「耳掻きではないのか」なんて言ってじいに渡したまま去る上様…。ところで、入水を止めに岩場を駆け下りるシーン、ひょっとしてスタントか。あまりにも身軽。
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