時代劇拝見日記
2013年10月

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2013/10/29

■ 江戸の用心棒 第7話「哀れ!結び文の謎」1994-1995日テレ/東映

 岡場所の女の、哀しい狂言が悪党に利用されてしまう。企みは第二吉原建設、富商・町方・官僚が組んでいた。女郎のささやかな望みが無残に踏み躙られたのを見た清さん、怒り心頭で成敗に乗り出してゆく。

ロケ地
  • 鯉を狙って釣りの清さんと新助(見物)が、人を蹴散らして歩く作事奉行や、朋輩の供養のため花を摘む岡場所の妓たちを見る薬研掘、東高瀬川堤。河床付近から見上げのアングル、酒蔵も映り込み。清さんは対岸の汀にいる。ラストシーンでは、左岸側汀に駒を休める馬子をあしらい。
  • 材木商・但馬屋が薬研堀の岡場所を八割方買収済みとの調査結果をおりはに聞く清さん、鳥居本八幡宮本殿前。
  • 岡場所の奉公人・仙吉をつける新吉、中ノ島橋。仙吉は、仲間の熊造ら(釣り中)とツナギをとるのは橋下手中州法面、新吉は橋上から見る。その後熊造らが入ってゆく但馬屋の寮、中山邸通用門(同心に見咎められシメられる)

2013/10/27

■ 忍の一字  1985.3.23NHK

 天明の大飢饉のさなか、困窮する白河藩の領主となった若き松平定信は、財政再建に乗り出す。
殖産振興に要す、金三千両の調達に抜擢されたのは、意外にも槍一筋の無骨者。そして彼が派遣されるのは、つつましい奥州とはかけはなれた、華やかな京の都なのだった。

ロケ地
  • 噴煙をあげる浅間山、本物か。天明の大飢饉で疲弊する白河藩の解説に被る、涸れひびわれた地面は広沢池(西岸から東望の図、葦原越し)
  • 白河藩城イメージ、彦根城天守(直下から見上げ)
  • 国境の峠で来し方を振り返る兵助、不明(林道、くねくねと曲折。このあとの街道も不明、山腹の切通し)
  • 白河藩京都屋敷、大徳寺徳善寺。まわりは町家ばかりという設定。白川女ゆく町角、不明(塔頭か)。暮れなずむ京の町イメージ、八坂塔
  • 町年寄・清兵衛等に挨拶回りをする兵助、町角イメージの白川女ゆく坂は金戒光明寺永運院下坂
  • 清兵衛の勧めで茶や花を習う兵助、このくだりで挿入される京の町角イメージ、天龍寺寿寧院前。
  • 京者の習わしとて、白河から来る妻子を迎えに出る粟田口、天龍寺慈済院前〜松厳院前石畳。画面奥に山門が見えている。
  • 茨木屋籠絡に奔走する兵助を誤解したツルが家を出ると言い出すくだり、イメージに挿まれる水路は高瀬川か。
  • 三千両の為替を手に入れた翌朝、イメージの雪の川は不明。ウグイス演出。
  • 商人となって蝦夷を目指す兵助、妻子や郎党と行く山道、不明(ここで槍を擲つ)。峠から見える「海」は琵琶湖か。イメージの荒海は日本海か。

2013/10/25

■ 雲霧仁左衛門 第4話「新たな盗み」2013.10.25NHKBSプレミアム

 雲霧一党は名古屋入り、火盗改からも三人がやって来る。アジトが見つかりそうになったり、敵の一手を寸前で止めたり、早くも丁々発止。そして、松屋に入り込んだお千代は、まだ金蔵を見つけられずにいた。

ロケ地
  • 雲霧一党が次々と渡ってゆく島田の渡し、不明(ジャングルの如き河畔林、中州ありゴロ石点々。流心に濁り入る。あるいは湖西か)。六之助が役人に追われるシーンは木津にも見える(砂河原)。州走りのヘルプで逃れる崖は谷山?
  • 六之助の一件などをおかしらに報告する吉五郎、二人がいる街道筋の茶店は大堰川堤に設営。画面奥には富士山を合成。
  • 名古屋イメージ、名古屋城天守。ラストシーン、お城を眺めるおかしらの絵は合成か。
  • 島田宿から火盗改へ走る急使の早馬、山室堤
  • 松屋が最後のお盗めと漏れ聞いた六之助、吉五郎に土下座して仕事への参加を希う町角、今宮神社稲荷社脇。

2013/10/23

■ 江戸の用心棒 第6話「馬の脚、めざし一匹三千両」1994-1995日テレ/東映

 なかなか芽の出ない役者・中村仲蔵は、ある出会いを経て化ける。
清さんが護衛をつとめた大金輸送、それをまんまと賊にやられた事件が、この筋にからんでくる。仲蔵は清さんのさまざまな所作を凝視、みごとな山崎街道の色悪・定九郎ができあがる。

ロケ地
  • 大口屋の荷駄(味噌樽に三千両仕込み)がゆく道、羽束師堤。向こうから、火事装束の「加賀藩士」が馬を飛ばしてやってくる。ルートは、蔵前→加賀屋敷。

2013/10/20

■ 蠢動  三上康雄監督作品 2013.10.19

 藩を護ろうとしてとった非情な措置は、最悪な形で手負い猪を作り出してしまう。裏切られ暴発し、血に塗れた荒御魂の咆哮が胸を衝く。

 とにかく、殺陣が凄い。特にラス立ち、ひとりずつ仕留めてゆくプロセスがリアル、ちゃんと意味がつけられている。状況の切迫を表現する和太鼓も迫力、これだけでも小屋で見る価値があると言ってよい。観客は完全にスクリーンに釘付け、沈黙が支配するシーンでは、紙コップを握る音が聞こえてくるほど静まり返っていた。

 お城、城下、武家屋敷、大立ち回りの雪原と、すべてにおいてみごとな絵が撮られている。最近はロケも慣習に流れていい加減な選定が多いが、この作品は違う。特に雪については、さぞ苦労なさったことと思われる。

うろ覚えロケ地メモ
  • 城門、水口城
  • 若者たちが寒稽古をする、天守を望む丘、上野城。ここは、城代が天守へのぼる絵もあったと思う。
  • 香川の姉と木村の母が語らう城下の坂、勝持寺参道坂。香川の出立のシーンでは、山門を見上げるアングル。
※舞台挨拶の際の監督談、ラス立ちの雪原は勝山市。
2013/10/18

■ 雲霧仁左衛門 第3話「哀しき妹」2013.10.18NHKBSプレミアム

 人相書きを見た幼馴染が、六之助を火盗改に売る。それをもとに張られる罠、情に脆い六は引っかかるが、吉五郎らの勘は危険を察知していた。

ロケ地
  • 街頭で六之助の手配書を見たあと、茶店に寄る仁左衛門、南禅寺三門。導入は真上から門前石畳を狙う大胆なショット、石畳には色とりどりの傘が干されている。茶店は門基壇にしつらえてある。
  • お千代を公家姿に作るお松、大覚寺望雲亭縁側。対岸から見たロングの絵も。後段、六之助の妹の件を報告する吉五郎の段でも出る。
  • 母の墓に詣りに行く六之助、普済寺山門前〜墓地。
  • 妹かもしれない娘をヤクザから助け逃げる六之助、船頭を突き飛ばして船に乗り込むのは大堰川
  • 三々五々東海道を名古屋へ向かう雲霧一党、山室堤。堤下の茶店に松屋とお千代さまのカップル。六之助が忸怩たる思いで野の仏を見る坂、不明(酵素みたいな感じの山間)

2013/10/17

■ 江戸の用心棒 第5話「まやかしの花嫁衣裳」1994-1995日テレ/東映

 怪我した亭主に代わって気丈に働く女だが、降りかかる闇の手。
そも、亭主の事故も、かつての父の変死も、元は同じ向きから。手に入らぬ女への妄執が生み出したものだった。

ロケ地
  • 怪我をおして賭場へ出かける小平次、伝通院へ向かう駕籠が止められるのは黒谷墓地石垣際(本堂の西、真如堂へ通じる道)。小平次を追ってきた清三郎たちが空駕籠にものを問う町角は金戒光明寺本堂脇露仏の前。小平次が強面どもに囲まれ殺されかかる坂、金戒光明寺永運院下坂
  • お蝶の回想、父の亡骸があがった大川端、罧原堤下汀
  • 清三郎がおりはに暗殺者の探索を依頼する水辺、大覚寺大沢池(望雲亭下の船映り込み)。このあと、報告を受ける茶店は同じく大沢池畔、先の場所より少し北、新次の報告も同時に。
  • 銀蔵が強面どもを飼ってある蔵前風月庵(寮)中山邸通用門(イメージ、夜景)。ここでお蝶に白無垢を着せて祝言を強要する運び。

2013/10/15

■ 猫侍 第2話 2013.10.13KBS京都

 「もののけ」退治の礼金三両を受け取る神社、加蘇山神社一の鳥居前。
このあと、玉之丞を捨てにゆくのも同所、一の鳥居をくぐり石段を上り、二の鳥居くぐって本殿前へ。猫捨ての現場は摂社か。思い直して戻ってくる際には、祠裏にもののけ封印壺が置かれていて笑える。
2013/10/11

■ 雲霧仁左衛門 第2話「子分の破門」2013.10.11NHKBSプレミアム

 若い手下の、ほんの少しの隙から、雲霧一党に火盗改の手が伸びる。その危機を、周到かつ大胆に切り抜ける仁左衛門たち。
手痛い失態にもめげぬ安部式部、雲霧は次の大仕事にかかり始める。

ロケ地
  • 長官に叱責され、くさくさして役所を出た岡田、門を出たところで座り込み紙風船を弄る町角、仁和寺中門(内から外へ出て、門前の石段上に座り込む)。彼に目をつけたことをおかしらに話す吉五郎は、二王門にいて岡田を遠見。
  • 岡田が持つ印籠を売ってほしいと声をかけるお千代(道具屋の女房と偽り)大覚寺護摩堂。岡田は護摩堂前を、お千代は堂の裏手を行く。
  • 六之助を見たという利吉に、前金を渡しにゆく留次郎、鳥居本八幡宮。留次郎が鳥居をくぐり坂を上ってゆくと、利吉が舞殿にいる運び。
  • 利吉を連れて舟宿・佐原屋を見張る留次郎、八幡堀堀端。対岸に見える佐原屋は合成。六之助とお千代が出てきて、船に乗り込むシーンは八幡堀で。
  • お千代たちが乗った船を追う留次郎、大川へ出る手前の水面は西の湖。千代が気付き、船から上がる川端は園地中島汀。
  • 留次郎に貰った金を持って家へ走る利吉、天王神社前棚田。家は松竹セット(酵素民家似のアレ)
  • 留次郎の屍を乗せた船が検分のため慌しく曳かれてくる汀、嵐峡
  • 火薬を仕掛けて木っ端微塵に始末される佐原屋、治平たちが炎上を見届ける船は八幡堀に。
  • 火盗改が利吉の死を伏せたため、誘き出されて調べにやって来る雲霧一味、天王神社前地道。棚田を入れたロングの絵もあり、神社は明確に映らず。
  • 「六の霊」と書いた灯篭を流し、女たちに避難される小頭、大覚寺望雲亭下汀。夜間撮影で、亭の建物に灯が入り、おかしらはそこにいる寸法の、アジト設定。後段、六を救出したあとのシークエンスは昼間で、亭内部を使っているさまが明らかに映っている。次の仕事を思い庭に立つおかしらのシーンでは、亭前庭越しに大沢池が来て良い眺め。

2013/10/9

■ 江戸の用心棒 第4話「金貸し婆の最期の一両」1994-1995日テレ/東映

 鼻つまみ者の因業金貸し婆、遂に雇った男に裏切られ斬りつけられるハメに。しかも、その浪人実はという悲惨なめぐり合わせ。
清三郎は老婆の意を汲み、真実を押し隠したまま浪人の旅立ちを見送るのだった。

ロケ地
  • 取り立ての帰り、鬼呼ばわりされたことを清三郎にボヤくおかね婆さん、妙心寺春光院塀際〜隣華院(天明道場、取り立て先。門内外を使う)
  • おかねを斬ってしまったことに悩み佇む袴田、妙心寺法堂基壇に腰掛け。声をかけた清三郎に、貧しい御家人だった養父母のことなど身の上を告白。
  • 清三郎がおかね婆さん宅で事情を聞くところ、笛の音で合図して連れ出したおりはが黒幕の名を告げる祠、大覚寺天神島祠裏・木の根方。
  • 佐々木同心に袴田の身の上を聞かされたおかね婆さん、傷ついた体をひきずり歩く道、妙心寺大通院裏塀(ラウンド部分)。その後、佐々木や道場主・松前に立ちはだかられ斬られる細道は妙心寺福寿院道石畳。

2013/10/7

■ 猫侍 第1話 2013.10.6KBS京都

 とにかく、白猫が達者すぎ。ケダモノといえど、スターは侮り難し。
ロケ地については、関東撮りなので判らないかと思ったが、やしろの名前が映ってたし、珍しい名前だし、行って確かめてないけどほぼ間違いないと思われるので、ロケ地資料に記述。
  • 加賀屋の番頭・佐吉が久太郎に「玉之丞」殺し(退治?)を依頼する神社、加蘇山神社一の鳥居前。苔むした石段がいい感じ、坂の上にあって背景となる、変わった形の二の鳥居もカッケー。

2013/10/6

■ 綱渡り見せ物侍  加戸敏監督作品  1955.9.6大映

 軽業師の力太郎は、さる藩の若様に容貌が酷似していたことから、お家騒動に巻き込まれる。そして、悪党の企みを暴くため雌伏していた当の若様は、奇しくも力太郎の一座に転がり込む羽目に。
以降、立場を取り替えた二人はともに国元の二本松へ向かい、土壇場で鮮やかに入れ替わるのだった。
取り替わる二人は、もちろん雷蔵の二役。互いの環境に馴染めず仕出かす、お笑いエピソードがお約束ながら面白い。

ロケ地
  • ゴロツキ侍にからまれた女掏摸・お蝶を助けてやる力太郎、浅草寺は清凉寺、大提灯をあしらった山門から、露店を多数あしらった境内、本堂脇などが使われる。
  • 浅草寺から逃げたお蝶、金を抜き取った財布を捨てる町角は妙心寺玉鳳院前蓮池端(西望の図、水音演出)
  • 同じく逃げてきた力太郎、相棒のお小夜に剣突を食らう道は妙心寺桂春院前路地(南望の図。向かいに小夜が出てくる並木あり、西日が差している)、その後二人が別れる道は妙心寺雲祥院前路地(北望の図。小夜は東・長興院の方へ、力太郎は南・桂春院の方へ)。江戸家老・文太夫がつけてきて「若様」と拝跪する石畳は、妙心寺蟠桃院通用門前クランク(蟠桃院の門や、養徳院前に昔あった溝が映り込んでいる。力太郎は東の大雄院方向へ走り去り、北の空き地の方へ直角に曲がる)
  • 丹羽家江戸屋敷、不明(門のパーツのみ)
  • 一座に押しかけてきたゴロツキ侍から逃げた力太郎、曲がってくる路地は妙心寺蟠桃院通用門前クランク。文太夫の爺さまにとっ捕まり駕籠に籠められてしまうのは妙心寺養徳院前路地、養徳院と蟠桃院の両方から藩士が出てきて囲まれる(俯瞰、養徳院前には顕著に溝が見える)
  • 文太夫に頼み込まれ、若様としてお国入りの力太郎、街道は不明(丘の裾の地道、田畔、遠景に山なみ、湖西か)。用足しに立ち寄る民家、不明(門は萱葺き、母屋も映っている)。このあとの街道は池端なども。
  • 阿蘭陀座が二本松さしてゆく街道、琵琶湖畔松並木際の地道。
  • 二本松のお城、不明(異様に高い石垣、彦根城に似た天守など、寄せ集めの合成と思われる。後段、総触れの際には城門と橋が出てくるが何か不自然)。「若様」の駕籠が付けられる玄関、仁和寺大玄関(中からの絵もあり)
  • 本物の若様・鉄之丞に文を託されたお小夜、城代邸へ行く途中お蝶にばったり会い、懐中をやられる堀端、八幡堀堀端(白雲橋・明治橋間の左岸側、下段は草ぼうぼう)。掏った文を出して見るお蝶は、白雲橋たもと大燈籠に腰掛け。堀端で途方に暮れる小夜の絵から、燈籠へカメラ引いてゆく。
  • お蝶が掏った文を持って入ってゆく城代・和田外記邸、青蓮院長屋門(出格子の前に木あしらい?)
  • 事後、若様たちに見送られ帰ってゆく力太郎とお小夜、不明(二条城本丸西虎口に似た石垣)

2013/10/4

■ 雲霧仁左衛門 第1話「大盗賊の首領」2013.10.4NHKBSプレミアム

 雲霧一党の、周到にして大胆なお盗めに苦汁をなめる火盗改。ここへ、私財投入も厭わぬ長官・安部式部が就任、打倒雲霧に邁進。
最初の対決は、別の盗っ人の横槍が入り、雲霧に白星。

ロケ地
  • 武蔵屋の一件のあと、千代と六之助をのせて治平が操る船がゆく掘割、八幡堀。堀端の舟宿・佐原屋はセットだが、船から上がる堀端は八幡堀を使う。
  • 刀売りに扮して店を広げる仁左衛門と、重代の名刀を手にした安部式部が邂逅する道、大谷祖廟参道石畳
  • 竹村玄洞宅の女中がお使い中に刺殺される神社、仁和寺九所明神参道、鳥居くぐってすぐの石畳。
  • 矢場にいた六之助にちょっかいを出して走り去る州走り、大覚寺放生池堤〜天神島。玄洞方の事情をツナギ。
  • 子らとシャボン玉遊びの仁左衛門、仁和寺中門下。草間の勘蔵が門前の石段を上ってゆくのを目撃。このあと勘蔵をつけてゆき、お京とツナギをとるのを見届けるルート、塔下〜九所明神本殿前(仁左衛門は拝殿際に隠れて見ている)
  • 玄洞宅からまんまと大金を盗み取ったあと、船でゆく仁左衛門と安部式部一行がすれ違うシーン、大覚寺天神島朱橋の上と下。仁左衛門をのせた船は橋をくぐり水路側の蓮池へ。
※まだ確かめてないけど、竹村玄洞って鬼平の密偵たちの宴でみんながターゲットに選んだアレだったような気が…錠前のカタとったのは五郎蔵さんだったかな?
2013/10/3

■ 江戸の用心棒 第3話「そば一杯の用心棒」1994-1995日テレ/東映

 手のつけられぬ愚連隊・天狗党に狙われる蕎麦屋の親爺、新次に話を持ち込まれた清三郎は毎夜警護をつとめる。間違って天狗党に入ってしまった若者、彼と関わりあったおりは、党を探っていた密偵、そして蕎麦屋の過去など、さまざまな情話が描かれる。無辜の死に怒りMAXの清さんが乗り込んで、悪党一巻の終わり。

ロケ地
  • 蕎麦屋・与平が屋台を出す深川・万年橋、中ノ島橋。屋台は右岸側橋たもとに、丼洗いなどで橋下の河原も使われ、梯子あたりも映っている。
  • 一味がたむろする天狗山(寺院設定)常寂光寺仁王門。扁額に天狗面あしらい、門内外でお芝居。中はセット撮り。
  • 与平が蕎麦を恵んでやった母子、その母が土方仕事をしている現場は広沢池西岸湿地。与平が仕入れ帰りに偶然立ち寄る運び、死ぬつもりだったと聞かされる。現場では、ヨイトマケの唄が歌われている。

2013/10/2

■ 江戸の用心棒 第2話「ガマの油とブリ大根」1994-1995日テレ/東映

 熊のごとき大男なれど気は優しい浪人と、健気な野菜売りの寡婦が結ばれる情話。役柄にぴったりの役者を当ててあり、往年の作品の思い出も甦る。
悪党の密談を聞いてしまった浪人に物騒な災難が降りかかるが、長屋で隣に住む女が清さんを頼ったことから、事件も身の上も解れてゆく。

ロケ地
  • 久兵衛に用心棒の依頼を断られ帰るお峰、それを呼び止めて話を聞く清さん、大覚寺護摩堂脇。
  • 出羽屋へ刺客のことで掛け合いに行く清さん、帰り道で当の刺客が死体検分されているのに出くわす大川端、広沢池東岸汀。
  • 行商帰りのお峰母子が拉致される道、大覚寺放生池堤
  • 脅迫状を見た勘兵衛がおっとり刀で駆けつける鴉森神社、鳥居本八幡宮。一の鳥居を駆け抜ける勘兵衛のシーン、カメラ上から・丸木鳥居にはあしらいものの扁額付き。お峰母子は坂下の石鳥居に括られている寸法。
  • 道庵の手当てを受けつつ語る勘兵衛の回想、出羽屋と橋爪(本所深川回り方同心)の物騒な密談を漏れ聞いた木場、斉宮神社脇の材木置場か(蔵映り込み)

2013/10/1

■ 江戸の用心棒 第1話「汝懐妊われ覚えあり」1994-1995日テレ/東映

 辰巳屋に居候を決め込む清三郎のもとに珍客、煤まみれの女児は彼を「ととさま」と呼ぶ。事の真偽は措き、女の子の母親が亡くなった経緯に踏み込むと、やっかいな事件に巻き込まれる。そして、黒幕と思しき向きには、「過去の女」をはさんでライバル関係にあった剣友が関わっているのだった。

ロケ地
  • 雪が住んでいた長屋を見て帰る清三郎、あとをつけてきた新次が逃げて息をきらす川べり、上賀茂神社ならの小川畔。
  • 賭場で火事のことを口にする新次、外へ連れていかれシメられるのは上賀茂神社渉渓園・スダジイの根方。新次の叫び声を聞きつける清三郎は北神饌所前。
  • いちょう長屋のことで大家の宮司に話を聞く清三郎、今宮神社境内。設定は深川八幡宮。後段、寺社奉行大検使が宮司を連行してゆく際にも出る。
  • 札差・泉州屋に会った帰り、おりはと浪人たちに囲まれる清三郎、中ノ島橋上。
  • 泉州屋へ押しかけた長屋衆を宥めた清三郎、その際おりはに放った皮肉が効いて本人がやって来るシーン、大覚寺放生池堤。いろんなアングルで見せる。
  • むかし山岸道場(雪の生家)で下働きをしていた老爺に接触する新次、くろ谷墓地。老爺は墓守、坂で掃除をしているところ・背後に塔が映り込んでいる。
  • 事後、小雪を連れて雪の墓に参る清三郎とおたか、金戒光明寺本堂裏手墓地

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