時代劇拝見日記
2015年4月

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2015/4/30

■ 大岡越前 第十五部 第16話「髪結い姉妹の殺意」 1999.1.4TBS

 たくさんの人に深刻な迷惑をかけていた悪い浪人の死は殺し、怨恨が錯綜してたいへんだが、お奉行は慎重かつ情をもって事に当たるのだった。
伊藤高の悪者ぶりが熱入ってて、ほんっとに憎たらしい。

ロケ地
  • 桐山「殺害」現場の常念寺、法輪寺。桐山が難に遭うのは夜、検分等は昼間の絵で、山門から石段中ほどが使われる。石段落ちもある。
  • 河内屋のアリバイを証言した老爺の倅・安吉に聞き込みをする同心たち、罧原堤下河原(川普請現場)。安吉も桐山の被害者。
■ 桃太郎侍 第203話「逃げろ! 田之助 絶体絶命」1980.9.7日本テレビ/東映

 座興につきあわされ、源氏坊なる御落胤に扮する田之助だが、わるい企みをもった侍に見られ、ほんものの御落胤騒動に巻き込まれてしまう。しかも騙す相手は次期将軍と目される一橋卿、兄上に頼まれ探っていた桃さんにより田の字は助かるが、八王子から連れて来られていた御落胤の祖父は始末されてしまう。

ロケ地
  • 「一橋卿の御落胤」騒動を演出する、側用人・中田石斎邸、相国寺大光明寺門。門を物陰から見遣る桃さん、「娘の寵愛をよいことに権勢をふるい幕政を壟断する奸物」と説明的に呟くところへ、呼び出されたつばめが来る。自分は八王子へ行くと言い、つばめに中田邸探索を依頼。
  • 八王子帰りの桃さん、秘密を知る一人の和尚が殺されていたことを兄上に報告する庭は青龍苑、茶亭まわりと思われる。
  • 一橋卿と対面する「御落胤・源氏坊」田之助、青龍苑池畔。田の字と言葉をかわし卿が去ったあと、弥平爺さんが中田の家来に追われつつ走り出てきて卿を呼ぶ。
  • 桃さんに逃がされた田の字と弥平、中田邸を出てくるシーンは相国寺大光明寺通用門・塀際を東へ。飛び越える溝は相国寺弁天社裏の「川跡」、稲荷裏へ出て、このあとは広隆寺東塀際(境外)へスイッチ、そして映画村セットへ。

2015/4/29

■ 大岡越前 第十五部 第15話「思い込み」 1998.12.21TBS

 仇討ち奇譚、十年もの間逃げて追っての間柄が、ある事件のため庇い庇われる関係に逆転。武家の掟のむごさ馬鹿らしさがクローズアップされ、「思い込み」の激しい男は抵抗しつつ折れるのであった。

ロケ地
  • 小五郎が大黒屋殺しの下手人とされ逃亡したあと、屋形船で密談する大黒屋の弟と妾と「実行犯」の浪人、船がゆく川は広沢池東岸。後段、早や主人気取りの弟が妾と忍びあうシーンも同所、桟橋に船が舫っており、見張りの同心たちが土手に。
  • 易者・平内の素性を洗う赤垣、行き倒れの彼を助けた和尚に聞き込みのシーンは大覚寺聖天堂前、寺男が落ち葉を焚く演出もある。
  • 身分を明かし小五郎の姉・弥生と話す忠相、大覚寺天神島木の根方。
  • 拉致された弥生を取り戻しに行く小五郎、下鴨神社河合社裏手糺の森、中に入るシーンはセットに切り替え。設定は、今戸龍雲寺裏手にある空家。
■ 桃太郎侍 第202話「大江戸翔んでる女たち」1980.8.31日本テレビ/東映

 つばめの同窓会、自慢話の輪からはじかれた独身女三人は二次会で気炎を上げるが、結局「アタシだってお嫁に行きたい」。つばめの友二人は、自分の「男」を使って桃さんの気を惹く芝居を打つが、それは互いの絆を確認する作業となる。もちろん、筋にからんで悪党が出て、鬼退治もちゃんとある。

ロケ地
  • 釣りをしている桃さんのところへ、つばめと、芝居を命じられた瓦版職人の幸吉が来て濃厚ラブシーンを演じようとするも失敗の土手、大覚寺大沢池堤。桃さんは土手法面汀に座り釣り糸を垂れる。田之助と仁兵ヱも一緒にいて、芝居の二人を見てゲラゲラ(先の若旦那の芝居の際に見破り済み・桃さんは知らんぷりしてやれと二人を叱る)
  • 友人二人の恋をまとめてやれと桃さんに言われたつばめ、文字春師匠にその旨伝え、心を鬼にして一旦若旦那を追い出せとアドバイスする草叢、大覚寺大沢池(先の土手もこちらも、草深い)

2015/4/28

■ 大岡越前 第十五部 第14話「小さな出会い」 1998.12.14TBS

 忠相が川端で知り合った子供は、穴場を教えると約したのに来ない。その、来れない訳を出来させた「制度」を改めるに至るプロセスを描くお話。
たぬきでなされている、連座制についてのわざとらしい会話が笑える。

ロケ地
  • 大川に糸を垂れる非番の忠相、嵐峡汀。友吉が寄ってきてまた坊主かと声をかけ(ここしばらく観察されていた)、明日穴場を教えてやると約束。来なかった友吉を、お奉行に言われて捜す半次のシーンでも出てきて、船着きあたりも使われる。
  • 菊江を使い、番屋に留置されている宗吉の妻子と弟の友吉を外に連れ出す雪絵、嵐峡端護岸(嵐亭生垣前の石積に妻子を腰掛けさせ/雪絵が友吉に浮子を与え励ますのは嵐峡汀)
  • 奉公先の大旦那に命じられ釣りに行く友吉(雪絵の工作)、「前に約束したご浪人さん」が釣っている大川端は嵐峡汀。穴場を教えるため渡る橋、中ノ島橋(ご婦人に貰った浮子と、浪人の持っているそれが同じなのに気付き?の友吉)
■ 桃太郎侍 第201話「当るも八卦当らぬも八卦」1980.8.24日本テレビ/東映

 阿漕な先代を持った両替商は、恨みが己に降りかかることを恐れ気鬱に。易者に見てもらうと「大勢の人の親への恨みが深く、寿命はあと七日・善行を施せばあるいは」の御託宣、ここから金撒きまくりのドタバタが繰り広げられるが、事は先代にマズい書付を握られていた勘定奉行の企みから発しているのだった。
なよっとしている癖に、気の強いところもある当主を演じる石山律雄、ノリノリ。

ロケ地
  • ちきりやの現当主・伝次郎に頼み込まれ、転地療養についてゆく桃さん(+お目付けのとん太)、街道は北嵯峨農地竹林際(地蔵あしらい)。伝次郎は、駕籠か馬を使おうとゴネるほか、誰かがついてくる・物陰に誰か潜んでいると脅えて桃さんを困らせる。行き先は江ノ島のもようだったが、このあと旅籠で就寝中に店が火事になっているとか騒ぎ、結局江戸へ立ち戻り。
  • 易者の託宣後、施しをすることになり、とん太とおさよが「大施粥」の幟を立てて呼ばわって歩く橋、中ノ島橋上。橋下に巣食う乞食や夜鷹が出てくるシーンは流れ橋下にスイッチ、橋脚の間に蓆小屋演出・カメラ上から。

2015/4/27

■ 桃太郎侍 第200話「つばめの恩返し」1980.8.17日本テレビ/東映

 つばめが昔世話になった姐さん芸人がやって来るが、人の懐をあてにして散財する、客と喧嘩して舞台をおりてしまうなど、ちょっと困ったヒト。根はいい人なので、皆してなんとか立ち行くようにはからうが、それが裏目に出てしまう。
やっと手に入れた塒の青畳を愛で、故郷に錦を夢見た、姐さん哀れ。

ロケなしセット撮り
2015/4/26

■ 桃太郎侍 第199話「親子を取り持つ一ツ毬」1980.8.10日本テレビ/東映

 訳ありっぽい大道芸人夫婦、一つ所に居られぬ深い事情あり、加えて亭主の母の老婆との葛藤。阿片の運び屋として使われていた夫婦だが、田之助が鞠芸の稽古を思いついたことから、事は馬鹿な発覚の仕方をする。

ロケ地
  • 桃さんたちが勝次郎の鞠芸を初めて見る町角、仁和寺水場下。石畳まわりに露店演出。
  • 勝次郎夫婦が訳ありと気づいた桃さん、夫婦が立つ回向院境内に行くと、わざと鞠を落として「交換」の手口を見るシーン、仁和寺観音堂脇。九蔵親分が出張っていて、売人らしい男を追ってゆく・桃さんには目くばせ。この日の帰り、夫婦が座り込み、こんなことを続けていると芸がダメになると沈むお堂基壇、仁和寺経蔵。桃さんがやって来て、鞠を落としたのはわざとか問うシーンには、林越しに塔の頂部が映り込んでいる。
  • 久しぶりに芸を完遂し喝采を浴びる夫婦、仁和寺水場下。稼ぎの多さに喜んでいると、売人が現れ「交換」への協力延期を強要する町角は大覚寺護摩堂前。その後、自分のせいと詫びる女房のシーンは大覚寺大沢池畔。

2015/4/25

■ 大岡越前 第十五部 第13話「母恋し!」 1998.12.7TBS

 御落胤悲話、今回は吉宗のそれではなく、先々代家宣公の姫さま。時の目付役が危険と判断し消されるところ、将軍の密命を受けた侍が守り育ててきたが、病を得て余命幾許もないと知った「姫」はおっ母さんに会いたいと望み、「養父」は時の将軍に縋るのだった。

ロケ地
  • 江戸城イメージ、姫路城天守。吉宗が目安箱を開けて、丑松の訴状を見て「ただちに忠相を呼べ」とやるくだり。
  • 吉宗の命を受け。丑松の住む漁村へ赴く忠相、海イメージの断崖、不明。漁村風景はセット撮り。丑松(侍の時の名は明かさない)が語る、目付の刺客が母子を襲った林、下鴨神社糺の森(足を痛めた母から赤子を預かり「丑松」は逃走)
  • 病篤い姫・さちは養生所へ入れたと吉宗に報告する忠相、二条城清流園(植込みと芝地)
  • 母に会いたいという姫の願いを知った吉宗の回想、姫と同じく父の気まぐれで出生した赤子の吉宗が母と離される日(迎えの侍が赤子を連れ去る情景)民家玄関。悪ガキ「吉宗」が駆け回る竹林、北嵯峨か。やがて迎えられた紀州の城イメージ、和歌山城天守(遠景)。そのお城の庭での野点の席にいたずらをする「若様」吉宗、二条城清流園芝地。
  • 姫の母を捜しに小金井村へ赴く同心たち、道標のある野道は鳥居本八幡宮付近の地道・山際。名主一家が皆殺しに遭ったのは野盗の仕業ではないと話しながらお昼をつかう一行、北嵯峨農地田畦。むかし「姫の母」らしき娘を助けたという和尚に聞き込みのシーン、鳥居本八幡宮舞殿を崖下から見上げのアングルで。
  • 商家の女将におさまっている姫の母・おときを説得に行く雪絵、二人話す神社境内は上御霊神社、北門近くの水場近くでお芝居、カメラぐるっと回る。
  • 姫が母と会ってすぐ落命した顛末を忠相から聞く吉宗、二条城清流園池畔。
  • 吉宗の命で「養父」丑松を追う忠相、雲水となって西へ下る丑松に追いつき、密命を果たした事に対する将軍からの労いの言葉を伝え、供養料の下賜金を渡す街道、下鴨神社馬場
■ 神谷玄次郎捕物控2 第四回「密告」2015.4.24BSP

 神谷の朋輩・鳥飼に迫る暗い意思は亡父がらみ、父が使っていたタレコミ屋と元上司が扼殺され、妹にも魔手。
友のため夜っぴて調書を精読する玄次郎をからかうおさく婆さん、徹夜明けの差し入れが粋。

ロケ地
  • 調書から見つけた「じじい」の件を例繰方に聞いての帰り、玄次郎があくびしながら歩く堀端は八幡堀堀端。この前に挿まれるイメージカットの木は美崎公園か。
  • 高柳邸で検分して帰りの神谷ら三人、考え込んでいた神谷が「ユリイカ」の道は仁和寺脇参道(東門から入って西へ・南北の参道と御殿の塀越しに白書院甍を望む図)

2015/4/24

■ 大岡越前 第十五部 第12話「罪を着た男」 1998.11.30TBS

 持ち逃げ犯を見つけて騒ぐ男だが、被害者のはずの番頭が「盗っ人」を庇って逃がす。謎は白州で明かされる作り、伊織先生手術二件入って大忙し。

ロケ地
  • 養生所薬草園、大覚寺梅林に演出。忠相が、重篤な番頭の診察を依頼にくるくだり。秩父から来た正助(実は卯之助)が薬草を植えているところへ顔を出す運び。手配書を見て気付くというシーンの伏線。
  • 番頭を刺して逃げていた亀吉を見つける夏目たち、中ノ島橋たもと(煮売り屋台で飯をかっ込む亀吉)〜橋上(居合わせた子供を盾にとり、直後身を躍らせて逃走・ちょうど下に船が)
  • おそのが卯之吉から簪を貰った思い出のやしろ、鳥居本八幡宮。鳥居前に朱鳥居を二つ足してある。回想シーン以外にも出てきて、夜間撮影もあり。鳥居前、舞殿や本殿が使われるほか、本殿裏手の崖地も出てくる。

2015/4/23

■ 大岡越前 第十五部 第11話「さまよう老人」 1998.11.23TBS

 子供に帰ってしまった老親を世話していた娘夫婦に、その親を人質にとり多額の金子を要求する外道。町方の奔走と雪絵奥さまの機転で悪党は一網打尽、白州では追い込まれた娘夫婦の葛藤についても語られる。
老人の性について忠相夫婦が語らう際、例の「火鉢の灰」の逸話が披露されるが、妙さんの現況への言及は無し。

ロケ地
  • 大前屋の内儀・おときが、雪絵とともに父を捜しにゆく市中、梅宮大社楼門を入ったところで、神苑門越しに池畔で綾取りをする老人たちを見る格好。事後、また「逢瀬」の日常がはじまる段も同所。
  • いよいよゴロツキに金を渡す羽目になった大前屋、買うはずだった表店の物件を断り、売主が好意で作ってくれていた看板を泣く泣く投棄する橋、中ノ島橋
  • 金と父を引替えの谷中墓地、不明(9話と同所と思われる、傾斜地にある墓地。竹林が迫っている)。大立ち回りが撮られている。
■ 桃太郎侍 第198話「この子どこの子だあれの子」1980.8.3日本テレビ/東映

 逃げた嫁を捜しに、子を連れて江戸へやって来た男は無宿人狩りに遭う。それは、御用金を盗むための坑道を掘らせる人足を揃えるための、奉行と悪徳商人が組んでの企み。逃げ出して斬られる男だが、子らの顔を見たいという最期の望みはかなうのだった。

ロケ地
  • 釣りの桃さん、大覚寺大沢池堤下汀。とん太が届けた弁当を、旅姿の幼女が引いてゆくが桃さんは放置。弁当を広げて食いかけるが、父が現れ窃盗を叱責、手を上げるところへ桃さんが現れ、自分があげたものと庇ってやる、このシーンは護摩堂脇で。

2015/4/22

■ 大岡越前 第十五部 第10話「信じるこころ」 1998.11.16TBS

 あらためてお奉行の有難さをしみじみ知る、赤垣同心の情話。彼が北町時代に気にかけてやった同心の変節というのが大筋なのだが、その男がハプニングにより「善人返り」、クサい設定ながらも芝居に引き込まれる。また、赤垣の悲壮な決意をさらりとほどくお奉行の説諭は、わざわざ言うかというツッコミを越えて沁みる。

ロケ地
  • 長い内偵のすえ三崎屋の荷を臨検するもスカを引く南町の捕物、広沢池東岸(夜)
  • 沢田復職と聞き見に行く赤垣、三崎屋を知るか問いつつ上がる坂は金戒光明寺東坂。沢田付きの目明し・久助が追いついてくるシーンは、摂社の鳥居越し。
  • 斬られて堀へ落ちてからすっかり人が変わってしまったと赤垣根にぼやく久助、その赤垣を見張っていた太市がお奉行に報告を上げる鐘楼は金戒光明寺鐘楼、忠相は基壇にいて、太市は南側の「崖」から見上げるかたち。
  • さしこみを装って三崎屋に侵入した六助、露見し立ち回りのすえ船で逃れたのち上陸するのは広沢池東岸、船頭は半次。昼間のシーン。
  • 猛る夏目を抑え「自分が」と南町を出てきた赤垣、坂脇の溝を落ちてくる小石に気付き見上げると沢田がへたりこんでいるのを発見のくだり、金戒光明寺東坂東側。気の毒な人に有り金をやってしまって飯を食えず倒れていた沢田は、東坂上の井戸に凭れ(この上にあった石を落としていた)
  • 久助から聞き出して妻の墓に行く沢田、金戒光明寺墓地(下に熊谷堂の甍がちらり)。荒廃を見て驚き、死者を蔑ろにしていた己の態度を聞かされ、墓石を抱いて嘆く。
  • 三崎屋と沢田を仲介した男がタカリに現れるくだり、金戒光明寺。男は鐘楼基壇にいて、長安院下坂をゆく沢田を見下ろして声をかける。沢田は取り合わずに坂をおりて去ってしまうが、鐘楼の東で見張っていた赤垣がそやつを締め上げる。
  • 記憶の戻らぬまま、己が不正を確かめに三崎屋へ赴き「芝居」、復縁を言い出して懐に賄賂を捻じ込まれた沢田、小判を擲って嘆く帰り道は映画村セット水車端、見ている赤垣は広沢池東岸土手で、切り替え。沢田を始末に用心棒どもが現れ、赤垣や忠相が介入し立ち回りはセット、剣戟の気配に太市が気付き呼子を吹くのは広沢池東岸土手。夜間撮影。
■ 桃太郎侍 第197話「売れ残り志願」1980.7.27日本テレビ/東映

 長崎で医学を修めてきた、大店の倅は増上慢。つばめすずめを振り回しているうちはまだ良かったが、彼の店は悪党に魅入られており、「手術の失敗」を演出されハメられてしまう。
タイトルは、最後はほんとうに嫁にと乞われるすずめが断りを入れる際の口説「売れ残らせていただきます」。

ロケなしセット撮り
2015/4/21

■ 大岡越前 第十五部 第9話「白洲に立った将軍様」 1998.11.2TBS

 またまたお忍びの上様、影供まいて自棄酒の町人と酒盛り。そのあとその職人に降りかかる殺人容疑、彼が潔白と証明したのは、葵の御紋入りの扇子だった。
タイトル通り、吉宗はお白州に立つが、引き据えられたのではなく、ただの証言者。

ロケ地
  • 直太を連れて彼の父の墓に参るおしず(文吉女房)、不明(ありものの墓地か、傾斜地に墓標。基本竹林で、雑木まじり)
■ 桃太郎侍 第196話「大江戸ラブ・ストーリー」1980.7.20日本テレビ/東映

 若旦那を鍛えるため心で泣いてしごく大番頭、しかしクサる若旦那の心に付け込む悪党が出る。若旦那が、一目惚れした娘と結ばれるプロセスをからませて、めでたく祝言で〆てある。

ロケ地
  • 若旦那がおせつをみそめた、上野清水観音堂近くの茶店、松尾大社楼門そば石積下に設営。本殿や舞殿がちらちら見えているが、門は映らず。

2014/4/20

■ 大岡越前 第十五部 第8話「花嫁割いた母ふたり」 1998.10.26TBS

 育ての母が、娘を思いやる心で「勝つ」大岡裁き。
その娘の輿入れに関わっていた四谷の大奥さまが騒ぎ、なんとかしろと捻じ込まれた「娘婿」の表情が楽しい。既視感のあるべったべたの情話を、巧者が演じる一作。

ロケ地
  • 材木が倒れてきたため傷を負ったお梶、養生所へ行くと称し出かける先は大覚寺大沢池木戸〜天神島。尾行していた太市は、大沢池船着(小)で釣りをしていた子供に、応援を呼ぶ使いを頼む。お梶を脅迫するお仙のシーンは天神島祠脇。
  • 島帰りのお梶が、赤子を抱いて身投げしようとしていたお仙から子を貰い受けた夜の橋、中ノ島橋。堰堤落水がライトアップされている。

2014/4/18

■ 桃太郎侍 第195話「桃太郎はかぐや姫?」1980.7.13日本テレビ/東映

 兄上に頼まれ、さるお大名の側室を預かることになった桃さん。もと柳橋芸者の、身籠った御側室はお化け長屋に越してくるが、このことが皆の疑惑を呼ぶ。桃さんのことを結局何にも知らないと気づいた面々はてんでに当て推量、しまいに桃さんはそのさるお大名そのものではという話にまで発展してゆくが、秘密が開示されることはなかった。
桃さんを所詮遠い人と、かぐや姫に見立ててしんみりするつばめがいじらしい。「許さん」も、御側室を庇って斬られたつばめを見て発動。

ロケなしセット撮り
2015/4/17

■ 大岡越前 第十五部 第7話「賄賂に揺れた老同心」 1998.10.12TBS

 病身の妻を労わるため、職を辞そうとしていたベテラン同心は、その糟糠の妻に報いたいと思ったことが迷いとなってしまう。その男を白州に立たせる奉行だが、新しい道を示すためであった。

ロケ地
  • 囮捜査を買ってでるお花、察した売人が船で逃げる裏口の川端、広沢池東岸
  • 売人の元締と、黒幕の紬問屋が密談の屋形船、船着きは広沢池東岸
■ 神谷玄次郎捕物控2 第三回「消えた女」2015.4.17BSP

 よし野の板前・弥助の哀話。十手を捨て、再婚を許すための三行半まで用意して、捜して捜してやっと会えた女房は、最下層の酌婦に身を落とし命数は尽きているのだった。
まだ詳細もわかっていない時点で、虫酸の走る相手に悪態をつき啖呵を切るダンナはかっこいい。

ロケ地
  • 弥助を訪ねてきて、娘を助けてくれと縋る女房の父・弥八、二人話す境内は鍬山神社本殿まわり。
  • ラス立ちの木場、中丹あたりか。

2015/4/16

■ 大岡越前 第十五部 第6話「大江戸韋駄天競走」 1998.10.5TBS

 「マラソン」を完走した中年男は、その勢いでプロポーズ。しかし女を狙うは彼のみにあらず、命のやりとりに発展してしまうのだった。
宝来屋は健康マニア、「節季ごとのアレ」・健康診断を、伊織にして貰っている設定が面白い。

ロケ地
  • 韋駄天競走ルート、設定は日本橋と寛永寺を往復。映画村日本橋をスタート、土手は罧原堤か。折り返し地点の寛永寺は仁和寺観音堂前で、塔映り込み。
  • 宝来屋がひとりトレーニングの道、大沢池堤か。
  • 従業員の再就職先を確保して歩く宝来屋、その日の暮れ佇み物思う橋は映画村日本橋、眼下に望む川面は中ノ島橋上手堰堤で、お勝の顔が被さる。
■ 桃太郎侍 第194話「大江戸娘番長」1980.7.6日本テレビ/東映

 好いた男のことで目明しの兄を恨みグレた娘だが、桃さんが中に入って和解。これからというとき、兄も恋人も御用金盗の企みに巻き込まれてしまう。
悲惨きわまりない話だが、光が強すぎて影が濃いのは、このシリーズの持ち味のひとつ。

ロケ地
  • つばめを転ばせて櫛を盗った娘ども、待っているお京のところへ届けるところ桃さんに追いつかれ、お京は連れ帰られるお堂、仁和寺御影堂お堂脇。
  • 不良娘四人に玉川一座で芸を仕込むものの、プイと飛び出してしまうお京、追いかけた桃さんがお説教するのは中ノ島橋上〜嵐山公園中州側桂川河川敷(堰堤脇、背景に荒瀬が来る)
  • けっこういじらしいお京の態度を兄の目明しに告げ、二人の結婚を許してやるよう話す桃さん、仁和寺九所明神・本殿と拝殿の間。お京が立ち聞いていて、兄妹和解。
  • 筆頭与力が入ってゆく町奉行邸、中山邸門。兄目明しが唯一事を打ち明けた与力なため、これを怪しんだ桃さんの指令を受けてつばめが尾行中。内部はセット撮り。
  • 兄目明しが御用金盗を阻止するため駆ける街道、北嵯峨農地農道(ここはあとで桃さんも騎馬で追いかける)。御用金を積んだ荷駄がゆく道、北嵯峨農地竹林際(ロング)。道に障害物を置いて一味が待ち構える山道、不明(酵素ダートにも思えるが、切通しがあって土の露出も見えるので大内かも/植生は混交林)

2015/4/15

■ 大岡越前 第十五部 第5話「奥医師の娘」 1998.9.21TBS

 強請り常習犯の遊び人毒殺の裏には奥医師家の事情、不幸な出自を知らせたくない親兄弟の配慮が仇に。
奥医師を探るのに片瀬が抜擢され、菊江との話も出てくる。

ロケ地
  • 船宿で殺された男のことを船頭らに聞く勘太、嵐山公園中州下手河原(右岸側)。桂川は、後段忠相が船宿に赴いて検分し直す際にも、窓外の風景として出てくる。
  • 奥医師・天野宗仙の娘・小夜と浅草へ出向く片瀬(書生として潜入中)、セットの露店から今宮神社へスイッチ。石橋上で「ウチにいると息が詰まる」と小夜が打ち明け、その後腕を組んで東門を出ると菊江に出くわすという次第。
  • 脅迫者・伊三次の仲間だった戯作者・梅彦が知安を脅し金を持ってこいと指定の神田明神、今宮神社稲荷社。捕方が出て梅彦らを捕縛。
  • 事後、小夜に出自を打ち明ける宗仙たち、北嵯峨農地か(見返りの絵に大きな建物あり、同じ場所かどうかは不明)。場所の設定は養生所薬草園、身投げしたのを助けられ療養中。この段、説明が長い。
■ 桃太郎侍 第193話「お化け長屋の牛騒動」1980.6.29日本テレビ/東映

 大きな牛を連れてお化け長屋へ越してきたのは、江戸で種痘を広めようとする気鋭の医師。はじめ難渋するものの、効いた実例が出るや行列騒ぎ。しかし怪しの祈祷で大儲けしていた向きが、強烈な妨害を仕掛けてくる。

ロケ地
  • 牛痘開発に協力して落命した親友の墓に参る医師、黒谷墓地。このあと、親友の弟妹が来るシーンでは本堂裏が映っている。
  • 佐渡守一派が放った悪い噂で種痘所は閑古鳥、このあと皆で啓発して回るシークエンスのひとつ、とん太が知人に頼み込むもはねつけられるシーンは大覚寺大沢池船着(小)付近、突き飛ばされたとん太が水に落ちかけるところで画面切り替わり。汀には釣り糸を垂れる男たち、釣堀設定か。
  • 押し入った者どもに斬り殺された牛の墓、金戒光明寺経蔵脇に「お牛さまの墓」と書いた卒塔婆。これからは人に植えた種でと桃さんが提案。
  • 晴れて公的な扱いとなり開設されるお玉ヶ池種痘所、受付は大覚寺大沢池木戸前に設置、五大堂下付近に幔幕をめぐらせ、その前で医師が接種。

2015/4/14

■ 大岡越前 第十五部 第4話「鬼を生き返らせた名医」 1998.9.14TBS

 因業金貸し婆さん、己が通夜を見せ付けられ反省の巻。婆そのものと、欲深い親戚一同に巧者を配してあり、見ていて憎たらしいことこのうえないところへ、善人にスポットを当てて終わらせるつくり。
レギュラー入りした「ご新造さま」が見せるお転婆ぶりも見もの。

ロケ地
  • 親戚一同に形見分け不履行で訴えられ、お白州に出てきた帰り、お虎婆さんと息子夫婦が立ち寄る八幡さまの茶店、常寂光寺。参道石段を行き来する巫女さんを演出。茶店は境内鐘楼付近か。「殺し屋」が出て婆さんを突き飛ばすのは石段上部。
■ 桃太郎侍 第192話「みなし子峠」1980.6.22日本テレビ/東映

 気の毒な孤児たちを食う、まさに「鬼」どもを退治る桃さん。子らを養育し売り飛ばすシステムの黒幕は、大番組頭だった。
とりあえず、桃さんたちが知り合った子らだけはハッピーエンド。

ロケ地
  • 子らに乞われ、三河屋の蔵へ籠められている労咳の幼女を診てやる桃さん。帰る桃さんを追いかけてくる、年嵩のおいね、仁和寺観音堂脇石畳。露店多くあしらわれ、そのうちの茶店で話を聞く。
  • 事後、上州の絹問屋に引き取られ旅立ってゆく四人を見送る桃さん、大覚寺放生池堤(緑濃い)

2015/4/13

■ 桃太郎侍 第191話「人情まわり舞台」1980.6.15日本テレビ/東映

 文七元結をベースにした人情話に、成敗対象の悪者一味をからませてある。博打狂いの左官のオヤジと娘の名は同じ、長兵衛とお久。娘が二年前から思っている名も知れぬ相手というのを文七にしてあり、小道具に崇徳院の短冊が使われるが、恋わずらいエピソードは入らない。

ロケ地
  • 釣堀?に糸を垂れる男たちを見て「やってるな」と言って通る桃さん、嵐峡左岸。釣り人は嵐峡汀の「台」に、桃さんは上の道の生垣際(嵐亭前)
  • すれ違った町娘に目をつけ、連れてくるよう手下に命じる殿様、中ノ島橋上。手下のゴロツキがお久に無体を仕掛けるシーンはセットにスイッチ・桃さん出て阻止。
  • やっと真面目に仕事をはじめた矢先、ゴロツキに誘われ賭場へ行ってしまう父を見たお久、絶望して佇む川べり、中ノ島橋下護岸法面(中州側)

2015/4/12

■ 西鶴一代女  1952.4.17新東宝

 西鶴の浮世草子「好色一代女」を脚色、高貴な女性が辻君にまで身を落とす転変を、天下の大女優が演じきった世界的に評価の高い名画、伊題は「La vita di O-Haru Donna galante」、英題は「The life of Oharu」。
原作とは異なり、主人公・お春は奔放な「好色女」ではなく、愛に真摯で誇り高かったため運命を捻じ曲げられてしまった、哀れな女として描かれている。だから、羅漢堂の仏さまにお春が見出す面影は、勝之介ただ一人なのである。

ロケ地
  • お春がふらふらと近づくお寺の門、不明(「参道」の塀は筋塀、門前はスロープ。門入ってすぐに鐘楼)。このあと「朋輩」たちが寄ってくるシーンの門と崩れ塀、セットか。娼婦たちが焚き火している男のところへ寄ってゆく「境内」は妙顕寺、本堂・方丈間の回廊下に男が座って木を燃やしていて、回廊上を来た僧侶が火の始末をせよと注意していく(勅使門や石塔が映り込んでいる。鉦太鼓の音が響いている)。音に誘われるようにお春が入ってゆく羅漢堂、天寧寺羅漢堂(ここの外観は映らず、いきなり堂内に切り替わる。僧が本尊前に座して祈り、そのあと羅漢像の前に灯をともして回る。ここへお春が入ってくるが、僧は後ろを見ず作業を続ける。お春が見つめる一体の羅漢像に、勝之介の顔がかさなった途端雅楽が響きだし、回想シーンへ)
  • 下御霊へ初穂料を届けに行くお春さまのくだり、御所描写は二条城二の丸唐門〜車寄前。御殿内庭から侍女を連れたお春さまが出てきて、菊小路卿が声を掛ける。お春さまの駕籠を追ってきて、菊小路の伝言と称し寺町の屋敷へ寄るよう伝える勝之介のシーンは、内濠端。
  • 親子ともども洛外追放となり、屋敷を出てゆくお春一家、不明(萱葺長屋門、屋根押さえも美麗。「母屋」も大きな萱葺)。縁者たちが見送りここまでと役人に制止される橋、不明(欄干も橋脚も木製。橋脚越しに土手を見る図で、親子が去ってゆく姿を映す)
  • お春親子の落ち着き先の家、不明(竹林際の萱葺民家。よく作りこまれたセット?竹林も芝居に使われる)
  • 勝之介処刑の野原、不明(高台、湖西か)
  • 磯部の早が駆ける街道、不明(山道ロング)、里の道(これもロング、里はずれ田んぼ道、亀岡か)。セットの笹屋へ。
  • 野遊びの踊りの中にいたお春を見出す磯辺、不明(芝地の野、木に紐を渡し着物を掛け幔幕ふうにした中で踊りの輪)
  • お春が江戸へ向かう街道、不明(道端に松疎らに生え、遠景に山)
  • 江戸・松平屋敷へ入るお春の駕籠、仁和寺本坊(石畳をゆく駕籠の背景に「トイレ」の建物など映り、駕籠は大玄関へ)。邸内描写はセット。
  • 島原から帰されたお春、迎えの母とゆく道は東寺境内東塀際・南望の図で五重塔映り込み。このあと寄る茶店も東寺、北大門前。門前の手水舎では女乞食に施しをするシーンがある。
  • 亭主となった扇屋を亡くしたお春が、出家しようとして訪ねる尼寺、本法寺。庭で花摘む妙海は三巴の庭(十角の池と円形石が映る)、花を活けつつ尼が話を聞くのは方丈縁先。お春のところへ笹屋大番頭・治平が返済を迫りに乗り込んでくるシーンは庫裏入口。寺を追われたお春、笹屋から暇を出された文吉が合流するのも本法寺、本堂裏手。
  • 店の金を持ち逃げした文吉が追っ手に捕まる街道、不明(地道、坂になっていて灯篭などある)
  • 乞食となり門前で三味線を弾くお春、不明(天龍寺境内と思われるが確証なし。弘源寺を東から見た図のような「塀」、門は中門に似るが続きの塀が崩れている。また、門を出たところに控所の格子が見え、その先には筋塀。「若殿」の駕籠のシーンも塔頭前と思われるが決め手なし)。このあと、倒れたお春を娼婦たちが助けてヤサへ連れ帰り、羅漢堂のくだりへ。
  • 松平邸へ迎えられるお春のくだり、駕籠が着く玄関は仁和寺本坊大玄関。よそながら「我が子」の殿様を見るシーンは天龍寺、殿様は大方丈縁先、お春が控えるのは曹源池畔、あれは我が子と追ってゆくシーンは小方丈裏の回廊。護送用の駕籠が用意されている通用口は大方丈北塀通用口、すぐそばの庫裏脇式台玄関で重職がお春が見つからないと報告を受ける。
  • 家々を托鉢して歩く老尼・お春のくだり、家並みはセット。それが途切れたところで、寺を望むお春が合掌するシーンは本法寺を模したものか。

2015/4/11

■ 大岡越前 第十五部 第3話「狙われた花嫁」 1998.9.7TBS

 「オヤジさん」赤垣の嫁とり話は、四谷の大奥さまから。手がけている事件が解決してから返事するという赤垣だが、こともあろうにお相手が当の賊にさらわれてしまう。みごと「妻」を助け出し、祝言も済ませるが、新婚家庭には気の利かない向きがどやどやと押しかけてくるのだった。

ロケ地
  • 賊が捕まるのを祈願してお百度を踏む笙子、車折神社本殿。実家に立ち寄って行き先を聞いた赤垣がやしろに入ってくるシーンは中門、カメラ中から。

2015/4/10

■ 神谷玄次郎捕物控2 第二回「昔の仲間」2015.4.10BSP

 鼻つまみ者の岡っ引が殺された件を追う神谷、現場近くの長門屋へ聞き込みの際に立ったアンテナが当たり。しかし、老いて病を得、余命幾許もない男たちのしたことを、闇に葬る「漢」であった。

ロケ地
  • 岡っ引・幸太登場シーン、露店の餅を盗んだガキを手荒く捕まえる「境内」、今宮神社東門内・石橋上。周囲は賑やかに飾り立てられている。屋根や日陰に残雪。
  • 日雇い人足の作十が働く川普請の現場、美崎公園内・新川に設営、萱葺を背景に持ってきてある。聞き込みのシーンは、水面に張り出した木のそば。後段、宇兵衛が作十を刺すシーンも同所。
■ 大岡越前 第十五部 第2話「殺しを見ていたお茶道具」 1998.8.31TBS

 勤勉で物堅く、お店の白鼠とまで称される番頭。そんな男がえてしてという、法則通りのお話に、被害者の隠居が実は彼を救おうとしていた逸話を入れ、お奉行の説諭でシメる。

ロケなしセット撮り
2015/4/9

■ 大岡越前 第十五部 第1話  1998.8.24TBS

 行事に紛れて御金蔵を襲った賊は、わざわざ越前守を揶揄する書を残してゆく。不祥事の糊塗に課された期日は三日、奉行を恨む賊との戦いが始まるのであった。

ロケ地
  • 江戸城イメージ、姫路城天守。勅使饗応の際の町入能の様子は、伏見城で撮られていて、お徒士が居並ぶ石垣の道を入ってゆく町人たちの描写は、天守から見下ろしたロングが導入。お城へ入ってゆく戸口は、天守入場口を中から。幔幕の隙からそっと侵入する賊は俯瞰で。
  • 金蔵破りのくだり、外で待つ一味は二条城東南隅櫓前濠端、石垣下を走る賊は伏見城、狙われるのは蓮池御金蔵で、蔵はセット撮り。夜間撮影。
  • 北島同心が聞き込みをする濠端、二条城西南隅櫓前濠端。警備の侍たちが物々しく走る姿も入れられている。聞き込みの結果辿りつく屋敷、中山邸(内部描写はセット撮り、もぬけの殻なるも遺留品あり)
  • くちなわ一味の盗人宿の古着屋が橋たもとにある栄橋、中ノ島橋(映画村日本橋を併用)
  • 御金蔵から盗られた小判の一部が見つかり、夏目に注進に走る勘太、中ノ島橋(側面から)。早暁仕立て。栄橋かどうかは不明。
  • 夜、金箱を引き上げに来た一味と捕方が立ち回りの濠端、二条城東南隅櫓前濠端(植込みの内側)
  • 翌日、金箱を引き上げる町方、二条城西南隅櫓前濠端。濠に船を出して引き上げる同心たちの描写は嵐山公園中州掘割、右岸石積護岸も使われる。二つは、うまく切り替えて同じ場所を表現。
■ 桃太郎侍 第190話「はぐれ女のいのち花」1980.6.8日本テレビ/東映

 女だてらにたった一人で荒っぽい盗みを仕出かす狐火のおこん、つかんだ金は愛しい男に。ついに人を殺め捕まるおこん、腹には子が宿っていた。

ロケ地
  • 綱木がおこんに隠れているよう指示した船小屋、広沢池東岸汀に設営。綱木が町方に知らせ、捕方が殺到。
  • おこんの唐丸に投石する町衆、ここで出るおこんの回想、幼い日父母と三人村人に石持て追われた日、広沢池東岸土手。

2015/4/8

■ 大岡越前 第十四部 第24話「友を裁いた名奉行」 1996.12.2TBS

 新三郎が召し捕られる事態発生、もちろん冤罪で、彼の正義感が邪魔な向きが仕掛けたもの。大岡裁きのヘルプには、長崎から帰ってきた懐かしい顔が加わるのだった。
忙しすぎる養生所の問題を重ねてあり、忠相の官僚としての苦悩も描かれる。

ロケ地
  • 幕命で養生所を去り、長崎へ蘭学を修めにゆく新三郎、伊織たちに見送られ発った日本橋のあと、一人ゆく街道筋は大覚寺五社明神林間。
■ 桃太郎侍 第189話「走れ! お江戸の一番纒」1980.6.1日本テレビ/東映

 ガエンの纏持ちと知り合う桃さん、悩みを聞いてやりアドバイスもするが、鯔背な兄哥は汚い企みに絡め取られてしまう。彼が親とも思い大事にしていたかしらが、老後の励みを得たエピソードが、せめてもの救い。

ロケ地
  • 木にのぼっておりられなくなったガキを助けようとして、自分もおりられなくなる田之さん、下鴨神社河合社脇の木。辰吉が通りかかり、するすると助ける。

2015/4/7

■ 大岡越前 第十四部 第23話「冤罪晴らす大芝居」 1996.11.25TBS

 雪絵奥さまが、町で質屋通いの旧友を見かけたことから明らかとなる、一件のフレームアップ。お奉行夫婦はノリノリの芝居を打ち、大きなネズミを燻り出す。わるい岡っ引を演じる江幡高志が巧すぎ。

ロケ地
  • 加代の長屋を探し当て訪ねる雪絵、外で話すシーンは車折神社参道石畳。
  • 加代の夫を乗せた赦免船が着く浜、罧原堤下汀。そこを望む上流側に「橋」を設置してあり、再会を喜ぶ家族を忠相夫婦が眺める趣向。「浜」には他に簡素な柵があしらわれていて、同心たちはその外に。
■ 桃太郎侍 第188話「皿にかかれた人生模様」1980.5.25日本テレビ/東映

 鳳凰を描いた絵皿は、縁にいろは文字ちらし。それ自体は無価値なこの皿をめぐる騒動に、三つの家族が巻き込まれるが、桃さんの働きでめでたい結末に。
父子の対立、嫁姑の確執、髪結いの亭主の道楽と、三家族はそれぞれ問題を抱えており、尻は桃さんのとこへ持ち込まれる。髪結いのうちでは、亭主の性根を見定めるため、桃さん提案で「厩火事」をやるが、これが解決の鍵となる。

ロケ地
  • 姑が同じ部屋に寝ていて夜のことも儘ならぬ宗吉夫婦を、出会茶屋へ連れてゆく田之さん、不明(151話、159話でも出た、坂の途中に入口がある料亭ふう建物。円山公園内の料亭か/坂には小柴垣がめぐらされている)

2015/4/6

■ 桃太郎侍 第187話「旅は道連れ世は無情」1980.5.18日本テレビ/東映

 仁兵ヱと田之さんのスケベ心からはじまった湯治旅だが、泊まった宿で押し込み騒ぎ、桃さん一行は縛られて人質にされてしまう。しかし犯人たちの話を聞くと、甲府勤番支配の私欲で秘密裡に鉱山を掘らされており、劣悪きわまりない現場から逃げてきたものと知れ、こうなると彼らを放っておく桃さんではなかった。

ロケ地
  • 甲州路をゆく一行、北嵯峨農地畦道(東西の道)。男たちだけで行くつもりだった仁兵ヱと田之さん、愚痴まじりでフテて遅れ、皆に詰め寄られるシーンは田んぼの積み藁のところ。
  • 犬も連れた追っ手がものものしく走る山道、酵素ダートか。山から出てくる人足たち、酵素竹林〜川べり(顔つけて水をガブガブ)。このあと撃たれた仲間を隠す小屋も酵素に設営。
  • 負傷した仲間を見て来いと命令された彦さん、宿へ急ぎ戻る道は民家前塀際・夜仕立て。
  • 宿で人質とって立て籠もりと知り野次馬が集まってくるくだり、早馬が走り過ぎる道は民家前塀際、ものものしさに驚き農具持ったまま道へ出てくる百姓はその民家東側の路地。
  • 桃さんを残し人質解放、人質として人足たちと騎馬で宿場を出る桃さん、その一行が駆ける山道は大内亀岡道。このあと待ち伏せ襲撃シーンはその先の山中か。

2015/4/5

■ 桃太郎侍 第186話「つばめの子育て日記」1980.5.11日本テレビ/東映

 桃さんに頼まれ、やもめ蘭学者の子の世話をすることになったつばめ、厳格なオヤジとバトル。子らには慕われ、父も家庭を顧みるようになった矢先、新式銃密造にかかわる難事が降りかかってくる。

ロケ地
  • やっと出来上がった元込新式銃を試し撃ちする桂山、下鴨神社池跡(河合社裏手)。成功後、老中と西海屋の真意を知り協力を断って逃走。
  • 蘭学禁止令が出され、逃げた蘭学者が斬殺される事態、なんとか木戸をやり過ごし桂山と子を船に乗せて送り出す夜の浜、広沢池東岸

2015/4/4

■ 大岡越前 第十四部 第22話「母ふたり情けのお白洲」 1996.11.18TBS

 人を殺したと自首して出た四十女は、動機も状況もいい加減な状態で、早く仕置せよと願う。もちろんお奉行がこれを看過するわけもなく、再調査が命じられる。出てきたのは、誰かを庇っている構図だった。

ロケ地
  • 島吉が出入りしていた賭場の親分・滝蔵のところへ聞き込みに行く夏目、深川イメージの木場はバンクフィルム。
  • お鈴が「殺人犯」お登世のことを聞き込みにゆく水茶屋・こゆき茶屋、今宮神社門前茶屋・一和(暖簾そのまま)。お鈴とは旧知のこゆき、外で話すシーンは今宮神社絵馬堂下。こゆきの実家は吉原の置屋で、お登世はそこへ出入りの女衒紛い・但しいい人と聞く。
  • 殺された卯之助が勤めていたお店のことを調べに、岩槻へ出張の夏目、岩槻会所を出てきて、お供してきたお鈴・子吉と合流するのは大徳寺高桐院西塀(境外)、子吉がこれに凭れている。夏目のダンナは、龍翔寺前の路地から今宮門前通へ出てくる。

2015/4/3

■ 大岡越前 第十四部 第21話「嘘で守った妻の恥」 1996.11.11TBS

 道具屋のあるじ殺しで召し取られた浪人だが、刀に血曇りはないし動機も見当たらないのに、犯人だと主張し以降だんまり。その男とむかし近所づきあいのあった雪絵奥さまは、留守宅の内儀に会い事情を知ろうとするが、その人の首筋には不審な傷跡が残っているのだった。

ロケ地
  • 八坂浪人の妻・久美と話す雪絵、大覚寺護摩堂前池畔。八坂が、明らかに犯人でないのに斬ったと言い張っていることを告げる。
  • 仕官を欲する浪人の妻として上総屋のもとへ赴く雪絵、駕籠をおりるのは大覚寺五社明神、上総屋が出迎える寮の門は望雲亭。
  • 江戸を離れる八坂夫婦を見送る静加、大覚寺五社明神祠脇・心経宝塔が見える位置。
■ 神谷玄次郎捕物控2 第一回「出合茶屋」2015.4.3BSP

 三人組の凶賊と、銀蔵親分が受けていたストーカー案件が重なってくる。何者かに付け狙われていた商家の女将は、浮気相手と過ごした出合茶屋で、「そやつら」を見たのだった。
神谷とお津世の益体もない「夫婦喧嘩」が描かれていて、「浅草の女と切れた」と喜び騒ぐおさく婆さんとご支配が笑える。

ロケ地
  • 頬被りの襲撃者から逃げるおとせとお供の丁稚、上賀茂神社ならの小川畔。丁稚はおとせを庇って斬られてしまう。設定は「黒江町の濠を渡って三角屋敷の川岸まで来たとき」←手代談。
  • おとせを問い詰めるも、心当たりなしと言われ帰る神谷と銀蔵、「女って奴は」とボヤく帰り道は八幡堀堀端。手代の態度が気になると言い出し、神谷は取って返す。
  • 手代に聞いた、おとせの相手の色男のことを銀蔵に話す神谷、八幡堀新町浜。お津世が自分のところへ来て「泣いていた」と、銀蔵が伝えるシーンもあるが、神谷はとりあわず行ってしまう。
※おさくのあてこすり仏壇ボヤキ、銀蔵の「やってらんねぇ」蹴りなど、シリーズ化ならではの演出が○。鳥飼のしたり顔には、磨きがかかっている気がする。神谷の殺陣はもっと見たいぞ。
2015/4/2

■ 大岡越前 第十四部 第20話「恥ずべき行い」 1996.11.4TBS

 賊に翻弄されるかに見えた町方だが、その賊の頭目もあずかり知らぬところで、強烈な憎悪を滾らせた青年が南町同心に狙いを定めていた。
過去の、怠惰による不実を深く反省した同心が、誠心から青年にぶつかり信頼を得る情話。部下のピンチに駆けつけ大立ち回り、手柄はあっさり火盗改に譲り、青年を掬い上げる大岡裁きなど、お奉行かっこ良スギ。

ロケ地
  • 賊の片割れの女を求め深川八幡で聞き込みをする浦部同心、松尾大社楼門前(茶店を仕立て)
  • 浦部を呼び出し、焦るなと言い聞かせるお奉行、大覚寺放生池堤。忠相は土手に座り釣り糸を垂れていて、「川水」をさして教訓をぶつ。
  • 深川八幡で探索をする浦部を凝視する、千吉の情婦・お葉、松尾大社。仲間の賊一味に囲まれ刺されるのは、楼門続き塀際(内側)
  • 玄蔵一味から逃げた千吉を追う浦部、船頭を脅し逃走するのを見て船にダイブの橋、中ノ島橋。船は橋上手の湛水域を行く。浦部が千吉の罠にはまった設定。
■ 桃太郎侍 第185話「弱虫桃太郎と女盗賊」1980.5.4日本テレビ/東映

 幼馴染との邂逅も束の間、備前守関係者の桃さんと女掏摸のおもんは、政争に巻き込まれてゆく。桃さんの身代わりとなって散るおもん、皆が涙するなか「弱虫」桃さんは眦を決し悪党の巣へ乗り込んでゆくのだった。

ロケ地
  • おもんと再会時、桃さんの回想・先に木にのぼって桃さんを急かす幼いお転婆おもん、北嵯峨か。おもんの回想、桃さんを苛める悪ガキを追い散らす幼いおもん、大覚寺天神島祠脇。同じく回想、危なっかしく竹馬を操る桃さんをサポートするおもん、大覚寺天神島鳥居脇・池端。
  • 柳橋で釣りをしている桃さんのところへ弁当持ってやって来るおもん、大覚寺大沢池水門そば汀。つばめも来て火花を散らすが、桃さんは退散・残された弁当はとん太がいただき。
  • 桃さんが若い女掏摸から入手した書付(賄賂の受け取り証)に従い、備前守に呼び出される作事奉行・本多伊予守と材木商・讃州屋、お城イメージに姫路城天守
  • 掏摸と知られたため桃さんから逃げたおもん、引越し先へ出向き帰る桃さんを襲う黒イカ軍団、大覚寺放生池堤(放生池側に塀こしらえ/塀越しに五大堂の甍がのぞくシーンも)
  • 桃さんを呼び出せと強要され、変装して自分が出向くおもん、夜の烏の森は下鴨神社河合社脇、「備前守」を狙うスナイパーは瀬見小川付近の茂みに潜む。

2015/4/1

■ 大岡越前 第十四部 第19話「無情に泣いた愛の折鶴」 1996.10.28TBS

 あるじの信頼も厚く、お嬢様と沿うばかりになっていたお店者だが、血腥い事件を引き寄せる影を持っていた。
優しい娘を傷つけぬようはからう忠相の情が泣かせる。また、施行されたばかりの株仲間制を、話の筋にからめてあって面白い。

ロケ地
  • 伊勢屋の娘・お園が父の病平癒を願いお百度を踏む鳥越明神、今宮神社。百度石は絵馬堂脇坂の下に設置され、絵馬堂下は茶店に仕立てられていて、忠相がやって来る。ここへ赤垣をお供に来る際は東門をくぐっていて、ラスト新三郎とのシーンでは石橋が映っている。木の間から楼門の朱がちらちら。お園と手代・清太郎の逢瀬のくだりでは、若宮社まわり、稲荷社前などが出てきて、坂から見た図など凝ったアングルも。
  • 悪党一味の手先・富蔵に殺されかかる、清太郎の情婦・お葉、広沢池東岸。水面は映っていない。お葉は深川で水茶屋勤め。
■ 桃太郎侍 第184話「いかさま武士道」1980.4.27日本テレビ/東映

 最近長屋に越してきた傘張り浪人は、二年前殿様が松の廊下で刃傷におよび改易となった藩の出。討ち入りのあるなしを忖度する江戸っ子たち、仇の老中・稲葉の屋敷は本所松坂町ときている始末。タイトルが示唆するとおり、「百年前」のようなことはないのだが、世の評判を利用した黒い企みはなされているのだった。

ロケ地
  • 稲葉邸へ興行に行き、間取りを見てきたすずめ、島田浪人に絵をかいて説明する水辺は大覚寺放生池堤(放生池側に塀をこしらえてある)。島田に口封じされるところ、桃さんが出て秘匿を約束、金打する。
  • 相川屋から「献金」を貰った帰り、腹心に今日は大漁と軽口を叩く笹山藩元家老・豊田、仁和寺九所明神(拝殿越しに本殿前にいる二人を見る図)
  • すずめらは秘密を守るから手を出すなと同志に話す島田、仁和寺観音堂脇。討ち入りの日取り変更を知らされ、集合場所は相川屋と告げられる。
  • 桃さんに頼まれ、豊田を見張る田之助、ちょっとした山科閑居と呟く屋敷は中山邸通用門。豊田の駕籠が出てきて参道を北へ、次いで突き当たりを東へ去る。このとき、田之助を見ていた相川屋が「まさか稲葉の間者か」と後をついてくるが、笑い話ではなく惨劇の呼び水。

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