時代劇拝見日記
2014年10月

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2014/10/31

■ 大岡越前 第十部 第20話「親不孝息子の敵討ち」 1988.7.11TBS

 勘当中のどら息子が更生しかけた矢先、父が無礼討ちに遭って頓死。実は豆の価格を吊り上げる目論見に乗らなかったがゆえの暗殺で、お忍びの忠相はどら息子たちに仇討ちを使嗾してみせるのだった。

ロケ地
  • 忠相の「企み」で大根の行商を始めさせられた伊之助、ふらふらになって休憩するシーンは大覚寺天神島木の根方。忠相が現れ、連れていた辰三に売り声の指導をさせる。近くにおはなの住む長屋がある設定で、建物の壁と井戸が作られている。
■ 桃太郎侍 第86話「大当り貧乏くじ」1978.6.4日本テレビ/東映

 桃さんが千両富を引き当てる。そのあと少しして、桃さんに縋りにやって来た男女のトラブル解決には、八百両の大金が要るという。
オチは見えている話で、騙り一味の手口と、桃さんの騙されっぷりを眺めて楽しむ趣向。仁兵ヱ親方の馬鹿話がフレームになっていて、和尚に扮したゲストの噺家が駄洒落を連発。

ロケ地
  • 騙り一味を追っていた山中同心が土左衛門で見つかる川端、嵐峡汀。水辺から見上げのシーンでは、河畔茶店の「亀山家」が映り込んでいて、看板の電灯(洪水にもめげず現役)もそのまま。
  • 桃さんたちが菊次への訴えを取り下げてくれるよう頼みに行く、薬種問屋・河内屋の下谷寮イメージ、中山邸通用門。ホトトギスの声が被されている。
  • 金が戻らないと取り下げないと突っぱねられ、寮を出てきた一行がゆく道、湯豆腐嵯峨野南塀際。道の北側には大木が何本も生えていて、奥(東)は鬱蒼と茂っている。許婚者と現世で添えないと嘆くお宮は、大きな切り株に伏せてよよと泣く。後段、桃さんが金箱を担いでやって来る際も同所、こんどは往路のはずだが、なぜか撮影は同じ向きで行われている。
  • 自身番で菊次が釈放されたあと、役人に取調べを受けているはずの市松(菊次から金をとってドロンしていた男)を捕まえてシメる桃さん、大覚寺五社明神鳥居前(導入は北西方向から俯瞰)。騙り一味の企みを知り駆けつけてくる文七とつばめのシーンでは、観月台が映り込んでいる。

2014/10/30

■ ぼんくら 第3話「やってきた迷い子」2014.10.30NHK

 鉄瓶長屋へ迷い込んだと見えた浮浪児はさにあらず、きちんと訳あり。また、新しく越してくるという女は癖あり、たちまちお徳の心に波紋を広げる。
結局また一家族が出て行って、空きが増えてゆく。

ロケ地
  • 迷い子の手がかりを求めて牛込へ赴く途中、お供の弓之助と茶店に寄る平四郎、大覚寺遣水跡に茶店設営のほか、映り込む範囲にも演出物多数。ここで政五郎が声を掛けてきて、おでことの出会いとなる。
  • 幸兵衛長屋へ赴き、おくめに会い話す平四郎、もりやま芦刈園。水路橋と汀を使い、荷揚げ風景なども演出されている。幸兵衛長屋は南辻橋たもと、柳原町三丁目。
  • 成美屋の前を通り、善治郎からの心付けを受け取った平四郎が、その金で長助に桜餅を買って帰る道、大覚寺閼伽井屋脇〜放生池堤。
■ 大岡越前 第十部 第19話「掏った財布で恩返し」 1988.7.4TBS

 若手同心たちを煙に巻く姐御肌の女掏摸だが、悪に染まりきっていないうぶな面も見せる。その背をお奉行に押され、自らは罪におちることを承知で、恩人のため証言する娘であった。

ロケ地
  • おりんが掏摸をはたらく雑踏、大覚寺心経宝塔、五社明神。同心たちの追求をかわした後、弟分の隆太と落ち合うのは天神島の木。
  • お忍びのお奉行がおりんを優しく諭すシーン、上賀茂神社渉渓園。遣水に笹舟を流す演出。後段にも出て、その際はスダジイも映り込んでいる。
  • 上総屋殺しの犯人として捕まった叔父の棟梁・常吉のためお百度を踏むおはな、大覚寺天神島祠。辰三が声をかけるのを勘太が止めるくだりもあり、小屋や井戸が演出されている。

2014/10/29

■ 大岡越前 第十部 第18話「志保が試した麻酔薬」 1988.6.27TBS

 痛みに耐え切れず暴れた患者を死なせたことで悩む伊織、手術に阿片を用いる決心をして研鑽の日々。養生所を潰し忠相を失脚させようとはかる悪党が出てくるが、お話の方向性は伊織・志保の恋話へ引っ張られてゆく。

ロケ地
  • 伊織の手術「失敗」を言い立てる医師・順庵のことを、当の伊織に話す忠相、屋形船イメージは大沢池か。
  • 長崎屋の悪事に怖じて逃げようとする、版元の女あるじ・お邦、北嵯峨農地竹林際。孫さんが待ち伏せていて誰何するが、女は狙撃されてしまう。
■ 桃太郎侍 第85話「女金貸し鬼より怖い」1978.5.28日本テレビ/東映

 借金のカタにと、風邪で寝ている桃さんの布団を剥いでゆく、阿漕な女金貸し。しまいには恨んだ男が夜中に押し入ってくるが、ほんとにヤバい向きは別口。
はじめは目を吊り上げて怒っていたつばめが、妙なポイントで意気投合、女の大トラが二匹出来上がるのだった。

ロケ地
  • 桃さんを用心棒にして掛取りに歩くおつな、道すがら身の上を語るシーンは相国寺仏殿跡林間、樹間から弁天社の甍や鐘楼がのぞく。
  • 一月前、新大橋の護岸工事で人柱となった三人の塚に参るおつな、嵐山自転車道(河原から見上げの図、嵐山東公園の木の頂部が見えている)桂川右岸河川敷(草原に墓標三つあしらい、水面も見えている)
  • 桃さんの指示で作事請負業の田島屋に接触するおつな、普請場から連れ出して恐喝のお芝居は相国寺鐘楼脇。連れて来ている怖いお兄ィさんたちは、仁兵ヱにかん平、熊造が変装。田島屋が去ったあと、桃さんは碑の裏から出てくる。

2014/10/28

■ 大岡越前 第十部 第17話「夢で拾った因果な財布」 1988.6.20TBS

 基本は「芝浜」、入手した財布は掏摸が隠したもので、持ち主は回船問屋の番頭、中には金のほか割符、というアレンジ。さらに、女房は病がち設定で、きっちり養生所も登場する。
しかしややこしい筋は取っ払われて、お白州での夫婦して庇いあう姿に収斂してゆく。

ロケ地
  • 久兵衛から財布を掏った銀平、正吾らに追われ逃げ込む神社は今宮神社、楼門を入ってくる。その後財布を放り上げて隠す木は絵馬堂前、画面奥に稲荷社が来ている。「木」のシーンはこのあと、博打でスった大工の佐吉が吊りかけるシーンや、ヤクザどもが銀平をシメるシーンなどで何度も出てくる。設定は湯島天神。
■ 桃太郎侍 第84話「無言で許す親心」1978.5.21日本テレビ/東映

 跡継ぎ息子が自慢だった目明しは、矢場女に入れあげる倅を見て激怒。倅の方もてんから話を聞かぬ親爺にブチ切れ、十手を突っ返す騒ぎ。喧嘩している間も互いを気遣う父子だったが、親爺は張り込み中に「殉職」。仇を討つと猛る倅を制した桃さん、仁王の親分を斬った太刀筋を確かめ鬼退治を遂行するのだった。

ロケ地
  • 兄上に、旗本がからんでいると思しき抜け荷事件の捜査を頼まれる桃さん、不明(兄上は縁側、桃さんは庭先に、その背後に池泉)
  • 上総屋が抜け荷の品を水揚げする水辺、罧原堤下か(湛水域、枯れた葦原はわりと広め、水は灰色に濁っている。後段、桃さんが卯吉の危機に走ってくる土手は広沢池っぽい←上総屋と織部が屋形船で密談のくだり)
  • 見張り中露見し殺された仁王の親分の死体検分、大覚寺大沢池畔。駆けつける卯吉のシーンに観月台映り込み。
  • 雑踏を行く桃さんと与之助、卯吉が押し込みを捕まえ手柄を立てた話をするところへ、当の卯吉が忙しそうに「この先の長屋でコソ泥が」と言い走り去るラストシーン、上御霊神社境内(参道石畳あたり)

2014/10/27

■ 桃太郎侍 第83話「命を賭けた恩返し」1978.5.14日本テレビ/東映

 つばめに、勅使饗応の出し物の依頼が来るが、要人暗殺の刺客に仕立てる暗い企み。つばめがそんな役を引き受ける筈も無いが、大恩ある養親を人質にされ万事休す。最後まで桃さんにも言えず苦しむつばめだが、桃さんは烏帽子大紋つけて城中にやって来るのだった。

ロケ地
  • つばめの工作で釈放される徳兵ヱの妻子、彼らの話を聞いたあと、桃さんがつばめを外へ連れ出して問い詰める道、大覚寺大沢池(石仏前あたり、柵が見えている。「路傍」にはぼんぼりあしらい)
  • 徳兵ヱの子・徳松が火災の夜に庭で見たという、夜回りの爺さまを尾行する文七、金戒光明寺長安院下坂(下りてきて西へ曲がる)〜瑞泉院(北町同心・沢井宅、ここへ入ってすぐ出てくる)
  • 事後、叔父宅を出て上方屋へ向かう桃さんとつばめ、大覚寺大沢池畔。今度のことに許しを乞うつばめを労わり肩を抱くいいムードのところへ、すずめが現れ「見ぃちゃった」と騒ぎ、放生池堤を駆け戻ってゆく。

2014/10/26

■ 桃太郎侍 第82話「泣くな妹兄貴はつらい」1978.5.7日本テレビ/東映

 兄妹二人きりの、為吉とお染。妹が玉の輿と浮かれる兄だが、当のお染は寄場帰りの職人と恋仲。自分も寄場帰りの癖に激昂する兄、しかし「事件」をきっかけに互いを知り、認めあうのだった。

ロケ地
  • 為吉が玉の輿に浮かれるさなか、小平次の家へやって来るお染。しかし小平次が口も聞いてくれないので飛び出し座り込んで泣く水辺、大覚寺大沢池畔。あとで小平次が追ってきて、ここは出会いの場所だったと述懐。
  • 錠前師の小平次を仲間に引っ張り込むため、お染を騙して連れ出す賊の手下、誘い出して行く道は広隆寺東塀際。

2014/10/25

■ 大岡越前2 第4話「しじみ売りの少年」2014.10.24BSP

 健気な蜆売りの少年を皆で見守っていたが、その子の父が殺人容疑で捕まってしまう。しかも父は黙秘、このままではというところ、お奉行の一言で流れは変わってゆく。

ロケ地
  • 郁太郎が蜆をすなどる河岸、広沢池東岸近くの浅瀬。背景に、団体敷地の芝地が映り込んでいる。
  • 役宅へ来て雪絵奥さまにたぬきへ紹介の礼を述べた郁太郎、役宅の台所を出てゆく姿は大覚寺明智陣屋、カメラ中から。
  • たぬきへ飯を食いに来て、郁太郎のことを聞いた伊織、帰り道で郁太郎の父の八神浪人を見かけ意見する水辺、大覚寺天神島鳥居前汀。
  • たぬきへ道具を置いたまま戻らぬ郁太郎を案じ捜しに出る子吉、名を呼ばわるのは大覚寺天神島、導入は北側から見たシルエット。ここへ、伊織や雪絵奥さまもやって来る。
  • お白州シーンの前に大覚寺明智門
■ 大岡越前 第十部 第16話「名乗り出た三人の下手人」 1988.6.13TBS

 操を汚された娘と、彼女と祝言間近だった青年と、娘の島帰りの父親と、互いに庇いあい、ヒヒ爺を殺したのは自分だと申し立てる。もちろん三人の誰も人を殺めてなどおらず、この事態を利用されているのだった。

ロケ地
  • お民の勤め先の油問屋・相模屋の裏口、上賀茂・社家町明神川畔。お民と恋人の魚屋・梅吉が立ち話をするシーンや、死ねず戻ってきたお民が泣く祠など。
  • 約束した場所でお民を待つ梅吉、上賀茂神社ならの小川畔。待ち人は来たらず、相模屋の弟が来て兄のしたことを話し謝罪。
  • 身投げしかけたお民を止めた十造、二人話す芦原は広沢池西岸湿地、水無し。

2014/10/24

■ 大岡越前 第十部 第15話「凶賊に奪われた十手」 1988.6.6TBS

 デート中の兵助と千鶴が凶賊に捕われ、十手を犯行に使われてしまうという、前代未聞の事態。孫さんは、僅かな情報から賊に迫るが、風邪をこじらせていて倒れてしまう。これがためお勤めに引導を渡されるところ、望外の条件が提示されるのだった。

ロケ地
  • むかし引き込み名人だった峰吉のところへやって来る、清兵衛の手下・駒造、峰吉の勤務先へ押し入るので引き込みをつとめよと迫る、外神田の八幡さまは大覚寺五社明神。以降も、孫さんが尋ねあててやってくるくだり、およびしのぶに補助されて再び来る際にも出る。祠の裏手、心経宝塔が見える位置の祠前、本殿裏(身を隠すシーン)、大沢池が見えるアングルなど、さまざまな角度で使われる。
  • 事後、孫さんに養女を貰えと勧めるくだりの導入に挿まれるイメージカットの甍、西本願寺か。
■ ぼんくら 第2話「烏を連れた差配人」2014.10.23NHK

 またぞろ揉め事が持ち上がり、店子が減る気配の鉄瓶長屋。新しい差配は来るものの、有り得ない若僧で、お徳などは全く認めない始末。
そしてゆるりと動き出す「何か」、執念深い「敵」も姿を見せる。

ロケ地
  • 失踪したお律が、お店ものふうの男と話す茶店、今宮神社絵馬堂前に床机など出してしつらえ。神社境内の設定らしく、巫女さんが掃除をしている。燈籠の陰から、これも失踪中である元差配・久兵衛が、お律を凝視している。
■ 桃太郎侍 第81話「瞼に咲いた白い花」1978.4.30日本テレビ/東映

 桃さんが出会った、落ちた小鳥を気にかける優しい女には裏の顔。それ以上の「犯行」をやめさせ、救おうとした桃さんの思惑をよそに、女は自ら煉獄に落ちてゆく。
凄腕の女殺し屋ができあがるプロセスはリリカルなイメージ映像で描かれ、こういうときによく使われる南部牛追歌が被されている。

ロケ地
  • にわか雨に遭い走る人々、上賀茂神社奈良社鳥居前。やしろでお夕が雨宿りしているところへ、桃さんが駆け込んでくる。ここでお夕が小鳥を保護。雨がやみ、二人おりてくる坂は金戒光明寺長安院下坂、カッコウの声が入っている。
  • 芸者衆と戯れているところをお夕に暗殺される三州屋(香具師元締)、青龍苑か(池泉端、築山と石段も見える)。ダイナミックな跳躍などあり。
  • 桃さんを迎えに来た播磨屋(浅草の香具師元締・桃さんの患者)の女中・おふう、二人行く道は上賀茂神社ならの小川畔。
  • 播磨屋と乾分を殺害した夜、短刀を研ぎながらお夕が思い出す故郷、不明(雪降り積もる在所、山裾に家。畦畔木と思われる立木が雪から突き出ている)
  • 播磨屋が死亡し職を失ったおふうがとぼとぼ行くところへ駆けつける桃さん、上賀茂神社ならの小川畔。江戸屋へ連れてゆき、臨時雇いに。
  • 夜道に勘定奉行・稲垣の駕籠を襲う嶋屋の乾分ども、相国寺鐘楼前。桃さんが駆けつけ阻止。
  • 殺し屋・お夕が嶋屋からのツナギ文を見る林、上賀茂神社渉渓園遣水端。
  • つばめに嶋屋の動きを聞く桃さん、広隆寺東塀(木あり)。つばめは立ち聞いて知ったお夕の正体について語らず、意味深なたとえ話をする。
  • お夕の稲垣殺害を阻止し、逃げたお夕を捕まえ訳を問う桃さん、夜の林は上賀茂神社渉渓園。稲垣の家来からお夕を隠す桃さんだが、お夕はわざとけたたましい笑い声を上げ、捕まって連行されてゆく。この際、先に出た在所イメージがまた映し出され、母におぶわれ神社を出てくる幼いお夕の絵なども出てくる(石造りの大きな両部鳥居、脇には由緒書の看板も見える。参道には杉の巨木が並び、奥に宮が見える)。村を襲った凶賊のシーンの後には、山裾のはさ木脇で、死んだ母の傍らに立ち尽くすお夕の姿もある。丹波か湖西か。
  • お夕の処刑後、小鳥を空に放す桃さん、上賀茂神社奈良社鳥居前。

2014/10/23

■ 大岡越前 第十部 第14話「闇夜に迫る辻斬りの恐怖」 1988.5.30TBS

 辻斬りが横行、「協力者」がいて手を焼くが、性向やまず遂に正体はバレる。
貧しても刀を手放さぬ頑固者の傘張り浪人が銘刀を所持しており、もちろんこれが狙われるのだった。

ロケ地

  • 彦六と卯平が釣っているところへ遅れてやってくる原田浪人、大覚寺大沢池畔。辻斬りが出て追っていた兵助たちが、原田を見咎め誰何。夜間撮影で、五社明神の祠がちらりと映り込んでいる。
■ 桃太郎侍 第80話「罪つくりな遺言」1978.4.23日本テレビ/東映

 大凶・女難の神籤を引き当てた与之助、その通りになるの巻。
行き倒れ女を保護、その亭主から遺言を聞き取る与之さんだが、彼らの死後現れた姉というのがいい女、釣りこまれて通うが果たして目的は「遺言」という始末で、盗っ人のうしろに欲深侍どもが控えていた。血の雨が降るが、「常磐津の師匠」と、忘れ形見の幼女は無事であった。

ロケ地
  • 参詣客で賑わう神社、上御霊神社本殿前石畳に露店演出。与之助が神籤を引くのは本殿をナメて南塀を望む図で、境内林が森閑とした雰囲気を醸し出している。
  • 参詣帰りの桃さんと連れ立って帰る与之助、行き倒れの母を見る道は広隆寺東塀(境外、木あり)
  • ドクターストップかっているお秋(行き倒れ女)の代わりに亭主に会いに行く与之助、大覚寺護摩堂。亭主の新八が仲間につかまって殺されてしまうシーンは林間で。
  • バイに出ていた与之助のもとへ現れ、妹夫婦のことで礼を述べるお豊、今宮神社神輿庫前あたりに露店演出。このあと家に誘われ、誑し込まれ。
  • お豊がツナギにやって来る藤兵ヱの隠れ家、大覚寺望雲亭。南側・川沿いの小径を来て、南西角の通用口(枝折戸)から入る。
  • 姿を消していたお豊とばったり会う、「梅の木のあるお宮さん」を捜索中の与之助、木島神社本殿。設定は本所界隈。
  • 新八が埋めていた盗金を掘り返しに、夜の雑司ヶ谷鬼子母神に来る賊一味、大覚寺五社明神、掘るのは本殿前。お豊が高崎藩の侍に斬られるシーンは舞殿。

2014/10/22

■ 大岡越前 第十部 第13話「育ての親は凶状持ち」 1988.5.23TBS

 正吾がナンパした娘が、直後さらわれかけ大騒動。大店のお嬢様な彼女は養女、父たる男には秘めた過去があった。
お奉行の温情判決が下るものの、正吾と娘は別れ別れの運命だった。

ロケ地
  • 上総屋に接触してくる「元兄貴分」軍兵衛(旅姿)わら天神境内石畳、六勝大神まわり。金の融通を断られ激した軍兵衛が、六勝大神の鈴緒を手荒く揺らすシーンが印象的。
■ 桃太郎侍 第79話「女を変える化粧水」1978.4.16日本テレビ/東映

 江戸の女たちが夢中で買い求める「あずまの水」、これに押された両国屋は、今まで悪事でつながってきた目付にはかり弥平次の始末を企む。
悪党どもにニセの姉設定で送り込まれた女賊だが、一途に姉を思う弥平次の真心にほだされてしまい翻意、しかし闇から刃が飛んでくるのだった。

ロケ地
  • 両国屋が脇坂にあずまの水対策を持ちかける庭、青龍苑か(池泉端、鯉に餌やり中)
  • 夜中ひそかに斬首されたというお玉の墓を調べに行く文七、同牢だったお富がぽっくり逝って埋められていたと桃さんに報告する町角は大覚寺五社明神祠脇。黒イカの群れが襲いチャンバラの際は大沢池他が映り込んでいる。

2014/10/21

■ 大岡越前 第十部 第12話「暴利を貪る悪徳商法」 1988.5.16TBS

 法の網をかいくぐり、霊感商法で民を泣かす男を摘発しようとしていた矢先、当人が殺される。話のキモは、男の死をめぐって庇いあう中年カップル「未満」、お奉行が白州で彼らの背を押して、めでたし。

ロケ地

  • 奥山の殷賑、今宮神社石橋まわり(露店や大道芸)、東門内外(門前で山川浪人が蝦蟇の油売り)、かざりや店先(登紀が勤める水茶屋、俵屋が通い詰め)
  • 俵屋が安物の布団を祈祷させる宝徳院、門イメージに神光院山門(門越しに庫裏を望む図)
  • やなぎで船を頼み、独立構想のほか良からぬことも話し合う、俵屋の番頭・徳兵衛と、俵屋茂兵衛に見返られたチンピラ・仙太、広沢池東岸葦原から船がすべり出てくる。
  • 長屋まで押しかけてきて手荒く言い寄った俵屋を突き飛ばし、外へ走り出た登紀が佇む寺院(?)金戒光明寺本堂脇露仏そば。
  • 血染めの着物を隠そうとしていた仙太、同心たちに踏み込まれ逃げるも捕まってしまう墓地、金戒光明寺墓地
■ 桃太郎侍 第78話「すずめの目明し志願」1978.4.9日本テレビ/東映

 張り込みをしていた文七親分を、覗きと思い込み邪魔したすずめ、罪滅ぼしにと押しかけ下引に。以降、馬鹿馬鹿しい大騒ぎが続くが、お話自体は賊のため死に追いやられた両親の仇を討とうとする女の哀話。

ロケ地
  • 両親の墓に参り仇討ちを誓う、雲切丸の情婦・お葉、くろ谷墓地か。
  • お葉が雲切丸を誑し込み眠らせて刺そうとするところ、馬鹿なタイミングで御用と出てきたすずめ、捕らわれて運ばれる駕籠が渡る橋、今宮神社石橋。あとでつばめと来て、目印の米を撒いたはずと主張するすずめだが、鳩が米食っててワヤというシーンも撮られている。

2014/10/20

■ 桃太郎侍 第77話「男涙のけつねうどん」1978.4.2日本テレビ/東映

 熊造のうどんを何杯も食らう、けったいな上方者が支払いに使った小判で大騒動。男は錺職で逃亡者、怪しの金物屋の蔵には地下室というお決まりの展開、おまけにバックは金座後藤という始末。
お話のキモは、男の無実が明かされたことを知らせにやって来た恋人との情話で、正ちゃんの振る舞いを見る作りだが、ぐずぐずえぐえぐ泣く例のやつは無くおとなしめ、というか暗い。

ロケ地
  • 小判を盗っていった男たちに刺された仁兵ヱ、命に別状なくてよかったと話すつばめと桃さん、上賀茂神社神事橋。カメラぐるっと回り、いろんなものが映り込む。人生観に話が及び、思いをこめた瞳で見つめるつばめから目をそらす桃さんがちょっとサイテーかもだが、それを見てふっと笑うつばめでフォローしてあって笑える。

2014/10/19

■ 桃太郎侍 第76話「魚屋おちか出世噺」1978.3.26日本テレビ/東映

 気風が良すぎる魚屋のおちかは、喧嘩がきっかけで与之助の女房に。しかし祝言の席に将軍家のお使いが闖入、若君の守役を仰せつかってしまう。
このエピソードを額縁にして事件が描かれ、桃さんの危機一髪におちかの嘆願が決まる運びとなる。

ロケ地
  • ショバ代のことでチンピラに打擲されている魚屋を助けるおちか、上賀茂神社二の鳥居続き玉垣前、神事橋たもと。おちかに懲らしめられたヤクザは、橋を東に渡って逃げる。設定は明石神社境内。
  • 野点の席で毒をくらって倒れる大目付、枳殻邸傍花閣前芝地に緋毛氈。警護に駆りだされて同心・矢沢にボヤく文七は楼閣のそばにいる。設定は永楽寺(字は適当)、ホストは格の高そうな僧侶。
  • お城に上がり、軟弱な若君・松千代を鍛えるおちか、枳殻邸池畔芝地、遣水まわり、侵雪橋上などで、やっとうの稽古や追っかけっこ。そのさまを目を細めて見る御台さまは、回棹楼に。

2014/10/18

■ 大岡越前 第十部 第11話「義賊の息子は凶悪犯」 1988.5.9TBS

 お柳の過去が、ちらりと出る。
彼女は足を洗うきっかけを呉れた「義賊」に再会するが、刑期を終え穏やかに暮らす彼に魔手が忍び寄る。黒い影は、他ならぬ手妻の吾平の実の倅なのだった。

ロケ地
  • やなぎへ来て、物騒な「符牒」を口にしたあと、政吉たちが三次の操船で中州あたりを流す情景、広沢池東岸葦原。後段、忠相が船を出して金の隠し場所を見つけるくだりも同所。
  • お奉行宅へ届け物をした帰り、お柳が行商中の吾平を見かける門、金戒光明寺三門。このあと互いのそれからを語るシーンは鐘楼裏へ移動、石垣から見下ろす長安院下坂に、吾平の連れている幼女が遊んでいる。
  • 越後屋で凶行をはたらいた政吉の使った船を見つけ検分する同心たち、広沢池東岸汀。
  • 伊織に幼女を託してきた吾平、帰り道に立ちはだかる政吉は金戒光明寺永運院下坂。倅を斬ろうとして返り討ちに遭う。瀕死で這ってゆき通行人に発見されるシーンはセット撮り。
  • やなぎへ侵入ししのぶを拉致する政吉、お柳が示唆された大川端の小屋へ駆けつける道は広沢池東岸土手。小屋は東岸汀に設営。
■ 大岡越前2 第3話「父、白洲に座す」2014.10.17BSP

 著名なネタ「大工調べ」、よけいな擽りは入れずゆっくり丁寧に筋をたどる。忠高や大家に大仰な演技をさせ、判決の意図を説く段で総花的にメンバーを使う。
大工が憎からず思う娘の、病んだ母に「志保さん」を宛ててあるのはサービスか。

ロケなしセット撮り
2014/10/17

■ 大岡越前 第十部 第10話「命を賭けた悲哀の捕縄」 1988.5.2TBS

 病の女房のため金を欲した目明しは、ただ一度の過ちで職を失う。しかも彼の弱みを握った同心は、裏で賊とつるみ食い物にする外道だった。
父の汚辱を雪ぐため、遺児となった娘が父譲りの縄術で仇を討つ逸話が泣かせる。

ロケ地
  • 賊の隠し金を引き上げていた同心・倉田のことを忠相に報告する三次、釣りの忠相は嵐山公園中州法面(見上げる構図)。松の具合等から渡月小橋近くと思われるが、中ノ島橋の可能性も。
  • 寿司屋の露店でおりんにやり込められたチンピラが意趣返しに来るくだり、お使い中のおりんがからまれて危ない目に遭う道は嵐山公園中州料亭・錦前(前に茶店をしつらえ、路地のように演出)。来合わせた兵助がチンピラをシメて堀に叩き込むシーンは、錦裏手の掘割護岸法面の犬走り。チンピラが懲らされたことに喜んだおりんが、兵助に父の過去を語るシーンは中ノ島橋下手中州岸、中州舳先部分の南側(遠景に中ノ島橋が映り、通行人が演出されている)
  • 保護されていた養生所から抜け出した以蔵、もう「仕事」をやめたいと倉田に申し出る土手は大覚寺大沢池堤、祠あしらい。凶賊・鬼面組の首領・十蔵に以蔵の始末を支持されていた倉田は斬りかかってくるが、以蔵は抵抗し倉田を刺殺、その後現れた十蔵たちにやられて水に落ちる次第。這い上がってきた以蔵を発見する三次のシーン、橋から見下ろすかたちにしてあり、中ノ島橋の欄干を見上げる構図が挿まれる。
■ 桃太郎侍 第75話「つばめが飛んだ甲州路」1978.3.19日本テレビ/東映

 文七親分を傷つけ、下引二人を斬殺し逃げた強盗を捕まえに、桃さんは甲州・石切宿へ。そのことを知ったつばめは、すずめを巻き込んで追いかける。
起こる事象は砂金強盗とか物騒だが、つばめすずめのドタバタが入り、当の強盗もなんだかコミカル。

ロケ地
  • 急にいなくなった桃さんのことでつばめたちがやきもきしている頃、甲州路の谷川で手を洗う桃さん、清滝河畔。
  • 捨吉が百姓の弁当を盗る田畦、雨宿りで一緒になった商人から金を盗る街道、不明(谷地田沿い、小屋はありもの?)
  • 此より甲斐国野田尻の道標が立つ街道、落合崖道。桃さんは落下岩方向へ歩いてゆく。
  • 丸目浪人に亭主の仇と包丁で切りかかるお軽、藪田神社前交差路。舞殿はまだ萱葺き。桃さんが来合わせ、このあとお軽の店(百蔵が牛耳る石切宿で営業)へ。
  • つばめとすずめが甲州さしてゆく街道、大内か(辻堂の南っぽい)
  • 百蔵一味が御用金を襲う牛首峠、大内付近の山道か。片側切通しの山道、雑木と植林杉混交。両側切通しの個所も見える。
  • 捨吉が護送されてゆく道、不明(田畦?)。唐丸に芋虫入って大騒ぎ。
  • つばめが桃さんを待っていた街道、大内辻堂前。桃さんは北から来て、つばめは辻堂裏から飛び出す。このあと二人は南へ。

2014/10/16

■ 大岡越前 第十部 第9話「見破った偽の証拠」 1988.4.25TBS

 おはな辰三の痴話喧嘩とか、正吾としのぶのほんわかシーンとか、町でいちゃつくカップルとか、ピンクなムードではじまったお話は、志保先生がどスケベ男に襲われた挙句殺人犯に仕立て上げられかかるという、真っ黒い展開に。彼女の潔白を証明すべく、ファミリーはもちろん伊織が懸命に奔走する。

ロケ地
  • 往診帰りの志保、屋敷からよろばい出てきた雙葉屋の若旦那・忠造に出くわすシーン、中山邸参道〜通用門。忠造は「養生所へ行くため」呼んであった駕籠を返し、治療のためと称し志保を寮へ連れ込み。
  • 忠造が殺された時間帯に、弟の利助が女と会っていた浜町の出会茶屋、室内はセット撮りで、伊織とお柳が客を装い調査に入る際の「外観」がロケ。伊織が窓から出て石垣伝いに降りてみるシーン、嵐山公園中州料亭・錦の裏手・掘割側。この後伊織は犬走りを歩き、中ノ島橋たもとで待つ三次のもとへ。
  • 晴れて釈放された志保をやなぎで皆と祝ったあと、志保と二人帰る伊織、嵐山公園中州岸(桂川右岸・堰堤脇、テトラ傍からすぐ上手の堰あたりへ歩く)
■ 桃太郎侍 第74話「フグの毒より怖い罠」1978.3.12日本テレビ/東映

 桃さんのアドバイスを受け、ふぐ料理をはじめた上方屋は大繁盛、しかしたちまち暗雲・客が一人あたって頓死、熊造はお縄に。しかし不審点あり、桃さんが乗り出して調べると果たして事故にあらず、父親二人のやむにやまれぬ哀しい事情が見えてくるのだった。

ロケ地
  • 志村の葬儀が執り行われる寺、金戒光明寺。まず本堂甍がイメージに出て、弔いが終わったあと「寂しい葬式だった」と桃さんに述懐するつばめのシーンは茶所前の床机、このとき本堂縁先を、恋人・忠吉に手を引かれた志村の娘の妙が行く。志村の相客・忠八(忠吉の父)の前歴がわかったと言って寄ってくる文七のシーンでは、背景に鐘楼が来ている。
  • 志村の墓は金戒光明寺本堂裏手墓地に卒塔婆を設置、忠八が来て詫びを述べたり、腹を切ったりするシーンがある。
■ ぼんくら 第1話「忍び寄る影」2014.10.16NHK

 鉄瓶長屋で、殺人事件が起こる。被害者の妹の申し立ては訝しいものだったが、差配とは違った意味で顔役のお徳は、彼女の嘘を飲み込もうとするのだった。
測り魔がハナから出ているほか、新しい差配をチラ見せ。子供もたくさんいて、うるさいくらい賑やかな長屋を演出してある。

ロケなしセット撮り、松竹のいつもの長屋と、いつもの橋が効果的に使われている。
2014/10/15

■ 大岡越前 第十部 第8話「医者は悪事の隠れみの」 1988.4.18TBS

 悪徳医師の処方ミスと見えて、裏には阿片を出す、薬代のカタに娘を売り飛ばすなど、悪行の限りを尽くす一味あり。伊織に死人を見られているので、たちまち忠相の耳に入り、証拠をまって検挙・裁断の運びだが、淋しい男女が思わぬ結ばれ方をするドラマが織り込まれていて、お奉行、お白州で二人を結びつけるという離れ業をしてのける。

ロケ地
  • 娘の死後、とてつもない額の薬代を請求されとぼとぼ帰ってくるさよ、丹次とばったり会い誘われる蕎麦屋(?)、窓から大覚寺心経宝塔が見える趣向。
  • 江戸払いになった二人を見送る忠相と伊織、大覚寺放生池畔。茶店が設営されているが、先に出た蕎麦屋はここと思われる(このシーンでは内部描写はなく、塔も映らず)。あしらいものの道標の傍らに地蔵、丹次が履いていた下駄が供えられている。道標には千住、と書いてあったように見えた。
■ 桃太郎侍 第73話「十手と恋と初手柄」1978.3.5日本テレビ/東映

 熱血若手同心と、孤児を抱えた女掏摸が結ばれるプロセスを描く。
追いつ追われつの二人は、夜道で人殺しに出くわすが、それは公共事業がらみで根の深い事件だった。
財布を取り返してもらって同心に惚れたすずめ、今回も泣きを見るの巻も入っている。

ロケ地
  • 玉川一座の小屋、今宮神社境内に演出。客の財布を掏ったお加代を、目ざとく見つけた立花同心が摘発という次第。このとき、仁兵ヱがむかし立花の父に世話になったことが語られる。
  • お加代が子らと住む小屋、広沢池東岸汀に設営。水は相当に引いている。
  • 桃さんがお加代の事情を立花に話すも物別れの橋、上賀茂神社神事橋
  • 一座を訪ねすずめに財布を渡した帰り、伊勢屋殺しの男を見かけ追う立花、今宮神社境内〜石橋、このあとセットにスイッチ。
  • 立花が大変と喚きながら小屋へ駆け戻る仁兵ヱ、今宮神社石橋〜境内。
  • 晴れて復職した立花を迎えに出る桃さんたち、南町奉行所の門は大覚寺明智門。お加代と子らは大門前の植え込み陰に隠れていて、つばめに促され出てくる。ここで「プロポーズ」。

2014/10/14

■ 大岡越前 第十部 第7話「島抜けが狙った女」 1988.4.11TBS

 島抜けした凶賊は、まっすぐに己を訴人した女のもとへ。彼が返り討ちに遭ったことが、ドラマを作る。
義理の息子に嫌われるのも厭わず鍛え、先代の悲願も果たした女丈夫は、自ら死地に飛び込んでゆく。

ロケ地
  • 正吾をお供に釣りの孫さん、広沢池東岸に桟橋設置。釣れぬのに飽いた正吾が妙な船を発見する運び、葦原にあった見慣れぬ磯船は三宅島のもの。
  • 行商中源助が弥五郎を見かけ隠れる町角、大覚寺五社明神本殿脇。弥五郎は放生池源頭付近で水を飲んでいる。
  • すぐ井筒屋の前を通り女将に合図する源助、サインに気付いたお涼がやって来るルートは大覚寺心経宝塔前〜天神島祠。
  • お涼が義弟の番頭・伊兵衛と会う舟宿、大沢池畔に演出か。「密会の船」は広沢池東岸葦原へ、「女の危機」を三次が荒技で救う。このとき三次が操る船には忠相、お涼を自分の船に移らせて「救出」。
■ 桃太郎侍 第72話「絵筆に賭けた命」1978.2.26日本テレビ/東映

 長屋へ越してきた絵師親子を気遣う桃さん、江戸一と言われるその絵師には、良からぬ輩の黒い手が忍び寄っていた。
絵師への最初の仕掛けとなる殺人、これの導入に、仁兵ヱ・熊造・与之助の面子で「三枚起請」を賑やかにやらかす。

ロケ地
  • お散歩桃さん、スケッチ中のお鶴を見かけ声をかける水辺、大覚寺放生池堤。お鶴が描いているのは対岸の望雲亭、水草の浮かんだ水面に影を落とす図。
  • 春光がガキを使ってお鶴を呼び出しデートする水辺の祠、広沢池観音島。渡る橋の表面に木の造作が見えるが、木橋か「装飾」かは不明。
  • 娘・お鶴をモデルに起用し徹夜で描く梅園、早暁版元の扇屋へ赴く途中襲撃に遭うのは大覚寺参道(並木とどん突きの塀しか映らず)〜勅使門橋上(打擲のすえ腕を斬られる)。桃さんが駆けつけるシーンに、明智門が映り込んでいる。
  • 梅園襲撃犯のチンピラが入ってゆく叶屋寮、大覚寺望雲亭(春光が見ている)。チンピラの件を主に報告する栄助、青龍苑池泉端(このあと春光が叶屋に苦言を呈すも、恩を着せられやりこめられるシーンの「縁先」も青龍苑の建物と思われる←池越しの図、今のどこに当たるのかは不明。巨大な沓脱石が据えられている)
  • デート中、春光の様子がおかしいのに気付くお鶴、広沢池観音島(「池側」から見た、水に突き出た部分の石積みが、崩れたようにランダム。岸から見た図ではそうでもない)。いたたまれずその場を走り去った春光、なんであんな奴の子飼いかと身の上を嘆く木の根方、大覚寺天神島(桃さんが出て立ち聞いたことを詫び、お鶴が父に代わって色を入れている事情を話す)
  • 叶屋から絵を取り返そうとして失敗した春光、夜中お鶴を呼び出し会うのは広沢池観音島(夜仕立ての絵、チンピラが出て二人を駕籠で拉致。見張っていたかん平が阻止しようとするが、池に落とされる)。このあとかん平が這い上がってきて駕籠を追うシーンは、東岸で撮られている。

2014/10/13

■ 桃太郎侍 第71話「親子十手に花が咲く」1978.2.19日本テレビ/東映

 文七親分、グレた倅に手を焼き、挙句は押し込み犯人と思い込んで、もうタイヘン。
しかし桃のダンナは文八の心根をお見通し、見守ったすえ真犯人はサクっと始末、花嫁を仕立てて親分宅に乗り込んでくるのだった。

ロケ地
  • 皆で文八の暮らしぶりを見張るくだり、賽銭泥棒をやり居直る神社は今宮神社摂社、桃さんは稲荷社前あたりにいて微笑。恋人・お町の水茶屋は今宮神社東門内・石橋たもとに設営、ここを出てデートの二人は嵐山公園中州(中ノ島橋下手堰堤端の中州法面、橋映らず/石積際からつばめが見ている)
  • 文七に反抗し家を飛び出した文八が隠れ住む小屋、広沢池東岸汀に設営。文七に見つかり船で逃げ、そこに潜んでいた与之助から逃げるシーンも東岸汀だが、アングルや光を変えてある。

2014/10/12

■ 桃太郎侍 第70話「凧に乗った五百両」1978.2.12日本テレビ/東映

 長屋に越してきた、仲のいい夫婦が巻き込まれる騒動。亭主の国の名主が御用林伐採を嘆願に出てくるが、悪党の目的は汚職隠しと、名主の持つ保証金五百両。血腥い展開となるが、悪事は桃さんに全て知れているのだった。

ロケ地
  • 弥太郎とお京夫婦が売れ残りの凧を売る縁日の神社、今宮さんか。屋台とか多すぎて判別し難い。
  • 名主・忠右ヱ門が嘆願に赴く勘定奉行・横田邸、相国寺林光院。西側の建物を塀越しに見た図も出てくるが、お芝居には使っていない。
  • 帰って来ない名主を案じ、翌朝勘定奉行邸へ確かめに行く弥太郎、途中通る武家屋敷街は相国寺大光明寺南路地(西望、俯瞰。通用門から侍とお供が出て画面奥へ。弥太郎は墓地門の方から来て会釈)。門番と押し問答になる勘定奉行邸は林光院で、中からのアングルも出る。
  • 名主らが土左衛門で上がる河原、罧原堤あたりの桂川か(俯瞰、河原は草ぼうぼう)。仕事帰り?のかん平が通りかかる。
  • 兄上に事の次第を告げるも、対処は難しいと言われる桃さん、大覚寺宸殿縁先。
  • 与之助と話し合う桃さん、橋の欄干に凭れて早く五百両が見つかればと話すシーンは映画村日本橋、そこから見える川イメージは桂川、松尾橋上手・中州合流付近の河原。
  • 弥太郎の供養にと凧を貰った子ら、凧揚げの野原は大覚寺遣水跡芝地。子らを見ていたお京と与之助が虚無僧につけられる道は池畔か(見かけない植物が生えている)。江戸屋までついてきた虚無僧を、逆に尾行しやりこめる与之助、大覚寺護摩堂(金で雇われた囮と知れる)
  • 金のありかを知った代官が先回りし、ブツが隠された凧を子供から取り上げるくだり、大覚寺心経宝塔付近〜放生池堤(子供を放生池に突き落とす)
  • 代官が横田に雪舟の絵を渡す庭、不明(60話と同所、釣殿の四阿があるほか、狭い芝庭のまわりに林と蔵らしき建物も見える。一見、青龍苑のようでもある)
  • 逞しく商いをはじめるお京、祭礼の神社は今宮神社か(画面奥に朱の建物、楼門か)

2014/10/11

■ 大岡越前2 第2話「狙われた越前」2014.10.10BSP

 忠相を弟の仇と狙う女賊だったが、斬りつけたあとで真実を知る。名うての賊を捕縛できたのは彼女のお蔭と大甘判決が下るが、もうひとつ望外の喜びも降ってくるのだった。

ロケ地
  • お使い中のお鈴にからむチンピラ、仁和寺中門前石段下参道。まず忠高が介入し、次いで筧と勘太が割って入る。勘太らは中門から走り出て来る。
  • アジトの飯屋近くに忠相を見た伊佐治、お鈴を呼びにやらせる。お鈴が駆けつけてくるルートは仁和寺九所明神鳥居〜拝殿前(手下が待っていてこっちと誘導)
  • 忠相と伊織がいる茶店、仁和寺茶所。伊佐治の手下とともに挑むお鈴だが失敗、地に転んだお鈴のもとへ元三がよろばい出て奉行は仇でないと言いかけるも、発作を起こし昏倒。この間トイレに行っていた忠高が、手を拭きながら奥から出てくる運び、茶所内の花頭窓が映り込んでいる。
  • 忠高の問いにこたえて、元三に拾われた経緯を語るお鈴のくだり、大覚寺。父母を亡くし幼い弟を連れて飢え、人の財布を盗った茶店、大覚寺五社明神に設営。見ていた元三がさっと姉弟をその場から連れ出し、食べ物を与え諭すシーンは護摩堂、姉弟は縁先に座らされ、元三は池に財布を放る。護摩堂脇にも煮売りの露店が出ている。
■ 大岡越前 第十部 第6話「弱者に誓う大岡裁き」 1988.4.4TBS

 自慢の倅を殺され、無礼討ちで済まされてしまった親爺は荒れ、お上を呪う。そのさまは忠相の知るところとなり、曲折のすえ北町の出した裁きが覆る。憎っくき親子に厳刑を言い渡したのち、奉行は白州に降り立ち手をついて詫びるのだった。

ロケ地
  • 老婆の曳く荷駄を蹴散らし、居合わせた正吾に咎められると金を放り投げタカリ呼ばわりして去る伝次郎ととりまきの京四郎、金戒光明寺東坂
  • 勘太が張り付いて見張る小出邸、不明。
  • 当主の兄に指示され、伍平を始末すべく仲間を集める京四郎、金戒光明寺長安院裏路地(三人で東に走る)、永運院門前(合流して大人数になる)、長安院下坂(忠相が下から来て阻む)、永運院下坂(忠相に斬りたてられ坂をのぼって後退、坂の上から同心たちが殺到・囲む)

2014/10/10

■ 大岡越前 第十部 第5話「呪われた相続殺人事件」 1988.3.28TBS

 連続猟奇殺人の裏に大店の後継者争いと見えて、もっとドロドロの愛憎劇。救い難い魂と、それを生ぜしめた大元に、お奉行はきっぱりと裁可を下すのだった。

ロケ地
  • 下谷車坂の伊勢屋本家、大覚寺望雲亭。夜景で出てきて、有栖川の方から「大榎」をライトアップ。伊織と志保が目隠しをされて連れてこられ、木戸の前で駕籠をおりる。お化け伊勢屋と称され、怪異が噂されている設定。
  • その昔、母子ごと伊勢屋から放り出された先代の隠し子・捨吉を捜しまわる正吾と勘太、疲れて寝転ぶ土手は大覚寺大沢池堤法面。このとき、伊勢屋の後家(当主の母・おちか)が大沢池堤上を駕籠で行くのを見る次第。
■ 桃太郎侍 第69話「おれはお江戸のダメ同心!」1978.2.5日本テレビ/東映

 桃さんや文七の捕物の際たまたま居合わせ、たいそうなお手柄となる青柳同心だが、当の賊の情婦にハメられるなど、おあとが宜しくない。
それもつばめの機転などで切り抜け、しくじった縁談も戻ってきて、なんとかめでたく締められるのであった。

ロケ地
  • 大盗・吉蔵を尾行する文七、今宮神社楼門。このあと吉蔵は神輿庫前に設営された茶店へ、文七に呼ばれて合流の桃さんは楼門前石灯籠陰に潜み見張る。ここへ、遅刻して出仕の青柳同心が石橋を渡って現れ、何も知らず茶店へ→パニくり吉蔵が斬りかかり・桃さん介入→吉蔵逃走・セット町なみへスイッチ。
  • 南町奉行の息女とお見合いの青柳、料亭イメージの門は萱葺で扉が細竹編みのアレ。

2014/10/9

■ 大岡越前 第十部 第3話「巷の噂を買う女」 1988.3.14TBS

 貧乏人は相手にしないと公言している女金貸しのお甲、では金持ちがわざわざ高利で借りるかといえば否、彼女は人のネガティブな情報を金で買い、恐喝に等しい商いを重ねていた。
しかし天に吐いた唾は身に返り、むかし手放して会いたいと切望していた我が子を窮地に追いやってしまうのだった。

ロケ地
  • お甲の手口を探るため、三次を使いネタを仕込ませる忠相。ネタに使った伊織に、訳を話しておくよう三次に頼むシーンは渡船の船上、広沢池東岸寄り。
  • お甲がいつも来ている、奇縁氷人石がある神社、導入の楼門は今宮神社楼門、石を演出してあるのは境内と思われるが、特定困難。
  • お甲の指示で浪人・田村に濡れ衣を着せる半次、彼の申し立てに従い凶器を求め川を浚う同心たち、中ノ島橋下手川中。見物衆は橋の上に。勘太が脇差を発見。
■ 大岡越前 第十部 第4話「華のお江戸の意地競べ」 1988.3.21TBS

 定番ネタ・三方一両損、今回は財布を落とした側と、それを届けた側と、大岡ファミリーが二派に別れて反目というのを強調してある。
意地を張り合う、江戸っ子二人とその身内の芝居も良し。久々のオフに寛ぐ忠相が、配下の過ごし方を案じる静かなひとときが導入になっていて、場面変わるともう辰夫婦の大喧嘩で、以降そんなシーンばかりたたみかけるように続いてて笑える。

ロケ地
  • 着物を買ってやるとおはなに啖呵を切った辰三、先立つものが無いので幼馴染みの植木職・清六に相談に行くシーン、清六が仕事中の「庭」は梅宮大社神苑、門近くで木を手入れ、辰三は石橋のところに。
  • 財布を拾って届けた魚屋・宇之吉が恋人・お町とデートの聖天さま、大覚寺護摩堂縁先。導入は心経宝塔。

2014/10/8

■ 桃太郎侍 第68話「浮かれ女も恋をする」1978.1.29日本テレビ/東映

 薄倖の女散る、哀話。
寄場を出たあと桃さんに拾われ、更生しようとしていた女だが、桃さんが患者に与える人参代に難儀しているのを見ていたたまれず、昔の悪い仲間に接触、悲劇を呼んでしまう。

ロケ地
  • 釣り帰りの桃さん、走る子らと行き会う土手、大覚寺放生池堤(放生池は草ぼうぼう)。このあとセットにスイッチ、佃島人足寄場の荷揚場で作業をするおようと出会う(柵の向こうとこちら)
  • 職探しをするも不調、妾に誘われ怒って出てきたおようが佇む桟橋、広沢池東岸汀に設営。ここで声をかけてくるオヤジもスケベ目的。
  • 疲れて座り込みうたた寝するおよう、今宮神社石橋。懐にしていた寄場の下され金を盗られ、追っかけるが逃げられてしまうのは摂社・稲荷社間の路地。
  • むかし関係のあった佐平次と会ってしまい、出会茶屋に連れ込まれヤバい仕事に誘われるも、火箸で刺して逃げてくるおよう、走る土手は放生池堤か(手前の「湿地」は草ぼうぼう)
  • 丸屋へ侵入し金を盗って逃げてくる佐平次たち、中ノ島橋付近河川敷、岸辺。約束通り頭巾の侍と合流するが、三人とも使い捨ての道具として斬られてしまう。深手を負ったおようが逃げて力尽き欄干に凭れる橋、中ノ島橋(橋たもとを芝居見物帰りの仁兵ヱらが来て、おようを発見。このとき、橋下手から側面を望むロングの絵も出る)。夜間撮影。

2014/10/7

■ 大岡越前 第十部 第2話「匂い袋に隠された殺意」 1988.3.7TBS

 もとより圧力がかっているところへ、兵助の勇み足で老中に叱責される忠相だが、阿片まで持ち込む悪党どもに対し全くひるまない。ばかりか仇討ち志願の女たちをも気遣い、危機には連係プレーで救出もする。
病んでいた一人は甲斐なく散るが、残った一人はやなぎに身を置くことになるのだった。

ロケ地
  • 怪しの船が夜に通る船番所、罧原堤か(真っ暗)。臨検されかかるが、新川屋の名を出すとあっさりパス。
  • 夜中、由紀が祈願に訪れる神社、鳥居本八幡宮本殿。忠相が現れて仔細を問うが、由紀は逃げ去る。設定は前話と同じかどうか不明。
  • 由紀らの墓、不明(五輪塔の大きなのが目立つ。松方金さんでよく出ていたアレかも)。設定は由紀らを匿ってくれていた千光庵。
■ 桃太郎侍 第67話「すずめの初恋」1978.1.22日本テレビ/東映

 易者の営業トークからはじまった、すずめのマジな初恋。しかし相手の男は悪事に手を染めたはぐれ者で、だいいちすずめを意識しておらずとうてい成就する恋ではなかった。
すずめを傷つけたくないつばめと桃さんの奔走は報われるが、心根はいい奴だった辰造は悪党の手にかかってしまう。

ロケ地
  • 呼び込みをしていて三人組の掏摸を目撃したすずめ、思わず一人で追っていくが囲まれてしまいピンチの土手、広沢池東岸。草叢から辰造が出てきて三人をやりこめ、すずめを助けて財布を取り戻す。
  • また掏摸をはたらいた三人組、上がりが少ないのにクサっていると兄貴分の辰造が現れ、小判を投げて大口の仕事に誘う川端、広沢池東岸汀葦原脇。
  • 三人組のアジトの小屋、広沢池東岸汀に設営。後段にも登場。
  • すずめが祈願に行く、小屋近くの稲荷、今宮神社稲荷社。ここに辰造が通りかかり再会の運び。三人組のヤサのひとつの神輿小屋がこの近く設定で、後段にも出る。若宮社陰に小峰さんが潜み、辰造を見張るシーンも。

2014/10/6

■ 闇の狩人 後編 2014.10.5時代劇専門チャンネル

 前編で広げられた風呂敷が、小気味よく畳まれてゆく。
弥平次夫婦が弥太郎を我が子とも思う心と、恩だけでなく夫婦を好きな弥太郎の心は遂に呼応し、互いを闇から引き上げる力となる。

ロケ地
  • 新兵衛の依頼で谷川が刺客となり弥平次を襲うくだり、舟宿を出た弥平次の動向が見張られている掘割のシーンは八幡堀、明治橋下など堀端をあちこち使って表現。斬りかかってすぐ相手が弥平次と気付く谷川のシーンは大覚寺五社明神摂社祠付近、有栖川河床から見上げたアングル。咄嗟の打ち合わせで立ち回りは続き、弥平次は堀へドボン・これは有栖川へ飛び降りているのだが、水音を被せたうえ広い水面にスイッチし「堀へ落ちた」絵を作ってある。
  • 前金を返し仕損じ料を新兵衛に渡す清右衛門、密会の屋形船は大覚寺大沢池に浮かぶ(船内はセット撮り)
  • 見張られていることに気付き、夜を待ってよしのやを出る弥平次、尾行を承知で築地方面へ向かうくだり、セットから八幡堀へスイッチ、弥平次が船をおりるシーンには杭を置いて船着を表現してある。浪人たちが襲うが、谷川が防ぐ。
  • 谷川の記憶を取り戻すため、木挽町へ出向き土岐家上屋敷を見せる弥平次、大覚寺明智門。おちかが勤めていた料亭の少し先にある舟宿・ひたちや、錦水亭。ここの女将・お吉から、谷川の素性が知れる運び。東屋の門と内庭の橋を使い、昼夜両方のシーンが出る。
  • お吉の想像というかたちで出る、若君毒殺の陰謀を調べ上げ国元へ向かう「笹尾」が行く街道、酵素ダート。これが金引の滝で倒れていた若侍のシーンにつながる。
  • おみちに会いに駒込の小屋へ行った谷川、帰り道で弥平次を襲った浪人(谷川に峰打ちされた奴)に見つかり、新兵衛も出て囲まれてしまう神社、鍬山神社。立ち回りは本殿裏手で行われる。境内の「用水」を新兵衛の手下が走ったりするシーンもある。
  • おみちを連れて江戸を出ようとした谷川、待ち合わせの神社は走田神社、おみちは小鳥の駕籠も持って本殿前灯篭の傍らに腰掛けて待つ。谷川は参道を来るが、清右衛門が現れて仕掛を強要、おみちは伊太郎に押さえられてしまう。
  • 谷川たちの危機を救い戻ってきた弥平次、おしまの待つ宿は前編で釜塚のおかしらが居た品川の宿か(夕映えの海が窓から見えている)
  • 弥平次が足を洗って三年後、夫婦で出かける坊主の湯、金引の滝前を通り、馴染みの宿へ(セット、廃業している演出)。市兵衛が現れ、いい宿があると案内するくだり、愛宕参道鳥居平野屋(提灯には「谷川」と書かれており、赤子を連れた夫婦が出てくる)

2014/10/5

■ 闇の狩人 前編 2014.10.4時代劇専門チャンネル

 湯治場で記憶喪失の若侍を拾って保護した弥平次は、別れたあとも彼のことが気になってしかたない。
江戸へ戻った弥平次は、ある夜人を斬り殺す侍を見るが、果たしてそれはかの弥太郎。闇におちた青年を救い出そうとする弥平次だが、自身も「稼業」の跡目をめぐるトラブルで、退くもならぬ暗がりへ踏み込んでゆくのだった。

ロケ地
  • 弥平次が湯治に来ている坊主の湯(上州と越後の国ざかい)の湯元、保津峡落合汀に掘っ立て小屋設営・スモーク演出。宿へ帰る途中、倒れている若侍を見つける滝、金引の滝。崖から落ちた的を捜しまわる侍たち、大覚寺五社明神本殿脇・有栖川河床から見上げ。
  • 宿も家捜しされたため、弥平次が若侍と二人隠れる脇湯の小屋、酵素河川敷。降り口付近に設営。三日経ち当地を離れる弥平次、女房のおしまと合流し行く山道は酵素ダート
  • 釜塚の金右衛門一党がお盗めをする夜のイメージ、八幡堀(堀に影を落とす蔵を撮ってある)
  • 金右衛門おかしらが弥平次を呼び、己の死後のことを相談する品川の宿、窓から見える海はマジ海か。
  • おかしらの死後、跡目についての何度目かの寄り合いに出かけてゆく弥平次、渡る夜の橋は八幡堀白雲橋で降雪演出。谷川弥太郎が人を斬るのを目撃するシーンは大覚寺大沢池木戸、ここにも雪。
  • 身辺に危険が迫ったため浅草の三政から葛飾渋江村へ引っ越す弥平次夫婦、家のイメージに広沢池東岸「萱葺民家」をロングで。除夜の鐘、金戒光明寺鐘楼(今年は浅草の観音さまへ行けない・毘沙門にでもと夫婦の会話あり、題経寺か)
  • 五名の元締の回想、信州追分で谷川弥太郎と出会った道、大覚寺遣水跡(六地蔵をあしらい、弥太郎は破れた衣を着てそれの傍らに蹲っている)。弥太郎に竹筒の水を呉れて去る清右衛門、直後追い剥ぎに遭うのは遣水近くの竹林か(弥太郎が浪人どもを撫で斬り)
  • 伊藤又右衛門とツナギをとる清右衛門、法事の寺は西教寺大師堂唐門前にお供と駕籠が待つ絵。内部はセット撮り。
  • 豆問屋を襲った凶賊は伴助一味かもしれないと弥平次に告げる与平、広沢池東岸葦原傍・船上。
  • 伴助の情婦の店を見に行った与平、戻る際弥太郎とぶつかり笠を落としてしまう町角は日吉の馬場(里坊から出てきてぶつかる図、路地に見立ててある模様)。このとき弥太郎の顔を見た中間が、居所を突き止めて伊藤又右衛門に報告する際に出る屋敷イメージ、大覚寺明智門(土岐丹波守下屋敷)
  • 弥太郎が暗殺仕事をする夜道、日吉の馬場。使いの助五郎に案内されて行く。清右衛門が見届けに来ていて、里坊の門内にいる構図。山向き、琵琶湖向き両方のアングルが出てくる。
  • 伴助を始末したあと、金右衛門の墓に参る弥平次、西教寺墓地

2014/10/4

■ 大岡越前 第十部 第1話  1988.2.29TBS

 大目付に次いで、丸岡藩の江戸家老が暗殺される。犯人はいずれも女、しかも忠相が牛天神で助けたご婦人と同じ香りを纏っているのだった。
町方には、老中から捜査差し止めの圧力がかかるが、大岡越前が黙っているわけはないのであった。

ロケ地
  • 由紀がお百度を踏む牛天神、鳥居本八幡宮。鳥居下にへたりこんだところへ忠相が通りかかり保護、養生所へ。設定は小石川金道町か。
  • 越前丸岡城、本物の天守をイメージに。
  • 田島や若狭屋が処刑された刑場、酵素河川敷
  • 大目付・井野を殺害後、追手に迫られ自刃し入水したくにの死体が上がる川端、広沢池か(泥っぽい湿地?)
  • 勝田邸の庭、中山邸庭。獅子吼の庭の巨石や、無畏庵が映り込む。
■ 桃太郎侍 第66話「嘘とまことの仇討悲願」1978.1.15日本テレビ/東映

 騙りの男女、実は仇討ちのため潜伏している武士の兄妹。彼らの仇は御霊屋坊主になりおおせており、商家を脅して多額の金品を得ていた。
桃さんの知るところとなった時点で悪党お陀仏は決まっているが、仇討ち制度を嫌う兄とか、クソ坊主の後ろに幕閣とか、味をつけてある。

ロケ地
  • 与之助がサクラ商売をしているところへ、神崎兄妹の刃傷芝居がなだれ込む浅草寺境内、仁和寺塔前路地。茶店等露店あしらい。
  • ニセ手紙でおびき出され屋敷を出てくる宗達、相国寺大光明寺門。行くと座敷に兄妹、逃げようとすると桃さんという、馬鹿な図。
  • 宗達の死体が検分される川端、広沢池東岸汀。兄妹は土手から眺める。
  • いったん国へ戻る兄妹を見送る桃さん、仁和寺金堂前参道石畳。塔を見上げるシーンがある。

2014/10/3

■ 大岡越前2 第1話「町火消し誕生」2014.10.3BSP

 お忍び上様が火災消火の実情に触れたことで、かねてより忠相が内申の、町火消し実現に向けて事態が動く。
この間、鳶の若者が火事場でガエンに殺されたり、火事場泥棒をはたらいた直参の悪事が露見したり、竜吐水が作られたりと、エピソードが散りばめられる。

ロケ地
  • 南町奉行所、大覚寺明智門。ガエンを洗うよう、源さんから指示が出るくだり。
  • ガエン・定八を見張る筧たち、定八が直参・佐久間忠蔵に接触する「物陰」は仁和寺黒門脇蔵の裏手(塀との間)。ラックに竹が挿し込まれている。
  • 卯之吉が死亡することになった火災現場イメージ、炎上する蔵の下に演出されている水面は桂川か。
  • 江戸城イメージ、皇居富士見櫓等外観ロング。忠相が上様に会う縁先、金戒光明寺方丈縁先・紫雲の庭側。鳶の件で若年寄から捻じ込まれたと上様に皮肉を言われるものの、町火消しについて手応えを得る場面。
  • 忠蔵をつける筧たち、仁和寺塔下林間。このあと忠蔵が定八と接触し斬り殺す茶店跡は仁和寺茶所、お休み処と書かれた破れ障子が中に重ねて置かれているほか、葭簀がずらっと下げられている。
  • 上覧の出初式、江戸城イメージに皇居大手高麗門。各組の纏が揃う庭は金戒光明寺方丈前庭・上様や幕閣は方丈縁先に。道場の煙抜きが映り込んでいる。
■ 桃太郎侍 第65話「桃太郎一家のお正月」1978.1.8日本テレビ/東映

 大晦日、時そば宜しく一文をごまかした男を追った熊さん、欲をかいて大口に引っかかる。みんなの金もパァで殺気だつが、桃さんの手配りでスピード解決、除夜の鐘が鳴り終る頃には鬼退治も済んで、忘年会はそのまま新年会へなだれ込み。

ロケ地
  • 蕎麦代をごまかした男の口車に乗せられ、熊造が連れ込まれる寮、大覚寺望雲亭(入口のみ使用。緑が少なく、竹垣が目立つ)。詐欺のネタは、入れた金が十倍になる茶釜、寮は越後屋の持ち物で、こやつが黒幕。
  • 熊さんを騙したよろず問屋(中の人は右平次)が入水の態で見つかる池、大沢池か(夜)

2014/10/2

■ 大岡越前 第九部 第26話「吉宗暗殺仇討ちの陰謀」 1986.4.21TBS

 奉行所に仇討免状持参で助力を願い出る男女あり、受け付けた源さんは仇の人相書きを見て大いに驚愕、描かれた顔は上様に酷似していた。
で、当然お忍びで町歩きの上様に「父の仇」とか言って斬りつけるのだが、これを見ていた悪い奴がいて、男女は将軍暗殺の道具として取り込まれてしまうのだった。

ロケ地
  • 鳴海屋が出した偽りの訴状を見て即飛び出す上様、馬を駆って着く渡し場は罧原堤下河原に小屋や船着を演出。船頭は三次、船の先客は伊織で、これ以上の無茶は阻止される。
  • 鳴海屋が「仇を討たせるため」綾乃たちを連れてくる野原、酵素河川敷。現れたのは鳴海屋の意に反し本物、次いで忠相が現れる。鳴海屋が伏せてあった浪人たちとのチャンバラが展開される。
■ 桃太郎侍 第64話「さよならだけが人生だ!」1977.12.25日本テレビ/東映

 父と名乗らずにいた忠次、おみよ誘拐という非常事態で思わず皆に言ってしまう運び。当人には黙っていようと桃さん気を遣うが、さすがにおみよは気付いていた。
桃さんに親分奪還を阻まれた盗賊団が仕掛けてくる次第だが、癖の強い悪役陣がずらりと揃い迫力。

ロケ地
  • 母の墓の所在を聞かれたおみよ、忠次を呼び出して父のことを問い詰める水辺は大覚寺大沢池畔。
  • 桃さん宅へ仕返しに殺到した賊・稲妻組、外へ走り出てのチャンバラは大覚寺境内か(夜)
  • 釣りに出かけて銃撃される桃さん、広沢池東岸。スナイパーの半次は土手の木の陰に。
  • おみよをさらったという投げ文を見てすぐに出かける桃さん、ついて行くという与之助を返す町角は大覚寺五社明神。指定場所の采女ヶ原は大覚寺境内林か。夜間撮影。
  • 助け出されたおみよ、忠次のことを察し呼ばわりながら追ってゆく道、藪田神社脇の橋か(彼岸花咲き乱れる土手、欄干のある木橋があって、忠次はその下に隠れる。橋越し遠景には、萱葺民家が散見される)
  • おみよが去ったあと、一人歩みだす忠次、渡る橋は若森廃橋。ここに、井伏鱒二訳「勧酒」の一節が被される。

2014/10/1

■ 大岡越前 第九部 第25話「怨みを買った男」 1986.4.14TBS

 意地のわるい目明しに陥れられ、負わでもの重罪を着るところだった男。忠相たちの慧眼は冤罪を見逃さなかったが、男はいじけて後ろを向く。これのケアまで付いているところが、本作のミソ。

ロケ地
  • 解き放ちになった囚人たちが出頭する回向院、毘沙門堂薬医門と坂。
  • 権次が芳松を監禁してあった空家、表は映画村のセット、兵助たちに踏み込まれ戸を蹴破って逃げる裏手は広沢池西岸湿地に「戸」を演出。すぐ水辺という設定で、権次はばしゃばしゃと水を掻き分けて逃げるが、柳の向こうに忠相がいて通せんぼ。
  • 晴れて釈放となった芳松、「証言者」おやすに引き取られ野良仕事をして暮らす亀戸の在、北嵯峨農地の畑(池近くと思われる)
■ 桃太郎侍 第63話「泣き笑い侍人生」1977.12.18日本テレビ/東映

 兄を訪ねるも藩邸で門前払いを食う娘、これが居合の遣い手で仁兵ヱに拾われて、娘の抱える厄介ごとは桃さんのもとへ持ち込まれる。彼女の兄は挙動不審、藩邸にいるのに会わず、どころか頻発している両替商荒らしの二本差し一味の疑い濃厚。その行動にはもちろん深い訳があった。
タイトルの笑いの部分が疑問の、悲惨な話。

ロケ地
  • 藩邸で門前払いを食ったあと掏摸にやられた志乃、叩かれ芸の浪人を叩いて金を持ってゆく雑踏、今宮神社境内・神輿庫の前あたりに茶店など賑やかにあしらい。
  • 側用人・牧野邸へ入ってゆく沼田藩江戸家老の駕籠、相国寺大光明寺門。つけてきた与之助、探ろうとして南通用門に侍がたむろしているのを見て舌打ち。
  • 桃さんに兄はすっかり変わっていたと話す志乃、上賀茂神社ならの小川畔。
  • 牧野邸を調べてきた与之助、桃さんに報告の町角は大覚寺五社明神本殿前。
  • 桃さん宅へやって来た志乃の兄・左近、話があると連れ出すのは大覚寺五社明神祠脇を抜けて大沢池畔へ。ここで強盗のことを指摘され抜くが、つばめが志乃と許婚者を連れてやって来て水入り。
  • 夜、牧野邸から出る駕籠、相国寺大光明寺門〜方丈塀際。入るのは大覚寺望雲亭、ここで沼田の家老にさらなる金を要求。
  • 帰邸する牧野の駕籠を襲う左近、相国寺弁天社前〜鐘楼。駕籠をぶっすりやるが中はカラ、牧野は鐘楼基壇に立っていて、膾にされた左近を足蹴にし脅す理由が増えたと高笑い。
  • 国へ帰る志乃を見送る桃さんたち、上賀茂神社神事橋たもと。奈良社鳥居や、二の鳥居続きの朱玉垣が映り込む。

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