時代劇拝見日記
2013年9月

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2013/9/30

■ 切腹   小林正樹監督作品  1962.9.16松竹

 切腹のため門前を借り受けたいと称し、井伊家上屋敷に現れた浪人は、家老が話して聞かせる、以前起こった狂言切腹のぬしが辿った運命の、生々しい描写にも動じない。
ばかりか、彼が訥々と語りだす昔話はまさに、惨劇を演じた若者の身の上と重なってゆくのだった。

ロケ地
  • 外桜田町の井伊家上屋敷門、不明(西本願寺大玄関門に似た広壮な構え、前に石橋。門には華やかな装飾)
  • 千々石陣内自刃を聞き駆けつける津雲半四郎、金戒光明寺参道坂(石段を三門の方へ駆け下り。設定は熊本城下)
  • 仕事にありつけず、大刀を質入した千々石求女がとぼとぼと辿る帰り道、不明(川堤、軒が土手に接する)
  • 半四郎が矢崎隼人を尾行する路地、不明(白漆喰の壁で下は石積み、向かいにも塀)
  • 川辺右馬介の髷を切る門、東福寺三門(柱越しに禅堂映り込み、門には天部像あしらい)
  • 沢潟彦九郎と半四郎が護持院ヶ原へ向かう道、鳥辺野墓地〜竹林(北嵯峨か)。対決の野原は饗庭か(山上の草原、宝筐印塔などあしらい)

2013/9/27

■ 大岡越前 第二部第28話「祝盃」1971.11.22

 宙ぶらりんだった、伊織と千春の仲に決着の巻。地方からもたらされた難事件に総力であたる大岡ファミリー、調べの段で諸々の言葉が伊織と源さんの胸を刺す趣向。
強烈なマイナス指向を持つ男を小池朝雄が怪演、首の無い二つの死体が出来する経緯が見もの。

ロケ地
  • 長崎行きについて聞かされていなかった千春、養生所へ押しかけ伊織と話す町角(二人は外へ)今宮神社稲荷社前。
  • 源さんが越後高田から囚人・伝吉を護送して戻る街道(信濃追分宿手前)、不明(杉林沿い地道)。
  • お裁きが終わったあと、伝吉とお専はいい夫婦になると話しながら町を行く源さんと伊織、今宮神社東参道を門の方へ。二人立ち止まり、心決めて千春のことを話す橋、上賀茂神社神事橋上。
  • 伊織と千春を見送る忠相たち、舞子浜松原。

2013/9/25

■ 大岡越前 第二部第27話「小西屋事件」1971.11.15

 三次と以禰が大喧嘩のすえ仲直りする話を縦糸に、成立から成就までトラブルだらけの気の毒なカップルを描く。
心ならずも人を殺してしまった哀れな娘を救うため、忠相は「先例」を盾にとり、胸のすく判決を下す。

ロケ地
  • 以禰と喧嘩、呑舟のとりなしも聞かず養生所を飛び出した三次、むしゃくしゃして濠に石を投じていると、同じく投石していた丁稚が鴨を殺したとして引き立てられてゆくのを見る堀端、彦根城佐和口多聞櫓前堀端。三次がいるのは埋木舎側。

2013/9/21

■ 大岡越前 第二部第26話「脅迫者」1971.11.8

 大店に強盗、内通者が疑われ、番頭には脅迫状が来る。今なら違った判決が出るあたりが妙味の、渋い情話。
解明の一端に、雪絵の助言があるのも面白い。

ロケ地
  • 「弥生橋へ来い」との脅迫状を受け取った番頭・喜助、使いと称し店を出て、その文をあらためて見る道、建仁寺禅居庵・久昌院間の塀際。少し待ってみる弥生橋は太秦のオープンセット、その後赴く本来のお使い先の旗本屋敷は建仁寺久昌院(門を入ってゆく)
  • 疑われ、辰の見張りがつくなか動く、喜助の妾・おせん、辰が追うルートは相国寺弁天社前〜鐘楼脇〜宗丹稲荷(おせんはここでお百度を踏む)
  • 事後、伊織と事件を述懐する忠相、阪口青蓮苑池泉。二人ははじめ切石橋上にいて、築山を登ってゆく。アングルは役者と同位置のものと、はるか上からとの二つ。

2013/9/19

■ 大岡越前 第二部第25話「おとし穴」1971.11.1

 若い同心が落ちた甘い罠は、奈落へと続く。唯一の救いは、女が彼の名誉を守り通してくれたことだった。
抜け荷一味に加担してしまう同心がいる一方、神山左門が荒くれ船頭に身をやつし潜入。どちらの筋も見もの。

ロケ地
  • 奉行所をあげて中川筋に張り込むも空振り、の捕方待機の橋下、唐橋。橋脚と川面のみ映る。
  • 始末された船頭の検分、瀬田堤下か(土手法面にステップ)
  • 田所に不審を抱いた源さん、彼を詰問する川端は瀬田橋竜宮、「傾いだ玉垣」脇の河川敷。川には船が舫っている。

2013/9/14

■ 夫婦善哉
  第4話「めをとぜんざいひとりでふたつあほは二人で一人前」2013.9.14

 文子が学生・鈴木恭太郎と出会う堀端、八幡堀堀端。
即除隊となった信一が再び勤める小河童の店、材木荷揚場も八幡堀堀端。
撮影協力のクレジットに高野山観光協会とあるが、意味不明。
2013/9/12

■ 大岡越前 第二部第24話「やまいぬ」1971.10.25

 よくあるお家騒動、野心を抱く江戸家老は、跡継ぎの若様を害さんと謀り殺し屋を雇う。「仕事」の現場に出くわした忠相は介入するが、刺客のなりは奉行の忍び姿そっくりなのだった。

ロケ地
  • 大聖寺の若様が狙われる一回目の向島土手、広沢池東岸(現在団体所有の「垣根の向こう」、土手をおりてゆく表現はあるが、水辺は無し。船のシーンはセットと思われる)
  • 夜、新しい笠を携え屋敷を出る忠相、相国寺大光明寺門。伊織がやって来てともに歩む道は相国寺方丈南西角(法堂映り込み)〜西塀際(東望)
  • 殺人依頼を取り持った香具師の丑松が殺されたのを見て帰り、藩の江戸家老が殺し屋殺害を命じる町角、御香宮参道。
  • 引き続き探索のため忍び姿で出る忠相、相国寺鐘楼植え込み付近〜相国寺大光明寺南路地(南の塀を飛び越して三次が現れ、松平家の動静を報告)
  • 伊織や三次と別れた忠相が通る町角、相国寺湯屋(辻に見立て、直後藩士らが通りかかり、編笠姿の忠相を殺し屋と誤認・尾行を開始)相国寺弁天社・鐘楼前を経て御香宮参道・参道石段。藩士の一人が報告に駆け戻る藩邸(松平備後守邸、看板には大聖寺の字)相国寺林光院(門前に探索中だった三次が来ているが、真昼間?に盗人装束のまま)下鴨神社紅葉橋から河合社脇と糺の森。家老と合流した藩士たちが忠相に襲い掛かる明神下、北野天満宮御土居下の天神川端(橋を渡るシーンや、御土居からおりてくるシーンもある)
  • 家老らの始末が済んだあと、なお不明だった殺し屋と遭遇し対決する忠相、相国寺鐘楼(伊織が忠相と間違えて声をかける)〜境内(編笠同士の対決)

2013/9/7

■ 夫婦善哉
  第3話「死んでも治らんあほな女が死んでも遂げたいあほな夢」2013.9.7

 柳吉が娘・文子と歩く堀端、八幡堀堀端。左岸側、並木のところ。
古写真で見た蜆川は家々の背割になっていたが、このドラマでは人の往来が多い。
いやちょっと待て…「私の青空」がかかっていたということは、「北の大火」のあと?ならば蜆川=曽根崎川は埋め立てられているはず。ロケ地一覧の設定欄に蜆川て書いてましたすいません撤回します・いま直してきました。
2013/9/6

■ 大岡越前 第二部第23話「鬼の目に涙」1971.10.18

 強請りで捕われた性悪婆、お白洲でついた嘘が却って己を苦しめる結果に。そんな婆でも皆は憐れみ、倅夫婦とひと時を過ごさせようと芝居を打ってやる。身のほどを省みぬ居丈高な婆だが、ほんものの大悪党のお使いをさせられたことで、改悛の道は開けるのだった。

ロケ地
  • おたか婆さんの倅・清三郎が嫁と舅を連れて下る東海道、琵琶湖西岸(砂浜)
  • おたか婆さんの婿ということになっている、源さんの家設定の実は大岡忠高邸、伊勢屋が軸を届けに来る玄関は相国寺林光院式台玄関
  • 牢名主がおたか婆さんに託した千両の隠し場所の神社、平岡八幡宮。やしろの名前は詳らかでないが、永代の向こうという演出あり。

2013/9/3

■ 大岡越前 第二部第20話「若様誘拐事件」1971.9.27

 事件はタイトル通り、若様は無事だが、無用の血もたくさん流れる。おおもとの「お家騒動」には、悪人善人貴賎問わず、さまざまな人の思惑と事情が絡みついていた。

ロケ地
  • 番町の旗本屋敷から、座敷牢に入れられていた若様を連れ出したお島、「匿う」本所十間川の家は大堰川河川敷に小屋しつらえ。土手も使われるほか、堤内地の家並みもちらり。お島はヒモと住んでいる設定(事件ではグル)
  • 旗本屋敷に女中として潜入する以禰、小間物屋で入りツナギ文を受け取った三次が、屋敷を出て文を見る塀際は広隆寺東塀(木あり)
  • お島が殺めた御女中が焼かれた千住光明院、招善寺墓地に似る。焼場へ送った浅草の寺、化野念仏寺
  • お島が源さんを呼び出す茶屋、平野屋。源さんは若様と引き合わされ、助けてと縋られるが追っ手かかり皆で逃げ出し。暖簾そのまま。
  • 源さん宅に匿われたお島のことで憤慨、家に入れず待っていた千春が旗本の手勢にさらわれてしまう薬師さま、今宮神社東門内外。設定は茅場町薬師と思われる。
  • 京へ派遣されていた三次、馬を駆る山道は不明。千春誘拐あたりで挿まれる街道は嵐山自転車道。旗本の手勢が待ち伏せしていてピンチの鈴ヶ森は下鴨神社馬場(梟首台あしらい、忠相が騎馬で駆けつけ加勢)
  • 事後、皆と亡妻の墓に参る源さん、化野か。

2013/9/2

■ 大岡越前 第二部第19話「新助そばの悲願」1971.9.20

 ようやく駆けつけの手札を頂いた髪結いだが、さっそくの出場で公用箱を強奪されてしまう。その箱に入っていた、十二年前の因縁が動き出し、怨念は悪党どもを刺し貫くのだった。

ロケ地
  • 事後、庭を逍遥しつつ事件を述懐する忠相と源さん、青龍苑池泉端。築山上から見下ろしたアングルもあり、今との違いがよくわかる。

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