時代劇拝見日記
2016年3月

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2016/3/31

■ 遠山の金さん捕物帳 第110話「あの世から招く女」1972.8.13NET/東映

 お嬢様に惚れられ、婿がねとなった手代は、情婦の茶屋女が邪魔になる。始末された女が「出る」のだが、他の思惑も乗っかっていた。
お白州で当のカップルが神妙なのも、面白い趣向。

ロケ地
  • 別れ話がもつれ、お島が落ちた底なしの蓮沼、大覚寺大沢池。このシーンは夜間撮影で、汀が不気味に撮れている。昼間の検分の際や蛾次郎がはまる時は、はっきり天神島とわかる。
  • 「お島の亡骸」を早桶に詰めて投げ込み寺へ運ぶ半次、回向院裏のアレは随心院長屋門前大師堂。春海は留守設定で、安三が出てくる。
  • お島の朋輩を呼び出して遺留品の櫛を見せる茶店、今宮神社東門内側・石橋たもとに床几等設営。出されている餅はあぶり餅。

2016/3/30

■ 遠山の金さん捕物帳 第109話「瓜二つの女」1972.8.6NET/東映

 お光そっくりの娘を拾う金さん、平八に保護するが、目覚めた彼女は記憶喪失。娘たちをさらって売り飛ばそうとしていた悪人を懲らす筋に、義侠心から無茶をするお光の、泣かせるエピソードが入る。

ロケ地
  • さらった娘たちを監禁してある浜屋の別業、中山邸通用門。中はセット撮り、娘たちが逃げようとした際に参道も使われる。
  • 一人逃げ延びるお初だが追いつかれ転落する橋、中ノ島橋。増水している設定で追っ手が捜索をあきらめて去ったあと、橋下の背割を夜釣りの金さんが来て、橋脚に引っかかっているお初を見つける運び。
  • お初の身元を突き止めた金さん、山城屋夫婦を平八へ連れてゆく途中、ならず者たちに襲撃される川べり、上賀茂神社ならの小川畔。
  • EDアヒルぷかぷかの池、中山池か菖蒲谷池か(前にも使われているが、ロングは初めて)

2016/3/29

■ 遠山の金さん捕物帳 第108話「煮え湯を飲んだ男」1972.7.30NET/東映

 職人の女房が長屋で殺され、一旦捕まった商人は真犯人が出て釈放、しかし関係者の人柄を見た金さんは納得しない。そして出るやはりの事実、桜吹雪が悪人をねじ伏せる。
加藤嘉演じる頑固おやじが悲惨な絵になっていて、ドラマに奥行きを与えている。

ロケ地
  • 父・一文字屋の釈放後、浮かれて佐三郎とデートするお嬢様・お琴、大覚寺天神島鳥居まわり。設定は弁天社、「睡蓮がきれい」の台詞あり。
  • 女房殺しをしてのけた柴助の死体と、嘉七の倅が井戸に投じられるところへ現れて大立ち回りの金さん、大覚寺五社明神。祠付近に井戸を拵えてある。夜間撮影。

2016/3/28

■ 遠山の金さん捕物帳 第107話「かんざしに泣いた女」1972.7.23NET/東映

 休みにデートするという女中に、お嬢様が何気なく貸してくれた金の簪が狙われて、恋人たちを事件に巻き込む。その難儀を最初から見ていた金さん、やくざな芝居で中枢に切り込んでゆく。
鍵となるアイテムが贋物だらけという、阿呆なオチが用意されていて笑える。

ロケ地
  • 茶道具の目利きをしていた浪人が一味に殺される日本堤、広沢池東岸汀。検分は夜。
  • 茶道具屋へ乗り込み凄んできた金さん、帰り道で声をかけてきた怪しの手代をシメる町角は今宮神社摂社脇。
  • 聞き出した賊一味のアジト「葛飾・湖月庵」へ行く金さん、門は中山邸門。中はセット撮り、偽物製造工房という次第。
  • 口八丁で一味に加わった金さん、彼らを裏切った仲間を「殺す」夜のやしろは大覚寺五社明神。腹をどすっとやって川(?)に蹴り込むのは大沢池。

2016/3/27

■ 大奥 第一部 「最凶の女」2016.1.22フジテレビ/東映

 因縁の子が、大奥に帰ってくる。
母の無念を晴らすため将軍の子を欲するお美代だが、恋を得てその行為の空しさに気付く。しかし相手はある企みをもって近づいてきたのだった。

ロケ地
  • 江戸城イメージ、姫路城天守。以降もアングルを変えて何度も出てくる。
  • 寒い日も鍛錬を欠かさぬ家斉、弓の稽古シーンは姫路城西の丸塀際。
  • 前将軍・家治の御世、ある雪の夜、下総の古寺・智泉院を訪ねてくる中野清茂、雪降りしきる夜の門前は鹿王院中門。その十五年後長じたお美代のくだり、父の僧・日啓が堕胎した(大奥の女の)子を埋めるのを目撃する夜の竹林、大覚寺竹林
  • 中野の屋敷へ飛び込んだお美代が己の出自について聞かされるくだり、家治の世継に決まっていた家基が鷹狩の際休息し頓死した屋敷、彦根城楽々園書院縁先。
  • 将軍・家斉は、嫡子を生んだお楽の方をよそに女漁りと語られるシーン、大奥の庭での宴は姫路城西の丸広場。以降、似たシチュエーションで何度も出てくる。
  • 捨て置かれたお楽が溜め息をつく庭の橋、彦根城玄宮園龍臥橋。ここへ、甘言をもってお美代が近づく。後段にも出てくる。
  • お美代の「実家」智泉院へ出向き祈祷を受けるお楽、仏光寺か。美男僧・日遠の接待を受ける座敷は鹿王院客殿。帰り道、またご祈祷を?と問いかけるお美代は鹿王院参道。その後も智泉院へ出かけてゆくお楽、駕籠が出る城門は彦根城天秤櫓廊下橋(後段、ここから下をゆく女駕籠を見つめ渋い顔をする脇坂淡路守のシーン等もある)
  • 智泉院へ出かける女たちが小休止する茶店、酵素ダートに設営か。微行の淡路守とお美代が接触、このあと「智泉院参道」の大覚寺竹林で対峙。
  • 智泉院の庭、接待も受けず蛙の交合を凝視するお志摩に声をかけるお美代、鹿王院回廊脇庭園。このあともお志摩とのシーン等がこの庭園で撮られている。
  • 城内でお志摩と睦むお美代、姫路城西の丸連郭石垣際。
  • お志摩が扇に仕込んだ密書を侍に渡す、大奥出入りの小間物屋の女、大覚寺護摩堂前。灯篭などあしらい。
  • 城から出されるお志摩の早桶、姫路城いの門

■ 大奥 第二部 「悲劇の姉妹」2016.1.29フジテレビ/東映

 いかにして家斉は膃肭臍と化したか、の巻。
素質は十分に持っていたものの、明らかに異常な子の多さは(亡霊とお歌に)勝ったと思い込んだ高揚に起因していた。
お話の本筋は姉妹の悲劇、益体もない妬心を大奥というシステムが増幅させ、人を暗い淵に誘い込んでゆく。

ロケ地

  • 死の床についたお歌の回想、幼い日姉に嫉妬するあまり木に登って困らせた野原、大覚寺遣水跡。木は水路脇のヤナギ。
  • 御台所・寔子入内のくだり、家斉に初めて会う城内の一室、姫路城西の丸内部。スリット越しに天守が見えている。
  • 御台所との仲がうまくゆかず、世継出生のため画策される側室選び、幕閣が遠眼鏡で品評の際娘たちが立たされている橋は彦根城玄宮園・鳳翔台前の橋。
  • 御小納戸役・中野清茂が酒井家の野点を見遣るくだり、席は大覚寺大沢池船着(大)
  • 江戸城イメージ、姫路城天守。以降も様々なアングルで登場。
  • 酒井家の姉妹・お梅とお歌が趣向を見せる浜御殿、不明(将軍夫妻は座敷、正面に擬宝珠つきの階。庭は別棟との間のごく狭い個所、枯山水?と小橋が見える)
  • 大奥入りするお梅の駕籠が入る城門、彦根城天秤櫓廊下橋。後段、家斉が日光参詣のため出るのも同所。
  • 姉・お梅のあとを追うように側室となったお歌、家斉を誘惑し「落とす」庭、等持院庭園(北東部分周回路ほか。椿が演出されている)
  • 想像妊娠発覚後、大崎局の指示でお歌が行く智泉院、法要が営まれる広壮なお堂内部は仏光寺か。僧となった兵吾と会う部屋はロケかセットか不明(円窓から紅葉望む図)

2016/3/26

■ 遠山の金さん捕物帳 第106話「女房と二度別れた男」1972.7.16NET/東映

 時化で遭難した船乗りは永の年月を経て帰ってくるが、迎えてくれる国も家族もなくしていた。加えて、因をつくった元の雇い主が口封じにかかるというおまけつき、金さんに救われるものの、結局彼の居場所はどこにも無いのだった。
清七が英国の密命を帯びていたり、遠山奉行が鎖国政策を批判したり、やがて来る大波を予感させる仕掛けが面白い。

ロケ地
  • 異国のボートに乗っていた清七が打ち上げられる浜、琵琶湖西岸砂浜。彼を発見する漁師親子(?)は「海藻」を採取。
  • お上によって番町の薬草植付場へ監禁される清七、そこへ忍んで行った金さん、見張りが眠らされているのを見る塀際は河合社か。
  • 遠島を申し渡された清七が漕ぎ出してゆく海、琵琶湖西岸。見届ける金さんと北川与力は松林を背にしている。

2016/3/25

■ 遠山の金さん捕物帳 第105話「幽霊を化かした男」1972.7.9NET/東映

 お化け屋敷での変死も、続発する小町娘の神隠しも、荒れ寺に出るあやかしも、根はひとつ。娘たちを異国へ売り飛ばす悪党の巣へ乗り込んだ金さん、まさに諸肌ぬいで大暴れ。
お白州では幽霊を出してみせるほか、匕首の細工を高崎どの相手に披露するお茶目なシーンも。

ロケ地
  • 夜な夜な女の泣き声が聞こえ、「出た」と噂の深川・霊相寺(無住の荒れ寺)、不明(まわりの林は赤松などある混交林?門とか石積とかでかい燈籠とか見えるが、ありものか否かも暗くてムリ)。カナ文と半次がおっかなびっくり調査に入るくだり。
  • 千代太夫が指揮して人形師の為五郎宅を襲い、為五郎と坊は金さんが匕首で「殺し」、娘の八重はさらって霊相寺へ運び込むくだり、神光院。駕籠が西門を入ってゆき、中興堂内部へ運び込む。立ち回りは外へ展開、東側縁先と回廊でアクション、本堂裏手が映り込む。

2016/3/23

■ 遠山の金さん捕物帳 第104話「桜吹雪に泣く女」1972.7.2NET/東映

 放蕩三昧で悪い噂しかない旗本の殿様だが、先頃まで任地だった氷川の地では生き仏扱い。加えて、彼が捜しているというのは二対の桜の彫物で、それは女の背に描かれていた。
謎めいた展開に、かの桜小僧が降臨して色を添え、泣かせる情話で〆る。江原真二郎カッコ良過ぎ。

ロケ地
  • 元桜小僧のお仙が女中をしている氷川の湯治場イメージ、日吉山荘(湯樋と湯気スモーク演出)
  • 湯治場のあるじ・角右衛門が、お仙を伴いやってくる江戸・諏訪の台、不明(夜桜見物の衆で賑わう桜林、舞殿らしき構造物がちらり。お仙と間違えられて旅の女が斬られるのは土手か)
  • 諏訪の台で角右衛門と「はぐれ」姿を消したお仙、桜の枝を使って金さんを呼び寄せる夜の町角は相国寺鐘楼脇、お仙は弁天社から現れる。
  • お仙とお辰の刺青を見て情報を得た角右衛門、一色とともに氷川へ向かうルート、相国寺大光明寺門(一色とその供侍たちとともに出発)若森廃橋(北へ渡る・カメラ下流側の西から)〜山道(九十九折の林道?下の道をお仙と金さんがつけてきているのが見える演出も)
  • 氷川在の百姓らに集合がかかるくだり、大挙して渡ってくる橋は若森廃橋(北へ渡るのを南から見た図、背景に藪田神社社叢)。集まれと知らせを受ける爺さまの家は民家まわり(萱葺の母屋の戸口、土手なども映り込み)。三々五々集まってゆく里の道は藪田神社前の細道か。
  • 百姓衆が集まる地蔵堂境内、鳥居本八幡宮広場。一色たちは本殿前から現れる。掘り返すのは竹林の丘の中腹。舞殿には壁が拵えてある。
  • 北町奉行所イメージ、京都御苑管理事務所東門(バンクフィルム)。白州に据えられるのは一色の「元」家来、茨京十郎。

2016/3/22

■ 遠山の金さん捕物帳 第103話「噂を売る男」1972.6.25NET/東映

 敏腕の瓦版「記者」、正義の庇護者のごとき謂は外面、裏で記事をネタに恐喝を働く。しかし彼には仇討ちという秘めた目的があり、強請り仲間と見えた毒婦は共感者、悪を蹴散らす金さんと、情け深い遠山裁きの合わせ技で、恋人たちは救われるのであった。

ロケ地
  • 才次郎の告白、水島屋に騙されて首を吊った親父が経営していた上州桐生在の織元・桝田屋、亀岡の民家か(長屋門越しに萱葺の母屋が望まれる)
  • 水島屋が版元と甘利屋を呼び出して密殺する夜の貯木場、「材木置場」。大きな丸太が積まれている。

2016/3/21

■ 遠山の金さん捕物帳 第102話「狼と呼ばれた女」1972.6.18NET/東映

 表題のあばずれ女を縦糸に描く、「本格の盗賊」の情話。情夫の浪人も、賊のかしらも手を焼く蓮っ葉な姐さんだが、芯はかわいらしい女性であった。
わるい奴らが、自ら真っ逆さまに煉獄に落ちてゆくさまが痛快でもあり哀れでもあり。

ロケ地
  • 稲荷の藤兵衛の船宿を訪ねる己之吉おかしらと新太郎、嵐山公園・錦
  • 勘定吟味役・内藤左門邸、民家長屋門。新十郎とグルのはずの下役・主膳が入ってゆくくだり。
  • 御用金が運ばれる内藤新宿付近の街道および間道、不明(山道、森は混交林で谷川沿いの道も)
  • 盗金を隠しに行った己之吉、怪しの人数を見て隠れるやしろは走田神社稲荷社、人数は参道の奥から来る。この間、江戸から息せき切って駆け付ける金さんとお紋は社務所前を走る。
  • 主膳や藤兵衛の謀略に怒ったお紋が内藤邸へ乗り込みかけるのを止める金さん、「内藤邸」筋向いの民家長屋門前。
  • 内藤邸から出てくる藤兵衛、小幡神社脇参道から入って、川側の鳥居の方へ歩いてゆく。
  • 己之吉が金を埋めた荒れ寺、鳥居本八幡宮か(小柴垣、竹まじり雑木林)。藤兵衛らが金を掘り出し、主膳が盗賊らをまとめて始末のところへ、金さん登場。
  • 遠島に処せられた新十郎がお紋の卒塔婆に祈る海辺、海津大崎か。イメージ島影は竹生島

2016/3/19

■ 遠山の金さん捕物帳 第101話「命を運ぶ男」1972.6.11NET/東映

 お店を潰した悪党どもに一矢報いようとする跡取り息子だが、その過程で人を殺してしまい江戸を売るほかなくなってしまう。元女中の女房と二人頼った逃がし屋は、ほかならぬ女房の元恋人なのであった。
ドロドロ人間模様は、二重構造。

ロケ地
  • 啓次郎が仙蔵に斬りつけられ、揉み合ううち刺してしまう夜道、糺の森か。博打帰りの源十が目撃。
  • 源十が啓次郎とお美乃を連れてゆく酒肆・火の車(裏家業は逃がし屋)大覚寺五社明神祠脇に設営。裏は大沢池で船着き(汚穢船で人を逃がす/船頭は波多野博)を拵えてあり、大沢池堤が広く映り込む。このほか心経宝塔が映り込んでいるが、五社明神本殿は映らない。
  • 火の車のあるじ・栄三の回想、大工だった彼が仕事帰りにお美乃とデートしたやしろ、大覚寺天神島鳥居そば池畔。
  • 栄三がお美乃らを拒否したため、夫婦はとりあえず姉の住む仲町へ行くが、その途中怪しの駕籠屋(有川正治ほか)に連れ去られるところへ金さんが出て阻止のシーン、上賀茂神社ならの小川畔、河合社鳥居前。ここは後段、身を引こうとした啓次郎を追ってくる栄三のシーンにも出てくる。
  • 江戸払いとなった啓次郎とお美乃が木戸を出て旅立ってゆく街道、不明。谷地田の地道、路傍田畦に瓦葺の小屋(壁土が剥落して下地見えてる)、木戸の柵の向こうに孤立木あり・奥が溜池っぽい感じ…酒屋神社の奥なんかこんな感じだったかも。

2016/3/18

■ 遠山の金さん捕物帳 第100話「殿様には向かない男」1972.6.4NET/東映

 尾張の次期さまの社会勉強を任されてしまう遠山奉行、世話するのはもちろん金さん。当然若殿を狙う輩が湧いて出るのだが、それは物欲と色欲にまみれた「身内」なのだった。
若様の目的は果たされ、変な若者を押し付けられたカナ文たちには、ありがたい下され物が舞い込む。

ロケ地
  • 尾張屋敷門イメージ、91話の松前藩西蝦夷勤番所と同じ、西本願寺大玄関門に似たアレ。打ち続く鍛錬や学問に疲れ果てた若君が「町人になりたい」と呟く庭、不明(池泉端、築山の上の萱葺は茶亭か)
  • 尾張家の家宝・髭切丸盗難の件をさぐるため中間部屋の賭場へ潜入する千吉(若君の変装)たち、襲撃される帰り道は相国寺鐘楼まわり。
  • 屋敷奉公を強要されたお春(髭切丸を預かっていて殺された研師の娘)、駕籠が入る伊勢屋(髭切丸を持ち込まれ買ったと称する刀屋)の根岸寮イメージ、中山邸門。尾張のスケベな江戸家老が待ち構えていて、贄にされかかる。
  • お白州開廷の際の北町奉行所イメージ、京都御苑管理事務所東門(バンクフィルム)。白州には若君、城代と江戸家老が招ばれている。

2016/3/17

■ 遠山の金さん捕物帳 第99話「狩られた女」1972.5.28NET/東映

 公共工事請負をめぐる汚い企み、ライバル殺しを目撃した茶屋女がこれまた卑劣な方法で抹殺されかかるのを金さんが阻むのだが、その女の亭主が品川隆二。例の如く騒がしい展開となり、お話は半ばあさっての方へ飛んでゆく。
夜鷹狩りという行為について「世間を学ぶ」お奉行、というスパイスも利いている。

ロケ地
  • 寛永寺修復を請け負うことになっていた材木商・田島屋が暗殺される夜道、中ノ島橋まわり。田島屋主従は橋上を来て、刺客は橋たもとの建物(拵えてあるっぽい)の陰から飛び出す。目撃者の茶屋女は橋上で騒ぎを聞きつける。
  • 茶屋女がたばかられて行く夜の姥ヶ池(花川戸?)大覚寺放生池堤〜護摩堂前。天神島朱橋たもとで私娼が客を引いており、ここへ夜鷹狩りがかかるが、茶屋女は一味の男に当て落とされ気を失っているところ巻き込まれ逮捕されてしまう。
  • 大宮と会い、夜鷹狩りをやめるか改めるかする必要があると説く金さん、不明(稲荷社前、どこかの境内の摂社か)
  • 北町奉行の推しで寛永寺修復を請け負うことになった信濃屋、用足しに出かけてゆく夜道は中ノ島橋。目的地の伊勢屋根岸寮は嵐山公園内料亭・錦(前に駕籠をつけ入ってゆく)

2016/3/16

■ 遠山の金さん捕物帳 第98話「奉行を子分にした男」1972.5.21NET/東映

 町衆のみならず、お上も手を焼くうるさ型の老岡っ引。彼が頑として十手を返上しないのは、十年前のむごい殺しが未解決なため。それと同じ手口で後継ぎ息子が殺されたもんだから、もう鬼源は頭から湯気を立てて怒り、遂に捕えた容疑者を殺しかねない勢い。しかし、世話している年寄りを案じる「犯人」のしおらしさにたちまち屈し、逃がそうとするのだった。
口喧しい目明しの人情劇に加え、真犯人を探り出す謎解きも入った濃い話。

ロケなしセット撮り。
2016/3/15

■ 遠山の金さん捕物帳 第97話「福を拾った男」1972.5.14NET/東映

 いきがった若いチンピラ、戻れぬ道へ踏み込む寸前で愛する娘への思いゆえに救われるの巻。長谷川明男、全く暗くない性格の珍しい役どころ。
文三親分、落とした十手を佐太郎に拾われ、とんだ悪党の手に渡り悪用されてしまうというトホホ展開。そのうえ当のワルにとっ捕まり監禁のところ、思わぬガッツ見せて縄を解くが、十手が戻ったのに戦わずしてこそこそ逃走という「らしい」運び。

ロケ地
  • カナ文の十手を使いカツアゲしてきた佐太郎、小銭つかんでほくほくの帰り道、背景のやしろは上御霊神社福寿稲荷
  • 刀商・美濃屋が備前長船の身代金を持って入ってゆく夜の深川八幡、上御霊神社。金箱を積んだ大八を曳いて楼門を入り、参道石畳を行き舞殿前へ。ここで、このためだけに利用されている佐太郎が出て「金を渡せ」と凄むが、金さん登場。手水舎も映り込んでいる。

2016/3/14

■ 遠山の金さん捕物帳 第96話「おかげ参りの女」1972.5.7NET/東映

 御蔭参り流行の気配、しかし裏には作為ありあり。お参りの衆に施しをする店の前で起きた不審死を調べる金さん、生臭い企みが白日のもとにさらされる。

ロケ地
  • 高千穂教教祖・関口多門に暗示をかけられた安三(踏み殺された男のことで伊勢屋に掛け合いに行った)、待っていた金さんや春海を無視し通り過ぎる町角(回向院付近設定か)大覚寺五社明神祠脇(金さんたちの背後に心経宝塔映り込み)。そのまま池に落ちるところを、金さんに止められて正気にかえる運び。
  • 「踏み殺された」男のことや、伊勢屋の秘密を知っていそうなおたきを連れ出し問い詰める金さん、金戒光明寺墓地、文殊塔まわり。高千穂教の一味が出て立ち回り、この隙におたきが塔下の崖へ突き落される。

2016/3/13

■ 水戸黄門第一部 第7話「雨あがる」1969.915TBS

 川止めの宿で交錯する人間模様、売られてゆく娘と女衒、永く浪々の身の父子、詮索好きな若侍、そして格さんそっくりの窃盗犯。騒動の縦軸は掛川藩の跡継問題、父の意思を継いで御落胤の命を守るため大芝居を打つ娘がいた。

ロケ地
  • ようやく川止めが解けてどっと賑わう大井川の渡し、木津川下流部と思われる。バンクフィルム?
  • 妙と約束したと仕官の件で冬木に縋る井沢浪人、龍譚寺庚申堂前。
  • 御落胤を乗せた駕籠がゆく道、龍譚寺参道。そのあとをついてゆく妙の前に弥七と格さんが出て問い詰めるのは山門前、老公が出て妙の告白を聞く。家老一派が若様を害そうとするのは方丈前、大立ち回り。

2016/3/12

■ 遠山の金さん捕物帳 第95話「二人の亭主をもつ女」1972.4.30NET/東映

 手下もその顔を知らないという凶賊、その正体はという筋立てに、亭主を盗っ人と知って逃げた女の哀話がからむ。女はいま富商の後家におさまっており、店はむささびの源太一味の的となっていた。
お白州で、継子が初めておゆきを母と呼ぶ感動シーンを演出してある。

ロケ地
  • 呉服問屋の後妻・おゆきが夫に嘘をついて出かけてゆくのを尾行する虎さん、角を曲がるのを見届ける家並みは民家長屋門。川べりの船に伊之吉が腰かけて待つのは犬飼川下河原橋上手左岸河川敷。おゆきに百両要求して去る伊之吉、小幡神社脇参道
  • 家へ帰れず、夜の汀に佇むおゆき、宇治公園左岸河川敷。入水のところを金さんが阻止。

2016/3/11

■ 遠山の金さん捕物帳 第94話「大阪から来た男」1972.4.23NET/東映

 大坂から来た凶賊が跋扈、それを追って江戸へやってきた老目明しが、晴れて帰ってゆくまでを描く。
ご支配のダンナを賊に殺されたベテラン目明しが、職を解かれても悪党逮捕に執念を燃やし江戸まで出てくるのに対し、われらが文三親分ときたら、開始早々凶賊に怖じ縄張りからとんずらこいて半次に仕事を押し付ける始末で、常にもまして情けないのであった。

ロケ地
  • 一度お盗めをしくじった札差を再度狙うはやて組のくだり、札差が老中の命で下総へ御用金を運ぶ街道は不明(酒屋神社前に似た地道、里も見える)、襲撃場所の越谷宿・念佛寺は石塔寺(阿育王塔の奥の石塔石仏群)
  • はやて組の壊滅を見て十手も戻り、晴々と大坂へ帰ってゆく市助父子、不明(谷地田の奥へ行く道、路傍に瓦葺の小屋あり)

2016/3/10

■ 遠山の金さん捕物帳 第93話「虎が惚れた女」1972.4.16NET/東映

 「団平」のむかしの恋が立ち現われるが、もはやかなわぬ遠い夢。彼女の夫は、団平らお庭番が潰した藩の侍で、凶賊の手先となるまでに荒んでいた。

ロケ地
  • 角田が凶賊の一味・伝八を斬る夜の林、下鴨神社泉川畔。虎さんが居合わせ、引き上げる角田とすれ違い互いを認識。川に渡してある橋は拵えものか。
  • 虎さんの回想、朋輩のお庭番が薬売りに化けて見張る藩邸、不明(城門っぽい)
  • 団平を捜し歩く角田、薬売りに化けていた隠密(このときは浪人姿)とすれ違う雑踏は下鴨神社河合社鳥居付近(露店等多数あしらい)。つけてゆき斬りあいとなるくだり、相国寺法堂裏手〜弁天社西側植込脇。鐘楼なども映り込む。
  • 団平を憎む元お庭番、忍者ルックの虎さんと争う夜の林は下鴨神社泉川畔。
  • お白州開廷の際の北町奉行所イメージ、京都御苑管理事務所東門(バンクフィルム)
  • 角田を乗せた流人船が漕ぎ出す海、マジ海か。

2016/3/9

■ 遠山の金さん捕物帳 第92話「幽霊にされた女」1972.4.9NET/東映

 またまた登場春海和尚、彼のボロ寺に置き去られた棺桶から死体がむくり。生臭坊主、金さんに事を投げるが儲け話には噛んでくる。丁々発止の親子競演が見もの、今回金さんの身分が和尚に知れる展開。

ロケ地
  • 女たちが頻繁に出入りする蓮華院、出てきた住職らを尾行する安三は随心院薬医門(蓮華院と看板が出ている)〜随心院裏手小径〜大覚寺大門(上郡藩江戸屋敷、見届けると死神のような浪人が立ちはだかり斬られかける)
  • 声を発し安三を助けた春海、二人逃げてくる町角は随心院長屋門前付近、金さんのヘルプが入る。このとき長屋門は映らず。
  • 安三を坊主に仕立てて出かける春海、待ち合わせは随心院長屋門(帰途にも出て、立ち回りあり)。上郡藩邸へ罷り通り、案内される廊下は大覚寺回廊。このあと御後室と会見するが、おばさん逆上して全部喋る。
  • 住職と、入り込んだチンピラの悪行に耐えかねて逃げ出した小坊主が斬られる町角、大覚寺五社明神。彼の悲鳴を聞きつける金さんと春海は心経宝塔前。
  • 蓮華院本堂内へ棺桶を持ち込み啖呵を切る金さん、堂内描写はロケっぽい。

2016/3/8

■ 遠山の金さん捕物帳 第91話「シャモを愛した女」1972.4.2NET/東映

 アイヌの女が追われる物騒な事件に遭遇した金さん、事は大目付を巻き込んで大事となり、果てはともに蝦夷地へ乗り込む始末。
和人の侍を愛するものの、騙され見下されていた女哀れ。その酷薄な男を演じるスガカンがまたいい味。

ロケ地
  • 与太者にからまれていたイナメを助ける金さん、夜の橋は中ノ島橋。悪党は追い払うものの、娘は金さんを不審がり川に身を躍らせる。金さんも追ってドボン。
  • 蝦夷の海産物問屋・下北屋が早駕籠をおりる夜道、下賀茂神社河合社脇。「若い娘と待ち合わせ」と言うが、刺客が出て斬られてしまう。
  • アイヌ娘の土左衛門があがる浜町河岸、嵐峡汀。金さんが駆け付けると、カナ文が先に出張っている、
  • 溺死したアイヌ娘が持っていた地図を頼りに金さんとカナ文たちが遡る目黒川、下鴨神社泉川。河畔に小屋設営、付近にアイヌの弓トラップ仕掛けられ。
  • 北町奉行所イメージ、京都御苑管理事務所東門(バンクフィルム)。弓を調べ毒矢と判明するくだり、こういうとき間宮林蔵がいればとお奉行がぼやくが、高崎さまは間宮死亡を告げる。
  • 江戸城イメージ、彦根城天守。遠山奉行が大目付と会談し蝦夷地行きを決めるくだり。
  • 蝦夷地積丹の荒野、不明(野焼きの後の葦原みたいな感じ)。アイヌ部落表現の「里」は民家博物館みたいな感じ。松前藩西蝦夷勤番所、両側に控所を張り出させた、西本願寺大玄関門に似た門。
  • 断罪の場から逃げた柴田、マッカ岬の方へ移動するイナメの一族に追いつく浜は琵琶湖西岸河口州。規模は大違いだが、野付半島みたいなかたちの州浜が見える。

2016/3/7

■ 遠山の金さん捕物帳 第90話「涙を見せなかった女」1972.3.26NET/東映

 悪女の企みをあばき、これ以上の被害者が出ぬよう裁きを下すお奉行。この女が高崎さまのマドンナなもんだから、微妙な思いやりがあるかと思いきや「早く嫁を貰え」と言い放つ、豪快な上司であった。

ロケ地
  • おせきが高崎さまを呼び出す深川の船宿のくだり、イメージに出る橋は中ノ島橋。倉三が虚無僧と刃傷のすえ川に身を躍らせるシーンはセット撮りか。這い上がってくるところを虎さんに保護されるシーンは嵐山公園中州岸。場がおさまったあと、高崎さまがおせきを送っていくシーンは中ノ島橋上〜前付近(おせきの家という入口が錦のものかは不明)
  • 虎さんに問われての高崎さまの回想、高崎少年が道場通いの道で見かけた薄幸の少女・石のおせき(泣かないところからついた綽名)がいつも遊んでいた小川べり、上賀茂神社ならの小川畔。三浦屋の囲い者の子・おせきがおはじきで遊ぶのは河畔の木の根方、悪ガキに苛められている。高崎少年は神事橋の方から来る。
  • おせきが自分を釈放させたと知った倉三、駆け上がってゆく坂は豊国廟石段。このあと神輿庫でおせきと会う(昔の密会場所)

2016/3/5

■ 遠山の金さん捕物帳 第89話「喧嘩を仕組んだ男」1972.3.19NET/東映

 江戸へ逃げてきたらしい一家、父は殺され母は拉致。残された子を保護した虎さんは、事の起こりの佐原へ飛ぶ。虎さんまわりのシリアス展開と、金さん合流後のコミカルタッチが面白い。タイトルはその金さんの画策、つるむヤクザどもを田舎臭い芝居こいて出入りに持ってゆく。

ロケ地
  • 虎さんが子に飴をやった一家が博徒に囲まれて父は斬殺、母は駕籠に込められ拉致される土手、大覚寺大沢池堤
  • 虎さんが入る佐原宿イメージ、琵琶湖西岸(突堤のある岸、バンクフィルムか)、セット町並を挿んで出る水郷の風景は銭形平次「黒い魔手」と同じか。
  • 博徒の情婦に接近し聞きこむ虎さんだが露見、追われ逃げる道は北嵯峨農地竹林際(大石置いてある道隈)、追っ手から逃れ竹林に隠れると金さんが来ている寸法。
  • 代官への貢物にするため拉致した女房を隠してある下総屋寮、中山邸門。虎さんが逃げたあと警戒厳重となり松明など持ち出して物々しい情景、金さんと二人参道の暗がりに潜む。
  • 金さんと虎さんが一旦女房を救出し逃れるものの追いつかれ取り戻されてしまう渡し場、罧原堤下汀に設営。二人は川に身を躍らせ逃れるが狙撃される。対岸には靄。ラストシーン、お裁きのあと佐原に帰ってくる太兵衛らの船のシーンも同所。
  • 白州開廷の際の北町奉行所イメージ、大覚寺大門(バンクフィルム)

2016/3/4

■ 遠山の金さん捕物帳 第88話「月夜に浮かぶ男」1972.3.12NET/東映

 八丈から戻った男は、待っていてくれる友と働くことを楽しみにしていたが、行ってみるとその男の葬儀の真っ最中。死因を調べたりするうちヤバい目に遭うが、そもその船乗りの友が極悪人の片棒を担いでいたのだった。

ロケ地
  • 仙吉の埋葬、金戒光明寺本堂裏手墓地(僧侶や文三親分たちほか、勤め先の回線問屋・渡海屋の衆が参列)。鳥追姿のおけいを見かけ追う清次だが見失うくだり、同じくろ谷墓地だが極楽橋を渡って丘寄りの石畳上で、渡海屋の衆に声をかけられたり虎さんに会ったりする際には、東坂のあたりが見えている。寺の設定は青山寺(せいざんじと発語あり、字は適当)
  • 虎さんに仙吉のネガティブな情報を聞かされる茶店、大覚寺五社明神に設営。
  • 八丈島での仲間にはめられ殺人犯にされた清次、逃げた先で死んだはずの仙吉に出くわす夜のやしろ(舞殿が見えているので神社と解釈)上賀茂神社渉渓園。仙吉はスダジイの根方に。
  • 仙吉が「仲間」と良からぬ企みをする渡海屋の寮(?)イメージ、中山邸門
  • お白州開廷の際の北町奉行所イメージ、京都御苑管理事務所東門(バンクフィルム)
  • 事後、仙吉の墓に詣でるおけい、金戒光明寺本堂裏手墓地(はじめ仙吉として葬られた医者の卒塔婆も並んで立つ)。このあと同じく墓参に来た清次に出くわすが顔も見ず無言で去るシーンは同寺極楽橋上、チターの音が聞こえてきそう。
■ 大岡越前3 最終話「天下の御前白洲」2016.3.4BSP

 寺の坊主が、檀家の金無垢観音像を取り上げようとした事件は、彼の父が門跡寺院の寺侍なうえ、あるじは上様の伯母上だったためおおごとに発展。江戸城内で、将軍臨席の裁判が開かれるのだった。

ロケ地
  • 寺社奉行・小出が忠相と行き会うも不機嫌そうにすれ違うお城の廊下、東福寺方丈縁先と回廊。その訳を安藤対馬守に聞かされる忠相は、方丈通天台。
  • 南町奉行所、大覚寺明智門
  • 秋田屋の菩提寺・吉祥院、神光院。山門、本堂など使われる。蓮月庵は境内の花屋、本堂裏手の板塀から怪しの男女が出入り・こやつら、後で二つ名持つ悪党と知れる。
  • 吉祥院住職・白善の父・荒川左門について語られるくだり、門跡の尼様が上様と野点の庭は金戒光明寺紫雲の庭
  • 駕籠で出かける小出に「観音像を早く」と訴える左門、大覚寺式台玄関
  • 城内にしつらえられた白州、金戒光明寺方丈と前庭。庭には奉行が座す台が置かれ、屏風や幔幕もあしらわれる。方丈座敷には御簾が下げられているが、上様ははねのけて出てきたり。

2016/3/3

■ 遠山の金さん捕物帳 第87話「首を狙った男」1972.3.5NET/東映

 赤子を抱いた母が惨殺されたのを、まさに目の当たりにした虎さん、かんかんになって捜査に乗り出すが、自分がやったと大嘘ついて捕まった浪人を釈放させようとする妙な娘が出てきて混乱。果たして浪人も娘も潔白、やりきれない「意図」が明らかとなる。

ロケ地
  • お寺の門前で営業の虎さんから飴を買う御新造、今宮神社東門前。門内から悲鳴が聞こえ行ってみると、御新造が斬られて倒れているのは稲荷社と摂社の間(赤子は無事)。寺設定はあとで経緯を説明する虎さんの台詞から。
  • 早々と寺子屋師匠の小谷浪人を逮捕しお手柄にご機嫌のカナ文、半次連れて箱根へ出かける際通る道は梅宮大社東参道。蔵から西の、今は変わってしまっている表参道付近の様子が映り込んでいる(赤い大鳥居無いとか、石垣とか)。蔵の壁に親分が自ら貼った、お手柄を報じた瓦版を、チンピラが剥がしてゆく。カナ文たちの帰還シーンもここ、但し「貸本屋の娘が真犯人か、文三親分またもドジ」と書いた瓦版が売り出されている次第、このシーンの背景の民家二軒までもが当時の風を残すのも興深い。
  • 虚偽申し立てがばれ釈放、座敷牢に籠められていた貸本屋の娘・お浅、またぞろ小谷浪人を釈放させようと画策、相当な悪者とにらんだ金さんに牢破りを依頼するくだり、事情を問われ語る「小谷は大事な人の仇」の回想は上賀茂神社渉渓園、スダジイの根方(石積はまだ見られない)。仇討ちを理由に土屋浪人から別れを告げられるシーン。
  • 深更ひそかに小谷浪人の晒し首を盗りに来る土屋だが、物色中に高崎が出て誰何される小塚原刑場、下賀茂神社河合社裏手糺の森
■ ちかえもん 最終回
 「曽根崎心中万吉心中(そねざきしんじゅうとまんきちのおもい)」2016.3.3NHK

 恋の無残な結末を見た近松は、不謹慎と思いつつ書かずにいられない。晴れて初演の日、行方不明となっていた九平次が現れ白刃を振りかざすが、守護者がそれを阻む。
結局、初回に出た幼き日の発端が、「彼」の正体であった。

ロケ地
  • 天神の森、雑木まじり竹林に大岩露出のアレ。蓆をかけられた死体のある窪地は下鴨神社糺の森池跡。
  • 新作浄瑠璃が大当たりをとった祝いの宴で語られる「真相」、二人がいま鯖を獲って暮らしを立てている越前の浜、琵琶湖東岸汀(砂浜、波は穏やか)
  • 我が良き友よが流れる中、不孝糖を売り歩く万吉のイリュージョン、亀岡か。

2016/3/2

■ 遠山の金さん捕物帳 第86話「代貸に惚れた女」1972.2.27NET/東映

 対立するヤクザは、仲裁人をたてて手打式を行うが、その夜に片方の親分が殺され、復讐劇もはじまらないうちにもう一方の親分も殺られてしまう。遺留品が見つかったことで組員が逮捕されるが、奥底にはとんでもねー極悪人が隠れていた。

ロケ地
  • 手打式のあと、娘や乾分たちと別れる仁兵衛親分、嵐山公園中州(見事な松が見える)中ノ島橋(酔い覚ましに欄干に凭れていると刺客が出る)
  • 下河原の仁兵衛親分の死体が見つかる川端、広沢池東岸汀。
  • 竜神仙八親分(藤岡重慶)が用心棒を連れて仲裁人のところへ行く夜道、金戒光明寺永運院下坂。西翁院の道標の茂みに刺客がいて襲うが、ここには今は無い松が生えている。また、超覚院南東角が映り込んでいるが、角っこに見える木は現在漆喰に塗り込められている。役目を果たせなかった実は弱っちい用心棒は、助け起こした虎吉を避けて逃げ去るが、虎吉が見遣る先に善教院北東角が映る。
  • 仁兵衛の養女・お園(この時点で「半ば」正体を現している)に指示され、商家から脅し取る金を受け取りに行く大門浪人、おりてゆく夜の坂は金戒光明寺長安院下坂。約束の墓地はセット撮り、金さん介入ののちお園と竜神一家の代貸・丈太郎が逃げる際のは有りものかも。
  • お白州開廷の際の北町奉行所イメージ、京都御苑管理事務所東門(バンクフィルム)

2016/3/1

■ 遠山の金さん捕物帳 第85話「さらわれた女」1972.2.20NET/東映

 若い娘がさらわれ、太腿の皮を剥がれるという猟奇事件が続けて起こる。将軍のお声掛かりという椿事は、邪な者どもの欲を大いに掻き立ててしまうのだった。

ロケ地
  • 相馬屋の娘や、寿屋の娘が浪人たちに襲われる大川筋、宇治公園。駕籠がゆく夜道は土手、流されてきた死体が発見されるのは橘橋下の河川敷。河原では、伊勢屋の娘の危機に飛び出した虎吉の大立ち回りもある。
  • 日本橋小網町の蘭方医・大槻法庵邸、民家長屋門。長屋門の前に目立つ一本の木と生垣のある一件。浪人の波田久夫の出入りを、飴売り姿の虎吉が見張っている。
  • 伊勢屋の娘が恋人と旅立つのを眺める金さんと虎吉、流れ橋

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