時代劇拝見日記
2016年4月

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2016/4/30

■ 遠山の金さん捕物帳 第130話「闇に咲く女」1972.12.31NET/東映

 一人の船頭の死後、彼の娘が執拗に狙われる。関わった金さんは、娘の友人と称する女に振り回され挙句は殺されかかるが、「敵」に惚れてしまった情婦は任務を遂行できないのだった。

ロケ地
  • 相川屋とその一味が捕まったあと、金さんに身の上を告白するお銀、上賀茂神社ならの小川畔木の根方(水面は映らず、対岸の御所舎が見えている)。高崎さまが捕り方を連れて現れるのは、奈良社鳥居から。夜間撮影。
  • 北町奉行所イメージ、京都御苑管理事務所東門(バンクフィルム)

2016/4/29

■ 遠山の金さん捕物帳 第129話「泥棒の後押しをした男」1972.12.24NET/東映

 貧しさゆえに盗賊となった村人たち、その首領は遠山奉行の温情を受け足を洗うが、村を貧に落とした悪代官は再び無理難題を押し付けてくる。
金さんは全てをちゃんと見ているが、それを信頼しきっている源兵ヱが泣かせる。

ロケ地
  • 源兵ヱの女房の墓、くろ谷か。立地は高台。
  • 悪代官・高垣の屋敷、相国寺林光院。門を賊が出入りするほか、式台玄関前でしくじって戻ってきた賊を叱責し始末するシーンも。このとき玄関前には太い木が生えている。
  • 源兵ヱの娘・お民がつとめる両国の団子屋、大覚寺大沢池畔・五社明神祠裏に設営。EDではカメラ引いてゆき、放生池堤が映し出される。
  • 北町奉行所イメージ、京都御苑管理事務所東門(バンクフィルム)

2016/4/28

■ 遠山の金さん捕物帳 第128話「殺しを見られていた男」1972.12.17NET/東映

 蜆売りの少年が殺人を目撃するが、大人を連れて現場に戻ると、死体の痕跡も無し。このあと、嘘つき呼ばわりに終わらず、殺し屋が彼を狙うことになるが、彼の隣でいつも蝦蟇の油を売っていたご浪人のおじちゃんは、優しくて強い正義漢。
よってお白州では「おじちゃん」にギフト、これが坊にこの上ないご褒美をもたらすのであった。

ロケ地
  • 蜆売りの三吉が土手で昼寝中、殺し屋が出て西海屋の手代を刺殺する大川端、桂川堤と河川敷。
  • 三吉が拾ったきれいな石を貰ったお光、幼馴染の甲州屋手代に見せた帰り、殺し屋たちに囲まれる町角、下鴨神社河合社脇〜裏手。金さんが撃退。
  • その殺し屋どもが怒気を発し帰ってゆくところへ出くわす三吉、上賀茂神社渉渓園と周辺(舞殿や石橋、ならの小川に架かる橋や渡った先の林間など)。三吉が連れ去られるところ、仕事帰りの辰巳浪人が通りかかり救うのは、渉渓園を出て北神饌所裏手へ出るあたり。
  • 甲州屋の手代が「土左衛門で上がる」大川端、桂川河川敷。
  • 三吉がさらわれ、翡翠を持ってこいと指定された寛永寺裏山、不明(石段の上に鐘楼と広場、宝筐印塔など見える)
  • めでたく帰参叶った辰巳玄蕃、三吉と彼の母を連れて信州上田へ向かう街道、北嵯峨農地竹林脇。

2016/4/27

■ 遠山の金さん捕物帳 第127話「尼になった男」1972.12.10NET/東映

 いたって夫婦仲のよい、大工の女房がたびたび尼寺へ駆け込む謎。裏には哀れな過去の事情と、薄汚いどころではない企みが隠れていた。
で、表題の男は、春海の留守を預かる「安珍」、還俗してないというか剃られたままというか、禿かつらの蛾次郎ちゃん。

ロケ地
  • 尼寺・浄蓮院、一様院。冒頭の駆け込みシーンでは、門続きの塀際を夫婦が走り、参道坂を文三らが来る構図。このあとも何度も出て、門まわりや本堂前庭、方丈庭の通用門、裏の戸などあちこちたっぷり使われる。
  • 投げ込み寺の墓地で酔って寝込み、安珍に発見される辰平、不明。ちょっと招善寺みたいな感じ。
  • 辰平の回想、およしが身投げするのを止めた川、柊野堰堤落差工と巌。夜仕立ての画。
  • およしが戻った際、家を窺っていたいた尼、金さんらが追うと逃げ込む下谷寺地の林、下鴨神社糺の森(導入は河合社塀の端っこナメて)。その後死体で見つかるのは泉川畔。糺の森は、尼さんズが盗っ人トレーニングしていて安珍(風体は尼・安如)に見られるシーンでも出てくる。
  • 事後、江戸払いとなった尼さんズと辰平およしの夫婦がゆく街道、北嵯峨農地竹林際。石置場のところで、二手に別れゆく。

2016/4/26

■ 遠山の金さん捕物帳 第126話「身を投げ出して来た女」1972.12.3NET/東映

 双子の弟は兄に事を託し、兄の恋人は我が身を汚して敵を探り、それぞれ「身を投げ出す」。狡猾きわまる悪党が、復讐に燃える若者たちを手玉にとり害そうとするとき、遠山桜が割って入るのであった。

ロケ地
  • 尾張屋の弟・竹次郎が赦されて戻る霊岸島御赦免所、琵琶湖西岸。松は並木か。遠景に河口州らしき影。
  • もと尾張屋の番頭で、主家の抜け荷を証言した番頭が殺される小川、下鴨神社泉川

2016/4/25

■ 水戸黄門第一部 第9話「黄金の谷」1969.929TBS

 助さんが消えたらしき村を訪ねてゆく老公たちだが、そこは金が出なくなったため廃墟と化した村。怪しげな浪人たちがたむろし、なぜか金掘り人夫が逃げてくる。そして、当地の代官は老公の身分を知って糊塗にかかるが、弥七や隠密の働きで頓挫するのであった。

ロケ地
  • 廃墟の村、わらびの里みたいな感じで建物が並ぶ。山が近い。
  • 村近くの街道、切通しの山道。
  • 老公の文を持って松平の城へ向かう多吉が、浪人たちに捕まってしまう間道、鶯橋付近坂道(ダム湖も見えている)
  • 共に親を亡くし当地を去る、庄屋の倅と代官の娘、二人と別れ街道をゆく老公一行は中山池付近か(松並木の坂道、眼下に湛水)

2016/4/22

■ 遠山の金さん捕物帳 第125話「緋桜を狙う男」1972.11.26NET/東映

 かの「桜小僧」お仙は深川に酒肆を開くが、繁盛していたその店に不吉な影。店の床下に眠る、盗賊の隠し金を狙って悪党が殺到、店の女の子を害した彼らに、お仙は立ち向かってゆく。

ロケ地
  • 商売繁盛のお礼に八幡さまへ参るお仙、今宮神社本殿。帰るお仙と、やってきた金さんがばったり会うのは境内石畳上、拝殿や楼門続きの塀など映り込む。
  • 酒肆を買おうとしたヤクザ・白子の伊平をつけるお仙、彼が入ってゆく南町吟味方与力・塚本邸、不明(くぐり戸を入る伊平らを見るお仙は生垣裏、このあと松並木が沿う塀が見える。塀は剥落が激しい)。夜間撮影。
  • 北町奉行所イメージ、京都御苑管理事務所東門(バンクフィルム)

2016/4/21

■ 遠山の金さん捕物帳 第124話「水もしたたる男」1972.11.19NET/東映

 笹子峠で横死した花川戸の親分、組は離散、女房は借金返済を迫られ泣く泣く妾奉公…というのが遠大な仕込みだった話に、頓馬な三下がコミカルにからむ。
タイトル通り、何回も「滴る」目に遭う兄哥だが、「いい男」とは書かれていない妙が笑える。

ロケ地
  • 花川戸の仙造が暗殺され、逃げる刺客どもに三太郎が谷底へ落とされる笹子峠付近の山道、林道か。落ちた先は谷川で、ずぶ濡れ一回目。
  • 賭場で金さんに助けられ、屋台酒を奢ってもらう三太郎、店は中ノ島橋たもとに出ていて、仙造の元乾分・宗吉が仇と突進してくるシーンは堰堤脇、対岸から橋脚越しのアングルも。金さんが宗吉をひねったあと、腰を抜かしていた三太郎は立とうとするがつかんだのが魚籠だったため敢無くドボン。
  • 保護された平八から彷徨い出た三太郎、出会った子と遊んでやるのは大覚寺天神島、坊の母のおとせが迎えに来るのは朱橋(欄干が一部破損、折れている)。いい女だとのぼせていて腰かけていた朱橋からドボン。
  • 仙造を殺した男たちから返り討ちに遭って死んだ宗吉、その埋葬は金戒光明寺本堂裏手墓地、仙造の墓の脇に卒塔婆が立つ。
  • 山形屋がおとせに借金の肩代わりを申し出る料亭イメージ、錦水亭東屋を池越しに見る図。
  • おとせが妾奉公の話を受けに行く山形屋向島寮イメージ、中山邸門(夜景)
  • 北町奉行所イメージ、京都御苑管理事務所東門(バンクフィルム)
  • 未練たらたらなのにおとせの顔も見ず痩せ我慢して江戸を出る三太郎、木の根に蹴躓いてドボンの街道、大覚寺大沢池堤(ED被り)。上がって来る画が出てないのはヒドい。

2016/4/20

■ 遠山の金さん捕物帳 第123話「大安吉日に裁かれた女」1972.11.12NET/東映

 仲間のしくじりを庇おうとした稚気あふれる行為が、名うての賊を白州へ引きずり出す。やばいヤマを踏んで大いに肝を冷やした若者たちは、奉行の温情に救われるのであった。

ロケ地
  • 丸屋の女中・加代が母の治癒を祈りに行くやしろ、吉田神社竹中稲荷。「仲間」の留吉との逢瀬の場でもあり、以降何度も出てくる。本殿のほか、舞殿まわり、参道重ね鳥居が使われる。
  • 丸屋に用心棒を派遣している口入屋のことを虎さんに告げる金さん、宗忠神社玉垣下石積に腰かけ(パーキングのところ)
  • 北町奉行所イメージ、京都御苑管理事務所東門(バンクフィルム)

2016/4/19

■ 遠山の金さん捕物帳 第122話「禁じられた恋の女」1972.11.5NET/東映

 悪党の策略で仇同士となっていた運命の男女を、金さんが救う。
二人の偶然の出会い、真実を知らぬまま互いに苦悩するさまもよく描けていて、全ての謎がお白州で明かされる趣向も良し。

ロケ地
  • 和泉屋に依頼された山田浪人が、堺屋を暗殺する夜道、大覚寺五社明神。後段、金さんが遺留品の袱紗を彼に示すシーンは昼間、塔が映り込んでいる。
  • 相良藩江戸家老・川口邸、相国寺林光院
  • 山田浪人の家、大覚寺大沢池畔に設営。かなり水面に近いところに建ててあり、けっこう作り込んである。中の座敷から水面を望む図も出る。
  • 駿府へ調査に赴く虎さん、街道は池の土手沿いの地道、野良仕事の夫婦にものを聞く谷地田沿いの一件には道端に例の土壁瓦葺の小屋。
  • 八重に縋られ、二人で上方へ向かう山田、街道は酒屋神社前の坂や池端に似る。灯篭が映る場面も。事後、八重とその兄、山田の三人で行く街道も同所。虎さんのもひょっとしたら同じ。
  • 八重たちの父が討手となり、山田の父を斬ろうとした駿州・相良城下の八幡裏、走田神社稲荷社(祠のまわりに玉垣が見えているので、違うかも)

2016/4/18

■ 遠山の金さん捕物帳 第121話「島送りを志願した女」1972.10.29NET/東映

 人を殺して遠島になる幼い弟に付き添って、共に島へ渡るという女。実は全くの無実な彼らを、金さんが寸前で救い上げるのだが、そもそもの起こりにはたいそうな盗賊団が関わっていた。

ロケ地
  • 大金を強請って来てほくほくの源次、高飛びの支度をする東屋で殺されるシーンは嵐山公園中ノ島橋を渡ったところにある東屋はありものか…ちょうどトイレの位置くらいか、休憩所のような椅子机あり、壁には円窓。
  • 広田屋寮、中山邸通用門。中はセット撮り。
  • 亀田藩下屋敷を見張る八熊、相国寺方丈塀際の茂みに潜み大光明寺門を見る。ここの賭場へ出入りの太一をシメるのは金さん、鐘楼脇。
  • 北町奉行所イメージ、京都御苑管理事務所東門(バンクフィルム)

2016/4/14

■ 遠山の金さん捕物帳 第120話「惚れて憎んで又惚れた女」1972.10.22NET/東映

 続く夜鷹殺しは、親のエゴ。姐さんたちと長屋に暮らす若き医師は、その昔父が貧しい患者にした仕打ちを忘れられずにいた。
若い二人を明るいほうへ導いて、遠山奉行の名裁き。

ロケ地
  • 屋台で蕎麦を食った帰りに殺される夜鷹、大覚寺天神島。検分は昼間。劇中、「河原」と称されている。
  • 蘭方医・高山宗庵(法院の位を持つ御典医)邸、相国寺光源院。後段、辻斬りを尾行してここへ辿り着く金さんのくだりでは、前の溝に隠れてついてゆく画が出る。
  • 年嵩の夜鷹が辻斬りに遭う夜の橋、犬飼川下河原橋。検分は橋下の河原で。
  • 文三親分たちも出張って警戒するなか出勤してきた夜鷹(中の人はお光)犬飼川下河原橋小幡神社(脇参道から中へ入り、拝殿前で辻斬りに遭遇)
  • 江戸払いとなった宗伯とお京、二人して奉行に紹介された小田原の医師のもとに向かう街道、不明(溜池端の坂道?)

2016/4/13

■ 遠山の金さん捕物帳 第119話「平手造酒を斬った男」1972.10.15NET/東映

 天保水滸伝秘史、病んでもいなかった平手造酒が三下の手にかかった訳は、というお話。彼と剣の同門であった遠山奉行は下総へ赴き、汚い企みをそっくり暴くのであった。

ロケ地
  • 笹川と飯岡の大出入り、利根河原は木津川河川敷。砂地と葦原が使われる。
  • 平手造酒を手にかけたチンピラの一人・紋太を捕縛し唐丸で連行する助五郎、街道は走田神社社叢脇地道(田畦にはさ木が見える)。紋太を始末にかかる飯岡近くの橋、犬飼川下河原橋。唐丸はいったん橋を渡り、橋下河川敷で紋太を解放したうえで斬りかかる。ここへ金さんの介入、紋太を連れて逃げる。このあと繁蔵たちが現れ、助五郎は斬られて橋上からドボン(このあと這い上がってお俊のもとへ)

2016/4/12

■ 遠山の金さん捕物帳 第118話「密偵をやめた女」1972.10.8NET/東映

 権力を笠に着て、大塩の乱の残党を恐喝して肥え太る悪党ども。その手先をつとめる元夜鷹の姐さんだが、的と一ツ家に暮らすうち情いや増し、愛の結晶も宿す次第。その思いを踏みにじる外道どもを、天下の名奉行は捨て置かないのであった。
金さん成分少な目のお話だが、大塩中斎を心の師と仰ぐ陽明学の実践者ぶりが描かれて趣深い。

ロケ地
  • 両替商・土佐屋を恐喝して帰りの岡っ引を斬る頭巾の浪人、上賀茂神社奈良社鳥居前、北神饌所前。後日、その浪人が押し包まれて斬殺され、懐の連判状を奪われる夜道も同所。
  • 観月の夕べ、勘定吟味役・伊藤や手下の岡っ引・辰蔵らがいる桟敷は大覚寺観月台。その下、町衆が楽しむ床几は五社明神鳥居前付近にあしらい。ここでは、お咲が亭主の平吉に弟の不始末清算の金をねだる「芝居」があり、桟敷の辰蔵とアイコンタクト。また、このとき八熊がひねり出す怪しの川柳を書き留めた一巻が、お白州で効くアイテムになる。
  • 金策に行くと称し、平吉が「軍資金」を取り出しに行く寛永寺裏の墓地、金戒光明寺本堂裏手墓地。ラス立ちもここで。行き来の際、本堂裏や、露仏が映り込んでいる。
  • 平吉が呉れた、刻印入りの小判を届けさせるお咲だが思い直し取り返しに行く伊藤邸、相国寺林光院

2016/4/11

■ 水戸黄門第一部 第8話「まぼろしの剣」1969.922TBS

 腕はもちろん男ぶりも良い剣客が、未来を放棄し旅籠の女将のヒモで暮らすには、深刻な訳あり。しかし企みが仕組まれた試合を受けてたつ総十郎、光を失う前に剣客として逝くのだった。

ロケ地
  • 古渡道場の門、民家長屋門。総十郎に復帰を断られ萎れて帰ってきた兵馬が、家老の駕籠が出てゆくのを見るシーン。
  • 総十郎の回想、暇乞いをして去る彼を追ってきた、道場主の娘・世津を突き放した道、民家南塀際。総十郎が去ってゆくのはお隣の西塀際(道路側)
  • 茨剣鬼との「他流試合」に指定の琴引の滝、琴滝。靄のかかるなか家老と田川道場一派が坂をのぼってくる。試合は滝壺前で。伏兵が斜面のあちこちに潜む。
  • 兄弟子の危機に駆けつける兵馬だが、家老の手下に阻まれ斬り合いとなる道、中山池堰堤上の道〜鶯橋とその先の坂。ここは、滝へ赴く総十郎も通っている。
  • 兵馬らに見送られ当地を発つ老公一行、不明(はさ木の目立つ地道で周囲は田んぼ、遠景には河畔林と思しき緑も。亀岡盆地か)

2016/4/8

■ 遠山の金さん捕物帳 第117話「泥棒に嫁入りした女」1972.10.1NET/東映

 壁小僧と異名をとった大盗が島抜け、昔の手下も呼んで土蔵破りに及ぶが、彼らを動かしていたのは役人と悪徳商人、しかも事後消すつもりでいた。
メインは、恩あるかしらに呼ばれ悩む元手下の百太郎と、彼の愛妻・おこよ。前科者と女郎上がりの、けなげな夫婦であった。

ロケ地
  • 喜平次を騙ってびいどろ屋に入った賊が、雇い主に盗品を見せる屋形船、大川に浮く船イメージは罧原堤下の桂川か。夜景

2016/4/7

■ 遠山の金さん捕物帳 第116話「坊主が惚れた女」1972.9.24NET/東映

 前科のあるお店者が濡れ衣を着せられる事件に、得にもならないのに容喙する春海坊主。お店者の恋人が昔日のマドンナと同じ名だからというセンチメンタルな訳があるのだが、お蔵米横流し一味の首魁にマドンナその人が含まれるという、ハードな展開になってゆく。

ロケ地
  • 水茶屋勤めの恋人・お絹に簪を渡した帰り道、瀕死の男を見て驚き、煙草入れを落として立ち去る辰次、今宮神社石橋上〜摂社脇。後から犯人のならず者たちがわらわらと出てくる。
  • 春海が大僧正に化けて乗り込む、蔵奉行・桑山邸、建仁寺久昌院。駕籠の出入り等に門と玄関まわりを使うほか、座敷も使用のもよう。中から門外を見る図では、三門・仏殿間の「緑地」が映り込んでいるが、塀が見えているのは拵えものか。お供は八熊、玄関では生臭坊主が相模屋の後家で女傑のおりんにやり込められる、傑作なシーンが撮られている。
  • おりんの誘い文に乗った春海がいそいそ出かけてゆく夜の森下神社、上賀茂神社奈良社。逃げた春海が潜んで追っ手をやり過ごすのはならの小川畔摂社、この後神事橋上に佇み物思うところへ、文を見て飛んできた金さんが現れる。
  • 事後、釣りをしている春海のところへ金さんが来て声をかけるシーン、大覚寺大沢池船着(小)。後から、助かった恋人たちを連れてお光らがやって来る。水面に睡蓮びっしり。

2016/4/6

■ 遠山の金さん捕物帳 第115話「殺しを頼まれた男」1972.9.17NET/東映

 殺人のかどで八州に追われている重吉が、江戸に舞い戻る。彼は、ある人を捜し出して救うため、金を欲していた。悪党はそこに付け込んで人殺しを依頼するが、的の商人は重吉の弟が勤めるお店のあるじなのだった。

ロケ地
  • 油商人・伊丹屋が上方の買い付けから戻り、船からおりる夜の品川海岸、唐崎神社。斬られて負傷した番頭の代わりに、金さんが栄次と主を迎えに来る運びで、石垣の階を船着きに見立てる。佐野屋の使いと称する向きと立ち回りは「松」の下。建物も一部映り込んでいる。
  • 佐野屋が伊丹屋をうまうまと連れ込む深川の寮イメージ、中山邸通用門

2016/4/5

■ 遠山の金さん捕物帳 第114話「笑って死んだ女」1972.9.10NET/東映

 三人の廻船問屋が狙われる因は、遠い過去にあり。謎が深まりお手上げのところに高崎さまの調査報告、もう間に合わないと思ったところに虎さんのフォロー、程よい加減で金さんを助けるのであった。
タイトルは、悪が裁かれたのを見届けて白州で逝く菊乃姐さん。家族とあの世で、と言うしかない奉行であった。

ロケ地
  • 実は廻船問屋・天満屋の主であった「囚人」が牢で密殺され運ばれる夜の墓地、大覚寺五社明神祠付近に卒塔婆等多数設置、「囚人・伝六」の屍が乗せられ「ダンナ、もう大丈夫」と「起こされる」台は、その南側に置かれている(ここでマジ死体になっていることが判明)。人夫たちを締め上げてのちの検分で、昼間の画も出る。

2016/4/4

■ 遠山の金さん捕物帳 第113話「亭主に狙われた女」1972.9.3NET/東映

 金さん、お光の友達が女将という呉服屋に引っ張っていかれるが、見ているのはあるじの利き手という職業病。そして定石どおり、おしどり夫婦と見えたはそらごとで、入り婿の亭主は野望を果たそうとしていた。
判決後も夫を気遣う女房、それに泣く男哀れ。

ロケ地
  • 女をとったと激怒する男に斬りつけられる力蔵、下鴨神社泉川(夜仕立ての画)。揉み合ったすえ刺殺してしまった相手を埋める力蔵は糺の森か。このとき越後屋宗助に見られている次第。
  • 力蔵が宗助に呼び出され、越後屋の家付娘・お文を殺せと強要されるくだり、神社境内か。灯篭や石造物が横倒しになっているのはあしらいもの、お堂のような建物はありものか。
  • 見張りをたばかってお久を連れ出した宗助、消しにかかるシーンは不明、御香宮裏手摂社群みたいな感じの囲いが見える。
  • 北町奉行所イメージ、京都御苑管理事務所東門(バンクフィルム)

2016/4/3

■ 合葬  2015.9.26松竹

 最後の将軍・徳川慶喜がお山を去って無血開城成り、大樹警護の意義を失ったあとも、「彼ら」はそこに居続けた。圧倒的な戦力が不満分子を一日で鎮圧するまでのひと月あまり、各人各様の目的と意思をもってそこに居た、青年たちのドラマ。

ロケ地

  • 慶応四年四月十一日、謹慎地の寛永寺を出る徳川慶喜、大覚寺明智門が開くと、石畳の向こうに増上寺大殿。拝跪して見送る幕臣たちはセット塀際。慶喜が出てゆく門は不明。
  • 極を連れ戻すためお山へ向かう悌二郎、大覚寺放生池堤。大沢池畔や堤には森を合成、「不忍池弁天堂」も配してある。境内描写は、春性院もセット。後段にも出て、蓮の花はイメージにも挿まれる。
  • 極宛てのかなの文を読み破り捨てる柾之助、松竹セットの「あの橋」、運河と蔵は合成。
  • 組頭から出た金で深川へ繰り出す隊士たち、遊女相手に会談をぶつくだりで出る「ある寺境内の大きな楠」、大覚寺護摩堂脇の木、護摩堂は裏側を映し夜景、酔った男は根方に凭れ掛かり。
  • 砲声轟く上野のお山、大沢池に咲く一面の蓮の上をカメラが這い、遣水跡の戦闘シーンへ。戦死した悌二郎を見つけ介錯するのは梅林。この間、ずっと雨が降っている。
  • 百姓衆が極を葬ってくれる塚、酵素か。

2016/4/2

■ 遠山の金さん捕物帳 第112話「競馬に恋を賭けた女」1972.8.27NET/東映

 今回は遠征もの、府中宿で行われるという奉納競馬にキナ臭いものを嗅いだ金さん、はるばる出かけてゆく。果たして江戸で聞いたとおり、二足のわらじを目指す地回りが、代官に取り入るため汚い企みを巡らせていた。
いろいろと動いた金さん、最終的に代官のお裁きの場にぬっと現れ、桜吹雪を開陳してみせるのであった。

ロケ地
  • 八熊がゆく街道、若森廃橋を北へ渡る。こっそりついてきた金さんは橋たもとに。
  • 八熊が馬子の伍助と駿馬のタロに出会う里道、不明(小丘の裾の細い地道、畦畔木のある里の道)。伍助宅は元萱葺と思しき鉄板張り、後段では近くに蔵なども。
  • 代官の馬・ハヤテを任され調練する源太、地回りの権蔵につかまり、タロには勝てないと言うと打擲されるくだり、藪田神社脇参道(騎馬は南から駆けてくる。この際里もかなり映る/グラウンドもフェンスもまだ無い)〜鳥居前。
  • 出張先の大工仲間に権蔵のことを聞きこむ八熊、手下が現れ連れ込まれる夜のやしろ、大覚寺五社明神。出水憲司とかに「誰に頼まれた」と凄まれ危機一髪のところ、金さん介入。
  • 府中代官所イメージ、大覚寺明智門(パーツ)。ここでの代官と権次の密談を聞いた虎さん、金さんに報告する神社(?)は藪田神社舞殿脇か。
  • 権次が伍助から取り上げたタロを駆る源太、本梅川左岸堤若森廃橋(南へ渡る)本梅川右岸堤。戻ると、金さんが橋にいて、純粋に馬を好きな源太に訴えるように「説諭」。
  • 奉納競馬が行われる神社、下鴨神社。人の波にカナ文たちもいる「参道」は河合社前、レース場は馬場、観衆は河合社脇や瀬見の小川河床、参道などにいる。レースは重馬場、何頭か走っている中には「軽トラ馬」も混じるもよう。
  • タロが勝ってしまうレース、源太が権蔵の制裁を受けるところへ金さん乱入のシーンは藪田神社、参道と境内を使って大立ち回り。このとき、舞殿がまだ萱葺と確認できる。

2016/4/1

■ 遠山の金さん捕物帳 第111話「鬼を宿らせた女」1972.8.20NET/東映

 祝言を間近に控えた、大店のお嬢様の墜死事件。ハナから臭いと睨んだ金さん、内情を探るもお手上げのところ、現場に戻りヒントをつかむ。
断罪のあとも業丸出しで男にからみつく、鬼女の執念が凄まじい。

ロケ地
  • 伏見屋の娘が墜死する山門、金戒光明寺三門。後段、楼上から人知れずおりてきた人影のくだりで、階や戸口が使われる。
  • 死んだ娘の兄の勘当息子に連れられ吉原へ行く手代・清三郎、用心棒の金さんと帰る夜道で堀浪人の襲撃、大沢池堤か広沢池か。
  • 手詰まり金さん、現場へ戻って聞き込みのくだり、金戒光明寺三門のほか茶所も使われる。茶店設定、背景に門と鐘楼。

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