時代劇拝見日記 2005年8月

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2005/8/31

■ 長七郎江戸日記3 第30話「十手子守歌」1991.6.25NTV/東映

 要町の文二がメインのお話、ドジを踏んで青目同心に叱られた彼は癇癪を起こし十手返上、一時荒れるが長さんにお説教を食らい改心という段取り。
 ロケ地、文二に捕まりかかった賊の一味が口封じに斬られる並木、広沢池東岸。その死体の検分、嵐峡汀。
*文二親分、娘ばかり五人の子持ちと判明。喧嘩して家を飛び出すカミさんは「葛岡さま」鷲尾真知子だったり。*今回のワルは定火消の旗本、猟官運動に要る資金は押し込み強盗で調達という豪快さ。凶行は家来がやるが、リーダーは福ちゃん(役名・太田源吾)で出番いっぱい、青目同心をギタギタに責める場面もある。福ちゃんの手下のガエンの小頭は牧冬吉、殿様は御木本伸介。

■ 必殺仕事人V旋風編 第12話「主水、ネズミ捕りにかかる」1987.2.20ABC/松竹

 仕置にかけられるワルは見世物小屋一座、興行がハネたあとヒヒ爺を集めて素人女を斡旋。女たちの弱味につけこんでピンハネをやらかし、故障を申し立てた者はあっさり口封じという非道をはたらく。一座の下働きの娘に肩入れする政のエピソードが入るが、意外なウラの割には尻切れトンボ。
*悔悟の念を利用されトラップに引っ掛かって宙吊りになる政のシーン、デカいから見もの。*座頭に島田順司、上方弁で押しが強く「沖田」の面影はナシ。
2005/8/30

■ 必殺仕事人V旋風編 第11話「主水の隠し子現れる」1987.2.13ABC/松竹

 主水の昔の女が長屋へ越してくるが、彼女は賊一味の引き込み女。賊と組んだ南町同心がうまうまと詰所へ持ち込んだ公金3300両を狙っていた。「隠し子」は引き込み女の娘、母子とも惨い運命に落ち後味わるい結末を迎える。
 ロケ地、お島と昔話の主水、舞殿の傍に石鳥居、不明。母の示唆で矢平次一味の盗っ人宿から逃げるお島の娘・お小夜、大覚寺望雲亭木戸。
*お島に中村メイコ、お小夜は主水の子か否かは語らず事切れる。*季節ネタにバレンタインデー、モノはハートマーク入りの饅頭で「伴天連の日」。

■ 斬り抜ける・俊平ひとり旅 「黄金振舞」

 舞台は大坂、弥吉の懐を狙った女掏摸を仲間に引き込み、大坂城の御金蔵を狙う俊平。珍しく明朗快活な泥棒活劇が展開されるが、完全に幕府を怒らせた俊平の前には太一郎の命を餌にした召喚状が突きつけられ、一気に元の深刻なドラマに戻ってゆく。
 ロケ地、大坂城には本物を使用、桜門や大手、刻印石広場に外濠端と各所が使われる。あってはいけない筈の天守もしっかり映りこみ。御金蔵や普請場はオープンセット。作州松平藩の高札を見た俊平がずんずん歩く街道、罧原堤対岸河原
*女掏摸に中村玉緒、ネイティブの関西弁はさすがハマっている。同心株を買って城に入り込む弥吉もノリノリで、お得意の大阪弁のほか、蘭語もちょっとねのお遊び「ヤラズボッタクーリ/イカズゴーケ」なんかもまくしたてる。
2005/8/29

■ 必殺仕事人V旋風編 第10話「主水、ワープロをうつ」1987.2.6ABC/松竹

 年番与力に抜擢された金森は、紙問屋の伊良子屋と組み新改訂の定書百ヶ条を売り飛ばすワル。保身のため用意された書物役の若者はきっちり犯人にされ謀殺、息子のため金森に身を任せた彼の母親も返り討ちに遭い、彼女を憎からず思っていた政は香典を仕事料として置く。
 ロケ地、伊良子屋の口利きで書物役同心になった宗吉を危ぶみ政に話す主水、広沢池池底(水はほぼ抜かれている)。定書の密取引に向かう長州の侍を乗せた銀平の船が着く汀、大覚寺大沢池畔。口封じに消されかけ逃げる銀平、有栖川河床(溢水口付近、御殿川河口の石垣に身を潜める)。伊良子屋と取引の侍たち、大沢池木戸
*書物役の母に大信田礼子。前は花屋だったと政が彼女に話す一幕がある。*金森が南蛮趣味ということで、手動文書運搬機とかヘンな小道具も出るが、法令集からは相剥をとる純和風。タイトルのはラストの中村家コントで主水の夢想として出て、デスクに座った主水が名前を表示させて悦に入る図、オアシスのモニター別のやつ…発売当時は馬鹿高かった。

■ 銭形平次2 第7話「追いつめられた平次 温情の十手」2005.8.29テレ朝/東映

 労咳の女房を助けたい一心で盗みをはたらいた男、その哀れさに平次は被害者の但馬屋に頼み込み穏便に済ませてやる。しかし一年前のこの件が仇となり、男は但馬屋に入って大金を盗んだ犯人にされ、平次は謹慎処分に。笹野さまや但馬屋の旦那が工作、危機一髪のところで平次の手に十手が戻される。
 ロケ地、一年前、但馬屋から十両を盗んだ件で左官の栄吉に事情を聞く平次、長岡天神境内(神田明神)。賊は栄吉と証言した但馬屋の番頭が殺されて見つかる弁天島、広沢池観音島(石段部分に倒れている)。平次の挑発で「仲間」と協議の岡っ引が入る根岸の大宮神社、わら天神(参道、境内、本殿裏手)。笹野さまから託された十手を持って親分のもとへ急行する八、飴売りに行く先を聞くのは大覚寺五社明神
*計画的に栄吉をハメた、賊とつるむワル目明しに鈴木ヒロミツ。人情家の但馬屋に鶴田忍。但馬屋の手代に川鶴晃裕、朝日新聞のラテ欄に名前出てたのに素早く殺されてしまう。賊の一人の矢神浪人に峰蘭太郎、ぼさぼさの総髪を後ろで結わいたスタイルは珍しいかも。親分に一刀を浴びせるも神輿に刀とられてポッキリ。十手届けに走る八に平次の行く先を根岸と教える町人に福ちゃん、道端で土になんか書いて人と話してた。
2005/8/28

■ 剣客商売2 「剣の誓約」

 大治郎の剣の師が出府、老剣客は二十年来のライバルとの決着をつけにはるばる大和から出てくるが、約定の勝負は相手の色子により阻まれてしまう。
 ロケ地、小兵衛の先妻・貞の墓、西教寺墓地(本堂大屋根を背負った北望のショットが主で、嶋岡礼蔵が貞の墓を去り際には琵琶湖の見える画もある。嶋岡を貞の傍らに葬ったあと立ち去る小兵衛のシーンでは南望のアングルも見られる)。嶋岡の回想、柿本源七郎との二度目の立会い、保津峡落合河口河原(原作では筑波山中、ドラマでは明確に示されず)。嶋岡の使いで柿本宅へ赴く大治郎がゆく道、桂川松尾橋下手左岸河原橋下手右岸堤(見上げ)。麻布西光寺裏の柿本宅、中山邸無畏庵。隠宅で夕餉のあと小兵衛が嶋岡を送って行った際の船着、広沢池観音島(石垣の降り口をうまく使ってある)。嶋岡に矢を射込んだ伊藤三弥を追いかけ腕を斬りおとす大治郎、西岸湿地。病身をおして嶋岡との約束の広尾ヶ原へやってくる柿本、不明(山の斜面のススキ原の真ん中に孤立木。木の周りは刈り込んである)
*嶋岡に夏八木勲、柿本に東野英心。*原作では小兵衛が嶋岡に代わって柿本と果し合いをする設定はなく、柿本宅へ嶋岡の遺体をはこんでゆき詰問する運び。
2005/8/27

■ 剣客商売2 「暗殺」

 家来に宝を盗まれ恐喝された大身旗本が、その男を暗殺するのがお話の骨子。死に際の「女が待っている」のひとことを膨らませ、借金を済してやるつもりだった男と、笑って運命に従う女の情話をしっとりと描く。
 ロケ地、下谷・湯島天神下の五千石の旗本・杉浦丹後守邸、大覚寺大門(後段、弥七が用人を尾行するくだりでは門前の御殿川河床も使用)。暗殺された笹野小文吾の墓、沢ノ池東岸汀(設定は寺の裏、大治郎の道場の近くという話だから大川端か。沢ノ池は対岸を映さずに使ってある)。道場を襲った丹後守を大治郎が斬って捨てたあと、用人を成敗する小兵衛は大覚寺参道石橋(原作では丹後守の処分が下された後、本所の旗本屋敷の賭場から出てきた用人を堀川の北中之橋で斬るが、ドラマでは大門から主を迎えに出たところという設定で大門を出てきているから丹後守邸近くと思われる)。大川を渡る小兵衛夫妻、西の湖
*大身の殿様に立川三貴、用人に本田博太郎。原作ではさして詳しく語られていない殿様の「趣味」がドラマでは活写されている。コレクションのあぶな絵をねぶねぶする主従なんか傑作。鍔のほうもお好きなようでラシャ張った板にきれいに並べてあったり。立川氏と本田氏のアヤシイ近接ショットもあり、息苦しいまでの迫力。*たっぷりと尺をとって描かれる酒肆の女・おあき。死んだと聞いた男の消息を尋ねに隠宅へ現れた際も、酔客の相手をしてどんちゃん騒ぎの折も、自身の身の上を語るときも終始笑顔の彼女を森口瑤子が熱演。小文吾の残した金を前にしてのシリアスな顔がまたいい味。そして旅装の彼女は、墓前にその金をそっくり置いていずこへともなく立ち去り、一切語られぬ心情がイメージの積み重ねにより深い余韻を残す。この味わいに沢ノ池の風景も多大な効果を齎している。
2005/8/26

■ 天下の副将軍 水戸光圀 徳川御三家の激闘
 幕府転覆の陰謀 由比正雪の乱 その一

 望まれなかった側室の子・長丸が水戸家の世子となる経緯を前段とし、由比正雪ら浪士と知己を得る青年・光圀を後段とする。家光は病臥し、後継をめぐり御三家が蠢動しだす情勢。
 ロケ地、江戸城イメージ、姫路城天守閣。水戸藩邸、随心院薬医門。子を三木仁兵衛に託し実家へ去る長丸の母・お久の方、南禅僧堂坂。くすくす育った長丸が子らを集めて合戦ごっこの川、罧原堤下桂川(自転車道や堤下河原も使用)。長丸の傷の手当てをする隣家の娘・やち、相国寺大光明寺中仕切脇。世継決定で総触れの太鼓鳴る水戸城、彦根城佐和口多聞櫓と濠。ひそひそ噂をしながら登城する藩士たち、知恩院北門。城へ向かう長丸を陰から見守る母・お久の方、石畳の坂、不明。世継候補を集めて試合わせる庭、姫路城西の丸か。実兄と柔の稽古をしようとして組み打つも相手にされぬ長丸、相国寺大光明寺石庭。水練の父・頼宣に出生のことで詰りにゆきスパルタ返される長丸、琵琶湖(東岸か)。吉原で事を構えた旗本たちと喧嘩の続きの光圀、下鴨神社糺の森池跡(由比正雪らが草摘み・狩り中)

■ 必殺仕事人V旋風編 第9話「主水、りつ、ラブホテルに行く」1987.1.30ABC/松竹

 大金をとって牢から罪人を出す逃がし屋の話、替玉調達に使うのは出合茶屋。これが「ラブホテル」で、薬で眠らせた客がまぁるいベッドに倒れ伏すと、ぐるぐる回ったのち真ん中がぱかっと開いて下にどすん。忍ぶ仲の男女だから失踪しても大丈夫という乱暴な手口で、百軒長屋の住人の、病の亭主を抱えて身を売っていた健気な妻女がやられてしまう。
 ロケ地、おしのと「客」の男が船で運ばれてゆく、大覚寺大沢池船着(小)。出陣の銀平も同所の水上。
*牢同心とつるむ牢名主に阿波地大輔、スキンヘッドもよく役柄にハマるが、銀平にやられて件のベッドから下に落ちる際も巨体ならではの迫力。連れ合いの女に紅萬子。ラブホ設定はほかに、主水の殺しの際鏡が目眩しに。
2005/8/25

■ 必殺仕事人V旋風編 第8話「主水、コールガールの仇をうつ」1987.1.23ABC/松竹

 題名通りのお話、家のため身売りした女の、あまりにも気の毒な運命を描く。彼女に言ってはいけない一言を発したと、政が亭主を非難し「依頼」に拒否反応を示す一幕もあるが、銀平の「証言」であっさりGO。
 ロケ地、主水に身の上を語るおむら、大覚寺護摩堂(実家近くの観音様境内、堂裏手に身売り直前植えた心の支えの木。持ってきて置いただけのものなので、縊死のくだりでの吊り描写はなし)。騎西屋たちへの仕置、タカマチの陣取りをしている夜の神社境内、下鴨神社河合社鳥居際。バズーカで仕掛けたあと、出役してきた鬼塚さまたちの目をごまかすため主水が中へ誘い込む際、門も使用。
*おむらに目をつけ亭主をハメる香具師の元締・騎西屋に牧冬吉。接待を受けた鬼塚の口から「民活」なんていう言葉が出る。
2005/8/24

■ 長七郎江戸日記3 第29話「現われた初恋の人」1991.6.18NTV/東映

 事件は、使い込みの穴埋めに誘拐の身代金を充てようとする小普請支配の悪企み。うまうまとさらわれてしまう富商の若旦那の、出生にからむ情話がからむ。
 ロケ地、誘拐された呉服問屋の子の死体発見現場に花を供える青目同心、広沢池東岸汀。芸者と船遊びをしていて拉致される紙問屋の若旦那、広沢池東岸(桟橋をあしらい、夜)。人質交換に指定の本所蛍ヶ池庚申堂、大覚寺護摩堂(堂を中心に、大八で金箱を運んでくる番頭とおきよが放生池堤の石橋、長七郎ぎみ登場に天神島朱橋を映し込み広がりを持たせる。殺陣は堂の裏手へ移動し、木のシルエットを壁に投影)。おきよが若旦那を平手打ちしお説教は五社明神
*出産前に連れ合いを亡くし、子を養子に出した母に中村メイコ。辰のギャグはいい加減なお掃除と、子供相手に欲をかく飴売り…資本ってナニよ。

■ 必殺仕事人V旋風編 第7話「主水、せん、りつ、ダブルベッドに寝る」1987.1.16ABC/松竹

 カピタンに抜け荷の協力を求める悪徳商人と旗本、断られるや殺すという乱暴な展開。この恨みを晴らすのが仕事で、カピタンの娘・マリアに関わった主水は感情入りまくり。無茶な展開をおぢさんの純愛物語に仕立ててある。
 ロケ地、オールセットで外へは出ず。
*オランダ商館長親子だが、使用言語はなぜか英語。舌っ足らずの「モンドサーン」はけっこう可愛い。酒に毒仕込まれて殺されるカピタンの「ドリンク?」もなんだかアレだけど、中村家ギャグを締めにやって来る商館の使者の「ヒョー、ショー、ジョー」がもっと笑わせる…元ネタは大相撲の千秋楽でいっつも出てたパンナムの極東支配人だったっけ。
2005/8/23

■ 必殺仕事人V旋風編 第6話「主水バースになる」1987.1.9ABC/松竹

 凶賊とそれに寄生する旗本がターゲットのお話。冒頭から阿呆な理由で主水不在、仕方なく残ったメンバーで仕事にかかるが、目指す相手の屋敷にはやっと江戸に帰ってきた髭ぼうぼうの主水が来ているのだった。
 ロケ地、凶行のあと一年雌伏していた賊と御庭番組頭が密談の屋形船、桂か。薩摩のイメージカット、噴煙を上げる桜島は本物、鶴丸城は伊賀の上野城天守(鶴丸城は天守の無い館作りの典型例なんだが)。将軍の印籠を城内の蘇鉄の根方に埋めるべく潜入の主水、藩士に混じって入る城門は知恩院北門。お玉が賊の手下を騙して連れ出し、鶴とバズーカで仕置の川端、広沢池東岸
*主水は将軍の密命で薩摩行きを強要される設定、船倉に監禁されてるので髭伸び放題のさまが「バース」…社是に阪神命とか書いてかねない朝日放送のやることだから仕方ない。髭だけでバースはちょっとアレだけど、二リーグ制移行後初優勝から20年経つのに、近畿道走ってると風呂に入ってるバースの看板が見えたりするくらいだもんね。

■ 斬り抜ける・俊平ひとり旅 「死地突入」

 今回俊平が狙う相手は献上使、影送りに乗って行列が通過する予定の関宿へ。修羅となってお上に逆らう不義者はヤクザにも忌避されるようになっており、関宿の親分は俊平密殺を手下に示唆、この情勢のもと俊平は影送りの最中に殺されかかって復讐鬼と化した、自分と似通った境遇の渡世人と出会う。
 ロケ地、関宿へ向かう俊平たちがゆく裏街道、落合付近河原〜池堤(不明)。献上使一行がゆく街道、川堤か。渡世人・竜の回想、竹熊の企みで銀次らに斬りかかられ崖から落ちる道、落合落下岩。竹熊に頼み込まれ竜を探して歩き回る俊平たち、落合崖道、河口汀。
*竜を演じるは中村敦夫、俊平のダンナが小ざっぱりキレイに見えてしまうくらいボロボロのなりで登場。しかもジャンゴよろしく棺桶を引きずっている…中は機関銃ではなく、恨む相手の名を記した卒塔婆が二本。不義者と復讐鬼の出会いはレゾナンスを呼び、手を潰された竜を「武装」してやるところなんかは涙モノ。*弥吉も見せ場多し、監禁されちゃったダンナを助けるために奮戦の禁断の技も使う。掛け矢で錠前ぶっ壊すとこなんかも荒っぽくて新鮮。寝言の「俺の金ぇ〜」や、献上品を叩き割る俊平に「コレ金なんだよぉ」と食い下がるシーンも笑える。
2005/8/22

■ 銭形平次2 第6話「欲望の支配者!平次、怒りの激闘」2005.8.22テレ朝/東映

 公儀普請にからむ生臭い殺人事件、解明の過程に八五郎を亡き息子の代わりに構う女髪結いの情話がからんでくる。
 ロケ地、材木商・甲州屋が「縊死体」で見つかる橋、中ノ島橋(検分のため橋下手の州に下ろされている。後段では人形を欄干にぶら下げて殺しの回想シーンも)。平次にまとわりつき八五郎の事でやいのやいのと絡むお藤、八幡掘堀端。笹野さまと平次が普請のあとを任された三河屋について話す、大覚寺勅使門橋(御殿川水面から橋へズーム)。普請奉行・堀田邸、明智門。堀田の用人が甲州屋の番頭から安普請の証拠書類を受け取る葦原、西の湖太鼓橋たもと汀(お藤に押し出された八五郎が橋上に出てしまい露見、番頭は口封じに消される)。このときの船を探しに出て見つけるお藤、八幡掘堀端(左岸側の家の草戸も使用)
*普請奉行に中田浩二、平次を下郎、笹野さまを不浄役人呼ばわりが憎々しくて最高。ラス立ち福ちゃんや峰蘭太郎入り、中田浩二の家来。

■ 必殺仕事人V旋風編 第5話「主水X'マスプレゼントする」1986.12.19ABC/松竹

 天草四郎ふうザビエル襟のエセ伴天連青年に騙された長崎の大店の娘、「弾圧」から逃れた際約束した江戸で会おうとの約束を信じ健気に働くが、恋人はキリシタン摘発ナンバーワンの長崎奉行だった目付役とグルで、江戸でも悪事を重ねていた。
 ロケ地、伴天連青年・宗次郎がこっそりミサをひらく荒れ寺、大覚寺聖天堂(近くに崩れ土塀あしらい)。酔漢にからまれるお小夜を助ける銀平、広沢池東岸。失踪した娘を捜す西田屋の使用人、大覚寺放生池堤。娘が恋人と入水、堤前の大沢池(宗次郎が止めに入る)。来合わせてこれを見るお小夜は木戸の前。宗次郎のためミサが開かれる合図の凧を揚げに河原へ来るお小夜、罧原堤下河原。宗次郎が目付宅に入るのを見るお小夜、中山邸門、参道。
2005/8/21

■ 忠臣蔵 1910年頃 マツダ映画?

 尾上松之助主演の最古とされる忠臣蔵通しモノ、著名なエピソードをつないでゆくかたち。
畳替えにはじまり、衣装違い、切腹、早駕籠と続き城での協議?や開城を経て浮様もやり、東下りに南部坂雪の別れと来て、蕎麦屋の段でけっこう尺をとり討ち入り、引き上げ行列と泉岳寺墓前報告で終わる。
 ロケ地、早駕籠の街道筋、谷地田か。赤穂大石邸縁先、セットかロケか不明。脇坂淡路守の収城使を迎える大石、二条城外濠端(遠景に隅櫓)。山科寓居の庭、築山に大きな庭石、不明。東下りで駕籠舁きとトラブルの松林、どこかの参道か。吉良の首を持って先発の二人の浪士が渡る大川、大沢池っぽいが判断材料に乏しく不明。
*吉良の罵りに「鮒侍」/辞世・下の句は「いかにとやせん」/浮様にからむ薩摩浪人/東下りの途中ホンモノが現れるくだり、禁裏御用の公家侍は立花左近/蕎麦屋の親父がギャグ頻発、お二階の「支度」を見て階段落ち/吉良は炭小屋

■ 剣客商売2 「辻斬り」

 辻斬りをはたらく大身旗本を懲らしめる小兵衛、原作では半分暇つぶしに面白がって関わるが、ドラマでは不二楼を寿退職の娘が被害に遭い、腹の底から怒っての行動。
 ロケ地、頻発する辻斬りの描写、南禅寺参道南側の水路(探索に出た小兵衛に斬りかかるのも同所)下鴨神社河合社脇。神田駿河台・永井十太夫邸、大覚寺明智門。庭で藁束を斬る永井、唐門と前庭、不明。関屋村へおはるとゆく小兵衛、西の湖(おはるの実家描写は池畔、漁具あしらい)。和泉屋根岸寮、中山邸門、庭。永井の家来・内山弥五郎を捕まえる小兵衛たち、大覚寺参道勅使門橋(パニくった内山は御殿川に落ちて逃走をはかるが弥七たちに捕まる)。内山を捕まえたと永井の家来・木村に告げ名乗る小兵衛、上賀茂神社ならの小川(雨、小兵衛は祠脇から現れる。木村は川に入って逃走)。永井家出入りの剣客・市口に呼び出され道場へ赴く秋山父子、大治郎がおはるから預かったおみつの守袋を渡すのは南禅寺三門。江戸城、二条城本丸櫓門。生島用人に覚悟を迫られる永井十太夫、粟生光明寺方丈(導入は石庭と縁側を見下ろしのショット、永井が控える座敷は方丈座敷から勅使門越しに甍を望む趣向)
*市口に渡辺哲、終始怖い顔で迫力。和泉屋寮の物置から内山が逃げ出した際、着流しの三冬に打ち据えられるが、がばっと裾を広げて縁側に足を掛ける男女のエピソードを入れてある。
2005/8/20

■ 剣客商売 「兎と熊」

 医者の娘を拉致して毒薬を要求する侍あり、真相は大身旗本の跡目騒動。町場の者を侮っての所業は、小兵衛の介入でお家を潰す結果となる。
 ロケ地、家の近くでさらわれる房野、妙心寺大通院裏路地(前後を固められてしまうシーンでは、大通院墓地越しのクレーンショットも)。和泉屋根岸寮、中山邸(門、庭、建物)。村岡道歩の回想、目隠しされて駕籠で連れ回される道、妙心寺福寿院道玉鳳院前路地(放生池越しのアングル)。花房筑後守の三ノ輪下屋敷、毘沙門堂薬医門。「毒薬」を渡したあと始末されかかる道歩親子の危機に乱入の小兵衛たち、立ち回りは毘沙門堂宸殿、式台玄関、枝垂桜周辺などで。江戸払いの内田久太郎が渡る橋、流れ橋。三年後江戸に戻り待ち続けた房野と再会するのは妙心寺大通院裏路地、熊さんは大通院裏塀のラウンド部分から現れる。
*原作では事治まってのち小兵衛の談話として出るだけの、房野と内田久太郎が心を通わせる挿話をふくらませ、「兎と熊」のいじらしい恋物語を仕立ててある。三冬を出すため、誘拐事件について小兵衛に話を持ってゆくのは宗哲先生ではなく三冬で、和泉屋かかりつけの医者が道歩という設定に変えてある。*花房家の用人に渡した「毒薬」は小兵衛が道歩宅に送り込んだ「医生」大治郎が調合した胃薬…あの手つきでは毒になってるかも。
番外
キル・ビル Vol.2
 前作とは趣きを変え乾いた砂漠でのお話、しかし回想シーンではアジアンテイストが出てカンフー映画へのオマージュが展開され見もの。ターゲットのビルとのやりとりはしっとりと進行するものの、決め技が…「ひでぶ」とか「あべし」とかは言わなかったし元ネタは別だと思うけど…吹いた。
2005/8/19

■ 徳川武芸帳 柳生三代の剣  1993.1.2TX/松竹
  第六部 「将軍暗殺!?寛永御前試合」 その二

 御前試合の進行と並行して、宗矩の薩摩屋敷での取引が描かれる。家光への害意ある剣客たちを防ぐ宗矩の息子たち、江戸家老の内懐に入り誠意をもって説く宗矩、盟主の「秀頼」との決着もつき門を出た彼は、事情を知らぬ薩摩の剣客に太刀を浴びせられてしまうのだった。
 ロケ地、下目黒の別邸を出て城へ向かう十兵衛を襲う薩摩忍群、建仁寺久昌院前路地〜山門と法堂間の林間。江戸城、姫路城天守。試合会場となる吹上御苑、下鴨神社馬場(幔幕張って御座所もしつらえ)。十兵衛に事情を打ち明けられた尾張柳生の兵庫助が御苑に潜む敵を討ち果たしてゆくシーンには糺の森や泉川、池跡などが御苑の広大さを語るナレーションとともに映し出される。宗矩亡き後、池辺に佇むお藤に「母者」と声を掛け謝辞を述べる十兵衛、梅宮大社神苑・池中亭土橋。去ったお春を思い海に立つ十兵衛、間人海岸(立岩が大映し)。宗矩に従四位下が贈られたことを語るナレーションに被される柳生家菩提寺・芳徳禅寺、本物。

■ 剣客商売 「天魔」

 江戸に舞い戻った魔性の青年剣士を討ち果たす小兵衛、立ち合いは自分がと申し出た息子に、残り少ない自分の試合と微笑う。
 ロケ地、父の言いつけで千代太郎警戒のため湯島の金子道場へ向かう大治郎、随心院土塀南東角。金子道場の主が病と聞きターゲットを牛堀道場に変える千代太郎、鳥居本八幡宮。小兵衛の回想、目黒に住む弟子・笹目庄平を訪ねる小兵衛、民家南塀を青田越しに遠望(後段、庄平の急を聞き駆けつけるシーンでは同所をセピア色で)。金子道場から帰る三冬を襲う千代太郎の手下・猿、随心院土塀際。
*千代太郎の怪しい雰囲気を演出するのに、軽業の見せ物小屋で「韋駄天大王」なる出し物を生業としている設定がなされる。隈取化粧や得物の金棒(赤鬼が持ってそうなヤツ)がいい味。*原作では千代太郎と雌雄を決するのは大治郎。
2005/8/18

■ 鬼平犯科帳 「迷路」

 鉄砲州の商家への押し込みを見事に防ぐ鬼平、賊の頭は自刃を遂げるが、これがこの後平蔵を崖っぷちに追い詰める凶事のはじまり。平蔵の身近な人物を次々と殺し闇に笑う凶盗、三十年前の「本所の銕」のしがらみは火盗改長官を罷免にまで追いやる。
 ロケ地、船松町の薬種問屋・笹田屋へ押し込むため鉄砲州へ船をつける池尻の辰五郎一味、広沢池東岸(引き込み女が提灯で合図)。夜更けに市中見回りに出た平蔵を襲う刺客、随心院土塀(原作設定・本所御竹蔵裏通り)。火盗改与力・秋本が夜勤明けの帰り道半弓で殺される四谷了覚寺土塀際、相国寺大光明寺南路地(土産の巻狩飴ぶちまけ・秋本役は山内としお)。辰蔵が稽古を終え出てくる市ヶ谷の坪井道場、随心院長屋門。辰蔵と別れた西山喜之助が殺されるのは随心院拝観口(北望)。辰蔵が襲われる高田馬場付近、大覚寺五社明神(斬り結び刺客に手傷を負わせる)。むっつりと町をゆき笹やの前も素通りの平蔵、金戒光明寺鐘楼−長安院下坂と通じる石段〜茶所(お熊婆さんの茶店)〜永雲院下坂。密偵・玉村の弥吉がお参りの三囲神社、木島神社本殿(盗賊・法妙寺の九十郎が肩を叩く)。役宅の小者・六助が油を買いに出て殺され見つかる清水御門外の役宅近くの俎板橋付近堀端、大覚寺天神島北の大沢池端。打ち続く凶事に若年寄・京極備前守邸に呼び出される平蔵、相国寺林光院門。笹やに弥吉を訪ねてきた男のことを咳払いでツナぐお熊婆さん、張り込みの酒井同心は金戒光明寺本堂階に待機。岸井左馬之助宅で虚無僧に変装する平蔵、くぐり戸から庫裏?の破風が塀越しに覗く寺、不明(室内セットには花頭窓が見えるからお寺設定と思われる/原作では虚無僧ではなく頭を丸めて托鉢僧に)。笹やを張り込みの酒井と忠吾、金戒光明寺本堂(笹や設定の茶所の北に木塀をセット)。麻布くらやみ坂の道場から出てくる平蔵を襲った刺客の浪人、勝持寺東門。尾行する道、南門左手の塀際〜参道下坂・東西の路地。巣鴨の三沢仙右衛門宅を下調べの一味、民家アプローチ遠望・裏手通用門・裏手山際。矢野口の甚七を尾行して中山道をゆく彦十と沢田同心、川堤・不明(法面を使用、高さは相当にある)
*義兄弟を殺されたことで昔の恨みも重ねて鬼平に魔手を伸ばす猫間の重兵衛に石橋蓮司、今に見ておれと笑う酷薄な表情が凄絶、捕縛時の悪態もピカ一、「本所の銕」に盗み働きを頼み込む際の卑小な薄ら笑いがまた秀逸。レンジやっぱりイイ。ぼーっと口開けてる密偵の弥吉を演じる阿藤海もいい味。

2005/8/17

■ 長七郎江戸日記3 第28話「泪橋越えたら……」1991.6.11NTV/東映

 喧嘩で人を殺め島送りになった男と、亭主を殺された女の間に芽生える感情を静かに描く…んだけど、起こる騒動は喧騒を極める。閑職に不満たらたらのワル旗本が、島帰りのせいでなかなか就職できない直八をハメて、自分たちが仕出かした強盗殺人の罪を着せるが、長さんの介入で彼らの運命は地獄へまっしぐら。長さんはこのほか、ぎこちない男女をくっつけるお節介も焼く。
 ロケ地、ほぼセットで泪橋は特設っぽい。直八が釈放されておふみといい感じを見届けたあと青目同心と語らいながらゆく長さん、梅宮大社神苑(池の周囲を巡る)
*ワル旗本は亀石征一郎、狂犬そのものの凶悪さで、押し借りの際には土佐犬連れて来たりする。*今日の辰、酒を飲むと変わる人格ということで浪花屋姉妹に無体を働く…いつもと一緒じゃん。

■ 宮本武蔵 第一部「たけぞうから武蔵へ・前」2001.1.2TX

 美作・宮本村の厄介者・たけぞうの関ヶ原前後を描く。宇喜多家敗残ののち落武者となったたけぞうと又八は、各々運命の転機を迎える。
 ロケ地、えみし藤原の郷ほか関東東北各地。お甲の村近くの、野盗の首領とたけぞうが一騎打ちとなる奇勝は鎌倉の釈迦堂切通し…コレは調べないでも判る。
2005/8/16

■ 斬り抜ける・俊平ひとり旅 「綾姫御殿」

 駿府城代を叩き斬った「不義者・俊平」の名は世に轟いており、それを見込んでの殺しの依頼が来る。ターゲットは将軍が三河吉田の松平藩に押し付けた庶子、その姫は葵の御紋を傘に着て乱行の限りを尽くしていた。やる気満々の俊平は姫の黒髪をぶっつりと切り捨て、晒し者にして当地を去ってゆく。
 ロケ地、お褥辞退の姫が巣食う綾姫御殿、仁和寺宸殿(宸殿南縁階、池泉と白州、回廊、平唐門)。また出た姫の犠牲者を見て「餌を撒く」と弥吉に呟く俊平、広沢池東岸。松平はずしの追っ手とやりあうのは観音島西岸(水無)。六部に化けた黒鍬者を撫で斬りにするのは北岸汀。これを見ていた綾姫に招かれ御殿に入る俊平、仁和寺本坊表門(大玄関が見えている)。三河を去り東海道をゆく二人、広沢池東岸
*姫にいたぶり殺された恋人の仇討ちを依頼するおくにに小山明子、綾姫に国景子。
・以前の記事、綾姫御殿を大覚寺と間違えていました。

番外・福ちゃん発見
蒲田行進曲/時代劇の斬られ役
 志穂美悦子のお姫様が襲われる一幕、窓破って落ちる役を段取りするくだりで監督が「フクちゃん」に話を振るが、「女房がコレ」で稼がねばならぬヤスが自分がやると申し出るシーン。福ちゃんは鴨居に手をやって立っている。
2005/8/15

■ 銭形平次2 第5話「狙われた娘の絆!涙の投げ銭」2005.8.15テレ朝/東映

 借金のカタに娘の身売りを迫られた父は賊に加担、いつも足取りの消える盗っ人を告発したのは、平次夫婦に字を習っていた健気な娘がたどたどしい字でしたためた投げ文だった。
 ロケ地、神田明神、長岡天満宮本殿と周辺。久助・おはな親子が暮らす漁村、琵琶湖・舞子浜の松原。遠島になる久助を見送る船番所、大覚寺大沢池畔にセット。
2005/8/14

■ 剣客商売 「嘘の皮」

 大身旗本の跡取りと侠客の一人娘の恋、まとまる筈もない話を達人・小兵衛が捌いてゆく。タイトルは小兵衛が双方の親についた「嘘」。
 ロケ地、浅草寺へ散策にやってくる小兵衛夫婦、嵯峨清涼寺本堂を門越しに。参道石畳に縁日をあしらい、天王町の汁粉屋・梅園は境内茶屋の湯豆腐・竹仙を用いる。お照とデートの村松伊織、大覚寺天神島(婆やが父が急病と連れに来て船に誘う)。一人になった伊織が鎌屋の若い衆に襲われる駒形堂、護摩堂(居合わせた小兵衛と弥七は釣り、夜泊石前の大沢池汀。駆けつけるシーンは放生池堤)。伊織の手当てを不二楼で済ませたあと船で屋敷へ送ってゆく小兵衛、嵐山公園中州湛水域(中州西端の取水口構造物や川端の建物が映り込むほか、鎌屋の手下が尾行するシーンには渡月小橋の桁もちらっと映り込む)。お照が預けられている稲屋へ船を出す小兵衛、橘寺の前畑に水面を合成(汀にはヤナギが鬱蒼と生え、建物を一部覆うかたち)
*鎌屋辰蔵に石橋蓮司、白髪まじりの髷がお似合い。むすっとして一回も笑わないが、怖いというより娘の行く末を案じる父の優しさのほうが出ている。原作と違い「引退」は描かれず。一の子分の徳井優もいい味。
・以前の記事の八幡掘は嵐山の間違い、泉川は今見ると確証なし。

番外・福ちゃん発見
仁義なき戦い 代理戦争/早川組構成員
 早川組が打本会に殴りこみをかけた、広島抗争事件勃発となった事件の鉄砲玉。アロハシャツ着込んで斬り込み隊の前線をつとめ、もちろん撃たれて路上に斃れる。
仁義なき戦い 頂上作戦/武田組構成員
 小林旭の舎弟、リーゼントで前髪を一房垂らしている。山守のツケの請求書の説明をしたり、抗争中情婦に会いに来た打本を喫茶店で拉致したり、山守の隠れ家に急行する武田のお供をしたり、神戸の「明石会」会長邸に電話工事を装ってダイナマイト投げ込んだり大活躍。
*代理戦争と頂上作戦にはクレジットあり、完結篇には見当たらず。…続けて五本も見ると日常会話に「なんなら」とか出ちゃったりして…伝染ってるよ広島弁。
2005/8/13

■ 鬼平犯科帳 「男の毒」

 けだもののような男に仕込まれた体が、女の人生を狂わせる。何人かの男をしくじったあとやっと見えかけた幸せも無残に消え、女が選んだ道は現世を捨てることだった。
 ロケ地、小間物屋の女房となったおきよが外回り中、切れた鼻緒を通りかかった男にすげてもらう橋、中ノ島橋。「経師屋の宗七」の女房となったおきよが亭主の身を案じ「三七二十一」の願を掛けにゆく神社、梅宮大社(お参りは本殿、祖父の伊助が待っているのは舞殿脇、伊助に願掛けのことを話すのは神苑汀。平蔵らがおきよを見張る茶店は舞殿脇にセット)。総上の三五郎らの盗っ人宿を見張る火盗改の同心たち、釣り船が浮かんでいるのは広沢池っぽいが確証なし。お盗めに出向いた宗七が卵を呑む堀端、上賀茂神社ならの小川(のちに川に顔を突っ込んで頓死しているのが発見される)。出家したおきよが庭掃除、西明寺山門。
*おきよに毒を仕込んだ弥市、最後の男となった宗七は本田博太郎が二役。ケダモノ弥市の濡れ濡れとした気味悪さ凶暴さ、賊なんだけど気のいい優しい宗七と見事に演じわけ。
*鬼平の話にするため、設定はかなり変えられている。黒股の弥市は賊ではなく香具師の元締の片腕、ドラマでは火盗改打ち込みの際喀血して死ぬが原作ではおきよに絞め殺されている。伊助は煮売り屋の親爺なのは同じだが、おきよの祖父ではなく亡父の知人で女衒まがいの斡旋もしている。ドラマでは本所の銕の古なじみ設定で、幼いおきよも登場する。宗七は黒股の弥市の弟でただの経師屋、おきよと妾宅から逃げはするがそれ以上の話は書かれていない。ドラマでは弥市とは全く関係ない設定で、簀の子の宗七なんて泥棒ネームがつけられている。


番外・福ちゃん発見
仁義なき戦い/新開組構成員、有田の舎弟
 アパートでヒロポン仕分けしてたり、ブンガワン・ソロの流れる喫茶店で兄貴の向こうに座ってたり。
仁義なき戦い 広島死闘篇/大友組組員
 関西へ退去した大友勝利が広島に残した三人の一人、鉄砲玉の北大路欣也に撃たれて派手にびょーんとのけぞりジャンプ。
*両作品とも公開時は「福本清二」なんて書かれていたらしいが、今回WOWOWで視聴した分にはちゃんと「清三」と直しが入っていた。前にβのビデオで見たときより遥かに鮮明な画面で感動。
2005/8/12

■ 徳川武芸帳 柳生三代の剣  1993.1.2TX/松竹
  第六部 「将軍暗殺!?寛永御前試合」 その一

 大久保彦左衛門の提案になる御前試合は、宗矩が煙たい老中・伊豆に利用され柳生潰しの陰謀がめぐらされるが、ヤバ気な薩摩のクーデター計画も呼び込んでしまう。
 ロケ地、江戸城、姫路城天守。虎の御門の柳生邸、京都御所管理事務所北門。十兵衛がゆく海浜、間人海岸(諸国の武者が打倒柳生を目指すというナレーション入る)。下目黒の柳生別邸を窺う薩摩忍者(十兵衛は烏天狗と表現)と切り結ぶ柳生三兄弟、中山邸参道。薩摩藩邸、大覚寺大門。魚河岸からお春を連れ出し詰問する十兵衛、間人海岸(漁具や漁師あしらい)。一心太助が十兵衛とお春を会わせる屋形船、広沢池東岸に係留。お春を裏切者と追う烏天狗たち、大覚寺放生池堤。お春のピンチに介入し斬りあう十兵衛、五社明神。三兄弟がそれぞれの対戦相手について話すくだり、十兵衛の相手である宮本武蔵のイメージ(仏像彫り中)西の湖畔。
*彦左に藤田まこと、丸眼鏡けっこうお似合い。爺っぷりは秋山小兵衛にも似る。登場シーンは「盥」で。一心太助は坂東八十助。*生きていたお春、薩摩の烏天狗一党に混じっててびっくり。十兵衛が裏切ったと思い込み復讐に燃えてたりなんかするが、太助セッティングのお船でラブラブ…船は揺れてなかったけど。この姉ちゃんの思い込みちょっとアブナい感じ。*ナシになったかと思った「秀頼」しっかり登場、江戸入り…けっこうスクエアな作品にトンデモの香り。

・明日から「仁義なき戦い」見るのでココ途絶えるかも…福ちゃん探しがタイヘン。
2005/8/11

■ 剣客商売 「箱根細工」

 小兵衛の剣友を見舞いにゆく大治郎、老剣客とその息子の確執を見ることとなる。暗殺者に成り果てた「息子」との対決が見もの。
 ロケ地、父に呼ばれ大川を渡る大治郎、西の湖(太鼓橋、園地汀)。箱根へ向けて街道をゆく大治郎、嵐山自転車道(後段、小兵衛と弥七がゆく道も同所)。目つきのわるい浪人とすれ違う箱根山中・入生田の街道筋、酵素ダート待避所に茶店あしらい。塔の沢へ向かう大治郎、谷山林道。横川彦五郎が逗留する塔の沢の湯宿・田村屋の内湯、保津峡落合河口に湯船をセット(小橋を渡ると浴槽というしつらえ)。江戸、桔梗屋の番頭が殺されて見つかる寺、不明(花頭窓のあるお堂)。横川老人に斬りかかる浪人、落合付近の河原。桔梗屋親子を襲う浪人、谷山林道。息子だった浪人のことを語る横川、落合河口汀。息子の塚に佇む横川、仁和寺境内か。
*原作とは、大治郎が投げるのは大刀など、細かいところをちょっと変えてある。ドラマでも出てくる「仕掛人」の文言は原作にもあるが、藤田まことが「近頃江戸には仕掛人という金ずくで人を殺す…」なんて発言するのには思わず心の中でアンタでしょと突っ込みが入る。
2005/8/10

■ 長七郎江戸日記3 第27話「奇怪なり葵の香炉」1991.6.4NTV/東映

 飢饉に際し民を救うため家宝の香炉を売った国家老、事実を知る若き蔵奉行は命を賭して秘密を守り通す。
 ロケ地、青目同心に浜松藩の香炉盗難騒動について話す長さん、梅宮大社楼門。蔵奉行の墓に参る国家老、くろ谷か。
*青ちゃん大活躍、忍者ルックで藩邸に忍び込む・ラス立ち前に火薬ボーンで長さんのヘルプもやる。*アドリブか役者に合わせて書いたものか、正ちゃんギャグ炸裂。香炉盗を探す矢場で顔に傷の男たちに取り囲まれ「壊れた顔の会ですか」。その面々、小船秋夫に峰蘭太郎…。*ラス立ち福ちゃんや小峰さん入り。
*追記:沈む蔵奉行の許婚者をおどけて和ませようとする正ちゃん、アップになったその顔に「正八」の面影は全く無く「坊や哲」…90年代だもんねー…。
2005/8/9

■ 斬り抜ける・俊平ひとり旅 「城代暗殺」

 嘉兵衛の死を知り、太一郎も亡いものと思い込んだ俊平は武家社会そのものに牙をむく。皮切りは幕府の権威の象徴・駿府城代、葵の御紋に公然と楯突く修羅の旅がはじまる。
 ロケ地、影送りで美作へ向かう俊平たち、保津峡落合崖道。「黒鍬者」の辰野が腰元たちに軽口を叩く駿府城内、大覚寺参道(橋も門も映さず)。城代に上納金免除を直訴の百姓たち、金戒光明寺永雲院下坂、東西の路地。黒鍬者たちをひきつける野原、酵素河川敷(弥吉の狼煙は谷山林道か)。久能山参拝の城代を襲う俊平、金戒光明寺路地各所〜石段(上部に標の柵をセット)。追う黒鍬者と戦闘の掘割、大覚寺御殿川河床(辰野と芝居を打つのは参道石橋)。駿府を去り旅立つ二人、落合付近河畔の岩場。
*絶望の果て死も覚悟して封建制度に一人立ち向かう俊平の重苦しい話に、藤田まことの黒鍬者がアクセントをつける。旨いものを食って好きな女と暮らす日常をこよなく愛する男は、中村主水と秋山小兵衛を足して割ったような感じ。全然似合わない忍者ルックもご愛嬌。
★前の記事に久能山遥拝所を粟生光明寺と書いてました…なんでこんなもんを間違うのか…。
2005/8/8

■ 銭形平次2 第4話「涙の絆!罠に堕ちた万七一家!!」2005.8.8テレ朝/東映

 カッコつけの大盗の二代目が馬鹿を仕出かし捕縛、父の隠居は三千両を投げ出し子分に奪還を依頼。彼らの荒っぽい手口に万七が巻き込まれるが、平次は万七の漏らした合図を聞き逃さなかった。
 ロケ地、万七を説得できずに帰る平次夫婦を見ている不知火一味、八幡掘堀端。
*不知火一味が攪乱に雇った、二代目権八の唐丸を奪還しにくる浪人に福ちゃん。平次に叩きのめされおわ、おわぁとのけぞり。
2005/8/7

■ 剣客商売 「深川十万坪」

 怪力の気のいい婆さんが侍の無体から子を救うのを見た小兵衛は、その後の危険を見越し行動する。果たして婆さんに意趣返しにやって来る馬鹿者ども、そして懲らしめた後の名家の仕ざま、小兵衛の怒りは激しく深い。
 ロケ地、深川八幡へ出かけた小兵衛夫婦が見る、金時婆さんと馬鹿侍の紛争、上賀茂神社ならの小川。金時婆さんの家へ侵入った「泥棒」侍の死体を届けにゆく小兵衛、和田倉門は二条城本丸櫓門、松平下総守邸は大覚寺大門。小兵衛を深川十万坪に誘い出し謀殺しようとはかる下総守の家士、琵琶湖西岸(河口州と思われる草原、対岸に近江八幡の鶴翼の山なみ。事後小兵衛が手を洗う際には汀も)。今回の件について話す田沼さまと三冬、大覚寺放生池堤(田沼さまは釣り、生島用人池ボチャ)
*金時婆さん・おせきに「さびしんぼう母」藤田弓子、辛い過去にめげず健気に生きる婆さんを好演、歩く姿が特マル。
2005/8/6

■ 剣客商売 「老虎」

 洗練とは程遠いものの滅法強い田舎剣客の青年が遭う悲劇、音沙汰ない倅を案じて老いた父が江戸へ。秋山父子に田沼さままで合力、老剣客に仇を討たせてやる。
 ロケ地、大治郎が語る山本源太郎との荒稽古の回想、広沢池北岸〜遍照寺山中腹。源太郎が投宿していた本所四ッ目の長明寺、神光院(山本孫介と秋山父子が出てくるシーンに山門と参道。佐倉勝蔵が森川道場の弟子に孫介の姿を確認させる料理屋・米滝は参道にセット、二階の座敷から山門を出てくる孫介を見せる趣向(クレーンか合成か)。佐倉が源太郎を誘き出しに訪ねたくだりでは、小坊主が本堂西側廊下をお茶持って歩く)。謀殺された源太郎の遺体を掘り出す広尾の原、酵素河川敷・木の前。田沼主殿頭上屋敷での御前試合、大覚寺宸殿前白州(秋山父子と孫介が現れるのは右近の橘の向こうから、田沼さま着座は宸殿前廊下)
*山本父子もそれぞれに味があって良いが、なんといっても佐倉勝蔵の本田博太郎が凄い。田沼に呼び出され有頂天の内心の「ひとりごと」、次の間の孫介を見てガクーの表情、遺体掘り返しに立ち会うずぶ濡れの絶望の顔など、抑制が利いて一回も喚いたりしないが、冷や汗の感触が伝わってくる。
2005/8/5

■ 徳川武芸帳 柳生三代の剣  1993.1.2TX/松竹
  第五部 「伊達、薩摩の陰謀?島原の乱!」 その三

 薩摩に潜入した十兵衛、公儀に対する陰謀を知り島原へ駆け戻り老中に訴えるが届かず。そして原城は陥ち、お春の姿は見出せない。
 ロケ地、薩摩坊の津の浜で心中未遂の琉球の王子を助ける十兵衛、間人海岸(沖田浩之の王子が舞姫と身投げの一本松の岬は間人か不明)。江戸、乱に関する宗矩の進言が退けられ謹慎を食らったあと、そっと柳生屋形を出て島原へ向かうお藤、大覚寺参道石橋。薩摩、鶴丸城へ入る琉球王子の行列、知恩院黒門道。深更、城山へ潜入する十兵衛、彦根城博物館。「右府さま」も入る武器庫、佐和口多聞櫓内側。十兵衛が始末されかかる猿川の関所、砕石場か。島原、松平伊豆の陣、鳥居本八幡宮(本陣は舞殿、あたりに幔幕多数)。原城へ走る十兵衛、小笠原藩戦目付の宮本武蔵が立ちはだかるのは酵素河川敷(逆茂木をあしらい)
2005/8/4

■ 剣客商売 「御老中暗殺」

 三冬がいたずら気まじりに掏摸から取り返した飯田平助の財布から、分不応相な金子と毒薬が出る。平助は田沼の御膳番、父の危機に三冬は小兵衛の示唆で屋敷へ。
 ロケ地、飯田平助の財布を掏った男をとっちめる三冬、上賀茂神社北神饌所裏手。財布を改める川辺、ならの小川神事橋下手汀。田沼意次上屋敷、随心院薬医門表書院。平助が出る通用門、拝観入口。尾行する弥七、土塀南東角。平助が入る一橋家控屋敷、毘沙門堂薬医門。浜町中屋敷へ「お忍びで出る田沼の駕籠」、随心院薬医門参道土塀北東角。一橋家の家臣が待ち伏せする林、下鴨神社池跡。小兵衛入りの「田沼の駕籠」がやって来る、馬場。大立ち回りは池跡で。事後、今回の件で確認した父の愛情を噛み締める三冬、梅宮大社神苑池中亭土橋。
*平助の息子・粂太郎は存在が示されるのみで登場せず、名も出ない。
2005/8/3

■ 必殺仕事人V旋風編 第4話「せん、りつ、カチンカチン体操をする」1986.12.12ABC/松竹

 苛政が敷かれる村から銀平の昔の恋人よりSOS、女は銀平の裏稼業を知っていた。銀平が武州の村へ赴くので半ば旅もの、仕置は江戸で。
 ロケ地、武蔵国日の坂村総代・青木伝右衛門邸、民家長屋門。総代の妻女・お滝の文を見て銀平の回想する嫁入り行列、七谷川畔の農地か(河畔林と思しき竹林が見える)。お玉が船宿のおさきに銀平の行方を聞く、中ノ島橋たもと(右岸)。日の坂村、隠し米摘発の八州、萱葺民家と周辺。百姓らが直訴の相談をぶっていて摘発される鎮守、鳥居本八幡宮(舞殿、石段)。屋敷から逃げたお滝を捜索する八州の配下、下鴨神社糺の森(政とお玉が助け舟)。銀平がお滝を連れ逃げ回るルート、酵素河川敷と降り口〜萱葺民家(草鞋を貰う)保津峡落合河口(筏製作)・崖道・落下岩・保津峡(筏で逃走)・保津峡左岸巌(背に矢を受けたお滝が死亡、銀平に「仕事」を依頼)
*順ちゃんのバズーカ、代官邸の門吹っ飛ばしにも使用。

■ 長七郎江戸日記3 第26話「女侠涙の伊達姿」1991.5.28NTV/東映

 栗林藩江戸屋敷の新普請をめぐる汚い陰謀、落札した業者に黒い手が伸びる。亭主亡きあとを継ぐ健気な女将は、元別式女の女傑だった。
 ロケ地、新橋一丁目の工事予定地を検分する請負師の紅梅組元締・清兵衛、琵琶湖西岸(湖畔にはヤナギ)。清兵衛が死ねば得をするのは山甚と釣りの長さんに報告する青目同心、広沢池東岸。清兵衛の葬儀が行われる寺、永観堂。女将にお悔やみを述べる長さん、放生池石橋(本堂で焼香と小頭が呼びに来て御影堂のほうへ)。長さんが工事のこの後を協議するのを立ち聞きは御影堂脇、ロングの画では位牌堂と石垣が映る。保土ヶ谷へ赴いた帰りの女将を襲う山甚の用心棒、不明。長さんに亭主との馴れ初めを語る女将、琵琶湖西岸松原。女将の回想、別式女だった彼女にプロポーズし薄氷張る湖に飛び込んでみせる清兵衛、広沢池観音島
*女将に平淑恵、山甚に睦五朗。
2005/8/2

■ 新必殺仕事人 第49話「主水三味線にビクビクする」1982.5.14ABC/松竹

 裏切った仲間を殺しに島抜けの男、二人目を殺ろうと入った先で罪滅ぼしに遺児を妻にしている相手を見てほだされ中止。しかし直後その店の番頭が賊を引き入れ一家惨殺の凶行をはたらき、男が手配されてしまう。男の息子で能楽師の笛吹きが父を諌めようと現場で笛を吹くエピソードがあり、この音色に思わず三味を合わせたことでおりくが江戸を去る羽目になる。
 ロケ地、能楽師・能勢東風邸、中山邸門、参道。
*「用済み」の鯉のぼりを衣に仕立てられる笑い話が唐突にラストに入る。

■ 必殺仕事人V旋風編 第3話「主水、殺人ツアーに出かける」1986.12.5ABC/松竹

 馬鹿殿を討とうとはかる校倉藩の有志、彼らの一部が百軒長屋に雌伏。江戸へ向かう藩主を街道に討つ計画は頓挫、構っていた藩士の一人が討ち死にするのを見たお玉は足し前をした頼み料を置き主水らに頭を下げるのだった。
 ロケ地、魚屋と薬の行商人に化けた校倉藩士がツナギをとる川端、広沢池東岸(魚屋の直吉が斬られて船着きからドボン、銀平の操る船が来かかる)。校倉藩主・稲葉備前守の行列がゆく熱田・宮宿手前の街道、琵琶湖・舞子浜松原手前の道(後段、沿道の娘に悪さをするくだりは浜に近いところ、背後に高島の岬が見えている)。直吉がお玉に別れを告げ押し花を渡す、広沢池東岸。大山まいりの長屋衆に紛れ仕置に向かう仕事人たち、谷山林道各所をたっぷりと使って(切り通し、頂上作業場、分岐道、両側切り通し等)
*馬鹿殿は菅貫、僅かな尺で狂態を熱演。

■ 斬り抜ける・俊平ひとり旅 第15話「城中乱入」

 遂に真実を知る嘉兵衛、殿を斬ると決めた途端とてつもないパワーを発揮。物凄い勢いで街道を走りとおし殿に肉迫、城中を「斬り抜ける」。志果たし得ず斃れる嘉兵衛、そして伝八郎の野望も挫ける。
 ロケ地、病の母を介抱する農夫を装った黒鍬から逃れた俊平たちが通る墓地、酵素水子地蔵。嘉兵衛を呼び出し俊平と会わせる神社、篠八幡宮境内。美作城天守、彦根城天守閣
*岸田森の「ひとりごと」がますますパワーアップ、悪企みしてにぱーと笑う顔も段々凄味を増してくる。*実は黒鍬だった志賀勝、というのが妙におかしい。

■ 怪談スペシャル 2005.8.2CX/映像京都

 蘆屋道三の長屋のお盆の恒例行事・長屋衆が寄っての百物語がフレームで、96話語り終えたところから始まる趣向の4話オムニバス。

・97話目「鬼婆」
 安達ヶ原の一軒家に巣食う、生き肝取って喰う鬼の主従。去った主人を若いまま待ち続けるために「肝」。どこか浅茅ヶ原っぽい。ロケ地、夜明けの家イメージに酵素民家セット。
・98話目「座敷童子」
 気のいい呉服屋の女将を追いやる小悪魔、ワラシさまを蔑ろにして手ひどい罰が当る。顔を蒼く塗ったガキんちょの紅い唇怖し。
・99話目「契り」
 後妻に祟る武家の亡き先妻、花瓶修復の技も持つ。ちょっとギャーなオチつき。ロケ地、後妻と散歩の武士、大覚寺放生池堤
・100話目「化猫」
 酒肆の女と結婚を約束の浪人、しかし仕官の条件は江戸家老の婿に入ること。別れを切り出した場で猫に睨まれて刀を振るい女を斬ってしまう→殿への目通りも叶い家老邸で祝いの宴、ニャーゴの影に脅え錯乱して家老親子斬っちゃう四谷怪談ノリ。長屋に駆け戻ると化け猫。ロケ地、仕官の条件を聞かされ渋面で帰る道、妙心寺大通院裏路地。
2005/8/1

■ 新必殺仕事人 第48話「主水倹約する」1982.5.7ABC/松竹

 食い詰めて江戸へ出た百姓を食い物にし儲けた金で出世をはかる南町与力、捕縛の際助け舟を出したおりくに恨みの金が託される。
 ロケ地、勇次たちの町内の花見の肴を盗ったかどで捕縛される会津の百姓母子、御室桜林〜神社石段(不明、段脇に石灯篭並ぶ)
*ワル与力に亀石征一郎、棄民に施しを与えて騙すが、最初から思い切り胡散臭くて笑える。献金相手は老中・水野。*おりくが与力に食ってかかる場面、この人たちが盗ったのは蒲鉾じゃなくて沢庵とやるくだり、酒も水でほぼ落語の長屋の花見「がぶがぶのぼりぼり」。*騙されてそれぞれに売り飛ばされた親子四人、一緒に逃げようと約束した日にちと場所をおのおのの胸に刻み口にし辛い日々を耐える姿が哀切。お女郎にされた娘が寝言にそれを呟いていたのを聞かれ、集合場所がバレてしまうのも涙モノ。

■ 必殺仕事人V旋風編 第2話「りつ、ハウスマヌカンになる」1986.11.14ABC/松竹

 大奥がらみの事件。娘を差し出して大奥出入りを目論む版元の大旦那、邪魔な婿を始末するのに無関係な女を巻き込んで不義密通を成敗に持ってゆく。女の幼い遺児が香典を差し出し「仕事人を、母の恨みを」、こういうのに主水は弱い。
 ロケ地、お志麻が襲われる川端、広沢池東岸。銀平が鯉を刺して道具の具合を確認の船着き、広沢池東岸に船着きをセット。真珠院とつるむお小姓頭・水野久三郎邸、大覚寺大門。順ちゃんが聖古堂親子をバズーカで木っ端微塵、大覚寺勅使門橋(足止め役のお玉はひらりと飛んで橋の下)
*冒頭主水の馬鹿な睡夢、金きら衣装の主水が田中と鬼塚に左遷を言い渡して哄笑。

■ 剣客商売 「まゆ墨の金ちゃん」

 牛堀九万之助に大治郎襲撃計画を聞かされる小兵衛、剣客として気強く対するも心は千々に乱れ新床もパス。事情を探り、襲撃の夜には道場まで来てしまうが杞憂に終わる。
 ロケ地、盃事を終えた小兵衛夫婦が渡る大川、西の湖(牛堀の話を聞き考え込むシーンに湖畔)。大治郎に小兵衛の挙動が変と知らせた帰り、三浦金太郎に一手所望され立ち会う三冬、仁和寺塔東の疎林(背景に九所明神や塔)。三浦に刺客仕事を持ちかけた浪人が代稽古をつとめる村垣道場、大覚寺明智門。村垣の駕籠が入る料亭、錦水亭東屋。村垣と会っていた侍のことを聞くため根岸の寮に三冬を訪ねる小兵衛、中山邸門、庭。
*金ちゃんを演じる伊原剛士が特○。台詞回しなど加藤剛版の財津一郎と通じるものがあるが、ビジュアルが凝っている。白塗りに眉墨・口紅が細い切れ長の目によく似合う。また着物の色目が唸るほどで銀鼠の裏地が真っ赤、これで裾かっさばいての立ち回りが目を惹く。師匠の牛堀とのやりとりもよい温度。
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