時代劇拝見日記
2012年7月

・日記目次 ・ロケ地探訪 ・ロケ地探訪表紙テキスト版 ・ロケ地一覧 ・時代劇の風景トップ
・このサイトについて ・サイトトップ

←2012/62012/8→

2012/7/31

■ 柳生一族の陰謀 第33話「黒猫の恐怖」1979.5.15関テレ/東映

 鍋島藩化け猫騒動の、秘められた真実を描く一話。
惨劇のあと行方不明になっていた姫は、記憶をなくし苦界に落ちていたが、思いがけぬ優しさが降ってくる。
それも束の間、フラッシュバックが起こり、女は復讐劇に身を投じるのであった。

ロケ地
  • おれんの回想、龍造寺一族襲撃から逃れ傷ついた身を引きずり行く水辺、嵐山か(後段の絵では石積護岸が見える。流水はごく浅い)
  • 猫の声に惹かれ、丑松の長屋から出たおれん、黒猫のタマと再会する町角は広隆寺東塀際、木あり。茜が現れ、柳生邸へいざなう。
  • タマを抱き旧龍造寺家へ向かうおれん、松本酒造前東高瀬川堤。旧龍造寺家、不明(前にステップのあるお堂、見返りには大きな山門。枯れた植え込みは演出か)。荒れ屋敷で起こるフラッシュバック、墓地や川べり(墓地は大きな墓碑ある高台っぽい立地、川は先に出たのと同所)。戻り道は東高瀬川堤法面の菜の花の群落。
  • 記憶が蘇ったおれん、鍋島藩士を密殺する町角は広隆寺東塀際。祠や移動壁あしらい。
  • 鍋島藩上屋敷、西明寺山門。藩士の出入りのほか、参道石段の陰にフチカリが潜む絵も。
  • おれんを救いに出動する十兵衛たち、広沢池北岸。そのあと走る土手は不明(竹林際、谷地田沿いの畷で溜池や土壁の農作業小屋あり)
  • 鍋島藩士を狙うも、察知され押しつつまれ斬られるおれん、伏見稲荷。境内各所を使うが、千本鳥居での立ち回りは圧巻。裏柳生の殺陣もここで。

2012/7/29

■ 続南国太平記 薩南の嵐  渡辺邦男監督作品  1954.2.3東映

 斉興はますます頑な、お由羅の方の陰謀は止まらず、遂に斉彬自身が調伏を受ける仕儀となる。益満は薩摩の密貿易を幕府に訴えるという無茶を仕出かすが、調所が一人責を負い不発。冨士春の献身により遂に牧の居所が知れ、御嶽山に駆けつける益満と小太郎、しかし術者は騒ぎをよそに行を続け、「成就」と叫ぶ。

ロケ地
  • 大坂イメージ、宇治川派流と酒蔵、背景に大阪城天守を合成。
  • 薩摩藩大坂蔵屋敷、不明(御香宮に似る、広壮な門)
  • 薩摩藩邸、東本願寺内事門
  • 斉興による国元「過激派」の処断、閉門の屋敷、不明(塔頭か)
  • 益満らが御嶽山へ馬をやる道、不明(谷地田脇地道、山裾)

2012/7/28

■ 南国太平記  渡辺邦男監督作品  1954.1.15東映

 風雲急を告げる幕末、薩摩のお家騒動「お由羅騒動」を描く。
斉彬の忠臣・益満休之助は、殿に害意を持つ者どもに対抗し過激に動く。しかし友の一家は忠義のため離散、自身にも刺客の魔手が伸びるのであった。

ロケ地
  • 薩摩、玄白斉らが馬を駆る山道、谷山林道か(切通し、松並木も)。牧が呪詛を行うシーンはセット撮り。
  • 江戸・島津屋敷門、東本願寺内事門
  • 薩摩藩邸内の描写、二条城二の丸御殿庭園。人々が行き交う御殿前は書院脇、若君の様子がただならぬため、怪しい奴を近づけるなと命じる物頭のシーンは書院を遠景にした池泉端(若君が没したあと、益満が小太郎と話すのもこの池泉、黒書院と白書院をぐるっと映し、藩が二つに割れていることを嘆く次第。千恵蔵は庭石に腰掛けている)
  • 仙波一家が暮らす御長屋、妙心寺聖澤院門。即退去と言い立て、邸内から道具を持ち出し放擲する藩士たちのシーン、玄関はセット撮り。
  • 牧の駕籠を追う玄白斉、九十九折の山道、不明。
  • 牧を追って叡山へやって来た仙波父子、戦支度をするお堂前、不明(二層の大屋根、蔀戸)

2012/7/27

■ 素浪人月影兵庫 第6話「宿場は泣いていた」1965.11.23NET/東映

 中山道のとある宿場では、阿漕な顔役が幅をきかせ人を泣かせていたが、半次につづきダンナの知るところとなり、当然の帰結をみる。
お二人それぞれ、違ったかたちで「被害者」に関わってゆく経緯が面白い。

ロケ地
  • 半次がダンナに剣突を食らわしつつゆく中山道、不明(川堤状の地形、および青田の田畔)
  • 借金のカタに女をとられてしまう茶店、不明(丘の上っぽい。女を乗せた駕籠を見遣るダンナのくだり、茶店から見える道は涸れ川の河原にも見える←けっこう広い)
  • ダンナが鯖江主水と出会う道、不明(刈り入れ後の田んぼ、稲架はフツーの横木)

2012/7/25

■ 柳生一族の陰謀 第32話「姿なき敵」1979.5.8関テレ/東映

 強烈な政敵を持ってしまった宗矩、柳生家に外から内から攻撃の雨嵐。無傷な者は茜とフチカリのみという事態に追い込まれ、遂に屋敷は炎上。
十兵衛が駆けつけ、敵の罠をものともせず切り抜けるが、事後やはり「親父どの」に背を向けて去る、孤高の魂なのだった。

ロケ地
  • 江戸城イメージ、姫路城天守。空席の大目付ポストを狙う大番頭・米倉安芸守と、確執が生まれるくだり。
  • 十兵衛が佐助を鍛える目黒の荒れ寺、イメージの土塀は随心院か(土塀の向こうに小屋根)。佐助が吊るされる大木、丹波国分寺境内の大銀杏。門から中を見た図もあり。
  • 街道の土砂崩れで迂回する左門、旅の女・お澄と出会うくだり、不明(切通しの山道、迂回路は植林杉の山腹で谷川もあり)
  • 柳生家の下女・奈津が正体を現し、霞童子に変じ去ったあと駆け込む米倉邸、相国寺林光院(街路にセット併用)
  • 柳生家の急を聞き駆けつける十兵衛、走る野は広沢池北岸と不明な野原。
  • 米倉邸での死闘、相国寺林光院(境内内庭)
  • 宗矩たちが一時身を寄せる、下谷広徳寺、永観堂。裏柳生たちが凭れる石垣の奥に多宝塔、十兵衛が去るくだりは御影堂で、阿弥陀堂との境を見下ろす図も出る。

2012/7/24

■ 柳生一族の陰謀 第31話「呪いの藁人形」1979.5.1関テレ/東映

 帝の妃となるところを、中宮和子がため押しのけられた姫は、怨念凝って悪霊となる。その運命を気の毒に思うも、無辜の死に怒り刃を振り下ろす十兵衛なのだった。

ロケ地
  • 上野寛永寺境内、丑の刻参りを見て咎めた僧を斬り殺す女、糺の森か(夜間撮影、スモーク)
  • 呪詛の一件を十兵衛に諮る宗矩、大覚寺大沢池堤法面(宗矩は釣りの態)
  • 梓巫女の祈祷を見に行く十兵衛、鳥居本八幡宮広場。帰り道、佐助が挑みかかるも軽くいなされるのは小柴垣道、竹林。
  • 呪詛と聞き糺の森に駆けつける所司代、下鴨神社瀬見の小川畔から河合社塀を望む図、呪詛は糺の森の木に。梓巫女の輿が来るのは馬場。
  • 駿府城下、巡礼中に祖父を亡くすお菊、神護寺参道坂。巫女にやられた祖父は山門前から石段落ち。
  • 親切ごかしに祖父を葬り魂おろしをする巫女・雲奇、塚は広沢池東岸池底にあしらい。
  • ランやお菊が乗船する渡し場、広沢池東岸に船着あしらい。
  • 中宮和子が一時避難する二条城、本物の本丸櫓門など。後段、所司代が挟まれて怪我をする門は東映施設か。
  • 佐助と旅ゆく十兵衛、巫女たちと遭遇する川辺は保津峡落合巖と汀、崖道や落下岩。
  • お菊を伴い嵐山に着く雲奇、渡る橋は渡月橋(左岸下流方向から橋側面を望む図)
  • 非は蓮台を押し込めた幕府にあるのではとひとりごちる十兵衛、化野念仏寺石仏群。
  • 刺客に仕立てられたお菊を防いだあと、梓御霊社へ向かう十兵衛たち、石座神社。参道、舞殿付近で大立ち回り。

2012/7/23

■ 素浪人月影兵庫 第5話「乙女心はふるえていた」1965.11.16NET/東映

 碓氷の関所で、三年も父の仇を待っていた少年。三人組の強盗が出た夜に仇は姿を現し、目撃者の坊を始末しようとするが、宿場にはダンナと半次が滞在していた。

ロケ地
  • 勘兵衛の墓がある峠を行く半次、不明。山道〜切通し(ここに茶店)
  • 次郎太に仇と誤認される半次、関所は切通しに設営、茶店と同所と思われる。
  • 次郎太の回想、父を待っていた道端、湖畔か(松並木越しに水面)。父が頭巾の侍に斬られたのは山裾の笹薮際。
  • 勘兵衛の墓前で半次に昔話をしたあと、一人山道をゆくダンナ、不明(思い切り砂利砂利の切通し、頂上付近。見下ろすと渓谷が見えるが滞水、保津峡か)

2012/7/20

■ 仮面の忍者赤影 第51話「決戦魔風忍群」1968.3.20関西テレビ/東映

 最終回を前に、魔風編おさらいの巻。
名場面がセレクトされていて、お腹いっぱい。

■ 仮面の忍者赤影 第52話「六大怪獣包囲陣」1968.3.27関西テレビ/東映

 捕われの姉弟を救いに、赤影たちは地獄谷へ。変わり身の術で二人を取り戻すも、また罠が仕掛けられていて大ピンチ。
しかし陽炎の呪文で黄金仮面の力が発動し形勢は逆転、化物が灼かれると雷丸も死に戦いは終結。
青影は赤い仮面を授かり、赤影は金の仮面を着け、四人は飛騨の里へ戻ってゆくのだった。

ロケ地
  • 地獄谷、不明(赤土の崖が連なる谷?)

2012/7/19

■ 武士の家計簿  森田芳光監督作品  2010.12.4松竹

 加賀藩算用方をつとめる下級武士を、三代にわたって描く。
主人公は、語り手の父にあたる猪山直之。親も呆れる算術馬鹿は、その異能によって出世するが、己が家計は破綻寸前の火の車。
この危機を逃れるための、直之の決断による家族全員身を切っての借金弁済がお話のコア。そして、よそごとでなくなった幕末動乱に、猪山家は翻弄されてゆく。
しかし時遷れども、猪山家の当主が黙々と算盤をはじき続ける姿は不変なのだった。

ロケ地
  • 成之の執務室(M10、東京府海軍省主計室)京都府庁旧本館。室内から、前庭での練兵を見る趣向。
  • 金沢城、本物の櫓や橋詰門。出勤風景、後段ではだんぶくろの行進もある。
  • 信之の繰言で出る、表だけ赤く塗った上屋敷の門、東大赤門(イメージのみ)
  • 救済のため粥が配られている在所、御救米の量に不審の声を上げる百姓のシーン、加賀藩十村役喜多家(萱葺きの門屋、石川県羽咋郡宝達志水町)
  • 直之とお駒が初めて出会う、友禅染が行われている浅野川、大堰川河床と河川敷。河原に直之がお昼をつかう小屋をしつらえてある。
  • 直之が検地する在所、大津の棚田(大津市千野)。後段、一揆の衆が「米くれわいや、ひもじいわいや」の気勢を上げるシーンも同所。
  • 直之が調べに入る米蔵、大覚寺蔵。後段、不正を発見するくだりの蔵は別。
  • 城内廊下、大覚寺宸殿回廊。罷免された藩士や、出世した直之が歩く。
  • 産婆を連れて急ぐ猪山家の下女、八幡堀明治橋〜橋たもと堀端。
  • 与三八に愚痴をこぼす成之、大覚寺大沢池菊ヶ島
  • 成之をおぶい夜道をゆく信之、八幡堀堀端。明治橋の上に満月、ここで信之発作。
  • 父の厳命で「四文」を返しにゆく夜の犀川、八幡堀堀端。
  • 長州征討の軍勢が揃う広場、金沢城
  • 官軍の行進、松本酒造前東高瀬川堤。成之が大村益次郎に見出されたエピソードのあとにくるカット。
  • 金沢に戻ってくる洋装の成之、八幡堀明治橋。このあと、父直之をおぶい堀端を歩む。

2012/7/18

■ 柳生一族の陰謀 第30話「生きていた影武者」1979.4.24関テレ/東映

 諸大名に改易の嵐吹き荒れる情勢下における、豊臣家末裔秘史。幕府に抗うでもなくひっそりと生きる者たちを、見ぬふりして生かしてやりたい十兵衛なのだった。

ロケ地
  • 改易推進の方策をぶち上げる大目付・能美のくだり、お城イメージに姫路城天守(西の丸から)
  • 怪しの人形使いが入ってゆく尼寺、不明(塀越しに萱葺屋根がのぞく)。岩田半兵衛が見張りの左門と斬り結ぶ林、不明(雑木林)
  • 日出藩主が国松かもしれないと聞いた十兵衛の回想、国松処刑の六条河原、松尾橋上手桂川右岸河川敷
  • 能美らがゆく街道、不明(山道)。能美を追っていた左門が罠をかけられるくだり、同じく山道に茶店を設営。
  • 日出城、不明(どこかの櫓?森の上に建物頂部がのぞく)
  • 日出城下で藩主の評判を聞きこむ十兵衛、広沢池東岸(桜並木から見下ろしの構図)。成果を話しつつゆく十兵衛と佐助、大覚寺有栖川(河床から見上げ)。役人に誰何され鉄砲隊に包囲されるのは大覚寺五社明神
  • 影武者と家老が死を賭して十兵衛に相対する菩提寺、永観堂墓地。二人の死を見届けてきた十兵衛、おりてきたところに能美が現れ口論ののち斬り合いとなるくだりは墓地下鐘楼脇。大目付とその配下を撫で斬りにしたあと、藩主と家老の娘に声をかける坂は阿弥陀堂前参道坂。

2012/7/17

■ 柳生一族の陰謀 第29話「女忍の密書」1979.4.17関テレ/東映

 お話のフレームは徳川の娘たる中宮の苦悩、メインのドラマは若きくノ一の一途な恋。
青い恋を容易に許さぬ十兵衛だが、時をかけてまことの幸福を授けてやりたい心底が泣かせる。

ロケ地
  • 中宮和子の使者が襲われるくだり、行列がゆくルートは仁和寺参道〜中門前(内側)。山伏に身をやつした十津川郷士らが合流するのは仁和寺御影堂東塀際(南望)、設定は粟田口。
  • 内裏・中宮御所イメージ、京都御所建礼門。和子が物思う縁先は不明、鹿王院に似る。
  • 十兵衛と裏柳生が開墾を手伝いに赴く草分郷士の里、不明(山上)。里の萱葺民家も不明、蔵もある。設定は奥武蔵。
  • 裏柳生志願の佐助、十兵衛が腕を見る鎮守は鳥居本八幡宮鳥居前。
  • 里滞在中の十兵衛に、伊豆守の密書が渡す忍び、御室霊場お堂前。
  • 十兵衛の命で密書を携え里を出てゆくラン、不明(小川べり、両岸は石積)
  • 十兵衛に望みを却下されクサる佐助、そこに付け込んだ十津川郷士が接触する竹林、北嵯峨か。
  • 佐助とランの逃避行、湖南アルプス(岩山、天神川河床)保津峡落合落下岩や清滝汀(保津峡に飛び込むシーンもある)。設定は奥武蔵、および大和十津川風谷。

2012/7/14

■ 仮面の忍者赤影 第50話「とかげ忍獣じじごら」1968.3.13関西テレビ/東映

 砦の攻略を試みる赤影たち、またしても逃げてきた百姓と遭遇。脅える男をなだめすかし案内させるが、果たして罠。
そして、決戦の地では陽炎が括られ、囮にされているのだった。

ロケ地
  • 三人が協議する広野、不明(広い砂河原)
  • 魔風の追っ手から逃れ筏に乗る赤影たち、ダム湖か。池端で偽装工作するも露見、魔風に追われるが翻弄する青影、広大な涸れ河原(水脈あり)
  • 陽炎が括られる崖、不明(砕石場跡か)

2012/7/13

■ 仮面の忍者赤影 第49話「人喰い植物ばびらん」1968.3.6関西テレビ/東映

 連れ去られた陽炎を求め、赤影たちは伊豆へ。山では、百姓衆を苦役に駆り立てる雷丸。そこから逃げた男たちに行き会うが、魔風の追っ手が現れ、手強い化物も出るのだった。

ロケ地
  • 魔風から逃げてきた男たち、不明(山道〜一本橋架かる谷川〜林道←ここで荷駄を引く里人と遭遇、匿われる)
  • 赤影たちが馬を駆る山道、不明(林道)
  • 逃亡者とともに砦へ向かう途中、火矢を射込まれる崖地、不明(赤土の切通し)
  • 道伯が赤影たちを遠見するシーン、不明(沈下橋、林道。河原は堰堤上の「酵素」状、礫河原)

2012/7/12

■ 歴史秘話ヒストリア  2012.7.11NHK  87
   「わたしを長崎に連れてって〜美しき教会とキリシタンの物語〜」

 離島の教会を見たくて視聴、目的ははずしたものの海津大崎ロケを発見。
キリシタン弾圧に家康の側室が引っかかり、棄教せず流罪になるという逸話。女性の名は「おたあジュリア」、小西行長の養女。神津島に送られる際、主イエスと同じ受難を望み、たおやかな足を痛めながら75km歩くシーンの海岸部分が海津大崎周辺。巨岩が目立つ「磯」を、駕籠に乗らずよろよろ歩む姿が撮られている。湖に向かって葉を茂らせる桜もいい感じに映り込んでいる。ゴルゴダの丘へ向かうキリストを描いた絵画や、イエズス会日本新報の文言などが被される。
設定が伊豆と思われる海浜のほか、神津島の丘なども同所ロケと思われる。
2012/7/11

■ 柳生一族の陰謀 第28話「闇に光る眼」1979.4.10関テレ/東映

 政治的意図をもって偽装されていた、トヨトミの姫。闇から現れた風魔の妖鬼が、哀れな父子を利用し、江戸の町を焼き払おうとする。
事終わってのち、無くせぬポジションには妹が就き、父と姉の遺志を継ぐのだった。

ロケ地
  • 十兵衛と宗矩の間に立ち、苦悩しつつ江戸へと走る裏柳生たち、不明(山道、泉川っぽい川中、山道)。走り疲れたキタノらが倒れ込む林は下鴨神社池跡。ここで女の悲鳴を聞き、見ると妖しの一団が寺の塀を乗り越え尼僧を拉致のシーンは下鴨神社河合社裏塀。設定は東慶寺で、裏柳生たちが駆け込み尼の死屍累々を見る境内は西壽寺、本堂前で展開。
  • 式部の回想、幼い長女を豊臣の姫として東慶寺に入れた日、西壽寺山門(東慶寺と彫られた石柱をナメた構図)
  • 式部の配下が天秀尼を捜しまわる段、大覚寺五社明神、亀山公園か円山公園と思しき「料亭の坂」。
  • 小助の手下の童が天秀尼の居場所を突き止めるくだり、不明(途中の道に神社、「屋敷」は裏塀に門あり、中に蔵。後段、式部たちが来る際には塀際の林も見える)
  • 風魔に加担するかに見えた式部の前に立つ十兵衛、不明(林)。十兵衛をやり過ごし渡船に乗る式部、嵐峡(フチカリが水遁で尾行、降り場はセットにスイッチ)

2012/7/10

■ 柳生一族の陰謀 第27話「美女と野獣」1979.4.3関テレ/東映

 各地で起こる一揆、裏に扇動者あり。遂に幕府が動く仕儀となるが、はぐれ郷士を作り出したのはそも幕府と、十兵衛の心は重く沈む。
武蔵野で繰り広げられる荒くれどもとの対決に、派手な曲乗りが演出されており必見。

ロケ地
  • 奥武蔵で一揆衆を扇動するはぐれ郷士たち、不明(広場、林、山道、酵素みたいな山中の広場←「はぐれ」の隠れ家はココ、小屋あしらい)
  • はぐれ郷士に撃たれ崖から落ちるラン、保津峡落合落下岩。気を失って横たわるのは河口巌。設定は大菩薩峠付近。
  • 狩りで山を駆ける隠れ里の青年・佐助、保津峡落合トンネル(落合橋映り込み)〜河口巌(ランを発見)〜清滝河畔を上手へ(ランを背負い里へ)。このさまを、はぐれの下っ端・彦三郎が見ている次第。
  • 佐助がランを連れて戻る、草分郷士の隠れ里、不明(萱葺き民家のある集落、名主宅は屋根押さえも立派な大きな家。女たちが野菜を洗う小川なんかも映っている)
  • 一揆頻発のイメージで出る、旗本領の騒動、二条城に酷似した「大手門」、東映城か。幕閣が協議の段で出る江戸城イメージは姫路城天守
  • 奥武蔵は柳生家が対処せよとの命を受けたあと、茜に十兵衛への連絡を支持する宗矩、下鴨神社二の鳥居前〜参道。このとき樹上に十兵衛がいて父の前に降ってくるが、出動を拒否。その後、茜に縋られ裏柳生に頼み込まれ、「ランの亡骸を拾いに行く」としてGO。
  • 奥武蔵へ赴きランの遺骸を捜す十兵衛たち、保津峡落合落下岩、河口巌。
  • ランが佐助に身の上を語る里はずれ、北嵯峨か(竹林端の土手、前に畑。竹林林床は斜面)
  • 草分郷士の隠れ里へ乱入する「はぐれ」、不明(起伏地にある里、亀岡か。民家多数映る)
  • はぐれの首領・藤倉が草分たちを集めアジる鎮守、鳥居本八幡宮舞殿前。
  • はぐれがランを囮に十兵衛たちをおびき寄せようとする野原、不明(砕石場跡か、養生中と思しき段差あり。崖には水食地形が見られる)。この広野で曲乗り。

2012/7/8

■ 大奥犯科帳  1983.5.13CX/東映

 大奥の御使番という職掌にある娘たちが、世子殺害の謎を追う話。
辛苦のすえ割り出した真実は、思いもかけぬ人物の出自と目的。
全て終わったあと、大奥に残ることを決めた娘は、淡い思いを抱いた相手に文を書く。

ロケ地
  • 江戸城イメージ、姫路城天守。御本丸・大奥イメージ、二条城内濠端(鳴子門望む図)、本丸御殿唐破風。
  • 松平定信が、将軍・家斉に世継披露の日取りをはかる庭、二条城清流園
  • 家斉の長男・竹千代が腰元と鬼ごっこをしていて失踪する庭、枳殻邸印月池畔。若君は回棹楼近くの築山を登ってゆき、以来行方知れずに。
  • 竹千代の弟たちについて説明が入るくだり、三男・敏次郎ぎみが鯉に餌をやる池は枳殻邸印月池・侵雪橋たもと。
  • 竹千代の守役が灯篭の下敷きにされて殺される稲荷、大覚寺天神島朱橋たもと。
  • 竹千代が水死体で発見される池、枳殻邸印月池・護岸組石の奥。
  • 雨の中、菊の花を毟る鬱入ったお楽の方(敏次郎ぎみの生母)枳殻邸臨池亭の池端。
  • 幼馴染の医師・桂木小四郎に、竹千代の死に関する謎について意見を聞きに行く美和。小四郎の回想、足を怪我した幼い美和を手当てしおぶってやった河原、罧原堤下河原。美和の回想、小四郎が木にのぼってとってくれた柿を食べたシーン、民家前畑。忍者の襲撃から美和を庇い負傷した小四郎、町方へ戻るよう美和に進言するくだりは枳殻邸内林間(枯野の草原)、園林堂の甍が見えている。
  • 御台所に用事を言い付かった音羽、用足しの途中侍に囲まれる町角は相国寺鐘楼前、連れて行かれた先で松平定信が出て協力を求められるのは相国寺大光明寺方丈石庭、老中は座敷から現れる(アングルは座敷から)
  • 厠で福松ぎみを襲った「打掛の女」を追う美和たち、神光院本堂脇(北望)。このあと、始末された黒鍬者を見つけるくだりで、本堂前石橋や池が出る。
  • 打掛の主の上臈のことを調べに出る美和、お春が芝居を打って見張りをごまかす門、大覚寺大沢池木戸。美和たちは木戸を出て「溝」伝いに外へ。墓をあばくシーンは不明。
  • お袖の方の出自を調べてくれるよう、老中の配下の侍に頼む音羽、二条城本丸西虎口。これが「男と会っていた」とされ、音羽失脚。
  • 敏次郎ぎみの人形に刺さっていた針から、竹千代暗殺犯として拷問を受け廃人となったお楽の方、寺へ送られる駕籠が出る城門は二条城北大手門
  • 松島がひそかに田沼意次と会う屋敷、不明(細竹編みの塀など見える)

2012/7/6

■ 仮面の忍者赤影 第48話「こども忍者術くらべ」1968.2.28関西テレビ/東映

 子煩悩で堅物の配下・引導坊に、赤影追討を命じる雷丸。しかし当のお子様は、術くらべののち青影と意気投合し、魔風は悪と知るのだった。

ロケ地
  • 引導坊が倅・鬼丸を鍛錬する野原、不明(涸れ河原?と松林。石仏はありものか)
  • 姉と睦む青影を見て、二人は置いてゆくと言い出す赤影、水辺はダム湖池上。
  • 鬼丸を拉致しようとして返り討ちに遭う魔風下忍、不明(沈下橋の下は砂河原、花山大吉などで頻出のアレ)
  • 青影と鬼丸が術くらべのすえ意気投合する崖、保津峡落合落下岩
  • 引導坊と鬼丸に見送られ発つ赤影たち、冒頭に出た砂河原と同所。

2012/7/5

■ 仮面の忍者赤影 第47話「魔風堂の怪獣」1968.2.21関西テレビ/東映

 仮面の秘密を知りたい雷丸は、赤影たちをホームグラウンドから引き離す策に出る。犬彦が「味方」に化けて飛騨忍者たちを危地に陥れるが、猿彦が身を捨てて救う。

ロケ地
  • 魚獲りの青影と白影、天神川か(砂河原に巨岩、澄んだ淵も)。魚を焼く赤影に、仮面が奪われた件を詫びる陽炎のシーンは岩陰。
  • 魔風の下忍が走るのを見つけ追う白影、不明(雑木林沿いの山道)。一味は甲信と聞き出す。
  • 捕えた下忍を連れて「猿彦」のところへ行く白影、御室霊場のお堂。
  • 足切主水のところへ走ってゆく、猿彦に化けた犬彦、落合か(断崖の巌)。猿彦が吊るされているシーンはセット撮り。
  • 甲斐・鬼人ヶ原にある魔風堂の廟へ向かう赤影と白影、馬を駆る道は川堤か。モスク風の廟が建つ野原は西の湖園地葦原、丈高いヨシが束ねて干されているシーンも。
  • 陽炎が猿彦の匂いを嗅ぎつけてやってくる河原、清滝か。

2012/7/4

■ 柳生一族の陰謀 第26話「幽霊船と消えた三十人」1979.3.27関テレ/東映

 抜け荷の基地にされ苦しむ琉球、直訴に出た王の娘も阻まれ危ういところを、十兵衛の手荒い介入と、但馬守の折衝で救われる。
恋しい娘に会いに来たフチカリの、泣き笑い雲散霧消で前後を締める。

ロケ地
  • 日向臼杵・水垂の海浜、日本海か(荒磯と砂浜、海崖の際や松原、海の見える丘など)
  • 水垂の民が消えたことを竜神の祟りと恐れ祈る、富高の町衆、鳥居本八幡宮本殿前。
  • フチカリと会うためやって来る十兵衛、不明。河口が望まれる最下流部の木橋(欄干あり)、約束場所の神社は寂びた古社。

2012/7/3

■ 柳生一族の陰謀 第25話「禁じられた殺意」1979.3.20関テレ/東映

 伊賀の仇討ち以来、旗本と外様大名の対立は激化の一途。騒動の収束のため但馬守が乗り出すが、十兵衛には不本意な出来事だった。

ロケ地
  • 旗本たちの刺客がゆく山道、不明。又右衛門に返り討ちされる竹林、不明。
  • 子連れの又右衛門に声をかける十兵衛、湖西の台地か。このあと又右衛門に招かれる。
  • 左門と茜が又右衛門を襲う林、鳥居本八幡宮広場。又右衛門一行は小柴垣道を来る。
  • 又右衛門の遺児・又一一行が襲撃される道、保津峡落合崖際。斬られて死んだ数馬らを葬る河原、落合河口汀。十兵衛がみねに、又右衛門を斬ったことを告白。
  • 十兵衛が又一を鍛える林、鳥居本八幡宮竹林。
  • 鳥取へ向かう十兵衛たち、清滝。土手〜河原。渡渉シーンもある。
  • みねを使嗾した一味が十兵衛たちを隠れて見遣る山道、保津峡落合崖際〜落下岩。
  • 毒を盛られ腕の利かない十兵衛に治療を進める茜、不明(神社境内)
  • さらわれた又一のため、単身樵小屋へ向かう十兵衛、不明(先に出た台地と同所か)

2012/7/2

■ 江戸遊民伝  萩原遼監督作品  1959.3.11松竹

 こそ泥をはたらく、賭場に入り浸る、花魁を足抜けさせた挙句死なせる、しまいにヤクザの親分を刺し殺す。ぐれた青年が仕出かす数々の不始末を、健気な姉に免じて庇い尻拭いしてやる男たち。ここを人生の潮時とみた二人の男は、笑みをみせて果ててゆく。

ロケ地
  • お静に一晩の宿りを断られた直と三千歳、うなだれて歩く夜の堀端は宇治川派流・月桂冠蔵の際。入水する水面はここか別の場所か不明、流れは瀞。
  • 宮の使僧に化けた宗俊が乗り込む松江藩邸、仁和寺本坊表門、大玄関(お供が控えて待つ)。門外の塀には、海鼠壁パネルがあしらわれている。山吹色のお茶をふんだくって出てきた宗俊の行列は、参道を北へ。
  • 宗俊が守る木戸を振り返りつつ品川へ向う直、不明(土手〜木橋。橋脚は七本ほど、芥留杭も見える。流れは完全に滞っていて、水面に橋がきれいに映り込む。橋の向こうは靄ってて真っ白)

2012/7/1

■ 江戸の顔役  酒井欣也監督作品  1960.3.13松竹

 世にも名高い御数奇屋坊主・河内山宗俊、弟分の無実を晴らしてやるため大活躍。
はじめはヘンな推理で押し通そうとするが、ふとしたきっかけで事の真相を知り、わりなき死を遂げた者たちの仇を討つため、ご大層な芝居をうって大名屋敷へ乗り込んでゆく。
バンジュンの大立ち回りが見られる、貴重な作品。

ロケ地
  • 北町奉行所、京都御所管理事務所長屋門。金蔵が小春の父の蔵人のことを調べるくだり。
  • 蔵人が婿に入った伊丹の屋敷、大覚寺大門。小春の件を聞き込みに行った金蔵が、はねつけられて出てくるくだり。
  • 草履を下げて蹌踉と夜道を行く清七を見かけた宗俊と直次郎、つけてゆく堀端、不明(腰板つきの長塀が続く)。清七が姫野らと会うため入る寺、不明(門。中の墓地はセット撮り)。結局、清七が消され、犯人の姫野をつけてゆくと大覚寺大門へ。
  • 伊丹邸へ忍び込み、用人の悪企みを知った宗俊、見つかって逃げる路地、不明(崩れ気味土塀、裾は草ぼうぼう)
  • 寛永寺の一品の宮の使僧に化けた宗俊が行列を仕立ててゆく街路、妙心寺東海庵前〜玉鳳院前。このとき、松平陸奥守の行列が衡梅院前を北へ向って来ていて鉢合わせ。宮の使僧と聞いた殿様は駕籠をおりて礼をとる。その後「大僧正」のカッコした宗俊は伊丹邸へ、大覚寺大門をくぐり式台玄関で駕籠をおりる。

←2012/62012/8→

・日記目次 ・ロケ地探訪 ・ロケ地探訪表紙テキスト版 ・ロケ地一覧 ・時代劇の風景トップ
・このサイトについて ・サイトトップ