時代劇拝見日記
2012年8月

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2012/8/31

■ 新選組血風録 第4話「脱隊 胡沙笛を吹く武士」1998.11.5テレビ朝日/東映

 女ができたことで心弱くなった男は、新選組隊士として必然の結果を迎える。
井上の源さんが愚直な働きを見せる逸話を、皮肉っぽさを抜いて入れ、対比させてある。

ロケ地
  • 屯所、民家長屋門。侵入して嘲笑った肥後者二人組を追った国枝のシーンでは、民家裏手も。
  • 髪結いの小つるが得意先から出てくる祇園町、本物の石畳。
  • 墓参の小つる、二尊院か。胡沙笛を聞き鹿内薫と出会う池泉、不明(茂り気味の林、池には切石橋)
  • 肥後者を求め荒神橋へ出向く源さんたち、荒神橋は宇治・橘橋(後段、斬り合いの際は下の河川敷も使い、静水域にドボンも)。尊王浪士たちが出入りする旅籠・小川亭、松花堂庭園内園入口の門。
  • 近藤の休息所イメージ、萱葺民家(軒瓦あり)
  • 屯所近くで笛を吹く鹿内、梅宮神苑か。
  • 小川亭に現れた二人組を追い、返り討ちに遭う新選組の密偵、土手は嵐山東公園か。待ち伏せされ斬られる法面、松尾橋下手右岸堤か。
  • 二人組が逃げる小川亭裏口、ロケか大がかりな組みものか不明。広沢池みたいな感じ。
  • 局中法度にのっとり斬られる鹿内、不明(林の中の坂)

2012/8/30

■ 新選組血風録 第3話「沖田総司 剣と恋」1998.10.29テレビ朝日/東映

 総司の淡い恋は、がさつな兄貴分の介入により砕け散る。このドラマでは、鬼神の如く敵を斬る総司の姿を相手の女に目撃させ、余韻もなくきっぱりと終わらせている。
そのきっかけに、桂小五郎を逃がす幾松姐さんの逸話が挿まれているのが妙味。

ロケ地
  • 長州の斥候と斬り結ぶ土手、桂か木津か。法面に総司が凭れる木、河原は葦茂る草っ原。子供とかくれんぼをする小屋あしらい。
  • 花を手折り香りを嗅ぐお悠、妙心寺衡梅院北路地石畳。医者へ行きそびれた総司が血のついた懐紙を船にして流す川、上賀茂神社ならの小川。その船に、お悠が花を差し掛ける。
  • 翌日、医者へ向かう総司、妙心寺大通院裏路地。医師・半井玄節邸は妙心寺海福院
  • 屯所を出る総司、民家長屋門妙心寺福寿院道を通り、玄節邸へ。
  • 玄節の娘・お悠が茶の水を汲みに行く寂念寺、常寂光寺。まず仁王門を映し、石樋から落ちる滝へスイッチ。茶店は境内石畳か。
  • 桂小五郎を追う鴨河原、桂川松尾橋上手右岸汀。セット併用で川床を演出。事後、この河原から大文字の火を見る運び(合成)
ノウゼンカズラ
※凌霄花って、幕末の京都に生えてただろうか…今は高速のねきにもわっさわっさ生えてるけど。それと、川床って、いまのようにみそそぎ川に高床かいてただろうか…別にいいんだけど気にはなるね。写真は随心院境内です。

2012/8/29

■ 新選組血風録 第2話「芹沢鴨 雨の襲撃」1998.10.15テレビ朝日/東映

 時を少し巻き戻し、草創期の逸話・カモ始末。筆頭局長は、常軌を逸した行動で墓穴を掘る。
このお話の鴨は、脂ギッシュ野獣系。雷の夜、寝込みを襲うのは試衛館生え抜き四人。

ロケ地
  • 大坂で力士とトラブルを起こした件で守護職に呼びつけられる鴨と近藤、会津本陣イメージに金戒光明寺三門と東坂石畳。
  • 鴨が手下を連れブイブイと歩く道、嵐山公園中ノ島橋下手河岸(右岸側、公園並木)中ノ島橋を渡る。天誅で晒された商人を見る河原は中州下手(嵐山東公園へ行く土手道が映り込んでいる)
  • 屯所、民家長屋門。「玄関」も出てくる。
  • 掛取りの帰りにお梅が通るお宮さんと町角、大覚寺五社明神と観月台下。
  • 鴨の葬儀が執り行われる寺、粟生光明寺阿弥陀堂。中も使っていて、高所から見た面白いアングルもある。

2012/8/28

■ 新選組血風録
   第1話「幕末最大の決闘!池田屋斬り込み」1998.10.8テレビ朝日/東映

 新選組を世に知らしめた、池田屋事件を描く。
古高捕縛から斬り込みまでオーソドックスに進み、臆した隊士の悲劇も入る。池田屋の裏に住んでいてとんだ難儀に遭う姉妹の逸話は、あとを引く運び。

ロケ地
  • 文久三年、天誅相次ぎ騒然たる情勢を語る段、河原の梟首は桂川松尾橋上手右岸汀
  • 元治元年、祇園祭四日前の夜、鴻池へ押し込んだ浪士を退治る近藤たち、鴻池新田会所跡米蔵(夜間撮影)
  • 壬生屯所、民家長屋門(後段に出てくる玄関は、この付近の建物の内部を使っているもよう)
  • 市中見回りの近藤たち、渡る橋は白川・華頂道の石橋。このあとセットへスイッチ、浪士二人を捕縛。
  • 薬屋姿の山崎が、そこの枡屋の主は侍と土方に報告する堀端、八幡堀新町浜。志る幸の東にはむかし高瀬川の舟入があったから、わざわざの使用と思われる。
  • 出動の相談に、会津本陣に赴く近藤、金戒光明寺三門前。公用方と会見の座敷は大覚寺か。
  • 宮部鼎蔵が武器奪還について報告を受ける料亭・丹虎の座敷、大覚寺大沢池畔に「部屋」をしつらえ。「対岸」に望雲亭が映り込む。設営は船着(大)上と思われる。「鴨川」が静水域なのはちょっとアレかも。
  • 丹虎を出た宮部、同行者が別れて入る長州藩邸は彦根・旧西郷屋敷長屋門
  • 出動を前に、屯所の塀を乗り越え女に会いに行く平隊士・奥沢栄助、民家南塀
  • 池田屋事件のあと、会津侯から下され物を受ける近藤、相国寺方丈座敷(法堂甍映り込み)

2012/8/26

■ るろうに剣心  大友啓史監督作品 2012.8.25ワーナー

 幕末の動乱期、あまりにも多くの人を斬りすぎた「志士」は、新時代が来たにもかかわらず、栄誉とは無縁に過ごす。不殺の誓いを立て眠っていた荒ぶる魂は、大事な人を守るため覚醒するのだった。

 だいたい、東京編をやった感じ?
頬の傷がついた経緯を語る回想シーンで、追憶編のヒロインが後姿のみ見せている。
 ふだん時代劇しか見ておらず、ゲーム等も無縁なので、出来についてどうこう言えるスキルは持たないが、ワイヤーを使ったと思しきアクションは十二分に楽しめた。
暴力的ともいえる音響も良し、是非劇場で見るべし。

ロケ地覚書
  • 鳥羽伏見の戦い、三井寺境内林間。
  • 東京へ出てきた剣心が船でゆく掘割、および神谷道場付近の堀端、八幡堀。左岸石垣際で観柳から逃げてきた恵が弥彦に拾われたり、剣心らが舟橋をどたばたと渡ったりするシーンもある。
  • 剣心と薫の出会いの場となる、いま出ている殺人鬼・抜刀斎の人相書が掲げられている町角、仁和寺中門続き塀際(東側)と林間、冠木門を持つ入口や、塔下部が映り込む。
  • ニセ抜刀斎を見かけて挑み危機に陥る薫、三井寺唐院橋下坂。橋から犠牲者の警官が転落。
  • 陸軍省、龍谷大学大宮キャンパス
  • 神谷道場襲撃事件で逮捕された剣心が牢に入れられる警察署、門は鴻池新田会所跡表長屋門、「東京警視第四署」の看板がかかっていて、門内の松の老木も見えている。内部描写はセット撮り。
  • 神谷道場襲撃犯が護送中襲われ、警官の犠牲者も出る道端、随心院裏塀際。
  • 牛鍋屋・赤べこから場を移して行われる、剣心と左之助の激闘、倉敷美観地区(石橋と堀端、夜間撮影)
  • 剣心の回想、清里明良暗殺の夜道、姫路城好古園路地。
  • 観柳邸(洋館)、鳥取の仁風閣
  • 薫をさらった鵜堂刃衛と対決する廃寺、安楽律院山門とその付近。

2012/8/25

■ 剣客商売「御老中暗殺」 2012.8.24CX

 「女武芸者」と「御老中毒殺」をミックスして作ってある「起こり」の話で、弱っちい旗本の若様との縁談が実は、というのが工夫。
悠々自適の老剣客と、今をときめく権力者と、しがらみゆえ大罪を犯してしまう男と、それぞれに子を思う父親の情がこまやかに描かれる。
  • 田沼邸表門、随心院薬医門(前景に桜花)。剣術試合が行われる庭は大覚寺宸殿前白州、「見所」は宸殿前縁。カメラがパンする際、勅使門なども映り込む。原作設定では浜町中屋敷だが、毒殺を避け移動する段では、「日本橋の中屋敷」へ移ると用人が発言している。
  • おはるが艪をやる大川、西の湖。園地の太鼓橋の方へ漕いでゆく。
  • 一橋治済屋敷、イメージの甍は粟生光明寺書院甍。和泉守に田沼の娘との縁組の進捗状況を問う治済、金戒光明寺方丈(前縁、西側廊下を通り座敷へ)
  • 田沼がゆく城中の廊下、東福寺通天橋
  • 小兵衛隠宅、沢ノ池東岸に設営。西の湖とつなげて使い、前に船をつけられるさまを作ってある。また、汀にひびが演出されている。家は酵素より少し大きい感じ。
  • 大治郎に不穏な依頼をした男のことを船頭に聞き込む小兵衛、八幡堀新町浜を船着場にしつらえ。
  • 偽名を名乗ったのは永井家の用人だった小兵衛に報告する弥七、粟生光明寺石段上部
  • 備中足守藩の殿様・木下肥後守を訪ねる小兵衛、会見の庭は二条城清流園。田沼に隠し子がいるか否か教えを乞う。
  • 三冬が住まう和泉屋の寮、宝厳院通用門
  • 三冬の出自について弥七が報告する段で映る田沼邸茶室、聖護院門跡書院か。
  • 釣りを楽しむ飯田父子、大覚寺大沢池北東岸。三冬が来て声を掛ける際には、菊ヶ島や夜泊石が映り込む。水面には菱がびっしり。
  • 田沼邸からの帰り、三冬が闇討ちに遭う夜道、下鴨神社河合社脇。
  • 手伝いのおばさんの子らと遊んでやる大治郎、大覚寺護摩堂前。水面や石仏や石橋も映り込む。鶏を捕まえていると、三冬が通りかかり暴言を吐く。
  • 和泉守の子息と立ち会う三冬、大覚寺宸殿前白州。この際は幔幕無し。試合後、和泉守と会う三冬、聖護院門跡宸殿。秋山道場へ来た用人のことを話題にする。
  • 和泉守子息と三冬の縁談が立ち消えたと聞いた治済が、出入り禁止を言い渡す座敷、金戒光明寺方丈座敷。襖絵の虎映りまくり。
  • 秋山父子が襲撃される夜道、二尊院紅葉の馬場
  • 大川の川開き、両国橋は中ノ島橋か(幅広すぎ)
  • 三冬が雨宿りしていた茶店、上御霊神社絵馬堂に演出。出てくると、飯田平助が本殿にお参りしていて、懐中をやられるのを目撃。掏摸をシメるのは本殿裏手。
  • おはるをどう思うと大治郎に問う小兵衛、粟生光明寺本堂前〜石段上部へと歩きつつ会話。踊り場へ弥七が顔を出す(このあと鰻屋で飯田平助の調査報告)
  • 父の指示で田沼とのツナギ役をつとめる大治郎、三冬に会い小兵衛の文を渡す庭は金戒光明寺紫雲の庭
  • 一橋家控屋敷を出た飯田平助が、送り狼に斬られかかる夜道、大覚寺大沢池北辺並木際。小兵衛の介入で命拾いした平助が駆け渡る橋は天神島朱橋、大治郎に当て落とされるのは天神島、このあとここで大立ち回り・三冬も参加。
  • 飯田平助が死んだことを一橋治済に報告し「詫びを入れる」田沼、城中の廊下は東福寺方丈渡廊〜前縁(勅使門と法堂甍映り込み)
  • エンドロール、船で堀をゆく小兵衛「夫婦」、八幡堀白雲橋から見下ろし。その後西の湖へスイッチ、水中から船を撮った珍しい絵も。そして最終的に沢ノ池へ。

2012/8/22

■ 藪の中の黒猫  新藤兼人監督作品  1968.2.24東宝

 畑を耕していて、鍬を持ったまま蝦夷討伐軍に駆りだされた青年は、敵将の首をとりただ一人で帰還。武勇を嘉され頼光の「五天王」となり、母と妻の待つ家へ一目散、しかし無残な焼け跡が広がるばかり、愛する者の消息は杳として知れず。
そして、「藪の銀時」に妖怪退治の命が下される。相手は、夜な夜な羅生門に出て侍をとり殺す美女。あやかしの誘いに乗ってみる銀時、女たちは彼の母と妻に酷似しているばかりか、引き込まれた屋敷は彼の家があった場所に建っているのだった。

ロケ地
  • 野盗たちに襲われ炎上する「藪」の家、不明(竹林際、土手下は農地で家の前に小川が流れていて、酵素みたいなビジュアル。北嵯峨農地かも)
  • 羅生門、東福寺三門。ほとんど夜景で、楼上も使う。経蔵の鑢盤宝珠が月光に照らされて輝くシーンもある。
  • 頼光を召し出し、妖怪騒ぎについて叱責する帝、仁和寺金堂
  • 銀時が夷狄・クマスネヒコを討ち取る葦原、琵琶湖内湖か。都へ帰る銀時が馬を駆るシーン、不明(広野、浅川、山道)
  • 頼光が銀時に妖怪退治を命じる庭、不明(広い芝地?お堂点在、大木あり)
  • 黒猫のあやかしが切り落とされた腕を取り返しにくる段、銀時が籠もるお堂は仁和寺経蔵。外観イメージのみ。

2012/8/20

■ 柳生一族の陰謀 第39話「さらば!柳生」1979.6.26関テレ/東映

 葵の紋を斬った十兵衛にもはや身の置き所なし、孤立無援の彼に与するは茜と裏柳生のみ。
仲間の死にブチ切れた十兵衛は父の前に現れるが、映画とは少し違った結末となる。

ロケ地
  • 十兵衛抹殺を幕閣に迫られる宗矩、お城イメージに姫路城天守
  • 十兵衛を討つという父に反発し出奔する茜、旅ゆく街道は北嵯峨農地竹林際。
  • 大和国・柳生街道をゆく十兵衛、裏柳生と合流するくだり、不明(小川べり〜林間の墓地)
  • 柳生陣屋、柳生の里家老屋敷。長屋門や、アプローチの坂を使う。ここは後段も頻出。
  • 陣屋へ向かう十兵衛たち、高山寺脇参道
  • 柳生の里で水江(故連也斎義姉、国家老・折堂実娘)と話す十兵衛、高山寺石水院塀際〜山門。
  • 兄を捜す茜、呼ばわりつつ行く野、不明(躑躅咲き乱れる斜面)
  • 水江に毒を盛られた十兵衛を助け出し手当てする裏柳生、菩提滝清滝河畔。菩提滝では、ランの妊娠が発覚し佐助とともに去らせるシーンも。
  • 十兵衛の身代わりをつとめるべく片目を傷つけるハヤテ、広沢池北岸湿地。
  • 里柳生が出動、やって来た宗矩に経緯を報告するくだり、家老屋敷大覚寺放生池堤大覚寺護摩堂(宗矩が石仏の謂れを説くシーンあり)
  • 世継が生まれ華やぐ城中、枳殻邸臨池亭
  • 十兵衛と国家老・折堂が対峙する河原、清滝河原。派手な降水演出。
  • 母の命日に裏柳生「三人」を従え墓参の「十兵衛」、芳徳禅寺山門(劇中テロップは芳徳寺。石州斎の墓や母の墓は別撮り、二尊院か)。墓地で殺到した刺客と裏柳生衆が大立ち回りの荒れ地は砕石場跡か。
  • 己の首実検の場に乱入したあと、茜とも別れ去ってゆく十兵衛、ランと佐助が待っている坂は高山寺参道

2012/8/19

■ 劇場版仮面ライダーオーズWONDERFUL将軍と21のコアメダル2011.8.16東映

 仮面ライダーといえば、本郷猛とかショッカーとかしか覚えてなくて、連綿とシリーズが続けられていたことにびっくりしている、己の見識の低さに自嘲。
上様が出るというので見たのだが、妙に世界観に馴染んでて笑えた。主人公の窮地に際しマツケンから与えられるメダルが、徳川家に献上された品とかもうアレ。なんか姫路城とかめ組とか出てた気もする。悪の手先の、使い魔みたいな女の子のノリも一興。
福ちゃんがブラック将軍で出てたヤツよりは、わかりやすかった。
2012/8/17

■ 柳生一族の陰謀 第38話「十兵衛を殺せ!」1979.6.19関テレ/東映

 今は亡き生みの父母を慕い島原へ赴く茜だが、キリシタン弾圧に巻き込まれてしまう。妹の危機に駆けつけた十兵衛は、不穏な情勢の裏に幕府の黒い遺志を感じるのだった。

ロケ地
  • 西へ向け馬を駆る茜、不明(林の際)。十兵衛に行き先を報告の野原、井尻に似る(躑躅の群落あり)。その後騎馬シーンは水辺。
  • 島原城を見上げる茜、本物の石垣際。その後キリシタン弾圧を目撃する城下、島原武家屋敷(道の真ん中に水路)。父母の墓に参る本光寺、不明(山門、墓地)
  • 天草四郎のいる洞窟へ連行される茜、不明(外観はマジ海)
  • 茜の急を聞き島原入りする十兵衛たち、雲仙地獄島原武家屋敷、「本光寺」。城へ招かれるシーンもある。
  • 茜の身代わりで人質になるべく赴く、長崎・崇福寺、本物の第一峰門、大雄宝殿。茜は裏山で解放される。
  • 大弾圧がはじまり、四郎の嘆きをみた十兵衛が敵と対峙する葦原、西の湖か。
  • 松倉藩主が大人数を繰り出して十兵衛を始末しようとする荒れ地、砕石場跡か、水食地形あり。あとで爆破されるのが丸わかりの小屋が設営されている。角野がスペア刀を置いてあるく野原は井尻に似る。大立ち回りの最中、一部木津河原と思しき水辺も。

2012/8/16

■ 柳生一族の陰謀 第37話「柳生家最大の危機」1979.6.12関テレ/東映

 むかし命を助けてくれた女が、命を賭けて父母の仇を討つのを、もちろん十兵衛は見過ごしにできない。
しかし女の父を陥れたのは、他ならぬ幕府。人間として生きたい剣士の息子と、権力の中枢にいる政治家の父と、決定的に相容れぬ時がやってきたのだった。

ロケ地
  • 討った仇の名を記した小船を流すおりょう、広沢池東岸。船着しつらえ、夜間撮影。後段、左門に斬られかかるシーンもある。
  • おりょうが斬った友田の墓、招善寺に似る。おりょうが現れるのを阿波藩の留守居役らが待ち伏せ、このあと逃げ込むのが十兵衛のいる「柳生山荘」という運び(山荘はセット)
  • おりょうの回想、藍の製法を漏らしたかどで斬首となる父・阿波屋、刑場の河原は桂川松尾橋上手右岸汀。石もて故郷を追われるおりょう、北嵯峨農地丘の上の木の傍。
  • 柳生家へ向かうおりょう、大覚寺五社明神裏手を経て映画村セットの柳生邸へ。この間、異変に気付き駆けつける十兵衛、広沢池北岸

2012/8/13

■ 元禄太平記  1995.10.7テレ朝/東映

 赤穂事件を、オブザーバーの視点から描く趣向。
時の権力者の甥であるが、好きこのんで浪人暮らしの主人公は、もとより今の御政道に批判的だったが、安兵衛や大石と交わるにおよび、公然と赤穂方に味方する。
彼をはじめ、赤穂浪士以外の人物がたくさんクローズアップされており、いわゆる忠臣蔵部分はすかすかと言ってよいぐらい薄い目。刃傷から切腹までを「走る」作品はけっこうあるが、吉良のイジメを描いてないので御畳替えなどもちろん無く、赤穂へ早馬も無く、涙の開城も無く、山科閑居も浮様も無く、吉良邸探索なんかも瓦版屋がやる始末。山鹿流の陣太鼓も省かれているので、浪士たちのその後がナレーションだけで終わるのもいっそ違和感なし。思うに、たかが90分の尺で忠臣蔵を描ききるなど無理な話なのだから、こういうのもアリか。
記念番組なので、主役級のヒトたちがいっぱい出ていて、短めながら各々見せ場を作ってあり、楽しい。

ロケ地
  • 「その日」の江戸城イメージ、姫路城天守や連郭。
  • 内匠頭切腹から一年後、町の酒肆にいるところをとっ捕まり、柳沢邸へ連れて行かれる信花兵庫、屋敷の門は大覚寺大門
  • 上杉家に仕官が決まり、初出仕する左右田源八、門は随心院薬医門
  • 兄・源八が退転したことで責められるおとき、清凉寺境内。門寄りの場所に「勤め先」の茶店があしらわれている。芝居は石畳付近で。小唄の師匠が見かねて割って入り啖呵を切るもヤバ気なムード、ここへ兵庫が手荒く介入、捻り上げて連行するシーンでは山門をくぐってゆく。門には赤提灯が下がっていて、あとで浅草であることが語られるので、設定は浅草寺と思われる。
  • 上杉家内庭、荒稽古の小林と清水、随心院本堂前苔庭。そのさまを見ている江戸家老・色部は本堂階に腰掛け。珍客来訪を知らせる侍が走ってくるのは書院廊下、やっつけた人数とともに玄関で待つ兵庫は大玄関(カメラ中から)
  • 江戸同士説得のため江戸へ向かう大石内蔵助一行、嵐山自転車道。愛宕方向に大きな富士山を合成してある。
  • 吉原帰りの大石を襲う源八、大覚寺放生池堤。対岸に灯、汀にぼんぼりをあしらい、弦声も漏れ聞こえる趣向。
  • 紀文の屋形船に招かれた兵庫、荒っぽく金と船を強奪する大川は嵐峡か大沢池か。
  • 吉良邸から脇坂淡路守が出てきたのを見て即真意を問いにゆく兵庫、屋敷イメージは妙心寺龍泉庵(夜景)

2012/8/11

■ ちいさこべ  田坂具隆監督作品 1962.6.10東映

 町を焼き尽くした大火で二親に死なれた大留の若棟梁は、悲しみを押し隠して立て直しを急ぐが、誰にも頼らずにという方針は周囲と齟齬を生じる。
気を張って忙しなく過ごす彼に、やっかいな生ものが持ち込まれるが、それは頑なな男の心を解きほぐしてくれる恩寵なのだった。

 ロケ地は川越街道の往還を表現する流れ橋のみ。夕景も入っている。早駕籠が走ったり、大八を曳いて通ったり。右岸側のコンクリート橋脚も映っている。
焼け野原は、凝ったセットが組まれている。利吉が賭場を開帳する、焼け残りの蔵もいい感じ。

 原作から質屋の総領の名を借り、利吉というオリジナルキャラクターが出ていて、おりつや子らを通して茂次と対立する影に仕立ててある。彼の死がクライマックスで、見届けて戻った茂次はおりつに求婚する運び。
菊次のつきまといが性的な興味でなく、おりつに母を見ていたという最大の見せ場が省かれていて拍子抜け。しかし、ラスト菊次少年が大留の法被をまとい、大人の仲間入りを果たすという絵もわるいものではない。
江利チエミが出ているので、子らと歌うシーンも入っている。映画が作られた当時の空気を反映しているようで、興味深い。
2012/8/9

■ 柳生一族の陰謀 第36話「烏丸少将の最後」1979.6.5関テレ/東映

 幕府が即位を目論む内親王が誘拐されるが、黒幕はもちろんあのヒトで、遂に十兵衛と一騎打ちに。
緊張の事態のなかで、茜の出生の秘密が知れたり、伊豆守から十兵衛に関する指令が出たり、終劇に向けた動きが出てくる。

ロケ地
  • 野点の母の傍を過ぎる一の宮、枳殻邸印月池畔芝地。鯉に餌をやっていると怪しの忍者が出てさらうのは侵雪橋上。
  • 誘拐の件を父に報告する左門たちのくだり、イメージの二条城は本物、本丸櫓門と東南隅櫓。
  • 十兵衛に知らせるべく、又十郎が馬を駆る街道、北嵯峨農地農道。
  • 所司代に踏み込まれるお与津御寮人の屋敷、相国寺林光院門。
  • 三井寺の宿坊、遠くでゆらめく松明を見る十兵衛と茜、広沢池東岸。偵察に行った佐助らに火矢が射掛けられるシーンは汀、夜間撮影。後段、十兵衛が惨殺死体を見るくだりは昼間。
  • 町で聞き込みのフチカリたち、寄ってツナギのお堂は大覚寺護摩堂。少将邸を探りに行ったランが西の方から来る。
  • 一の宮と茜が括られている鞍馬山中のやしろ、鳥居本八幡宮広場の木。柳生勢は小柴垣道から近づく。
  • 事後、十兵衛が物思う崖、保津峡落合落下岩

2012/8/8

■ 柳生一族の陰謀 第35話「亡霊は深夜にすすり泣く」1979.5.29関テレ/東映

 奥州のさる藩に嫁ぐ、但馬守の養女。しかし婚儀も済まぬうちから怪異頻発、裏には哀れな事情と汚い企みが隠されていた。
茜の、兄に向ける気持ちもクローズアップされる。

ロケ地
  • 上ノ山藩城、彦根城天守。外堀端から遠望の図が導入、さまざまなアングルで天守が映し出される。
  • 春乃輿入れの行列がゆく山道、不明。城下の情景、大覚寺参道大覚寺大沢池木戸(土岐家菩提寺・行法院と「彫った」碑あしらい)
  • 狗神の祟りを鎮める祈祷が行われているのは鳥居本八幡宮、舞殿まわり。後段では夜のシーンもあり、立ち回りも入る。設定は寺内か。
  • 春乃が迎えられる玄関、大覚寺式台玄関
  • 裏柳生がトレーニングの林、不明。茜が上ノ山藩での異変について知らせに来るシーン。
  • 十兵衛が春乃と茜を連れて入る墓所、多宝塔。
  • 襲撃犯は山形藩の手の者と配下に語る十兵衛、不明(赤い鳥居が三つ、坂上がると舞殿)
  • 侍女頭の滝江が春乃を害そうとする山、不明。
  • 十兵衛と茜が戻ってゆく街道、不明(山道)

2012/8/6

■ 新諸国物語 笛吹童子 完結篇「満月城の凱歌」萩原遼監督作品 1954.5.10東映

 萩丸は脱出し、菊丸は面を完成させ、反玄蕃軍は鉄砲を装備し、万全の構え。
決戦を前に、哀しい兄妹のわだかまりも氷解し、正義の行進は満月城へ向かうのだった。

ロケ地
  • 誤解した右門に斬られ谷底へ落ちる萩丸、お芝居が行われるのはセットだが、取れた面が落ちる汀は清滝。また、流れていった面が白蓮尼に拾われるのも清滝、落合橋上手の渓谷。
  • 玄蕃から胡蝶尼を助けた少年狩人・杢介が老母と住む家、鳥居本八幡宮広場に設営。北側高所より見た図で、入口の簡素な鳥居が映っている。
  • 萩丸が保護される白蓮尼の尼寺、高山寺石水院門。内部はセット撮り、あとで訪ねてきた菊丸が誰何されるのも門前。
  • 将軍の使いと称する老侍が胡蝶尼を訪ねてくるくだり、杢介の家は先と同じ鳥居本八幡宮広場。老侍が正体を現すくだりでは鳥居前が映り、小次郎を撃った杢介の背後には萱葺屋根がちらり。
  • 将軍の使いと称する軍勢が胡蝶尼を連れてゆく街道、不明(切通し山道、林沿い地道など)。行列を見張っていた白鳥軍の斥候は疎林の丘にいて「林道」を遠望。
  • 白鳥軍の進軍、および会戦の野、不明。第一部冒頭で出た戦イメージに似る。

2012/8/5

■ 新諸国物語 笛吹童子 第二部「妖術の斗争」萩原遼監督作品  1954.5.3東映

 満月城の兄弟とは離れ、生き別れになった兄妹の悲話。棄児の一人は大江山に、あと一人は黒髪山に、それぞれ妖術師のもとで育ち、互いの存在を知らずにいた。
小次郎が桔梗を大江山に連れ帰ったことで事態は動き、将軍の裔という出自も知れる。しかし悪名いかんともし難く、妹は小次郎を兄と認めてくれないのだった。

ロケ地
  • 大江山から千里眼鏡で覗く、浅茅がゆく山道、不明(このとき家は炎上)
  • 面作りの木を求めて大江山へ迷い込む菊丸、桔梗に声をかけられる谷川は清滝の渓谷。
  • 木を伐る菊丸に近づき、小次郎の企みをばらし逃がす桔梗、不明(雑木林の山腹、大岩あり)

2012/8/4

■ 新諸国物語 笛吹童子 第一部「どくろの旗」萩原遼監督作品 1954.4.27東映

 約五百年前の応仁の乱の頃、丹波国・満月城は、野盗じみた武将に攻められ、城主は自刃。
城主に二子あり、凶兆を見て急ぎ明より帰還。しかし弟は都の荒廃を見て戦を厭い、故郷に帰る兄と別れる。一方兄は忠臣とともに悪党跋扈する城に乗り込むが、奸計に落ちてしまうのだった。

ロケ地
  • 戦乱イメージの広野、不明(丘陵地、山裾の地道、台地等)
  • 満月城、城門は撮影所セット、城門を突破され白兵戦の城内坂は知恩院黒門道。
  • 救援を頼みに丹後へ走る左源太、不明(山道、城はミニチュア)
  • 師に見送られ発つ菊丸、萬福寺万寿院門と参道、このあと水牛に跨り萬福寺三門前を通過(池越しに遠望の図)。その後の池畔は大沢池っぽいが不明。
  • 萩丸が捕まったあと、城から逃れ家へ向かう右門、不明(野道)
  • 桔梗と隼人が処刑されかかる広場、不明(松林を控えた広場)

2012/8/2

■ 御影同心 鬼っ子侍  1991.4.7テレ朝/東映

 老中筆頭の水野忠邦が失脚、汚職官僚が跋扈して我が世の春を謳歌する。その流れに棹さす謎の侍あり、鬼面にて顔を隠し悪を討つ。彼の正体こそ、逼塞中の水野の懐刀・御影同心。
悪の権化の勘定奉行と対決する彼のまわりには、世を憂える方面より遣わされた影の者も集まってくる。

ロケ地
  • 拾った子犬を抱いて歩く大次郎、大覚寺放生池堤〜大沢池畔(タイトルロール)
  • 水野忠邦失脚を報じた瓦版が舞うシーン、石畳は妙顕寺か。
  • 瓦版売りの夫婦が、役人と久須美配下に詰め寄られる浅草寺境内、近江神宮楼門、境内。拝殿下石段でピンチに陥っていると、本殿の方から大次郎が現れ介入。この間、楼門近くにしつらえた茶店に遠山奉行がいて成り行きを見ている。騒動が終わったあと、名乗り合うおようと大次郎のシーンは拝殿、楼門の上部が見えている。
  • 野点にかこつけて大盗・伊賀の権三と会う勘定奉行・久須美、阪口青龍苑(茶亭前の芝地)
  • 権三の逃亡や謎の鬼面について豪竜の報告を聞く斉昭、水戸の海浜は琵琶湖西岸松原。馬を駆るシーンあり。
  • 権三一味(天罰組)が札差・坂田屋を襲ったあと、捕り方が走る水辺、大沢池か。
  • 大次郎を待ち伏せて声をかけ、腕試しに斬りつける豪竜、大覚寺大沢池堤。このあとおようと話すのは天神島、おようの発言により豪竜が斉昭の隠密と明かされる。
  • 子犬のシロをさらい大次郎を誘き出す権三、夜の芝・増上寺山門は南禅寺三門。ここへ捕り方が出て、逃げた権三たちが行く手を久須美配下に阻まれ囲まれる坂、僧堂坂。
  • 事後、不満げなおように、大次郎は生涯御影同心なのだと告げる豪竜、中ノ島橋上。
  • 江戸を出てゆく大次郎、シロを連れて歩む街道は嵐山自転車道。船着場は罧原堤下汀にあしらい、出船の行く手(下流方向、東望)に大きな夕陽を合成。

2012/8/1

■ 柳生一族の陰謀 第34話「やわ肌の秘密」1979.5.22関テレ/東映

 政争に巻き込まれた父を苦々しく思う十兵衛、しかし幼い自分を守り育ててくれた老爺に危難及ぶと知るや、即現地へ飛ぶ。
結果十兵衛の亡母の実家は領地を失い、老爺の嘆きを見た十兵衛は、政治家としての父に食ってかかるのだった。

ロケ地
  • 丹前風呂で町奴(中の人は刺客で川合伸旺)にからまれた長綱、追い詰められてドボンの神田川の橋は中ノ島橋。橋上から始まり、その後橋上手左岸から飛び込み、夜間撮影。
  • 長綱が引き取ることになっている湯女五人、護衛の左門を待つ橋は流れ橋。橋上から堤上に移動、橋下には敵が見張っている。一行の行き先は三春藩。
  • 湯女と左門一行が休むお堂、大覚寺護摩堂。お堂の中に、拉致された一人が吊るされ死んでいる運び。設定、この逸話の前に泊まったのは幸手宿。
  • 浪人たちの襲撃を受ける街道、不明(竹林沿いの土手、土壁の小屋あり。土手下の地形は谷地田で、溜池も見える。古い作品でよく出てくるアレかも)
  • 宗矩の政敵・土井利勝が、三春藩家老・西尾と密会し、宗矩失脚プランを協議する屋形船、大覚寺大沢池。上陸の船着は大沢池船着(小)、ここで西尾が配下にハッパかける。
  • 背に刺青の湯女が責め問いされる小屋、砕石場か。後段、弥助救出のくだりでは「ガレ場」と表現されている。
  • 十兵衛の守人だった老爺・弥助が拉致される松下家墓所、二尊院墓地
  • 救い出した弥助に、湯女たちが持つ「グッズ」を見せる寺、宝塔寺方丈(縁先と座敷を使用、画面奥に渡廊が見えている)
  • 長綱が隠れていた湯宿、清滝河畔か。襲撃シーンは山の斜面の木立で。これを切り抜けたあと、長綱にお説教の十兵衛、酵素木のそば。
  • 三春藩城、彦根城天守。長綱が巡検使と無事会うくだり、イメージのみ。
  • 下城してきた父に、なぜ改易させたと問う十兵衛、知恩院黒門道

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