時代劇拝見日記
2012年9月

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2012/9/28

■ 歴史秘話ヒストリア♯122
  「タワーに願いを〜華麗なるニッポンの塔1400年の旅〜」2012.9.26NHK

 浅草十二階の泣き笑い営業秘話や、我らが通天閣の工事にまつわる馬鹿話なども面白かったが、お目当ては奈良時代を扱ったエピソード2。凸版印刷のCG平城京が出ていてやっぱりキレイ、のトッパンVR。
 国難に際し、聖武天皇の発願で造営される新寺・東大寺の普請現場のワンカットは、四天王寺。塔と金堂に、描いてあると思しき足場組んであって、アングルは回廊外から。人足は現場で撮ったのかスタジオ撮りを合成かは判らない。だから、ロケというよりは素材って感じ?
あと、塔の起源を説明するのに、サンチーのストゥーパや応県木塔が出ていた。
2012/9/27

■ 雪之丞変化 復讐の剣  河野寿一監督作品  1954.4.20東映

 遂に土部は雪之丞の正体を知り、芝居小屋で仕留めようとはかる。その舞台には、抜き差しならぬ容態となった浪路も来ていて、因果の糸が絡まり合う。

ロケ地
  • 浪路が監禁されている荒れ寺と周辺、不明。ほぼ前に出た場所と同じだが、お堂裏手通用口とそれに続く路地も出てくる。
  • 土部邸、不明(既出)
  • 土部邸へ押しかけて恨み言を述べる長崎屋、ごまかされて帰る道、不明(既出の松並木か)
  • 事後、浪路の遺骨を抱いて江戸を去る雪之丞を見送る、闇太郎とお初、不明(田んぼ道の土手、山際。茅葺屋根も見える)

2012/9/26

■ 雪之丞変化 復讐の舞  河野寿一監督作品  1954.4.7東映

 冒頭に、「雪太郎」の両親が陰謀に落ち亡くなった経緯を持ってきて、門倉一派に囲まれた前回の終わりからお話が始まる。
元松浦屋の番頭だった長崎屋は、民の困窮も顧みず米相場で大儲けを企むが、雪之丞と闇太郎の工作で破綻をきたす。
一方、身も世もなく雪之丞に惚れこんでしまった浪路は、大奥へ戻るのを嫌い出奔。そこに、恋に狂った女の激情が襲いかかろうとしていた。

ロケ地
  • 門倉一派に囲まれ窮する雪之丞、土部邸から使いが来て水入りの段、使いが来て去る坂道はセットかロケか不明(両側に町並み)
  • 顛末を見届けて去るお初のシーン、前話と同じ松並木か。
  • 長崎屋が市中の米不足を尻目に大量の米俵を荷揚げする浜、伏見の堀端か(石積み護岸の端に蔵、続きの建物も見える←この土手で闇太郎が民衆を扇動)
  • 勘兵ヱに見つかり逃走する闇太郎、町並みや溝端の一部はロケか。
  • 雪之丞に文を突っ返された浪路、傷心を抱え彷徨うシーン、梅宮大社。神苑門前の池端〜南岸(南側に高い松が生えているが、東参道にある蔵が素通しで見える)〜東参道(西望)
  • 浪路の乗った駕籠が運ばれてゆく道、不明(五本線入り塀の「大寺」の角を曲がり、崩れた築地塀が脇にる門の傍を通り、いかにもな「荒れ寺」へ)
  • 広海屋に呼ばれてゆく雪之丞、駕籠が通る道は天龍寺参道(奥に庫裏)。ここでわらわらと門倉一派の侍が湧く←この時点で門倉は土部の刺客。
  • 雪之丞が連れ込まれる岡部道場、旧地裁官舎長屋門。

2012/9/25

■ 雪之丞変化 復讐の恋  河野寿一監督作品  1954.3.31東映

 江戸初下りで人気を博す若女形・雪之丞、彼には秘めた目的があった。
ある日、桟敷で芝居を見ていた、羽振りの良さそうな一行が雪之丞を芝居茶屋に呼ぶが、彼らこそ父母を死に追いやった、憎んでも飽き足りない仇なのだった。
奥義伝授で雪之丞を恨む、道場の兄弟子が駕籠を取り囲んだ段で中ほど。

ロケ地
  • 一松斎から雪之丞に渡された奥義書を横からかっさらった門倉平馬、中が白紙なのを見て怒り燃やす神社、不明(坂上がって境内?舞殿あり)
  • 盗みに入った先で雪之丞の秘密を立ち聞きしたお初、歩く道は松並木〜水辺。
  • 土部邸の門、不明(料亭ふう)
  • 土部に招かれてゆく雪之丞、駕籠がゆく道は伏見市街(酒蔵のある町並み)。門倉一派がつけてきていて、別口でお初もつけている。

2012/9/23

■ 天地明察  滝田洋二郎監督作品 2012.9.15角川/松竹

 原作や「史実」を少し改変、派手な天体ショーを持ってきて盛り上げる趣向。劇場で見る価値大アリの、こういう画はスキ。ロケも贅沢で、おかげで覚えきれずソフト待ち。
以下の記述は順番バラバラです。

ロケ地覚書
  • 碁会所(?)随心院。書院座敷と薬医門。
  • 金王八幡宮、鍬山神社。算哲がここへ走る石垣沿いの道は三井寺唐門前に見えたが、記憶があやふや。
  • 水戸藩邸の庭、金戒光明寺紫雲の庭。算哲のうしろにホトトギスが植わってたから間違いないと思うが、要チェック。
  • 京都御所、大覚寺宸殿
  • 江戸城、姫路城。天守は消してあり、はの門下坂で登城風景。
  • 土御門と接触するくだり(?)で出る寺、圓教寺
  • 北極出地の旅のくだり、海浜に琴引浜。甲府城での観測は竹田城址。祈願のお宮さんは日吉大社(東本宮だったと思うが不確実)。生石高原はどの設定だったか忘れた。
 渾天儀の設置場所は…前から気になってたアレだと思うけど、こんど確認に行ってくる。
2012/9/22

■ みをつくし料理帖  2012.9.22テレ朝

 徒手空拳の女料理人は、名店と比肩する評判をとるに至る。もちろんそれにはたいへんな苦労を伴い、卑劣極まりない妨害もあり大事な人々を泣かせもした。しかし澪には、隠れた守護神が二人もついているのだった。

ロケ地
  • 洪水で孤児となった澪が彷徨う野原、不明。穴子寿司を盗んで見咎められ、芳に拾われる大坂の町角、仁和寺観音堂脇。
  • 化け物稲荷、随心院裏手林間に設営。小松原に意見されるシーンでは、土塀際も使われる。種市の語りで、澪による稲荷再生が語られる。
  • 立ち話中、芳が倒れる堀端、八幡堀堀端(明治橋上手右岸)。明治橋上に源斎が来合わせ、駆けつけて診てくれる運び。
  • 吉原見物の帰り、種市たちが立ち寄る茶店、大覚寺境内か。澪が大坂の思い出を語る土手は松尾付近か。
  • 種市が腰を痛めるくだり、澪の出勤前の市中情景に八幡堀白雲橋。西瓜を冷やしてある溝は随心院か。
  • 種市の申し出に惑う澪に意見する小松原のくだり、澪が佇む小橋は大覚寺天神島朱橋、この前に蓮咲き誇る大沢池のロング。二人が休む茶店は遣水跡に設営。
  • 戻り鰹を届けて叩き出された魚屋の少年と出くわす澪、八幡堀堀端。
  • 登龍楼の新店にレシピをパクられ閑古鳥鳴くつる家のくだり、夕方の情景に八幡堀新町浜
  • 「土圭の間の小野寺」のお勤め風景、お城イメージに姫路城天守。食事についての将軍の評価を聞かされる御廊下、随心院書院縁先。
  • 化け物稲荷参拝後、「旭日昇天さま」宛ての文を携え桜の土手にやってくる澪、背割堤(桜は合成か)

2012/9/21

■ だましゑ歌麿II  2012.9.15テレ朝/松竹

 凶盗は処刑されたが、同じ手口の殺しが続く。被害者は、歌麿の絵姿に立った女たちばかりだった。
歌麿に惚れ道を誤りかける女、歌麿を疎む老中の思惑、鬼平の情などからめてドラマが展開される。

ロケ地
  • 「葵小僧」が処刑された小塚原、酵素河川敷。簡素な小屋や竹矢来など設営、梟首も同所河畔。
  • 歌麿のモデルが惨殺されて見つかる葦原、広沢池西岸湿地・柳の根方。
  • 南町奉行所、大覚寺明智門。後段では門内も。
  • 被害者のモデルの屍が安置されている回向院、丹波国分寺門内外。内部描写はセット撮り。
  • お妙を酒肆から連れ出した担ぎ呉服屋が殺される夜の川べり、上賀茂神社ならの小川畔。
  • お妙を匿ってある家へ行く蘭陽が通る夜道、随心院裏塀際。後段、源兵衛の襲撃を受けるのも同所、この際介入し殉職した同心らの検分は昼間の絵。
  • 蘭陽の回想、雪の街道をゆく旅の一座、山室堤上。
  • 仙波の罠にはまった松平主計介、頭巾をつけて出る夜道は粟生光明寺石段下部(山門ナメて)大覚寺五社明神境内〜大覚寺心経宝塔(基壇のドア開けて入る)。このあと歌麿ら三人が「討ち入り」、事後お妙と亭主の涙の再会には梅林?開花。

2012/9/4

■ 新選組血風録 第6話「土方謀殺計画 山南の脱走」1998.11.19テレビ朝日/東映

 原作の「海仙寺党異聞」を改変、山南が長坂小十郎を隊に誘った話を作り、中倉処断で二人ながら土方に反発し、隊を抜けようとするふうに持ってゆく。
そして、全ての糸は伊東甲子太郎が引いているという寸法。
このドラマではトシさん大甘で迷い気味、近藤はきっぱり処断というスタンス。

ロケ地
  • 山南が行き倒れかけの長坂を拾う町角、大覚寺五社明神
  • 腹ぺこの長坂にうどんを食わせてやる店、二尊院茶店(門ナメて床机。遠景に紅葉の馬場ちらり)
  • 伊東一派がやって来る道、仁和寺境内。迎えに出て待っている藤堂は九所明神。
  • 島原帰りの土方が通る夜道、大覚寺大沢池堤。後段、伊藤一派の使嗾で水戸侍や長坂が待ち伏せ。
  • 処刑を前に脱走した中倉が走る大路、仁和寺参道。追いつかれ斬られるのは九所明神。
  • 脱走した山南を追って馬を駆る総司、街道は酵素ダート。山南が駒を止める茶店は「待避所」、総司が山南を詰問するのは木の前。
  • 明里が駆け込もうとする屯所、民家長屋門

2012/9/3

■ 新選組血風録 第5話「妖艶 前髪の惣三郎」1998.11.12テレビ朝日/東映

 平然と首切り役をつとめるさまに、近藤が感じた怪しさは的中。美少年の心の裡には、魔物が棲んでいた。
役者ゆえか、原作とは近藤のニュアンスが異なる。

ロケ地
  • 惣三郎と田代がデキていると聞かされた土方、そのことを考えながら歩く町角、大覚寺五社明神。少し行くと総司が子供たちと魚獲りをしている堀川は放生池源頭。
  • 湯沢が殺されたあと、時間経過を示すアイキャッチの川、渡月橋欄干越し桂川。中州にカモ。
  • 山崎が惣三郎を連れ出し問い詰めるくだり、大覚寺天神島木の根方。
  • 事後、惣三郎始末を土方に述懐する近藤、南禅寺法堂基壇。

2012/9/1

■ 忠臣蔵 四十七人の刺客  市川崑監督作品  1994.10.22東宝

 内匠頭刃傷の理由不明というのがあとあと尾をひくポイントな、些か毛色変わりの忠臣蔵。
泣かせる逸話や、派手な絵はなく、淡々と進む討入り準備。描写はリアル路線で、吉良邸の実用的な仕掛けや、血の飛び散る殺陣などあるが、陣太鼓は無し。
みどころは、吉良方の頭脳・色部と、賢愚知れずと言われた大石の、裏での丁々発止。情報戦に負けた色部が、討入りを聞いて取り乱し、夜着のまま駆けつけようとして止められる、前代未聞のシーンもある。

ロケ地
  • 大石一行を出迎える奥田、酵素か。元浅野家台所方・森の後家が経営する鎌倉の料理茶屋、不明(茅葺の門)
  • 上杉家上屋敷、不明(大きな門、控所が両脇に付き、裾は海鼠壁)
  • 大石一行が鎌倉を発ち川崎へ向かう道、棚田の道。大石が投宿する、川崎在平間村軽部家、民家長屋門
  • 刃傷の回想、江戸城イメージ、姫路城天守。松の廊下(事は終わり、血染みを拭く茶坊主の描写)相国寺方丈前縁。老中が柳沢をつかまえ、事の次第を聞くシーンは相国寺方丈裏手廊下。
  • 赤穂さして走る第一の早駕籠、川堤か。渡渉シーンもある(静水域)
  • 赤穂・大石邸、民家長屋門
  • 赤穂城、彦根城天守、城壁。殿が刃傷とのみ記された文を見る大石はじめ重臣たち、大覚寺式台玄関
  • 夜ひそかに不破を塩田に呼び、大坂での用事を言いつける大石、琵琶湖西岸松原、塩盛り演出。後段、選んだメンバーに存念を伝えるシーンもここ、暗雲描写。
  • 江戸、柳沢邸、青蓮院長屋門
  • 京イメージ、東寺五重塔を書割に合成。
  • 山科・大石寓居、中山邸通用門
  • 大石が流させた噂に傷ついた吉良、心を鎮めにゆく知己の寺、西教寺大師堂
  • 刃を抜いて郡兵衛に迫る安兵衛、下鴨神社河合社裏手塀際。
  • 南部坂浅野下屋敷、仁和寺裏塀(極端に壁に寄ったアングル)。瑤泉院に会う大石のくだり。
  • かるを連れて鞍馬へ逍遥の大石、日吉大社。大宮川の渓流や、白山宮の摂社など。
  • 吉良邸の見える場所に店を出した前原伊助、裏手の掘割は八幡堀、舟橋近くの民家入口を裏口に仕立ててある。ロングの絵には白雲橋が映り込んでいる。赤穂浪士は、本所界隈に複数の拠点を持つ設定で、このあとも八幡堀は登場、討入りの際には雪の演出も。
  • 大石がかるを囲う、洛西・嵯峨野の家、中山邸無畏庵。内部も使用。
  • 吉良に米沢退隠を勧めた帰り、茶会について良案を思いつき駕籠を返させる色部、彦根城埋木舎前堀端

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