時代劇拝見日記
2016年12月

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2016/12/30

■ かげろう絵図  2016.4.8フジ/東映、松本清張スペシャル

 長く続きすぎた大御所・家斉の治世、まつりごとも後宮も腐りきっていた。ともに奸臣・石翁に親を陥れられた縫と新之助は、いったん道を分かつが、やがて思いを一つにして命がけで働き、仇敵を失脚させるのだった。

ロケ地
  • 天保11年、将軍・家慶の治世だが実際の権力はと語られるくだり、江戸城イメージは姫路城天守、ここでは西の丸から見た図。以降、三国濠から見上げた図など、様々なアングルで出てくる。
  • 屋形船に乗り登城する石翁(大御所の住まう西の丸へ向かう)彦根城佐和口多門櫓前濠
  • 観桜の歌会が催される吹上の庭、姫路城西の丸広場で天守を背景に腰元たちの舞、大御所たちが座す御殿は、上賀茂神社馬場殿に仕立ててある。お多喜の方転落事件が出来、踏み台を差し出したのは登美。
  • お多喜の方が流産したと大御所に報告する御年寄・佐島、随心院書院座敷。
  • 登美を召した褥で大御所が倒れたのち、「後のこと」を協議する石翁たち、姫路城西の丸郭内・スリットから天守望む画も。
  • 懐妊したことを恋人・大膳(石翁と通じる前田家用人)に告げる中臈・菊川、萬福寺大雄宝殿内部、羅漢さんも映っている。
  • 向島・中野石翁邸門イメージ、妙心寺大通院(俯瞰、夜景)・城を下がった菊川が頼ってくるくだり。菊川が石翁の手の者に始末されてしまう庭は楊谷寺浄土苑、石翁と大膳が上書院から見下ろしている。
  • 菊川を診た医者として捕まってしまう新之助、逃げ出して追っ手と斬り結ぶ夜の掘割は大覚寺御殿川河床、勅使門橋下付近。このあと大沢池船着(小)に辿り着き、船に乗り込み。
  • 水神祭りで賑わう町、屋形船が行き交う堀は八幡堀、明治橋上に新之助と豊春がいて石翁の船を凝視。
  • 添番・落合を取り込もうとして言い寄られ危機に陥る登美、大覚寺放生池堤・土手に祭礼の幟あしらい。放生池側に苫船が舫ってあり、そこに突き落とされるが、新之助登場で難を逃れる。
  • 登美を助けたあと、やり過ぎと注意する新之助、二人歩く川べりは上賀茂神社ならの小川畔、川には染物が浸され、川端には露店が出ている。ここへ師匠が現れ、女同士の会話も。
  • 女の土左衛門が上がり、検死が行われる堀端、八幡堀明治橋下。橋上に新之助ら三人も来て覗き込み、死体が菊川で師匠の生き別れの妹であることが確認される。
  • 石翁の船に菊川の打掛を放り投げる新之助、八幡堀明治橋。二人の視線が交差する。
  • 雑司ヶ谷・感応寺全景イメージ、楊谷寺・阿弥陀堂甍越しに本堂を望む図。大御所平癒祈願の法要が営まれるお堂は立本寺か・仏像のほか、板曼荼羅?が映っている。登美に接触する日祥のくだり、随心院書院
  • 志願して石翁邸へ下女・おこんとして入り込んだ豊春、露見しからくも逃げ出すルート、大覚寺御殿川河床〜船着(小)。危機に新之助。このあと石翁アイパッチに。
  • 感応寺、褥に日祥がいないのに気づき、惑乱して捜しまわる佐島、随心院回廊〜本堂前縁〜書院。日祥と登美は逃げ出しているが、白檀の残り香と登美の櫛で事に気付く次第。
  • 新之助と別れ上方へ旅立つ豊春、旅姿でゆく水辺は罧原堤下汀か。

2016/12/24

■ 子連れ信兵衛2 最終話「人質奪還大作戦」2016.12.23BSP

 凶賊の隠し金はとんだところに隠匿されており、おぶんたちが巻き込まれる。この立てこもり事件は、鶴坊の母を求める信兵衛の早まった行動を止める結果となるのだった。

ロケ地
  • 番屋を覗きに行く信兵衛についてくるおぶん、大覚寺放生池堤。負傷した榎戸の様子を聞いたあと、鶴坊と美玖と三人で幸せになってと告げて去る。

2016/12/22

■ 水戸黄門第一部 第29話「ならず者」1970.2.16TBS

 村の隠し米を掠奪、宿屋から金を強請る、やりたい放題の「ならず者」のかしらは浪人。かつて代官の苛政に怒り役人を斬り殺した正義の士が、こうまで成り果てるには十分な理由があった。
元水戸藩士の相良重蔵、彼が許されぬ恋をして重職の娘と駆け落ちする際、行き会わせたのは他ならぬ格之進なのであった。

ロケ地
  • 桐生・笠懸村の隠し米を運び出しに来る相良の一党、不明(切通し山道、けっこう幅がある。米を隠してある小屋は山裾の林際に)
  • 相良一党の隠れ場所の鎮守、鳥居本八幡宮。小柴垣の道、鳥居まわり、石段など使われる。
  • 代官の軍勢に追われた一党が逃げ込む烏谷、湖南アルプス。白い岩肌が露出した尾根が印象的。代官らが寄せてくるシーンの山道も同所か。
  • 当地を発つ一行、曽我谷川堤穴太橋。相良には会わなかったことにすると老公が呟く。

2016/12/17

■ 子連れ信兵衛2 第6話「約束の白い花」2016.12.16BSP

 矢場へ入る強盗、客として居合わせたと称する青年は、どうした訳か信兵衛に弟子入り志願。果たして悪い奴らの下っ端だった彼だが、果たさねばならぬ遠い約束を抱えているのだった。

ロケ地
  • 花占いをする折笠に声をかける信兵衛、大覚寺天神島木の根方。池端を通行人がゆく。
  • 鉄平とおゆうの回想で出てくる故郷・米沢の情景、山室堤。土手法面の坂など、面白いアングルで撮ってある。
  • 吉原で男衆に痛めつけられたあと奉行所へ向かう鉄平だが、「仲間」に見つかってしまう奉行所近くの堀は大覚寺御殿川河床。このあと上賀茂神社ならの小川にスイッチ(夜になっている)、殺されかけるところへ信兵衛さん。
  • 寄場へ送られる鉄平、船がゆくのは西の湖か(丈高い葦原、ヤナギ群落)
  • 鶴坊を連れて美玖も誘って行く祭り、鳥居本八幡宮に演出。

2016/12/14

■ 水戸黄門第一部 第28話「隠密無情」1970.2.9TBS

 磐城平へ向かう途中、助さんが関わった謎のご婦人果たして大いに訳あり。怪しい行動は、彼女の「職務」から来ていた。
任務と思慕の板挟みになって苦しむ里隠れ哀れ、女の亭主を演じる千代之介もいい味。

ロケ地
  • 一行が磐城平の城下へ向かう脇街道、不明(谷地田か、道端に小屋、山裾に新しめの二階建て民家)。老公の忘れ物を取りに行って急病のご婦人を構う助さんのシーンも同所か。
  • 老公と格さんが助さんを待つ茶店、西教寺山門前にあった建物を利用。ここで、下手な木彫りをたしなむ侍と邂逅。
  • 城代家老・堀江外記邸、相国寺林光院。侵入者に騒ぐ家来のシーン、後段も同様のシチュエーションで隠密が化けた乞食が追われていて、周辺各所を使う。
  • 木彫りをしていた下級武士・菊原平太の屋敷、坂本の里坊・五智院(叡山文庫の北側)。妻女は助さんが助けたものの姿を消したあの婦人・志乃。後段、城代も騎馬で出張りラス立ちのシーンがあり、向かいの石積や蔵(旧態と思われる)も映っている。
  • 同宿の怪しい薬売りを尾行する助格、相国寺鐘楼前、湯屋角、方丈塀際。吹き矢にやられた薬売りが死んでいるのも同境内か。それを見て立ち去った志乃、夫とばったり会う道は大光明寺南路地(向かいの塀越しの画も)
  • 助格が薬売りの横死を老公に報告していると、菊原に声をかけられる道、西教寺塔頭・安養院西塀(西教寺は映らず、道は47号だが今よりずいぶん道幅が狭い)
  • 菊原の小名浜出張中、隠密とツナギを取りに現れる志乃、夜のお堂は大覚寺護摩堂。先に城代の手下の飴売りが張り込んでいて、乞食に化けた公儀隠密とバトル・相討ち。志乃は瀕死の乞食から密輸品目録と割符を渡される。
  • 助さんとの不義の噂を利用し、夫に別れを告げる志乃、菊原が立ち尽くす葦原は広沢池か。
  • 旅支度して出るところを城代の手下に見られ怪しまれる志乃、藩士たちは滋賀院門跡の石積際にいて、御殿馬場(玉蓮院前あたりを東望)歩く志乃を見遣る。
  • 妻女の位牌を手にした菊原に見送られ当地を発つ一行、酒屋神社前。そのあとの街道は冒頭と同じ谷地田か、ロングの画では曲折する道の奥に溜池。

2016/12/12

■ 水戸黄門第一部 第27話「暗闇の長者」1970.2.2TBS

 白河への立ち寄りは老公の気まぐれ、早く帰りたい格さんと違い、そこに旧友とその妹がいる助さんはうきうき。しかし白河へ入る前から、虚無僧どもがはっきりと光圀を狙う。一方弥七は、民が窮すると評判の白河代官領で、胡乱な施しをする「暗闇の長者」なる存在を知り大いに怪しむ。そして、助さんの旧友の代官元締宅に投宿した老公は、黒い企みに気付くのであった。

ロケ地
  • 恵林寺に集まり、仏像の首にかけてある暗闇長者の施しをとり有難がる名主たち、慈眼堂。ここでは夜間撮影、後段昼間の画もあり、柵前、灯篭群の間などで立ち回りもなされる。
  • 助さんの剣友・別所縫之助宅、坂本の里坊・五智院(門のまわりに高石垣、その上に生垣/叡山文庫向かい)
  • 街道の茶店で休む老公一行、丘陵地の地道か。そわそわしている助さんを、老公がからかう。もうここで虚無僧の目が光っている。
  • 一行が虚無僧の襲撃を受ける山道、湖南アルプスか(崖際のカーブ、谷向こうの山にガレ場)
  • 白河代官所、京都御苑管理事務所北門(長屋門)
  • 代官所を出てきた別所に助さんが近づくと抜き打ちに遭いかける坂、滋賀院門跡前坂(勅使門前)
  • 別所の妹を診ている医者に接触、暗闇の長者の正体を聞き出そうとする弥七、不明(塀際の細道)。このあと虚無僧たちとやりあうやしろも不明(鳥居本に似ている)
  • 当地を発つ一行、仰木棚田の道。一行を映してカメラ引いてゆき、道より高台にしつらえた、兄の塚に祈る尼(出家した妙)を映し出す趣向。

2016/12/9

■ 子連れ信兵衛2 第5話「まことの親子」2016.12.9BSP

 鶴坊の実の伯母さんが突然現れて、引き取りを申し出る。もちろん返したい筈も無い信兵衛だが、筋は通っているし先方の事情もわかるし。
気持ちの整理がつかないまま、解決はあさっての方からやって来る。

ロケ地
  • 里緒の申し出のことを道仙に話す信兵衛、道仙が釣りをしているのは広沢池観音島
  • 信兵衛と鶴坊が一緒にいられるよう願をかけるおぶん、今宮神社摂社。ここへ美玖もやって来て、二人はこのあと喜助茶屋へ立ち寄る運び・そこで「猪熊川」の名を聞く。
  • 喜助に因果を含められた茶汲女・おすずが出向く、「客」の待つ料理茶屋、錦水亭東屋。木戸をくぐり橋を渡るのを、内側からも撮ってある。
  • 旗本・猪熊川邸、妙心寺衡梅院。門内側の生垣と、式台玄関を使う。
  • おすずの母を知っていたと告白する猪熊川、回想のデートの小川は上賀茂神社ならの小川。手を引いて渡る。
  • 父母と子が揃った家族は良いという猪熊川の意見に思いを致した信兵衛、鶴坊の母になる気はと美玖に問う茶店、今宮神社絵馬堂下に設営。

2016/12/7

■ 鬼平犯科帳 THE FINAL 後編 雲竜剣 2016.12.3CX

 容易ならざる敵は遂に鬼平を直に襲ったばかりか、火盗改門番を白昼斬殺する挙に出る。平蔵は、その刺客が使う剣に、はるか昔に接していた。
ひとを救うためお盗めをする本格の盗賊と、彼に母ごと棄てられたため歪んだ倅と。父子の相克は、鬼平がみとることとなる。

ロケ地
  • 芝・二本榎の知るべを見舞った帰りの夜道、平蔵を襲う浪人態の男、毘沙門堂参道。お供の忠吾のギャグも展開される。
  • あの夜の刺客の剣について話すうち、同じ型を使う剣客を思い出す平蔵、その侍と対峙した牛久沼のほとりは大堰川河川敷か。
  • 京極備前守邸、門イメージは随心院薬医門。備前守に助力を要請する座敷は金戒光明寺方丈座敷、紫雲の庭が垣間見える。この屋敷はラストにも出る。
  • 鍵師・助次郎を尾行する五郎蔵と伊三次、セットの牛久宿から大覚寺大沢池堤にスイッチ、このあと同寺梅林から竹林に入ってゆく。
  • 助次郎が赴く牛久宿はずれの報謝宿、日本民家集落博物館・大和十津川の民家。母屋の前縁と庭を使うほか、西側の坂も効果的に使われている。坂下では、潜入したおまさが伊三次にツナギをとるシーンがある。
  • 報謝宿を主宰する伯道が雲竜剣の遣い手であることを報告すべく、騎馬で水戸街道をゆく忠吾、大堰川堤。馬に嬲られるお笑い演出。
  • 伯道の根岸の盗人宿、宝厳院通用門。中はセット撮り。
  • 再び鬼平を襲うものの、伯道に阻まれる虎太郎、その後竹を斬っていると「父」が現れる竹林は大覚寺竹林
  • 報謝宿に蝋型を届ける久八、彼を尾行する伊三次と五郎蔵が辿るルート、日本民家集落博物館十津川民家近くの石仏脇〜大覚寺大沢池北辺水路端並木道(相模街道)大覚寺護摩堂(茶店設営)
  • 久八が入ってゆく武蔵国橘樹郡丸子宿はずれの剣術道場、龍潭寺山門。門内外を使い、内部はセット撮り。
  • 道場を見張るため火盗改が根城とする最明寺イメージ、善峯寺阿弥陀堂下坂。
  • 虎太郎と手下が来るのに出くわす平蔵、隠れて見届ける坂は粟生光明寺参道坂。平蔵と酒井は上から、虎太郎は下から来る。
  • 久八が落ち着く亀戸天神前の茶店、神光院蓮月庵(後段、摘発シーンもある)。久八を連れ出しに来る松蔵のくだり、二人は本堂前石橋を渡り、本堂脇を北へ。伊三次と忠吾が尾行。
  • かしらの盗人宿へ入らず、竹林に導かれる久八、宝厳院通用門前〜大覚寺竹林。伯道が現れ、開き直ってかしらのやり方を批判する裏切者・久八を成敗。
  • 伯道の行く手に現れる平蔵、粟生光明寺参道坂。伯道はおりてきて、踊り場で平蔵と対峙。
  • 伯道と話す平蔵、座敷は楊谷寺書院座敷。

2016/12/5

■ 鬼平犯科帳 THE FINAL 前編 五年目の客 2016.12.2CX

 旅籠・丹波屋の後妻の平穏な暮らしは、或る日やって来た泊まり客を見た途端終わりを告げる。彼女は認識しているが、男は気付かない、その掛け違いが惨劇を出来させるものの、事の処理に当たったのは、酸いも甘いも噛み分けた、火盗改長官長谷川平蔵その人なのであった。
表題の筋に、不気味な兆しを挿み込み次回に繋げる。

ロケ地
  • 酒井が仕事帰りの夜道で襲撃されたことを聞くも市中見回りに出る平蔵、歩む路地は妙心寺大通院裏路地、画面奥・衣笠山方向にお城を合成してある。平蔵はこのあと五鉄へ。
  • 五鉄でおまさや伊三次と会った平蔵、船を出す大川は広沢池橘寺伽藍を合成。寺は左右反転してあり、前畑の位置にヤナギの生えた湿地帯が来ている。遍照寺山を背にした、広沢池単独の画もある。
  • 船が山谷堀へ入るくだりは八幡堀、明治橋(原作設定は今戸橋)上で冷水を買う音吉を伊三次が見つける運び。新町浜近くでおまさが船をおりて尾行、舟橋近くの堀端建物を舟宿に仕立てたところへ音吉が入ってゆく(設定は浅草橋近くの近江屋)
  • 品川の遊郭にいた頃を思い出し堀端に佇む、丹波屋の女将・お吉、八幡堀堀端。
  • 千住にいる弟・庄次に会いにゆくお吉、美山・北山民家群(ロング)。弟の家自身はセット撮り、「酵素似」の民家セットの奥に美山民家を合成してある。この際の尾行者は伊三次。
  • 若年寄・京極備前守邸、門は随心院薬医門。備前守がゆく邸内廊下、金戒光明寺方丈前縁。平蔵と会う座敷は同方丈座敷。
  • 音吉が仲間の甚助とツナギをとる町角(原作では塩入土手の一角・玉姫稲荷)仁和寺九所明神本殿脇、小祠前など使って表現。本殿・拝殿間の画もある。
  • 甚助が入ってゆく盗人宿の小屋、雑木まじり竹林に大岩のアレ。原作設定は小菅村・与兵衛新田の百姓家。
  • お吉が音吉を絞殺して走り出てくる、浅草黒船町の船宿・笹や、大覚寺望雲亭木戸。内部はセット撮り。見張りは酒井と五郎蔵。
  • 丹波屋での大捕物を見ていた浪人、竹を両断する夜明けの竹林は大覚寺竹林
  • 備前守に顛末を報告する平蔵、金戒光明寺紫雲の庭池泉。その後二人歩む石庭には、桔梗が咲いている。

2016/12/3

■ 子連れ信兵衛2 第4話「十手の誇り」2016.12.2BSP

 島帰りが仕出かす、お礼参り殺人。あと一人狙われると目される男のところへ、榎戸が派遣されるが、それは腐った芯の仕向けた、汚い策であった。

ロケ地
  • 北町奉行所、大覚寺明智門。同心たちの出入りが描かれる。
  • 又八の居所を捜しまわる榎戸のくだり、ご支配とともに訪れる荒れたやしろは鳥居本八幡宮。舞殿に扉を付けて神輿小屋ふうに仕立ててあり、中に誰もいないのを確かめた二人が、石段をおりて鳥居をくぐる。舞殿の中から見た、扉が開く画もある。二人を注視する又八は、木陰に潜む。
  • 又八の回想、園部与力に復讐対象を吹き込まれた水辺、大覚寺天神島祠裏。北辺水路端に立つ二人を北側から撮ってあるのが導入、逆向きの大沢池が見えるアングルも出る。

2016/12/2

■ 石川五右衛門 最終話 2016.12.2TX/松竹

 煙管に秘められた事情が明らかとなり、茶々孕ませた件もスルー。しかし事は漏れ、五右衛門は自ら釜茹でにされる道を選ぶ…ここでこの作品の、漫画チックというか、大昔ふうの活劇っぽい、筆者的には大いなる美点が発揮され、大団円となるのであった。

ロケ地
  • 聚楽第から帰った夜左衛門、仲間を連れず一人入り、関白の文を燃やすお堂、外観イメージは大覚寺護摩堂、夜景。
  • 南禅寺山門へやって来る五右衛門、南禅寺三門。ロングで導入、基壇に現れる。関白の待つ楼内部はセット撮り。「会談」ののち夜が明け、バルコニーへ出てくるシーンは三門楼上、関白もご一緒。この間、ひたひたと寄せてくる服部半蔵と手勢は日吉大社西本宮参道坂
  • 楼上、何者かに秘事を聞かれたと察した五右衛門、関白を伴い山門をおりてきたところで敵に遭遇するくだりは日吉大社走井橋上。その後五右衛門の配下三人が出て大宮川河床で立ち回り。榊が現れ忍びと戦うシーンで、大宮橋も使われている。このあと山門に戻る。
  • 五右衛門処刑のくだり、見物衆が鈴なりの三条大橋は本物と思われる。「三条河原」は桂川・松尾橋上手右岸河川敷、中州合流下。幔幕をめぐらせ、釜も設置してある。この間、聚楽第に留め置かれた茶々が佇む庭は二条城清流園池泉切石橋上。
  • いつものお堂へ走ってくる百助たち、大覚寺天神島朱橋〜護摩堂。中には五右衛門と「協力者」霧隠才蔵。
  • 伴天連の財宝が眠る山へやって来る五右衛門たち、一本桜の咲く山は酵素か。お宝を掘る林は、雑木まじり竹林に巨岩のアレ。
  • 道具を載せた大八を曳いて都を出てゆく百助たち、嵐山自転車道。その頃、ひとり山門上で嘯く五右衛門、南禅寺三門

2016/12/1

■ 水戸黄門第一部 第26話「越後騒動」1970.1.26TBS

 もう騒動はおさまったはずと越後高田へ向かう一行だが、城下に入るや不穏の気配を嗅ぐ。そして、城の奥深く幽閉されている、心あるお方様は、若き日の光圀のマドンナなのであった。
奸臣は言うに及ばず藩主まで腐っており、老公にも手の施しようなく、「越後騒動」は史実通りの決着を見る。

ロケ地
  • 高田入り前、旅の一座と道連れになる老公一行、不明(丘陵地の地道、湖西棚田か)
  • 江戸からの急使が駆け入る小栗邸、不明(山門、「参道」に植込み)
  • 高田城下へ入る一行、光圀とみて待ち構えていたおみつと新之助が芝居を打って接触する町角、西教寺門前。まず、西教寺山門前で遊ぶ子らを映し、カメラ左にパン。門前の県道47号を南望の図が出るが、道自体が現在と大きく異なり細く、駐車場もまだ無く、門まわりも今と微妙に造作が違う。新之助たちが様子を窺う塀際は、西教寺塔頭安養院の北西角で、新之助が拠る木は枯木ながら今もある。このあと安養院西塀際で新之助が斬りかかってくる。この二人は小栗方でも永見派でもなく、お蓮の方を救うため動く家臣。
  • 奥向き取締の老女と永見が密会する夜の庭、不明。植込みに忍者潜み。
  • 老公の回想、将軍家御鷹狩の際、光長と駒をならべ駆けた道、北嵯峨農地竹林際(ロング)。このあと二人が立ち寄り水を貰った百姓家、不明(萱葺、軒瓦出し)←ここで「お蓮」と出会う。
  • 高田城、彦根城天守をイメージに映し、格さんと新之助が忍んで来るシーンは天秤櫓まわりの石垣際。出入り商人に化けた格さんは、天秤櫓から入る。
  • お蓮の方付きの腰元・楓(おみつの妹)を待つ格さん、西教寺山門前(先程とアングルを変えてある)、設定は町外れ大興寺の山門。楓におみつの死を告げたあと事情を聞く格さん、明智一族の墓の前あたり。おみつに追っ手が殺到するのは参道坂。このあと立ち回りの塀際も西教寺か。
  • 永見邸、西教寺塔頭か(お墨付きを届けに来た取締のお供と駕籠が待つ前の道が、けっこう急な坂)
  • 旅の一座に紛れ城内へ入る老公たち、一座と大八が入る城門は彦根城天秤櫓。制止され長持を槍で突かれるが、中立の有意の士・片山主水が出て取り繕い、無事通過。
  • 老公の書状が届き幕閣協議と語られるくだり、江戸城イメージに姫路城天守と水一門。
  • 旅の一座とともに当地を離れる老公たち+お蓮の方と楓、冒頭と同じ棚田か。

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